JP2019104053A - 溶接ガン及び溶接装置 - Google Patents

溶接ガン及び溶接装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019104053A
JP2019104053A JP2017252387A JP2017252387A JP2019104053A JP 2019104053 A JP2019104053 A JP 2019104053A JP 2017252387 A JP2017252387 A JP 2017252387A JP 2017252387 A JP2017252387 A JP 2017252387A JP 2019104053 A JP2019104053 A JP 2019104053A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
electrode
welding
welding gun
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017252387A
Other languages
English (en)
Inventor
啓一 中村
Keiichi Nakamura
啓一 中村
亮二 野々下
Ryoji Nonoshita
亮二 野々下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YASHIMA KK
YASHIMA PRODUCTS
Original Assignee
YASHIMA KK
YASHIMA PRODUCTS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YASHIMA KK, YASHIMA PRODUCTS filed Critical YASHIMA KK
Priority to JP2017252387A priority Critical patent/JP2019104053A/ja
Publication of JP2019104053A publication Critical patent/JP2019104053A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Abstract

【課題】コンパクトで操作性がよい新たな溶接ガンを提供する。【解決手段】本発明に係る溶接ガン10は、ガン本体101側に設けられた第1の電極102と、第1の電極と対向するように配置された第2の電極103が設けられ、ガン本体101側と相対回転可能な回転アーム104と、第1の電極を第2の電極に対して近接離間方向Aに可動するアクチュエータ120と、アクチュエータの内部に設けられ、回転アーム104の回転方向への位置を任意の位置に位置決めする位置決め手段150を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、スポット溶接などに用いる溶接ガン及びそれを備えた溶接装置に関する。
溶接装置が備えている溶接ガンには、ガン本体側に設けられた第1の電極と、第1の電極と対向配置され、回転可能な回転アームに設けられた第2の電極を有し、回転アームの回転方向への角度を調整して任意の位置に位置決め可能としたものがある(例えば特許文献1)。
特開2010−5648号公報
特許文献1の構成においては、回転アームの回転方向への位置を任意の位置に位置決めするための位置決め手段が、ガン本体に外装されているため、溶接ガン自体が嵩張ってしまい、溶接作業時の操作性に影響を及ぼし兼ねない。
本発明は、コンパクトで操作性の良い新たな溶接ガン及び溶接装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る溶接ガンは、ガン本体側に設けられた第1の電極と、第1の電極と対向するように配置された第2の電極が設けられ、ガン本体側と相対回転可能な回転アームと、第1の電極を第2の電極に対して近接離間する方向に可動するアクチュエータと、アクチュエータの内部に設けられ、回転アームの回転方向への位置を任意の位置に位置決めする位置決め手段を有することを特徴としている。
本発明によれば、ガン本体側に設けた第1の電極を回転アームに設けた第2の電極に対して近接離間する方向に可動するアクチュエータの内部に、回転アームの回転方向への位置を任意の位置に位置決めする位置決め手段を設けたので、ガン自体が嵩張ってしまうことがなく、コンパクトで操作性の良い新たな溶接ガンを提供することができる。
本発明に係る溶接装置と溶接ガンの概略構成を説明する図。 本発明に係る溶接ガンの構成を説明する斜視図。 本発明に係る溶接ガンの構成を説明する拡大図。 溶接ガンのアクチュエータと位置決め手段の構成を説明する図。 位置決め手段の係合部の構成を説明する図であり、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)は正面図をそれぞれ示す。 被係合部の一形態であるピンの構成を説明する図であり、(a)は外観図、(b)は分解図をそれぞれ示す。 アクチュエータのピストンの構成を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のa−a線断面図をそれぞれ示す。 アクチュエータの作動に伴う溶接ガンの状態を説明する図であり、(a)は初期状態、(b)は位置決め手段による位置決め状態、(c)は溶接時の状態をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。実施形態中、同一部材や同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、重複説明は省略する。図面は、一部構成の理解を助けるために部分的に省略する場合がある。
図1は、溶接装置であるポータブルスポット溶接機1(以下単に「スポット溶接機1」と記す)を示す。スポット溶接機1は、本体2とスポット溶接に用いる溶接ガン10を備えている。本体2は移動可能であって、電源3を備えている。電源3のプラス端子とマイナス端子には、二次ケーブル4,5がそれぞれ接続され、本体2の外部に延長されている。
溶接ガン10は、図2、図3に示すように、ガン本体101と、ガン本体101側に設けられた第1の電極としてのマイナス側キャップチップ(以下「負極キャップチップ)と記す)102と、ガン本体側と相対回転可能な回転アーム104と、回転アーム104の一方の端部(一端)104aに負極キャップチップ102と対向するように配置された第2の電極としてのプラス側キャップチップ(以下「正極キャップチップ)と記す)103を備えている。
溶接ガン10は、正極キャップチップ103に対して矢印Aで示す近接離間する方向(以下「近接離間方向」と記す)に負極キャップチップ102を可動するアクチュエータ120と、回転アーム104の回転方向Bへの位置を任意の位置に位置決めする位置決め手段150を備えている。本実施形態において、近接離間方向Aとは、負極キャップチップ102の往復方向でもあり、往動方向をA1、復動方向をA2とする。
正極キャップチップ103とは反対側に位置するアーム104の他方の端部(他端)104bには、二次ケーブル4が取り付けられる+側の電極部106が設けられた電極ホルダー105が固定されている。
負極キャップチップ102は、アクチュエータ120によって可動されるクランクアーム108と接続されている。クランクアーム108の一方の端部108aには、二次ケーブル5が取り付けられる−側の電極部107が設けられている。
このような構成の溶接ガン10は、負極キャップチップ102と正極キャップチップ103との間に空間部109が形成される離間状態が初期状態(ホームポジション)とされている。この初期状態において空間部109内に被溶接体としての複数のワーク130を接合状態で配置する。そして、図示しない作動スイッチが操作されるとアクチュエータ120が作動し、負極キャップチップ102とクランクアーム108が往動方向A1に移動してワーク130をクランプする。負極キャップチップ102と正極キャップチップ103によるワーク130のクランプ状態において、図示しない通電スイッチが操作されると、電源3から+側の電極部106に電流が供給され、クランプ箇所を中心に溶融して複数のワーク130がスポット溶接されて一体化される。通電スイッチに対する操作が解除されると、電源103からの電流供給が停止し、起動スイッチに対する操作が解除されると、アクチュエータ120が往動時と逆向きに作動して負極キャップチップ102とクランクアーム108が復動方向A2に移動してワーク130のクランプが解除され、一回の溶接作業が終了となる。
本実施形態では、作業時の操作性を考慮して、作動スイッチと通電スイッチを2段階の押しボタン型スイッチで一体的に構成している。溶接ガン10は、押しボタンスイッチが一段階、押込み操作されるとアクチュエータ120に図示しないコンプレッサから作動流体としての圧縮空気が供給されて作動し、押しボタンスイッチがもう一段階、押込み操作されると通電されるように構成されている。作動スイッチと通電スイッチの形態はこのような形態に限定されるものではなく、それぞれ個別な構成として溶接ガン10に設けてもよいし、本体2側に何れかのスイッチを配置した構成であってもよい。
次に溶接ガンの種類と特徴について説明する。
いわゆる、スポット溶接機1に用いられる溶接ガン(スポット溶接ガン)には、キャップチップを設けたアーム(本実施形態における回転アーム相当の部材)が回転するものと回転しないものがある。アームが回転しないものは、アクチュエータによって可動するキャップチップ側が可動により回転してしまうと、アーム側のキャップチップと可動側のキャップチップの芯(中心)がずれる。このずれは、ナゲット(溶接部)が適正な形状でなくなり、溶接不良につながり、溶接強度の低下につながることがある。このため、可動側は回り止めして回転できないようにして、互いに対向するキャップチップ間の芯ずれを抑え、溶接品質の低下を防止している。また、アームが回転しないものは、構成が簡素であり、溶接箇所を狙いやすく、溶接作業中に溶接箇所以外の部位に溶接ガンをぶつけるリスクを軽減することができる。
しかし、アクチュエータによって可動される側のキャップチップを設ける可動ロッドを、アクチュエータを構成するピストンを貫通させて、キャップチップと反対側の端部に二次ケーブルを取り付ける形態が多い。このため、二次ケーブルが邪魔になって、ワークが例えば車両のパネルの場合、車両の底や下の部位を作業する時に溶接ガンの向きが制限され、車両をリフトアップする必要が生じることもあり、作業環境が大掛かりになってしまうという課題がある。
これに対し、アームが回転する回転アーム式のものは、ピストンを貫通させて可動ロッドを配置する必要がないので、二次ケーブルが邪魔になることがなく、軽量、コスト低減を図ることができるとともに、アクチュエータの後方が通電箇所にならないために、アクチュエータの内部の発熱が少なくなるというメリットもある。また、溶接ガンには、回転アームの回転方向へ位置を任意の位置に位置決め固定可能としたものもあるが、位置決め手段がガン本体に外装されているため、ガン自体が嵩張ってしまい、溶接作業時の操作性に影響を及ぼし兼ねない。
そこで、本実施形態に係る溶接ガン10は、図3,図4に示すように、ガン本体101側に設けた負極キャップチップ102(第1の電極)を回転アーム104に設けた正極キャップチップ103(第2の電極)に対して近接離間方向Aに可動するアクチュエータ120内に、回転アーム104の回転方向Bへの位置を任意の位置に位置決めする位置決め手段150を設けている。このため、従来構成に比べてガン自体が嵩張ってしまうことがなく、軽量、コンパクトで操作性の良い新たな溶接ガン10を提供することができる。
次にアクチュエータ120と位置決め手段150の構成について説明する。
アクチュエータ120は、回転アーム104の他方の端部(他端)104bと電極ホルダー105を介して連結されていて(図2参照)、作動圧力Pが供給される筒状のシリンダー121と、シリンダー121の内部で近接離間方向Aに往復移動可能なピストン122を備えている。
シリンダー121は、往動方向A1側がロッドカバー125によって閉じられ、復動方向A2がヘッドカバー126によって閉じられて内部に作動空間が形成されている。ヘッドカバー126には作動空間内へ作動圧力Pを供給するための作動流体流入部129が形成されている。作動流体流入部129は、図示しないコンプレッサとホースを介して連結されている。シリンダー121は軸線Oを中心に回転自在であって、電極ホルダー105を介してシリンダー121に接続された回転アーム104と一体で回転可能に構成されている。この軸線Oとは、後述する可動ロッド127の軸線である。
本実施形態において、ピストン122は、回転アーム104とシリンダー121とが一体で回転する際には、シリンダー121に対して回転方向Bへ相対移動可能であり、作動圧力Pがシリンダー121に供給されるとシリンダー121に対して近接離間方向Aに摺動可能にシリンダー121内に装着されている。
位置決め手段150は、被係合部123と、シリンダー121に作動圧力Pが供給された際に被係合部123に挿入される係合部124を有している。
被係合部123はピストン122が往動する側に位置するシリンダー121の部位となるロッドカバー125の内面125aに形成されている。被係合部123は、図5(b),図5(c)に示すように回転アーム104の回転方向Bに環状に配列された複数の凹部123aで形成されている。互いに隣接する凹部123aと凹部123aは等間隔で形成されていて、いわゆるダルマ穴とされている。互いに隣接する凹部123aと凹部123aの、軸線Oを中心とした回転方向Bへの角度θは、回転アーム104の回転方向Bへの位置決めピッチを定める角度であって、例えば10度となるように内面125aに形成されている。ロッドカバー125には、図5(a)〜(c)に示すように、後述する可動ロッド127が貫通するロッド挿通孔125bが形成されている。
係合部124は、図4に示すように、ピストン122に摺動可能に支持された複数のピン1241,1242で構成されている。ピン1241とピン1242は、同一構成であるので、一方のピン1241を代表して説明する。
ピン1241は、図6(a),図6(b)に示すように、一端1241Aaが半円球状に形成されたピン本体1241Aと、ピン本体1241Aの他端1241Ab側に設けられた受圧部1241Bを備えている。受圧部1241Bは、ピン本体1241Aの直径rよりも大径の受圧面1241Baとネジ部1241Bbを備えていて、ピン本体1241Aの他端1242bに軸線方向に向かって形成された取付孔1241Acにねじ込まれることでピン本体1241Aと一体化される。
ピン1241は、ピン本体1241Aの軸線方向(近接離間方向A)への長さLが、ピストン122を近接離間方向Aに貫通する長さに設定されている。受圧部1241Bは、作動圧力Pを効率良くピン1241に作用させる機能と、ピン1241がピストン122に対して摺動移動する際の抜け止め機能を備えている。ピン1242もピン1241と同様の構成とされている。本実施形態において、ピン1241とピン1242は、回転方向Bにおいて180度位相でピストン122に配置されている。
ピストン122は、図7(a),図7(b)に示すように、略円柱形状であって、その中心部に後述する可動ロッド127を挿通して固定する固定用孔122cが形成されている。ピストン122の外周面には、リング状のシール部材としてのピストンリングが装着されるリング装着部122d,122eが形成されている。ピストン122は、リング装着部122d,122eにピストンリングを装着されてシリンダー121内に収容される。ピストン122には、回転アーム104の回転方向Bに180度位相で、近接離間方向Aに連通する貫通孔122a,122bが形成されている。貫通孔122a及び貫通孔122bの一方の端部(ヘッドカバー126側)122a1,122b1には、円柱状のシール部材128が挿入されていて、作動圧力Pが抜けないように構成されている。
貫通孔122aにはピン1241が、貫通孔122bにはピン1242がそれぞれ挿通されて摺動自在に支持される。ピン1241,1242は、ピストン122を往動方向A1に作動させる作動圧力Pの供給前においては、何れの凹部123aにも非挿入状態とされている。すなわち、ピストン122が図3、図8(a)に示す初期状態(ホームポジション/スタンバイ状態)にある場合には、ピン1241,1242と凹部123aとは非係合状態とされている。ピン1241,1242は、ワーク130を保持する位置までピストン122が往動方向A1に移動する前に凹部123a、123aに挿入されるように設けられている。つまり、溶接ガン10は、ピストン122が図8(a)に示す初期状態(ホームポジション/スタンバイ状態)にある場合には、ピン1241,1242と凹部123aとが非係合状態とされ、往動方向A1に移動する途中でピン1241,1242と、これに対向する凹部123a、123aとが係合状態とされる(各ピンが凹部123aに突き刺さる)ように構成されている。
アクチュエータ120は、図3,図4に示すように、負極キャップチップ102が一端127a側に固定され、他端127bがピストン122に固定された可動ロッド127を備えている。可動ロッド127には、クランクアーム108の他方の端部108bが固定されている。クランクアーム108は、可動ロッド127が移動することで可動ロッド127と一体で移動可能とされている。可動ロッド127の一端127a側には、ストレートシャンク部1271が形成されている。負極キャップチップ102は、ストレートシャンク部1271の端部1271aに装着されている。可動ロッド127、ストレートシャンク部1271、負極キャップチップ102及び正極キャップチップ103は、それらの中心が可動ロッド127の軸線O上(軸線上)に位置するように配置されている。
回転アーム104は、軸線Oを回転中心として回転するように電極ホルダー105を介してシリンダー121に装着されて、シリンダー121と一体回転可能とされている。軸線Oとは、負極キャップチップ102の移動方向への中心線であり、回転アーム104の回転中心線でもある。
本実施形態において、回転アーム104及び正極キャップチップ103は回転側電極部を構成し、可動ロッド127、ストレートシャンク部1271、負極キャップチップ102及びクランクアーム108は可動側電極部を構成している。つまり、本実施形態において、回転側電極部と可動側電極部とは軸線Oを中心に相対回転可能に構成されている。
このような構成の位置決め手段150による回転アーム104の固定動作について、図8(a)〜図8(c)を主に用いて説明する。図8(a)は溶接ガン10の初期状態(ホームポジション/スタンバイ状態)を示し、図8(b)は作動圧力Pがシリンダー121内に供給されて回転アーム104が任意の位置に位置決めされて固定された状態(ロック位置)を示し、図8(c)は溶接状態(溶接位置)を示す。
作業者は、回転アーム104を回転方向Bに回転させると任意の位置(角度)に設定する(図2参照)。この時、シリンダー121も一体で回転する。任意の位置(角度)とは、例えば溶接作業をし易い位置である。
回転アーム104の位置が決まって、作動スイッチを操作(オン)すると、コンプレッサから圧縮空気がシリンダー121内に供給されて作動圧力Pがピストン122とピン1241,1242に作用する。作動圧力Pが供給されると、ピストン122、可動ロッド127及びピン1241,1242は、図8(a)のスタンバイ状態から往動方向A1に移動してクランプ動作が開始し、図8(c)に示す溶接位置に到達する前に、図8(b)で示すロック位置において、それぞれのピン1241,1242の先端が凹部123a,123aに進入して、両者が係合状態となる。係合状態となると、回転アーム104(シリンダー121)の回転方向Bへの移動が妨げられるため、回転アーム104の回転方向Bへの位置が位置決め固定(ロック)される。
シリンダー121への作動圧力Pの供給は継続しているため、ピストン122と可動ロッド127は、図8(b)に示すロック位置から図8(c)に示す溶接位置へと往動方向A1に移動を続ける。しかし、ピン1241,1242は、それぞれの先端が凹部123a,123aに挿入して係合しているため、回転方向Bへの移動だけでなく往動方向A1への移動も妨げられる。
このため、回転アーム104の回転方向Bへの位置決めがなされた状態で、負極キャップチップ102が、正極キャップチップ103に向かって移動し、負極キャップチップ102と正極キャップチップ103とでワーク130を挟持する。そして通電スイッチが操作(オン)されると、電極間に電流が流れて複数のワーク130がスポット溶接される。
一方、通電スイッチが操作(オフ)されると通電が停止し、作動スイッチが操作(オフ)されると、ピストン122に対して復動方向A2への作動圧力Pが作用して、ピストン122、可動ロッド127が復動方向A2に移動する。そして、復動方向A2への移動途中において、ピン1241,1242の各先端が凹部123a、123aからそれぞれ離脱し、両者の係合状態が解除されることで、回転アーム104の回転方向Bへの移動規制が解除されてスタンバイ状態となる。
このように、本実施形態において、溶接ガン10の回転側電極部(回転アーム104)の位置(角度)は、図8(a)に示すようなスタンバイ時には自由に移動でき、作動スイッチをON操作した直後のクランプ開始時から溶接時において任意の位置に位置決め固定できるので、操作性が良いだけでなく、正極キャップチップ103と負極キャップチップ102の芯(中心)がずれるのを防止できる。このことは、ナゲット(溶接部)が適正な形状となり、良好な溶接を行えるとともに、溶接不良による溶接強度の低下を防止することにつながる。
つまり、本実施形態において、ピストン122を往動方向A1に作動させる作動圧力Pの供給前においては、ピン1241,1242が凹部123a,123aに非挿入状態であるので、スタンバイ時には回転側電極部(回転アーム104)の位置(角度)を自由に移動して設定することができる。
また、電源3から正極キャップチップ103に電流が供給されると、その際の突入電流で発生する磁界の影響により溶接中に二次ケーブル4,5が動く力で、作業者が手で握っているグリップが動いてしまい、作業性が悪くなることがある。しかし、本実施形態では、溶接時には回転アーム104は既に位置決め手段150(ピンと凹部)でロックされているので、グリップが動いたとしても、正極キャップチップ103と負極キャップチップ102の位置を適切に保持することができ、正極キャップチップ103と負極キャップチップ102の芯(中心)がずれるのを防止できる。
本実施形態において、ピン1241,1242は、ピストン122に固定ぜずに摺動可能としているため、各キャップチップの形状や長さ、ワーク130の板厚に関係なく溶接することができる。すなわち、ワーク130の厚さやキャップチップの形状や摩耗具合に関係なく、可動ロッド127(ピストン122)のストロークが変化しても溶接することができる。さらに、摺動可能に支持されたピン1241,1242は、ピストン122を貫通する長さLを有しているので、ピストン122の往動方向A1の移動時に確実に凹部123aに差し込み可能となり、より確実に回転側電極部(回転アーム104)を希望の位置で固定(保持)することができる。
本実施形態において、ピン1241,1242は、回転アーム104の回転方向Bに複数設けられているため、回転アーム104を回転方向Bに回転させようとしても凹部123aに対して複数の係合箇所を形成することができ、より確実に回転アーム104を任意の位置(角度)で固定することができる。
本実施形態において、位置決め手段150が、係合部124となるピン1241,1242を、被係合部123となるロッドカバー125に回転アーム104の回転方向Bに環状に配列された複数の凹部123aに差し込むだけのシンプルな構造としているので、ピンの直径やロッドカバー125に設ける凹部123aの径を変更することで、回転アーム104の位置決め固定する位置(角度)を細かく調整することができ、多くの作業環境に適用することができる。
アームが回転するタイプの溶接ガンにおいては、被溶接体(ワーク)をクランプする前のスタンバイ時に、回転アームを固定する角度を予め決める必要があるものが存在するが、本実施形態の溶接ガン10においては、スタンバイ時に、回転アーム104や正極キャップチップ103を含む回転側電極部が固定されずフリーになっているため、作動スイッチを押す直前まで回転側電極部を任意の位置(角度)に移動することができるため、操作性が良い。
本実施形態において、アクチュエータ120は、負極キャップチップ102が一端127aに固定され、他端127bがピストン122に装着された可動ロッド127を備え、正極キャップチップ103と負極キャップチップ102とが可動ロッド127の軸線O上に配置され、回転アーム104を含む回転側電極部は、軸線Oを回転中心として回転するようにシリンダー121に装着されている。このため、回転アーム104が回転方向Bに回転し、アクチュエータ120が作動して可動ロッド127の移動に伴い負極キャップチップ102が近接離間方向Aに移動しても、各キャップチップの位置ずれを抑制することができる。このことは、よりナゲット(溶接部)が適正な形状となり、良好な溶接を行えるとともに、溶接不良による溶接強度の低下を防止することにつながる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、互いに隣接する凹部123aと凹部123aの回転方向Bへの角度θは、一例として10度としているが、この角度に限定されるものではなく、回転アーム104に要求される固定角度(1ピッチ当たりの移動量)に応じてピン1241,1242の径や本数、凹部123aの径や数を増減して適宜設定すればよい。
本実施形態では、ピン本体1241Aと受圧部1241Bとを個別に形成して一体化して1つのピン1241を構成したが、1つの棒材からピン本体1241Aと受圧部1241Bとを備えた形状に削り出して一体的に成型したものであってもよいし、鋳物で一体成型したものであってもよい。
本実施形態において、ピン1241,1242は、ピストン122に対して近接離間方向Aに摺動可能に支持されている形態に限定するものではない。回転アーム104の回転方向Bへの位置を位置決め(固定)する機能を達成する場合には、必ずしもピン1241,1242は摺動可能に支持する必要はなく、凹部123aに対向するピストン面122f(図6(b))から凹部123aに向かってピン1241,1242の先端が突出するように固定したものであってもよい。また、係合部124の形態としてはピン1241,1242ではなく、凹部123aに対向するピストン面122fに凹部123aに向かって突出して形成した突起であってもよい。
本実施形態では、負極キャップチップ102と可動ロッド127を近接離間方向Aに移動するアクチュエータとして、作動圧力Pを空気圧で発生させる空気圧式のアクチュエータ120を例示したが、アクチュエータの種類としては空気圧式に限定するものではなく、油圧式や電気式の各アクチュエータを用いてもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 溶接装置
10 溶接ガン
101 ガン本体
102 第1の電極(負極キャップチップ)
103 第2の電極(正極キャップチップ)
104 回転アーム
120 アクチュエータ
121 シリンダー
122 ピストン
123 被係合部
123a 複数の凹部
124 係合部
1241,1242 ピン
125 シリンダーの部位
127 可動ロッド
127a 一端
127b 他端
150 位置決め手段
A 近接離間する方向
P 作動圧力
L 長さ
B 回転方向
O 軸線
θ 角度

Claims (8)

  1. ガン本体側に設けられた第1の電極と、
    前記第1の電極と対向するように配置された第2の電極が設けられ、前記ガン本体側と相対回転可能な回転アームと、
    前記第1の電極を前記第2の電極に対して近接離間する方向に可動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータの内部に設けられ、前記回転アームの回転方向への位置を任意の位置に位置決めする位置決め手段を有する溶接ガン。
  2. 前記アクチュエータは、
    前記回転アームと連結されていて、作動圧力が供給されるシリンダーと、
    前記シリンダーの内部で前記近接離間する方向に往復移動可能なピストンを少なくとも備え、
    前記位置決め手段は、
    前記ピストンが往動する側に位置する前記シリンダーの部位に形成された被係合部と、
    前記シリンダーに作動圧力が供給された際に前記被係合部に挿入される係合部を有する請求項1に記載の溶接ガン。
  3. 前記被係合部は、前記回転アームの回転方向に環状に配列された複数の凹部で形成されている請求項2に記載の溶接ガン。
  4. 前記係合部は、前記ピストンに摺動可能に支持されていて、前記ピストンを貫通する長さを有するピンである請求項2または3に記載の溶接ガン。
  5. 前記ピンは、前記回転アームの回転方向に複数設けられている請求項4に記載の溶接ガン。
  6. 前記ピンは、前記ピストンを往動する方向に作動させる作動圧力の供給前においては、前記凹部に非挿入状態である請求項4または5に記載の溶接ガン。
  7. 前記アクチュエータは、前記第1の電極が一端に固定され、他端が前記ピストンに装着された可動ロッドを備え、
    前記第2の電極と前記第1の電極とは、前記可動ロッドの軸線上に配置されていて、
    前記回転アームは、前記軸線を回転中心として回転するように前記ピストンに装着されている請求項2乃至6の何れか1項に記載の溶接ガン。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の溶接ガンを備えた溶接装置。
JP2017252387A 2017-12-11 2017-12-11 溶接ガン及び溶接装置 Pending JP2019104053A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017252387A JP2019104053A (ja) 2017-12-11 2017-12-11 溶接ガン及び溶接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017252387A JP2019104053A (ja) 2017-12-11 2017-12-11 溶接ガン及び溶接装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019104053A true JP2019104053A (ja) 2019-06-27

Family

ID=67061644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017252387A Pending JP2019104053A (ja) 2017-12-11 2017-12-11 溶接ガン及び溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019104053A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5697549B2 (ja) 自動工具交換装置
JP4611525B2 (ja) 接近予備ストロークと工具を作動させるための作業用ストロークとを実現するアクチュエータ
JP2006198628A (ja) アーク溶接装置及びアーク溶接ロボットシステム
JP6240981B2 (ja) 溶接ガン
JP4951406B2 (ja) 位置決めクランプ装置
KR102374473B1 (ko) 클램핑 장치
JP2008260082A (ja) ワーククランプ装置
JP2019104053A (ja) 溶接ガン及び溶接装置
JP6101148B2 (ja) 抵抗溶接装置
KR200472862Y1 (ko) 연속 용접이 가능한 스터드 건
JP6519828B1 (ja) スポット溶接機
JP7141895B2 (ja) スポット溶接機の電極位置調整機構
JP5105205B2 (ja) スポット溶接機の給電装置
JP2008142803A (ja) 位置決めクランプ方法及び装置
EP1987906A1 (en) Electric driving unit for X-type Gun
JP5074181B2 (ja) シングルトーチとタンデムトーチの変換方法
JP7192187B2 (ja) 溶接トーチのトーチボディ保持システム
JP2020040157A (ja) 電動工具
JP2002045973A (ja) 抵抗スポット溶接機
JP4447437B2 (ja) 溶接装置
CN217965480U (zh) 焊接辅助装置及焊接装置
JP2003136249A (ja) スポット溶接ガン
JP2006159235A (ja) スポット溶接装置およびスポット溶接方法
JP4161838B2 (ja) 部品組付装置および回転電機の製造方法
JP2000158149A (ja) コンパクト形スポット溶接ガン