JP2019106158A - 生産管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ネットワークに加入すべき装置が8台以上存在する工場にも適用可能であって、且つ、リアルタイムに管理用のデータを送受信可能な生産管理システムを提供する。【解決手段】管理用端末1と複数のPLC3のそれぞれのRS232Cポートには、APIモードで動作するようにされたZigBeeモジュール4が接続されており、これらの各装置は、APIフレームを用いて相互に無線通信可能に構成されている。PLC3が送信するAPIフレームのデータ本文領域には、制御対象とする生産設備2の稼働状況を示す項目として予め設定されている複数種類の情報が挿入されるべき固定領域が設定されている。固定領域は、上記複数種類の項目のそれぞれに対応するビットを備えており、各PLC3は、固定領域が備える各ビットに、上記複数種類の項目の状態に応じた値を設定したAPIフレームを生成して送信する。【選択図】図1

Description

本開示は、複数の生産設備を備える工場における生産管理システムに関する。
従来、製品製造工場においては、製造目的である製品の製造のための種々の機械や装置(以降、生産設備)と、当該生産設備を制御するプログラマブルロジックコントローラ(以下、PLC)とを用いて、作業の自動化が図られている。生産設備を制御するPLC本体又はその近傍には、当該PLCが担当する製造工程の不良品発生率や、制御対象の稼動状態を示す表示器(いわゆるプログラマブル表示器)が配置されている事が多く、作業者は、当該表示器をみることで、生産設備が正常に稼働しているか否かを管理することができる。
特許文献1には、生産設備の稼働状況等を効率的に管理するための構成として、生産進捗管理コンピュータと各生産ラインに設置されたPLCとが有線/無線通信することにより、各PLCから送信される生産進捗データに基づいて生産進捗状況を一括管理する構成が提案されている。なお、ここでの生産進捗データとは、タッチパネル等を介して作業員によって入力される、作業者氏名、製品の型番、作業時間、予定生産台数、現在生産完了台数、現在生産NG台数を含むデータである。PLCと生産進捗管理コンピュータとの通信方式としては、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)などを採用可能であると記載されている。
ところで、BluetoothもZigBeeも何れも近距離無線通信の規格であるが、それぞれの特性は異なる。例えばBluetoothの通信速度は1〜24Mbpsであるのに対して、ZigBeeはセンサネットワーク用に作られた規格であるため、最大250kbps、実用上は192kbps以下と低速である。また、Bluetoothの同時接続ノード数は7であるのに対し、ZigBeeの同時接続ノード数は、後述するAPIモードでの動作時には65536である。このようにBluetoothとZigBeeとでは、同時接続可能なノードの数や通信速度等は大きく異なる。
なお、ZigBeeの規格に準拠して通信を実施する通信モジュール(以降、ZigBeeモジュール)には、動作モードとして、透過モードと、API(Application Programming Interface)モードの2つが用意されている。
透過モードは、ZigBeeモジュールと接続されているマイクロコンピュータ(以降、マイコン)からZigBeeモジュールに入力されたデータをそのまま無線送信するモードである。動作モードが透過モードに設定されているZigBeeモジュールは、既存のシリアル通信を無線通信に置き換える構成として作用する。このような透過モードは、簡単な設定のみでシリアルポートを無線化できるといったメリットがある反面、通信の安定性・確実性が低く、通信距離が短いといったデメリットがある。また、透過モードは、1本の通信ケーブルを無線化するものであるため、1対多数のネットワークを構築するためには使用できない。
他方、APIモードは、所定のフォーマットに準拠した通信フレーム(いわゆるAPIフレーム)を用いてデータ通信を実施するモードである。マイコンは、送信したいデータを、APIフレームが備えるデータ本文領域に挿入してZigBeeモジュールに出力することによって、相手側装置と無線通信を実行することができる。APIモードによれば、1フレームのサイズが小さいことに加えてAck要求送等の機能が利用可能であるため、相対的に通信の安定性を高める事ができる。しかしながら、1つのAPIフレームが備えるデータ本文領域は最大65バイトであり、通信容量が非常に小さい。故に、APIモードは、センサネットワークの形成に利用されることが一般的である。
特開2010−146256号公報
特許文献1には、工場内にある複数設備の各種情報を収集する生産管理システムを構築する無線通信ネットワークの規格の一例として、BluetoothやZigBeeが列挙されているが、その具体的な実現方法については検討されていない。
生産管理のための情報としては、生産設備が正常に動作しているか否かや、材料の補充が必要であるか否か等を判定するために、例えば機械類の温度や、不良品発生率、材料の残量などといった様々な情報を含んでいることが好ましい。そのような事情を鑑みると、複数のPLCと管理用端末とを接続する無線ネットワークを構築するための規格としては、一見、通信容量が大きいBluetoothのほうが好適である。
しかしながら、Bluetoothの同時接続ノード数は7であり、PLCや管理用端末などのネットワークに加入すべき装置が8台以上存在する場合には、Bluetoothでのネットワークの構築は困難となる。特に、大規模な工場であるほど、Bluetoothは通信ネットワークの規格として不適となる。これに対して、ZigBeeのAPIモード動作における同時接続数は65536であり、大規模な工場においても十分に対応可能であることが見込まれる。
ただし、1つのAPIフレームが備えるデータ本文領域は最大65バイトであり、生産管理に必要な項目についての情報を1つのAPIフレーム内に収めることは難しい。生産管理用のデータを複数のAPIフレームに分割して送信することも考えられるが、複数のAPIフレームに分割すると、全ての項目についての情報が揃うまでにかかる時間が増大し、通信のリアルタイム性が劣化する恐れがある。
なお、ZigBeeモジュールはAPIモード以外の動作モードとして、前述の通り、透過モードを備える。ZigBeeの透過モードによれば簡単に2つの装置間の通信を無線化することが可能であるが、安定した通信を実現する為には、安定した通信を実現するためには数mおきにルータを配置する必要がある。大規模な工場においては、PLC同士が5m以上離れていることや、管理用端末からPLCまでの距離が5m以上離れていることが想定されるため、透過モードで安定した装置間の無線通信を実現しようとすると、PLCとPLCの間や、PLCと管理用端末との間にルータを配置する必要が生じてしまう。加えて、そもそも透過モードは、装置間をつなぐ1本の通信ケーブルを無線化するようなものであるため、1対多数のネットワークを構築するためには使用できない。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、ネットワークに加入すべき装置が8台以上存在する工場にも適用可能であって、且つ、リアルタイムに管理用のデータを送受信可能な生産管理システムを提供することにある。
その目的を達成するための本開示の生産管理システムは、工場の生産ラインに配置されている生産設備の動作を、生産設備に設けられている複数のセンサの検出結果に基づいて制御する複数のコントローラ(3)と、複数のコントローラと離れた位置に配置されているコンピュータである管理用端末(1)と、を備える生産管理システムであって、コントローラと複数の管理用端末は、ZigBee(登録商標)のAPIフレームを用いて無線通信を実施可能に構成されており、コントローラと管理用端末との間で送受信されるAPIフレームにおいて、データ本文が挿入されるデータ本文領域には、生産設備の稼働状況を管理するための、予め定められている複数種類の項目についての情報が挿入される固定領域(D91)と、生産設備の稼働状況についての任意の情報を挿入可能な自由領域(D93)と、が設定されており、固定領域は、生産設備の稼働状況を管理するための予め定められている複数種類の項目のそれぞれに対応するビットを備えており、コントローラは、ZigBeeの規格に準拠した通信を実施するための通信モジュールである設備側モジュール(4b)と、制御対象とする生産設備に設けられている複数のセンサのそれぞれの検出結果を取得するデータ取得部(F31)と、データ取得部が取得した検出結果に基づいて、複数種類の項目のそれぞれについての情報を0又は1で表現する2値化部(F321)と、固定領域が備える各ビットに2値化部の演算結果に対応する値が設定されているAPIフレームを設備側モジュールに出力し、無線送信させる送信処理部(F33)と、を備え、管理用端末は、ZigBeeの規格に準拠した通信を実施するための通信モジュールである管理側モジュール(4a)を介して、コントローラが送信したAPIフレームを受信する受信処理部(F11)と、受信処理部が受信したAPIフレームの固定領域に配置されているビットパターンに基づいて、生産設備の稼働状況を特定する状態特定部(F12)と、を備える。
以上の構成によれば、複数のコントローラと管理用端末とはZigBee規格に準拠した方式(特にAPIフレームを用いる通信方式)で無線通信を実施する。すなわち、上記の構成は、工場内にある複数の生産設備の各種情報を収集する生産管理システムを提供する無線通信ネットワーク(以降、工場内通信ネットワーク)を、ZigBeeのAPIモードを用いて実現している構成に相当する。
このような態様によれば、ZigBeeのAPIモードにおける同時接続数は65536であるため、通信ネットワークに加入すべき装置が8台以上存在する工場においても、工場内通信ネットワークを構築することができる。また、コントローラや管理用端末といった、工場内の各装置はZigBeeのAPIフレームを用いて(換言すればAPIモードで)無線通信を実施するため、透過モードを用いて無線通信を実施する場合よりも、装置間の通信の安定性を高めることができる。
さらに、各コントローラは、生産設備の稼働状況を管理するための複数種類の情報のそれぞれを1ビットで表現したAPIフレームを生成して送信する。このような構成によれば、各コントローラは、生産設備の稼働状況の管理に必要な情報を1つの通信フレームで管理用端末に報告することができる。よって、生産設備の稼働状況を管理するための情報を複数のAPIフレームに分割して送信する構成に比べて、全ての項目についての情報が揃うまでにかかる時間を低減することができる。つまり、コントローラと管理用端末との間でリアルタイムに管理用のデータを送受信可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
本実施形態にかかる生産管理システム100の概略的な構成を示すブロック図である。 管理用端末1の概略的な構成を示すブロック図である。 PLC3の概略的な構成を示すブロック図である。 APIフレームの構成を説明するための図である。 データ本文領域D9の構成を説明するための図である。 変形例1としての生産管理システム100の概略的な構成を示すブロック図である。 工業用可搬端末5の概略的な構成を示すブロック図である。
以下、本開示の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本開示に係る生産管理システム100の概略的な構成の一例を示す図である。生産管理システム100は、所定の製品を製造するための工場において、当該製品を製造するための種々の設備の稼働状況等を管理するシステムである。図1に示すように生産管理システム100は、少なくとも1つの管理用端末1、複数の生産設備2、複数のPLC(Programmable Logic Controller)2、及び、複数のZigBeeモジュール4を備える。なお、ZigBeeモジュール4は、ZigBee(登録商標)の規格により通信を行う装置(換言すれば通信モジュール)である。
管理用端末1は、各生産設備2の稼働状況を示すデータを管理するためのコンピュータである。なお、各生産設備2の稼働状況を示すデータは、別の観点によれば、生産ラインの状態や実績を示すデータに相当する。管理用端末1は、パーソナルコンピュータやサーバ等の汎用的なコンピュータを用いて実現することができる。管理用端末1は複数存在しても良い。
この管理用端末1は、図2に示すように、制御部11、ディスプレイ12、スピーカ13、操作装置14、入出力ポート15、及び管理データベース16を備えている。制御部11は、ディスプレイ12、スピーカ13、操作装置14、入出力ポート15、及び管理データベース16のそれぞれと相互通信可能に構成されている。制御部11は、種々の演算処理を実行する構成であって、CPU、RAM、ROMなどを用いて実現されている。
制御部11が備えるROMには、通常のコンピュータを管理用端末1として機能させるためのプログラム(以降、管理用プログラム)が記憶されている。なお、管理用プログラムは非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に格納されていればよく、具体的な記憶媒体はROMでなくともよい。CPUが管理用プログラムを実行することは、管理用プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。管理用プログラムには、後述するAPIフレームを送受信するためのプログラム(以降、ZigBee通信用プログラム)も含まれている。また、制御部11が備えるROMには、より好ましい態様として、後述する異常コード毎の原因や、作業員がとるべき処置を定義したデータ(以降、異常事例データ)が保存されているものとする。
制御部11は、管理用プログラムを実行することによって発現される機能ブロックとして、受信処理部F11、状態特定部F12、及び報知処理部F13を備える。これらの機能の詳細については別途後述する。なお、これらの機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されていても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICを用いて実現する態様も含まれる。
ディスプレイ12は、制御部11から入力された映像信号(換言すれば画像データ)を表示する装置である。ディスプレイ12としては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等、多様な表示装置を採用することができる。スピーカ13は、制御部11から入力された電気信号を音に変換して出力する装置である。操作装置14は、ユーザが管理用端末1に対する指示操作を行うための装置であって、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル等である。
入出力ポート15は、管理用端末1が、他の装置と通信するためのインターフェースとして機能する構成である。管理用端末1は、入出力ポート15として、RS232CポートP1を備える。RS232CポートP1は、Recommended Standard 232C(以降、RS232C)の規格に準拠した通信を提供する入出力ポートである。なお、RS232Cの規格に準拠しているということは、ANSI/TIA/EIA-232-F-1997の規格に準拠していることに相当する。RS232CポートP1には、ZigBeeモジュール4が接続されている。これにより、管理用端末1は、他の装置とZigBeeの規格に準拠して無線通信を実施することができる。その他、管理用端末1は入出力ポート15としてUSBポートなどを備えていても良い。
便宜上、管理用端末1のRS232CポートP1に接続されているZigBeeモジュール4のことを、管理側モジュール4aとも記載する。管理側モジュール4aは、本実施形態では一例として、「Coordinator」と呼ばれるネットワーク親機として動作するように、設定されているものとする。ネットワーク親機は、他のZigBeeモジュール4であってもよい。
管理データベース16は、各生産設備2の稼働状況を示すデータを記憶する記憶装置である。管理データベース16は、ハードディスク等といった、不揮発性であって書き換え可能な記憶媒体を用いて実現されている。なお、管理データベース16を構成する記憶媒体としては、フラッシュメモリなど、多様な記憶媒体を採用することができる。
生産設備2は、所定の生産対象物を構成する部材(いわゆるワーク)を加工することによって生産対象物を生産する設備である。生産設備2は例えば、製品の生産に係る工程(いわゆ製造工程)毎に設けられている。なお、生産設備2は、1つの製造ラインに相当するものであっても良い。
各生産設備2は、担当している製造工程に応じた加工を行うための構成を備える。製造工程に応じた加工には、複数のワークの組付けの他に、ワークの折り曲げや削り取りといった形状加工、洗浄、加熱、冷却、磨き、射出成形等による部品の製造なども含まれる。また、生産設備2は、カメラや重量センサ等を用いて部品の検査を行う装置であっても良い。
なお、図1において生産設備2は3つしか示していないが、生産設備2は4つ以上設けられていても良い。また、生産設備2は少なくとも1つ存在すればよく、生産設備2の数は1や、2であってもよい。ここでは一例として工場内には、10以上の生産設備2が設けられているものとする。
各生産設備2には、当該生産設備2の動作状況を示す情報を取得するための種々のセンサ(以降、センサ)21が設けられている。種々のセンサ21の検出結果を示す信号は、信号線又は通信ネットワークを介して、当該生産設備2の動作を制御するPLC3に逐次出力される。
なお、生産設備2に設けられているセンサ21の種類及び個数は、当該生産設備2が担当する製造工程の内容や、生産設備2の構成に応じて適宜設計されれば良い。センサ21には、生産設備2を構成する機械類が正常に動作していることを検出するためのセンサが含まれる。例えば生産設備2がモータを備える場合には、当該モータの駆動電流や、印加電圧、温度等を検出するセンサもセンサ21に該当しうる。また、生産設備2が油圧アクチュエータを備える場合には、油圧や油の温度を検出するセンサもセンサ21に該当する。生産設備2が液体などの流体を取り扱う場合には、流量計などもセンサ21に該当しうる。生産設備2が、上下に動くシリンダを構成要素として備える場合には、当該シリンダの位置を検出するセンサもまた、センサ21に該当しうる。
その他、センサ21としては、生産設備2に対して予め設定されている作業エリアに人が入ったことを検出するセンサ(いわゆる人感センサ)も採用することができる。生産設備2が作業扉を備える場合には、当該作業扉の開閉状態を検出するセンサもセンサ21に該当しうる。センサ21には、作業員によって非常事態が発生していると判断された場合に、生産設備2を停止したりオペレータに通知したりするためのボタン(いわゆる非常ボタン)も含まれる。PLC3と生産設備2との通信異常を検出するセンサなどもセンサ21として設定可能である。
PLC3は、生産設備2に設けられているセンサ21の検出結果に基づいて、生産設備2の動作を制御する装置である。PLC3は、シーケンサとも称される。PLC3がコントローラに相当する。当該PLC3は、生産設備2毎に設けられている。すなわち、本実施形態の生産管理システム100は10台以上のPLC3を備える。
なお、本実施形態のPLC3は、概略的には、制御対象として自分自身と対応付けられている生産設備2の動作を制御するとともに、生産設備2の稼働状況に係る情報を取得して、管理用端末1に送信するように構成されている。また、PLC3は、動作モードとして、作業員等によって設定された情報に基づいて生産設備2を自動制御する自動運転モードと、生産設備2の自動制御を停止する制御休止モードとを備える。本実施形態ではより好ましい態様としてPLC3は、制御休止モード中においても生産設備2の監視を実行するものとする。また、複数のPLC3のそれぞれには他のPLC3とは重複しない固有の番号(以降、設備番号)が付与されている。設備番号は、生産設備2やPLC3の管理に利用される。
なお、PLC3は、ライン搬送設備の動作を制御するものであっても良い。また、本実施形態では1つの生産設備2に対して1つのPLC3が設けられているが、これに限らない。1つのPLC3が複数の生産設備2を統括して制御するように構成されていてもよい。
PLC3は、演算モジュール31、電源モジュール32、及び、入出力部33を備える。演算モジュール31は入出力部33と相互通信可能に接続されている。演算モジュール31は、CPU、RAM、ROM、及び入出力ポートを備えるマイクロコンピュータを用いて実現されている。ROMには、所定の設備制御プログラムが保存されている。なお、設備制御プログラムは非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に格納されていればよく、具体的な記憶媒体はROMでなくともよい。CPUが設備制御プログラムを実行することは、設備制御プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。
演算モジュール31が所定の設備制御プログラムを実行することにより、PLC3は生産設備2の制御や、管理用端末1とのデータ通信を実施する。演算モジュール31は、設備制御プログラムを実行することによって発現される機能ブロックとして、データ取得部F31、フレーム生成部F32、及び送信処理部F33を備える。これらの機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されていても良い。これらの機能の詳細については別途後述する。
電源モジュール32は、工場内に設けられている電源から供給される電力を、PLC3が備える各部の動作に適した電圧、電流を生成し、各部に供給するモジュールである。電源モジュール32は、演算モジュール31や入出力部33と電気的に接続されている。例えば電源モジュール32は、CPUや種々の電子回路を駆動するための構成を備える。また、電源モジュール32は、生産設備2が備えるアクチュエータ類を駆動するための電圧、電流を生成するための構成を備える。
入出力部33は、PLC3が外部の装置(例えば生産設備2)と通信するためのインターフェースとして機能する構成である。前述の生産設備2が備えるセンサ21の出力信号は、入出力部33を介して演算モジュール31に入力される。換言すれば、演算モジュール31は、入出力部33を介して種々のセンサ21の検出結果を示す信号を逐次取得する。
入出力部33は、アナログ信号が入力されるアナログ入力部や、アナログ信号を出力するアナログ出力部、デジタル信号を入出力するためのデジタル入出力部を備える。また、入出力部33は、シリアル通信インターフェースとして、RS232CポートP3を備える。PLC3に設けられているRS232CポートP3は、管理用端末1が備えるRS232CポートP1と同様の構成である。すなわち、RS232CポートP3は、RS232Cの規格に準拠した通信を提供する入出力ポートである。
RS232CポートP3には、ZigBeeモジュール4が接続されている。便宜上、PLC3のRS232CポートP3に接続されているZigBeeモジュール4のことを、設備側モジュール4bとも記載する。また、RS232CポートP1とRS232CポートP3とを区別しない場合には、符号を省略してRS232Cポートと記載する。
ZigBeeモジュール4は、冒頭に記載の通り、ZigBeeの規格に準拠して、他のZigBeeモジュール4と直接的に無線通信を行う通信モジュールである。ZigBeeモジュール4には、最初から64ビット(換言すれば8バイト)の固有のアドレス(以降、フルアドレス)が割り振られている。フルアドレスは、ロングアドレスとも称される。なお、ZigBee規格のうち、物理層を含む基礎部分の仕様は、IEEE 802.15.4として規格化されている。そのため、ZigBeeモジュール4はIEEE 802.15.4の規格に準拠して、他のZigBeeモジュール4と無線通信を実施する装置とみなすことができる。ZigBeeモジュール4自体は市販のものを利用することができる。
ZigBeeモジュール4は、無線通信を実施するべき装置に1つずつ備えられている。すなわち、ZigBeeモジュール4は複数のPLC3と管理用端末1に1つずつ備えられている。これにより、複数のPLC3のそれぞれと管理用端末1とは、ZigBee規格に準拠した通信方式で無線通信可能に構成されている。なお、PLC3同士もZigBee規格に準拠した通信方式で無線通信可能である。
以降ではPLC3や管理用端末1といった、ZigBeeモジュール4が接続している装置を接続装置とも称する。ZigBeeモジュール4は、PLC3等の接続装置に設けられているRS232Cポートに接続されている。ZigBeeモジュール4は、接続装置から入力されたデータに対して変調や符号化等の信号処理を施し、無線信号として送信する。また、ZigBeeモジュール4は、他のZigBeeモジュール4から送信されてきた無線信号を受信し、復調や復号などの信号処理を施してなるデータを接続装置に提供する。
ZigBeeモジュール4は、動作モードとして、透過モードとAPI(Application Programming Interface)モードとを備える。透過モードは、接続装置(例えばPLC3)からZigBeeモジュール4に入力されたデータをそのまま無線送信するモードであって、既存のシリアル通信を無線通信に置き換える構成として作用する。透過モードは、簡単な設定のみでシリアルポートを無線化できるといったメリットがある反面、通信の安定性・確実性が低いといったデメリットがある。透過モードを用いて安定した通信を実現する為には数mおきにルータを配置する必要がある。
他方、APIモードは、所定のフォーマットに準拠した通信フレーム(いわゆるAPIフレーム)を用いて、データ通信を実施するモードである。PLC4や管理用端末1といった接続装置とZigBeeモジュール4との通信、及び、ZigBeeモジュール4同士の通信はAPIフレームを用いて実現される。PLC4や管理用端末1は、送信したいデータを、APIフレームが備えるデータ本文領域に挿入してZigBeeモジュールに出力することによって、相手側装置と無線通信を実行することができる。APIモードによれば相対的に通信の安定性を高める事ができるが、1つのAPIフレームが備えるデータ本文領域は最大65バイトであり、通信容量が非常に小さいといった課題がある。故に、APIモードは、センサネットワークの形成に利用されることが一般的である。
本実施形態においては何れのZigBeeモジュール4も、APIモードで動作するように設定されている。ZigBeeモジュール4の動作モードの設定変更は、コンピュータを用いてZigBeeモジュール4のファームウェアを変更することで実現できる。
<PLC3の構成について>
ここでは図3を用いて、PLC3の演算モジュール31が備えるデータ取得部F31、フレーム生成部F32、及び送信処理部F33について説明する。フレーム生成部F32は、より細かい構成要素(換言すればサブ機能)として、2値化部F321を備える。
データ取得部F31は、制御対象とする生産設備2に設けられているセンサ21の検出結果を示すデータを、入出力部33を介して逐次取得する構成である。例えば制御対象とする生産設備2がモータを備える場合、データ取得部F31は当該モータの駆動電流や印加電圧、温度等を取得する。制御対象とする生産設備2が油圧アクチュエータを備える場合には、油圧や油の温度を取得する。
その他、データ取得部F31は、例えば作業エリアに人が存在しているか否かや、作業扉の開閉状態、非常ボタンのオン/オフ状態なども取得する。PLC3と生産設備2との通信が正常に実施できているか否かも逐次判定する。また、データ取得部F31は、種々のセンサ21の検出結果に基づいて、1サイクル毎の所要時間のばらつきや、不良品の発生率なども算出する。その他、データ取得部F31は、作業員によって入力された設定情報を保持している記憶媒体(例えばRAMやフラッシュメモリ)を参照し、自分自身の動作モードなどを取得する。
フレーム生成部F32は、データ取得部F31が取得しているデータに基づいてAPIフレームを生成する構成である。図4はAPIフレームの構成を示したものである。フレーム生成部F32が生成するAPIフレームは図4に示すように、ヘッダ領域D1、データ長領域D2、タイプ領域D3、フレームID領域D4、送信先アドレス領域D5、短縮アドレス領域D6、ホップ数領域D7、送信オプション領域D8、データ本文領域D9、及びチェックサム領域D10を備える。なお、図4に示すAPIフレームの全体構成は、ZigBee規格に準拠したものである。
ヘッダ領域D1は、データの始まりを表すスタートデリミタとして機能する固定ビット列が挿入される領域(換言すればフィールド)である。ヘッダ領域D1の大きさ(換言すれば幅)は1バイトに設定されている。データ長領域D2は、タイプ領域D3の先頭からチェックサム領域D10の前までの長さを示す領域である。換言すればデータ長領域D2は、送信データのサイズを示す。データ長領域D2の幅は2バイトに設定されている。
タイプ領域D3は、送信フレームの種別(換言すれば機能コード)を示す領域であり、その幅は1バイトに設定されている。タイプ領域D3には当該フレームが、送信を要求するフレームであるのか、ステータスの報告を要求するフレームであるのかを示すコードが設定される。タイプ領域D3の幅は1バイトである。フレームID領域D4は、フレームを識別するための番号が挿入される領域であって、フレームごとに異なる値が設定される。フレームID領域D4の幅は1バイトである。
送信先アドレス領域D5は、無線信号の宛先(換言すれば送信先)となるZigBeeモジュール4のフルアドレスが挿入される領域である。前述の通り、フルアドレスは、ZigBeeモジュール4毎に予め設定されており、且つ、固定である。送信先アドレス領域D5の幅は8バイトに設定されている。短縮アドレス領域D6は、無線信号の宛先となるZigBeeモジュール4の短縮アドレスが挿入される領域である。短縮アドレスは、ネットワーク加入時に動的に割り当てられるアドレスであって、ショートアドレスとも称されるものである。短縮アドレスを指定しない場合には、その旨を示す所定のコード(例えばFFFE)が設定される。短縮アドレス領域D6の大きさは2バイトである。
ホップ数領域D7は、ブロードキャスト時の許容ホップ数を示す値が挿入される領域である。ホップ数領域D7の幅は1バイトに設定されている。送信オプション領域D8は、送信データについての設定を示すコードが挿入される領域である。送信データについての設定としては、オプション無し、Ackが必要、Ackは不要、暗号化有効、暗号化無効などがある。
データ本文領域D9は、接続装置(例えばPLC3)から他の装置(例えば管理用端末1)に向けたデータ本文が挿入される領域である。その大きさは1フレーム当たり最大65バイトである。データ本文領域D9の具体的な構成については別途後述する。
チェックサム領域D10は、データを送受信する際の誤り検出符号が挿入される領域である。例えば、タイプ領域D3からチェックサム領域D10までの値の総和を算出するとともに、16進数のFFに対応する255から当該総和を減算してなる値を、255とアンドマスクした値が設定される。なお、チェックサムの算出方法は多様な方法を援用することができる。
次に、図5を用いて本実施形態のフレーム生成部F32がデータ本文領域D9の具体的な構成について説明する。本実施形態ではデータ本文領域D9は、図5に示すように、データ本文領域D9は、共通項目領域D91、設備番号領域D92、及び個別設定データ領域D93に分割されている。換言すれば、データ本文領域D9は、共通項目領域D91、設備番号領域D92、及び個別設定データ領域D93を備える。
共通項目領域D91は、PLC3が担当している生産設備2の種別(換言すれば生産工程)等によらずに、全てのPLC3で共通した項目についての情報が挿入される領域であり、その幅は1バイトに設定されている。共通項目領域D91は、生産設備2の稼働状況を管理するための、予め定められている複数種類の項目についての情報が挿入される固定領域に相当する。
共通項目領域D91が備える8ビットのそれぞれには、生産設備2の稼働状況を管理するための予め定められている複数種類の項目のそれぞれに対応づけられている。すなわち、共通項目領域D91は、生産設備2の稼働状況を管理するための予め定められている複数種類の項目に対応するビットを備えている。
具体的には、共通項目領域D91の第1ビット(換言すれば先頭ビット)は、制御対象とする生産設備2が運転中であるか、運転停止中であるかを示すビットに設定されている。第1ビットが1に設定されている場合には生産設備2が運転中であることを示す一方、第1ビットが0に設定されている場合には生産設備2が運転停止中であることを示す。
フレーム生成部F32が備える2値化処理部F321は、データ取得部F31が取得したデータに基づいて、生産設備2が運転中であるか否かを判定し、その判定結果に応じた値(つまり0/1)を当該第1ビットに設定する。例えばPLC3の動作モードが自動運転モードに設定されている場合には、運転中であると判定する。一方、PLC3の動作モードが制御休止モードに設定されている場合には、運転停止中であると判定する。
第2ビットはサイクル実行中であるか否かを示すビットに設定されている。第2ビットが1に設定されている場合にはサイクル実行中であることを示す一方、第2ビットが0に設定されている場合にはサイクル停止中であることを示す。なお、サイクル実行中とは、1サイクルとして規定されている一連の作業を実行している状態に相当し、サイクル停止中とは、当該一連の作業を実行していない状態に相当する。例えば、自動運転を実施していない状態や、サイクルとサイクルとの間に発生しうる待機状態などが、サイクル停止中に該当する。2値化処理部F321は、データ取得部F31が取得したデータに基づいて、生産設備2が1サイクルとして規定されている一連の作業実行中であるか否かを判定し、その判定結果に応じた値を当該第1ビットに設定する。
第3ビットは、異常が発生しているか否かを示すビットに設定されている。第3ビットが1に設定されている場合には所定の異常が発生していることを示す一方、第3ビットが0に設定されている場合には異常が検出されていないことを示す。2値化部F321は、データ取得部F31が取得したデータに基づいて、生産設備2に異常状態に陥っているか否かを逐次判定し、その判定結果に応じた値を当該第1ビットに設定する。例えば2値化部F321は、作業エリアに人が存在しているや、作業扉が所定時間以上開いた状態が継続している場合(つまり開けっ放しとなっている場合)、非常ボタンが押下された場合に生産設備2に異常が発生していると判定する。
また、PLC3と生産設備2との通信に異常が生じている場合や、センサ21としての温度センサや電流/電圧センサなどの検出値が予め設定されている適正範囲から外れた値(いわゆる異常値)となっている場合にも、生産設備2に異常が生じていると判定する。工程時間のばらつきや、不良品の発生率等が予め設定されている適正範囲から外れた値(いわゆる異常値)となっている場合にも異常状態であると判定することができる。生産設備2の異常を検出する方法としては多様な方法を援用することができる。
第4ビットは、作業員の呼び出しが必要であるか否かを示すビットに設定されている。第4ビットが1に設定されている場合には作業員の呼び出しが必要であることを示す一方、第4ビットが0に設定されている場合には作業員の呼び出しが不要であることを示す。2値化部F321は、データ取得部F31が取得したデータに基づいて、作業員の呼び出しが必要な状態に陥っているか否かを逐次判定し、その判定結果に応じた値を当該第1ビットに設定する。例えば2値化部F321は、生産設備2に異常が発生していると判定した場合や、材料の残量が所定の閾値以下となっている場合(換言すれば材料の補充が必要な場合)に作業員の呼び出しが必要であると判定する。なお、作業員の呼び出しが必要な場合とは、作業員による確認や、手作業が必要な場合に相当する。作業員の呼び出しが必要であるか否かの判定条件は適宜設計されれば良い。
第5ビットは、材料があるか否かを示すビットに設定されている。第5ビットが1に設定されている場合には材料が無いことを示す一方、第5ビットが0に設定されている場合には材料が有るであることを示す。材料が無いという状態は、材料が全く無い状態だけでなく、材料の残量が所定の補充閾値未満となっている状態も含む。同様に、材料が有るという状態は、材料の残量が所定の補充閾値以上となっている状態を含む。
2値化部F321は、データ取得部F31が取得したデータに基づいて、材料の残量が所定の補充閾値以下となっているか否かを逐次判定し、その判定結果に応じた値を当該第1ビットに設定する。補充閾値は0ではなく、作業員による補充が間に合う程度の余裕を持たせた値に設定されていることが好ましい。
なお、2値化部F321は、材料の補充が不要である場合に、材料有りと判定するように構成されていても良い。換言すれば、第5ビットは、材料の補充が必要であるか否かを示すビットに設定されていても良い。例えば製造物の検査などといった、材料を必要としない工程を担当する生産設備2のPLC3は、第5ビットに0を設定したAPIフレームを生成すればよい。
本実施形態において、第6〜8ビットは、将来的に生産設備2の稼働状況を管理するための項目が増えた場合のための空き領域である。2値化部F321は、第6〜8ビットには0を挿入する。
以上で述べたように2値化部F321は、生産設備2の稼働状況を管理するための予め定められている複数種類の項目のそれぞれについての情報を0又は1で表現し、共通項目領域D91において対応するビットに挿入する処理を行う。なお、生産設備2の稼働状況を管理するための種々の項目を何番目のビットに設定するか(換言すれば項目毎のビット位置)は適宜変更可能である。たとえばサイクル実行中であるか否かを第1ビットに割り当てても良い。
設備番号領域D92は、PLC3毎に設定されている固有の管理番号(以降、設備番号)が挿入される領域である。設備番号は、ZigBeeモジュール4のアドレスとは独立して設定されている。設備番号は、管理用端末1や作業員が管理番号を所定の桁(例えば上4桁)を参照することで、PLC3が担当している生産工程の種別(換言すれば制御対象とする生産設備2の種別)を特定可能なように構成されていることが好ましい。
データ本文領域D9が、ZigBeeモジュール4の固有アドレスとは独立した設備番号を含んでいることにより、仮にPLC3に取り付けているZigBeeモジュール4を取り替えた場合であっても、設備番号領域D92に含まれる番号情報は変化しない。そのため、受信側装置としての管理用端末1は、受信したデータの設備番号領域D92を参照することにより、ZigBeeモジュール4の取り替えが発生した場合であっても、受信データの送信元を容易に特定することができる。
個別設定データ領域D93は、PLC3が担当している生産設備2の種別や状況に応じた情報が挿入される領域である。例えば、共通項目領域D91に設定される情報を補足する、装置種別に応じた具体的な情報(例えばモータ温度や、残量数)などを示すデータが挿入される。
個別設定データ領域D93に挿入される項目の種類や、その各情報の配置順は、適宜設計されればよい。個別設定データ領域D93は、生産設備の稼働状況についての任意の情報を挿入可能な領域(以降、自由領域)を用いて実現されている。自由領域は、データ本文領域D9から、共通項目領域D91及び設備番号領域D92を除いた領域に相当する。
本実施形態では、自由領域を、全てのPLC3を対象としたときに共通化できないような、生産設備2固有の細かい情報を挿入する個別設定データ領域D93として運用するがこれに限らない。例えば自由領域には、生産設備2が異常状態となっている場合に、その発生している異常の内容を示すコード(以降、異常コード)が挿入されても良い。
フレーム生成部F32は、所定の報告周期で逐次上述したAPIフレームを作成し、送信処理部F33に提供する。なお、報告周期の具体的な数値は適宜設計されればよい。ここでは一例として報告周期は100ミリ秒に設定されている。
送信処理部F33は、フレーム生成部F32が生成したAPIフレームを、入出力部33のRS232CポートP3を介してZigBeeモジュール4に出力し、無線信号として送信する。送信処理部F33の機能は、フレーム生成部F32に統合されていても良い。なお、ZigBeeモジュール4は、接続装置からフレーム生成部F32が生成したAPIフレームが入力されると、その入力されたAPIフレームの内容を解析する。そして、フレーム内容が正常である場合には、当該APIフレームを、送信元としての自分自身のアドレス(つまり送信元アドレス)を含むデータへと変換し、当該データを電波として放射する。
<管理用端末1の機能について>
次に、管理用端末1が備える制御部11が備える受信処理部F11、状態特定部F12、及び報知処理部F13について説明する。受信処理部F11は、管理側モジュール4aとしてのZigBeeモジュール4が受信したデータ(具体的にはAPIフレーム)を、RS232CポートP1を介して取得し、当該受信データを管理データベース16に保存する。受信処理部F11は、より好ましい態様として、受信データは送信元毎に区別して保存する。
受信データの送信元は、データ本文領域D9の設備番号領域D92に挿入されている設備番号によって特定されればよい。設備番号を用いて送信元を識別する構成によれば、PLC3に接続されているZigBeeモジュール4が別のZigBeeモジュール4に付け替えられた場合であっても、モジュールの付替え前後の送信元情報の整合を図るためのデータ編集をする必要が生じない。つまり、本実施形態の構成によれば、管理用端末1及びその操作者は、PLC3に接続しているZigBeeモジュール4のアドレス情報を意識せずに、PLC3毎のデータを管理可能となる。もちろん、他の態様として、受信処理部F11は、受信データを、当該データを送信したZigBeeモジュール4のアドレス情報で区別して保存するように構成されていても良い。
また、受信処理部F11は、受信したAPIフレームの全てを(例えばヘッダ等を含めて)管理データベース16に保存する必要はない。本実施形態の受信処理部F11は、受信したAPIフレームのデータ本文領域D9に挿入されているデータ(つまりデータ本文)を、所定のデータ形式(例えばテキスト形式)で管理データベース16に保存するものとする。このような態様によれば、管理データベース16が備えるべき記憶容量を抑制することができる。受信したデータ本文は、送信元毎に、最新のデータが先頭となるようにソートされて保存されれば良い。受信処理部F11は、受信したAPIフレームに示されるデータ本文を、例えば受信時刻や送信元アドレスなどと対応付けて保存してもよい。その他、受信処理部F11は、受信したAPIフレームに示されているデータ本文を状態特定部F12に提供する。
状態特定部F12は、受信したデータ本文の共通項目領域D91の各ビットを参照し、当該データの送信元に相当するPLC3及びその制御対象とする生産設備2(以降、対応設備)の状態を特定する。換言すれば、状態特定部F12は、受信したデータ本文の共通項目領域D91のビットパターンに基づいて生産設備の稼働状況を特定する。
例えば、共通項目領域D91の第1ビットが1に設定されている場合には対応設備は運転中であると判定する一方、共通項目領域D91の第1ビットが0に設定されている場合には対応設備は運転停止中であると判定する。その他、各ビットについても設定されている値に基づいて、対応する項目の状態を特定する。例えば材料の補充の要否や、作業員の呼び出しの要否等などを判定する。なお、当該状態特定部F12の機能は、次の報知処理部F13と統合されていても良い。
報知処理部F13は、或るPLC3から、作業員に報知すべき内容を含むデータを受信した場合に、当該受信データに対応する報知処理を実行する構成である。例えば報知処理部F13は、共通項目領域D91の第3ビットが1に設定されているデータを受信した場合には、異常が生じている生産設備2が存在することを示す画面(以降、異常通知画面)をディスプレイ12に表示する。これにより、操作者に異常が生じている生産設備2が存在することを報知する。
異常通知画面には、設備番号や、設備番号から定まる生産設備2の位置などの情報が含まれていることが好ましい。また、報知処理部F13は、受信したデータ本文の個別設定データ領域D93に異常コードが挿入されている場合には、当該異常コードを表示してもよい。さらに、報知処理部F13は、ROMに保存されている異常事例データを参照し、受信した異常コードと対応付けられている異常原因や、対応処置を示す情報を表示しても良い。そのような態様によれば、作業員は、異常通知画面を見ることで実施するべき処置内容を認識でき、速やかに異常状態の解消を図ることができる。
また、報知処理部F13は、共通項目領域D91の第4ビットが1に設定されているデータを受信した場合には、作業員が当該データの送信元であるPLC3まで向かう必要があることを示す画面(以降、作業員呼出画面)をディスプレイ12に表示する。作業員呼出画面は、例えば異常通知画面と同様に、設備番号や、設備番号から定まる生産設備2の位置などが含まれていればよい。
なお、本実施形態では一例としてディスプレイ12を用いて、或る生産設備2に異常が発生していることや、作業員による確認等が必要な生産設備2の存在を報知することとするが、これに限らない。スピーカ13を介して上記の情報を報知するように構成されていても良い。また、ディスプレイ12とスピーカ13の両方を併用して上記の情報を報知するように構成されていてもよい。その他、管理用端末1と通信接続されている警告灯を点灯させることで、異常の発生や作業員の呼び出しを報知するように構成されていても良い。
<実施形態の効果>
上記の構成によれば、複数のPLC3と管理用端末1とがZigBee規格に準拠した方式で無線通信を実施する。すなわち、ZigBeeを用いて工場内にある複数の生産設備2の各種情報を収集する生産管理システムを提供する無線通信ネットワーク(以降、工場内通信ネットワーク)を実現する。このような態様によれば、ZigBeeの同時接続数は65536であるため、通信ネットワークに加入すべき装置が8台以上存在する工場においても、工場内通信ネットワークを容易に構築することができる。
また、上記の構成によれば、工場内の各装置はZigBeeのAPIモードを用いて無線通信を実施するため、透過モードを用いて無線通信を実施する場合よりも、装置間の通信品質を高めることができる。加えて、各装置が透過モードを用いて無線通信を実施する構成では、装置同士が5m以上離れている場合には、それらの間に中継用のルータを配置する必要が生じる。このような課題に対して、APIモードによれば相対的に遠くまで無線通信可能であるため、装置間にルータを配置する必要が生じにくい。故に、低コストに工場内通信ネットワークを構築することができる。なお、APIモードによれば、見通し内の通信可能距離は1.5kmである。相対的に遮蔽物が多い工場内においても200m以内ならばルータ無しで通信可能となる。
また、APIモードでは1フレーム当たりに収容可能なデータサイズは65バイト以下であるため、生産設備2の稼働状況の管理に必要な項目についての情報を1つのAPIフレーム内に収めることは難しい。そのような課題に対し、本実施形態のフレーム生成部F32は、生産設備2の稼働状況を管理するための複数種類の情報のそれぞれを0か1の1ビットで表現したAPIフレームを生成して送信する。つまり、生産設備2の稼働状況を管理するための複数種類の情報のそれぞれを抽象化又は記号化することでデータサイズを低減した状態で送信する。
このような構成によれば、各PLC3は、生産設備2の稼働状況の管理に必要な情報を1つのAPIフレームで管理用端末1に報告することができる。よって、生産設備2の稼働状況を管理するための情報を複数のAPIフレームに分割して送信する構成に比べて、全ての項目についての情報が揃うまでにかかる時間を低減することができる。つまり、PLC3と管理用端末1との間でリアルタイムに管理用のデータを送受信可能となる。
さらに、ZigBeeモジュール4の接続先として採用しているRS232Cポートは工業用設備に広く普及しているものであり、相対的に古い設備にも設けられている事が多い。故に、上記の構成によれば、工場内通信ネットワークを構築するために、PLC3を入れ替えたり、PLC3を改修したりする必要が生じにくい。換言すれば、既存の生産システムへ適用しやすいといった利点を有する。
また、各装置におけるZigBeeモジュール4の接続先はRS232Cポートであるため、接続装置内に専用のソフトウェアが登録されていないと動作しない。そのため、第3者がZigBee規格に準拠した無線信号を用いてPLC3を制御するためには、当該第3者は工場内に侵入した後に、PLC3の制御盤の鍵を開け、PLC3内のプログラムを書き換える必要がある。当然、上記の一連の行為を、工場内の作業員に見られずに実行することは困難である。つまり、ハードウェアそのものがセキュリティ要素を備えるため、第3者がZigBee規格に準拠した無線信号を用いてPLC3を制御することは現実的に困難である。換言すれば、上記の生産管理システム100は、無線通信によるハッキング等のリスクを低減可能なシステムであるといえる。
また、本実施形態によれば装置間の通信は無線通信によって実現されるため、PLC3と管理用端末1とを有線接続する構成に比べてPLC3の設置場所を変更しやすい。故に、柔軟なネットワークの展開が可能である。加えて、ZigBeeモジュール4には、最初からアドレス情報が割り振られている為、IPアドレスの割当設定等を実施することなく、ZigBeeモジュール4をPLC3に接続することで当該PLC3をネットワークに加入させることができる。すなわち、簡単にPLC3を工場内通信ネットワークに加入させることができる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。
なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
生産管理システム100は、図6に示すように、作業員によって携帯される工業用可搬端末5を備えていても良い。工業用可搬端末5は、生産設備2をコントロールするコンピュータ機能を有する表示及び操作端末であって、さらに、ZigBee規格に準拠した無線通信機能を有する。当該工業用可搬端末5は、プログラマブル表示器にZigBeeモジュール4を内蔵/外付けするとともに、APIフレームを送受信するためのプログラム(つまりZigBee通信用プログラム)を書き加えることによって実現することができる。
図7は工業用可搬端末5の概略的な構成を示すブロック図である。図7に示すように工業用可搬端末5は、制御部51、ZigBeeモジュール52、内部バッテリ53、ディスプレイ54、タッチパネル55、及び外部接続部56を備える。ZigBeeモジュール52、ディスプレイ54、タッチパネル55、及び外部接続部56のそれぞれは制御部51と相互通信可能に接続されている。また、内部バッテリ53は、制御部51等に電力を供給する構成であって、各部と電気的に接続されている。内部バッテリ53は多様な二次電池を用いて実現することができる。
制御部51は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリなどを備えるコンピュータとして実現されている。制御部51は、ZigBeeモジュール52、ディスプレイ54、タッチパネル55、及び外部接続部56から入力される信号に基づいて種々の演算処理を実行し、その演算結果を、ZigBeeモジュール52や外部接続部56を介して外部に送信したり、ディスプレイ54に表示出力したりする。フラッシュメモリには、通常のコンピュータを工業用可搬端末5として機能させるためのプログラム(以降、可搬端末用プログラム)が保存されている。可搬端末用プログラムには前述のZigBee通信用プログラムも含まれる。CPUは、可搬端末用プログラムを実行することによって、ZigBeeモジュール52とAPIフレームを送受信(換言すれば入出力)する。
ZigBeeモジュール52は、前述のZigBeeモジュール4と同様である。ZigBeeモジュール52もまたAPIモードで動作するように設定されており、制御部51から入力されたAPIフレームを無線送信したり、他の装置から無線送信されたAPIフレームを受信して制御部51に提供したりする。ZigBeeモジュール52が可搬端末内モジュールに相当する。
ディスプレイ54は、制御部51から入力された映像信号に基づく画像を表示する装置である。ディスプレイ54としては液晶パネルなど、多様な構成を採用することができる。タッチパネル55は、例えば静電容量式のタッチパネルであって、ディスプレイ54の表示面上に積層されている。タッチパネル55は、作業員が工業用可搬端末5に対する指示やデータを入力するための装置(つまり、入力装置)として構成されている。
タッチパネル55は、操作者(例えば作業員)によってタッチパネル55がタッチされているか否か、及びタッチされている場合にはそのタッチ位置を示す信号(以降、タッチ位置信号)を制御部51に逐次出力する。なお、タッチパネル55は、静電容量式以外の方式(例えば感圧式)によって操作者のタッチ位置を検出するタッチパネルであってもよい。
外部接続部56は、工業用可搬端末5が、他の装置と接続するためのインターフェースとして機能する構成である。他の装置とは、例えば二次元コードリーダ6や、デジタルノギス、管理用端末1などである。外部接続部56は、PLC3などとも所定の通信ケーブルを介して接続可能に構成されていても良い。外部接続部56の規格としては、USBなど、多様な規格を採用することができる。
以上の構成において、制御部51は、ディスプレイ54の画面上に、操作者によってタッチ操作される画像部品を表示するとともに、操作者のタッチ操作に基づいて、種々の処理を実行する。例えば操作者は、工業用可搬端末5を操作することにより、所定のPLC3についての情報を参照したり、PLC3の動作設定を変更したりできる。さらには、作業員は、二次元コードリーダ6を用いて不良品の発生率が所定の許容レベル以上となっている生産設備2又はPLC3に付与されている二次元コードを読みとり、製品情報を工業用可搬端末5に入力することができる。なお、当該製品情報は廃棄管理に利用される。
その他、工業用可搬端末5は、作業員がPLC3から管理用端末1に逐次送信する情報に含まれない情報、例えば作業員が手動で入力せざるを得ない情報を入力するための端末としても機能する。なお、作業員が手動で入力せざるを得ない情報とは、例えば外観的な破損や汚損など、センサ21では検出されない事象についての情報である。
操作者によって入力された或るPLC3についての情報は、設備番号と対応付けてZigBeeモジュール52を介して管理用端末1に無線送信されれば良い。また、操作者によって入力された或るPLC3についての情報は、いったん工業用可搬端末5に保存しておき、管理用端末1と有線接続された際に、管理用端末1にアップロードするように構成されていても良い。
以上の生産管理システム100は、例えば自動車用の空調装置や、吸気モジュール、エンジンクーリングモジュール、インタクーラなどといった、自動車用の部品を製造する工場に適用することができる。もちろん、上記の生産管理システム100は、自動車そのものや、家電製品や、半導体など、自動車用部品以外の製品を製造するための工場にも適用することができる。
[変形例2]
上述した実施形態では、データ本文領域D9から共通項目領域D91及び設備番号領域D92を除いた領域(つまり自由領域)を、個別設定データ領域D93として運用する態様を開示したが、これに限らない。管理用端末1から要求されたデータが挿入される領域として用いられてもよい。そのような態様における管理用端末1とPLC3の相互作用の一例を以下に示す。
変形例2における管理用端末1は、受信したデータ本文の共通項目領域D91のビットパターンを参照し、より詳細なデータを要求するか否かを判定する機能を備える。例えば管理用端末1は或るPLC3から材料の補充が必要である旨のデータを受信した場合には、材料残量についてのより詳細なデータが必要であると判定する。管理用端末が詳細なデータが必要であると判定する場合は、上記の例以外にも、異常が発生していることを示すAPIフレームや、作業員の呼び出しが必要である旨を示すAPIフレームを受信した場合とすればよい。管理用端末が詳細なデータが必要であると判定する具体的な条件は適宜設計されれば良い。
加えて、管理用端末1は所定の項目についてより詳細なデータが必要であると判定した場合には、当該項目についてのより詳細なデータの送信を要求するAPIフレーム(以降、詳細リクエストフレーム)を生成し、PLC3に送信する。例えば管理用端末1は或るPLC3から材料の補充が必要である旨のデータを受信した場合には、材料残量等の特定の項目についての詳細なデータを要求する詳細リクエストフレームを生成して返送する。
当該詳細リクエストフレームを受信したPLC3は、当該要求に基づいて、材料の具体的な残量を示すデータを自由領域に挿入したAPIフレームを生成して再度管理用端末1に返送する。このような構成によれば、管理用端末は、PLC3に詳細リクエストフレームを送信することで所望の項目についての詳細なデータを取得することができる。
100 生産管理システム、1 管理用端末、2 生産設備、3 PLC(コントローラ)、4 ZigBeeモジュール、4a 管理側モジュール、4b 設備側モジュール、5 工業用可搬端末、D91 共通項目領域(固定領域)、D92 設備番号領域、D93 個別設定データ領域(自由領域)、F11 受信処理部、F12 状態特定部、F13 報知処理部、F31 データ取得部、F32 フレーム生成部、F321 2値化部、F33 送信処理部、P1・P3 RS232Cポート、52 ZigBeeモジュール(可搬端末内モジュール)、54 ディスプレイ、55 タッチパネル(入力装置)
その目的を達成するための本開示の生産管理システムは、工場の生産ラインに配置されている生産設備の動作を、生産設備に設けられている複数のセンサの検出結果に基づいて制御する複数のコントローラ(3)と、複数のコントローラと離れた位置に配置されているコンピュータである管理用端末(1)と、を備える生産管理システムであって、コントローラ及び複数の管理用端末はそれぞれ、ZigBee(登録商標)のAPIフレームを用いて無線通信を実施可能に構成されており、コントローラから管理用端末に送信されるAPIフレームにおいて、データ本文が挿入されるデータ本文領域には、生産設備の稼働状況を管理するための、予め定められている複数種類の項目についての情報が挿入される固定領域(D91)と、生産設備の稼働状況についての任意の情報を挿入可能な自由領域(D93)と、が設定されており、固定領域は、複数種類の項目のそれぞれを表すための複数のビットを備え、複数のビットのそれぞれには異なる項目が対応付けられており、コントローラは、ZigBeeの規格に準拠した通信を実施するための通信モジュールである設備側モジュール(4b)と、制御対象とする生産設備に設けられている複数のセンサのそれぞれの検出結果を取得するデータ取得部(F31)と、データ取得部が取得した検出結果に基づいて、複数種類の項目のそれぞれについての情報を0又は1で表現する2値化部(F321)と、固定領域が備える各ビットに2値化部の演算結果に対応する値が設定されているAPIフレームを設備側モジュールに出力し、無線送信させる送信処理部(F33)と、を備え、管理用端末は、ZigBeeの規格に準拠した通信を実施するための通信モジュールである管理側モジュール(4a)を介して、コントローラが送信したAPIフレームを受信する受信処理部(F11)と、受信処理部が受信したAPIフレームの固定領域に配置されているビットパターンに基づいて、生産設備の稼働状況を特定する状態特定部(F12)と、を備える。

Claims (8)

  1. 工場の生産ラインに配置されている生産設備の動作を、前記生産設備に設けられている複数のセンサの検出結果に基づいて制御する複数のコントローラ(3)と、
    複数の前記コントローラと離れた位置に配置されているコンピュータである管理用端末(1)と、を備える生産管理システムであって、
    前記コントローラ及び複数の前記管理用端末はそれぞれ、ZigBee(登録商標)のAPIフレームを用いて無線通信を実施可能に構成されており、
    前記コントローラから前記管理用端末に送信される前記APIフレームにおいて、データ本文が挿入されるデータ本文領域には、前記生産設備の稼働状況を管理するための、予め定められている複数種類の項目についての情報が挿入される固定領域(D91)と、前記生産設備の稼働状況についての任意の情報を挿入可能な自由領域(D93)と、が設定されており、
    前記固定領域は、前記生産設備の稼働状況を管理するための予め定められている複数種類の前記項目のそれぞれに対応するビットを備えており、
    前記コントローラは、
    ZigBeeの規格に準拠した通信を実施するための通信モジュールである設備側モジュール(4b)と、
    制御対象とする前記生産設備に設けられている複数のセンサのそれぞれの検出結果を取得するデータ取得部(F31)と、
    前記データ取得部が取得した前記検出結果に基づいて、複数種類の前記項目のそれぞれについての情報を0又は1で表現する2値化部(F321)と、
    前記固定領域が備える各ビットに前記2値化部の演算結果に対応する値が設定されている前記APIフレームを前記設備側モジュールに出力し、無線送信させる送信処理部(F33)と、を備え、
    前記管理用端末は、
    ZigBeeの規格に準拠した通信を実施するための通信モジュールである管理側モジュール(4a)を介して、前記コントローラが送信した前記APIフレームを受信する受信処理部(F11)と、
    前記受信処理部が受信した前記APIフレームの前記固定領域に配置されているビットパターンに基づいて、前記生産設備の稼働状況を特定する状態特定部(F12)と、を備える生産管理システム。
  2. 請求項1に記載の生産管理システムであって、
    前記固定領域は、前記生産設備が運転中であるか否かを示すビットと、前記生産設備に異常が生じているか否かを示すビットと、作業員による確認及び手作業の少なくとも何れか一方が必要な状態であるか否かを示すビットと、を備える生産管理システム。
  3. 請求項2に記載の生産管理システムであって、
    前記固定領域は、前記生産設備が所定の生産対象物を製造するための材料の補充が必要であるか否かを示すビットが設けられていることを特徴とする生産管理システム。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の生産管理システムであって、
    複数の前記コントローラのそれぞれには他の前記コントローラと重複しない固有の設備番号が設定されており、
    前記データ本文領域は、前記固定領域と、前記自由領域に加えて、前記設備番号が挿入されるための設備番号領域(D92)が設けられており、
    前記管理用端末は、
    書き換え可能であって不揮発性の記憶媒体を用いて実現されている管理データベース(16)を備え、
    前記受信処理部は、受信した前記APIフレームの前記データ本文領域に挿入されているデータを、当該データに含まれる前記設備番号毎に区別して保存するように構成されている生産管理システム。
  5. 請求項4に記載の生産管理システムであって、
    前記自由領域には、前記コントローラが制御対象とする前記生産設備の構成に応じた種類の情報が挿入されるように構成されている生産管理システム。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の生産管理システムであって、
    前記コントローラは、シリアル通信インターフェースとしてのRS232Cポート(P3)を備え、
    前記設備側モジュールは、前記RS232Cポートに接続されており、
    前記コントローラは、前記RS232Cポートを介して前記設備側モジュールと相互通信を実施するように構成されている生産管理システム。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の生産管理システムであって、
    前記管理用端末は、シリアル通信インターフェースとしてのRS232Cポート(P1)を備え、
    前記管理側モジュールは、前記RS232Cポートに接続されており、
    前記管理用端末は、前記RS232Cポートを介して前記管理側モジュールと相互通信を実施するように構成されている生産管理システム。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の生産管理システムであって、
    作業員によって携帯される端末であって、ディスプレイ(54)と、前記作業員がデータを入力するための入力装置(55)と、ZigBeeの規格に準拠した通信を実施するための通信モジュールである可搬端末内モジュール(52)と、を備える可搬端末(5)を備え、
    前記可搬端末は、前記入力装置を介して前記作業員によって入力されたデータを示す前記APIフレームを、前記可搬端末内モジュールを介して、前記管理用端末又は前記コントローラに送信するように構成されている生産管理システム。
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