本願の実施形態の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、以下は、添付の図面を参照して、本願の実施形態をさらに詳細に記載する。
下記は、当業者の理解を容易にするために、本願の実施側面におけるいくつかの用語を記載する。
(1)レーダー検出装置は、たとえば、レーダー(radar)であるか、または検出(たとえば、測距)を実行するように構成された別の装置であってもよい。
(2)レーダーは、レーダー装置、検出器、レーダー検出装置、レーダー信号送信装置などとも呼ばれる。レーダーの動作原理は、レーダーが信号(または検出信号と呼ばれる)を送信し、ターゲット・オブジェクトによって反射された反射信号を受信して、対応するターゲット・オブジェクトを検出することである。レーダーによって送信される信号は、レーダー信号でありうる。これに対応して、ターゲット・オブジェクトによって反射された受信反射信号も、レーダー信号でありうる。
(3)レーダー検出装置の送信期間(またはレーダー検出装置の周波数掃引期間、周波数掃引時間、周波数掃引継続時間等と呼ばれる)は、レーダー検出装置が完全な波形を有するレーダー信号を送信する期間である。レーダー検出装置は、通例、連続的な継続時間において複数の周波数掃引期間において、レーダー信号を送信する。
(4)レーダー検出装置の初期周波数は、レーダー検出装置が送信期間のはじめにレーダー信号を送信する周波数である。さらに、レーダー検出装置の送信周波数は、初期周波数に基づいて、送信期間内において変化する。
(5)レーダー検出装置の周波数掃引帯域幅は、レーダー検出装置によって送信されるレーダー信号の波形によって占有される帯域幅である。ここで、「周波数掃引帯域幅」は、説明を容易にするために定義され、技術的には、レーダー検出装置によって送信されたレーダー信号の波形によって占有される帯域幅であることに留意されたい。また、レーダー検出装置によって送信されたレーダー信号の波形によって占有される周波数帯が周波数掃引帯域と呼ばれてもよい。
(6)周波数変調連続波(frequency modulated continuous wave、FMCW)は、周波数が時間とともに変化する電磁波である。
(7)線形周波数変調連続波は、周波数が時間とともに線形に変化する電磁波である。周波数が時間とともに線形に変化するということは、通例、周波数が1つの送信期間内で時間とともに線形に変化することを意味する。具体的には、線形周波数変調連続波の波形は、通常、鋸歯状波または三角波であるか、または別の波形、たとえば、ステップ状の周波数の波形であってもよい。
(8)レーダー検出装置の最大測距距離またはレーダー検出装置の最大検出距離は、レーダー検出装置の構成に関連するパラメータ(たとえば、レーダー検出装置の工場設定パラメータに関連する)である。たとえば、レーダー検出装置はレーダーである。長距離の適応クルーズコントロール(adaptive cruise control、ACC)レーダーの最大測距距離は250mであり、中距離レーダーの最大測距距離は70~150mである。
(9)中間周波数(intermediate frequency、IF)信号は、レーダー検出装置がレーダーである例では、レーダーの局部発振器信号および反射された信号(レーダーの送信信号がターゲット・オブジェクトによって反射された後に得られる信号)に対して周波数混合器が処理を実行した後に得られる信号である。具体的には、発振器によって生成された周波数変調連続波信号の一部が局部発振器信号として使用され、周波数変調連続波信号の別の一部が送信信号として使用され、送信アンテナを用いて送信される。受信アンテナによって受信された送信信号の反射信号が局部発振器信号と混合されて、「中間周波数信号」が得られる。ターゲット・オブジェクトの位置情報、速度情報、または角度情報の一つまたは複数のピースが、中間周波数信号を使用して得られてもよい。位置情報は、現在のレーダーに対するターゲット・オブジェクトの位置情報であってもよい。速度情報は、現在のレーダーに対するターゲット・オブジェクトの速度情報であってもよい。角度情報は、現在のレーダーに対するターゲット・オブジェクトの角度情報であってもよい。さらに、中間周波数信号の周波数は、中間周波数と呼ばれる。
(10)レーダー信号の最大伝搬遅延は、現在のレーダーの属性またはパラメータに基づいて決定される。属性またはパラメータは、具体的には、検出装置(干渉源として使用される検出装置)のレーダー信号の送信電力および検出装置(現在の検出装置)の受信機の感度のうちの少なくとも1つを含みうる。具体的には、特定の伝搬遅延の後に、別のレーダー信号が現在のレーダーによって受信される。伝搬遅延後、干渉信号のパワーが受信機の感度より大きい場合、干渉信号は現在のレーダーに干渉を生じさせ;または、干渉信号のパワーが受信機の感度より大きくない場合、干渉信号は現在のレーダーに干渉を生じさせず、干渉信号はノイズとして処理される。伝搬遅延の後、干渉信号のパワーが受信機の感度に等しい場合、伝搬遅延はレーダー信号の最大伝搬遅延と呼ばれる。
(11)「少なくとも1」は一つまたは複数を意味し、「複数」は2つ以上を意味する。「および/または」は、関連するオブジェクト間のアソシエーション関係を記述し、3つの関係が存在する可能性があることを示す。たとえば、Aおよび/またはBは、Aのみ存在、AおよびBの両方が存在、Bのみが存在、の3つの場合を示すことができる。ここで、AおよびBは単数または複数でありうる。記号「/」は、一般に、関連するオブジェクト間の「または」関係を示す。以下の項目(ピース)のうちの少なくとも1つまたは類似の表現は、これらの項目の任意の組み合わせを指し、単数の項目(ピース)または複数の項目(ピース)の任意の組み合わせを含む。たとえば、a、bまたはcの少なくとも1つの(ピース)は:a、b、aとb、aとc、bとc、またはaとbとcを示してもよく、ここで、a、bおよびcは、単数または複数でありうる。
さらに、特に断りのない限り、本願の実施形態における「第1の」および「第2の」のような順序番号は、複数のオブジェクトの間を区別するためのものであり、複数のオブジェクトの順序、時系列、優先度、または重要度を限定することを意図したものではない。たとえば、第1の情報および第2の情報は、単に異なる情報を区別することを意図したものであって、2つのタイプの情報が、内容、優先度、送信シーケンス、重要さ等において異なることを示すものではない。
上記は、本願の実施形態におけるいくつかの概念を記載する。以下は、本願の実施形態における技術的特徴を説明する。
社会の発展に伴い、現代生活におけるますます多くの機械が自動化およびインテリジェント化に向けて発達し、モバイル走行のために使用されるビークル/車両も例外ではない。インテリジェント・ビークルが人々の日常生活に入りつつある。近年、先進運転支援システム(Advanced Driving Assistant System、ADAS)はインテリジェント・ビークルにおいて非常に重要な役割を果たしている。先進運転支援システムでは、車両に搭載されたさまざまなセンサーが、周囲環境を検出する、データを収集する、車両の運転プロセスにおいて静止オブジェクトおよび動いているオブジェクトを識別、検出および追跡するために使用され、ナビゲータの地図データに基づいて、システム運用およびシステム解析が実行され、それにより、運転者が事前に潜在的な危険を検出し、車両の運的快適性および安全性が効果的に向上させられる。要するに、実際の無人運転が、ADASの最終的な開発の産物である。無人運転アーキテクチャーでは、感知層は、車両の「目」になぞらえられ、車載カメラなどの視覚センサーおよび車載ミリ波レーダー、車載レーザー・レーダー、車載超音波レーダーなどのレーダー・センサーを含む。ミリ波レーダーは、コスト効率と成熟した技術のおかげで、無人運転システムの主要なセンサーとなった最初のものである。現在、ADASは、適応クルーズ制御、自動非常ブレーキ、車線変更支援、ブラインドスポット検出などを含む、車載ミリ波レーダーと不可分の10を超える機能を開発している。
ミリ波とは、波長が1mm~10mmの範囲の電磁波であり、30GHz~300GHzの周波数範囲に対応する。この周波数帯では、ミリ波に関連した特徴のため、ミリ波レーダーは車載分野に非常に適したものとなっている。高い帯域幅は、豊富な周波数領域資源と低いアンテナ・サイドローブを意味し、撮像または準撮像を容易にする。小さな波長は、レーダー装置の大きさとアンテナ直径が小さくなり、よって重量が小さくなることを意味する。狭いビームは、同じアンテナサイズではミリ波ビームがマイクロ波ビームよりもずっと狭く、レーダー分解能が高いことを意味する。強い浸透は、レーザー・レーダーや光学系に比べて、ミリ波レーダーは煙、塵、霧を貫通する能力が高く、時間を問わずに機能しうることを意味する。
車載ミリ波レーダー・システムは、一般に、発振器、送信アンテナ、受信アンテナ、周波数混合器、プロセッサ、およびコントローラのような装置を含む。図1は、ミリ波レーダーの動作原理を示す図である。図1に示されるように、発振器は、周波数が時間とともに線形に増加するレーダー信号を生成する。レーダー信号は、通例、周波数変調連続波を有する。レーダー信号の一部は、方向性カプラを用いて周波数混合器に出力され、局部発振器信号として使用され、レーダー信号の別の一部は送信アンテナを通じて送信される。受信アンテナは、送信されたレーダー信号が車両の前方の物体に遭遇した後に反射されたレーダー信号を受信する。周波数混合器は、受信されたレーダー信号と局部発振器信号を混合し、中間周波数信号を得る。中間周波数信号は、レーダー・システムに対するターゲット・オブジェクトの距離、速度、角度などの情報を含む。低域通過フィルタを通過し、増幅処理を受けた中間周波数信号は、プロセッサに送信される。プロセッサは、通例、受信信号に対して高速フーリエ変換、スペクトル解析などを実行し、ターゲット・オブジェクトとレーダー・システムとの間の距離、速度、および角度を得る。最後に、プロセッサは、車両の挙動を制御するために、得られた情報をコントローラに出力してもよい。
ミリ波レーダーの周波数変調連続波の波形は、一般に、のこぎり波または三角波である。以下では、のこぎり波を例として使って、ミリ波レーダーの測距原理を詳細に説明する。三角波の測距原理は鋸歯波のそれと同様である。
図2は、単一の周期における周波数変調連続波の時間‐振幅図であり、図3は、複数の周期における周波数変調連続波の時間‐振幅図である。図2に示されるように、線形周波数変調連続波は、その周波数が時間とともに線形に変化する信号である。図3に示されるように、周波数変調連Tc、傾きはa0、帯域幅はB、開始周波数はb0である。図2に示される周波数変調連続波信号は、チャープ(chirp)信号とも呼ばれる。
ミリ波レーダーの発振器によって出力される単一周期における周波数変調連続波の等価ベースバンド信号は、次のように表すことができる:
この式において、Aは等価ベースバンド信号の振幅を示し、a
0は等価ベースバンド信号の傾きを示し、b
0はY軸上の等価ベースバンド信号の切片を示し、φ
0は等価ベースバンド信号の初期位相を示し、expはeの指数関数を示し、Nは周波数変調連続波を連続的に送るための期間の数を示す。周波数は、時間に対する位相の変化率として定義されるので、等価ベースバンド信号の周波数は、次のようになる:
式1.2の画像が図3に示されている。
たとえば、図4は、送信信号、受信信号および中間周波数信号間の関係の概略図である。上方変換後、n番目の期間において発振器によって送信された周波数変調連続波の等価ベースバンド信号は、ミリ波レーダーの送信アンテナによって外側に放射される。送信信号は、次のように表されてもよい:
この式において、f
cはキャリア周波数である。信号が障害物に遭遇した後、信号は反射され、ミリ波レーダーによって受信される。反射信号の波形が送信信号の波形に対して遅延τをもつことのほかは、送信信号の波形は反射信号の波形と同じである。図4を参照されたい。図4において、エコー信号は、反射信号である。したがって、n番目の期間の周波数変調連続波の受信信号は、次のように表されてもよい:
この式において、A'は発振器によって送信された等価ベースバンド信号が送信アンテナの利得、ターゲットによる反射、伝搬損失、受信アンテナの利得を受けた後に得られる信号の振幅であり、τはミリ波レーダーの送信機によるレーダー信号の送信からミリ波レーダーの受信機によるエコー信号(すなわち、反射信号)の受信までの全遅延である。図4に示されるように、遅延は、距離/光速の2倍の大きさである。また、図4において、τ
maxは、ミリ波レーダーの最大検出距離に対応するエコー遅延を示す。言い換えると、τ
maxは、ミリ波レーダーとターゲット・オブジェクトとの距離が、ミリ波レーダーが検出できる最大距離である場合の、ミリ波レーダーによって受信された反射信号の、送信信号に対する遅延である。
この式において、τ
0は、基準距離によって引き起こされるレーダー・エコー遅延であり、vはターゲットとレーダーの間の動径方向相対速度であり、cは光速である。速度vは光速cよりはるかに小さい。ベースバンド信号については、その後の検出では、前述の式の第2項はほとんど寄与せず、この場合、式(1.5)の第2項はベースバンド信号では無視される。しかしながら、キャリア周波数において、前述の式(1.5)の第2項は速度検出において重要な役割を果たすため、項目はリザーブされている。よって、受信された等価ベースバンド信号に対して下方変換が実行された後に得られる信号は、次の通りである。
ミリ波レーダーの周波数混合器は、受信信号と送信信号に対して周波数混合を実行し、周波数混合後に得られた信号が中間周波数フィルタを通過し、中間周波数信号を出力する。中間周波数信号は次のように表される。
この式で、
は、ターゲットと検出レーダーの動径方向相対速度によって形成されるドップラー周波数である。
中間周波数信号は、高速フーリエ変換などの処理のためにミリ波レーダーのプロセッサに送られ、中間周波数信号の周波数fIFが得られる。
さらに、図4に示されるように、中間周波数信号の周波数は、送信信号の波形の傾きと遅延τとの積であり、すなわち、
したがって、ミリ波レーダーとターゲット・オブジェクトとの距離dは、次のようになる:
この演繹プロセスから、送信信号と受信信号との間の遅延と周波数差(すなわち中間周波数信号の周波数)との間には線形関係があることがわかる。すなわち、ミリ波レーダーとターゲット・オブジェクトとの間の距離が長いほど、ミリ波レーダーが反射信号を受信する時間が遅くなり、そのため、反射信号と送信信号との間の周波数差が大きくなる。よって、中間周波数信号の周波数が、レーダーとターゲット・オブジェクトとの間の距離を決定するために決定されうる。また、レーダー信号を処理する前述のプロセスは、単に一例であり、具体的なレーダー処理プロセスが限定されるものではない。
速度検出については、式(1.7)から、2つの隣接する期間において同じサンプリング時点ではエコー中間周波数信号間の位相差が固定値であり、ΔΦ=Φ
n+1-Φ
n=2πf
d
0T
cであることがわかる。ドップラー周波数f
dは、複数の連続する期間における同じ時間サンプリング点でのエコー中間周波数信号の位相シーケンスに対してフーリエ変換を実行することによって得られてもよい。ドップラー周波数とターゲットの動径方向相対速度vとの間の関係は、
と表されてもよい。ここで、λはレーダーの信号波長である。
したがって、レーダーとターゲットの間の動径方向の相対速度はv=λfd
0/2である。
レーダー(たとえば、車載ユニットおよび/または路側ユニット)の普及率が上がるにつれて、レーダー間の相互干渉がますます深刻になっている。よって、レーダー検出の確率が大幅に低下するか、またはレーダー検出の誤警報確率が増し、これは、運転の安全性または快適さに対して無視できない影響を引き起こす。
図5は、車載レーダー間の相互干渉の概略図である。図5を参照されたい。レーダー1は、送信信号を送信し、ターゲット・オブジェクト上で送信信号から反射された反射信号を受信する。レーダー1が反射信号を受信すると、レーダー1の受信アンテナは、レーダー2の送信信号または反射信号も受信する。この場合、レーダー1によって受信されるレーダー2の送信信号またはレーダー2の反射信号は、レーダー1にとっての干渉信号である。
たとえば、レーダー1が観測レーダーである場合、レーダー1の周波数変調連続波の傾きはa0であり、切片はb0あり、周期はTcである。レーダー2が干渉レーダーである場合、レーダー2の周波数変調連続波の傾きはa1であり、切片はb1である。この場合では、b0はb1に等しいと想定される。レーダー1の最大測距距離に対応するエコー遅延は、τmaxである(すなわち、レーダーの最大検出距離を式1.6に代入して計算された遅延。たとえば、レーダーの最大検出距離が250mの場合、式1.6を用いて計算された遅延は1.67μs)。レーダー1の受信機に到達するレーダー2の干渉信号の遅延はτ1である。レーダーの送信の瞬間においては、タイミング誤差Δτがあると考えられる(たとえば、全地球測位システム(global positioning system、GPS)のタイミング誤差に起因する、送信の瞬間における、たとえば60nsの誤差)。レーダーが受信信号を検出する時間間隔は、τmax~Tcである。
図6および図7は、可能な偽の中間周波数信号の概略図である。レーダー1によって送信されたレーダー信号の傾きが、レーダー2によって送信されたレーダー信号の傾きと同じである、すなわち、a0=a1であり、かつ、2つのレーダー信号の動作周波数帯域が重複する場合、誤警報が発生する。
この場合、レーダーの受信機において発生する中間周波数信号は次のようになる。
この式において、
A
i'は、干渉レーダーの信号が送信アンテナの利得、ターゲットによる反射、伝搬損失、および受信アンテナの利得を受けた後に得られる信号の振幅であり、φ
iは干渉レーダーの信号の初期位相であり、f
d
iはターゲットと検出レーダーとの間の動径方向相対速度に起因して干渉レーダーの信号によって形成されるドップラー周波数であり、τ
iは、送信機による干渉レーダーの信号の送信から干渉されるレーダーの受信機による該信号の受信までの遅延である。
図6に示されるように、レーダー1は、ターゲット・オブジェクトに信号を送信し、ターゲット・オブジェクトからの反射信号を受信する。しかしながら、レーダー1によって信号を送信してから反射信号を受信するまでの間の時間範囲内で、レーダー1の受信アンテナは、レーダー2の送信信号または反射信号(破線で示す)を受信する。レーダー1の信号波形はレーダー2の信号波形と整合し、レーダー1とレーダー2の周波数掃引帯域幅は同じである。レーダー1のターゲット・エコー観察範囲において、レーダー1が、対応する周波数の破線によって示される信号を受信した場合、レーダー1は、「ターゲット・オブジェクト1」があるとみなす。レーダー1が、信号処理のための時間間隔(τmax~Tc)において、破線で示された信号と実線で示された反射信号を検出すると、レーダー1は、破線で示された受信信号が前方のオブジェクトからの反射信号であると誤解し、この場合、誤った中間周波数信号が生成される。高速フーリエ変換が実行された後、レーダー1に対してスペクトル解析が実行され、2つのピーク値が発見されうる。図7に示されるように、各ピーク値は、1つのターゲット・オブジェクトに対応し、レーダー1は、「ターゲット・オブジェクト1」と「ターゲット・オブジェクト2」の両方が存在すると考える。レーダー1は、「ターゲット・オブジェクト1」が前方に存在すると誤解するが、「ターゲット・オブジェクト1」は実際には存在しない。これは「ゴースト」または「誤警報」と呼ばれる。誤警報が発生した後、自律車両は、前方に物体がないときに減速するか、または急ブレーキをかける。その結果、運転の快適性が低下する。
図8および図9は、可能な干渉信号がターゲット信号を圧倒する場合の概略図である。図8に示されるように、レーダー1は、ターゲット・オブジェクトに信号を送信し、ターゲット・オブジェクトからの反射信号を受信する。しかしながら、レーダー1のターゲット・エコー観察範囲において、レーダー1の受信アンテナは、レーダー2の送信信号または反射信号(破線)を受信する。レーダー1の信号波形の傾きは、レーダー2の信号波形の傾きとは異なる。信号検出時間間隔(τ
max~T
c)において、レーダー1は、レーダー1の反射信号およびレーダー2の関連信号を検出する。レーダー2の検出された関連信号とレーダー1の反射信号との周波数混合の後、さまざまな周波数成分を含む中間周波数信号が生成される。詳細は、次のとおり。
図9に示されるように、高速フーリエ変換が中間周波数信号に対して実行された後、干渉プラットフォームが現れ、真のターゲット・オブジェクトの「突出」度が不十分になる。これは検出を困難にし、欠落検出の可能性を増加させる。欠落検出が生じた後、自律車両の前方に物体がある場合、自律車両は物体がないと誤解し、減速や制動をしない。その結果、交通事故が発生し、車両の運転安全性が低下する。
図10および図11は、レーダーの干渉プラットフォームの概略図である。具体的には、レーダー1の信号波形の傾きは、レーダー2の信号波形の傾きとは異なる。レーダー1の波形傾きがα0であり、レーダー2の波形傾きがα1である場合、2つの傾きの差は次の2つの場合に分類される。
α1<α0である場合、図10に示されるように、干渉プラットフォームが現れ、欠落検出の問題が生じる。
α1>α0である場合、図11に示されるように、やはり干渉プラットフォームが現れ、欠落検出の問題が生じる。
なお、当業者であれば、ある瞬間にまたはある時間期間に受信された信号は、干渉信号であることがあり、またはターゲット・オブジェクトの反射信号であることがあることを理解することができる。レーダー検出状態は、送信/反射信号の時間および周波数の変化によって明確に示すことができる。よって、本願の実施形態の以後の説明では、レーダー間の相互干渉を示すために、送信/反射信号の傾き(特定の時間期間内の周波数範囲)を示す曲線チャートがほとんど使用される。
しかしながら、レーダー検出の確率が低下したり、またはレーダー検出の誤警報の確率が増加したりすると、運転の安全性や快適性への影響は無視できない。よって、レーダー間の干渉をいかにして軽減するかが解決される必要がある。
前述の問題を解決するために、ある可能な解決策では、レーダーは、レーダーの送信時間をランダム化するために、ランダムな休止時間長を使用し、それにより、他のレーダーへの周期的な干渉が回避される。周期的干渉の可能性を低減するために送信時間がランダム化されてもよいが、レーダー間の干渉をなくすことはできない。レーダーの受信機によって干渉が受信されるとき、干渉が周期的であるかどうかにかかわらず、ターゲットの測定が影響を受ける。
別の可能な解決策では、異なる波形傾きおよび周期のようなパラメータが、異なるレーダーに対して設定されてもよい。
図12は、ある可能な解決策の概略図である。図12に示されるように、レーダー1の信号の波形傾きおよび送信周期のようなパラメータは、レーダー2の信号のものと整合していない。このようにして、レーダー1がレーダー2の信号を受信しても、レーダー1とレーダー2の信号の波形が整合しないため、信号が周波数混合器を通過するとき、すなわち周波数の間に差があるときには、一定周波数の中間周波数信号は発生しない。スペクトル解析では、一定周波数をもつ中間周波数信号のみがピーク信号として反映される。よって、この方法によれば、ゴースト確率を低減することができる。しかしながら、レーダー1がレーダー2の信号を受信し、その信号が周波数混合器を通過した後に、干渉信号が有効受信中間周波数帯域幅内に入ると、干渉信号の強度が増す。干渉信号のレベルが増した後では、図13に示されるように、もとのターゲット信号は干渉のために圧倒される。図13は、可能な欠落検出結果の概略図である。その結果、車両の前方の障害物が検出されず、よって欠落検出が発生する。これは、車両の運転安全性、特に自律車両の安全性に悪影響を及ぼす。
図14は、別の可能な解決策の概略図である。この解決策で使用される技術は、レーダー波形周波数シフト(shift)技術である。レーダーが、周波数掃引帯域内の他のレーダーからの干渉を検出すると、レーダーは、複数のレーダー間の干渉を防止するために、他の周波数帯域にシフトする。周波数シフト(shift)技術では、周波数シフト(shift)間隔は、レーダーの周波数掃引帯域幅よりも大きくてもよい。この場合、レーダー波形は、図14に示されるように、重複なしに完全に周波数分割される。現在、レーダーに割り当てられる周波数領域資源は限られている。しかしながら、周波数シフト(shift)間隔の設定のため、過剰な周波数領域資源が占有される。あるいはまた、周波数シフト(shift)技術が依然として使用されるが、レーダーの動作周波数帯域内の他のレーダーからの干渉を検出した後、レーダーは、図15に示されるように、ランダムな周波数シフト(shift)を実行する。図15は、さらに別の可能な解決策の概略図である。この場合、干渉をある程度減らすことができる。しかしながら、完全にランダム化された周波数シフトでは、必然的に、周波数シフト後に、2つのレーダーの波形が周波数領域において近すぎることになりうる。その結果、ゴーストが発生するか、または干渉信号の強度が増し、オブジェクトが検出されないことになる。
この観点から、本願のある実施形態は、信号処理方法を提供する。本願のこの実施形態では、チャネル傾聴は、第1の信号および第2の信号に基づいて実行される。チャネル傾聴は、第1の時間領域において第1の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行し、第2の時間領域において第2の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行することを含む。チャネル傾聴の結果に基づいて、ターゲット検出のための第1の時間‐周波数資源が決定される。第1の時間‐周波数資源の時間領域資源は、第1の時間領域範囲である。換言すれば、本願のこの実施形態では、レーダー検出装置が同期情報なしでも協調を実行できるように、レーダー直交時間領域波形の効率的な傾聴が第1の信号および第2の信号に基づいて実装されてもよく、第1の信号および第2の信号の実装は簡単である。レーダー検出装置は、あるレーダー検出装置によって送信されたレーダー信号が他のレーダー検出装置のターゲット・エコー観察範囲内に入らないように、また、他のレーダー検出装置によって送信されたレーダー信号が第1のレーダー検出装置のターゲット・エコー観察範囲内に入らないように、傾聴結果に基づいて適切な時間‐周波数資源を選択して動作する。よって、レーダー検出装置間の干渉が回避される。
図16は、本願のこの実施形態による可能な適用シナリオの概略図である。図16に示されるように、この適用シナリオは、無人運転、自律運転、インテリジェント運転、コネクテッド運転などであってもよい。レーダー検出装置は、自動車(たとえば、無人車両、インテリジェント車両、電気車両、またはデジタル車両)、無人航空機、鉄道車両、自転車、信号灯、スピード測定装置、またはネットワーク装置(たとえば、さまざまなシステムにおける基地局または端末装置)などに設置されうる。本願のこの実施形態は、車両用のレーダー検出装置だけでなく、車両〔ビークル〕および無人航空ビークルのような他の装置用のレーダー検出装置、または他の装置用のレーダー検出装置にも適用可能である。さらに、レーダー検出装置は、たとえば車載レーダー検出装置として車両に設置されたモバイル装置に設置されてもよいし、または、たとえば路側ユニット(road side unit、RSU)などの装置に設置された固定装置に設置されてもよい。レーダー検出装置の設置場所、機能等は、本願のこの実施形態では限定されない。
本願のこの実施形態は、検出装置によって実行されてもよい。たとえば、本願のこの実施形態において提供される方法を実行する検出装置は、第1の検出装置と称されてもよい。説明を容易にするために、本願のこの実施形態では、以下では、検出装置がレーダー検出装置であり、レーダー検出装置がミリ波レーダーのようなレーダーである例を用いて、この実施形態を概略説明する。しかしながら、本願のこの実施形態では、検出装置はレーダー検出装置のみに限定されず、レーダー検出装置はミリ波レーダーまたはレーダーのみに限定されない。さらに、本願のこの実施形態では、L個の時間領域範囲における対応する時間領域範囲においてレーダー信号を送信する複数のレーダー検出装置は、同じ周波数掃引期間を有していてもよい。たとえば、レーダー検出装置1が、複数の時間領域範囲における第1の時間領域範囲においてレーダー信号を送信し、レーダー検出装置2が、前記複数の時間領域範囲における第2の時間領域範囲においてレーダー信号を送信する場合、レーダー検出装置1の周波数掃引期間は、レーダー検出装置2の周波数掃引期間と同じである。
さらに、検出装置によって送信される信号は、電波信号であってもよい。検出装置がレーダー検出装置であることを例として使うと、検出装置によって送信される信号はレーダー信号であると考えられる。本願のこの実施形態では、検出装置がレーダー検出装置であり、検出装置によって送信される信号がレーダー信号であることが例とし使用される。
なお、L個の時間領域範囲において、複数のレーダー検出装置が、対応する時間領域範囲においてレーダー信号を送信する。時間領域範囲は、連続的な継続時間であってもよい。レーダー検出装置は、連続的な継続時間内に一つまたは複数の周波数掃引期間において電波信号を送信することができる。さらに、時間領域範囲は、時間領域単位、時間領域資源、時間単位、継続資源、継続時間などとも呼ばれる。具体的な名前は限定されない。1つの時間領域範囲の長さは、レーダー検出装置の送信期間(周波数掃引期間、周波数掃引継続時間などとも呼ばれる)に等しくてもよい。換言すれば、L個の時間領域期間のそれぞれの時間領域長は、レーダー検出装置の周波数掃引期間であってもよい。あるいはまた、1つの時間領域期間の長さは、レーダー検出装置の周波数掃引期間の整数倍に等しくてもよい。たとえば、時間領域範囲の継続時間が500周波数掃引期間である場合、対応するレーダー検出装置は、この時間領域範囲において500周波数掃引期間のレーダー信号を送信する必要がある。いくつかのシナリオでは、L個の時間領域範囲の時間領域長さは同じである。いくつかの他のシナリオでは、L個の時間領域範囲の時間領域長さは、すべて同じではなくてもよい。
また、ある可能な場合には、レーダー検出装置は、特定の送信タイミングでレーダー信号を送信することに留意すべきである。しかしながら、実際の通信シナリオ、環境、またはハードウェア装置における可能性のある差異のために、レーダー信号の実際の送信時点は、信号送信誤差と称されうる誤差を有することがあり、これはたとえば、GPS精度によって引き起こされる誤差である。別の可能な場合には、製造プロセスにおいて、異なるレーダー検出装置は、製造における差異に起因する、信号送信におけるわずかな誤差を有することがある。別の場合には、別の理由によって引き起こされる誤差あることもある。上記の可能な誤差はすべて、具体的な実装における、本願のこの実施形態において提供される方法において考慮されうる。あるいはまた、本願のこの実施形態では、これらの誤差は無視されてもよく、解決策は、一様な標準および一様な送信タイミングに基づいて説明される。技術的解決策が本願のこの実施形態において記載されるとき、誤差が考慮されるか無視されるかにかかわらず、本願のこの実施形態の実装および有利な効果は実質的に影響されないことに留意されたい。
本願のこの実施形態において提供される技術的解決策は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明される。
図17は、本願のこの実施形態に係る信号処理方法の実施形態1の概略フローチャートである。以下の説明プロセスでは、図16に示されるネットワークアーキテクチャーに本方法が適用される例が用いられる。図17に示されるこの実施形態において提供される方法は、図16に示されるネットワークアーキテクチャーにおけるレーダー検出装置によって実行されてもよい。たとえば、レーダー検出装置は、第1のレーダー検出装置と呼ばれる。また、以下の説明では、レーダー検出装置によって送信された信号が前記レーダー信号であってもよく、当然、受信されるエコー信号が前記レーダー信号であってもよい。図17に示されるように、信号処理方法は、以下のステップを含んでいてもよい。
S1701:第1の信号および第2の信号を生成する。
本願のこの実施形態では、第1のレーダー検出装置は、レーダー信号を送信する必要があるレーダー検出装置であってもよい。よって、第1のレーダー検出装置がレーダー信号を送信する必要がある場合には、第1の信号および第2の信号のような少なくとも2つの信号がまず生成される。第1の信号と第2の信号は、それぞれ、時間領域における1つの時間領域範囲に対応し、2つの時間領域範囲における時間‐周波数資源は異なる。検出装置は、第1の信号および第2の信号に基づいてチャネル傾聴を実行して、レーダー信号を送信するための適切な時間‐周波数資源を決定することができる。
任意的に、本願のこの実施形態では、第1の信号の時間領域範囲は第1の時間領域範囲であり、第2の信号の時間領域範囲は第2の時間領域範囲である。第1の時間領域範囲は、複数の第1の周波数掃引期間を含んでいてもよい。各第1の周波数掃引期間は、第1のサブ信号に対応する。第2の時間領域範囲は、複数の第2の周波数掃引期間を含んでいてもよい。各第2の周波数掃引期間は、第2のサブ信号に対応する。
任意的に、この実施形態では、第1の信号および第2の信号に対応する時間領域範囲内の時間‐周波数資源は、第1のレーダー検出装置が使用したい時間‐周波数資源であってもよい。このようにして、第1の信号および第2の信号に基づいてチャネル傾聴を実行するとき、第1のレーダー検出装置は、第1のレーダー検出装置が使用したい全時間‐周波数資源からの適切な時間‐周波数資源を決定することができる。
ステップS1701は任意的であることに注意しておくべきである。別の可能な実装では、S1701は、第1の傾聴信号および第2の傾聴信号を生成する段階であって、第1の傾聴信号は、第1の信号における少なくとも1つの第1のサブ信号に対応し、第2の傾聴信号は、第2の信号における少なくとも1つの第2のサブ信号に対応する、段階で置き換えられてもよい。本明細書で「対応する」とは、第1の傾聴信号の波形、時間領域資源、および周波数領域資源が、第1の信号の少なくとも1つのサブ信号のものと同じであることを意味する。
S1702:第1の信号および第2の信号に基づいてチャネル傾聴を実行する。ここで、チャネル傾聴は、第1の時間領域範囲内の第1の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行し、第2の時間領域範囲内の第2の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行することを含む。本明細書において、「第1の信号および第2の信号に基づいてチャネル傾聴を実行する」とは、傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行すること、すなわち、第1の傾聴信号および第2の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行することとして理解されうる。第1の傾聴信号および第2の傾聴信号は、それぞれ、第1の信号におけるサブ信号および第2の信号におけるサブ信号に対応する。傾聴は、第1の信号および第2の信号の全体に基づいて実行されることに限定されない。
この実施形態では、第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲は、L個の時間領域範囲における時間領域範囲である。Lは1より大きい正の整数である。L個の時間領域範囲のうちの任意のものは、他の(L-1)個の時間領域範囲のうちの少なくとも1つと部分的に重複する。L個の時間領域範囲のうちの任意の2つの時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は、第1の閾値以上であり、第2の閾値以下である。
第1の傾聴信号は、第1の時間領域範囲内の少なくとも1つの第1の周波数掃引期間内にある、第1の信号の第1のサブ信号に対応する。第2の傾聴信号は、第2の時間領域範囲内の少なくとも1つの第2の周波数掃引期間内にある、第2の信号のサブ信号に対応する。少なくとも1つの周波数掃引期間における第1の信号の第1のサブ信号と、少なくとも1つの第2の周波数掃引期間における第2の信号の第2のサブ信号とが、傾聴される。2つの信号に対応する2つの時間領域範囲から、ターゲット検出により適した1つの時間領域範囲を決定するためである。
たとえば、第1のレーダー検出装置は、第1の信号および第2の信号に基づいてチャネル傾聴を実行することができる。具体的には、第1のレーダー検出装置は、第1の傾聴信号に基づいて、第1の時間領域範囲において、リッスンビフォアトーク(Listen-Before-Talk、LBT)チャネル・アクセス機構を実行してもよい。加えて、第1のレーダー検出装置は、第2の傾聴信号に基づいて第2の時間領域範囲においてLBTチャネル・アクセス機構を実行してもよく、それにより第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲におけるチャネル傾聴の結果を得ることができる。
任意的に、LBT傾聴機構は、クリア・チャネル評価(Clear Channel Assessment、CCA)である。具体的には、第1のレーダー検出装置は、0から競合窓サイズ(Contention Window Size、CWS)までの間のバックオフ・カウンタNを均等かつランダムに生成する。第1のレーダー検出装置は、第1の時間領域範囲内の少なくとも1つの第1の周波数掃引期間における第1のサブ信号と、第2の時間領域範囲内の少なくとも1つの第2の周波数掃引期間における第1の第2のサブ信号とに基づいて、チャネル傾聴を別個に実行する。第1のレーダー検出装置は、チャネルのビジー状態またはアイドル状態に基づいて、バックオフ・カウンタが1だけデクリメントされるかどうかを決定する。チャネルがアイドルであれば、バックオフ・カウンタは1だけデクリメントされ;逆に、チャネルがビジーであれば、バックオフ・カウンタはサスペンドされる、すなわち、チャネルがアイドルであると検出されるまで、チャネル・ビジー時間において、バックオフ・カウンタNは変化しないままである。バックオフ・カウンタが0にデクリメントされたとき、そのチャネルは、第1の時間領域範囲または第2の時間領域範囲で使用されうると決定される。
たとえば、図18は、第1の信号および第2の信号に対応する時間領域範囲が時間領域において分布している概略図である。図18に示されるように、この実施形態では、第1の信号の時間領域範囲は、第1の時間領域範囲である。第1の信号は、第1の傾聴信号を含む。第1の傾聴信号は、第1の時間領域範囲内の少なくとも1つの第1の周波数掃引期間内にある、第1の信号の第1のサブ信号である。第2の信号の時間領域範囲は、第2の時間領域範囲である。第2の信号は、第2の傾聴信号を含む。第2の傾聴信号は、第2の時間領域範囲内の少なくとも1つの第2の周波数掃引期間内にある、第2の信号の第2のサブ信号である。第1の信号、第1の傾聴信号、および第1のサブ信号の間の具体的な関係、および第2の信号、第2の傾聴信号、および第2のサブ信号の間の具体的な関係については、図18を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
任意的に、この実施形態では、図18に示されるように、第1のサブ信号と第2のサブ信号の時間領域資源は重複しない、すなわち、第1の傾聴信号と第2の傾聴信号の時間領域資源は重複しない。第1のサブ信号と第2のサブ信号の時間領域資源が重複しない場合、第1のレーダー検出装置が、第1の傾聴信号と第2の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行した後に限り、ターゲット検出のための決定された第1の時間‐周波数資源は、他のレーダー検出装置によって占有された時間領域資源と重複しないことができ、それにより、後続のレーダー検出装置間の相互干渉が回避される。
任意的に、図18に示されるように、第1の周波数掃引期間の継続時間および第2の周波数掃引期間の継続時間は同じであり、第1の信号および第2の信号の波形は同じである。このようにして、第1信号と第2信号の設計困難性を低減でき、実装可能性が改善される。
本願のこの実施形態では、L個の時間領域範囲は、時間領域範囲の集合と称されてもよい。むろん、L個の時間領域範囲およびL個の時間領域範囲のそれぞれは、他の名前として定義されてもよい。L個の時間領域範囲およびL個の時間領域範囲のそれぞれの名前にかかわらず、L個の時間領域範囲は、比較的粗い粒度の時間長を示し、各時間領域範囲は、比較的細かい粒度の時間長を示す。
L個の時間領域範囲のうちの任意のものは、他の(L-1)個の時間領域のうちの少なくとも1つと部分的に重複する(すなわち、完全には重複しない)。たとえば、2つの時間領域範囲が時間領域で完全に重複することは、2つの時間領域範囲が同じである、たとえば、2つの時間領域範囲の時間領域開始位置が同じであり、時間領域終了位置が同じであることを意味する。あるいはまた、2つの時間領域範囲が完全に重複することは、2つの時間領域範囲の一方が他方の時間領域範囲に完全に含まれることを意味する。2つの時間領域範囲が完全には重複しないということは、2つの時間領域範囲が交じわりをもつが、2つの時間領域範囲は同じではないことを意味する。たとえば、2つの時間領域範囲の時間領域開始位置は同じであるが、時間領域終了位置は異なる、または2つの時間領域範囲の時間領域開始位置は異なるが、時間領域終了位置は同じである、または2つの時間領域範囲の時間領域開始位置は異なり、時間領域終了位置は異なる。この設計を通じて、完全に時間分割された資源設計を回避することができ、時間領域資源を低減することができる。また、高性能通信を保証する前提でできるだけ多くのレーダー検出装置が特定の時間領域長さにおいてレーダー信号を送信するよう、レーダー検出装置の時間領域での分布密度を適切に調整することができる。
複数の時間領域範囲が部分的に重複する設計方式を使用することによって、時間領域での複数の時間領域領域において第1のレーダー検出装置の複数の周波数掃引期間を完全に分離することによって生じる時間領域資源の無駄が回避でき、時間領域資源が有効に利用でき、比較的高い干渉防止性能が比較的低い時間領域資源コストで実現でき、より多くのレーダー検出装置の通信がサポートできる。
本願のこの実施形態における「L」は、事前に定義されていてもよく、事前に構成されていてもよく、または事前設定された規則に従って決定されていてもよいことが理解されうる。たとえば、1つのレーダー検出装置については、「L」は、1つの周波数掃引期間におけるL個の候補時間領域グリッドとして具現されてもよく、各時間領域グリッドおよび特定の継続時間は、1つの時間領域範囲を形成する。時間領域グリッドは、時間領域範囲の開始位置または終了位置、時間領域範囲の中間位置などであってもよい。これは、本明細書において特に限定されない。レーダー検出装置は特定の継続時間で動作するので、解決策は、本願では「時間領域範囲」を用いて記載され、説明される。技術的には、時間領域範囲は、時間領域グリッドおよび継続時間を使用することによって定義されてもよい。よって、第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲は、第1の時間領域グリッドおよび第2の時間領域グリッドが、L個の時間領域グリッドにおける時間領域のグリッドであり、L個の時間領域のグリッドのうちの任意のものは、他の(L-1)個の時間領域グリッドのうちの少なくとも1つと部分的に重複するものとして記述されることがある。
たとえば、この実施形態では、L個の時間領域範囲のうちの任意の2つの時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は、第1の閾値以上であり、第2の閾値以下である。第1の閾値および第2の閾値は、以下の仕方で具体的に決定されうる。
第1の閾値または第2の閾値、またはその両方が事前に定義されている、または、第1の閾値または第2の閾値、またはその両方が、事前に構成された規則に従って決定される。
この実施形態では、第1の信号または第2の信号のような信号に対応する時間領域範囲を決定する困難を軽減し、L個の時間領域範囲のうちの任意の2つの時間領域範囲の時間領域開始位置の間の関係を明示的に知るために、第1の閾値および/または第2の閾値は、第1のレーダー検出装置においてあらかじめ定義されていてもよいし、および/または第1の閾値および/または第2の閾値の構成規則があらかじめ構成されていてもよい。このようにして、第1のレーダー検出装置がチャネル傾聴を実行する必要がある場合、第1のレーダー検出装置は、各信号に対応する時間領域範囲を正確に決定し、よって、他のレーダー検出装置によって使用される時間領域資源と重複しない時間領域資源を決定してもよい。よって、レーダー検出装置間の相互干渉を回避することができる。
任意的に、第1の閾値および/または第2の閾値が、事前に構成された規則に従って決定されることは、次のように説明されてもよい:第1の閾値は、少なくとも1つのエコー遅延および少なくとも1つの伝搬遅延に基づいて決定される。前記少なくとも1つのエコー遅延は、第1のレーダー検出装置の最大検出距離に対応するエコー遅延(たとえば、第1のエコー遅延と呼ばれる)を含む。前記少なくとも1つの伝搬遅延は、第1のレーダー検出装置によって送信される第1のレーダー信号に対応する伝搬遅延(たとえば、第1の伝搬遅延と呼ばれる)を含む。
第1の閾値および/または第2の閾値を決定するために使用される事前に構成された具体的な規則は、本願のこの実施形態において限定されないことが理解されうる。異なるシナリオでは、実際の状況に基づいて規則が決定されてもよい。詳細は、ここでは再度説明しない。
この実施形態では、L個の時間領域範囲のうちの任意の2つのものの時間領域開始位置の間の差の絶対値が第1の閾値以上であり、第2の閾値以下であることは、以下の2つの場合を含むことができる。
一例では、L個の時間領域範囲における任意の2つの隣接する時間領域範囲の開始位置の間の差は同じである。言い換えれば、L個の時間領域範囲の時間領域開始位置は、時間領域において均等に離間される。この例では、時間領域でのL個の時間領域範囲における任意の2つの「隣接する」時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値が、たとえば、Fに等しい場合、時間領域内の任意の2つの「隣接しない」時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は、FのX倍に等しくてもよい。ここで、Xは1より大きい正の整数である。
L個の時間領域範囲が、たとえば時間領域の前から後ろの順に配列された場合、たとえば、L個の時間領域範囲は、順次、第1の時間領域範囲、第2の時間領域範囲、第3の時間領域範囲などを含み、第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲が、時間領域における「隣接する」時間領域範囲であり、第2の時間領域範囲および第3の時間領域範囲も、時間領域における「隣接する」時間領域範囲であり、第1の時間領域範囲および第3の時間領域範囲は、時間領域における「隣接しない」時間領域範囲であることが理解されうる。
別の例では、L個の時間領域範囲の時間領域開始位置は、時間領域内で均等に離間されない。この例では、時間領域開始位置の間の差の絶対値が、L個の時間領域範囲のうちの2つについて最小である場合、それら2つの時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は、Fに等しいと想定される。L個の時間領域範囲のうちの前記2つ以外の任意の2つの時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は、Fより大きくてもよい。
任意的に、以下は、図19を参照して、例を使用することによって、L個の時間領域範囲の時間領域位置関係を説明する。
図19は、3つの時間領域範囲の間の時間領域位置関係の概略図である。図19に示されるように、本実施形態では、Lは3に等しい。この場合、3つの時間領域範囲は、それぞれ、第1の時間領域範囲、第2の時間領域範囲、および第3の時間領域範囲と呼ばれてもよい。3つの時間領域範囲のうちの任意のものが、残りの2つの時間領域範囲と部分的に重複する。図19においては、第1の時間領域範囲と第2の時間領域範囲との間の重複領域は、重複領域1としてマークされており、第1の時間領域範囲と第3の時間領域範囲との間の重複領域は、重複領域3としてマークされており、第2の時間領域範囲と第3の時間領域範囲との間の重複領域は、重複領域2としてマークされている。
図19に示されるように、3つの時間領域範囲のうちの任意の2つのものの時間領域開始位置の間の差の絶対値は、第1の閾値以上であり、第2の閾値以下である。第1の時間領域範囲の時間領域開始位置と第2の時間領域範囲の開始位置との間の差の絶対値は、間隔領域1の長さである。第2の時間領域範囲の時間領域開始位置と第3の時間領域範囲の開始位置との間の差の絶対値は、間隔領域2の長さである。第3の時間領域範囲の時間領域開始位置と第1の時間領域範囲の開始位置との間の差の絶対値は、間隔領域3の長さである。本願のこの実施側面において、区間領域1の長さ、区間領域2の長さ、および区間領域3の長さは、それぞれ、第1の閾値以上であり、第2の閾値以下である。
L個の時間領域範囲が順次、時間領域の前から後の順序で第1の時間領域範囲、第2の時間領域範囲、および第3の時間領域範囲を含む場合、第1の時間領域範囲と第2の時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は第1の絶対値と呼ばれ、第2の時間領域範囲と第3の時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は第2の絶対値と呼ばれることに留意されたい。第1の絶対値は、第2の絶対値に等しくてもよく、または第2の絶対値に等しくなくてもよい。しかしながら、第1の絶対値と第2の絶対値の両方とも、第1の閾値以上かつ第2の閾値以下である。
任意的に、本願のこの実施形態では、第1の時間領域範囲と第2の時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は、計算された範囲における最小値に設定されてもよく、すなわち、絶対値は、第1の閾値に等しい。このようにして、同じ利用可能な時間領域資源は、互いに干渉しない最大数のレーダー検出装置をサポートすることができる。これは、時間領域資源の利用率を大幅に改善する。
以下は、L個の時間領域範囲のうちの任意の2つの時間領域範囲の間の時間領域開始位置間の差を計算する方法を説明する。
この実施形態では、L個の時間領域範囲のうちの任意の2つの時間領域範囲の時間領域開始位置は、互い違いにされ、それにより、レーダー検出装置の干渉周波数混合信号は、中間周波数検出帯域幅の外側になる。よって、レーダー検出装置間の相互干渉が低減される。
たとえば、図20は、L個の時間領域範囲のうちの任意の2つの時間領域開始位置の間の差を計算することの概略図である。図20に示されるように、この実施形態は、同じ傾きをもつ複数の波形信号を使用することによって説明される。この実施形態では、Δsは複数のレーダー検出装置の間の送信時点差であり、Δpは干渉を引き起こすレーダー送信信号によって許容できる空間伝搬遅延の最大値であり、Tcはレーダー検出装置の動作周期であり、τmaxはレーダー検出装置の最大検出距離に対応するエコー遅延であり、δは、非理想的要因によって引き起こされるマージンに設定される(値は正であるとする)。それは、L個の時間領域範囲における任意の2つの隣接する時間領域範囲の開始位置の間の差Δtは、以下の条件を満たす必要があることが、計算により得られる。
max(τmax,Δp)+Δs+δ≦Δt≦Tc-(max(τmax,Δp)+Δs+δ)
たとえば、レーダー検出装置のパラメータは、Tc=27.8μs、τmax=2μsとする。レーダー検出装置間に時間‐周波数の誤差がない、すなわち、Δs+δ=0である場合は、Δtは次の条件を満たす: 2μs≦Δt≦25.8μs。レーダー検出装置間に2μsの時間‐周波数誤差がある場合、すなわちΔs+δ=2μsである場合、Δtは次の条件を満たす: 4μs≦Δt≦23.8μs。
任意的に、この実施形態では、L個の時間領域範囲内の任意の2つの隣接する時間領域範囲の開始位置の間の差は、1/L Tc以下である。Tcは、レーダー検出装置の動作周期である。
対応して、この実施形態では、レーダー検出装置の動作周期Tcが27.8μsに等しく、Tc内の任意の2つの隣接する時間領域範囲の開始位置の間の差Δtが4μsに等しい場合には、Δt≦Tc/Lから、L≦Tc/Δt=27.8÷4=6.95であることがわかる。Lは正の整数であるため、この実施形態では、Lは6に等しい、すなわち、レーダー検出装置の1つの動作周期に6つの時間領域範囲が存在する。
任意的に、本願のこの実施形態では、第1の信号と第2の信号の波形は同じである。たとえば、第1の信号に対応する第1の周波数掃引期間は、第2の信号に対応する第2の周波数掃引期間と同じである。第1の信号に対応する第1の周波数掃引帯域幅は、第2の信号に対応する第2の周波数掃引帯域幅と同じである。対応する点における第1の信号と第2の信号の傾きは同じである。具体的には、L個の時間領域範囲に対応する継続時間において、第1のレーダー検出装置によって実行されるチャネル傾聴の複雑さを簡単にするために、第1の信号と第2の信号の設計された波形は、この実施形態では同じである。すなわち、時間領域では、第1の時間領域範囲での第1の周波数掃引期間の継続時間は、第2の時間領域範囲での第2の周波数掃引期間の継続時間と同じである。
たとえば、本願の可能な設計において、方法は、さらに、以下を含みうる:
第3の信号を生成する。ここで、第3の信号に対応する時間領域範囲は第3の時間領域範囲である。
対応して、この実施形態では、チャネル傾聴は、第3の時間領域範囲内の第3の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行することをさらに含む。第3の時間領域範囲は、L個の時間領域範囲に属する。第3の時間領域範囲は、第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲とは異なる。第3の傾聴信号は、第3の時間領域範囲内の少なくとも1つの第3の周波数掃引期間内にある、第3の信号の第3のサブ信号に対応する。
本願のこの実施形態では、比較的大量の時間‐周波数資源から適切な時間‐周波数資源を決定するために、第1のレーダー検出装置は、第3の信号をさらに生成することができる。さらに、第3の信号に対応する第3の時間領域範囲は、L個の時間領域範囲における、第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲とは異なる時間領域範囲である。したがって、第3の時間領域範囲に対応する第3の時間‐周波数資源は、第1の時間‐周波数資源および第2の時間‐周波数資源とは異なる時間‐周波数資源である。対応して、第1のレーダー検出装置によって実行されるチャネル傾聴は、第3の時間領域範囲内の第3の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行することをさらに含んでいてもよい。加えて、第3の傾聴信号は、第3の時間領域範囲内の少なくとも1つの第3の周波数掃引期間内にある、第3の信号の第3のサブ信号に対応する。換言すれば、第1のレーダー検出装置は、異なる時間領域範囲における周波数掃引周期間において傾聴を同時に実行することができ、それにより、傾聴効率が改善されることができ、最も適切な時間領域範囲に対応する時間‐周波数資源が決定されうる。
たとえば、図21は、第1の信号、第2の信号、および第3の信号に対応する時間領域範囲が時間領域において分布している概略図である。図21に示される概略図と図18に示される概略図との相違点は、第1のレーダー検出装置が第3の信号をさらに生成し、チャネル傾聴中に使用される第1の傾聴信号と第2の傾聴信号とが異なるという点である。図21に示されるように、この実施形態では、第1の信号と、第1の傾聴信号と、第1のサブ信号との間の関係と同様に、第3の信号の時間領域範囲は、第3の時間領域範囲である。第3の信号は、第3の傾聴信号を含む。第3の傾聴信号は、第3の時間領域範囲内の少なくとも1つの第3の周波数掃引期間内にある、第3の信号の第3のサブ信号である。第1の信号、第1の傾聴信号、および第1のサブ信号の間の具体的な関係、第2の信号、第2の傾聴信号、および第2のサブ信号の間の具体的な関係、および第3の信号、第3の傾聴信号、および第3のサブ信号の間の具体的な関係については、図21を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
任意的に、この実施形態では、図21に示されるように、第1のサブ信号、第2のサブ信号、および第3のサブ信号の時間領域資源は重複せず、すなわち、第1の傾聴信号、第2の傾聴信号、および第3の傾聴信号の時間領域資源は、互いに重複しない。このようにして、第1のレーダー検出装置が第1の傾聴信号、第2の傾聴信号、および第3の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行した後、ターゲット検出のための決定された第1の時間‐周波数資源は、他のレーダー検出装置によって占有される時間領域資源に直交してもよく、よって、後続のレーダー検出装置間の相互干渉が回避される。
任意的に、図21に示されるように、時間領域において、第1の周波数掃引期間、第2の周波数掃引期間、および第3の周波数掃引期間の継続時間は同じである。周波数領域では、第1の周波数掃引帯域幅、第2の周波数掃引帯域幅、および第3の周波数掃引帯域幅は同じである。波形に関しては、第1の信号、第2の信号、および第3の信号の波形も同じであり、このことは、信号の同じ位置における異なる信号の傾きが同じであることを示す。
同様に、本願の別の可能な設計において、第1のレーダー検出装置は、第4の信号、第5の信号、または別の数の信号をさらに生成することができ、複数の信号に対応する時間領域範囲は、L個の時間領域範囲内の異なる時間領域範囲である。このようにして、複数の信号がチャネル傾聴を実行するために使用される場合、複数の時間領域資源から適切な時間‐周波数資源が決定されてもよく、それにより複数のレーダー検出装置間の相互干渉を回避する可能性を提供する。
S1703:チャネル傾聴の結果に基づいて、ターゲット検出のための第1の時間‐周波数資源を決定する。ここで、第1の時間‐周波数資源の時間領域資源は、第1の時間領域範囲である。
本願のこの実施形態では、第1の信号および第2の信号に基づいてチャネル傾聴を実行した後、第1のレーダー検出装置は、第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲における傾聴結果、たとえば、エネルギー傾聴結果および資源使用傾聴結果を得て、ターゲット検出に適した第1の時間‐周波数資源を決定することができる。第1の時間‐周波数資源の時間領域資源は、第1の時間領域範囲である。
この実施形態では、第1の時間領域範囲は、L個の時間領域範囲のうちの任意のものでありうることが理解されうる。上記の「第1の」および「第2の」は、序列を表すのではなく、異なる内容を表すだけである。たとえば、「第1の時間領域範囲」および「第2の時間領域範囲」は、単に2つの異なる時間領域範囲を表すために使用されており、「第1の時間‐周波数資源」および「第2の時間‐周波数資源」は、単に異なる時間‐周波数資源を表すために使用されている。
この実施形態では、固定周波数帯域において、時間‐周波数資源は、時間領域範囲と1対1の対応にある。具体的には、第1の時間‐周波数資源の時間領域資源は第1の時間領域範囲であり、第2の時間‐周波数資源の時間領域資源は第2の時間領域範囲である。同様に、N番目の時間‐周波数資源の時間領域資源は、N番目の時間領域範囲である。
任意的に、本願のこの実施形態では、本方法は、以下のステップをさらに含んでいてもよい。
S1704:第1の時間‐周波数資源上で第1の信号を送信する。
この実施形態では、第1の時間‐周波数資源を決定した後、第1のレーダー検出装置は、第1の時間‐周波数資源上で第1の信号を送信してもよい。第1の信号は、ターゲット・オブジェクトに到達した後に反射されてもよく、第1のレーダー装置は、反射された信号を受信する。第1のレーダー装置は、反射信号と局部発振器信号とに対する周波数混合を実行し、中間周波数信号を得る。第1のレーダー装置は、中間周波数信号に基づいて、ターゲット・オブジェクトの位置、速度、または角度のような一つまたは複数の情報を決定することができる。
レーダー信号を送信する必要もある別のレーダー検出装置が存在する、たとえば、第2のレーダー検出装置が存在する場合、第2のレーダー検出装置も、前述のステップS1701~S1703に基づいて、第2のレーダー検出装置に適した第2の時間‐周波数資源を決定し、第2の時間‐周波数資源の時間領域範囲は、第2の時間領域範囲であることが理解されうる。よって、異なるレーダー検出装置は異なる時間‐周波数資源を使用し、それにより、異なるレーダー検出装置間の相互干渉が回避される。
言い換えれば、異なるレーダー検出装置は、レーダー信号を送信するために異なる時間‐周波数資源を選択することができる。第1の時間領域範囲と第2の時間領域範囲は、交わりを有していてもいなくてもよい。第1の時間領域範囲と第2の時間領域範囲が交わりを有する場合、第1の時間領域範囲と第2の時間領域範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は、第1の閾値以上かつ第2の閾値以下である必要がある。
本願のこの実施形態において提供される信号処理方法によれば、チャネル傾聴は、第1の信号および第2の信号に基づいて実行される。チャネル傾聴は、第1の時間領域範囲内の第1の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行し、第2の時間領域範囲内の第2の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行することを含む。最後に、チャネル傾聴の結果に基づいて、ターゲット検出のための第1の時間‐周波数資源が決定される。第1の時間‐周波数資源の時間領域資源は、第1の時間領域範囲であり、それにより、第1の信号は、第1の時間‐周波数資源上で送信されうる。この技術的解決策によれば、レーダー検出装置の相互干渉領域が消失し、誤警報や干渉プラットフォームが回避されることが保証され、それによりレーダー検出装置のターゲット検出精度が向上し、運転の安全性とユーザーの快適性がある程度確保される。
たとえば、本願の別の可能な設計では、S1702は、以下のステップを使用することによって実装されてもよい:
複数の傾聴領域において傾聴を実行する。ここで、時間領域における前記複数の傾聴領域のうちの任意の2つの傾聴領域の開始位置の間の差の絶対値がMの整数倍であり、Mはあらかじめ定義されている、またはあらかじめ構成されている。
任意的に、傾聴領域は、第1のレーダー検出装置が、ターゲット検出のために使用される信号を送信する前に、信号傾聴を実行する事前設定された時間期間として理解されてもよい。対応して、複数の傾聴領域は、傾聴が実行される複数の事前設定された時間期間である。これらの事前設定された時間期間は、部分的に重複してもよく、または重複しなくてもよい。本願のこの実施形態では、複数の事前設定された傾聴時間期間、すなわち、前記複数の傾聴領域が重複するかどうかは限定されない。前記複数の事前設定された傾聴時間期間は、傾聴領域の継続時間およびMの値に基づいて決定されてもよい。詳細はここでは再度説明されない。
この実施形態では、既知の信号が前記第1の信号および前記第2の信号である、または既知の信号が前記第1の傾聴信号および前記第2の傾聴信号であることが理解されうる。
本願のある実施形態では、第1のレーダー検出装置は、まず、チャネル傾聴を実行するためのすべての傾聴信号を決定し、次いで、チャネル傾聴が実行される必要がある複数の傾聴領域を決定し、最後に、各傾聴領域のチャネル傾聴結果を得るために、すべての傾聴信号に基づいて各傾聴領域においてチャネル傾聴を実行する。
たとえば、第1のレーダー検出装置が第1の信号と第2の信号に基づいて傾聴を実行する場合、前述の傾聴信号のすべては、第1の信号における第1の傾聴信号と、第2の信号における第2の傾聴信号を含む。第1のレーダー検出装置が、第1の信号および第2の信号に加えて第3の信号に基づいて傾聴を実行する場合、上記の傾聴信号のすべては、第1の信号における第1の傾聴信号、第2の信号における第2の傾聴信号、および第3の信号における第3の傾聴信号を含む。すべての傾聴信号の具体的な組成は、本実施形態では限定されず、実際の要件に従って設定されてもよい。
任意的に、第1のレーダー検出装置は、第1のレーダー検出装置のタイミングクロックに基づいて連続的な送信継続時間を決定し、次いで、連続的な送信継続時間に基づいて複数の傾聴領域を決定することができる。連続的な送信継続時間は、レーダー検出装置のリフレッシュ期間内に信号を送信するための継続時間であるか、または第1のレーダー検出装置のアクティブ化継続時間、すなわち、ターゲット検出プロセスにおいて信号を送信するために第1のレーダー検出装置によって占有される時間の長さと解釈されてもよい。
本願のこの実施形態では、リフレッシュ期間は、少なくとも1回のターゲット検出(たとえば、少なくとも1回のアクティブ化継続時間において実行されるターゲット検出)のための継続時間および/または少なくとも1つの信号処理のための継続時間(たとえば、少なくとも1つのサイレンス継続時間またはアイドル時間期間、すなわち前記サイレンス継続時間またはレーダーが信号を送信しない信号処理プロセスにおける「アイドル時間」)を含む。任意的に、リフレッシュ期間は、周期的に設定され、通例、50ミリ秒(たとえば、アクティブ化継続時間20ミリ秒+サイレンス継続時間30ミリ秒)であるか、または別の値であってもよい。具体的には、周期的に実行される各リフレッシュ期間について、リフレッシュ期間に含まれるアクティブ化継続期間またはサイレンス継続時間は、同じであっても、異なっていてもよい。たとえば、現在のリフレッシュ期間(継続時間は50ms)は、20msのアクティブ化継続時間および30msのサイレンス継続時間を含む。時間領域における次のリフレッシュ期間は、30msのアクティブ化継続時間および20msのサイレンス持続期間を含んでいてもよく、または50msのサイレンス継続時間を含んでいてもよい(このリフレッシュ期間は、サイレンス・リフレッシュ期間と称されてもよい)。
アクティブ化継続時間は、レーダーがターゲット検出を実行する時間範囲であり、送信時間期間と呼ばれてもよい。具体的には、アクティブ化継続時間は通例、連続的な継続時間である。本願はまた、アクティブ化継続時間が不連続な継続時間であるシナリオをもカバーしうる。これは特に限定されない。レーダーのタイプに依存してアクティブ化継続時間が変わる。一般に、アクティブ化継続時間はミリ秒(ms)レベル、たとえば10msまたは20msである。一般に、アクティブ化継続時間が長いほど、レーダー検出性能がよくなる。任意的に、アクティブ化継続時間は、リフレッシュ期間およびサイレンス継続時間のサイズによって制限されることがある。たとえば、レーダーは、リフレッシュ期間中にターゲット検出および信号処理を完了する。ターゲット検出および信号処理は、逐次に実行されてもよく、または同時に実行されてもよい。これは、本願において特に限定されない。よって、アクティブ化継続時間の設定は、レーダーの検出性能および処理能力を考慮する必要がある。
なお、レーダーが工場から送達されたときには、リフレッシュ期間とアクティブ化継続時間のうちの少なくとも一方の初期値が設定されてもよい。送達後、レーダーの稼働状態において、または別の可能なシナリオにおいて、リフレッシュ期間およびアクティブ化継続時間の少なくとも一方が変化することがありうる。この変化は、レーダーによって実行される調整、手動の調整等に限定されない。
また、ターゲット検出を実行するときにレーダーが発熱するため、アクティブ化継続時間が長すぎるとレーダーは過剰な熱を発生し、それはレーダーの性能に影響を与える。よって、アクティブ化継続時間の特定の値は本願では限定されず、実際の要件に基づいて設定されうる。
本願のある実施形態では、傾聴領域の継続時間は、連続的な送信継続時間と同じであってもよい。
本願の別の実施形態では、傾聴がアイドル時間期間において実行される場合、複数の傾聴領域の総時間長は、アイドル時間期間の継続時間以下である。
たとえば、時間領域内の任意の2つの傾聴領域の開始位置の間の差は、Mの整数倍であってもよい。Mは、あらかじめ定義されている、またはあらかじめ構成されている。たとえば、Mは事前設定された傾聴きざみである。傾聴きざみは、第1のレーダー検出装置の処理能力に基づいて、あらかじめ構成されてもよく、またはあらかじめ定義されてもよい。一般に、傾聴きざみが小さいほど、傾聴は細かいが処理時間が長くなる。したがって、Mの具体的な値は、本願のこの実施形態において限定されるものではなく、実際の状況に基づいて決定されうる。詳細は、ここでは再度説明しない。
さらに、本願のこの実施形態では、チャネル傾聴結果は、各傾聴領域の傾聴エネルギーによって表されてもよく、または各傾聴領域の平均電力によって表されてもよく、または別の仕方で表されてもよい。これは、本明細書において限定されない。
本願のこの実施形態では、傾聴領域分割方式に基づいて、複数の傾聴領域で傾聴を実行することは、以下の可能な設計方式のいずれかで実装されうる。
ある可能な設計では、第1のレーダー検出装置は、第1のレーダー検出装置の連続的な送信継続時間に基づいて、傾聴範囲および該傾聴範囲に含まれる複数の傾聴領域を決定し、次いで、すべての傾聴信号に基づいて、各傾聴領域におけるチャネル傾聴を別々に実行して、各傾聴領域における傾聴結果を得て、次いで、傾聴結果に基づいて、ターゲット検出のための時間‐周波数資源を決定する。具体的には、第1のレーダー検出装置は、ターゲット検出のための送信信号(傾聴信号)を決定し、次いで、傾聴信号が属する信号の時間領域範囲と時間‐周波数資源との間の対応に基づいて、ターゲット検出のための時間‐周波数資源を決定してもよい。
たとえば、送信信号が第1の傾聴信号である場合、第1のレーダー検出装置は、第1の傾聴信号が属する第1の信号の第1の時間領域範囲に対応する第1の時間‐周波数資源を、第1のレーダー検出装置によって使用されるターゲット検出のための時間‐周波数資源として使用することができる。
たとえば、図22は、複数の傾聴領域においてチャネル傾聴を実行する可能な設計の概略図である。図22に示されるように、第1のレーダー検出装置の傾聴範囲は、複数の傾聴領域を含む。第1のレーダー検出装置は、窓スライディング方式で、すべての傾聴信号に基づいて、各傾聴領域において傾聴を実行することができる。第1のレーダー検出装置は、各傾聴領域に対応するすべての傾聴信号に対して中間周波数検出を実行することによって得られるエネルギーの和を決定し、次いで、複数の傾聴領域からのエネルギーの最小和を有するターゲット傾聴領域を選択する。第1のレーダー検出装置は、ターゲット傾聴領域から、中間周波数検出を実行することによって得られる最小エネルギーをもつ傾聴信号と、該傾聴信号に対応する信号とを選択する。該信号は、ターゲット検出のための送信信号である。
この実施形態では、傾聴信号上での中間周波数検出は、傾聴信号に基づいて中間周波数サンプリング信号を得るプロセスである。ある具体例では、中間周波数検出とは、傾聴信号と対応する受信信号とに対して周波数混合を実行し、中間周波数フィルタを通して、次いで、中間周波数サンプリング信号をサンプリングし、該中間周波数サンプリング信号のエネルギーを決定することをいう。中間周波数サンプリング信号のエネルギーは、傾聴信号に対して中間周波数検出を実行することによって得られるエネルギーである。なお、本願においては、中間周波数検出の具体的なプロセスは限定されるものではなく、当業者であれば、傾聴信号に基づいて対応する中間周波数サンプリング信号を得ることができる。
各傾聴領域に対応するすべての傾聴信号に対して中間周波数検出を実行することによって得られるエネルギーの前述の和は、すべての傾聴信号に対して中間周波数検出が別々に実行された後に、すべての傾聴信号に対して中間周波数検出を実行することによって得られるエネルギーを加えることによって得られるエネルギーの和として表現されてもよく、あるいは、前述のエネルギーの和は、検出された中間周波数サンプリング信号の平均パワーとして表現されてもよい。当業者は、エネルギーと平均電力の和が、本明細書において特に限定されない従来技術における計算方式または規則を参照して決定されうることを知ることができる。
たとえば、ターゲット傾聴領域内の最小エネルギーをもつ傾聴信号が第1の傾聴信号である場合、第1の傾聴信号に対応する第1の信号は、ターゲット検出のための送信信号である。
たとえば、図22に示される概略図では、各傾聴領域の継続時間は、連続的な送信継続時間と同じである。
この実施形態における第1の傾聴信号は、第1の信号の一部であり、第1の信号は、傾聴のために使用されるすべての信号のうちの任意の1つであってもよいことが理解されうる。これは、本願のこの実施側面において限定されない。
別の可能な設計では、第1のレーダー検出装置は、まず、既知の信号に基づいて、各信号に対応する傾聴信号を決定することができる。次いで、第1のレーダー検出装置は、第1のレーダー検出装置の連続的な送信継続時間に基づいて複数の傾聴領域を決定し、各傾聴信号に基づいて複数の傾聴領域におけるチャネル傾聴を別々に実行して、各傾聴領域における各傾聴信号の傾聴結果を決定する。各傾聴信号に基づいて、第1のレーダー検出装置は、すべての傾聴領域から、ある傾聴領域を、傾聴信号のターゲット傾聴領域(たとえば、傾聴領域内の傾聴信号に対して中間周波数検出を実行することによって得られる最小エネルギーを有する傾聴信号)として選択する。最後に、第1のレーダー検出装置は、すべての選択されたターゲット傾聴領域のうちから、傾聴信号のエネルギーが最も小さいターゲット傾聴領域に対応する時間‐周波数資源を、ターゲット検出のために使用されるべく、選択する。具体的には、第1のレーダー検出装置は、傾聴信号のエネルギーが最も小さいターゲット傾聴領域に対応する傾聴信号を決定し、該傾聴信号に対応する信号を、ターゲット検出のための送信信号として使用することができる。
たとえば、図23は、複数の傾聴領域においてチャネル傾聴を実行する別の可能な設計の概略図である。図23に示されるように、第1のレーダー検出装置の傾聴範囲は、複数の傾聴領域を含む。第1のレーダー検出装置が第1の信号および第2の信号を生成する場合、前述の傾聴信号のすべては、第1の傾聴信号および第2の傾聴信号を含む。この実施形態では、第1のレーダー検出装置は、各傾聴領域における各傾聴信号の傾聴エネルギーを決定するために、第1の傾聴信号および第2の傾聴信号に基づいて複数の傾聴領域においてチャネル傾聴を別々に実行する。次いで、第1の傾聴信号および第2の傾聴信号に基づいて、第1のレーダー検出装置は、すべての傾聴領域のうちから、傾聴信号のターゲット傾聴領域として、最小の傾聴エネルギーをもつ傾聴領域を別々に選択する。たとえば、第1の傾聴信号は第1のターゲット傾聴領域に対応し、第2の傾聴信号は第2のターゲット傾聴領域に対応する。最後に、第1のレーダー検出装置は、第1のターゲット傾聴領域と第2のターゲット傾聴領域から最小の傾聴エネルギーをもつターゲット傾聴領域を選択し、ターゲット検出のための送信信号として、その傾聴領域に対応する傾聴信号が属する信号を使用する。このようにして、傾聴領域の時間開始点および選択された信号が決定されてもよい。
たとえば、図23に示される概略図では、各傾聴領域の継続時間は、第1のレーダー検出装置の連続的な送信継続時間よりも長い。
さらに、本願のこの実施形態では、複数の傾聴領域で傾聴を実行することは、代替的に、以下の可能な設計態様で実装されてもよい。
第1のレーダー検出装置は、傾聴領域内の各傾聴信号の信号エネルギーを決定するために、傾聴領域を分割しなくてもよく、各傾聴信号に基づく第1のレーダー検出装置のタイミングクロックを使用することによって、傾聴領域内で傾聴を実行する。第1のレーダー検出装置は、傾聴範囲内の各傾聴信号の信号エネルギーを比較し、最小の信号エネルギーをもつ傾聴信号を決定し、その傾聴信号が属する信号を、ターゲット検出のための送信信号として使用する。
前述の分析から、第1のレーダー検出装置は、複数の傾聴領域において複数の仕方で傾聴を実行し、ターゲット検出のために最も適した時間‐周波数資源を決定してもよいことがわかる。
たとえば、本願のさらに別の可能な設計にでは、S1702は、以下のステップを使用することによって実装されてもよい:
あらかじめ定義されたまたは構成された時間領域資源でチャネル傾聴を実行する。ここで、該時間領域資源は、第1の検出装置のリフレッシュ期間および第1の検出装置のサイレント・リフレッシュ期間のうちの少なくとも1つを含み、リフレッシュ期間は、アイドル時間期間および送信時間期間を含む。
たとえば、図24は、稼働状態における第1のレーダー検出装置の時間分布の概略図である。図17に示されるように、第1のレーダー検出装置は、固定したリフレッシュ期間で動作する。一般に、リフレッシュ期間は、アイドル時間期間および送信時間期間を含む。第1のレーダー検出装置は、リフレッシュ期間の送信時間期間において、ターゲット検出を実行するためのレーダー信号を送信して、リフレッシュ期間のアイドル時間期間において信号処理を実行する、またはチャネル状態を傾聴する。第1のレーダー検出装置が、リフレッシュ期間全体において信号を送信しない場合、リフレッシュ期間全体がアイドル時間であり、リフレッシュ期間は、サイレント・リフレッシュ期間と呼ばれる。
任意的に、第1のレーダー検出装置は、リフレッシュ期間のアイドル時間期間においてチャネル傾聴を実行してもよく、またはリフレッシュ期間の送信時間期間においてチャネル傾聴を実行してもよく、またはサイレント・リフレッシュ期間においてチャネル傾聴を実行してもよい。このようにして、最も適切な(最もアイドルな)時間‐周波数資源が、後続のターゲット検出のために決定されうる。
さらに、本願のこの実施形態では、第1のレーダー検出装置が複数の周波数帯域をサポートする場合、本願において提供される信号処理方法は、以下のステップをさらに含む:
あらかじめ定義された、または構成された時間領域資源に対応するすべての周波数帯域が占有状態にある場合、チャネル傾聴を実行するために、事前設定された周波数帯域以外の周波数帯域にホッピングする。
具体的には、第1のレーダー検出装置によって傾聴された時間‐周波数資源が現在の周波数帯域においてアイドルでない場合、第1のレーダー検出装置は、傾聴を行うために、別の周波数帯域にホップしてもよい。具体的な傾聴態様は、図17に示されているS1701~S1703の具体的な実装を使用して実装される。詳細は、ここでは再度説明しない。
本願のこの実施形態では、レーダー検出装置は、可動レーダー検出装置、たとえば車載レーダーであってもよく、または固定レーダー検出装置であってもよく、たとえばレーダー検出装置は、RSU、基地局、または他の装置に固定されてもよいことが理解されうる。あるいはまた、レーダー検出装置は、独立して配備されてもよいが、その位置は固定されている。本願のこの実施形態では、レーダー検出装置のタイプは限定されず、すべてのレーダー検出装置が適用可能である。
上記の実施形態において提供されている方法によれば、同期情報がない場合(GPS信号がない、またはGPS機能がない場合)においても、各レーダー検出装置が協調的な作業を行うことができ、それにより、レーダー検出装置間の相互干渉が回避され、運転の安全性とユーザーの快適性が改善される。
以上は、本願の実施形態において提供される解決策を、第1のレーダー検出装置の観点から、または、第1のレーダー検出装置とレーダー検出装置またはターゲット・オブジェクトとの相互作用の観点から記載している。上記の解決策に含まれる式は、単に具体的な表現様式である。同じ技術的課題を解決し、同じまたは類似の技術的効果を達成するためになされる上記の式の可能な修正または書き換えは、本願の実施形態の保護範囲内にある。上記の機能を実装するために、第1のレーダー検出装置などの各装置は、機能を実装するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェア・モジュールを含むことが理解されうる。当業者は、本願に開示された実施形態に記載されたユニットおよびアルゴリズム・ステップを参照して、本願の実施形態がハードウェアまたはハードウェアとコンピュータ・ソフトウェアの形で実装できることを容易に認識するはずである。機能がハードウェアによって実行されるか、コンピュータ・ソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかは、技術的解決策の具体的な用途および設計上の制約に依存する。当業者は、特定の用途毎についての記載される機能を実現するために異なる方法を用いることができるが、その実現が本願の実施形態の範囲を超えるものであると考えるべきではない。
本願の諸実施形態において、第1のレーダー検出装置は、機能モジュールに分割されてもよい。たとえば、機能モジュールは、機能に基づく分割を通じて得られてもよいし、または2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形で実装されてもよいし、またはソフトウェア機能モジュールの形で実装されてもよい。本願の実施形態において、モジュール分割は、一例であり、単に論理的な機能分割であることに留意されたい。実際の実装においては、別の分割態様が使用されてもよい。
たとえば、レーダー検出装置の機能モジュールが統合された仕方で分割を通じて得られる場合、図25は、本願のある実施形態による信号処理装置の可能な構造の概略図である。信号処理装置は、上記の実施形態における第1のレーダー検出装置であってもよい。任意的に、図25に示されるように、信号処理装置25は、傾聴ユニット2502および決定ユニット2503を含んでいてもよい。
傾聴ユニット2502は、第1の信号および第2の信号に基づいてチャネル傾聴を実行するように構成される。チャネル傾聴は、第1の時間領域範囲において第1の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行し、第2の時間領域範囲において第2の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行することを含む。
決定ユニット2503は、チャネル傾聴の結果に基づいて、ターゲット検出のための第1の時間‐周波数資源を決定するように構成される。第1の時間‐周波数資源の時間領域資源は、前記第1の時間領域範囲である。
第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲は、L個の時間領域範囲のうちの時間領域範囲である。Lは1より大きい正の整数である。L個の時間領域範囲の任意の1つは、他の(L-1)個の時間領域範囲のうちの少なくとも1つと部分的に重複する。L個の時間領域範囲のうちの任意の2つの範囲の時間領域開始位置の間の差の絶対値は、第1の閾値以上であり、第2の閾値以下である。
第1の傾聴信号は、第1の時間領域範囲内で少なくとも1つの第1の周波数掃引期間にある、第1の信号の第1のサブ信号に対応し、第2の傾聴信号は、第2の時間領域範囲内で少なくとも1つの第2の周波数掃引期間にある、第2の信号の第2のサブ信号に対応する。
任意的に、本装置は、生成ユニット2501をさらに含む。
生成ユニット2501は、第1の信号および第2の信号を生成するように構成される。
あるいはまた、生成ユニット2501は、第1の傾聴信号および第2の傾聴信号を生成するように構成される。
本願のある可能な設計では、第1のサブ信号と第2のサブ信号の時間領域資源は重複しない。
本願の別の可能な設計では、第1の閾値もしくは第2の閾値またはその両方はあらかじめ定義されている、または第1の閾値もしくは第2の閾値またはその両方はあらかじめ構成された規則に従って決定される。
本願のさらに別の可能な設計では、L個の時間領域範囲内の任意の2つの隣接する時間領域範囲の開始位置間の差は、同じである。
L個の時間領域範囲内の任意の2つの隣接する時間領域範囲の開始位置間の差は、1/L Tc以下である。Tcは、レーダー検出装置の作動周期である。
本願のさらに別の可能な設計では、生成ユニット2501は、さらに、第3の信号を生成するように構成される。第3の信号に対応する時間領域範囲は第3の時間領域範囲である。
前記チャネル傾聴は、さらに、第3の時間領域範囲内の第3の傾聴信号に基づいてチャネル傾聴を実行することを含む。第3の時間領域範囲は、L個の時間領域範囲に属する。第3の時間領域範囲は、第1の時間領域範囲および第2の時間領域範囲とは異なる。第3の傾聴信号は、第3の時間領域範囲内の少なくとも1つの第3の周波数掃引期間内にある、第3の信号の第3のサブ信号に対応する。
本願のさらに別の可能な設計では、傾聴ユニット2502は具体的には、複数の傾聴領域において傾聴を実行するように構成される。時間領域での前記複数の傾聴領域のうちの任意の2つの領域の開始位置間の差の絶対値はMの整数倍である。Mはあらかじめ定義される、またはあらかじめ構成される。
本願のさらに別の可能な設計では、傾聴ユニット2502は、あらかじめ定義または構成された時間領域資源上でチャネル傾聴を実行するように構成される。時間領域資源は:第1の検出装置のリフレッシュ期間および第1の検出装置のサイレント・リフレッシュ期間のうちの少なくとも1つを含む。該リフレッシュ期間は、アイドル時間期間および送信時間期間を含む。
任意的に、この実施形態において提供される信号処理装置25は、記憶ユニット2504をさらに含んでいてもよい。記憶ユニット2504は、プログラム命令および/またはデータを記憶するように構成される。具体的には、記憶ユニット2504は、生成ユニット2501および/または傾聴ユニット2502および/または決定ユニット2503の処理結果を記憶するように構成されてもよく、または、記憶ユニット2504によって記憶された内容は生成ユニット2501および/または傾聴ユニット2502および/または決定ユニット2503によって読み出される。
任意的に、この実施形態において提供される信号処理装置25は、トランシーバユニットをさらに含んでいてもよい。トランシーバユニットは、傾聴信号または検出信号を送信するように構成されてもよい。たとえば、トランシーバユニットと傾聴ユニットの機能には交わりをもつ。
該任意的な設計は、独立して実装されてもよく、または前述の任意的な設計のいずれか1つとの統合を通じて実装されてもよい。
図26は、本願のある実施形態による、信号処理装置の別の可能な構造の概略図である。同様に、信号処理装置は、上記の方法実施形態における第1のレーダー検出装置であってもよい。任意的に、図26に示されるように、信号処理装置26は、プロセッサ2601、送信機2602、および受信機2603を含んでいてもよい。プロセッサ2601の機能は、図25に示される生成ユニット2501および決定ユニット2503の特定の機能に対応してもよい。送信機2602および受信機2603の機能は、傾聴ユニット2502およびトランシーバユニットの特定の機能に対応してもよい。詳細は、ここでは再度説明しない。
任意的に、信号処理装置26は、メモリ2604をさらに含んでいてもよい。メモリ2604は、プログラム命令および/またはデータを記憶するように構成され、具体的には、プロセッサ2601によって読み出されるためのプロセッサ2601の処理結果を格納するように構成される。
図1は、レーダー装置の構造の概略図である。上記の内容を参照して、別の任意的な態様が提供される。図27は、本願のある実施形態による信号処理装置のさらに別の可能な構造の概略図である。図25ないし図27において提供される信号処理装置は、実際の通信シナリオにおけるレーダー装置の一部または全部であってもよく、あるいは、レーダー装置に統合された、またはレーダー装置の外側に位置する機能モジュールであってもよく、たとえばチップ・システムであってもよい。対応する機能が実装されさえすればよい。信号処理装置の構造および構成は、特に限定されない。
この任意的な態様では、信号処理装置27は、送信アンテナ2701、受信アンテナ2702、およびプロセッサ2703を含む。さらに、信号処理装置27は、周波数混合器2704および/または発振器2705をさらに含む。さらに、信号処理装置27は、低域通過フィルタ、方向性カプラ、および/またはその他をさらに含んでいてもよい。
送信アンテナ2701および受信アンテナ2702は、無線通信を行う際に信号処理装置27をサポートするように構成される。最終的に検出機能を実現するために、送信アンテナ2701は、レーダー信号送信をサポートし、受信アンテナ2702は、レーダー信号受信および/または反射信号受信をサポートする。プロセッサ2703は、いくつかの可能な決定および/または処理機能を実行する。さらに、プロセッサ2703は、送信アンテナ2701および/または受信アンテナ2702の動作をさらに制御する。具体的には、プロセッサ2703は、送信される必要がある信号を送信するように送信アンテナ2701を制御し、受信アンテナ2702を使用することによって受信された信号は、対応する処理のためにプロセッサ2703に転送されてもよい。
任意的に、信号処理装置27に含まれる構成要素は、図17に示される実施形態において提供される方法を協働的に実行するように構成されてもよい。任意的に、信号処理装置27は、プログラム命令および/またはデータを記憶するように構成されたメモリをさらに含んでいてもよい。送信アンテナ2701および受信アンテナ2702は、独立して配置されてもよく、または、対応する送信および受信機能を実行するために、統合を通じてトランシーバアンテナとして配置されてもよい。
図28は、本願のある実施形態による検出装置の構造の概略図である。図28に示される検出装置は、第1のレーダー検出装置であってもよく、または第1のレーダー検出装置の機能を完了することができるチップまたは回路であってもよい。たとえば、チップまたは回路は、第1のレーダー検出装置内に配置されてもよい。図28に示される検出装置28は、プロセッサ2801(たとえば、生成ユニット2501および決定ユニット2503は、プロセッサ2801を使用して実装されてもよく、プロセッサ2601およびプロセッサ2801は、たとえば、同じコンポーネントであってもよい)およびインターフェース回路2802(たとえば、傾聴ユニットおよびトランシーバユニットは、インターフェース回路2802を使用して実装されてもよく、送信機2602、受信機2603、およびインターフェース回路2802は、たとえば、同じコンポーネントであってもよい)を含んでいてもよい。プロセッサ2801は、検出装置28が、図17に示される実施形態において提供される方法において、第1のレーダー検出装置によって実行されるステップを実装することを可能にしうる。任意的に、検出装置28は、メモリ2803をさらに含んでいてもよい。メモリ2803は、命令を格納するように構成されてもよい。プロセッサ2801は、メモリ2803に記憶された命令を実行し、その結果、検出装置28は、図17に示される実施形態において提供される方法において第1のレーダー検出装置によって実行されるステップを実施する。
さらに、プロセッサ2801、インターフェース回路2802、およびメモリ2803は、制御信号および/またはデータ信号を転送するために、内部接続経路を通じて互いに通信してもよい。メモリ2803は、コンピュータ・プログラムを記憶するように構成される。プロセッサ2801は、メモリ2803からコンピュータ・プログラムを呼び出し、コンピュータ・プログラムを実行して、図17に示される実施形態において提供される方法において第1のレーダー検出装置によって実行されるステップを完了するために信号を受信または信号を送信するよう、インターフェース回路2802を制御してもよい。メモリ2803は、プロセッサ2801に統合されてもよく、またはプロセッサ2801とは別に配置されてもよい。
任意的に、検出装置28がデバイスである場合、インターフェース回路2802は、受信機および送信機を含んでいてもよい。受信機および送信機は、同じコンポーネントまたは異なるコンポーネントでありうる。受信機と送信機が同じコンポーネントである場合、そのコンポーネントはトランシーバと称されてもよい。
任意的に、検出装置28がチップまたは回路である場合、インターフェース回路2802は、入力インターフェースおよび出力インターフェースを含んでいてもよい。入力インターフェースと出力インターフェースは、同じインターフェースであってもよいし、異なるインターフェースであってもよい。
任意的に、検出装置28がチップまたは回路である場合、検出装置28はメモリ2803を含まなくてもよい。プロセッサ2801は、チップまたは回路の外部にあるメモリ内の命令(プログラムまたはコード)を読んで、図17に示される実施形態において提供される方法において第1のレーダー検出装置によって実行されるステップを実行してもよい。
任意的に、装置28がチップまたは回路である場合、装置28は、抵抗器、キャパシタ、または他の対応する機能コンポーネントを含んでいてもよい。プロセッサ2801またはインターフェース回路2802は、対応する機能コンポーネントを使用して実装されてもよい。
ある実装では、インターフェース回路2802の機能は、トランシーバ回路または専用トランシーバ・チップを使用することによって実現されてもよい。プロセッサ2801は、専用処理チップ、処理回路、プロセッサ、または汎用チップを使用して実装されてもよい。
別の実装では、本願のこの実施形態において提供される第1のレーダー検出装置は、汎用コンピュータを使用して実装されてもよい。具体的には、プロセッサ2801およびインターフェース回路2802の機能を実現するためのプログラムコードがメモリ2803に記憶され、プロセッサ2801は、メモリ2803に記憶されたプログラムコードを実行することによって、プロセッサ2801およびインターフェース回路2802の機能を実現する。
上に列挙した検出装置28内のモジュールまたはユニットの機能および動作は、単に説明のための例である。検出装置28の機能ユニットは、図17に示される実施形態において第1のレーダー検出装置によって実行される動作または処理プロセスを実行するように構成されてもよい。反復を避けるために、本明細書では詳細な説明は省略する。
なお、第2のレーダー検出装置、第3のレーダー検出装置、第4のレーダー検出装置、第5のレーダー検出装置等は、第1のレーダー検出装置と同じ構造であってもよい。すなわち、これらの装置も、図25ないし図28に記載される構造を使用することによって実装されてもよい。
たとえば、本願のある実施形態は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータ・プログラムを記憶する。コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータは、図17に示される実施形態における方法を実行できるようにされる。
任意的に、本願のある実施形態は、チップ・システムをさらに提供する。チップ・システムは:
命令を記憶するように構成されたメモリと;
チップ・システムが組み込まれた通信装置が図17に示される実施形態の方法を実行するよう、前記メモリから前記命令を呼び出して前記命令を実行するように構成されたプロセッサとを含む。
任意的に、本願のある実施形態は、コンピュータ・プログラム・プロダクトをさらに提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトは、コンピュータ・プログラムを含む。コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータは、図17に示される実施形態の方法を実行できるようにされる。
具体的には、前記レーダー検出装置を実現するためにソフトウェアが使用される場合、レーダー検出装置の全部または一部は、コンピュータ・プログラム・プロダクトの形で実現されてもよい。コンピュータ・プログラム・プロダクトは、一つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータ・プログラム命令がコンピュータ上にロードされ実行されると、本願のこの実施形態による手順または機能が全部または部分的に実施される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から別のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に送信されてもよい。たとえば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターから、有線(たとえば、同軸ケーブル、光ファイバー、またはデジタル加入者線(digital subscriber line、DSL))または無線(たとえば、赤外線、電波、またはマイクロ波)方式で、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターに伝送されうる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、または一つまたは複数の使用可能な媒体を統合するサーバーまたはデータセンターなどのデータ記憶装置であってもよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(たとえば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(たとえば、DVD)、または半導体媒体(たとえばソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD))であってもよい。
検出装置に含まれ、本願の実施形態において提供される検出方法を実行するように構成されたプロセッサは、中央処理装置(central processing unit、CPU)、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイス、トランジスタロジックデバイス、ハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせであってもよいことに留意されたい。プロセッサは、本願に開示された内容に関連して記載されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を実装または実行することができる。プロセッサは、代替的に、コンピューティング機能を実装するプロセッサの組み合わせ、たとえば、一つまたは複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、またはDSPとマイクロプロセッサの組み合わせであってもよい。
本願の実施形態と組み合わせて説明される方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアによって実施されてもよく、またはソフトウェア命令を実行することによってプロセッサによって実施されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェア・モジュールを含んでいてもよい。ソフトウェア・モジュールは、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(read-only memory、ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、レジスタ、ハードディスクドライブ、リムーバブルハードディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、または当該技術分野で周知の任意の他の形の記憶媒体に記憶されうる。たとえば、記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出すか、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。むろん、記憶媒体は、プロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に配置されてもよい。さらに、ASICは、検出装置内に配置されてもよい。むろん、プロセッサおよび記憶媒体は、代替的に、離散的な構成要素として検出装置内に存在してもよい。
図25ないし図28は、対応する装置の単純化された設計を示しているだけであることが理解されうる。実際の用途では、信号処理装置、すなわちレーダー検出装置は、存在しうる任意の数の送信機、受信機、プロセッサ、コントローラ、メモリおよび他の要素を含みうる。
本願のある実施形態は、さらに、本願の前述の実施形態に記載された少なくとも1つのレーダー検出装置を含む通信システムを提供する。
本願のある実施形態は、さらに、本願の前述の実施形態に記載された少なくとも1つのレーダー検出装置および/または少なくとも1つの中央処理装置/中央コントローラを含む通信システムを提供する。中央処理ユニット/中央コントローラは、前記少なくとも1つのレーダー検出装置の出力に基づいて車両の運転および/または他のレーダー検出装置の処理を制御するように構成される。中央処理ユニット/中央コントローラは、制御が実装されさえすれば、車両または他の可能な位置に配置されてもよい。
本願のある実施形態は、さらに、前述の実施形態に記載された少なくとも1つのレーダー検出装置を含む車両/ビークルを提供する。
本願のある実施形態は、さらに、前述の実施形態で言及された少なくとも1つのレーダー検出装置を含む路側ユニット(RSU)を提供する。
実装に関する前述の説明は、簡便な説明のために、前述の機能モジュールへの分割が例解のための例として使用されていることを当業者が理解できるようにする。実際の適用では、前述の機能は異なる機能モジュールに割り当てられ、要求に応じて実施されることができる。すなわち、装置の内部構造は、上述の機能の全部または一部を実現するために異なる機能モジュールに分割される。
本願において提供されるいくつかの実施形態において、開示される装置および方法は、他の仕方で実施されてもよいことを理解されたい。たとえば、記載された装置実施形態は単に例である。たとえば、モジュールまたはユニットへの分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実装の際には他の分割でもよい。たとえば、複数のユニットまたはコンポーネントが、他の装置に組み合わせられ、または統合されてもよく、あるいは、いくつかの機能は、無視され、または実行されなくてもよい。加えて、表示または説明された相互結合、直接結合、または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用することによって実現されうる。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形で実装されうる。
離散的なコンポーネントとして記載されたユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示された構成要素は、一つまたは複数の物理的ユニットであってもよい、すなわち、1つの場所に配置されていてもよく、複数の異なる場所に分散されていてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択されうる。
さらに、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、ユニットのそれぞれは、物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。統合ユニットは、ハードウェアの形で実施されてもよく、またはソフトウェア機能ユニットの形で実施されてもよい。
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、統合ユニットは、読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。そのような理解に基づいて、本願の実施形態における技術的解決策は本質的に、または従来技術に寄与する部分は、または技術的解決策の全部もしくは一部は、ソフトウェア・プロダクトの形で実装されてもよい。ソフトウェア・プロダクトは、記憶媒体に記憶され、装置(これは、シングルチップマイクロコンピュータ、チップなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)に、本願の実施形態に記載される方法のステップの全部または一部を実行するように命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクのようなプログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
前述の説明は、単に本願の具体的な実装であり、本願の保護範囲を制限することは意図されていない。本願に開示された技術的範囲内の任意の変更または置換は、本願の保護範囲内にはいる。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。