JP2019105527A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】障害物判定の対象外である物体からの電波干渉を的確に検出し、これを除去するレーダ装置を提供する。【解決手段】道路を走行するすべての車両の前方、後方、左側方、右側方に備えられ、車両の左側方、右側方または、車両の前方、後方において隣接する車両に対して、一方が、周波数上昇スイープのこぎり歯状スイープの電波を、他方が、周波数下降スイープのこぎり歯状スイープの電波を送信する送信部と、送信した電波に対する反射波および他の車両からの送信波を受信する受信部と、受信した反射波から他の車両を含む物体の物体情報を取得する物体情報取得部と、取得した物体情報に基づいて、障害物判定の対象外である物体からの電波干渉による異常を検出する検出部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、レーダ装置に関する。
従来、車載用の障害物レーダ装置としては、60/77GHz帯の長距離レーダ(LRR:Long Range Radar)が一般的であった。この種のレーダ装置は、車両前方の遠方を線状に監視するものである。
これに対して、近年では、24/26GHz帯の短距離レーダ(SRR:Short Range Radar)が急速に普及している。この種のレーダは、車両の後方や側方を面状に監視するものが多い。
このうち、車両の側方を監視するSRRにおいて代表的なものは、ISO17387(JIS D 0805)で規定され非特許文献1のFig.3などで開示されたBlind Spot Warning(死角警報機能)である。
ここで、Blind Spot Warning(死角警報機能)を有するSRRを備えたシステムについて、図6を用いて説明する。
図6において、車線65を走行する自車両61からは、両隣の車線64、66の斜め後ろのエリア62、63が、ミラーの死角になり、レーダでは監視することができない。そのため、このエリアにある障害物を検知するためには、車両後側方向にビームを向けたSRRが必要であり、この種のSRRがBlind Spot Warningである。
図6において、車線65を走行する自車両61からは、両隣の車線64、66の斜め後ろのエリア62、63が、ミラーの死角になり、レーダでは監視することができない。そのため、このエリアにある障害物を検知するためには、車両後側方向にビームを向けたSRRが必要であり、この種のSRRがBlind Spot Warningである。
このように、従来の車両前側方向に搭載されたLRRとはまったく異なり、車両の側方や後方を監視エリアとするSRRが、将来、ますます普及していくものと考えられる。
なお、以下では、このようなSRRをできる限り単純普遍化したモデルで説明するために、図7に示すような、車両の前方、後方、右側方、左側方という4方向に向けて、車両に搭載される4つのレーダを例示して説明する。
なお、以下では、このようなSRRをできる限り単純普遍化したモデルで説明するために、図7に示すような、車両の前方、後方、右側方、左側方という4方向に向けて、車両に搭載される4つのレーダを例示して説明する。
現在の車載用レーダは、ほぼFM−CW方式と呼ばれる測距レーダ方式を用いている。このFM−CW方式は、非特許文献2の図9などに示されるように、多数の文献において開示されている公知技術である。
その原理は、図4(A)に示すような周波数スイープ図の実線によって説明できる。
FM−CW方式のレーダの発振周波数は、図4(A)の41に示すように、時間的に一定の変化をする三角波となるようコントロールされている。この三角波が、送信アンテナから放射され、障害物によって反射されて、受信アンテナへ帰って来ると、図4(A)の42のように、距離に応じてタイミングがずれた波形となって戻ってくる。
その原理は、図4(A)に示すような周波数スイープ図の実線によって説明できる。
FM−CW方式のレーダの発振周波数は、図4(A)の41に示すように、時間的に一定の変化をする三角波となるようコントロールされている。この三角波が、送信アンテナから放射され、障害物によって反射されて、受信アンテナへ帰って来ると、図4(A)の42のように、距離に応じてタイミングがずれた波形となって戻ってくる。
「後側方障害物警報システムの開発」、マツダ技報、No.26、2008
「76GHz後方近距離ミリ波レーダの開発」、富士通テン技報vol.25 No.2、pp.59−63
近年、車載用の電波レーダ装置の普及には、目覚しいものがある。しかし、普及が進むにつれて、ある車両のレーダ装置が送信した電波が別の車両のレーダ装置において意図せず受信されてしまうと、所謂、電波干渉の問題が生じる。そのため、車載用の電波レーダ装置の普及が進むにつれて、このような電波干渉の問題が顕在化する恐れがある。
例えば、携帯電話のような高度な無線通信装置の場合には、電波干渉が問題化していない。これは、携帯電話の無線通信システムが、比較的狭帯域なシステムであるため、例えば、電波干渉を検出した場合には、隣の周波数チャンネルに遷移したり、大容量情報を伝送可能であるために、計算上、電波干渉を取り除いたり等、様々な電波干渉対策を取ることが可能なためである。
しかし、電波レーダ装置の場合には、広帯域なシステムであり、ほとんど情報を伝送しない極めて単純なシステムであるため、携帯電話のような電波干渉対策を実行することができない。
しかし、電波レーダ装置の場合には、広帯域なシステムであり、ほとんど情報を伝送しない極めて単純なシステムであるため、携帯電話のような電波干渉対策を実行することができない。
また、車載用レーダ装置の電波干渉が最も深刻に成り得る状況は、図7に示すように、同一方向の車線内における前後左右の隣接車両との電波干渉である。
具体的には、自車両71と同じ車線を走行する他の車両72との間では、自車両71と他の車両72との間に、前後の隙間74が存在し、この隙間74において電波干渉が起こる可能性がある。また、自車両71の隣りの車線を並走する他の車両73との間では、自車両71と他の車両73との間に、隙間75が存在し、この隙間において、電波干渉が起こる可能性がある。しかも、これらの自車両と他の車両とが、長時間並走するため、電波干渉も長時間続く可能性がある。これに対し、反対方向車線の車両とは、一瞬ですれ違うため、電波干渉が自然と緩和される。
具体的には、自車両71と同じ車線を走行する他の車両72との間では、自車両71と他の車両72との間に、前後の隙間74が存在し、この隙間74において電波干渉が起こる可能性がある。また、自車両71の隣りの車線を並走する他の車両73との間では、自車両71と他の車両73との間に、隙間75が存在し、この隙間において、電波干渉が起こる可能性がある。しかも、これらの自車両と他の車両とが、長時間並走するため、電波干渉も長時間続く可能性がある。これに対し、反対方向車線の車両とは、一瞬ですれ違うため、電波干渉が自然と緩和される。
次に、図7のような状況下で、電波干渉によってどのような現象が起きるかを説明する。
図5は、図7の自車両71から見た、ある瞬間の電力スペクトルを模式的に表した図である。
この図に示すように、自車両71のレーダ装置が、送信した電波の電力スペクトル51に対する反射波の電力スペクトル52よりも、隣りの車線を並走する他の車両が送信した干渉波の電力スペクトル53の方が、伝搬距離が半分となるために、電力スペクトルが大きくなってしまうという現象がわかる。
つまり、干渉波の電力スペクトル53を何らかの手段で識別し排除することができなければ、干渉波の電力スペクトル53を観測すべき反射波の電力スペクトル52と取り違えてしまう可能性がある。
図5は、図7の自車両71から見た、ある瞬間の電力スペクトルを模式的に表した図である。
この図に示すように、自車両71のレーダ装置が、送信した電波の電力スペクトル51に対する反射波の電力スペクトル52よりも、隣りの車線を並走する他の車両が送信した干渉波の電力スペクトル53の方が、伝搬距離が半分となるために、電力スペクトルが大きくなってしまうという現象がわかる。
つまり、干渉波の電力スペクトル53を何らかの手段で識別し排除することができなければ、干渉波の電力スペクトル53を観測すべき反射波の電力スペクトル52と取り違えてしまう可能性がある。
この場合、FM−CW方式の周波数スイープを示す図4(A)において、干渉波43を破線とすると、自車両のレーダ装置による送信波41に対して、反射波42は、距離に応じた周波数差44を有するため、この周波数差44を用いることにより、距離を逆算できる。
しかしながら、隣りの車線を並走する他の車両のレーダ装置による送信波41は、自車両のレーダ装置とは同期せず、無関係に動作しているために、全く、関連性を有しないタイミングのずれと周波数差45とが観測されてしまう。
しかしながら、隣りの車線を並走する他の車両のレーダ装置による送信波41は、自車両のレーダ装置とは同期せず、無関係に動作しているために、全く、関連性を有しないタイミングのずれと周波数差45とが観測されてしまう。
図4(B)は、図4(A)から距離を推定した模式図である。
この場合、本来の反射波から推定した距離46に対して、干渉波から推定した距離47は数倍大きく検出されてしまう。
このため、両車両が、危険な距離まで接近しているにも関わらず、安全な距離だと錯覚してしまう可能性がある。なお、図4(C)は、図4(A)から物体速度(自車両と他車両との相対速度)を推定した模式図である。この場合は、全ての車両が並走しているため、本来の反射波から推定した速度48も干渉波から推定した速度49もほぼ零となっている。
この場合、本来の反射波から推定した距離46に対して、干渉波から推定した距離47は数倍大きく検出されてしまう。
このため、両車両が、危険な距離まで接近しているにも関わらず、安全な距離だと錯覚してしまう可能性がある。なお、図4(C)は、図4(A)から物体速度(自車両と他車両との相対速度)を推定した模式図である。この場合は、全ての車両が並走しているため、本来の反射波から推定した速度48も干渉波から推定した速度49もほぼ零となっている。
このような車両間の電波干渉の問題に対して、特許文献1では、段落番号0027に開示されているように、まず、送信波を一定時間毎に停止してパルス化し、これを時間軸上でランダムな間隔で送信することにより、干渉を緩和する方法が開示されている。
特許文献1が想定する状況は図7において想定する状況とはかなり異なっているが、その趣旨を図7の状況に当てはめると、図8のようになる。
なお、図8において、図8(A)は、自車両のレーダ装置が送信するレーダ波を、図8(B)は、隣りの車線を並走する車両のレーダ装置が送信するレーダ波を示している。
この図によれば、時間81には、たまたま、自車両のレーダ装置がレーダ波を送信したが、その後は休止状態に入る。時間83には、たまたま、隣りの車線を並走する車両のレーダ装置が、レーダ波を送信し始めたが、その時には、自車両のレーダ装置は休止しているため、電波干渉を受けない。時間85には、たまたま、自車両のレーダ装置が、レーダ波を送信したが、その後は休止状態に入る。時間86には、たまたま、隣りの車線を並走する車両のレーダ装置が、レーダ波を送信し始めたが、この時には、自車両のレーダ装置は、休止しているため電波干渉を受けない。このように、全車両が送信タイミングをランダムに変化させれば、電波干渉が起きる確率を低減することができる。
特許文献1が想定する状況は図7において想定する状況とはかなり異なっているが、その趣旨を図7の状況に当てはめると、図8のようになる。
なお、図8において、図8(A)は、自車両のレーダ装置が送信するレーダ波を、図8(B)は、隣りの車線を並走する車両のレーダ装置が送信するレーダ波を示している。
この図によれば、時間81には、たまたま、自車両のレーダ装置がレーダ波を送信したが、その後は休止状態に入る。時間83には、たまたま、隣りの車線を並走する車両のレーダ装置が、レーダ波を送信し始めたが、その時には、自車両のレーダ装置は休止しているため、電波干渉を受けない。時間85には、たまたま、自車両のレーダ装置が、レーダ波を送信したが、その後は休止状態に入る。時間86には、たまたま、隣りの車線を並走する車両のレーダ装置が、レーダ波を送信し始めたが、この時には、自車両のレーダ装置は、休止しているため電波干渉を受けない。このように、全車両が送信タイミングをランダムに変化させれば、電波干渉が起きる確率を低減することができる。
しかしながら、図8の方法では、前回の送信パルスを放射した時間81から、次回、送信パルスを放射する時間85までの間に、必然的に長い休止区間82〜84が存在する。
この休止区間82〜84には、レーダ装置は測定を行っていないため、測定効率が低下するという問題があった。
また、1台の車両の前方方向の左右を検出するFM−CW方式のレーダ装置では、これらの相互干渉を防止するために、変調勾配が正負逆になるようにして、それぞれのレーダの同期を取るものも開示されている。
しかしながら、上記の技術では、1台の車両の左右に取り付けられたレーダ装置の電波干渉を防止することはできるものの、他の車両に搭載されたレーダ装置との干渉を防止することができないという問題があった。
また、上記の技術では、三角波を使用しているため、変調勾配を逆にしても、レーダ波がずれた場合には、三角波の勾配角度が同じであるため、干渉してしまう可能性があり、1台の車両のレーダ装置間の電波干渉は防止できるものの、他の車両に搭載されたレーダ装置との電波干渉を防止することができないという問題があった。
この休止区間82〜84には、レーダ装置は測定を行っていないため、測定効率が低下するという問題があった。
また、1台の車両の前方方向の左右を検出するFM−CW方式のレーダ装置では、これらの相互干渉を防止するために、変調勾配が正負逆になるようにして、それぞれのレーダの同期を取るものも開示されている。
しかしながら、上記の技術では、1台の車両の左右に取り付けられたレーダ装置の電波干渉を防止することはできるものの、他の車両に搭載されたレーダ装置との干渉を防止することができないという問題があった。
また、上記の技術では、三角波を使用しているため、変調勾配を逆にしても、レーダ波がずれた場合には、三角波の勾配角度が同じであるため、干渉してしまう可能性があり、1台の車両のレーダ装置間の電波干渉は防止できるものの、他の車両に搭載されたレーダ装置との電波干渉を防止することができないという問題があった。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、障害物判定の対象外である物体からの電波干渉を的確に検出し、これを除去するレーダ装置を提供することを目的とする。
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、道路を走行するすべての車両の前方、後方、左側方、右側方に備えられ、車両の左側方、右側方または、車両の前方、後方において隣接する車両に対して、一方が、周波数上昇スイープのこぎり歯状スイープの電波を、他方が、周波数下降スイープのこぎり歯状スイープの電波を送信する送信部と、送信した前記電波に対する反射波および他の車両からの送信波を受信する受信部と、該受信した反射波から他の車両を含む物体の物体情報を取得する物体情報取得部と、該取得した物体情報に基づいて、障害物判定の対象外である前記物体からの電波干渉による異常を検出する検出部と、を備えたことを特徴とするレーダ装置を提案している。
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記物体情報取得部が前記物体情報として、自車両と前記物体との相対速度情報を取得することを特徴とするレーダ装置を提案している。
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記物体情報取得部が前記物体情報として、自車両と前記物体との距離情報を取得することを特徴とするレーダ装置を提案している。
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記検出部は、前記物体情報取得部が取得した前記相対速度情報および/または距離情報が、予め定めた閾値を超えた場合に、判定対象外の前記物体からの電波干渉による異常を検出することを特徴とするレーダ装置を提案している。
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、障害物判定処理を行う判定処理部を備え、前記判定処理部は、前記検出部が異常を検出した場合に、前記予め定めた閾値を超えた前記相対速度情報および/または距離情報を破棄して、前記障害物判定処理を行うことを特徴とするレーダ装置を提案している。
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、障害物判定の対象外である物体からの電波干渉を的確に検出し、これを除去する。そのため、障害物判定の対象外である物体からの電波干渉を的確に防止することができるという効果がある。また、障害物判定処理を行う前に電波干渉によるノイズを排除することができるため、特に、高速運転中における警報システムや自動運転制御システムの誤作動を未然に防止できるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<実施形態>
本発明の実施形態に係るレーダ装置100について、図1から図3を用いて説明する。
なお、以下では、レーダ装置100が車両の前方、後方、右側方、左側方の4か所に備えられている場合を例示して説明するが、レーダ装置100配置位置、配置個数はこれに限られるものではない。また、本実施形態においては、例えば、図2に示すように、走行方向に対して、車両前方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波11が周波数上昇スイープであり、車両後方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波12が周波数下降スイープになっており、車両の右側方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波13が周波数上昇スイープであり、車両の左側方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波14が周波数下降スイープになっている場合を例示して説明するが、走行方向に対して、車両前方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波11が周波数下降スイープであり、車両後方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波12が周波数上昇スイープになっており、車両の右側方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波13が周波数下降スイープであり、車両の左側方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波14が周波数上昇スイープになっていてもよい。
本発明の実施形態に係るレーダ装置100について、図1から図3を用いて説明する。
なお、以下では、レーダ装置100が車両の前方、後方、右側方、左側方の4か所に備えられている場合を例示して説明するが、レーダ装置100配置位置、配置個数はこれに限られるものではない。また、本実施形態においては、例えば、図2に示すように、走行方向に対して、車両前方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波11が周波数上昇スイープであり、車両後方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波12が周波数下降スイープになっており、車両の右側方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波13が周波数上昇スイープであり、車両の左側方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波14が周波数下降スイープになっている場合を例示して説明するが、走行方向に対して、車両前方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波11が周波数下降スイープであり、車両後方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波12が周波数上昇スイープになっており、車両の右側方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波13が周波数下降スイープであり、車両の左側方に設けられたレーダ装置100のレーダ送信波14が周波数上昇スイープになっていてもよい。
<レーダ装置の電気的構成>
本実施形態に係るレーダ装置100は、図1に示すように、信号発生部110と、送信部120と、受信部130と、物体情報取得部140と、検出部150と、判定処理部160とを含んで構成されている。
本実施形態に係るレーダ装置100は、図1に示すように、信号発生部110と、送信部120と、受信部130と、物体情報取得部140と、検出部150と、判定処理部160とを含んで構成されている。
信号発生部110は、周波数上昇スイープのこぎり歯状スイープの電波信号あるいは、周波数下降スイープのこぎり歯状スイープの電波信号を生成し、送信部120に対して、生成した電波信号を供給する。具体的には、信号発生部110は、内部に図示しない発振器を備えており、この発振器の発振周波数をステップ状に変化させることにより、周波数上昇スイープのこぎり歯状スイープの電波信号あるいは、周波数下降スイープのこぎり歯状スイープの電波信号を生成する。
送信部120は、送信アンテナにより構成されており、信号発生部110により生成された周波数上昇スイープのこぎり歯状スイープの電波信号あるいは、周波数下降スイープのこぎり歯状スイープの電波信号を送信アンテナから放射する。
受信部130は、受信アンテナから構成されており、送信部120から放射され、物体で反射された反射波を主として受信する。受信した反射波は物体情報取得部140に出力される。なお、以下において、「物体」とは、自車両に対する他車両あるいは障害物をいう。
物体情報取得部140は、受信した反射波から他の車両あるいは障害物を含む物体の物体情報を取得する。具体的には、物体情報として、自車両と物体との相対速度Vrあるいは自車両と物体との距離Lを取得する。例えば、受信部130が受信する反射波は、送信部120が送信する送信波に対して、距離に応じてタイミングがずれた波形となる。このタイミングのずれは、周波数差として検出できるため、反射波と送信波とを図示しないミキサ回路に入力してミキシングを行うことにより自車両と物体との距離Lを取得することができる。
具体的には、ミリ波帯周波数f0に対し、周波数変調幅Δf、周期TのFM変調をかけ送信信号とする。距離Lの位置にある相対速度Vrで移動する他車両に到達した送信波は反射して受信波となる。受信波は他車両が相対速度Vrで動いているため、時間遅れ2L/Cおよびドップラー効果を受け周波数f0は、2f0・Vr/Cだけシフトして受信信号となる。ここでCは光速である。この受信信号と送信信号をミキサで混合すると、数1と数2とに示すビート信号fBH、fBLとが生成される。
このビート信号fBH、fBLを計測することによって、距離Lと相対速度Vrを以下の数3、数4により求めることができる。
なお、相対速度Vrがゼロの場合には、数1と数2とにより、ビート信号fBH、fBLは、等しくなるが、距離Lは求めることができる。
検出部150は、取得した物体情報に基づいて、障害物判定の対象外である物体からの電波干渉による異常を検出する。具体的には、検出部150は、物体情報取得部140が取得した相対速度情報および/または距離情報が、予め定めた閾値を超えた場合に、障害物判定の対象外の物体からの電波干渉による異常を検出する。
判定処理部160は、検出部150が異常を検出した場合に、予め定めた閾値を超えた相対速度情報および/または距離情報を破棄して、障害物判定処理を行う。
<レーダ装置の処理>
以下、図3を用いて、電波干渉が起き易い状況下での本実施形態に係るレーダ装置100の処理について説明する。
以下、図3を用いて、電波干渉が起き易い状況下での本実施形態に係るレーダ装置100の処理について説明する。
図3(A)は、レーダ装置100が送信した送信波、物体上で反射して受信部130において受信される反射波、障害物判定の対象外である他の車両からの干渉波の周波数スイープを示した図である。この図によれば、自車両のレーダ装置100が送信した送信波31も、障害物判定の対象となる車両のレーダ装置からの反射波32も、その波形が、周波数上昇スイープなのに対して、破線で表した障害物判定の対象外である車両からの干渉波33の波形は、周波数下降スイープとなっており、その波形に明瞭な違いが見られる。
そのため、自車両のレーダ装置100が送信した送信波31と、物体上で反射して受信部130において受信される反射波32との周波数差34は、全ての車両が並走していると仮定すると、時間的に一定値となる。しかしながら、自車両のレーダ装置100が送信した送信波31と、障害物判定の対象外である車両のレーダ装置からの干渉波33との周波数差35は、時間的に大きく変動することになる。
図3(B)は、上記の周波数差34、35から距離を推定した模式図である。
本来の障害物判定の対象となる物体からの反射波32により推定した距離36は、周波数差34が一定値であるため、一定値となる。これに対して、障害物判定の対象外である車両からの干渉波33に基づき推定した距離37は、周波数差35が時間的に大きく変動する異常な挙動を示す。
本来の障害物判定の対象となる物体からの反射波32により推定した距離36は、周波数差34が一定値であるため、一定値となる。これに対して、障害物判定の対象外である車両からの干渉波33に基づき推定した距離37は、周波数差35が時間的に大きく変動する異常な挙動を示す。
図3(C)は、障害物判定の対象となる車両の速度(物体速度)を推定した模式図である。
全ての車両が並走していると仮定すると、本来の物体上で反射して受信部130において受信される反射波32から推定した速度38はほぼ零となる。これに対して、障害物判定の対象外である車両からの干渉波33により推定した速度39は、異常に大きな値となる。
全ての車両が並走していると仮定すると、本来の物体上で反射して受信部130において受信される反射波32から推定した速度38はほぼ零となる。これに対して、障害物判定の対象外である車両からの干渉波33により推定した速度39は、異常に大きな値となる。
従って、この速度または距離のいずれか、あるいは速度および距離に対して、適切な閾値を設けることにより、異常値を判定することができる。また、異常値を判定できれば、電波干渉の有無を検出でき、更には、検出された物体情報(速度、距離)の中から電波干渉によって生じた虚像を見つけて除去することができる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、道路を走行するすべての車両の前方、後方、左側方、右側方に、車両の左側方、右側方または、車両の前方、後方において隣接する車両に対して、一方が、周波数上昇スイープのこぎり歯状スイープの電波を、他方が、周波数下降スイープのこぎり歯状スイープの電波を送信する送信部を備えたレーダ装置100を搭載させることから、障害物判定の対象となる物体からの反射波32と、障害物判定の対象外である車両からの干渉波33とを的確に識別することができる。
具体的には、物体情報取得部140が、受信した反射波から他の車両を含む物体の物体情報を取得し、検出部150が、取得した物体情報に基づいて、障害物判定の対象外である物体からの電波干渉による異常を検出する。ここで、物体情報には、自車両と物体との相対速度情報、自車両と物体との距離情報を含む。また、障害物判定の対象となる物体からの反射波32により推定した距離36は、周波数差34が一定値であるため、一定値になるが、障害物判定の対象外である車両からの干渉波33に基づき推定した距離37は、周波数差35が時間的に大きく変動するため、時間的に大きく変動する異常な挙動を示す。また、本来の物体上で反射して受信部130において受信される反射波32から推定した速度38はほぼ零となる。これに対して、障害物判定の対象外である車両からの干渉波33に基づいて推定した速度39は、異常に大きな値となる。そのため、上記の事象に基づき、自車両と物体との相対速度情報および/または自車両と物体との距離情報を取得することにより、障害物判定の対象外である車両からの干渉波33の存在を知ることができる。したがって、障害物判定処理を行う前に、上記の処理を行えば、電波干渉によるノイズを排除することができるため、特に高速運転中における警報システムや自動運転制御システムの誤作動を未然に防止することができる。
なお、本発明の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、レーダ装置100の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリなどの書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施形態および実施例につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態あるいは実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
11〜14;レーダ波
31、41、51;送信波
32、42、52;受信波
33、43、53;干渉波
34、35、44、45;周波数差
81〜86;時間間隔
61、71〜73;車両
64〜66、76〜77;車線
100;レーダ装置
110;信号発生部
120;送信部
130;受信部
140;物体情報取得部
150;検出部
160;判定処理部
31、41、51;送信波
32、42、52;受信波
33、43、53;干渉波
34、35、44、45;周波数差
81〜86;時間間隔
61、71〜73;車両
64〜66、76〜77;車線
100;レーダ装置
110;信号発生部
120;送信部
130;受信部
140;物体情報取得部
150;検出部
160;判定処理部
Claims (5)
- 道路を走行するすべての車両の前方、後方、左側方、右側方に備えられ、
車両の左側方、右側方または、車両の前方、後方において隣接する車両に対して、一方が、周波数上昇スイープのこぎり歯状スイープの電波を、他方が、周波数下降スイープのこぎり歯状スイープの電波を送信する送信部と、
送信した前記電波に対する反射波および他の車両からの送信波を受信する受信部と、
該受信した反射波から他の車両を含む物体の物体情報を取得する物体情報取得部と、
該取得した物体情報に基づいて、障害物判定の対象外である前記物体からの電波干渉による異常を検出する検出部と、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。 - 前記物体情報取得部が前記物体情報として、自車両と前記物体との相対速度情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
- 前記物体情報取得部が前記物体情報として、自車両と前記物体との距離情報を取得することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のレーダ装置。
- 前記検出部は、前記物体情報取得部が取得した相対速度情報および/または距離情報が、予め定めた閾値を超えた場合に、判定対象外の前記物体からの電波干渉による異常を検出することを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載のレーダ装置。
- 障害物判定処理を行う判定処理部を備え、
前記判定処理部は、
前記検出部が異常を検出した場合に、予め定めた閾値を超えた相対速度情報および/または距離情報を破棄して、前記障害物判定処理を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレーダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017238017A JP2019105527A (ja) | 2017-12-12 | 2017-12-12 | レーダ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021130818A1 (ja) * | 2019-12-23 | 2021-07-01 | 三菱電機株式会社 | 検出装置、検出方法、及び、検出プログラム |
KR20230001996A (ko) * | 2021-06-29 | 2023-01-05 | (주)피코씨이엘 | 간섭을 배제하는 초광대역 레이더 시스템 |
-
2017
- 2017-12-12 JP JP2017238017A patent/JP2019105527A/ja active Pending
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WO2021130818A1 (ja) * | 2019-12-23 | 2021-07-01 | 三菱電機株式会社 | 検出装置、検出方法、及び、検出プログラム |
JPWO2021130818A1 (ja) * | 2019-12-23 | 2021-12-23 | 三菱電機株式会社 | 検出装置、検出方法、及び、検出プログラム |
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KR102579944B1 (ko) * | 2021-06-29 | 2023-09-18 | (주)피코씨이엘 | 간섭을 배제하는 초광대역 레이더 시스템 |
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