JP2019104294A - 車両用空気調和装置及び車両用空気調和方法 - Google Patents

車両用空気調和装置及び車両用空気調和方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乗客の入れ替わりが生じた場合でも、客室の快適性が低下しにくい車両用空気調和装置及び車両用空気調和方法を提供する。【解決手段】空調機器100は、鉄道車両に画定された客室を空調する。入室者数推定部410は、予め定められた箇所の乗客の通過を検知することにより、車両の外部から客室に入った乗客の人数を推定する。制御部430は、車両が駅に到着した場合に、その駅で新たに客室に入った乗客の人数である新規搭乗人数を入室者数推定部410の推定結果によって特定し、空調機器100の客室を空調する能力を、新規搭乗人数に応じて制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、車両用空気調和装置及び車両用空気調和方法に関する。
特許文献1に開示されているように、車両に画定された客室を空調する空調機器と、客室に収容されている乗客の総人数に応じて、空調機器の能力を制御する制御装置とを備える車両用空気調和装置が知られている。制御装置は、車両の重量を検出する車重センサの検出結果に基づいて、客室に収容されている乗客の総人数を推定する。
特開2014−234110号公報
車両が駅に到着した際、客室から下車する乗客とほぼ等しい人数の乗客が、同じ客室に新たに乗り込む場合がある。このように乗客の入れ替わりが生じた場合、客室における乗客の総人数はさほど変化しないが、その客室の空調されにくさを表す室内熱負荷は増大しうる。この理由は、元々客室に居た乗客の温度は客室の温度に近づけられているが、新たに搭乗した乗客の温度は、客室の温度に近似しているとは限らないためである。
この点、特許文献1の技術では、客室における乗客の総人数は検知するが、乗客の入れ替わりは検知しない。このため、たとえ客室に多くの乗客が新たに乗り込んでも、その客室における乗客の総人数の変動が小さい場合には、空調機器の能力が高められず、客室の快適性が一時的に低下する懸念がある。
本発明の目的は、乗客の入れ替わりが生じた場合でも、客室の快適性が低下しにくい車両用空気調和装置及び車両用空気調和方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用空気調和装置は、
車両に画定された客室を空調する空調機器と、
予め定められた箇所の乗客の通過を検知することにより、前記車両の外部から前記客室に入った乗客の人数を推定する入室者数推定手段と、
前記車両が駅に到着した場合に、該駅で新たに前記客室に入った乗客の人数である新規搭乗人数を前記入室者数推定手段の推定結果によって特定し、前記空調機器の前記客室を空調する能力を、前記新規搭乗人数に応じて制御する制御手段と、
を備える。
上記構成によれば、駅で新たに客室に入った乗客の人数である新規搭乗人数に応じて、空調機器の能力が制御されるので、駅で乗客の入れ替わりが生じた場合でも、客室の快適性が低下しにくい。
実施形態1に係る車両用空気調和装置の構成を示す概念図 実施形態1に係る空調機器の構成を示す概念図 実施形態1に係る空調機器の空調能力を決定するための空調能力判別線図 実施形態1に係る乗客通過センサの配置位置を示す断面概略図 実施形態1に係る車両用空気調和装置の機能を示す概念図 実施形態1に係る空調能力制御のフローチャート 実施形態1に係る到着時熱負荷算出処理のフローチャート 実施形態2に係る空調機器の空調能力を決定するための空調能力判別線図 実施形態3に係る乗客通過センサの配置位置を示す断面概略図 実施形態4に係る乗客通過センサの利用形態を示す概念図 実施形態4に係る乗客通過センサの配置位置を示す断面概略図
以下、図面を参照し、本発明の実施形態1〜4に係る車両用空気調和装置について説明する。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。
[実施形態1]
図1に示すように、本実施形態に係る車両用空気調和装置400は、鉄道車両に画定された客室を空調する空調機器100と、空調機器100の制御に必要な各種物理量を検出するセンサ群200と、センサ群200の検出結果に基づいて空調機器100を制御する空調制御装置300とを備える。以下、まず空調機器100の構成を具体的に説明する。
図2に示すように、空調機器100は、冷媒を気化させる蒸発器110と、気化された冷媒を液体の冷媒から分離する気液分離器120と、分離された気体の冷媒を圧縮する圧縮機130と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器140と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張器150とを有する。また、空調機器100は、蒸発器110、気液分離器120、圧縮機130、凝縮器140、及び膨張器150の間で冷媒を流通させる冷媒配管160も有する。
圧縮機130は、自己の内部に画定される圧縮室に冷媒を吸い込み、吸い込んだ冷媒を圧縮室で圧縮し、圧縮された冷媒を吐出する動作を繰り返すことにより、冷媒配管160を通じて冷媒を循環させる。これにより、蒸発器110が冷却され、凝縮器140が発熱した状態となる。
本実施形態では、空調機器100が鉄道車両の客室を冷房する場合について述べる。この場合、蒸発器110は、客室の空気と熱交換することにより、客室を冷房する室内熱交換器としての役割を果たす。一方、凝縮器140は、客室の外部の空気と熱交換することにより、廃熱を外部に放出する室外熱交換器としての役割を果たす。
圧縮機130は、冷媒配管160を流れる単位時間当たりの冷媒の循環量を可変に調整することができる構成を有する。具体的には、圧縮機130は、上述した圧縮室の容量を弁によって機械的に2段階に切り替えることができる容量可変構造を有する。
圧縮機130を、圧縮室の容量が相対的に小さい状態に切り替えたとき、単位時間当たりの冷媒の循環量が低下するため、空調機器100の客室を空調する能力(以下、空調能力という。)が抑えられる。一方、圧縮機130を、圧縮室の容量が相対的に大きい状態に切り替えると、単位時間当たりの冷媒の循環量が増大するため、空調機器100の空調能力が向上する。
また、空調機器100は、蒸発器110と空気との熱交換を促進する蒸発器用ファン170と、凝縮器140と空気との熱交換を促進する凝縮器用ファン180とを有する。蒸発器用ファン170は、蒸発器110と熱交換して冷却された空気を、客室に送り込む。凝縮器用ファン180は、凝縮器140と熱交換して加熱された空気を鉄道車両の外部に排出させる。
蒸発器用ファン170と凝縮器用ファン180の各々の回転数は、可変に調整することができる。蒸発器用ファン170と凝縮器用ファン180の回転数が高い程、蒸発器110と凝縮器140における熱交換が促進されるため、空調機器100の空調能力が向上する。一方、蒸発器用ファン170と凝縮器用ファン180の回転数を低下させると、空調機器100の空調能力が抑えられる。
以上のように、空調機器100は、鉄道車両の客室を空調する空調能力を、圧縮機130の容量、蒸発器用ファン170の回転数、及び凝縮器用ファン180の回転数によって可変に調整することができる構成を有する。
図1に戻って説明を続ける。空調制御装置300が、圧縮機130の容量、蒸発器用ファン170の回転数、及び凝縮器用ファン180の回転数を制御することにより、空調機器100の空調能力を調整する空調能力制御を行う。
空調制御装置300は、空調能力制御の動作を規定した制御プログラム310が格納されたメモリ320と、メモリ320から制御プログラム310を読み出して実行するプロセッサ330とを有する。
プロセッサ330が、制御プログラム310を実行することにより、上述した空調能力制御が実現される。プロセッサ330は、空調能力制御において、空調機器100の空調能力を、センサ群200の検出結果に基づいて決定する。
センサ群200は、鉄道車両の客室内の温度を計測する室内温度センサ210と、鉄道車両の外部の温度を計測する室外温度センサ220と、客室の空調されにくさを表す室内熱負荷に依存する物理量を検出する室内熱負荷測定用センサ230とを含む。
プロセッサ330は、室内温度センサ210によって計測された客室の温度と、予め定められた目標温度との差である室温偏差を算出する。また、プロセッサ330は、室内温度センサ210及び室外温度センサ220の検出結果と、室内熱負荷測定用センサ230の検出結果とを用いて、室内熱負荷を算出する。
そして、プロセッサ330は、室温偏差及び室内熱負荷の値の組み合わせと、空調機器100の空調能力とを予め対応付けた空調能力判別線図を用いて、空調機器100の空調能力を決定する。以下、具体的に説明する。
図3に示すように、空調能力判定線図は、横軸に室内熱負荷をとり、縦軸に室温偏差をとったグラフである。このグラフには、互いに平行で各々負の傾きを有する5本の直線状の境界線L1〜L5が示されている。境界線L1〜L5は、少なくとも第1象限を通っている。境界線L1〜L5の順番に、原点からの距離が次第に大きくなっている。
プロセッサ330は、室内熱負荷と室温偏差のプロットが、境界線L1より下方の領域C0に属するとき、最も低い空調能力で空調機器100を運転させ、境界線L2とL1の間の領域C1に属するとき、次に高い空調能力で空調機器100を運転させ、境界線L3とL2の間の領域C2に属するとき、次に高い空調能力で空調機器100を運転させ、境界線L4とL3の間の領域C3に属するとき、次に高い空調能力で空調機器100を運転させ、境界線L5とL4の間の領域C4に属するとき、次に高い空調能力で空調機器100を運転させ、境界線L5より原点から遠い領域C5に属するとき、最も高い空調能力で空調機器100を運転させる。
従来は、室内熱負荷を、鉄道車両の重さから把握される乗客の総人数に基づいて算出していた。しかし、乗客の総人数の観測だけでは、客室に対する乗客の入れ替わりを適切に把握することができない。このため、たとえ客室に多くの乗客が新たに乗り込んでも、その客室における乗客の総人数の変動が小さい場合には、空調機器100の能力が高められず、客室の快適性が一時的に低下する懸念があった。
そこで、本実施形態では、図1に示す室内熱負荷測定用センサ230が、客室に対する乗客の入れ替わりも検知できる構成を備える。以下、室内熱負荷測定用センサ230の構成を具体的に説明する。
室内熱負荷測定用センサ230は、図5に示すように、乗客の総人数を把握するために鉄道車両の重さを検出する車重センサ231のみならず、客室に新たに搭乗した乗客の人数を把握するために、予め定められた箇所の乗客の通過を検知する乗客通過センサ232も有する。
図4に示すように、乗客通過センサ232は、鉄道車両TRの客室RM内に配置されている。具体的には、乗客通過センサ232は、鉄道車両TRが駅PFに到着して鉄道車両TRにおける乗降用の扉DRが開いた際に、その開かれた扉DRを乗客が通過したことを検知できる箇所に配置されている。
より具体的には、乗客通過センサ232は、扉DRの上方に位置する車内表示装置TVの近傍に配置されている。なお、車内表示装置TVは、例えば、路線図、乗換案内、気象情報、広告等を乗客に対して視覚的に案内するものである。
車内表示装置TVの近傍に乗客通過センサ232を配置する場合、乗客通過センサ232に作動電力を供給するための配線として、車内表示装置TV用に予備的に準備されている配線を流用できる。このため、乗客通過センサ232の導入に当たって、新たに配線を準備する必要がない。
乗客通過センサ232は、各々乗客の通過を検知できる第1センサ部232aと第2センサ部232bを含む。第1センサ部232aと第2センサ部232bは、乗客が通過する方向、具体的に鉄道車両TRの幅方向に間隔をあけて並んでいる。
図示しないが、第1センサ部232aと第2センサ部232bの各々は、鉄道車両TRの進行方向、即ち図4の紙面に垂直な方向に向かい合うビーム出射器とビーム受信器とを備える。ビーム出射器は、ビーム受信器に向けて、赤外線その他の波長を有する電磁波又は音波のビームを出射している。乗客が扉DRを通過する際、ビームが乗客で遮られる。このため、ビーム受信器でのビームの受信の有無によって、乗客の通過を検知できる。
乗客通過センサ232は、第1センサ部232aと第2センサ部232bとでの通過の検出の順序によって、客室RMに入る向きの通過と、客室RMから出る向きの通過とを区別して検知することができる。即ち、第1センサ部232a→第2センサ部232bの順序で通過を検知した場合は、乗客が客室RMから出たことを表しており、第2センサ部232b→第1センサ部232aの順序で通過を検知した場合は、乗客が客室RMに入ったことを表している。
本実施形態では、乗客通過センサ232は、第2センサ部232b→第1センサ部232aの順序で通過を検知する度、即ち、新たに乗客が客室RMに入ったことを検知する度に、その旨を表す入室検知信号を、図1に示すプロセッサ330に出力する。図1に示すプロセッサ330は、入室検知信号の受信回数を加味して、図3の横軸の室内熱負荷の値を算出する。
以下、図5を参照し、図1に示すプロセッサ330が制御プログラム310を実行することにより発揮する機能について、具体的に説明する。
図5に示すように、プロセッサ330は、乗客通過センサ232から上述した入室検知信号INが出力される度に、その出力の回数を表す計数値をカウントアップする計数部331としての機能を有する。計数部331での計数値を、駅PFで新たに客室RMに入った乗客の人数である新規搭乗人数の推定値とする。
計数部331と乗客通過センサ232とによって、予め定められた箇所としての鉄道車両TRの扉DRが開閉する箇所における乗客の通過を検知することにより、鉄道車両TRの外部から客室RMに入った乗客の人数を推定する入室者数推定手段としての入室者数推定部410が構成されている。
また、プロセッサ330は、客室RMに収容されている乗客の総人数を推定する総人数推定手段としての総人数推定部420を、車重センサ231と共に構成する総人数算出部332としての機能も有する。
総人数算出部332は、車重センサ231の検出結果に基づいて、客室RMに収容されている乗客の総人数を算出する。
具体的には、総人数算出部332は、車重センサ231の検出結果が表す鉄道車両TRとそれに搭乗している乗客との合計の重さから、鉄道車両TRだけの重さを引いた値を、1人の乗客の平均体重で割り算する。その割り算の結果の値が、客室RM内の乗客の総人数の推定値である。
また、プロセッサ330は、計数部331での計数値が表す新規搭乗人数の推定値と、総人数算出部332で算出された総人数の推定値と、室内温度センサ210及び室外温度センサ220の検出結果とを用いて、客室RMの空調されにくさを表す室内熱負荷を算出する室内熱負荷算出部333としての機能も有する。
具体的には、室内熱負荷算出部333は、次式(1)によって室内熱負荷を算出する。
室内熱負荷[W]=乗客発熱量[W]+環境負荷[W] …(1)
ここで、環境負荷とは、鉄道車両TRに備えられた各種機器の定常発熱量と、鉄道車両TRの外部から客室RMへ侵入する侵入熱量との和である。このうち、定常発熱量は、鉄道車両TRに備えられた各種機器の構成から予め定まる。また、侵入熱量は、客室RMと外部との温度差、即ち、室内温度センサ210の検出結果と室外温度センサ220の検出結果との差に比例し、その比例定数は、鉄道車両TRの構造から予め定まる。
また、乗客発熱量とは、客室RM内の乗客が発する熱量である。本実施形態の特徴の1つは、乗客発熱量の算出式を、鉄道車両TRが駅PFから発車した直後の過渡期間と、それ以外の定常時とで、場合分けする点にある。以下、具体的に説明する。
室内熱負荷算出部333は、鉄道車両TRが駅PFから発車した直後の過渡期間以外の定常時においては、次式(2)によって、乗客発熱量を算出する。
乗客発熱量[W]=室内総人数×乗客1人当たりの定常発熱量[W] …(2)
ここで、室内総人数とは、総人数算出部332で算出された総人数の推定値のことである。また、乗客1人当たりの定常発熱量は、本実施形態では、60[W]とする。
一方、室内熱負荷算出部333は、鉄道車両TRが駅PFから発車した直後の過渡期間においては、次式(3)によって、乗客発熱量を算出する。
乗客発熱量[W]=元々客室に居た乗客の発熱量[W]+新たに客室に搭乗した乗客の発熱量[W] …(3)
ここで、元々居た乗客とは、鉄道車両TRが駅PFに到着する前から客室RMに居た乗客のことである。元々居た乗客の発熱量は、上式(2)における乗客1人当たりの定常発熱量を用いて、次式(4)によって算出される。
元々客室に居た乗客の発熱量[W]=元々居た乗客の人数×乗客1人当たりの定常発熱量[W] …(4)
また、新たに搭乗した乗客とは、鉄道車両TRが駅PFに到着した際に、その駅PFで客室RMに搭乗した乗客のことである。新たに搭乗した乗客の発熱量は、上式(2)における乗客1人当たりの定常発熱量を用いて、次式(5)によって算出される。
新たに搭乗した乗客の発熱量[W]=新たに搭乗した乗客の人数×(乗客1人当たりの定常発熱量+α)[W] …(5)
ここで、αは、新たに搭乗した乗客1人当たりの平均発熱量から、元々居た乗客1人当たりの平均発熱量を引いた値に相当する補正値である。この補正値αは、定数としてもよいし、客室RMの外部の温度、客室RMと外部との温度差、又は外部の日射量等に基づいて適宜定められる変数としてもよい。
なお、室内熱負荷算出部333は、上式(5)における新たに搭乗した乗客の人数(以下、新規搭乗人数という。)を、計数部331での計数値によって特定する。また、室内熱負荷算出部333は、式(4)における元々居た乗客の人数(以下、残留人数という。)を、鉄道車両TRが駅PFから発車する時点における総人数算出部332で算出された総人数から、新規搭乗人数を引き算することによって求める。
また、プロセッサ330は、鉄道車両TRから、乗降用の扉DRが開閉したことを表す扉開閉情報を取得する扉開閉情報取得部334としての機能も有する。扉開閉情報取得部334は、扉開閉情報によって扉DRが開いたことを検知したとき、及び扉DRが閉まったことを検知したときは、その旨を室内熱負荷算出部333に通知する。
扉開閉情報取得部334から室内熱負荷算出部333に扉DRが閉まった旨が通知された時点から、予め定められた期間、具体的には5分間経過するまでの期間を、上述した過渡期間とする。
また、室内熱負荷算出部333は、扉開閉情報取得部334から扉DRが開いた旨を通知される度に、計数部331における計数値をリセットする。これにより、扉DRが開いた時点から、扉DRが閉まる時点までの間に、計数部331において新規搭乗人数を適切に計数することができる。
また、プロセッサ330は、室内温度センサ210によって計測された客室の温度と、予め定められた目標温度との差である室温偏差を算出する室温偏差算出部335としての機能も有する。
また、プロセッサ330は、室温偏差算出部335によって算出された室温偏差と、室内熱負荷算出部333によって算出された室内熱負荷とに基づいて、図3を参照して説明した要領で空調機器100の空調能力を決定し、決定した空調能力が発揮されるように、圧縮機130、蒸発器用ファン170、及び凝縮器用ファン180を制御する空調能力制御部336としての機能も有する。
以上説明した室内熱負荷算出部333、扉開閉情報取得部334、室温偏差算出部335、及び空調能力制御部336によって、空調機器100の空調能力を制御する制御手段としての制御部430が構成されている。
制御部430は、鉄道車両TRが駅PFに到着した場合に、その駅PFで新たに客室RMに入った乗客の人数である新規搭乗人数を入室者数推定部410の推定結果によって特定すると共に、元々客室RMに居た乗客の人数である残留人数を入室者数推定部410及び総人数推定部420の推定結果を用いて特定し、空調機器100の空調能力を、新規搭乗人数、残留人数、及び室温偏差に応じて制御する。
以下、図6及び図7を参照し、プロセッサ330が構成する上記各部331〜336によって実行される空調能力制御について、具体的に説明する。
図6に示すように、まず、室温偏差算出部335は、室内温度センサ210の測定結果が表す客室RM内の温度と、予め定められた目標温度との差である室温偏差を算出する(ステップS1)。
次に、室内熱負荷算出部333は、扉開閉情報取得部334から扉DRが開いた旨の通知があったか否か、即ち、鉄道車両TRが駅PFに到着して乗客の乗降のために扉DRが開いたか否かを判定する(ステップS2)。
室内熱負荷算出部333は、扉DRが開かれていない場合は(ステップS2;NO)、定常時熱負荷算出処理を行う(ステップS3)。定常時熱負荷算出処理とは、上述した式(1)と式(2)を用いて、室内熱負荷を算出する処理のことである。
次に、空調能力制御部336は、室温偏差算出部335によって算出された室温偏差と、室内熱負荷算出部333によって算出された室内熱負荷とに基づいて、図3を参照して説明した要領で、空調機器100の空調能力を決定する(ステップS4)。
次に、空調能力制御部336は、空調機器100の現在の空調能力が適切か否か、即ち、空調機器100の現在の空調能力がステップS4で決定した空調能力に等しいか否かを判定し(ステップS5)、等しい場合は(ステップS5;YES)、ステップS1に戻る。
一方、空調能力制御部336は、空調機器100の現在の空調能力が、ステップS4で決定した空調能力と異なる場合は(ステップS5;NO)、ステップS4で決定した空調能力が発揮されるように、圧縮機130、蒸発器用ファン170、及び凝縮器用ファン180の少なくとも1つを制御し、予め定められた期間、具体的には、5分間、ステップS4で決定した空調能力で空調機器100を運転させる(ステップS6)。
次に、空調能力制御部336は、空調能力制御を継続する場合は(ステップS7;NO)、ステップS1に戻り、空調能力制御を終える場合は(ステップS7;YES)、本処理を終了する。
一方、室内熱負荷算出部333は、ステップS2で、扉DRが開かれた場合は(ステップS2;YES)、到着時熱負荷算出処理を行う(ステップS8)。到着時熱負荷算出処理とは、上述した式(1)と式(3)〜(5)を用いて、室内熱負荷を算出する処理のことである。以下、図7を参照し、到着時熱負荷算出処理を具体的に説明する。
図7に示すように、まず、室内熱負荷算出部333は、今回到着した駅PFでの新規搭乗人数を計数させるために、計数部331における計数値をリセットし(ステップS81)、計数部331に、新たに搭乗する乗客の人数の計数を開始させる(ステップS82)。
次に、室内熱負荷算出部333は、扉開閉情報取得部334から扉DRが閉まった旨の通知があった場合、即ち、鉄道車両TRが駅PFから発車するために扉DRが閉まった場合(ステップS83;YES)、その時点の計数値を計数部331から取得する(ステップS84)。この計数値によって、その駅PFでの新規搭乗人数が特定される。
次に、総人数算出部332は、扉DRが閉まった後における車重センサ231の検出結果を用いて、客室RMに収容されている乗客の総人数を算出する(ステップS85)。
次に、室内熱負荷算出部333は、ステップS85で総人数算出部332によって算出された総人数から、ステップS84で取得した計数値が表す新規搭乗人数を引き算することにより、元々客室に居た乗客の人数、即ち残留人数を算出する。
そして、室内熱負荷算出部333は、算出した残留人数と、ステップS84で特定した新規搭乗人数とを加味した室内熱負荷を算出する(ステップS86)。
具体的には、室内熱負荷算出部333は、残留人数を上式(4)に代入して、元々客室に居た乗客の発熱量を算出すると共に、新規搭乗人数を上式(5)に代入して、新たに搭乗した乗客の発熱量を算出し、上式(3)によって室内熱負荷を算出する。そして、室内熱負荷算出部333は、到着時熱負荷算出処理を終える。
以上説明したように、本実施形態によれば、鉄道車両TRが駅PFに到着した後、発車するために扉DRが閉まった際に、その駅PFで客室RMに新たに搭乗した乗客の人数である新規搭乗人数に応じて、空調機器100の空調能力が制御される。このため、駅PFで乗客の入れ替わりが生じた場合でも、客室RMの快適性が低下しにくい。
従来は、客室RMにおける乗客の総人数は検知するが、乗客の入れ替わりは検知しなかった。このため、たとえ客室RMに多くの乗客が新たに乗り込んでも、客室RMにおける乗客の総人数の変動が小さい場合には、室温偏差が大きくなった後でないと、空調機器100の空調能力が高められないという懸念があった。
これに対し、本実施形態によれば、新規搭乗人数に応じて空調機器100の空調能力が制御されるので、客室RMに乗客が新たに乗り込んだ場合には、客室RMにおける乗客の総人数の変動が小さくても、客室RMの快適性が低下し始める前に、空調機器100の空調能力が高められうる。このため、客室RMの快適性が低下しにくい。
[実施形態2]
上記実施形態1では、空調機器100が客室RMを冷房したが、空調機器100が客室RMを暖房する場合にも、新規搭乗人数が多い程、客室RMが暖房されにくいという問題が生じる。そこで、空調制御装置300は、空調機器100が客室RMを暖房する場合にも、新規搭乗人数に応じて、空調機器100の能力を制御する。以下、その具体例について説明する。
本実施形態では、図2において、凝縮器140が、客室RM内の空気と熱交換することにより客室RMを暖房する室内熱交換器としての役割を果たし、蒸発器110が、鉄道車両TRの外部から熱を吸収する室外熱交換器としての役割を果たす。
空調機器100が客室RMを暖房する能力は、実施形態1の場合と同様に、圧縮機130の容量、蒸発器用ファン170の回転数、及び凝縮器用ファン180の回転数によって可変に調整することができる。
客室RMの暖房を行う冬季や寒冷地では、上式(1)の左辺に示す室内熱負荷は、目標温度への温まりにくさを表すため、負の値をとりうる。特に、式(1)の右辺の環境負荷には、客室RMから外部へ流出する流失熱量が加味される。流出熱量は、負の値をとる。その絶対値は、客室RMと外部との温度差、即ち、室内温度センサ210の検出結果と室外温度センサ220の検出結果との差に比例し、その比例定数は、鉄道車両TRの構造から予め定まる。
また、本実施形態では、室内熱負荷算出部333は、図6のステップS8の到着時熱負荷算出処理における、図7のステップS86では、新規搭乗人数が多い程、室内熱負荷が小さくなるような、即ち、負の値である室内熱負荷の絶対値が大きくなるような室内熱負荷の定義式を用いて、室内熱負荷を算出する。これは、新たに搭乗する乗客は、客室RMの温度を低下させる吸熱要因となるためである。
なお、新たに客室RMに搭乗する乗客1人当たりの吸熱量は、定数としてもよいし、客室RMの外部の温度、客室RMと外部との温度差、又は外部の日射量等に基づいて適宜定められる変数としてもよい。
一方、本実施形態では、室内熱負荷算出部333は、図6のステップS3の定常時熱負荷算出処理では、客室RM内の乗客の総人数が多い程、室内熱負荷が大きくなるような、即ち、負の値である室内熱負荷の絶対値が小さくなるような室内熱負荷の定義式を用いて、室内熱負荷を算出する。これは、定常時には、客室RM内の総人数が多い程、客室RMが温まりやすいためである。
以上のように、上式(1)の左辺に示す室内熱負荷は、負の値をとりうる。また、客室RMの暖房を行う場合は、客室RMの温度−目標温度、で定義される室温偏差も、負の値をとりうる。
そこで、空調能力制御部336は、図6のステップS4では、図8に示す、暖房時用の空調能力判定線図を用いて、空調機器100の空調能力、即ち暖房能力を決定する。
図8に示すように、暖房時に使用する空調能力判定線図も、横軸に室内熱負荷をとり、縦軸に室温偏差をとったグラフである。このグラフには、互いに平行で各々負の傾きを有する4本の直線状の境界線M1〜M4が示されている。境界線M1〜M4は、少なくとも第3象限を通っている。境界線M1〜M4の順番に、原点からの距離が次第に大きくなっている。
空調能力制御部336は、室内熱負荷と室温偏差のプロットが、境界線M1より上方の領域H0に属するとき、最も低い暖房能力で空調機器100を運転させ、境界線M2とM1の間の領域H1に属するとき、次に高い空調能力で空調機器100を運転させ、境界線M3とM2の間の領域H2に属するとき、次に高い空調能力で空調機器100を運転させ、境界線M4とM3の間の領域H3に属するとき、次に高い空調能力で空調機器100を運転させ、境界線M4より原点から遠い領域H4に属するとき、最も高い空調能力で空調機器100を運転させる。
本実施形態によれば、新規搭乗人数に応じて、空調機器100の客室RMを暖房する能力が制御される。このため、乗客の入れ替わりが生じた場合でも、客室RMの温度が一時的に低下する前に、空調機器100の客室RMを暖房する能力が高められる。
[実施形態3]
上記実施形態では、図4に示したように、乗客通過センサ232を、鉄道車両TRの客室RM内に配置したが、乗客通過センサ232を配置する位置は、特に限定されない。以下、乗客通過センサ232の配置位置を変更した具体例について述べる。
図9に示すように、本実施形態では、乗客通過センサ232が、駅PFのホームドアHDRに設置される。ホームドアHDRは、鉄道車両TRが駅PFに到着した場合に、鉄道車両TRに設けられた乗降用の扉DRと連動して開閉する。
乗客通過センサ232は、鉄道車両TRが駅PFに到着して扉DR及びホームドアHDRが開いた時点から、鉄道車両TRが発車するために扉DR及びホームドアHDRが閉まった時点までの間に、開かれたホームドアHDRを、乗客が客室RMに入る向きに通過する度に、入室検知信号INを、図5に示す計数部331に出力する。
なお、本実施形態では、ホームドアHDRに設置される乗客通過センサ232は、入室検知信号INを、無線の形態、具体的には電磁波又は音波のパルスの形態で、図5に示す計数部331に出力する。
図5に示す計数部331は、乗客通過センサ232から入室検知信号INが出力される度に計数値をカウントアップすることにより、開かれたホームドアHDRを通過する乗客の人数を計数する。これにより、その駅PFにおける新規搭乗人数を計数できる。本実施形態によっても、実施形態1と同様の効果が得られる。
[実施形態4]
上記実施形態では、客室RMにおける乗客の総人数を、鉄道車両TRの重量に基づいて推定したが、客室RMにおける乗客の総人数は、鉄道車両TRの重量によらずに推定することもできる。以下、その具体例について述べる。
図10に示すように、本実施形態に係る乗客通過センサ233は、客室RMに入る向きの乗客の通過と、客室RMから出る向きの乗客の通過との双方を区別して検知し、客室RMに入る向きの乗客の通過を検知する度に入室検知信号INを出力し、客室RMから出る向きの乗客の通過を検知する度に退室検知信号OUTを出力する。
図11に示すように、乗客通過センサ233は、客室RM内における扉DRの位置のみならず、取り合う鉄道車両TRの客室RM同士を連通させる連絡通路CNの位置にも配置されている。連絡通路CNに配置された乗客通過センサ233は、連絡通路CNにおける乗客の通過を検知する。
これらの乗客通過センサ233の各々が、上述した入室検知信号IN及び退室検知信号OUTを出力する。なお、図10には、理解を容易にするために、代表して1つの乗客通過センサ233のみを示した。
図10に戻って説明を続ける。本実施形態では、図1に示したプロセッサ330が、いずれかの乗客通過センサ233から入室検知信号INが出力される度に、その出力の回数を表す計数値をカウントアップする第1計数部337としての機能と、いずれかの乗客通過センサ233から退室検知信号OUTが出力される度に、その出力の回数を表す計数値をカウントアップする第2計数部338としての機能とを有する。
室内熱負荷算出部333は、鉄道車両TRが駅PFに到着して扉DRが開く度に、即ち扉開閉情報取得部334から扉DRが開いた旨を通知される度に、第1計数部337及び第2計数部338の計数値をリセットする。
また、室内熱負荷算出部333は、鉄道車両TRが発車すべく扉DRが閉まる度に、即ち扉開閉情報取得部334から扉DRが閉まった旨を通知される度に、第1計数部337の計数結果−第2計数部338の計数結果、で定義される変動人数を算出する。
そして、室内熱負荷算出部333は、算出した変動人数を、前回の総人数、即ち前の駅PFで扉DRが閉まった時点における客室RM内の乗客の総人数に足し算する。この足し算の結果が、今回の駅PFで扉DRが閉まった時点における客室RM内の乗客の総人数である。
この総人数の値は、室内熱負荷算出部333に記憶され、次の駅PFで扉DRが閉まった時点における総人数の算出に利用される。また、この総人数の値は、実施形態1の場合と同様に、室内熱負荷の算出にも利用される。なお、鉄道車両TRが運行を開始した時点での総人数の初期値はゼロとする。
このように、本実施形態では、乗客通過センサ233、第1計数部337、及び第2計数部338、及び室内熱負荷算出手段によって、客室RMに収容されている乗客の総人数を推定する総人数推定手段が構成される。
また、室内熱負荷算出部333は、第1計数部337の計数結果によって新規入室者数を特定する。即ち、第1計数部337と乗客通過センサ233によって、客室RMに入った乗客の人数を推定する入室者数推定手段が構成される点は、実施形態1と同じである。また、上記以外の室内熱負荷算出部333の機能も、実施形態1と同じである。
以上説明したように、本実施形態によれば、図5に示した車重センサ231を用いなくても、鉄道車両TRが駅PFに到着する度に、その駅PFでの乗客の変動人数に基づいて客室RM内の乗客の総人数を推定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明はこれに限られず、以下に述べる変形も可能である。
上記実施形態1では、図5に示す乗客通過センサ232が、客室RMに入る向きの乗客の通過を検知する度に入室検知信号INを出力したが、乗客通過センサ232が、客室RMから出る向きの乗客の通過を検知する度に退室検知信号OUTを出力してもよい。この場合、図5に示す計数部331は、客室RMに入った乗客の人数と客室RMから出た乗客の人数のうち、客室RMから出た乗客の人数のみを計数する。
この場合でも、計数部331の計数値から特定される、駅PFで客室RMから降車した乗客の人数をx、その駅PFから鉄道車両TRが発車すべく扉DRが閉まった時点での客室RM内の乗客の総人数をm、その駅PFに鉄道車両TRが到着して扉DRが開く時点での客室RM内の乗客の総人数をn、としたとき、新規搭乗人数yは、y=m+x−nによって算出することができる。
上記実施形態1〜4では、空調制御装置300が、乗客通過センサ232又は233から出力される入室検知信号IN又は退室検知信号OUTの出力回数を計数する機能を備えたが、この計数の機能は、乗客通過センサ232又は233自体が備えてもよい。その場合は、計数部331、第1計数部337、第2計数部338を省略し得る。
上記実施形態1及び2では、図3及び図8に示した空調能力判別線図を用いて、空調機器100の空調能力を段階的に制御したが、空調機器100の空調能力を無段階的に調整できる構成としてもよい。また、上記実施形態1では、圧縮機130の容量を機械的に切り替え可能としたが、圧縮機130が単位時間当たりに吐出する冷媒の量は、圧縮機130の運転周波数によっても段階的又は無段階的に調整できる。
また、図2には、空調機器100が1系統の冷凍サイクルを備える構成を例示したが、空調機器100が複数系統の冷凍サイクルを備える場合には、可動させる冷凍サイクルの台数によっても、空調機器100の空調能力を調整できる。
上記実施形態2では、冷凍サイクルを構成する空調機器100によって、客室RMを暖房する構成について述べたが、客室RMは、冷凍サイクルによらず、電気ヒータによって暖房することもできる。その場合でも、電気ヒータへの通電量によって暖房能力を調整できる。なお、電気ヒータは、典型的には、客室RM内における座席の下部に設置される。
上記実施形態1〜4で用いた乗客通過センサ232及び233の構成は、予め定められた箇所の乗客の通過を検知できるものであればよく、特に第1センサ部232a及び第2センサ部232bを有する形態に限られない。上記実施形態1〜4では、室外温度センサ220が鉄道車両TRに設けられた構成について述べたが、室外温度センサ220は駅PFに設けられていてもよい。
上記実施形態では、車両が鉄道車両TRである場合について述べたが、車両は鉄道車両TRに限られない。本明細書において、車両とは、モノレールその他の軌道車両、及びバスその他の自動車も含む概念とする。また、本明細書において、駅とは、鉄道車両TRの駅のみならず、軌道車両の駅、バス停、その他、乗客が乗降するための停車場を含む概念とする。
図1に示す制御プログラム310をコンピュータにインストールすることで、そのコンピュータを空調制御装置300として機能させることもできる。制御プログラム310は、通信回線を介して配布してもよいし、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリといったコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよい。
100…空調機器、110…蒸発器、120…気液分離器、130…圧縮機、140…凝縮器、150…膨張器、160…冷媒配管、170…蒸発器用ファン、180…凝縮器用ファン、200…センサ群、210…室内温度センサ、220…室外温度センサ、230…室内熱負荷測定用センサ、231…車重センサ、232…乗客通過センサ、232a…第1センサ部、232b…第2センサ部、233…乗客通過センサ、300…空調制御装置、310…制御プログラム、320…メモリ、330…プロセッサ、331…計数部、332…総人数算出部、333…室内熱負荷算出部、334…扉開閉情報取得部、335…室温偏差算出部、336…空調能力制御部、337…第1計数部、338…第2計数部、400…車両用空気調和装置、410…入室者数推定部、420…総人数推定部、430…制御部、L1〜L5…境界線、M1〜M4…境界線、TR…鉄道車両(車両)、RM…客室、PF…駅、DR…扉、TV…車内表示装置、HDR…ホームドア、CN…連絡通路。

Claims (7)

  1. 車両に画定された客室を空調する空調機器と、
    予め定められた箇所の乗客の通過を検知することにより、前記車両の外部から前記客室に入った乗客の人数を推定する入室者数推定手段と、
    前記車両が駅に到着した場合に、該駅で新たに前記客室に入った乗客の人数である新規搭乗人数を前記入室者数推定手段の推定結果によって特定し、前記空調機器の前記客室を空調する能力を、前記新規搭乗人数に応じて制御する制御手段と、
    を備える、車両用空気調和装置。
  2. 前記客室に収容されている乗客の総人数を推定する総人数推定手段、をさらに備え、
    前記制御手段が、前記車両が前記駅から発車する場合に、該駅に前記車両が到着する前から前記客室に居た乗客の人数である残留人数を、前記総人数推定手段の推定結果と、前記入室者数推定手段の推定結果とを用いて特定し、前記空調機器の前記能力を、前記新規搭乗人数及び前記残留人数に応じて制御する、
    請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 前記人室者数推定手段が、
    予め定められた箇所の乗客の通過を、前記客室に入る向きの前記通過と、前記客室から出る向きの前記通過とを区別して検知することにより、前記客室に入った乗客の人数と、前記客室から出た乗客の人数との少なくとも一方を計数する通過センサ、
    を有する、請求項1又は2に記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記通過センサが、
    前記車両に設けられた乗降用の扉を通過する乗客の人数を計数する、
    請求項3に記載の車両用空気調和装置。
  5. 前記通過センサが、
    前記駅に設置され、前記車両に設けられた乗降用の扉と連動して開閉するホームドアを通過する乗客の人数を計数する、
    請求項3に記載の車両用空気調和装置。
  6. 前記客室の温度を計測する室内温度センサ、をさらに備え、
    前記制御手段が、前記室内温度センサによって計測された前記客室の温度と、予め定められた目標温度との差である室温偏差を算出すると共に、前記客室の温度の前記目標温度への近づきにくさを表す室内熱負荷を、前記新規搭乗人数を用いて算出し、前記室温偏差及び前記室内熱負荷に基づいて、前記空調機器の前記能力を決定する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用空気調和装置。
  7. 予め定められた箇所の乗客の通過を検知することにより、車両の外部から前記車両に画定された客室に入った乗客の人数を推定する入室者数推定ステップと、
    新たに前記客室に入った乗客の人数である新規搭乗人数を前記入室者数推定ステップの推定結果によって特定し、前記客室を空調する空調機器の前記客室を空調する能力を、前記新規搭乗人数に応じて制御する制御ステップと、
    を含む、車両用空気調和方法。
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