JP2019103957A - 水処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】除鉄除マンガン装置を備える水処理システムにおいて、有機物から生成される副生成物の量を低減でき、かつ、次亜塩素酸塩から生成される塩素酸の量を低減できる水処理システムを提供する。【解決手段】水処理システム1は、原水を供給する給水ライン21〜24と、給水ライン21〜24上に設置され、給水ライン21〜24上を供給される原水に次亜塩素酸塩を添加する薬注装置13と、薬注装置13の下流側において給水ライン21〜24上に設置され、給水ライン21〜24上を供給される原水に含まれる鉄分及びマンガン分のうち少なくとも一方を除去する除鉄除マンガン装置4と、を備える。さらに、薬注装置13の上流側に、給水ライン21〜24上を供給される原水に含まれるアニオン性の有機物を陰イオン交換体で吸着して除去する有機物除去装置8をさらに備える。【選択図】図1
Description
本発明は、井水などの原水から処理水を生成する水処理システムであって、除鉄除マンガン装置を備える水処理システムに関する。
従来、井水などの原水から処理水を生成する水処理システムとして、給水ライン上に、原水に含まれる鉄分及びマンガン分を除去する除鉄除マンガン装置を備えた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術は、除鉄除マンガン装置の上流側において、原水に含まれる鉄分を不溶性の鉄化合物(酸化水酸化鉄(III)など)に酸化させるために、原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加する。そして、不溶性の鉄化合物は、除鉄除マンガン装置のろ材によってろ過することで除去される。また、除鉄除マンガン装置に供給される原水に含まれるマンガン分は、除鉄除マンガン装置のろ材と接触したときに、次亜塩素酸ナトリウムの作用により酸化が進行し、ろ材によって吸着され、除去される。
ところで、原水に有機物及びアンモニア性窒素が含まれる場合には、除鉄除マンガン装置の上流側において原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加すると、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)の塩素とアンモニア性窒素と有機物とが反応して、副生成物としてのシアン化合物が生成される。シアン化合物は有害物質であるため、生成するシアン化合物の量は低減されることが好ましい。
また、原水に有機物が含まれる場合には、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)の塩素と有機物とが反応して、副生成物としてのトリハロメタンが生成される。トリハロメタンは有害物質であるため、生成するトリハロメタンの量は低減されることが好ましい。
また、原水に有機物が含まれる場合には、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)の塩素と有機物とが反応して、副生成物としてのトリハロメタンが生成される。トリハロメタンは有害物質であるため、生成するトリハロメタンの量は低減されることが好ましい。
また、原水に含まれる有機物が多い場合には、除鉄除マンガン装置の上流側において原水に次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加すると、有機物によって塩素が消費されるため、処理水中の残留塩素が不足する。この場合に、原水に添加される次亜塩素酸ナトリウムの添加量が多くなるように制御されることがあり、次亜塩素酸ナトリウムの添加量が多くなると、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)から生成される塩素酸の量が増加する。塩素酸は有害物質であるため、塩素酸の量は低減されることが好ましい。
このように、副生成物としてのシアン化合物やトリハロメタンの量や、塩素酸の量は低減されることが好ましい。従って、有機物から生成される副生成物の量を低減でき、かつ、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)から生成される塩素酸の量を低減できることが望まれる。
本発明は、このような事情に鑑み、除鉄除マンガン装置を備える水処理システムにおいて、有機物から生成される副生成物の量を低減でき、かつ、次亜塩素酸塩から生成される塩素酸の量を低減できる水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、原水を供給する給水ラインと、前記給水ライン上に設置され、前記給水ライン上を供給される原水に次亜塩素酸塩を添加する薬注装置と、前記薬注装置の下流側において前記給水ライン上に設置され、前記給水ライン上を供給される原水に含まれる鉄分及びマンガン分のうち少なくとも一方を除去する除鉄除マンガン装置と、を備える水処理システムであって、前記薬注装置の上流側に、前記給水ライン上を供給される原水に含まれるアニオン性の有機物を陰イオン交換体で吸着して除去する有機物除去装置をさらに備える、水処理システムに関する。
また、前記除鉄除マンガン装置から下流側の給水ラインに排出される処理水に含まれる残留塩素の濃度に基づいて、前記薬注装置の次亜塩素酸塩の添加量を増減させる薬注制御装置をさらに備えることが好ましい。
また、前記薬注装置の上流側に、前記給水ライン上を供給される原水に含まれるアンモニア性窒素を除去するアンモニア除去装置をさらに備えることが好ましい。
また、前記アンモニア除去装置は、前記給水ライン上を供給される原水に含まれるアンモニア性窒素を陽イオン交換体で吸着して除去することが好ましい。
本発明によれば、除鉄除マンガン装置を備える水処理システムにおいて、有機物から生成される副生成物の量を低減でき、かつ、次亜塩素酸塩から生成される塩素酸の量を低減できる水処理システムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る水処理システム1の模式図である。図2は、陰イオン交換装置8におけるイオン交換の作用を示すグラフである。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路などの流体の流通が可能なラインの総称である。
本実施形態に係る水処理システム1は、井水、河川水、工業用水などの原水から処理水を生成するためのものであり、図1に示すように、原水ポンプ2と、アンモニア除去装置6と、有機物除去装置としての陰イオン交換装置8と、再生剤添加装置81と、除鉄除マンガン装置4と、薬注装置としての酸化剤添加装置13と、塩素センサ14と、薬注制御装置としての酸化剤添加制御装置131と、を主体に構成されている。
ここで、原水ポンプ2とアンモニア除去装置6との間には、給水ラインとしての第1給水ライン21が配設されている。アンモニア除去装置6と陰イオン交換装置8との間には、給水ラインとしての第2給水ライン22が配設されている。陰イオン交換装置8と除鉄除マンガン装置4との間には、給水ラインとしての第3給水ライン23が配設されている。第3給水ライン23には、酸化剤添加ライン13aを介して酸化剤添加装置13が接続されている。除鉄除マンガン装置4の下流側には、第4給水ライン24が配設されている。第4給水ライン24には、塩素センサ14が配置されている。
本実施形態の水処理システム1においては、原水を供給する給水ライン21〜24上に、上流側から下流側に向かって、原水ポンプ2、アンモニア除去装置6、陰イオン交換装置8、酸化剤添加装置13、除鉄除マンガン装置4、塩素センサ14が、この順に設置される。
原水ポンプ2は、原水供給源(図示せず)に接続され、下流側に配置されたアンモニア除去装置6に第1給水ライン21を介して原水を供給する。原水は、井水、河川水、工業用水などである。
アンモニア除去装置6は、原水ポンプ2の下流側であって酸化剤添加装置13の上流側に配置される。アンモニア除去装置6は、陽イオン交換体(例えば、陽イオン交換樹脂など)を有し、第1給水ライン21上を供給される原水に含まれるアンモニア性窒素を吸着して除去する。これにより、アンモニア除去装置6の下流側に供給される原水には、アンモニア性窒素が除去された状態となる。アンモニア除去装置6の下流側においては、アンモニア性窒素が低減されているため、酸化剤添加装置13により添加される次亜塩素酸ナトリウムの塩素の添加量を低減できる。また、後述する酸化剤添加装置13により添加される次亜塩素酸ナトリウムの塩素とアンモニア性窒素と有機物とが反応して生成される副生成物としてのシアン化合物の生成量を低減できる。
また、アンモニア除去装置6は、アンモニア性窒素を除去するのと同時に、鉄分及びマンガン分も除去することができる。そのため、アンモニア除去装置6の下流側に配置される除鉄除マンガン装置4で除去する鉄分及びマンガン分の除去量を低減できるため、除鉄除マンガン装置4の負担を軽減することができる。なお、アンモニア除去装置6は、鉄分及びマンガン分も除去できるため、除鉄除マンガン装置4における鉄分及びマンガン分の除去量が変動した場合や、除鉄除マンガン装置4が故障した場合などに、除鉄除マンガン装置4の動作をバックアップすることができる。
陰イオン交換装置8は、アンモニア除去装置6の下流側に配置される。陰イオン交換装置8は、陰イオン交換体(例えば、陰イオン交換樹脂や、層状複水酸化物など)を有し、第2給水ライン22上を供給される原水に含まれるアニオン性の有機物を吸着して除去する。ここで、腐植物質に代表される天然水中の溶解性有機物は、カルボニル基を多く含むため、アニオン性であることが多い。このため、陰イオン交換装置8によって、原水に含まれる有機物の大半を吸着して除去することができる。陰イオン交換体を備える陰イオン交換装置8により原水を処理した場合の吸光度の変化の一例を図2に示す。図2に示すように、陰イオン交換装置8により原水を処理することで、色度を構成する成分の80%程度を除去することができている。
また、陰イオン交換体は、適切に選択されることで、再生剤添加装置81により添加される再生剤(例えば、NaCl)により再生でき、再生効率が悪化した場合に、微量のNaOHを添加することで、使用年数を長く(例えば、3〜4年)することができる。また、陰イオン交換体を用いることで、陰イオン交換体に再生剤を供給するだけで陰イオン交換体を再生できるため、例えば活性炭ろ過装置に用いられる活性炭を再生するよりも、再生処理が容易である。これにより、陰イオン交換装置8のメンテナンス作業が容易となる。
陰イオン交換装置8は、図1に示すように、酸化剤添加装置13よりも上流側に配置され、酸化剤添加装置13よりも上流側において、原水に含まれる有機物を除去する。陰イオン交換装置8の下流側の原水においては、陰イオン交換装置8により有機物が除去されており、原水に含まれる有機物が低減されている。そのため、陰イオン交換装置8の下流側においては、後述する酸化剤添加装置13により添加される次亜塩素酸ナトリウムの塩素とアンモニア性窒素と有機物とが反応して生成される副生成物としてのシアン化合物の生成量を低減できる。また、後述する酸化剤添加装置13により添加される次亜塩素酸ナトリウムの塩素と有機物とが反応して生成される副生成物としてのトリハロメタンの生成量を低減できる。
除鉄除マンガン装置4は、陰イオン交換装置8の下流側に配置される。除鉄除マンガン装置4は、次亜塩素酸塩としての次亜塩素酸ナトリウムを添加する酸化剤添加装置13の下流側において、第3給水ライン23上を供給される原水に含まれる鉄分及びマンガン分を除去する。
本実施形態においては、除鉄除マンガン装置4は、原水に含まれる鉄分及びマンガン分を除去し、原水から処理水(鉄分及びマンガン分が除去された原水)を生成する。除鉄除マンガン装置4は、ろ材が充填されたろ過塔を備えている。ろ材には、通常、粒子状のマンガンシャモット、マンガンゼオライト、マンガン砂(二酸化マンガン担持の砂)等が使用される。
除鉄除マンガン装置4に供給される原水に含まれる鉄分は、次亜塩素酸ナトリウムの作用により酸化されて不溶性の鉄化合物(酸化水酸化鉄(III)など)へと変化し、上記ろ材によってろ過される。除鉄除マンガン装置4に供給される原水に含まれるマンガン分は、上記ろ材と接触したときに、次亜塩素酸ナトリウムの作用により酸化が進行し、ろ材によって吸着され、除去される。
除鉄除マンガン装置4の上流側には、原水に含まれる鉄分を不溶性の鉄化合物に変化させるために、除鉄除マンガン装置4に供給される原水に次亜塩素酸塩としての次亜塩素酸ナトリウムを添加する酸化剤添加装置13が設けられている。
酸化剤添加装置13は、陰イオン交換装置8の下流側であって除鉄除マンガン装置4の上流側の第3給水ライン23に、酸化剤添加ライン13aを介して配置される。酸化剤添加装置13は、第3給水ライン23上を供給される原水に次亜塩素酸塩としての次亜塩素酸ナトリウムを添加する。酸化剤添加装置13は、酸化剤添加制御装置131により制御される。酸化剤添加制御装置131は、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)に基づいて、酸化剤添加装置13における次亜塩素酸ナトリウムの添加量を増減させる。
酸化剤添加制御装置131は、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)に基づいて、次亜塩素酸ナトリウムの添加量を増減するように、フィードバック制御する。
具体的には、酸化剤添加制御装置131は、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)に基づいて、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)が小さい場合には、塩素が不足しているとして、酸化剤添加装置13における次亜塩素酸ナトリウムの添加量を増加させる。また、酸化剤添加制御装置131は、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)に基づいて、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)が大きい場合には、塩素が過剰であるとして、酸化剤添加装置13における次亜塩素酸ナトリウムの添加量を減少させる。
具体的には、酸化剤添加制御装置131は、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)に基づいて、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)が小さい場合には、塩素が不足しているとして、酸化剤添加装置13における次亜塩素酸ナトリウムの添加量を増加させる。また、酸化剤添加制御装置131は、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)に基づいて、塩素センサ14の出力値(残留塩素の濃度)が大きい場合には、塩素が過剰であるとして、酸化剤添加装置13における次亜塩素酸ナトリウムの添加量を減少させる。
次に、本実施形態の水処理システム1の動作について説明する。この水処理システム1において、井水などの原水から処理水を生成する際には、原水ポンプ2を駆動する。
原水ポンプ2を駆動することにより、原水供給源から供給される原水は、第1給水ライン21を通って、アンモニア除去装置6に供給される。そして、アンモニア除去装置6において、この原水に含まれるアンモニア性窒素が除去される。
原水ポンプ2を駆動することにより、原水供給源から供給される原水は、第1給水ライン21を通って、アンモニア除去装置6に供給される。そして、アンモニア除去装置6において、この原水に含まれるアンモニア性窒素が除去される。
次に、アンモニア除去装置6から排出された原水は、第2給水ライン22を通って、陰イオン交換装置8に供給される。そして、陰イオン交換装置8において、原水に含まれる有機物が取り除かれる。
続けて、陰イオン交換装置8から排出された原水は、第3給水ライン23を通って、除鉄除マンガン装置4に供給される。第3給水ライン23の途中で、酸化剤添加装置13により次亜塩素酸ナトリウムが添加される。酸化剤添加装置13により次亜塩素酸ナトリウムを添加することで、原水に含まれる鉄分が酸化されて不溶性の鉄化合物となる。
ここで、陰イオン交換装置8により原水から有機物が除去されているため、酸化剤添加装置13により次亜塩素酸ナトリウムが添加されても、副生成物(シアン化合物やトリハロメタンなど)の生成量を低減することができる。また、アンモニア除去装置6により原水からアンモニア性窒素が除去されているため、酸化剤添加装置13により添加される次亜塩素酸ナトリウムの塩素の添加量を低減することができると共に、酸化剤添加装置13により次亜塩素酸ナトリウムが添加されても、副生成物(シアン化合物)の生成量を低減することができる。また、陰イオン交換装置8により原水から有機物が除去されているため、次亜塩素酸ナトリウムの添加量を低減することができ、次亜塩素酸ナトリウムから生成される塩素酸の生成量を低減することができる。
次に、除鉄除マンガン装置4において、アンモニア除去装置6から排出された原水に含まれる鉄分及びマンガン分が除去され、原水から処理水が生成される。除鉄除マンガン装置4で処理された処理水は、第4給水ライン24を通って処理水タンク(図示せず)に供給され、その処理水タンクに貯留される。
このようにして、処理水が第4給水ライン24上を供給されるとき、この処理水に含まれる残留塩素の濃度を塩素センサ14が検出し、その出力値(残留塩素の濃度)に基づいて、酸化剤添加制御装置131が酸化剤添加装置13の次亜塩素酸ナトリウムの添加量を増減させる。このように、次亜塩素酸ナトリウムの添加量をフィードバック制御することにより、原水に含まれる有機物が多い場合又は少ない場合にかかわらず、塩素の過不足を回避することができる。
すなわち、次亜塩素酸ナトリウムの添加量をフィードバック制御しない場合には、有機物の含有量の見込み違いにより、塩素の過不足が生じてしまう恐れがある。これに対して、次亜塩素酸ナトリウムの添加量のフィードバック制御を行うことで、水処理の現場の状況を問わず、塩素の過不足を回避することが可能となる。しかも、こうしたフィードバック制御により、塩素酸の原料物質である次亜塩素酸ナトリウムの添加量を低減することで、塩素酸の生成量を低減でき、塩素酸の水道水基準(例えば、0.6ppm以下)を満たすことが可能となる。
上述した本実施形態に係る水処理システム1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態に係る水処理システム1は、原水を供給する給水ライン21〜24と、給水ライン21〜24上に設置され、給水ライン21〜24上を供給される原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加する酸化剤添加装置13と、酸化剤添加装置13の下流側において給水ライン21〜24上に設置され、給水ライン21〜24上を供給される原水に含まれる鉄分及びマンガン分のうち少なくとも一方を除去する除鉄除マンガン装置4と、を備える。さらに、酸化剤添加装置13の上流側に、給水ライン21〜24上を供給される原水に含まれるアニオン性の有機物を陰イオン交換体で吸着して除去する陰イオン交換装置8をさらに備える。そのため、除鉄除マンガン装置4で原水から処理水を生成する前に、陰イオン交換装置8で原水から有機物を取り除くことができる。その結果、水処理の現場によって原水の水質が変動することで原水に含まれる有機物の量が変動しても、原水に含まれる有機物が多い場合又は少ない場合にかかわらず、有機物由来の副生成物(シアン化合物やトリハロメタンなど)の生成量を低減することができる。また、次亜塩素酸ナトリウムから生成される塩素酸の生成量を低減することができる。また、陰イオン交換装置8において陰イオン交換体を用いることで、陰イオン交換体の再生処理が容易であるため、陰イオン交換装置8のメンテナンス作業が容易となる。
また、本実施形態に係る水処理システム1は、除鉄除マンガン装置4から下流側の給水ライン24に排出される処理水に含まれる残留塩素の濃度に基づいて、酸化剤添加装置13の次亜塩素酸ナトリウムの添加量を増減させる酸化剤添加制御装置131をさらに備える。これにより、次亜塩素酸ナトリウムの添加量をフィードバック制御することにより、原水に含まれる有機物が多い場合又は少ない場合にかかわらず、塩素の過不足を回避することができる。
また、本実施形態に係る水処理システム1は、酸化剤添加装置13の上流側に、給水ライン21〜24上を供給される原水に含まれるアンモニア性窒素を除去するアンモニア除去装置6をさらに備える。そのため、アンモニア除去装置6により原水からアンモニア性窒素が除去されているため、酸化剤添加装置13により添加される次亜塩素酸ナトリウムの塩素の添加量を低減することができる。また、原水を除鉄除マンガン処理する前に、原水からアンモニア性窒素を除去することにより、アンモニア性窒素由来の副生成物(シラン化合物など)の生成量を低減することができる。
また、本実施形態に係る水処理システム1においては、アンモニア除去装置6は、給水ライン21〜24上を供給される原水に含まれるアンモニア性窒素を陽イオン交換体で吸着して除去する。そのため、原水に含まれるアンモニア性窒素を陽イオン交換体で吸着することにより、アンモニア性窒素を容易に取り除くことができる。また、アンモニア除去装置6において陽イオン交換体を用いることで、陽イオン交換体の再生処理が容易であるため、アンモニア除去装置6のメンテナンス作業が容易となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、アンモニア除去装置6は、陰イオン交換装置8の上流側に配置されている。しかし、アンモニア除去装置6と陰イオン交換装置8とは除去の対象が異なることから、アンモニア除去装置6は、酸化剤添加装置13の上流側に配置されていればよく、例えば、陰イオン交換装置8の下流側であって酸化剤添加装置13により次亜塩素酸ナトリウムが供給される部分よりも上流側に配置されていてもよい。
また、上述した実施形態では、アンモニア除去装置6は、陽イオン交換体によってアンモニア性窒素を吸着して除去するものとして説明した。しかし、アンモニア性窒素の除去は、原水の性状に応じて、生物処理、ゼオライト等の吸着処理その他の手法により実現してもよい。
また、上述した実施形態の構成の水処理システム1の構成に限定されず、水処理システム1の目的に応じて、上述した水処理システム1を構成する装置以外の装置(例えば、活性炭ろ過装置、軟水器、RO装置(逆浸透膜ろ過装置)など)を付加しても構わない。
1 水処理システム
4 除鉄除マンガン装置
6 アンモニア除去装置
8 陰イオン交換装置(有機物除去装置)
13 酸化剤添加装置(薬注装置)
21 第1給水ライン(給水ライン)
22 第2給水ライン(給水ライン)
23 第3給水ライン(給水ライン)
24 第4給水ライン(給水ライン)
131 酸化剤添加制御装置(薬注制御装置)
4 除鉄除マンガン装置
6 アンモニア除去装置
8 陰イオン交換装置(有機物除去装置)
13 酸化剤添加装置(薬注装置)
21 第1給水ライン(給水ライン)
22 第2給水ライン(給水ライン)
23 第3給水ライン(給水ライン)
24 第4給水ライン(給水ライン)
131 酸化剤添加制御装置(薬注制御装置)
Claims (4)
- 原水を供給する給水ラインと、
前記給水ライン上に設置され、前記給水ライン上を供給される原水に次亜塩素酸塩を添加する薬注装置と、
前記薬注装置の下流側において前記給水ライン上に設置され、前記給水ライン上を供給される原水に含まれる鉄分及びマンガン分のうち少なくとも一方を除去する除鉄除マンガン装置と、を備える水処理システムであって、
前記薬注装置の上流側に、前記給水ライン上を供給される原水に含まれるアニオン性の有機物を陰イオン交換体で吸着して除去する有機物除去装置をさらに備える、水処理システム。 - 前記除鉄除マンガン装置から下流側の給水ラインに排出される処理水に含まれる残留塩素の濃度に基づいて、前記薬注装置の次亜塩素酸塩の添加量を増減させる薬注制御装置をさらに備える、請求項1に記載の水処理システム。
- 前記薬注装置の上流側に、前記給水ライン上を供給される原水に含まれるアンモニア性窒素を除去するアンモニア除去装置をさらに備える、請求項1又は2に記載の水処理システム。
- 前記アンモニア除去装置は、前記給水ライン上を供給される原水に含まれるアンモニア性窒素を陽イオン交換体で吸着して除去する、請求項3に記載の水処理システム。
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