JP2019105471A - トンネル切羽の簡易監視方法と同方法に用いる水平監視用計測装置 - Google Patents
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そこで、切羽監視員によって目視異常がないかを確認するのが一般的であるが、目視による監視では、定性的な監視であるが故に、切羽の押し出し量を早期に発見することが困難であり、人的感覚による判断のバラツキも生じる可能性がある。また、変状が目視確認されてからの対応となることから、対策を講じる猶予が制限される虞がある。
よって、近年、前記定性的な監視の代わりに、又は前記定性的な監視に加えて、切羽挙動を定量的に把握することにより、早期に予防保全的対応を施す体制を整えることを可能とする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的に、前記切羽形状測定工程は、測距手段の原点から発光されるレーザ光をトンネル切羽面の複数の測点に順次照射して、前記トンネル切羽面上の測点で反射された前記レーザ光を前記原点において検知することで前記原点と前記測点との距離を順次測定する測距段階と、前記測距段階の測定結果に基づき、前記複数の測点の位置データを算出することによりトンネル切羽面の3次元データを作成する3次元データ作成段階とを含んでいる(請求項1等の記載を参照)。
その座標も、予め設定され用意された座標であり、実施工の例えば上げ越し等を考慮した実測値に基づいたものではなく、大掛かりな監視技術のわりには、地山の安定性を評価するための座標自体が信頼性に欠ける等、改善すべき課題があった。
予め設定され用意された座標で管理する構成であるが故に、実際の切羽の押し出し量について測定誤差が生じ易く、また、カーブや勾配の変化が当たり前の長大トンネル等では切羽面の周縁部の座標が存在しない場合も想定される等、汎用性に欠ける課題もあった。
(A)前記水平監視用計測装置を、切羽の押し出し量を監視する適正な高さレベルに設置する工程と、
(B)前記水平監視用計測装置のレーザー距離計を、水平方向に旋回させつつトンネル坑内面へレーザー光を照射し、トンネル坑内面における所定の高さレベルの照射点までの距離の計測結果に基づき、切羽の左右両端位置を判定する工程と、
(C)前記判定した切羽の左右両端位置の間の範囲内で複数の計測ポイントを水平一直線上に設定する工程と、
(D)前記水平監視用計測装置のレーザー距離計を前記計測ポイントに合致する旋回角度で水平方向に旋回させつつレーザー光を照射し、各計測ポイントの照射点までの距離を計測する工程を連続的に繰り返し行う工程と、
(E)切羽の掘削進捗状況に応じて前記(B)、(C)の工程を行い、改めて前記計測ポイントを設定し直して前記(D)の工程を行う工程と、
(F)前記各(D)の工程と並行して、同一の計測ポイントにおけるリアルタイムな計測データの変位に基づき切羽の押し出し量を監視する工程と、から成ることを特徴とする。
(A)前記水平監視用計測装置を、切羽の押し出し量を監視する適正な高さレベルに設置する工程と、
(B)前記水平監視用計測装置のレーザー距離計を、水平方向に旋回させつつトンネル坑内面へレーザー光を照射し、トンネル坑内面における所定の高さレベルの照射点までの距離の計測結果に基づき、切羽の左右両端位置を判定する工程と、
(C)前記判定した切羽の左右両端位置の間の範囲内で複数の計測ポイントを水平一直線上に設定する工程と、
(D)前記水平監視用計測装置のレーザー距離計を前記計測ポイントに合致する旋回角度で水平方向に旋回させつつレーザー光を照射し、各計測ポイントの照射点までの距離を計測する工程を連続的に繰り返し行う工程と、
(E)切羽の掘削進捗状況に応じて前記(B)、(C)の工程を行い、改めて前記計測ポイントを設定し直して前記(D)の工程を行う工程と、
(F)前記各(D)の工程と並行して、同一の計測ポイントにおけるリアルタイムな計測データの変位に基づき切羽の押し出し量を監視する工程と、から成るトンネル切羽の水平監視方法と、および、
(a)前記鉛直監視用計測装置を、切羽の天端部を通過する鉛直方向ラインを監視する適正な部位に設置する工程と、
(b)前記鉛直方向ラインにおける前記切羽の天端部と地面部との間の範囲内で複数の計測ポイントを設定する工程と、
(c)前記鉛直監視用計測装置のレーザー距離計を前記計測ポイントに合致する回動角度で鉛直方向に回動させつつレーザー光を照射し、各計測ポイントの照射点までの距離を計測する工程を連続的に繰り返し行う工程と、
(d)切羽の掘削進捗状況に応じて前記(b)の工程を行い、改めて前記計測ポイントを設定し直して前記(c)の工程を行う工程と、
(e)前記各(c)の工程と並行して、同一の計測ポイントにおけるリアルタイムな計測データの変位に基づき切羽の押し出し量を監視する工程と、から成るトンネル切羽の鉛直監視方法とを同時期に行うことを特徴とする。
切羽等のトンネルの坑内面にレーザー光を照射して照射点で反射されたレーザー光を検知することで前記照射点までの距離を計測するレーザー距離計と、
前記レーザー距離計の水平方向の旋回と停止を可能にする水平方向旋回装置と、
前記水平方向旋回装置の任意の角度での旋回と停止を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
切羽等のトンネルの坑内面にレーザー光を照射して照射点で反射されたレーザー光を検知することで前記照射点までの距離を計測するレーザー距離計と、
前記レーザー距離計の水平方向の旋回と停止を可能にする水平方向旋回装置と、前記レーザー距離計の上下方向の回動と停止を可能にする上下方向回動装置と、
前記水平方向旋回装置の任意の角度での旋回と停止を制御する制御装置と、前記上下方向回動装置の任意の角度での回動と停止を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
よって、切羽の挙動を簡易かつ早期に定量的に把握できるので、より早期に予防保全的対応を施す体制を整えることができる。
また、座標を不要とし、これに伴うデータ入力の手間を省くことができるので、例えば、図12、図13に概略的に示したように、カーブの変化にも時間的ロスもなくスムーズに対応でき、カーブした切羽の挙動(状態)であっても簡易かつ早期に定量的に把握できる。
本実施例1(請求項1に記載した発明)に係る前記水平監視方法は、主として、以下の(A)〜(F)の工程により行われる。
前記トンネル支保工11に取り付ける適正な高さレベルは、図7に概略的に示したように、トンネルのスプリングラインSLと天端部Tとの間の1/2以上、3/4以下の範囲K内の任意の高さで、トンネル支保工11の一側部(図示例では右側部)に設置される(請求項3記載の発明)。トンネル支保工11の左右両側部に設置して実施する場合も勿論あるが、これについては後述する。
前記範囲K内で切羽10を計測する意義は、この範囲K内の押し出し量の変位が切羽10の崩落を把握(予見)するのにもっとも影響を与える部位だからである。
要するに、本実施例に係る水平監視用計測装置1は、レーザー距離計が水平方向に自在に旋回可能な構成とされ、切羽10を含むトンネルの坑内面に対して順次レーザー光Lを設定したピッチで照射し、照射点までの距離を順次、自動的に計測することが可能な装置である。水平方向へ旋回するだけでなく鉛直方向に回動可能な構成を備えても勿論実施可能であるが、これについては後述する。
なお、図示は省略するが、この水平監視用計測装置1は、計測制御用のコンピュータと連動(連携)している。このコンピュータは、前記水平監視用計測装置1の遠隔操作や、データを必要に応じて演算処理等する役割を担っている。すなわち、コンピュータから指令が制御装置に通信されて前記水平監視用計測装置1の制御を可能な構成で実施している。
具体的に、切羽10の左右両端位置の判定は、図1に示すように、切羽10を含むトンネル坑内面の、例えば水平方向範囲に225度程度(A点〜A’点)にわたって所定の角度(一例として0.5度ピッチ)毎に順次照射し、計測した各照射点までの距離の変位(特には隣接する照射点との距離の変位)により、リアルタイム又は事後的に判定する。
例えば、前記A点を始点とし、A’点を終点として所要ピッチで計測した場合、まず、A点からB点(計測装置1の右側真横=最短距離)までは距離が漸次短くなる。次に、B点からC点(切羽10の右端点)までは距離が漸次長くなる。次に、C点からD点(切羽10までの直交距離)までは距離が漸次短くなり、D点からE点(切羽10の左端点)までは距離が漸次長くなる。そして、E点からF点(計測装置1の左側真横)までは距離が漸次短くなり、F点から終点のA’点まで距離が漸次長くなる。これらのトンネル坑内面の距離的特性を手がかりに、切羽10の左右両端位置(E点とC点)を判定(特定)するのである。
なお、本実施例では225度程度と広範囲にわたって照射しているが、勿論これに限定されず、切羽10の左右両端位置が判定できればよいので、例えば、切羽10を含む水平方向範囲に55度程度(a点〜a’点)にわたって所定の角度毎に順次照射して計測してもよい。
ちなみに、本実施例では、切羽10の左右両端位置(E点、C点)の位置を特定した結果、一例として、切羽10の高さレベルHの幅寸は11mと判明した。この切羽10の幅寸は、通常、10m前後となる場合が多い。
前記測定ポイントPの設定は、上記構成の水平監視用計測装置1により自在(例えば、2m、1.5m、0.5m、0.1mピッチ)に設定することができる。
本実施例に係る測定ポイントPを1mピッチの距離等分法としたのは、トンネル切羽10の押し出し量の変位を、早期に精度良く把握するためである。すなわち、1mピッチよりも大きいピッチで計測する場合と比し、隣接する測定ポイントP、P同士の間隔が狭まり、切羽10の性状を精度よく把握できるし、1mピッチよりも小さいピッチで計測する場合と比し、測定ポイントPの数量が低減し、切羽10の端から端までの1サイクルの計測時間が短くなることに伴い、同一の計測ポイントPの計測回数(計測データ)が増え、切羽10の性状を精度よく把握できるからである。
なお、前記測定ポイントPは、1mピッチがベストモードという訳でなく、現場毎の切羽10の性状に応じて適宜増減したピッチで計測される。また、前記測定ポイントPは、前記したような距離等分法ではなく、レーザー光Lの照射角度を一定とする角度等分法で自在に設定することもできる。
(F)また、前記(D)の工程と並行して(同時期に)、同一の計測ポイントPにおけるリアルタイムな計測データの変位に基づき切羽の押し出し量を監視する工程を行う。
本出願人らによる実試験によると、1サイクル工程に要する時間はわずか2〜3分であった。これを少なくとも次(通常、翌日)の切羽の掘削作業に着手するまで多数サイクル連続的に繰り返し行えば、2〜3分毎の実に膨大な計測データを同一の測定ポイントPで得ることができる。この2〜3分毎の同一の計測ポイントPにおける膨大な計測データに基づき、切羽10の挙動を定量的に精度よく把握できるのである。
例えば、前記計測データから同一の測定ポイントPにおける押し出し量の変位速度(mm/min)や累積変位が分かり、これらを事前に設定した管理基準値に照らし合わせ、切羽10の崩落可能性を予測する。
ちなみに、本実施例では、押し出し量の変位速度が顕著に大きくなる等、前記管理基準値を超えた場合にはパトランプを点滅させてサイレンを鳴らす等の警報手段を作動させ、作業員に注意を喚起する構成で実施している(請求項6記載の発明)。このような警報手段は、トンネル坑外の現場事務所、或いは工事責任者、監視担当者等の携帯電話に伝送可能な構成で実施することもできる。
よって、切羽の挙動を簡易かつ早期に定量的に把握できるので、より早期に予防保全的対応を施す体制を整えることができる。
また、上記実施例1に係るトンネル切羽の簡易監視方法によれば、座標を不要とし、これに伴うデータ入力の手間を省くことができるので、例えば、図12、図13に概略的に示したように、カーブの変化にも時間的ロスもなくスムーズに対応でき、カーブした切羽30A、30Bの挙動(状態)であっても簡易かつ早期に定量的に把握できる。
この実施例2に係るトンネル切羽の簡易監視方法は、上記実施例1に係る水平監視用計測装置1を用いた水平監視方法に加え、言わば鉛直監視方法を新たに導入した点が相違する。
本実施例2に係る監視方法は、上記実施例1に係る水平監視方法と同時期に、主として、以下の(a)〜(e)の工程により行われる。なお、上記実施例1に係る水平監視方法の説明は上述した通りなので割愛する。
この鉛直監視用計測装置は、施工機械の移動等の邪魔にならないスペースを考慮し、例えばアーチ状に形成されたトンネル支保工11(のH形鋼のフランジ部等)を利用して天端部Tに設置される(図7参照)。具体的には、トンネル切羽10から所定の距離(切羽10までの距離を十分に計測できる距離)後方に離れたトンネル支保工11の天端部Tに、レーザー距離計が天端部Tを通過する鉛直方向ラインを照射するようにブラケット等の取付部材を介して設置される。
この鉛直監視用計測装置の構成は、上記水平監視用計測装置1と同様であり、コンピュータにより入力された指令が、制御装置に通信されて当該鉛直監視用計測装置の制御を可能な構成で実施している(詳しくは、前記段落[0023]参照)。
前記天端部Tを通過する鉛直方向ラインを計測する意義は、切羽10の不安定現象は、肌落ち、小崩落、崩落の3つに分類されるところ、その多くはトンネルの天端部Tの異変に起因する実情があるからである。
なお、本実施例2に係る鉛直監視用計測装置は、取扱性(操作性)、経済性を考慮して前記水平監視用計測装置1と同一タイプの計測装置を用いたが、勿論これに限定されず、鉛直方向に回動する構成のレーザー距離計を備えた計測装置や、水平方向に旋回でき、鉛直方向にも回動できる構成のレーザー距離計を備えた計測装置(請求項8記載の発明)でも同様に実施できる。
前記測定ポイントPの設定は自在であること、角度等分法でも設定できること、は上記実施例1に係る水平監視用計測装置1と同様である。ただし、この鉛直監視方法では、天端部T及びその近傍位置の監視で足りるので1mピッチよりも小さいピッチで設定した方が好ましい。
(e)また、前記(c)の工程と並行して(同時期に)、同一の計測ポイントPにおけるリアルタイムな計測データの変位に基づき切羽10の押し出し量を監視する工程を行う。
本出願人らによる実試験によると、1サイクル工程に要する時間はわずか2分程度であった。これを少なくとも次(通常、翌日)の切羽の掘削作業に着手するまで多数サイクル連続的に繰り返し行えば、約2分毎の実に膨大な計測データを同一の測定ポイントPで得ることができる。この約2分毎の同一の計測ポイントPにおける膨大な計測データに基づき、切羽10の特には天端部Tの挙動を定量的に精度よく把握するのである。
例えば、前記計測データから同一の測定ポイントPにおける押し出し量の変位速度(mm/min)や累積変位が分かり、これらを事前に設定した管理基準値に照らし合わせ、切羽10の崩落可能性を予測する。
ちなみに、本実施例では、押し出し量の変位速度が顕著に大きくなる等、前記管理基準値を超えた場合にはパトランプを点滅させてサイレンを鳴らす等の警報手段を作動させ、作業員に注意を喚起する構成で実施している(請求項6記載の発明)。このような警報手段は、トンネル坑外の現場事務所、或いは工事責任者、監視担当者等の携帯電話に伝送可能な構成で実施することもできる。
よって、上記実施例1と比し、さらに精度よく切羽の挙動(状態)を簡易かつ早期に定量的に把握することができる。また、勾配の変化にもスムーズに対応できるので、勾配を有する切羽の挙動であっても簡易かつ早期に定量的に把握することができる。
ちなみに、図中の符号2は、ブラケット等の取付部材を示し、符号Nは、レーザー距離計の計測精度の限界値である40m程度を示している。
なお、前記符号M、Nで示す距離は、水平監視用計測装置1(レーザー距離計)の性能、トンネルの形態(カーブの有無)等に応じて適宜設計変更可能である。
当該水平監視用計測装置によれば、水平方向に旋回制御して照射できることはもとより、上下方向にも回動制御して照射できる構成なので、前記水平一直線上の計測ポイントPを、例えば前記図7の範囲K内で、複数の段状(例えば3段等)に設定し、当該3段に係る前記水平一直線上の計測ポイントPの計測データを取得することができる。
1段分の1サイクル工程に要する時間は上記の通りわずか2〜3分なので、3段に増えたとしても1サイクル工程に要する時間は10分かからない。よって、これを少なくとも次(通常、翌日)の切羽の掘削作業に着手するまで多数サイクル連続的に繰り返し行えば、やはり切羽10等の挙動を定量的に把握するのに十分な計測データを得ることができる。
L レーザー光
10 切羽
P 計測ポイント
20 切羽
11 トンネル支保工
T 天端部
SL スプリングライン
10A 切羽
20A 切羽
2 ブラケット(取付部材)
30A 切羽
30B 切羽
Claims (8)
- レーザー光を水平方向に旋回させつつ照射し、照射点までの距離を計測するレーザー距離計を搭載した水平監視用計測装置により切羽の押し出し量を監視するトンネル切羽の簡易監視方法であって、
(A)前記水平監視用計測装置を、切羽の押し出し量を監視する適正な高さレベルに設置する工程と、
(B)前記水平監視用計測装置のレーザー距離計を、水平方向に旋回させつつトンネル坑内面へレーザー光を照射し、トンネル坑内面における所定の高さレベルの照射点までの距離の計測結果に基づき、切羽の左右両端位置を判定する工程と、
(C)前記判定した切羽の左右両端位置の間の範囲内で複数の計測ポイントを水平一直線上に設定する工程と、
(D)前記水平監視用計測装置のレーザー距離計を前記計測ポイントに合致する旋回角度で水平方向に旋回させつつレーザー光を照射し、各計測ポイントの照射点までの距離を計測する工程を連続的に繰り返し行う工程と、
(E)切羽の掘削進捗状況に応じて前記(B)、(C)の工程を行い、改めて前記計測ポイントを設定し直して前記(D)の工程を行う工程と、
(F)前記各(D)の工程と並行して、同一の計測ポイントにおけるリアルタイムな計測データの変位に基づき切羽の押し出し量を監視する工程と、
から成ることを特徴とする、トンネル切羽の簡易監視方法。 - レーザー光を水平方向に旋回させつつ照射し、照射点までの距離を計測するレーザー距離計を搭載した水平監視用計測装置と、レーザー光を鉛直方向に回動させつつ照射し、照射点までの距離を計測するレーザー距離計を搭載した鉛直監視用計測装置とを併用して切羽の押し出し量を監視するトンネル切羽の簡易監視方法であって、
(A)前記水平監視用計測装置を、切羽の押し出し量を監視する適正な高さレベルに設置する工程と、
(B)前記水平監視用計測装置のレーザー距離計を、水平方向に旋回させつつトンネル坑内面へレーザー光を照射し、トンネル坑内面における所定の高さレベルの照射点までの距離の計測結果に基づき、切羽の左右両端位置を判定する工程と、
(C)前記判定した切羽の左右両端位置の間の範囲内で複数の計測ポイントを水平一直線上に設定する工程と、
(D)前記水平監視用計測装置のレーザー距離計を前記計測ポイントに合致する旋回角度で水平方向に旋回させつつレーザー光を照射し、各計測ポイントの照射点までの距離を計測する工程を連続的に繰り返し行う工程と、
(E)切羽の掘削進捗状況に応じて前記(B)、(C)の工程を行い、改めて前記計測ポイントを設定し直して前記(D)の工程を行う工程と、
(F)前記各(D)の工程と並行して、同一の計測ポイントにおけるリアルタイムな計測データの変位に基づき切羽の押し出し量を監視する工程と、
から成るトンネル切羽の水平監視方法と、および、
(a)前記鉛直監視用計測装置を、切羽の天端部を通過する鉛直方向ラインを監視する適正な部位に設置する工程と、
(b)前記鉛直方向ラインにおける前記切羽の天端部と地面部との間の範囲内で複数の計測ポイントを設定する工程と、
(c)前記鉛直監視用計測装置のレーザー距離計を前記計測ポイントに合致する回動角度で鉛直方向に回動させつつレーザー光を照射し、各計測ポイントの照射点までの距離を計測する工程を連続的に繰り返し行う工程と、
(d)切羽の掘削進捗状況に応じて前記(b)の工程を行い、改めて前記計測ポイントを設定し直して前記(c)の工程を行う工程と、
(e)前記各(c)の工程と並行して、同一の計測ポイントにおけるリアルタイムな計測データの変位に基づき切羽の押し出し量を監視する工程と、
から成るトンネル切羽の鉛直監視方法とを同時期に行うことを特徴とする、トンネル切羽の簡易監視方法。 - 前記水平監視用計測装置は、トンネルのスプリングラインと天頂部との間の1/2以上、3/4以下の高さで、トンネル支保工の一側部又は両側部に設置することを特徴とする、請求項1又は2に記載したトンネル切羽の簡易監視方法。
- 前記水平監視用計測装置をトンネル支保工の両側部に設置するときは、切羽との距離を互いに異なるように設置し、一方の水平監視用計測装置の盛り替え時にも水平監視用計測装置による計測が中断しない構成とすることを特徴とする、請求項3に記載したトンネル切羽の簡易監視方法。
- 前記水平監視用計測装置は、上下方向にも回動制御して照射できる構成とし、前記水平一直線上の計測ポイントを複数の段状に設定することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載したトンネル切羽の簡易監視方法。
- 前記切羽の押し出し量の変位が、設定した管理基準値を超えた場合に警報手段を作動させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載したトンネル切羽の簡易監視方法。
- 前記請求項1又は2に記載したトンネル切羽の簡易監視方法に用いる水平監視用計測装置であって、
切羽等のトンネルの坑内面にレーザー光を照射して照射点で反射されたレーザー光を検知することで前記照射点までの距離を計測するレーザー距離計と、
前記レーザー距離計の水平方向の旋回と停止を可能にする水平方向旋回装置と、
前記水平方向旋回装置の任意の角度での旋回と停止を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする、水平監視用計測装置。 - 前記請求項1又は2又は5に記載したトンネル切羽の簡易監視方法に用いる水平監視用計測装置であって、
切羽等のトンネルの坑内面にレーザー光を照射して照射点で反射されたレーザー光を検知することで前記照射点までの距離を計測するレーザー距離計と、
前記レーザー距離計の水平方向の旋回と停止を可能にする水平方向旋回装置と、前記レーザー距離計の上下方向の回動と停止を可能にする上下方向回動装置と、
前記水平方向旋回装置の任意の角度での旋回と停止を制御する制御装置と、前記上下方向回動装置の任意の角度での回動と停止を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする、水平監視用計測装置。
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畝田篤志、手塚康成、近藤啓二、黒沼出: ""3Dレーザースキャナと画像処理技術を用いた変位計測システムの開発"", 第43回岩盤力学に関するシンポジウム講演集, vol. 講演番号35, JPN6021029765, January 2015 (2015-01-01), JP, pages 199 - 203, ISSN: 0004561803 * |
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