JP2019104418A - タイヤ - Google Patents

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Kenji Matsui
健児 松井
吉史 松本
Yoshifumi Matsumoto
吉史 松本
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Takashi Kuwabara
隆 桑原
彩華 三好
Ayaka Miyoshi
彩華 三好
福島 敦
Atsushi Fukushima
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Abstract

【課題】樹脂製のタイヤ骨格部材における亀裂の進展を抑制する。【解決手段】タイヤ10は、ビード部16と、ビード部16のタイヤ半径方向外側に連なるサイド部18と、サイド部18のタイヤ幅方向内側に連なり、トレッド32が配置されるクラウン部26とを有する樹脂材料製のタイヤ骨格部材12と、タイヤ骨格部材12のタイヤ外面側に配置され、コード30を含んで構成された補強層14と、タイヤ骨格部材12と補強層14との間に配置され、タイヤ骨格部材12に生ずる応力を緩和する応力緩和層36と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤ骨格部材が樹脂材料を用いて形成されたタイヤに関する。
従来から、ゴム、有機繊維材料、及びスチール部材で形成されているタイヤが知られている。近年、軽量化やリサイクルのし易さの観点から、熱可塑性エラストマー(TPE)や熱可塑性樹脂等の熱可塑性高分子材をタイヤ骨格部材とすることが求められている(例えば、特許文献1参照)。
特開平3−143701号公報
タイヤが回転するとサイド部が繰り返し変形を受ける。このため、長期に渡ってタイヤが使用されると、タイヤ骨格部材を構成している樹脂材料が疲労し、タイヤ骨格部材に微細な亀裂を生じる場合がある。
このような樹脂製のタイヤ骨格部材を備えたタイヤにおいて、タイヤ骨格部材の外側部に補強用のコードを含む補強層を配置することが考えられる。
このような補強層を備えたタイヤにおいて、特に低内圧走行時、及び過荷重走行時等のタイヤの荷重直下(回転軸の直下)でタイヤサイド部が大きく変形する過酷な走行を行うと、変形部位でコードがタイヤ骨格部材を強く押圧し、コード近傍のタイヤ骨格部材に応力が掛って亀裂が進展する場合があり、改善の余地があった。
本発明は、上記事実を考慮して、樹脂製のタイヤ骨格部材における亀裂の進展を抑制可能なタイヤを提供することを目的とする。
請求項1に記載のタイヤは、ビード部と、前記ビード部のタイヤ半径方向外側に連なるサイド部と、前記サイド部のタイヤ幅方向内側に連なり、トレッドが配置されるクラウン部とを有する樹脂材料製のタイヤ骨格部材と、前記タイヤ骨格部材のタイヤ外面側に配置され、コードを含んで構成された補強層と、前記タイヤ骨格部材と前記補強層との間に配置され、前記タイヤ骨格部材に生ずる応力を緩和する応力緩和層と、を有する。
請求項1に記載のタイヤでは、タイヤ骨格部材と補強層との間に応力緩和層が配置されているので、例えば、タイヤの側部が変形した際に、補強層のコードに押圧されてタイヤ骨格部材に生ずる応力を、応力緩和層で緩和することができる。これにより、タイヤ骨格部材に亀裂が生じていたとしても、該亀裂の進展の加速を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤにおいて、前記応力緩和層は、前記コードの材料より軟らかく、前記タイヤ骨格部材を構成する樹脂材料よりも硬いゴム材料で形成されている。
請求項2に記載のタイヤでは、応力緩和層が、タイヤ骨格部材を構成する樹脂材料よりも硬いゴム材料で形成されているため、タイヤ骨格部材に生じる応力を緩和することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤにおいて、前記応力緩和層は、前記コードの材料より軟らかく、前記タイヤ骨格部材を構成する樹脂材料よりも硬い樹脂材料で形成されている。
請求項3に記載のタイヤでは、応力緩和層が、コードの材料より軟らかく、タイヤ骨格部材を構成する樹脂材料よりも硬い樹脂材料で形成されているため、タイヤ骨格部材に生ずる応力を緩和することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤにおいて、前記応力緩和層は、前記コードよりも細く、かつ前記コードよりも曲げ剛性が小さい細径コードを含んで構成されている。
請求項4に記載のタイヤでは、応力緩和層が、補強層のコードよりも細く、かつ補強層のコードよりも曲げ剛性が小さい細径コードを含んで構成されているため、該細径コードが、補強層のコードからの力を分散させることができ、タイヤ骨格部材に生ずる応力を緩和することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤにおいて、前記応力緩和層は、織物を含んで構成されている。
請求項5に記載のタイヤでは、応力緩和層が、織物を含んで構成されているため、該織物が補強層のコードからの力を分散させることができ、タイヤ骨格部材に生ずる応力を緩和することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤにおいて、前記応力緩和層は、不織布を含んで構成されている。
請求項6に記載のタイヤでは、応力緩和層が、不織布を含んで構成されているため、該不織布が、補強層のコードからの力を分散させることができ、タイヤ骨格部材に生ずる応力を緩和することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記応力緩和層は、前記サイド部のタイヤ最大幅部側が厚く、前記ビード部側、及び前記クラウン部側に向けて厚さが漸減している。
応力緩和層が厚くなると、補強層のコードとタイヤ骨格部材との距離(間隔)が長くなって応力の緩和効果は大きくなり、応力緩和層が薄くなると、補強層のコードとタイヤ骨格部材と距離(間隔)が短くなって応力の緩和効果は相対的に小さくなる。
タイヤが荷重を受けてサイド部が変形した場合、タイヤ最大幅部付近は、ビード部側、及びクラウン部側よりも大きく変形する。このため、タイヤ骨格部材においては、タイヤ最大幅部付近の応力が、相対的にビード部側、及びクラウン部側の応力よりも大きくなる傾向にある。
請求項7に記載のタイヤでは、応力緩和層の厚さを、相対的に大きな応力がかかるタイヤ最大幅部側で厚く、相対的に小さな応力がかかるビード部側、及びクラウン部側で薄くしたので、最も大きな応力に合わせて全体を一定の厚さに設定した応力緩和層に比較して、応力緩和層の材料使用量を削減することができ、最小限の材料使用量でもって応力緩和層を構成することが可能となる。
本発明に係るタイヤによれば、タイヤ骨格部材の応力を緩和することができる、という優れた効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係るタイヤを示すタイヤ回転軸に沿って切断した状態を示す断面図である。 (A)は第1実施形態に係るタイヤのタイヤ骨格部材、補強層、及び応力緩和層を示す断面図であり、(B)は第2実施形態に係るタイヤのタイヤ骨格部材、補強層、及び応力緩和層を示す断面図であり、(C)は従来例に係るタイヤのタイヤ骨格部材、及び補強層を示す断面図である。 亀裂の進展の様子を示すタイヤ骨格部材周辺の断面図である。 試験例の結果を示す図である。
[第1実施形態]
図1乃至図2(A)にしたがって、本発明の第1実施形態に係るタイヤ10を説明する。
(タイヤ骨格部材)
図1に示すように、本実施形態に係るタイヤ10は、例えば、乗用車用のタイヤである。タイヤ10はタイヤ骨格部材12を備えている。タイヤ骨格部材12は、樹脂材料製であり、ビード部16と、該ビード部16のタイヤ半径方向外側に連なるサイド部18と、該サイド部18のタイヤ幅方向内側に連なり、トレッド32が配置されるクラウン部26とを有している。なお、ここでビード部16とは、タイヤ骨格部材12のタイヤ径方向内側端からタイヤ断面高さの30%までをいう。タイヤ骨格部材12は、タイヤ回転軸を中心とした環状とされている。タイヤ骨格部材12を構成する樹脂材料としては、熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)、熱硬化性樹脂、及びその他の汎用樹脂のほか、エンジニアリングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラスチックを含む)等が挙げられる。ここでの樹脂材料には、加硫ゴムは含まれない。
熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)とは、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になる高分子化合物をいう。本明細書では、このうち、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり、かつ、ゴム状弾性を有する高分子化合物を熱可塑性エラストマーとし、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり、かつ、ゴム状弾性を有しない高分子化合物をエラストマーでない熱可塑性樹脂として区別する。
熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)としては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、及び、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)、ならびに、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、及び、ポリエステル系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
また、上記の熱可塑性材料としては、例えば、ISO75−2又はASTM D648に規定されている荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78℃以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さが10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸び(JIS K7113)が50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130℃であるものを用いることができる。
熱硬化性樹脂とは、温度上昇と共に3次元的網目構造を形成し、硬化する高分子化合物をいう。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
なお、樹脂材料には、既述の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)及び熱硬化性樹脂のほか、(メタ)アクリル系樹脂、EVA樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の汎用樹脂を用いてもよい。
ビード部16には、ビードコア22が埋設されている。ビードコア22を構成する熱可塑性材料としては、オレフィン系、エステル系、アミド系、もしくはウレタン系のTPEか、一部ゴム系の樹脂を混練してあるTPVであることが好ましい。これらの熱可塑性材料としては、例えば、ISO75−2又はASTM D648に規定される荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が75℃以上、同じくJIS K7113に規定される引張降伏伸びが10%以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸びが50%以上、JIS K7113に規定されるビカット軟化温度(A法)が130℃以上であることが好ましい。
ビードコア22は円環状であり、タイヤ骨格部材12の樹脂材料よりも高弾性率の熱可塑性材料からなる。ビードコア22の弾性率は、タイヤ骨格部材12の弾性率の1.5倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることがより好ましい。1.5倍以下では、タイヤ10をリム24に組み付けて空気を充填して内圧を上げると、ビード部16がタイヤ半径方向外側に持ち上がってしまってリム24から外れることが考えられる。ビードコア22は、硬質樹脂を用いて、インサート成形(射出成形)などで形成されたものであってもよく、ビードコア22の形成方法は特に限定されない。
また、タイヤ周方向位置によってビードコア半径が変動するように、ビードコア22がタイヤ周方向に波を打った形状とすることもできる。この場合、ビードコア22自体がある程度伸びることが可能となり、リム組みが容易となる。また、ビードコア22は、樹脂(熱可塑性材料)に限られるものではなく、樹脂被覆されたスチールコードをタイヤ周方向にらせん状に積み重ねて形成してもよい。
(ベルト層)
タイヤ骨格部材12において、サイド部18のタイヤ半径方向外側には、クラウン部26が連なっている。クラウン部26の外周には、ベルト層28が設けられている。このベルト層28は、例えば、樹脂28Aで被覆されたコード28Bをタイヤ周方向に螺旋状に巻いて構成されている。
(トレッド)
クラウン部26及びベルト層28のタイヤ半径方向外側には、トレッド32が設けられている。このトレッド32は、例えばゴムを用いて形成されたプレキュアトレッド(PCT:Pre-Cured Tread)である。またトレッド32は、タイヤ骨格部材12を形成している樹脂材料よりも耐摩耗性に優れたゴムで形成されている。そのゴムとしては、弾性材料としてゴムを用いた従来一般の空気入りタイヤに用いられているトレッドゴムと同種のもの、例えばSBR(スチレン−ブタジエンゴム)を用いることができる。なお、トレッド32として、タイヤ骨格部材12を形成している樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる他の種類の樹脂材料で構成されるものを用いてもよい。
(補強層)
タイヤ骨格部材12の外側面には、補強層14が配置されている。図2(A)に示すように、補強層14は、互いに平行に並べられた複数本のコード30がゴム材料34により被覆され、図1に示すように、ビード部16からサイド部18に延びている。この補強層14は、一例として、従来のゴム製の空気入りタイヤで用いられるカーカスプライと同様の構成のものを用いることができる。
コード30は、例えば撚りコードや複数のフィラメントの集合体である。コード30の材質は、例えば、脂肪族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ガラス、アラミド、スチール等の金属である。本実施形態の補強層14において、コード30はタイヤ半径方向に沿って延びているが、タイヤ半径方向に対して傾斜した方向に沿って延びていてもよい。
図1に示されるように、補強層14は、ビード部16に埋設されたビードコア22に留められている。具体的には、補強層14のタイヤ半径方向内側端14Aが、ビードコア22のタイヤ径方向内側を通ってタイヤ内面側に配置されている。
図1に示されるように、補強層14のタイヤ半径方向外側端14Cは、タイヤ骨格部材12のビード部16からサイド部18を通り、クラウン部26まで延び、ベルト層28に到達している。補強層14は、タイヤ幅方向中央まで延びていてもよい。なお、補強層14のタイヤ半径方向外側端14Cの位置は、サイド部18におけるタイヤ最大幅位置付近で終端していてもよいし、またクラウン部26に至る手前(所謂バットレス部)で終端していてもよい。
なお、本実施形態の補強層14は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤにおけるカーカス層に相当するものである。
(応力緩和層)
図2(A)に示すように、タイヤ骨格部材12と補強層14との間には、応力緩和層36が配置されている。なお、図示を省略するが、本実施形態においては、応力緩和層36が補強層14の全面に渡って設けられている。
応力緩和層36は、一例として、コード30の材料より軟らかく、かつタイヤ骨格部材12を構成する樹脂材料よりも硬い樹脂材料で構成することができる。
ここで、軟らかい、硬いとは、具体的には引張弾性率を意味する。具体的にはJIS K7161−1:2014に示される引張弾性率で200MPa〜200GPaの範囲にある樹脂材料が使用できることになる。ただし、弾性率が高くなると脆性を考慮する必要があり、弾性率が高い樹脂材料を使う場合は、柔軟性を補完すべく膜厚を薄くする必要がある。膜厚等の制約が無いように考慮すると、好ましい弾性率の範囲は、200MPa〜2GPaとなる。
また、応力緩和層36を構成する樹脂材料は、タイヤ骨格部材12を構成する樹脂材料と同種の樹脂材料を用いることができるが、異種の樹脂材料を用いることもできる。応力緩和層36を構成する樹脂材料としては、例えば、ナイロン12や各種熱可塑性エラストマー(TPO、TPEE、PVC、TPV、TPU、TPS)を用いることができる。
本実施形態では、樹脂材料で構成されたタイヤ骨格部材12と樹脂材料で構成された応力緩和層36とが溶着にて接合されているが、接着剤を用いて接合されていてもよい。
なお、樹脂材料で構成されたタイヤ骨格部材12と補強層14のゴム材料とは、接着剤38にて接合されている。
ここで、応力緩和層36は、繊維等の補強材を含んでいてもよく、一例として、コード30よりも細く、かつコード30よりも曲げ剛性が小さい細径コードが複数本並べて埋設されていてもよく、織物が埋設されていてもよく、不織布が埋設されていてもよい。ここで、細径コード、織物、不織布に用いる材質は、コード30と同じ材質であってもよく、異なっていてもよく、従来一般のゴム製の空気入りタイヤに用いる繊維と同種の材質を用いることができる。なお、応力緩和層36は、樹脂材料単体で構成され、細径コード、織物、不織布等の補強材が埋設されていなくてもよい。
応力緩和層36は、タイヤ骨格部材12に生ずる応力を緩和できる厚さに設定されればよく、実寸法は特に限定されない。
図1に示すように、補強層14のタイヤ外面14B側には、サイドゴム層40が設けられている。このサイドゴム層40は、弾性材料としてゴムを用いた従来一般の空気入りタイヤのサイドウォールを構成するゴムと同種のものを用いることができる。なお、サイドゴム層40は、樹脂層であってもよい。
(作用)
以下に本実施形態のタイヤ10の作用、効果について説明する。
タイヤ10が荷重を支持するタイヤの側部が曲げを変形する。このとき、タイヤ骨格部材12の外側に配置された補強層14のコード30がタイヤ骨格部材12をタイヤ内方へ押圧し、これによりタイヤ骨格部材12の内部に応力(ここでは、圧縮応力)を生じる。
このような応力が生じるタイヤ10においては、長期の使用によりタイヤ骨格部材12の樹脂材料、または接着剤38が疲労し、タイヤ骨格部材12の樹脂材料、及び接着剤38の何れかに微細な亀裂を生じる場合がある。ここで、タイヤ骨格部材12と補強層14との間に応力緩和層36が無いタイヤの場合(図2(C)参照)には、タイヤ骨格部材12のコード30の近傍に作用する大きな応力により、生じた亀裂42がタイヤ骨格部材12の内方への加速度的に進展する虞があった。また、多数の亀裂42が進展した場合、亀裂42同士が繋がって、補強層14に沿うような大きな亀裂44を形成する場合もある。
しかしながら、本実施形態の10では、タイヤ骨格部材12と補強層14との間に応力緩和層36が配置されているので、コード30の押圧に起因してタイヤ骨格部材12に生ずる応力を、応力緩和層36で緩和することができ、これにより、亀裂のタイヤ骨格部材12の内方への進展を抑制することができる。
サイド部18の変形(撓み)は、特にはタイヤ最大幅部付近が大きいため、応力緩和層36は、少なくともタイヤ骨格部材12のタイヤ最大幅部18max付近に設けることが好ましい。応力緩和層36は、タイヤ骨格部材12の応力を緩和すべき箇所に対向して設ければよく、補強層14の全面に渡って設けなくてもよい。
なお、本実施形態に係るタイヤ10では、タイヤ骨格部材12の外面側に補強層14が存在することで、タイヤ骨格部材12の外傷を抑制することができる。さらに、補強層14がビードコア22に係止されているので、タイヤに生ずる張力を該補強層14で負担することができ、内圧に対する耐性が向上する。またこれによって、タイヤ骨格部材12の厚みを薄くできるので、乗り心地性を向上させることができる。
[第2実施形態]
図2(B)にしたがって、本発明の第2実施形態に係るタイヤ10を説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図2(B)に示すように、本実施形態に係るタイヤ10では、タイヤ骨格部材12と補強層14との間に、ゴム材料で形成された応力緩和層46が設けられている。応力緩和層46に用いるゴム材料は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤに用いているゴム材料を用いることができる。
補強層14のゴム材料と、ゴム材料で形成された応力緩和層46とは、加硫接着してもよく、接着剤で接合してもよい。ゴム材料で形成された応力緩和層46と樹脂材料で形成されたタイヤ骨格部材12とは、接着剤48で接合されている。
本実施形態に係るタイヤ10も、第1の実施形態と同様に、タイヤ骨格部材12と補強層14との間に応力緩和層46が設けられているので、タイヤ骨格部材12の応力が抑制され、タイヤ骨格部材12に亀裂が生じていたとしても、該亀裂の進展を抑制することができる。
[試験例]
本発明の効果を確かめるため、従来技術に係るタイヤと、本発明が適用された実施例のタイヤとを試作し、所定距離走行後のタイヤ骨格部材の状態を観察した。
上記実施形態の構造を有した実施例のタイヤ1と、タイヤ1から応力緩和層を除いたタイヤ2とを試作し、所定距離走行後にタイヤ骨格部材を観察した。
タイヤサイズ:215/45R17
補強層の構成:コード材料として、レーヨン、PET、PEN、ナイロン6,6、ナイロン6、アラミド等を用いる。一般的には、PETやレーヨンが用いられる。コードの打ち込み本数は8〜13本/10mmとすることができる。被覆ゴムの厚さは0.2〜0.5mmとすることができる。層の厚さは、1.0〜1.5mmとすることができる。
応力緩和層の構成:材料はゴム。厚さは0.3〜1.0mm。弾性率は300MPaである。
試験方法:FMVSS139耐久試験を行った。試験方法は、以下の表1に示すように荷重、速度、時間、空気圧を設定し、ステップ11以降は、ステップ11と同条件で試験を続ける。なお、本試験は、一般の使用状態よりも過酷な条件で行っている。
ここで、荷重とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2017年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。日本以外では、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことである。規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc. のYear Book ”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。なお、タイヤは、規格にて定めるラジアルプライタイヤのサイズに対応する標準リム(または、"Approved Rim" 、"Recommended Rim" )に装着した。
所定距離走行後のタイヤの状態を観察した結果を図4に示す。従来技術のタイヤ2は、5000km走行後の時点で、タイヤ骨格部材の内面に多数の亀裂が確認されたが、本発明の適用された実施例のタイヤ1は、6000km走行後の時点でタイヤ骨格部材の内面に亀裂は確認されなかった。
試験例の結果から、タイヤ骨格部材と補強層との間に応力緩和層を設けることで、タイヤ骨格部材の亀裂の進展を抑制でき、タイヤの耐久性を向上できることが分かる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態の応力緩和層36、46は、厚さが一定であったが、応力緩和層36、46の厚さは、一定でなくてもよく、応力の集中し易い部位で厚く形成し、その他は薄く形成してもよい。一例として、応力緩和層36、46は、大きな応力が作用し易いサイド部18のタイヤ最大幅部において厚く形成し、比較的小さな応力が作用するクラウン部26側、及びビード部16側に向けて厚さを漸減してもよい。このように、必要に応じて応力緩和層36、46の厚さを変更することで、応力緩和層36、46の材料使用量を必要最小限に抑えることができる。
なお、タイヤ10において、負荷走行時に、補強層14のコード30とタイヤ骨格部材12との間に剪断応力を生ずる場合もあるが、応力緩和層36、38は、この剪断応力を抑制することも可能である。
第1の実施形態では応力緩和層36が樹脂材料で形成され、第2の実施形態では応力緩和層46がゴム材料で形成されていたが、本発明はこれに限らず、応力緩和層は、ゴム材料と樹脂材料との混合物で形成されていてもよく、他の材料で形成されていてもよい。
本発明は、タイヤサイド部に硬質のゴム等からなる補強層を備えた、サイド補強タイプのランフラットタイヤにも適用でき、4輪車用のタイヤに限らず、2輪車用のタイヤにも適用できる。
10…タイヤ、12…タイヤ骨格部材、14…補強層、16…ビード部、18…サイド部、26…クラウン部、30…コード、32…トレッド、36…応力緩和層、46…応力緩和層

Claims (7)

  1. ビード部と、前記ビード部のタイヤ半径方向外側に連なるサイド部と、前記サイド部のタイヤ幅方向内側に連なり、トレッドが配置されるクラウン部とを有する樹脂材料製のタイヤ骨格部材と、
    前記タイヤ骨格部材のタイヤ外面側に配置され、コードを含んで構成された補強層と、
    前記タイヤ骨格部材と前記補強層との間に配置され、前記タイヤ骨格部材に生ずる応力を緩和する応力緩和層と、
    を有するタイヤ。
  2. 前記応力緩和層は、前記コードの材料より軟らかく、前記タイヤ骨格部材を構成する樹脂材料よりも硬いゴム材料で形成されている、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記応力緩和層は、前記コードの材料より軟らかく、前記タイヤ骨格部材を構成する樹脂材料よりも硬い樹脂材料で形成されている、請求項1に記載のタイヤ。
  4. 前記応力緩和層は、前記コードよりも細く、かつ前記コードよりも曲げ剛性が小さい細径コードを含んで構成されている、請求項1に記載のタイヤ。
  5. 前記応力緩和層は、織物を含んで構成されている、請求項1に記載のタイヤ。
  6. 前記応力緩和層は、不織布を含んで構成されている、請求項1に記載のタイヤ。
  7. 前記応力緩和層は、前記サイド部のタイヤ最大幅部側が厚く、前記ビード部側、及び前記クラウン部側に向けて厚さが漸減している、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のタイヤ。
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