JP2019103342A - 回転電機装置 - Google Patents

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Takashi Yokoyama
孝志 横山
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【課題】 軸方向寸法が長くなること及び構造が複雑化することを抑制しつつ、回転電機の出力特性を変更可能な回転電機装置を提供する。【解決手段】 磁束を生成するステータ6と、ケーシング2に回転可能に支持された回転軸3と、ステータ6の内側において回転軸3に固定され、ステータ6が生成する磁束によって回転する円柱状のロータ7とを備える。ロータ7は、永久磁石10と磁性材30を結合させた円柱状の可動磁石部材8とを複数備え、該複数の可動磁石部材8は、ロータ7の周方向に等角度間隔でかつ回転可能に配置されている。複数の可動磁石部材8を回転駆動する駆動モータ13と、可動磁石部材8に固定された受動ギヤ11と、駆動モータ13の出力トルクを受動ギヤ11に伝達する駆動ギヤ12とを備え、駆動ギヤ12の回転速度を調整することによって回転電機1の出力特性を変更する。【選択図】 図1

Description

本発明は、回転電機装置に関し、特に回転電機の回転速度に対する出力トルクの変化特性(以下「出力特性」という)を変更可能な回転電機装置に関する。
特許文献1には、ケーシングに固定されたステータと、ステータの内側に配置されたロータとを備える回転電機であって、ロータの回転とともに回転し、半径方向に摺動可能なウエイトを備え、ウエイトに加わる遠心力によってロータの外周部に設けられた永久磁石を移動可能に構成されたものが示されている。具体的には、ウエイトの移動に伴って永久磁石が軸方向に移動し、永久磁石がステータと対向する面積が変化するように構成されている。したがって、永久磁石の移動によって、回転電機の出力特性が変更される。
特許文献2には、ステータと、永久磁石を含んで構成されるロータとを備える回転電機であって、永久磁石が設けられ、回転可能なロータ磁石部と、ロータ磁石部を回転駆動することによって、ロータの径方向の線に対する永久磁石の角度を変更する回転駆動機構とを備えるものが示されている。回転駆動機構としては、モータ、歯車機構、及びクラッチを使用するものと、遊星歯車機構を使用するものとが示されている。
特開平5−300712号公報 特開2002−315244号公報
特許文献1に示された構成では、ウエイト及びウエイトの移動に伴って永久磁石を移動させるためのリンク機構が、永久磁石と同じ数だけ必要となる。したがって、永久磁石の数が多い場合には、モータ全体としてリンク機構の数が多くなり、構造が複雑化するという課題がある。
特許文献2に示された構成では、ロータ磁石部を回転駆動する回転駆動機構が、クラッチを備えるもの、あるいは遊星歯車機構を備えるものであり、複雑な機構を必要とするという課題がある。
本発明は上述した点を考慮してなされたものであり、軸方向寸法が長くなること及び構造が複雑化することを抑制しつつ、回転電機の出力特性を変更可能な回転電機装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、ケーシング(2)に固定され、磁束を生成するステータ(6)と、前記ケーシング(2)に回転可能に支持された回転軸(3)と、前記ステータ(6)の内側において前記回転軸(3)に固定され、前記ステータ(6)が生成する磁束によって回転する円柱状のロータ(7)とを有する回転電機(1)と、該回転電機(1)の駆動制御を行う制御ユニット(20)とを備える回転電機装置において、前記ロータ(7)は、磁性材で構成される基材部(30)と永久磁石(10)とを結合させた円柱状の可動磁石部材(8)を複数備え、該複数の可動磁石部材(8)は、前記ロータ(7)の周方向に等角度間隔でかつ回転可能に配置されており、前記複数の可動磁石部材(8)を回転駆動する駆動機構(11,12,13)を備え、前記複数の可動磁石部材(8)を回転駆動することによって、前記回転電機(1)の出力特性を変更可能とし、前記駆動機構は、前記可動磁石部材(8)に固定された受動ギヤ(11)と、前記ケーシング(2)に固定された駆動モータ(13)と、該駆動モータ(13)の出力トルクを前記受動ギヤ(11)に伝達する駆動ギヤ(12)とによって構成され、前記駆動モータ(13)の回転速度(ND)を前記ロータの回転速度(NR)と一致させることによって、前記可動磁石部材(8)の回転角度位置(θ)を一定に保持し、前記駆動モータの回転速度(ND)を前記ロータの回転速度(NR)と異なる速度とすることによって、前記回転角度位置(θ)を変化させることを特徴とする。
この構成によれば、ロータに配置された複数の可動磁石部材が駆動機構によって回転駆動され、回転角度位置が変化する。可動磁石部材の回転角度位置が変化すると、永久磁石によって生成され、ステータ側を通る磁束の密度が変化し、回転電機の回転動作中に出力特性を変更することが可能となる。したがって、上記従来の回転電機と比較して、軸方向寸法が長くなること及び構造が複雑化することを抑制しつつ出力特性を変更することができる。また、駆動モータの回転速度をロータの回転速度と一致させることによって、受動ギヤと駆動ギヤの相対速度が「0」となり、受動ギヤは回転駆動されないため、可動磁石部材の回転角度位置は一定に保持される。一方、駆動モータの回転速度をロータの回転速度と異なる速度とするによって、受動ギヤと駆動ギヤの相対速度が「0」より大きくなって、受動ギヤが回転駆動され、可動磁石部材の回転角度位置が変化する。したがって、相対速度「0」の状態から、例えば駆動モータの回転速度をロータ回転速度より若干高くすることによって、可動磁石部材を回転させ、その後相対速度を「0」に戻すことによって、可動磁石部材を回転後の角度位置に保持することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機装置において、前記可動磁石部材(8)と、前記ロータの基部(7b)との間には、円筒状の摩擦抵抗低減部材(14)が介装されており、前記摩擦抵抗低減部材(14)は磁性材で構成されることを特徴とする。
この構成によれば、摩擦抵抗低減部材によって可動磁石部材の円滑な回転駆動が可能となり、しかも摩擦抵抗低減部材は磁性材で構成されるので、磁気抵抗の増加を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回転電機装置において、前記摩擦抵抗低減部材(14)には、多数の孔が穿設されていることを特徴とする。
この構成によれば、多数の孔によって渦電流が制限され、渦電流損失を低減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の回転電機装置において、前記可動磁石部材(8)の回転角度位置(θ)を検出または推定する回転角度位置取得手段を備え、前記制御ユニット(20)は、前記回転角度位置(θ)が目標回転角度位置(θ0,θ1)と一致するように前記駆動モータ(13)を制御することを特徴する
この構成によれば、検出または推定される可動磁石部材の回転角度位置が目標回転角度位置と一致するように駆動モータが制御されるので、回転電機の出力特性を精度よく制御することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の回転電機装置において、前記回転角度位置取得手段は、前記受動ギヤ(11a)の端面に設けられた第1、第2、及び第3の角度位置検出マーク(51,53,52)と、前記ケーシング(2)に固定され、前記3つの角度位置検出マークを検出したときに、出力レベル(V)が変化するマーク検出手段(23)であって、前記3つの角度位置検出マークに対応して第1レベル(V1)を出力し、前記受動ギヤ(11a)の端面であって前記角度位置検出マーク以外の部分(52)に対応して第2レベル(V2)を出力するマーク検出手段(23)とによって構成され、前記制御ユニット(20a)は、前記マーク検出手段の出力レベル(V)が前記第1レベル(V1)から前記第2レベル(V2)に変化する第1時点から、前記出力レベルが前記第2レベル(V2)から前記第1レベル(V1)に変化する第2時点までの第1期間(T1)と、該第1期間(T1)の直後において前記出力レベル(V)が前記第1レベル(V1)から前記第2レベル(V2)に変化する第3時点から、前記出力レベルが前記第2レベル(V2)から前記第1レベル(V1)に変化する第4時点までの第2期間(T2)とを検出し、前記第1期間と第2期間の比率(RT)に基づいて前記回転角度位置(θ)を検出することを特徴とする。
この構成によれば、マーク検出手段の出力レベルが第1レベルから第2レベルに変化する第1時点から、第2レベルから第1レベルに変化する第2時点までの第1期間と、第1期間の直後において出力レベルが第1レベルから第2レベルに変化する第3時点から、第2レベルから第1レベルに変化する第4時点までの第2期間とが検出され、第1期間と第2期間の比率に基づいて回転角度位置が検出されるので、ロータ回転速度の影響を受けることなく回転角度位置を正確に検出し、目標回転角度位置に精度よく一致させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の回転電機装置において、前記永久磁石(10)は矩形平板状であって、前記矩形平板の短辺の長さ(LS)が前記可動磁石部材(8)の直径以下であって、かつ前記矩形平板の長辺の長さ(LL)が前記基材部(30)の軸方向長さとほぼ等しくなるように形成され、前記可動磁石部材(8)の回転中心軸(CAX)と外周部(SUR)との間に配置されており、前記永久磁石(10)のN極及びS極は前記矩形平板の厚み方向に配置され、隣り合う前記可動磁石部材(8)におけるN極及びS極の配置が相互に逆となるように構成されることを特徴とする。
この構成によれば、可動磁石部材を回転させることによって、永久磁石によって生成され、ステータ側を通過する磁束の密度が変化し、ブラシレスモータの出力特性を変更することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の回転電機装置において、前記永久磁石(10a)は円弧断面側薄板状であって、前記円弧状平板の周方向長さ(LR)が前記可動磁石部材(8a)の外周部長さの1/2以下であって、かつ前記円弧状平板の軸方向の長さ(LL)が前記基材部(40,40a)の軸方向長さとほぼ等しくなるように形成され、前記可動磁石部材(8a)の外周部に配置されており、前記永久磁石(10a)のN極及びS極は前記円弧状平板の厚み方向に配置され、隣り合う前記可動磁石部材(8a)におけるN極及びS極の配置が相互に逆となるように構成されることを特徴とする。
この構成によれば、可動磁石部材を回転させることによって、永久磁石によって生成され、ステータ側を通過する磁束の密度が変化し、回転電機の出力特性を変更することができる。
本発明の一実施形態にかかる回転電機の断面図である。 図1に示す回転電機の要部を示す斜視図である。 可動磁石部材(8)の構造を説明するための図である。 図1に示すロータ(7)における可動磁石部材(8)及び永久磁石(10)の配置を説明するための図である。 回転電機及び駆動モータの制御系の構成を示すブロック図である。 図1に示す駆動ギヤ(12)を回転駆動したときの受動ギヤ(11)の動きを説明するための図である。 可動磁石部材(8)の回転角度位置と、永久磁石(10)によって生成される磁束の状態を説明するための図である。 回転電機(1)の出力特性(回転速度と出力トルクとの関係)を示す図である。 可動磁石部材の変形例を示す図である。 図9に示す可動磁石部材(8a)及び永久磁石(10a)のロータ(7)における配置を説明するための図である。 図1に示す回転電機の変形例を示す図である。 図11に示す回転電機に適用するスリーブ(14)の形状を示す斜視図である。 可動磁石部材(8)の回転角度位置(θ)を制御するための変形例を示す図である。 図13の変形例における受動ギヤ(11a)の構成を示す図である。 図13の変形例における制御系の構成を示すブロック図である。 図15に示す制御ユニットによる制御動作を説明するためのタイムチャートである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる回転電機の断面図であり、図2は図1に示す回転電機の要部を示す斜視図である。回転電機1は、ケーシング2に固定され、磁束を生成するステータ6と、軸受4及び5を介してケーシング2に回転可能に支持された回転軸3と、ステータ6の内側において回転軸3に固定され、ステータ6が生成する磁束によって回転する円柱状のロータ7とを備える。
ロータ7には円柱状の凹部7aが8個、穿設されており、凹部7aの底部には、円柱状の可動磁石部材8のフランジに設けられた軸部が挿入される軸孔9が設けられている。可動磁石部材8の軸部が軸孔9に挿入にされ、可動磁石部材8は凹部7aに回転可能に設けられている。凹部7aの表面及び可動磁石部材8の表面は滑らかに仕上げられており、可動磁石部材8は低速で回転可能である。
可動磁石部材8の一方の端部には受動ギヤ11が固定されており、受動ギヤ11は、駆動ギヤ12と噛合している。駆動ギヤ12は、ケーシング2に固定された駆動モータ13の出力軸13aと一体に構成されたフランジ13bに固定されている。駆動モータ13の出力軸13aは、駆動モータ13のモータケースに軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されており、駆動モータ13を駆動することによって、駆動ギヤ12はロータ7と同様に回転軸3を中心として回転駆動される。
なお、図1及び2において受動ギヤ11及び駆動ギヤ12の歯の図示は省略されている。また図2(b)には、ケーシング2の一部(駆動モータ13が固定されている部分)のみが示されている。
ロータ7の回転速度(以下「ロータ回転速度」という)NRを検出するロータ回転速度センサ21及び駆動ギヤ12の回転速度(以下「駆動ギヤ回転速度」という)NDを検出する駆動ギア回転速度センサ22がケーシング2内の適宜の位置に設けられている。
図3は、可動磁石部材8の構造を説明するための図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)に示す矢印Aの方向からみた側面図、同図(c)は同図(a)に示すB−B線断面図、同図(d)は同図(b)に示すC−C線断面図である。
可動磁石部材8は、矩形平板状の永久磁石10及び基材部30を、上側フランジ31及び下側フランジ32によって挟み、3個のリベット33によって固定することによって構成される。基材部30は、薄い電磁鋼板を積層した磁性材によって構成される。上側フランジ31は、受動ギヤ11が固定される上側軸部31aを備え、下側フランジ32は、上側軸部31aと同心状に設けられた下側軸部32aを備えており、下側軸部32aがロータ7の凹部7aに穿設された軸孔9に挿入される。
永久磁石10は、矩形平板状であって、矩形平板の短辺の長さLSが可動磁石部材8の直径D以下であって、かつ矩形平板の長辺の長さLLが可動磁石部材8の基材部30の長さとほぼ等しくなるように形成され、可動磁石部材8の回転中心軸CAXと外周部SURとの間に配置されている。
図4に示すように、ロータ7は、薄い電磁鋼板が積層された磁性材で構成されるロータ基部7bにおいて、周方向に一定角度(45度)間隔で配置された8個の可動磁石部材8を備えている。永久磁石10のN極及びS極は、永久磁石10の厚み方向に配置され、隣り合う可動磁石部材8におけるN極及びS極の配置が相互に逆となるように構成される。
ロータ7の停止時及び低回転時は、図4に示すように、可動磁石部材8は、永久磁石10が径方向外側となる回転角度位置(以下「初期角度位置」という)θ0に保持されている。
図5は、回転電機1及び駆動モータ13の制御系の構成を示すブロック図であり、ロータ回転速度センサ21及び駆動ギヤ回転速度センサ22は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)20に接続されている。ECU20は、ロータ回転速度センサ21及び駆動ギヤ回転速度センサ22によって検出されるロータ回転速度NR及び駆動ギヤ回転速度NDに基づいて、回転電機1及び駆動モータ13の駆動制御を実行する。
図6は、駆動ギヤ12を回転駆動したときの受動ギヤ11の動きを説明するための図である。駆動ギヤ回転速度NDがロータ回転速度NRと等しいときは、駆動ギヤ12と受動ギヤ11の相対速度は「0」となり、受動ギヤ11は回転しない。したがって、可動磁石部材8は回転駆動されず、その時点の回転角度位置を維持する。
駆動モータ回転速度NDをロータ回転速度NRより少し高くすると、図6に示す矢印の向きに受動ギヤ11が回転駆動される。また、駆動モータ回転速度NDをロータ回転速度NRより少し低くすると、図6に示す矢印の向きと逆向きに受動ギヤ11が回転駆動される。受動ギヤ11が目標回転角度位置(本実施形態では、初期角度位置θ0、または初期角度位置θ0から180度回転した反転角度位置θ1)に達した時点で、駆動モータ回転速度NDをロータ回転速度NRと一致させることにより、可動磁石部材8の回転角度位置θを目標回転角度位置θ1またはθ0に維持することができる。
図7は、可動磁石部材8の回転角度位置θと、回転電機1の出力特性との関係を説明するための図であり、図7(a)は可動磁石部材8が初期角度位置θ0にある状態に対応し、図7(b)は可動磁石部材8が反転角度位置θ1にある状態に対応する。
図7(a)に示す状態では、永久磁石10の磁界によって発生し、ステータ6側を通る磁束F0の密度が比較的高くなる。その結果、回転電機1の出力特性(ロータ回転速度NRと、出力トルクTRQとの関係)は、図8に実線で示すように比較的低速回転に適した出力特性が得られる。この場合には実線で示す第1高効率領域RH0は比較的低速回転側に位置する。一方、図7(b)に示す状態では、永久磁石10の磁界によって発生する磁束F1が径方向内側を通るため、ステータ6側を通る磁束の密度が低下する。したがって、回転電機1の出力特性は図8に破線で示すようになり、比較的高速回転に適した出力特性が得られる。この場合には破線で示す第2高効率領域RH1は、第1高効率領域RH0に比べて高速回転側に移動する。
以上のように本実施形態では、駆動モータ13を回転させることによって、可動磁石部材8の回転角度位置θを変更することができる。可動磁石部材8の回転角度位置θが変化すると、永久磁石10によって生成され、ステータ6側を通る磁束の密度が変化し、回転電機1の回転動作中に出力特性を変更することが可能となる。したがって、上記従来の回転電機と比較して、軸方向寸法が長くなること及び構造が複雑化することを抑制しつつ出力特性を変更することができる。また、駆動モータ13の回転速度NDをロータの回転速度NRと一致させることによって、受動ギヤ11と駆動ギヤ12の相対速度が「0」となり、受動ギヤ11は回転駆動されないため、可動磁石部材8の回転角度位置θは一定に保持される。一方、駆動モータ13の回転速度NDをロータの回転速度NRと異なる速度とするによって、受動ギヤ11と駆動ギヤ12の相対速度が「0」より大きくなって、受動ギヤ11が回転駆動され、可動磁石部材8の回転角度位置θが変化する。したがって、相対速度「0」の状態から、例えば駆動モータ13の回転速度NDをロータ回転速度NRより若干高くすることによって、可動磁石部材8を回転させ、その後相対速度を「0」に戻すことによって、可動磁石部材8を回転後の角度位置に保持することができる。
また可動磁石部材8を回転させることによって、永久磁石10によって生成され、ステータ6側を通過する磁束の密度が変化し、回転電機1の出力特性を変更することができる。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、以下に示すように種々の変形が可能である。
(変形例1)
図3に示す可動磁石部材8は、図9に示す可動磁石部材8aのように変形してもよい。図9は、可動磁石部材8aの構造を説明するための図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)に示す矢印Aの方向からみた側面図、同図(c)は同図(a)に示すB−B線断面図、同図(d)は同図(b)に示すC−C線断面図である。
可動磁石部材8aは、円弧断面薄板状の永久磁石10aと、基材部40及び40aとを、上側フランジ41及び下側フランジ42によって挟み、2個のリベット43によって固定するとともに、基材部40aの部分で永久磁石10aを2個のリベット44、プレート45,及びシート46によって固定することによって構成される。基材部40及び40aは、薄い電磁鋼板が積層された磁性材によって構成される。上側フランジ41は、受動ギヤ11が固定される上側軸部41aを備え、下側フランジ42は、上側軸部41aと同心状に設けられた下側軸部42aを備えており、下側軸部42aがロータ7の凹部7aに穿設された軸孔9に挿入される。
永久磁石10aは、円弧断面薄板状であって、円弧断面薄板の周方向長さLRが可動磁石部材8aの外周部長さの1/2以下であって、かつ円弧断面薄板の軸方向の長さLLが基材部40a及び40の軸方向長さの合計とほぼ等しくなるように形成され、可動磁石部材8aの外周部に配置される。
図10は、ロータ7における可動磁石部材8aの配置を示す図であり、永久磁石10aのN極及びS極は、円弧断面薄板の厚み方向に配置され、隣り合う可動磁石部材8aにおけるN極及びS極の配置が相互に逆となるように構成される。
この変形例によっても上述した実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例2)
上述した実施形態では、凹部7aに可動磁石部材8を直接挿入するようにしたが、図11に示すように、凹部7aの直径を若干拡大して、可動磁石部材8(または8a)とロータ基部7bとの間に円筒状のスリーブ14を介装するようにしてもよい。すなわち、凹部7aにスリーブ14を挿入し、スリーブ14の内側に可動磁石部材8(または8a)を挿入するようにしてもよい。スリーブ14の内周面を滑らかに仕上げることによって、可動磁石部材8をより円滑に回転駆動することができる。またスリーブ14を磁性材で構成することによって、磁気抵抗の増加を抑制することができる。スリーブ14には例えば図12(a)または(b)に示すように多数の孔を穿設することが望ましい。多数の孔を設けることによって、スリーブ14を流れる渦電流が制限され、渦電流損失を低減することができる。なお、孔を穿設することなく磁性材を単に円筒形状としてもよい。
(変形例3)
ECU20は、可動磁石部材8の回転角度位置θを検出または推定し、目標角度位置θ1またはθ0と一致するように駆動モータ13の回転速度NDを制御することが望ましい。
例えば、回転電機1の出力トルクを検出する出力トルク検出手段を設けている場合は、回転角度位置θが初期角度位置θ0及び反転角度位置θ1に一致している状態における駆動電流値ID0,ID1、回転速度NR0,NR1、及び出力トルクTRQ0,TRQ1を予めメモリに記憶しておき、実際の駆動電流値ID、回転速度NR、及び出力トルクTRQと比較することによって、実際の回転角度位置θを推定することが可能である。
また受動ギヤ11の端面に、光学的または磁気的に検出可能な角度位置検出のための形状(角度位置検出形状)を形成するか、またはマークを付し、その角度位置検出形状またはマークを光学センサまたは磁気センサによって検出することによって、実際の回転角度位置θを検出するようにしてもよい。
図13はこの変形例を示す図であり、受動ギヤ11が図14に示す受動ギヤ11aに変更され、ケーシング2に磁気センサ23が受動ギヤ11aの端面と対向する位置に固定されている。図14(a)は受動ギヤ11aの斜視図であり、図14(b)は平面図である。
受動ギヤ11aは、駆動ギヤ12と噛合するギヤ部51(歯は図示省略)と、ギアフランジ部52と、基準凸部53と備えており、ギヤ部51及び基準凸部53の厚さ(高さ)は、ギアフランジ部52の厚さより大きく形成されるとともに、図14(b)に示す中心線LCに対して左右対称に形成されている。可動磁石部材8の回転角度位置θが図7(a)に示す初期角度位置θ0であるときに、中心線LCがロータ7の中心を通る直線(図7(a)に示す一点鎖線)と一致するように、可動磁石部材8と受動ギヤ11aの相対角度位置が調整されている。
磁気センサ23は、ロータ7が回転している状態で、図14(b)に示す曲線LDをトレースして検出動作を行うように配置されている。
図15は本変形例における制御系の構成を示すブロック図であり、ECU20aには磁気センサ23の検出信号が入力される。ECU20aは、磁気センサ23の検出信号に応じて、駆動モータ13の駆動制御を行う。
図16は、磁気センサ23の出力信号(波形成形後)の推移を示すタイムチャートであり、同図(a)は回転角度位置θが初期角度位置θ0と一致している状態に対応し、同図(b)は一致していない状態に対応する。出力信号レベルVは、ロータ基部7b、ギヤ部51、ギヤフランジ部52、及び基準凸部53の厚さ(高さ)、換言すれば磁気センサ23に最接近したときの距離に応じて変化する。すなわち、ギヤ部51及び基準凸部53のトレース中は第1レベルV1となり、ギヤフランジ部52のトレース中は第2レベルV2となり、ロータ基部7bのトレース中は第3レベルV3となる。ここで、出力信号レベルVが第2レベルV2と等しくなる第1期間T1と第2期間T2の期間比率RTを(T2/T1)で定義すると、第1及び第2期間T1,T2の絶対値はロータ回転速度NRに応じて変化するが、期間比率RTは、ロータ回転速度NRに依存せず、回転角度位置θのみに依存する。
すなわち、回転角度位置θが初期角度位置θ0と一致している状態では、期間比率RTは「1.0」に等しくなり、回転角度位置θが初期角度位置θ0からずれると、期間比率RTが「1.0」と異なる値をとる。したがって、期間比率RTが「1.0」となるように駆動モータ13の回転速度NDを制御することによって、回転角度位置θを初期角度位置θ0に正確に制御することが可能となる。
なお、図16(b)には期間比率RTが「1.0」より小さくなる例が示されているが、回転角度位置θと初期角度位置θ0との相対関係によっては「1.0」より大きくなる。
(その他の変形例)
また上述した実施形態では、可動磁石部材8及び8aはリベットによって固定されているが、固定の手段はリベットに限るものではなく、ボルトとナット、カシメ、接着、またはそれらの固定手段の組み合わせでも良い。
また上述した実施形態では、ロータ7に可動磁石部材8を8個配置した例を示したが、ロータ7の直径と、可動磁石部材8の直径との比率を変更して、ロータ7に配置する可動磁石部材8の数を増加または減少させてもよい。
1 回転電機
2 ケーシング
3 回転軸
6 ステータ
7 ロータ
8,8a 可動磁石部材
10,10a 永久磁石
11,11a 受動ギヤ(駆動機構)
12 駆動ギヤ(駆動機構)
13 駆動モータ(駆動機構)
20,20a 電子制御ユニット

Claims (7)

  1. ケーシングに固定され、磁束を生成するステータと、前記ケーシングに回転可能に支持された回転軸と、前記ステータの内側において前記回転軸に固定され、前記ステータが生成する磁束によって回転する円柱状のロータとを有する回転電機と、該回転電機の駆動制御を行う制御ユニットとを備える回転電機装置において、
    前記ロータは、磁性材で構成される基材部と永久磁石とを結合させた円柱状の可動磁石部材を複数備え、該複数の可動磁石部材は、前記ロータの周方向に等角度間隔でかつ回転可能に配置されており、
    前記複数の可動磁石部材を回転駆動する駆動機構を備え、前記複数の可動磁石部材を回転駆動することによって、前記回転電機の出力特性を変更可能とし、
    前記駆動機構は、前記可動磁石部材に固定された受動ギヤと、前記ケーシングに固定された駆動モータと、該駆動モータの出力トルクを前記受動ギヤに伝達する駆動ギヤとによって構成され、
    前記制御ユニットは、前記駆動モータの回転速度を前記ロータの回転速度と一致させることによって、前記可動磁石部材の回転角度位置を一定に保持し、前記駆動モータの回転速度を前記ロータの回転速度と異なる速度とすることによって、前記回転角度位置を変化させることを特徴とする回転電機装置。
  2. 前記可動磁石部材と、前記ロータの基部との間には、円筒状の摩擦抵抗低減部材が介装されており、前記摩擦抵抗低減部材は磁性材で構成されることを特徴とする請求項1に記載の回転電機装置。
  3. 前記摩擦抵抗低減部材には、多数の孔が穿設されていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機装置。
  4. 前記可動磁石部材の回転角度位置を検出または推定する回転角度位置取得手段を備え、
    前記制御ユニットは、前記回転角度位置が目標回転角度位置と一致するように前記駆動モータを制御することを特徴する請求項1から3の何れか1項に記載の回転電機装置。
  5. 前記回転角度位置取得手段は、
    前記受動ギヤの端面に設けられた第1、第2、及び第3の角度位置検出マークと、
    前記ケーシングに固定され、前記3つの角度位置検出マークを検出したときに、出力レベルが変化するマーク検出手段であって、前記3つの角度位置検出マークに対応して第1レベルを出力し、前記受動ギヤの端面であって前記角度位置検出マーク以外の部分に対応して第2レベルを出力するマーク検出手段とによって構成され、
    前記制御ユニットは、
    前記マーク検出手段の出力レベルが前記第1レベルから前記第2レベルに変化する第1時点から、前記出力レベルが前記第2レベルから前記第1レベルに変化する第2時点までの第1期間と、該第1期間の直後において前記出力レベルが前記第1レベルから前記第2レベルに変化する第3時点から、前記出力レベルが前記第2レベルから前記第1レベルに変化する第4時点までの第2期間とを検出し、前記第1期間と第2期間の比率に基づいて前記回転角度位置を検出することを特徴とする請求項4に記載の回転電機装置。
  6. 前記永久磁石は矩形平板状であって、前記矩形平板の短辺の長さが前記可動磁石部材の直径以下であって、かつ前記矩形平板の長辺の長さが前記基材部の軸方向長さとほぼ等しくなるように形成され、前記可動磁石部材の回転中心軸と外周部との間に配置されており、
    前記永久磁石のN極及びS極は前記矩形平板の厚み方向に配置され、隣り合う前記可動磁石部材におけるN極及びS極の配置が相互に逆となるように構成されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の回転電機装置。
  7. 前記永久磁石は円弧断面薄板状であって、前記円弧断面薄板の周方向長さが前記可動磁石部材の外周部長さの1/2以下であって、かつ前記円弧断面薄板の軸方向の長さが前記基材部の軸方向長さとほぼ等しくなるように形成され、前記可動磁石部材の外周部に配置されており、
    前記永久磁石のN極及びS極は前記円弧断面薄板の厚み方向に配置され、隣り合う前記可動磁石部材におけるN極及びS極の配置が相互に逆となるように構成されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の回転電機装置。
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