JP2019105798A - 光モジュール、光トランシーバ、及び光モジュールの製造方法 - Google Patents

光モジュール、光トランシーバ、及び光モジュールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019105798A
JP2019105798A JP2017239575A JP2017239575A JP2019105798A JP 2019105798 A JP2019105798 A JP 2019105798A JP 2017239575 A JP2017239575 A JP 2017239575A JP 2017239575 A JP2017239575 A JP 2017239575A JP 2019105798 A JP2019105798 A JP 2019105798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
waveguide
cylindrical lens
connector
optical waveguide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017239575A
Other languages
English (en)
Inventor
秀史 村中
Hideshi Muranaka
秀史 村中
関口 茂昭
Shigeaki Sekiguchi
茂昭 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2017239575A priority Critical patent/JP2019105798A/ja
Publication of JP2019105798A publication Critical patent/JP2019105798A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】導波路の曲げを含め伝搬モードの励起状態が変化し得る構成において、結合損失を抑制する。【解決手段】光モジュールは、第1の光導波路を保持する第1コネクタと、第2の光導波路を保持する第2コネクタと、を有し、前記第2の光導波路は湾曲または光路の方向変換が可能な曲げ導波路であり、前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の間に、前記第2の光導波路の曲げ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズが配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、光モジュール、光トランシーバ、及び光モジュールの製造方法に関する。
スーパーコンピュータ、サーバシステム等の高性能演算システムでは、LSI回路間の信号伝送レートが高くなる一方で、伝送損失や波形歪を補償するために消費電力が増大している。現状では、電気信号での高速伝送は短距離間の伝送に限られるようになってきている。一方、光ファイバ網の急速な発展により、長距離伝送から普及してきた光伝送は、徐々に近距離伝送にも取り入れられ、装置間、機器間などでの光通信も実現されている。
装置間、あるいは機器間の光接続には、光トランシーバ等の光モジュールと光ケーブルをセットにしたアクティブ光ケーブル(AOC:Active Optical Cable)が用いられる。AOCで用いられる光モジュールは、一般的に、光素子、光配線、光路変換部、及び光接続部を有する。光素子として、面型光素子が用いられることが多い。この場合、光の入出力方向は実装基板に対して垂直となる。モジュールの筐体あるいはパッケージを小型かつ薄型にするには、光路を90度変換して、基板と水平な方向に延びる光ファイバアレイに光結合させる構成が望ましい。光配線の一例としてポリマー光導波路が用いられることもある(たとえば、特許文献1参照)。
石英の導波路基板またはAWG(Arrayed Waveguide Grating:アレイ導波路)が形成されたバルク導波路基板の厚さ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズを設けた構成が知られている(たとえば、特許文献2〜4参照)
特開2014−85417号公報 国際公開番号WO2009/063986号 特表2005−526287号公報 特開2009−36903号公報
光配線用のポリマー光導波路は、厚さが100〜150μm程度、幅はチャネル数によっても異なるが、数mm程度の帯状のフィルム導波路である。幅方向に比べて厚さ方向のサイズが一桁小さいため、厚さ方向に曲げやすく、限られたスペースでフレキシブルに配線することができる。
一方で、フィルム導波路の曲げの形状に応じて全反射条件が異なり、伝搬角が導波路の厚さ方向と配列方向で異なることがある。たとえば、導波路の配列方向をX方向、厚さ方向をY方向、伝搬方向をZ方向とする。図1(A)のように、曲げを含まない直線の導波路では、導波路から出射される光は均等(等方的)なビーム断面をもつ。
図1(B)のように導波路が厚さ方向(Y方向)に曲がると、光源から同じ出射角(拡がり半角)θで導波路に入射した光に高次伝搬モードが励起され、伝搬モードの分布が厚さ方向に拡がる。その結果、導波路から出射される光の断面形状が縦長になる。この例で、導波路のY方向への曲げ半径は2mmであるが、曲げの形状に応じて全反射条件が異なり、伝搬角が厚さ方向(Y方向)と配列方向(X方向)で異なってくる。この場合、導波路から出射された光が光ファイバに結合する際に、結合損が生じ得る。
導波路の曲げに起因する結合損の問題は、90度の光路変換構成を有する導波路にも生じる。90度の光路変換は、たとえば、導波路形成面と平行な面にレンズや受発光素子を配置し、導波路内に45度ミラーを形成して光の伝搬方向を90度変換する。導波路の曲げはコア内部に高次伝搬モードを発生させるが、導波路上に配置される光素子の位置や45度ミラーの形成ばらつきによっても、導波路伝搬モードの励起状態が変動する。伝搬モードの励起状態の変化によって、曲げ導波路の場合と同様に結合損が増大する。
本発明は、導波路の曲げを含め伝搬モードの励起状態が変化し得る構成において、結合損失を抑制することのできる構成を提供することを目的とする。
一つの態様では、光モジュールは、第1の光導波路を保持する第1コネクタと、第2の光導波路を保持する第2コネクタと、を有し、
前記第2の光導波路は湾曲または光路の方向変換が可能な曲げ導波路であり、
前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の間に、前記第2の光導波路の曲げ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズが配置されている。
導波路の曲げを含め伝搬モードの励起状態が変化し得る構成において、結合損失を抑制することができる。
導波路の曲げによる結合損の発生を説明する図である。 第1実施形態の光モジュールの基本構成を説明する垂直断面図である。 第1実施形態の光モジュールの基本構成を説明する水平断面図である。 第1実施形態の光モジュールの分解斜視図である。 第1実施形態のレンズ構成を説明する図である。 第1実施形態の効果を示す図である。 第2実施形態の光モジュールの基本構成を説明する垂直断面図である。 第2実施形態の光モジュールの基本構成を説明する水平断面図である。 第3実施形態の光モジュールの基本構成を説明する垂直断面図である。 第3実施形態の光モジュールの基本構成を説明する水平断面図である。 第3実施形態の効果を示す図である。 第4実施形態の光モジュールの基本構成を説明する図である。 第4実施形態の光モジュールの作製工程図である。 第4実施形態のシリンドリカルレンズ形成の原理を説明する図である。 第4実施形態の第2コネクタの加工例を示す図である。 第4実施形態の第2コネクタの別の加工例を示す図である。 第4実施形態の第2コネクタのさらに別の加工例を示す図である。 光モジュールの変形例の垂直断面図である。 光モジュールの変形例の水平断面図である。 光モジュールの使用態様を示す図である。
以下で図面を参照して発明の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
図2Aと図2Bは、第1実施形態の光モジュール1の基本構成を示す図である。図2AはYZ面に沿った垂直断面図、図2BはXZ面に沿った水平断面図である。ここでは、光の伝搬方向をZ方向としている。
光モジュール1は、少なくとも1本の光ファイバ12を保持する第1コネクタ10と、少なくともひとつのポリマー導波路33を有するフィルム導波路30を保持する第2コネクタ20Aを有する。図2A及び図2Bでは、4本の光ファイバ12−1〜12−4(適宜、「光ファイバ12」と総称する)と4つのポリマー導波路33−1〜33−4(適宜、「ポリマー導波路33」と総称する)を光接続する4チャンネルの光モジュール1が例示されている。
各光ファイバ12は、コア13とコア13を囲むクラッド14を有し、所定の配列ピッチで第1コネクタ10に保持されている。各ポリマー導波路33は、コア31とコア31を取り囲むクラッド32を有する。ポリマー導波路33−1〜33−4は、所定の配列ピッチでX方向に配列され、ポリイミドのカバーフィルム34に保持されて、フィルム導波路30が形成されている。フィルム導波路30は、第2コネクタ20Aの後端面29側で本体26に固定されている。第2コネクタ20Aと、接着剤は、たとえば使用波長に対して透明な材料で形成されている。
第2コネクタ20Aは、ポリマー導波路33と光ファイバ12の間に、ポリマー導波路33の曲げ方向と同じ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズ21Aを有する。図2A及び図2Bでは、ポリマー導波路33はフィルム導波路30の厚さ方向(Y方向)にだけ曲がっており、シリンドリカルレンズ21Aは、Y方向で曲率を有するが(図2A)、円筒軸に沿ったX方向(図2B)では曲率を有しない。
シリンドリカルレンズ21Aは、第2コネクタ20Aの本体26の内部に形成された空間25に突出するように、本体26と一体形成されていてもよい。シリンドリカルレンズ21Aを出射した光は、空間25を通って対向面25aから本体26に入射する。空間25は、本体26の材料と屈折率が異なる透明な接着層で充填されていてもよい。
第2コネクタ20Aは、光ファイバ12と光結合する先端面27に凸レンズ22を有していてもよい。4チャンネルの光接続の場合、4つの凸レンズ22−1〜22−4が第2コネクタ20Aの本体26の先端面27に設けられる。凸レンズ22−1〜22−4の凸面を非球面としてもよい。
凸レンズ22を非球面レンズとすることで、球面収差が小さい短焦点レンズが実現される。非球面の凸レンズ22は、光ファイバ12から出射する光を小さく絞ってシリンドリカルレンズ21Aに入射させることができる。また、ポリマー導波路33から伝搬してシリンドリカルレンズ21Aを出射した光を、効率良く光ファイバ12のコア13に集光することができる。
各ポリマー導波路33のコア31を伝搬する光は、伝搬モード分布の曲げ方向への偏りがシリンドリカルレンズ21Aによって補償され、径方向の断面形状が整えられて、対応する凸レンズ22に入射する。
この構成により、伝搬角度がフィルム導波路30の厚さ方向(Y方向)と配列方向(X方向)で異なってしまう状態を補正して、結合損を抑制することができる。
図3は、光モジュール1の分解斜視図である。光ファイバ12−1〜12−4は、第1コネクタ10の対応するファイバガイド穴19−1〜19−4に挿入されて保持されている。第1コネクタ10は、たとえば光ファイバ12の配列の両側にガイドピン18を有する。ガイドピン18は、第2コネクタ20Aに形成されたガイドピン穴28に挿入されて第1コネクタ10と第2コネクタ20Aが嵌合する。
第2コネクタ20Aの先端面27は、第1コネクタ10と嵌合する嵌合面になる。ガイドピン18とガイドピン穴28によって、第1コネクタ10と第2コネクタ20Aの先端面との間に凸レンズ22の高さに相当する幅の空間が形成されてもよい。あるいは、凸レンズ22を第2コネクタ20Aの先端面27に設ける替わりに、先端面27に本体26の内側に引っ込んだ凹部を設けて、凹部の内部に凸レンズ22のアレイを設けてもよい。
フィルム導波路30は、第2コネクタ20Aの後端面29に形成されているスリット241に挿入され、接着剤等で固定されている。フィルム導波路30の厚さは、幅と比較して非常に薄いため、厚さ方向(Y方向)に曲がりやすく、高次伝搬モードが励起されて伝搬モードの分布がY方向に拡がりやすい。伝搬モードの分布偏りによる光の伝搬角の拡がりは、ポリマー導波路33の曲げ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズ21Aによって補償される。これにより、光ファイバ12とポリマー導波路33の間で結合損失が抑制される。
図4は、第1実施形態で用いられるレンズ構成を説明する図である。第2コネクタ20Aの本体26は、シリンドリカルレンズ21と非球面の凸レンズ22を一体的に組み込んだ構成となっている。シリンドリカルレンズ21Aと凸レンズ22を含む本体26は、アクリル系材料、ポリカーボネート、ポリオレフィン等で一体成型される。
凸レンズ22単体の口径は約250μm、凸レンズ22の底面からレンズトップまでの高さt1は、50〜60μm、ポリマー導波路33の先端から凸レンズ22のレンズトップまでの寸法t2は、たとえば600〜700μmである。
シリンドリカルレンズ21Aの口径は約240μm、ポリマー導波路33の曲げ方向への曲率半径は0.1〜0.2mmである。
後述するように、必ずしも第2コネクタ20Aの後端側にシリンドリカルレンズ21Aを配置し、先端側に非球面の凸レンズ22を配置する必要はない。相互に接続される2つの導波路の少なくとも一方に生じる高次伝搬モードの励起状態の変化を補償できればよいので、適切な位置にシリンドリカルレンズ21Aを配置することができる。導波路の曲げ状態や光路方向の変換部の特性等に応じて、光の伝搬モードの分布が偏る方向に曲率を持つシリンドリカルレンズ21Aを、適切な位置に配置できる。
図5は、第1実施形態のレンズ構成の効果を示す図である。図4に示す実施形態のレンズ構成を用いて、ポリマー導波路33の条件を種々に変えて挿入損失を計算で見積もる。比較例として、シリンドリカルレンズ21Aを設けずに、凸レンズ22だけを備えたときの挿入損失を見積もる。
シミュレーションに用いるレンズパラメータは以下のとおりである。シリンドリカルレンズ21Aの口径は240μm、曲率半径は0.153mm、コーニック定数は−0.017、屈折率は1.52である。
凸レンズ22は非球面レンズとし、口径が250μm、ポリマー導波路33の先端からレンズトップまでの寸法t2が683μm、凸レンズ22単体でのレンズ高さt1は60μm、非球面の曲率半径は0.125mm、コーニック定数は−1.13である。
シリンドリカルレンズ21Aと凸レンズ22は、屈折率が1.52の材料で、図4に示すように一体に形成されている。
ポリマー導波路33として、エポキシ樹脂を用いて、コア幅50μm、コア高さ50μm、長さが50mmのフィルム導波路を用いる。クラッドの厚さは上下ともに10μmとする。コアの屈折率は1.55、クラッドの屈折率は1.5である。
凸レンズ22の先端にGI50ファイバ(コア径50μm、外形125μm)を接続する。フィルム導波路をS字状に湾曲させた状態で、ポリマー導波路33の後端から光を入射し、GI50ファイバの出口からの光をモニタする。
ポリマー導波路の曲げ半径Rと、光源からの出射角度(半角)θの組み合わせを種々に変えて、実施形態の構成と比較例の構成で挿入損失を見積もることで、実施形態の構成の効果を検証する。
いずれの条件においても、実施形態の構成で、挿入損失が低減されている。光源からのビーム出射角θが同じ条件では、曲げ半径Rが小さくなるほど、すなわち曲がり方が大きくなるほど、比較例に比べて実施形態の挿入損失の低減効果が大きくなっている(シミュレーション番号1〜3参照)。これは、導波路の曲げ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズで、曲げ方向への伝搬角度の拡がりが補償されているからである。
曲げ半径Rが同じ条件では、光源からのビーム出射角θが大きくなるほど、比較例に比べて実施形態の挿入損失の低減効果が大きくなっている(シミュレーション番号1,4,5参照)。
この結果から、ポリマー導波路33の曲げ半径Rが小さい、もしくはビーム出射角θが大きい場合に、実施形態の構成は挿入損失の抑制により効果を発揮することが分かる。
<第2実施形態>
図6Aと図6Bは、第2実施形態の光モジュール2の基本構成を示す図である。図6AはYZ面に沿った垂直断面図、図6BはXZ面に沿った水平断面図である。ここでは、光の伝搬方向をZ方向としている。第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、ポリマー導波路33の曲げ方向を、フィルム導波路30のXZ面内の方向とする。ポリマー導波路33のコア31は、露光と現像により容易にパターニングされるので、XZ面内で所望の形状に湾曲させることができる。
光モジュール2は、少なくとも1本の光ファイバ12を保持する第1コネクタ10と、フィルム導波路30を保持する第2コネクタ20Bを有する。光モジュール2は、第1実施形態と同様に、4本の光ファイバ12−1〜12−4と4つのポリマー導波路33−1〜33−4を光接続する4チャンネルのモジュールである。
XZ面内でのポリマー導波路33−1〜33−4の湾曲によって、励起された高次伝搬モードの分布がX方向に拡がり、ポリマー導波路33−1〜33−4から出射される光の伝搬角がX方向に拡がる。この伝搬角の拡がりを補償するために、シリンドリカルレンズ21Bは、X方向に曲率を有する。
シリンドリカルレンズ21Bは、ポリマー導波路33-1〜33−4の各々に生じる高次伝搬モードの分布拡がりを補償するために、X方向に沿って4つの半円筒形のサブレンズ23−1〜23−4を有する。サブレンズ23−1〜23−4の各々は、フィルム導波路30の面内方向(図6B)で曲率を有するが、厚さ方向(図6A)では曲率を有しない。
シリンドリカルレンズ21Bの各サブレンズ23−1〜23−4は、第2コネクタ20Bの本体26の内部に形成された空間25に突出するように、本体26と一体形成されている。半円筒形の各サブレンズ23−1〜23−4を出射した光は、空間25を通って対向面25aから本体26に入射し、凸レンズ22−1〜22−4の各々で集光される。空間25は本体26の材料と屈折率が異なる透明な接着層で充填されていてもよい。
凸レンズ22−1〜22−4で集光された光は、対応する光ファイバ12−1〜12−4のコア13に入射する。ポリマー導波路33−1〜33−4を伝搬する間に励起された高次モードのX方向への分布拡がりは、シリンドリカルレンズ21Bの各サブレンズ23−1〜23−4によって補償される。
フィルム導波路30が面内方向で湾曲するポリマー導波路33を有する場合にも、フィルム導波路30の厚さ方向(Y方向)と配列方向(X方向)で異なる高次伝搬モードの分布の変化をシリンドリカルレンズ21Bで補正して、結合損を抑制することができる。
<第3実施形態>
図7Aと図7Bは、第3実施形態の光モジュール3の基本構成を示す図である。図7AはYZ面に沿った垂直断面図、図7BはXZ面に沿った水平断面図である。ここでは、光の伝搬方向をZ方向としている。第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
第3実施形態では、ファイバ同士の光接続に本発明の構成を適用する。光モジュール3は、少なくとも1本の光ファイバ12を保持する第1コネクタ10と、少なくとも1本の光ファイバ42を保持する第2コネクタ20Cを有する。第1実施形態及び第2実施形態と同様に、光モジュール4は、4本の光ファイバ12−1〜12−4と、4本の光ファイバ42−1〜42−4(適宜、「光ファイバ42」と総称する)を光接続する4チャンネルのモジュールである。光ファイバ42−1〜42−4は、たとえば、第2コネクタ20Cの後端面29に形成されているファイバ穴242−1〜242−4に挿入されて、接着剤で固定される。
第1コネクタ10に保持される光ファイバ12−1〜12−4は、たとえば石英ファイバである。第2コネクタ20Cに保持される光ファイバ42−1〜42−2は、たとえば、石英ファイバ、またはプラスチックファイバである。光ファイバ42をプラスチックファイバとする場合は、コアとクラッドを、フッ素系樹脂等で形成する。コアに添加するドーパントの濃度分布を変えることでGI(グレーティングインデックス)型の屈折率分布にすることができる。
ファイバ同士の光接続の場合も、光ファイバの重みにより、ファイバ配列面(XZ面)と直交するY方向に撓んで湾曲する場合がある。プラスチックファイバの場合は、石英ファイバよりもさらに曲がりやすく、励起された高次伝搬モードの分布が曲げの方向に拡がる蓋然性が高い。なお、図示は省略するが、光ファイバ12−1〜12−4と、光ファイバ42−1〜42−4は、それぞれ樹脂等の被膜でリボン状にまとめられていてもよい。
第2コネクタ20Cは、光ファイバ42と光ファイバ12の間にシリンドリカルレンズ21Cを有する。光ファイバ42がY方向に曲がりやすいので、シリンドリカルレンズ21Cは、Y方向(ファイバ配列面と直交する方向)に曲率を有する。
第1実施形態と同様に、第2コネクタ20Cの先端面27に、非球面を有する凸レンズ22−1〜22−4を配置してもよい。シリンドリカルレンズ21Cを用いることで、光ファイバ42の曲げに起因する高次伝搬モードの分布拡がりを補償して、径方向に均等な断面形状を有する光を凸レンズ22−1〜22−4に入射させることができる。これにより、光ファイバ42と光ファイバ12の間の挿入損失を抑制して、高い光結合効率を実現することができる。
図8は、第3実施形態のレンズ構成の効果を示す図である。図7A及び7Bに示す構成を用いて、光ファイバ42の曲げ状態と光源からの出射角の組み合わせを種々に変えたときの挿入損失を計算で見積もる。比較例として、シリンドリカルレンズ21Cを設けないで、凸レンズ22だけを備えたときの挿入損失を見積もる。
シミュレーションに用いるレンズパラメータは以下のとおりである。シリンドリカルレンズ21Cの口径は250μm、曲率半径は0.157mm、コーニック定数は−0.020、屈折率は1.52である。
凸レンズ22は非球面レンズとし、口径が250μm、光ファイバ42の先端からレンズトップまでの寸法が676μm、凸レンズ22単体でのレンズ高さは60μm、非球面の曲率半径は0.132mm、コーニック定数は−0.63である。
シリンドリカルレンズ21Aと凸レンズ22は、屈折率が1.52の材料を用いて、一体に形成されている。
光ファイバ42は、フッ素系樹脂で形成されたGI型のプラスチックファイバであり、コア径は50μmである。凸レンズ22の先端に石英のGI50ファイバ(コア径50μm、外形125μm)を接続する。
光ファイバ42をS字状に湾曲させた状態で、光ファイバ42の後端から光を入射し、光ファイバ12の出口からの光をモニタする。
光ファイバ42の曲げ半径Rと、光源からの出射角度(半角)θの組み合わせを種々に変えて、実施形態の構成と比較例の構成で挿入損失を見積もることで、実施形態の構成の効果を検証する。
いずれの条件においても、実施形態の構成で挿入損失が低減されている。光源からのビーム出射角θが同じ条件では、曲げ半径Rが小さくなるほど、すなわち曲がり方が大きくなるほど、比較例に比べて実施形態の挿入損失の低減効果が大きくなっている(シミュレーション番号1〜3参照)。
曲げ半径Rが同じ条件では、光源からのビーム出射角θが大きくなるほど、比較例に比べて実施形態の挿入損失の低減効果が大きくなっている(シミュレーション番号1,4,5参照)。
この結果から、一方の光ファイバ42の曲げ半径Rが小さい、もしくはビーム出射角θが大きい場合に、第3実施形態の構成は挿入損失の抑制により効果を発揮することが分かる。
第3実施形態の光モジュールは、たとえば、導波路基板と水平に保持されている外部光配線の方向を90°方向変換して、導波路基板に形成された光導波路に対して垂直方向から光接続する構成にも適用可能である。この場合、光路の方向転換に伴って励起された高次伝搬モードの分布の偏りをシリンドリカルレンズで補償して、結合損失を抑制することができる。
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態の光モジュール4の基本構成を示す図である。この図は、フィルム導波路の厚さ方向(Y方向)に沿った断面を示している。第4実施形態では、第2コネクタに押圧されたポリマー導波路が受ける力を利用して、コア先端にシリンドリカルレンズを形成する。
光モジュール4は、少なくとも1本の光ファイバ12を保持する第1コネクタ10と、少なくともひとつのポリマー導波路63を有するフィルム導波路60を保持する第2コネクタ50を有する。ポリマー導波路63は、コア61と、コア61を取り囲むクラッド62を有し、ポリイミドのカバーフィルム64で保持されている。
コア61は、全フッ素化ポリマー、ポリカーボネート等で形成されている。コア61の先端部は、第2コネクタ50の空間55内に突起するシリンドリカルレンズ65を有する。後述するように、シリンドリカルレンズ65は押出成形の原理で形成されている。
第2コネクタ50は、フィルム導波路60が接続される後端側に、スリット53と、スリット53に連通する空間55とを有する。フィルム導波路60は、スリット53に挿入されて保持される。空間55は、スリット53にフィルム導波路60が押しつけられたときの力を利用してコア61の先端にシリンドリカルレンズ65を生成するための空間である。第2コネクタ50の第1コネクタ10と嵌合する先端側に、非球面を有する凸レンズ52が配置されていてもよい。スリット53、空間55、及び凸レンズ52は、本体51と一体的に形成されていてもよい。
4チャンネルの光モジュール4の場合、XZ面内では、4本のポリマー導波路63のそれぞれで、コア61の先端にシリンドリカルレンズ65が形成されている。XZ面内ではシリンドリカルレンズ65は曲率を有さず、円筒形の側面が突出する。
図10は、図9の光モジュールにおける、シリンドリカルレンズ65の形成方法を説明する図である。図10の工程(A)で、第2コネクタ50を用意する。第2コネクタ50の本体51は、その後端側に、X方向(ポリマー導波路63の配列方向)に延びるスリット53を有する。スリット53は、フィルム導波路60の先端部を受け取る。本体51の先端側に、凸レンズ52が設けられていてもよい。
スリット53の突き当りに、スリット53と連通する空間55が設けられている。空間55のY方向(フィルム導波路60の厚さ方向または第2コネクタ50の高さ方向)のサイズは、スリット53のY方向のサイズよりも小さく、スリット53と空間55の間に段差54が形成されている。一例として、スリット53のX方向の長さは3mm、Y方向のサイズ(幅)は120μm、空間55との連通箇所までの奥行きは70μmである。空間55のY方向の高さは70μm、奥行は50μmである。
図10の工程(B)で、スリット53にフィルム導波路60の先端を挿入する。フィルム導波路60の厚さは、たとえば120μm、幅は3mm、長さは30mmである。コア61の高さ(厚さ)は50μm、クラッド62の厚さは上下ともに10μm、クラッド62の外側に、25μmのポリイミドのカバーフィルム64を設ける。
スリット53の高さ(Y方向のサイズ)は、フィルム導波路60の厚さとほぼ同じであるが、空間55の高さ(Y方向のサイズ)は、フィルム導波路60の厚さよりも小さい。フィルム導波路60がスリット53内に挿入されると、コア61以外の部分が段差54に突き当たる。
図10の工程(C)で、フィルム導波路60をさらにスリット53の中に押圧すると、フィルム導波路60に圧力がかかって、フィルム導波路60はその厚さ方向に曲がる。クラッド62はカバーフィルム64に接着されて、カバーフィルム64とともに段差54に押圧されるが、コア65の端面は、空間55に向かって解放されている。段差54からカバーフィルム64にかかる圧力によって、コア61が空間55に向かって引っ張られ、空間55内に突出する。
コア61には、フィルム導波路60がスリット53に挿入されたときの押圧力に加えて曲げによる力もかかっている。コア61が受ける力は光軸に対して等方的ではなく、フィルム導波路60が曲がる方向(Y方向)の力が支配的になる。したがって、コア61が空間55内に突出するときに形成される曲率の方向は、フィルム導波路60の曲げの方向となる。
図10の例では、フィルム導波路60はその厚さ方向(Y方向)の上下が段差54に固定され、厚さ方向に曲がるため、コア61の先端はY方向に曲率をもって空間55内に突出する。一方、X方向では、コア61の両側のクラッド62は空間55内で自由端として解放されているので、コア61にX方向の力はほとんどかからない。これにより、ポリマー導波路63のコア61の先端に、Y方向に曲率を有するシリンドリカルレンズ65が形成される。
図11は、シリンドリカルレンズ65の形成を説明する図である。フィルム導波路60がスリット53に挿入されて、コア61以外の部分が段差54に押圧される。ポリイミドのカバーフィルム64の引張弾性率は、約200kgf/mm2である。10gの力でフィルム導波路60がスリット53の内部に押圧されると、ポリイミドのカバーフィルム64は、挿入方向(Z方向)に50μm弱、圧縮される。これによって、コア61がY方向に曲率を持って空間内に突出する。
X方向では、コア61の両側のクラッド62とカバーフィルム64は押圧されておらずその表面は空間55内に解放されている。したがって、コア61はX方向には曲率を有さずに、並進的に突出する。
さらに、フィルム導波路60がY方向に曲がる場合は、Y方向への曲げの力がコア61の自由端にかかり、空間55内に突出するコア61の端面は、Y方向に曲率を有する。
フィルム導波路60が、図6Bの第2実施形態のように、面内方向に曲がるポリマー導波路63を有する場合は、スリット53の奥に形成される空間55は、フィルム導波路60の端面で露出するコア61の端面に対向する位置(4チャンネルの場合は4カ所)に設けられてコア61のX方向の両側が拘束され、Y方向には自由度を有する空間として形成されてもよい。カバーフィルム64に段差54からの押圧力がかかるとコア61は空間55内に引っ張られ、かつ、X方向の両端が拘束されているため、コア61の端面はX方向に曲率を有して突出する。さらに、XZ面内で湾曲するポリマー導波路63の曲げの力がコア61にかかり、コア61の先端に、X方向に曲率を有するシリンドリカルレンズが形成される。
図12は、第2コネクタ50Aの別の加工例を示す図である。図10及び図11では、スリット53と空間55を有する開口内の段差54を利用してシリンドリカルレンズ65を形成した。図12では、スリット56は奥に向かうほど狭くなり、Y方向の断面形状で傾斜面57を有する。
フィルム導波路60がスリット56に挿入されると、フィルム導波路60の先端は、傾斜面57に当接する。この場合、傾斜面57によりフィルム導波路60の厚さ方向の力を受ける。コア61の高さ方向(Y方向)で、カバーフィルム64は傾斜面57により拘束される。一方、ポリマー導波路63の配列方向(X方向)では、コア61の両側のクラッド62とカバーフィルム64は、スリット56の奥の空間571に向かって解放されており、傾斜面57からの力を受けない。
この構成により、コア61の先端に、Y方向に曲率を有して空間571内に突出するシリンドリカルレンズ65を形成することができる。
図13は、第2コネクタ50Bのさらに別の加工例を示す。図11及び図12では、フィルム導波路60のコア61以外の部材に印加される力を利用して、空間内にシリンドリカルレンズを突出させていた。図13では、所望の曲率が得られるようにスリット内にガイドを設けて、より正確な形状のシリンドリカルレンズを形成する。
図13の(A)では、図11で用いたスリット53と空間55の連通部の段差54に、シリンドリカルレンズの曲率を有する湾曲面531を形成する。湾曲面531は、シリンドリカルレンズの球面を形成するガイドとして機能する。
図13の(B)で、スリット53内にフィルム導波路60の先端が挿入されると、フィルム導波路60の先端面のうち、コア61以外の部分が段差54に押圧されて圧縮応力を受ける。コア61の先端は自由端となっており、Y方向に曲率をもって空間55内に突出する。コア61の突出過程で、コア61はまず湾曲面531に当接し、Z方向への突出が制約されて球面形状が整えられる。
他方、X方向(ポリマー導波路33の配列方向)では、クラッド62とカバーフィルム64は、コア61と同様に空間55に面して解放されており、コア61にX方向の力は印加されにくい。これにより、コア61の端面に、湾曲部651の曲率で規定されるシリンドリカルレンズ65が形成される。
図14は、第2コネクタ50Cのさらに別の加工例を示す。図13では、スリット53内の段差54の角に湾曲面531を設けて、シリンドリカルレンズ65の曲率を整えた。図14では、スリット53の中央に所定の曲率を有する突起58を設け、突起58の端面を所定の曲率を有する湾曲面581とする。
図14の(A)で、第2コネクタ50Cのスリット53の内部に突起58が設けられている。突起58のY方向の位置は、フィルム導波路60のコア61の光軸の位置とほぼ一致している。X方向では、たとえば4本のポリマー導波路63の端面と対向する位置に、4つの突起58が形成されていてもよいし、X方向に延びる1つの板状の突起58が形成されていてもよい。いずれの場合も、突起58の先端には所定の曲率の湾曲面581が形成されている。
図14の(B)で、スリット53内にフィルム導波路60の先端が挿入されると、フィルム導波路60の先端面のうち、コア61の上下でコア61以外の部分が段差54に押圧され、コア61の自由端が空間55内に突出する。突出過程で、コアの頂点が湾曲部581に当接し、Z方向への突出が制限される。コア61のY方向の断面形状は、湾曲部581の曲率で決まる曲面となり、Y方向の突起形状が整えられる。
X方向(ポリマー導波路33の配列方向)では、クラッド62とカバーフィルム64は空間55に面して解放されており、コア61にX方向の力はほとんどかからない。これにより、コア61の端面に、湾曲部651で規定される曲率を有するシリンドリカルレンズ65が形成される。
図14の構成、コア61の先端に突起58を用いて形成したシリンドリカルレンズ65を有する構成を、シリンドリカルレンズ65が形成されていない構成と比較して、挿入損失を計算する。
図14の場合、フィルム導波路60の挿入時に、50gfの押圧をZ方向に与えると、スリット53内でポリイミドのカバーフィルム64が50μm圧縮され、上下のクラッド62の間からコア61が突き出る。突き出たコア61の先端面の形状は、突起58の湾曲面581によって整えられる。コア61の先端に、曲率半径が0.080μm、コーニック定数は0.078のシリンドリカルレンズ65が形成された状態で、フィルム導波路60をスリット53に接着固定する。
厚さ120μm、幅3mm、長さ30mmのフィルム導波路60のコア61(断面サイズは50μm×50μm)の端部から光を入射し、光ファイバ12(図9参照)の端部から出力される光を測定する。フィルム導波路60のY方向への曲げ半径Rは4mm、光源からコア61へのビームの出射角(半角)θは15°である。計算で求められた挿入損失は、5.1dBである。
比較例として、同じ形状のスリット53と空間55を有するコネクタに、フィルム導波路60を押圧せずに挿入したときの挿入損失を計算する。フィルム導波路60は段差54に対して押圧されず、コア61の端面にシリンドリカルレンズ65は形成されない。フィルム導波路60のサイズと曲げ半径を同じ条件にして、同じ測定方法で計算した結果、挿入損失は6.1dBである。
図14の方法でコア61の先端にシリンドリカルレンズ65を形成した場合、シリンドリカルレンズ65を設けない場合と比較して、損失が1dB低減されている。これは、ポリマー導波路63の伝搬モード分布の曲げ方向への偏りが、曲げと同じ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズ65によって補償されたためである。
このように、第4実施形態の光モジュール4でも損失抑制効果が得られる。
<変形例>
図15Aと図15Bは、変形例の光モジュール5の概略図である。図15Aは、フィルム導波路30の厚さ方向(Y方向)に沿った垂直断面図、図15BはXZ面に沿った水平断面図である。
第1〜第3の実施形態では、導波路の曲げ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズ21A〜21Cは、第2コネクタ20A〜20Cの後端側に配置されていた。しかし、曲げ導波路または方向転換部で生じる高次伝搬モードの分布変化を補償できればよいので、シリンドリカルレンズの位置は第2コネクタの後端側に限定されない。変形例では、シリンドリカルレンズを第2コネクタの先端側に配置する。
光モジュール5は、1本以上の光ファイバ12を保持する第1コネクタ10と、1以上のポリマー導波路33を有するフィルム導波路30を保持する第2コネクタ70とを有する。第2コネクタ70は、フィルム導波路30を収容する後端側の第1部分71と、第1コネクタ10と嵌合する先端側の第2部分72を有する。第2部分72の先端にシリンドリカルレンズ74が形成されている。
後端側の第1部分71は、第2部分72との接続面側に非球面の凸レンズ73を有していてもよい。第2部分72はその後端面に開口75を有していてもよい。第1部分71の凸レンズ73は、第2部分72の開口75内に突出する。開口75内に、第1部分71及び第2部分72の屈折率に近接する屈折率を有する接着層を充填してもよい。
ポリマー導波路33のコア31の端面から出射した光は、非球面を有する凸レンズ73で球面収差が補正され、第2部分72を透過して、シリンドリカルレンズ74によって、Y方向への伝搬角の拡がりが補正される。補正された光は、第1コネクタ10に保持される光ファイバ12のコア13に入射する。
光ファイバ12から光が伝搬するときは、コア13から出射した光は、シリンドリカルレンズ74によって、あらかじめポリマー導波路33の曲げ方向への伝搬角度の拡がりが補償される。この伝搬光は、凸レンズ73で球面収差が補正されて、ポリマー導波路33のコア31に入射する。ポリマー導波路33を伝搬する光に高次の伝搬モードが励起されるが、あらかじめ曲げ方向への伝搬モード分布の偏りが補償されているので、ポリマー導波路33の出力端での結合損失は抑制される。
変形例の構成を用いることで、伝搬モードの励起状態が変化し得る構成で結合損失を抑制することができる。
<光トランシーバへの適用>
図16は、実施形態の光モジュールを光トランシーバに適用した例を示す。光トランシーバ100は、パッケージ基板101と、光モジュール1を有する。パッケージ基板101に、光素子102が形成されており、光モジュール1の光導波路130と光学的に接続されている。光素子102は、たとえば、光変調器、発光素子、受光素子等である。電気回路チップ104a及び104bは、光変調器を駆動する駆動ICチップ、トランスインピーダンスアンプ及び増幅回路を含む電流-電圧変換回路チップなどの、光電気変換用のチップである。
光モジュール1は、光素子102及び電気回路チップ104a及び104bとともに、パッケージ基板101に搭載されて、光トランシーバ100が形成される。光トランシーバ100は、たとえばシステムボード上でLSI等の電子部品の近傍に配置されて、他の電子部品、あるいは他のボードとの間で光信号の送受信を行う。
光モジュール1の光ファイバ112は、外部光配線として用いられる。光導波路130は、パッケージ内光配線として用いられる。パッケージ基板101上で光導波路130が曲げ、あるいは方向変換部を含む場合でも、第2コネクタ20に形成された、曲げ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズによって、伝搬角度の拡がりが補償される。したがって、結合損失を抑制して、高効率の光結合が実現される。
特定の実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明は上述した実施例に限定されない。シリンドリカルレンズを第2コネクタの先端面に形成する変形例の構成は、フィルム面内で湾曲する導波路を用いる構成(第2実施形態)や、光ファイバ同士の接続(第3実施例)にも適用可能である。また、押圧力を利用してコアの先端にシリンドリカルレンズを形成する場合、段差54の角に設けた湾曲面531と、空間内の突起58の先端に設けた湾曲面581の双方を用いてもよい。
以上の説明に対し、以下の付記を提示する。
(付記1)
第1の光導波路を保持する第1コネクタと、
第2の光導波路を保持する第2コネクタと、
を有し、
前記第2の光導波路は湾曲または光路の方向変換が可能な曲げ導波路であり、
前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の間に、前記第2の光導波路の曲げ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズが配置されていることを特徴とする光モジュール。
(付記2)
前記第2の光導波路は高分子材料で形成されたフィルム導波路であり、
前記曲げ方向は前記フィルム導波路の厚さ方向であり、
前記シリンドリカルレンズは、前記フィルム導波路の厚さ方向に曲率を有することを特徴とする付記1に記載の光モジュール。
(付記3)
前記第2の光導波路は、基板の上に配置された導波路であり、
前記曲げ方向は、前記基板の面内方向であり、
前記シリンドリカルレンズは、前記面内方向に曲率を有することを特徴とする付記1に記載の光モジュール。
(付記4)
前記第2の光導波路は、1以上の光ファイバの配列を含むファイバアレイであり、
前記曲げ方向は、前記光ファイバの配列面と直交する方向であり、
前記シリンドリカルレンズは、前記配列面と直交する方向に曲率を有することを特徴とする付記1に記載の光モジュール。
(付記5)
前記第2の光導波路は、高分子材料で形成されたフィルム導波路であり、
前記シリンドリカルレンズは、前記第2の光導波路のコアの先端に設けられていることを特徴とする付記1に記載の光モジュール。
(付記6)
前記第2コネクタは、前記シリンドリカルレンズを収容する空間を内部に有することを特徴とする付記5に記載の光モジュール。
(付記7)
前記空間は、前記シリンドリカルレンズの曲率を制御するガイドを有することを特徴とする付記6に記載の光モジュール。
(付記8)
前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の間に球面収差を補正する第2レンズ、
をさらに有することを特徴とする付記1〜7のいずれかに記載の光モジュール。
(付記9)
前記第2レンズは、前記第1の光導波路と前記シリンドリカルレンズの間に配置されていることを特徴とする付記8に記載の光モジュール。
(付記10)
前記第2レンズは、前記第2の光導波路と前記シリンドリカルレンズの間に配置されていることを特徴とする付記8に記載の光モジュール。
(付記11)
前記第2コネクタは、内部に空間を有し、
前記シリンドリカルレンズは前記第2コネクタの本体に形成されており、前記シリンドリカルレンズは前記空間内で前記第2コネクタの先端面に向かって突出していることを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の光モジュール。
(付記12)
前記シリンドリカルレンズは、前記第2コネクタの先端面に形成されていることを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の光モジュール。
(付記13)
前記第2コネクタの後端側に、球面収差を補正する第2レンズ、
をさらに有することを特徴とする付記12に記載の光モジュール。
(付記14)
付記1〜13のいずれかに記載の光モジュールと、
光素子が形成されたパッケージ基板と、
前記パッケージ基板に搭載されて前記光素子との間で光電気変換を行う電気回路チップと、
を有する光トランシーバ。
(付記15)
第1の光導波路を保持する第1コネクタと、第2の光導波路を保持する第2コネクタとを有する光モジュールの製造方法であって、
前記第2コネクタに、前記第2の光導波路を受け取るスリットと、前記スリットに連通する空間を形成し、前記第2の光導波路の挿入面と直交する第1方向での前記空間のサイズは前記スリットのサイズよりも小さく、
前記スリットに前記第2の光導波路を挿入して、所定の力で前記第2の光導波路を前記スリットに対して押圧し、
前記第2の光導波路のコアを前記空間内に突出させて、前記第1方向に曲率を有するシリンドリカルレンズを前記コアの先端に形成する、
ことを特徴とする光モジュールの製造方法。
(付記16)
前記空間内に、所定の曲率を有する湾曲面を形成し、
前記湾曲面によって前記シリンドリカルレンズの前記第1方向への曲率を制御することを特徴とする付記15に記載の光モジュールの製造方法。
1、2、3、4、 光モジュール
10 第1コネクタ
12、12−1〜12−4 光ファイバ
18 ガイドピン
19−1〜19−4 ファイバガイド穴
20A,20B、20C,50、50A〜50C 第2コネクタ
21、65 シリンドリカルレンズ
22 凸レンズ
23−1、23−2、23−3、23−4 サブレンズ(シリンドリカルレンズ)
25 空間
25a 対向面
26、51 本体
27 先端面
29 後端面
30、60 フィルム導波路
31、61 コア
33 63 ポリマー導波路
34、64 カバーフィルム
53、56 スリット
54 段差
55、75 空間
57 斜面
58 突起
531、581 湾曲面
100 光トランシーバ

Claims (8)

  1. 第1の光導波路を保持する第1コネクタと、
    第2の光導波路を保持する第2コネクタと、
    を有し、
    前記第2の光導波路は湾曲または光路の方向変換が可能な曲げ導波路であり、
    前記第1の光導波路と前記第2の光導波路の間に、前記第2の光導波路の曲げ方向に曲率を有するシリンドリカルレンズが配置されていることを特徴とする光モジュール。
  2. 前記第2の光導波路は高分子材料で形成されたフィルム導波路であり、
    前記曲げ方向は前記フィルム導波路の厚さ方向であり、
    前記シリンドリカルレンズは、前記フィルム導波路の厚さ方向に曲率を有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  3. 前記第2の光導波路は、基板の上に配置された導波路であり、
    前記曲げ方向は、前記基板の面内方向であり、
    前記シリンドリカルレンズは、前記面内方向に曲率を有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  4. 前記第2の光導波路は、1以上の光ファイバの配列を含むファイバアレイであり、
    前記曲げ方向は、前記光ファイバの配列面と直交する方向であり、
    前記シリンドリカルレンズは、前記配列面と直交する方向に曲率を有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  5. 前記第2の光導波路は、高分子材料で形成されたフィルム導波路であり、
    前記シリンドリカルレンズは、前記第2の光導波路のコアの先端に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光モジュールと、
    光素子が形成されたパッケージ基板と、
    前記パッケージ基板に搭載されて前記光素子との間で光電気変換を行う電気回路チップと、
    を有する光トランシーバ。
  7. 第1の光導波路を保持する第1コネクタと、第2の光導波路を保持する第2コネクタとを有する光モジュールの製造方法であって、
    前記第2コネクタに、前記第2の光導波路を受け取るスリットと、前記スリットに連通する空間を形成し、前記第2の光導波路の挿入面と直交する第1方向での前記空間のサイズは前記スリットのサイズよりも小さく、
    前記スリットに前記第2の光導波路を挿入して、所定の力で前記第2の光導波路を前記スリットに対して押圧し、
    前記第2の光導波路のコアを前記空間内に突出させて、前記第1方向に曲率を有するシリンドリカルレンズを前記コアの先端に形成する、
    ことを特徴とする光モジュールの製造方法。
  8. 前記空間内に、所定の曲率を有する湾曲面を形成し、
    前記湾曲面によって前記シリンドリカルレンズの前記第1方向への曲率を制御することを特徴とする請求項7に記載の光モジュールの製造方法。
JP2017239575A 2017-12-14 2017-12-14 光モジュール、光トランシーバ、及び光モジュールの製造方法 Pending JP2019105798A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017239575A JP2019105798A (ja) 2017-12-14 2017-12-14 光モジュール、光トランシーバ、及び光モジュールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017239575A JP2019105798A (ja) 2017-12-14 2017-12-14 光モジュール、光トランシーバ、及び光モジュールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019105798A true JP2019105798A (ja) 2019-06-27

Family

ID=67061399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017239575A Pending JP2019105798A (ja) 2017-12-14 2017-12-14 光モジュール、光トランシーバ、及び光モジュールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019105798A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114384628A (zh) * 2020-10-04 2022-04-22 上海交通大学 光波导排布方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114384628A (zh) * 2020-10-04 2022-04-22 上海交通大学 光波导排布方法
CN114384628B (zh) * 2020-10-04 2022-11-11 上海交通大学 光波导排布方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5734709B2 (ja) 光コネクタ及び電子情報機器
US9097864B2 (en) Fiber optic connector assemblies having a reverse optical fiber loop
US9798089B2 (en) Fiber optic connector assemblies having windowed optical fibers and methods thereof
JPWO2014034458A1 (ja) 光モジュールと光コネクタとの接続構造
JP4238187B2 (ja) 光電気複合型コネクタ及びそれを用いた基板
JP2013020027A (ja) 光伝送路及び光伝送路の製造方法
JP2006091241A (ja) 光電気複合配線部品及びこれを用いた電子機器
US9366832B2 (en) Optical connection structure
CN104570230A (zh) 光连接器、电子设备和光连接器安装方法
US8891919B2 (en) Optical device, optical connector, and optical module
JPWO2011105078A1 (ja) 光モジュール
US9372314B2 (en) Optical signal processor and optical assembly
US20190000307A1 (en) Optical transmitter and endoscope
US10042134B2 (en) Optical module
JP2019105798A (ja) 光モジュール、光トランシーバ、及び光モジュールの製造方法
JP2007272159A (ja) 光導波路コネクタ及びそれを用いた光接続構造、並びに光導波路コネクタの製造方法
US8636426B2 (en) Photoelectric conversion system with optical transceive module
WO2023100607A1 (ja) インタフェース構造、光コネクタ、送信機、受信機、光ケーブルおよび光通信システム
WO2018042984A1 (ja) 光接続構造
JP2008015040A (ja) 光導波路および光モジュール
KR100696210B1 (ko) 광경로 변경기 및 이를 이용한 광백플레인 장치
JP2007193049A (ja) 光導波路及び光モジュール
JP2018180027A (ja) 光モジュール、及びこれを用いた電子機器
JP5010023B2 (ja) 光導波路コネクタ及びそれを用いた光接続構造、並びに光導波路コネクタの製造方法
JP2016090858A (ja) 光アセンブリ