JP2019103295A - 単相モータ - Google Patents

単相モータ Download PDF

Info

Publication number
JP2019103295A
JP2019103295A JP2017233247A JP2017233247A JP2019103295A JP 2019103295 A JP2019103295 A JP 2019103295A JP 2017233247 A JP2017233247 A JP 2017233247A JP 2017233247 A JP2017233247 A JP 2017233247A JP 2019103295 A JP2019103295 A JP 2019103295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
teeth
phase motor
magnetic path
distance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017233247A
Other languages
English (en)
Inventor
渉 日下部
Wataru Kusakabe
渉 日下部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mabuchi Motor Co Ltd
Original Assignee
Mabuchi Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mabuchi Motor Co Ltd filed Critical Mabuchi Motor Co Ltd
Priority to JP2017233247A priority Critical patent/JP2019103295A/ja
Priority to CN201811027000.5A priority patent/CN109873543B/zh
Publication of JP2019103295A publication Critical patent/JP2019103295A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

【課題】永久磁石ロータを用いた単相モータにおいて、エネルギ損失による効率の低下を抑制しモータの出力を向上させる。【解決手段】永久磁石を有するロータ2と、ロータ2の外周にロータ2と空隙を介して配置されロータ2と対向する少なくとも一対のティース部32を有するステータコア30及びティース部32の周囲に装備されたコイル34からなるステータ3と、を備える単相モータであって、ロータ2の外周でティース部32が位置しない特定領域において、ステータコア30により形成される磁路とロータ2との距離Dが、ロータ2の外径dの0.5倍以上に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石ロータを用いた単相モータに関するものである。
永久磁石ロータを用いた単相モータは、駆動回路も含めて簡素に構成することができる。
このような単相モータを小型軽量化するには、ロータ径に対してモータケースの外径を極力小さくすることが有効である(例えば、特許文献1参照)。この結果、ロータの外周とモータケースの内周との間のステータ(特に、ステータコア)を配置するスペースが狭まることになる。
特許第4815259号公報
ところで、ステータには、ロータの外周に対向する磁極が対をなして形成され、各磁極の外周には巻線が配置されている。巻線に供給される単相交流電力によって磁極間には磁束が流れて、この磁束がロータ内を流れることによってロータが回転する。
上記のように、ロータの外周とモータケースの内周との間のステータ配置スペースが狭まると、ロータと、ステータのステータコアにより形成される磁路を構成する部分とが接近する。このため、ステータコアの磁極間の隙間部分において、つまり、ステータコアの磁路にロータが露出している部分において、ロータからステータコアへの漏れ磁束が増大し、エネルギ損失による効率の低下や、これによる出力低下を招くという課題がある。
単相モータは、小型で安価であるため、このような効率や出力の低下についての課題はこれまでは重視されていなかったが、近年は効率や出力も要求されるようになってきており、かかる課題は重視すべきものになっている。
本件は、このような課題に鑑み創案されたもので、永久磁石ロータを用いた単相モータにおいて、磁束の漏れから生じるエネルギ損失による効率の低下を抑制しモータの出力を向上させることを目的とする。
(1)本件明細書で開示する単相モータは、永久磁石を有するロータと、前記ロータの外周に前記ロータと空隙を介して配置され前記ロータと対向する少なくとも一対のティース部を有するステータコア及び前記ティース部の周囲に装備されたコイルからなるステータと、を備える単相モータであって、前記ロータの外周で前記ティース部が位置しない特定領域において、前記ステータコアにより形成される磁路と前記ロータとの距離が、前記ロータの外径の0.5倍以上に設定されていることを特徴としている。
(2)前記特定領域において、前記磁路と前記ロータとの距離が、前記ロータの外径の1.5倍以下に設定されていることが好ましい。
(3)前記ステータコアは、前記ロータの外周を包囲するヨーク部と、前記ヨーク部の前記ロータを挟んで位置する一対のティース形成箇所からそれぞれ前記ロータに向けて突出した一対の前記ティース部と、を備え、前記ヨーク部は、閉磁路を形成していることが好ましい。
(4)前記ステータコアの前記一対のティース形成箇所の最遠部間の距離は前記ロータの外径の2.5倍以下に設定されていることが好ましい。
(5)前記ヨーク部は、前記ロータの軸方向視において一対の長辺部と一対の短辺部とからなる矩形に形成され、前記ティース部は、前記各長辺部にそれぞれ形成されていることが好ましい。
(6)それぞれの前記ティース部の前記突出方向先端に形成される先端壁部は、前記ロータの外周に沿うように弧状に形成され、前記先端壁部の一縁側と他縁側とは、異なる突出量に設定されていることが好ましい。
(7)前記ティース部の周囲に巻回される巻線は、前記ティース部の周壁面から離隔した位置に配置されていることが好ましい。
ステータにより形成される磁路とロータとの距離をロータの外径の0.5倍以上に設定することにより、磁束の漏れから生じるエネルギ損失による効率の低下を抑制しモータの出力を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る単相モータの要部を軸方向から見た状態で示す構成図である。 磁路距離比Rに対してステータで発生する磁束の大きさの特性及びステータのコイルのインダクタンスの特性を示すグラフである。 磁路距離比Rに対するモータへの入力電流とこれに応じたモータの出力との特性を示すグラフである。 ロータからステータへの磁束の漏れを説明する構成図であり、(a)は磁路とロータとの距離が適正でない場合を示し、(b)は磁路とロータとの距離が適正の場合を示す。 本発明の第2実施形態に係る単相モータの要部を軸方向から見た状態で示す構成図である。
以下、図面を参照して、実施形態としての単相モータについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
〔第1実施形態〕
(構成)
図1に示すように、この単相モータ(以下、単にモータともいう)1は、内側に配置されたロータ2と、外側に配置されたステータ3と、を有するインナーロータ型の2極2スロットの単相ブラシレスモータである。
ロータ2は、永久磁石を有しており、ロータ2の外周にはN極21とS極22とが180度位相をずらして配置されている。このロータ2は回転中心Oの周りに回転する。
ステータ3は、複数の薄板(例えば鋼板)が積層されて構成されたステータコア30とステータコア30に装備されたコイル34とを有し、ステータコア30はロータ2の外周にロータ2と空隙を介して配置されている。
また、ステータコア30は、軸方向から見て回転中心Oに対して点対称に形成され、ロータ2の外周を包囲するヨーク部31と、ヨーク部31においてロータ2を挟んで位置する一対のティース形成箇所32からそれぞれロータ2に向けて突出した一対のティース部33と、を備えている。
ヨーク部31は、軸方向から見て長方形の環状に形成され、長方形の各長辺に対応し一定幅で延びる長辺部31aと長方形の各短辺に対応し一定幅で延びる短辺部31bとを有している。ティース形成箇所32は、各長辺部31aに設けられている。ここでは、長辺部31aの幅の方が短辺部31bの幅よりも大きく設定されている。ただし、両長辺部31aの外面間の距離(短辺部31bの長さであり、ティース形成箇所32,32の最遠部間の距離でもある)L1はロータ2の外径dの2.5倍以下(L1≦2.5d)に設定されている。
各ティース部33は、その突出方向先端に形成される先端壁部33aが、ロータ2の外周面2aに沿うように軸方向から見て円弧状に形成されている。また、軸方向から見て各ティース部33の両側方に位置する側壁部33b,33cは短辺部31bと平行ではなく、先端に行くにしたがって互いに離隔するように傾斜している。
そして、先端壁部33aの一縁側の角部33dと他縁側の角部33eとは、対向するティース部33に向けて異なる突出量に設定されている。ここでは、先端壁部33aの一縁側角部33dは他縁側角部33eよりも大きく突出している。なお、ステータコア30は軸方向から見て回転中心Oに対して点対称に形成されているので、一対のティース部33も軸方向から見て回転中心Oに対して点対称に形成されている。
また、ティース部33の一縁側角部33dを形成する一縁側の側壁部33bは短辺部31bと平行に近い僅かな傾斜になっているのに対して、他縁側角部33eを形成する他縁側の側壁部33cは側壁部33bよりも大きな傾斜になっている。したがって、ティース部33の側壁部33c側はくびれた形状になっている。
一方のティース部33の角部33dと他方のティース部33の角部33eとは互いに離隔しており、ロータ2の外周面2aのうち、これらの角部33dと角部33eとの間の領域はティース部33が位置しないで外周面2aがヨーク部31に対して露出している。以下、この露出する領域を「特定領域」とする。
各ティース部33の周囲には、例えば銅製の巻線34aが巻回されて構成されたコイル34が装備されている。各コイル34は交流電源に接続され、一方のティース部33から他方のティース部33へ、或いは、他方のティース部33から一方のティース部33へと、交流周波数に応じて交互に磁束が発生する。なお、本実施形態では、巻線34aはティース部33の周壁部(特に、側壁部)33b,33cの基部から離隔した位置に配置されている。
各コイル34に交流電流が供給されると、ヨーク部31が、磁路(磁気回路)を形成してこの磁路内を、図1中に矢印で示すように磁束が流通する。磁束の矢印は図1中に左半部のみ示すが、右半部もこれと線対称状に磁束が流通する。さらに、各ティース部33の相互間では、一方のティース部33からロータ2を介して他方のティース部33へ流れる磁束、或いは、他方のティース部33からロータ2を介して一方のティース部33へ流れる磁束が発生する。ヨーク部31は、ロータ2を包囲する環状に形成されるので、磁路はロータ2の周囲を閉鎖する閉磁路(閉回路)となっている。
ただし、上記の特定領域(すなわち、ロータ2の外周面のうちでティース部33が位置しない領域)においては、ロータ2に流入した磁束がロータ2の外周面2aに対向するヨーク部31に向かって漏れることがある。本単相モータ1では、その特徴的な構成として、この特定領域において、ステータコア30のヨーク部31に形成される磁路とロータ2との距離(最短距離)Dが、ロータの外径dの0.5倍以上で且つ1.5倍以下(0.5d≦D≦1.5d)に設定されている。本実施形態では、距離Dはロータ2の外径dとほぼ等しく(D≒d)設定されている。
(作用及び効果)
本実施形態に係る単相モータ1は上記のように構成されており、磁路とロータ2との距離Dが、ロータ2の外径dの0.5倍以上で且つ1.5倍以下(0.5d≦D≦1.5d)に設定されているので、ロータ2に流入した磁束がヨーク部31に向かって漏れることが抑制される。
ここで、図2は、磁路及びロータ2間の距離Dとロータ2の外径dとの比(磁路距離比)R(=D/d)に対してステータ3(特に、ステータコア30)で発生する磁束の大きさの特性及びステータ3のコイル34のインダクタンスの特性を示すグラフである。図3は、磁路距離比R(=D/d)に対するモータ1への入力電流とこれに応じたモータ1の出力との特性を示すグラフである。いずれも、シミュレーションによる解析結果に基づいている。
図2に実線MFで示すように、磁路距離比Rが小さくなるほどステータ3で発生する磁束MFは大きくなる。磁路距離比Rが小さくなるほど磁束MFが大きくなるのは、磁路の距離が小さいと磁路外の空間中への漏れ磁束が低減され、結果として磁路を通る磁束が多くなるためと考えられる。したがって、磁路距離比Rが大きくなるほどステータ3で発生する磁束MFは小さくなる。
一方、図2に破線Lで示すように、磁路距離比Rが小さい領域(特に、R<0.5)では、磁路距離比Rが小さいほどコイル34のインダクタンスLが急激に大きくなり、磁路距離比Rがこれ以上(R≧0.5)の領域では、コイル34のインダクタンスLは低く維持される。このように、磁路距離比Rが小さい領域(R<0.5)でコイル34のコイル34のインダクタンスLが極めて大きくなるのは、ヨーク部31に向かって漏れる磁束が、磁路距離比Rの増大に反比例するように低下するためである。
つまり、通常、磁束は磁性体を流通するが、磁性体と磁性体との間の空間内でも流通し、特に、磁性体と磁性体との距離が近いほどその空間を通じて流通しやすい。
例えば図4(a)は、本実施形態の比較例に係る単相モータ1´における磁束の漏れを模式的に示す図である。この単相モータ1´は、図4(a)に示すように、ステータコア30´の形状が異なっており、ステータコア30´のヨーク部31´に形成される磁路とロータ2との距離(最短距離)D´が、ロータの外径dのほぼ三分の一〔D≒(1/3)d〕と小さく設定されている。また、長辺部31a´の外面間の距離(短辺部31b´の長さ)L1´はロータ2の外形dの2.5倍以下(D<2.5d)に設定されている。
ロータ2の外周面2aとステータコア30´のヨーク部31´(磁路)との距離D´が、ロータの外径dの半分未満(D<0.5d)になると、すなわち、磁路距離比Rが0.5未満になると、図2に示すように、距離D´が小さいほど(磁路距離比Rが小さいほど)、ロータ2からステータコア30´のヨーク部31´(磁路)に漏れる磁束が多くなる。この磁束の漏れに応じてコイル34´のインダクタンスLも大きくなる。
一方、本実施形態の単相モータ1の場合、図4(b)に示すように、ロータ2の外周面2aとステータコア30のヨーク部31(磁路)との距離Dがロータの外径dの半分以上(ここでは、距離Dが外径dとほぼ等しい)確保されているので、すなわち、磁路距離比Rが0.5以上確保されているので、ロータ2からステータコア30のヨーク部31(磁路)に漏れる磁束が少なくなる。この磁束の漏れの減少に応じてコイル34のインダクタンスLも小さくなる。
なお、図4(a),(b)では、磁束の漏れ量を破線矢印の太さ及び本数で、一方の磁路(図中、左方の磁路)についてのみ模式的に示しているが、他方の磁路(図中、右方の磁路)でも同様に磁束の漏れが生じる。
このような磁路距離比Rに対する、ステータ3に生じる磁束MF及びステータ3のコイル34のインダクタンスLの特性(図2参照)から、モータ1への入力電流ICの特性は、図3に実線ICで示すように、磁路距離比Rが小さい領域(R<0.5)では、磁路距離比Rが小さいほど入力電流ICが急激に小さくなり、磁路距離比Rがこれ以上(R≧0.5)の領域では、入力電流ICは比較的高く維持される。
また、磁路距離比Rがより大きくなる(R≧1.5)領域では、入力電流ICは磁路距離比Rの増大に応じて次第に低下する。この低下は、磁束MFの減少に起因しているものと考えられる。
モータ1の出力OPは、図3に破線OPで示すように、モータ1への入力電流ICと対応するように、磁路距離比Rが小さい領域(R<0.5)では、磁路距離比Rが小さいほど出力OPが急激に小さくなり、磁路距離比Rがこれ以上(R≧0.5)の領域では、出力OPは比較的高く維持される。
また、磁路距離比Rがより大きくなる(R≧1)領域では、出力OPは磁路距離比Rの増大に応じて次第に低下する。この低下は、入力電流ICの低下よりも著しく、磁束MFの減少の影響がより大きくなるものと考えられる。
磁路距離比Rがさらに大きくなる(R≧1.5)領域では、エネルギ効率(OP/IC)も低くなる。
このような特性から、磁路距離比Rを0.5以上且つ1.5以下(0.5≦R≦1.5)の範囲内に設定することにより、比較的高いモータ出力OPを確保することができ、効率の低下も抑制される。
なお、モータ1の小型化を考えると、磁路距離比Rは小さい方がよいが、この点では磁路距離比Rの下限値0.5の規定は極めて重要であり、磁路距離比Rを0.5以上にすることにより高いモータ出力OPを確保することができ、効率の低下も抑制される。
特に、ヨーク部31により閉磁路が構成される場合、モータ1を小型化するうえで有利であり、このメリットを生かそうとすると、磁路距離比Rを小さくする傾向が顕著になり、モータ1の出力OPや効率の低下を招くが、磁路距離比Rを下限値0.5以上にすることにより、モータ1の出力OPを確保し効率の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、距離Dを1.5d以下にすることで両短辺部31b間の距離が制限されるので、磁路の距離が短く抑えられ、磁束MFが大きくなって、高いモータ出力OPを確保することができ、効率の低下も抑制される。また、これに加えて、両長辺部31aの外面間の距離(短辺部31bの長さであり、ティース形成箇所32,32の最遠部間の距離でもある)L1がロータ2の外径dの2.5倍以下(L1≦2.5d)に設定されているので、この点でも、磁路の距離が短く抑えられ、磁束MFが大きくなって、高いモータ出力OPを確保することができ、効率の低下も抑制される。
ヨーク部31は閉磁路を形成しているので、回転中心Oを中心にヨーク部31を回転方向にバランスよく配置できる。このため、モータ1を高回転化,高出力化,高効率化し易く、モータ1の回転時の振動の発生も抑制される利点がある。
ヨーク部31は、矩形に形成されているので、モータ1の図示しないケースを各機器への組付性のよい直方体に形成しても、ケース内をスペース効率よく使用することができる利点がある。
本実施形態では、回転中心Oに対して点対称の一対のティース部33の各先端壁部33aの一縁側と他縁側とは異なる突出量であるため、ティース部33における磁路が一縁側と他縁側とで左右非対称に形成されている。このため、ヨーク部31の一対のティース形成箇所32,32を結ぶ基準線方向(短辺部31bの延びる方向に沿った方向)に対して磁路の方向がずれて、モータのトルクが0となる位相と逆誘起電圧が0となる位相とをズラしやすく、モータ1の停止からの始動性を確保し易い利点もある。
また、本実施形態では、巻線34aはティース部33の周壁部である側壁部33b,33cから離隔した位置に配置されているので、巻線34aの内側の側壁部33b,33cの基部(例えば、側壁部33cのくびれ部)の隅部空間35を通じても磁束が流れるようになり、この磁束も巻線34aと鎖交する出力となって、巻線34aの量を抑えながら(モータ1の重量増を抑えながら)のモータ1の出力向上に寄与する。
〔第2実施形態〕
(構成)
図5に示すように、この単相モータ(以下、単にモータともいう)101も、内側に配置されたロータ2と、外側に配置されたステータ103と、を有するインナーロータ型の2極2スロットの単相ブラシレスモータである。この単相モータ101は、第1実施形態の単相モータ1に対してステータ103の形状のみが異なっている。以下、第1実施形態との相違する点のみを説明する。
ステータ103は、第1実施形態のステータ3と同様に、複数の薄板(例えば鋼板)が積層されて構成されたステータコア130とステータコア130に装備されたコイル134とを有し、ステータコア130はロータ2の外周にロータ2と空隙を介して配置されている。
また、このステータコア130も、軸方向から見て回転中心Oに対して点対称に形成され、ロータ2の外周を包囲するヨーク部131と、ヨーク部131においてロータ2を挟んで位置する一対のティース形成箇所132,132からそれぞれロータ2に向けて突出した一対のティース部133,133と、を備えている。
ヨーク部131は、軸方向から見て直線状の直線状部131a〜131cと曲線状の曲線状部131dとが組み合わされた略六角形の環状に形成されている。ティース形成箇所132,132は、対向する直線状部131a,131aに設けられている。両直線状部131a,131aの外面間の距離(ティース形成箇所132,132の最遠部間の距離)L2はロータ2の外径dの2.5倍以下(L2≦2.5d)に設定されている。
各ティース部133は、その突出方向先端に形成される先端壁部133aが、ロータ2の外周面2aに沿うように軸方向から見て円弧状に形成されている。また、軸方向から見て各ティース部133の両側方に位置する側壁部133b,133cは、先端に行くにしたがってお互いに離隔するように傾斜している。
そして、先端壁部133aの一縁側の角部133dと他縁側の角部133eとは、対向するティース部133に向けて異なる突出量に設定されている。ここでは、先端壁部133aの一縁側角部133dは他縁側角部133eよりも大きく突出している。
また、ティース部133の一縁側角部133dに対応する一縁側の側壁部133bは直線状部131aと直交する基準方向と平行或いは僅かだけ傾斜しているのに対して、他縁側角部133eに対応する他縁側の側壁部133cは先端が基準方向に対して外向きに傾斜している。ここでは、両角部133d,133eにおける側壁部133b,133cと先端壁部133aとのなす角度β1,β2がほぼ等しく設定されている。
一方のティース部133の角部133dと他方のティース部133の角部133eとは、互いに離隔しており、ロータ2の外周面2aのうち、この角部133dと角部133eとの間の領域はティース部133が位置しないで外周面2aがヨーク部131に対して露出している。この露出する領域を「特定領域」とする。
各ティース部133の周囲には、例えば銅製の巻線134aが巻回されたコイル134が装備されている。各コイル134は交流電源に接続され、一方のティース部133から他方のティース部133へ、或いは、他方のティース部133から一方のティース部133へと、交流周波数に応じて交互に磁束が発生する。
各コイル134に交流電通が供給されると、ヨーク部131が、磁路となって磁束が流通する。また、各ティース部133の相互間では、一方のティース部133からロータ2を介して他方のティース部133へ流れる磁束、或いは、他方のティース部133からロータ2を介して一方のティース部133へ流れる磁束が発生する。
ただし、上記の特定領域(すなわち、ロータ2の外周面2aのうちでティース部133が位置しない領域)においては、ロータ2に流入した磁束が対向するヨーク部131に向かって漏れることがある。単相モータ101でも、その特徴的な構成として、この特定領域において、ステータコア130のヨーク部131に形成される磁路とロータ2との距離(最短距離)Dが、ロータ2の外径dの0.5倍以上で且つ1.5倍以下(0.5d≦D≦1.5d)に設定されている。
なお、本実施形態では、距離Dはロータ2の外径dの二分の一(D=0.5d)に設定されている。つまり、本実施形態では、特定領域のヨーク部131は、曲線状部131dで構成され、曲線状部131dの内壁は、回転中心Oを中心とする半径dの円筒面で構成される。ロータ2の外周面2aは、回転中心Oを中心とする半径が0.5dの円筒面で構成されるので、ロータ2の外周面2aと、曲線状部131Dの内壁面との距離は、0.5d(=d−0.5d)となっている。
(作用及び効果)
本実施形態に係る単相モータ101は上記のように構成されており、特定領域において、磁路(ステータ103)とロータ2との距離Dが、ロータ2の外径dの略0.5倍(D=0.5d)に設定されているので、ロータ2に流入した磁束がヨーク部131に向かって漏れることが抑制される。
これにより、比較的高いモータ出力OPを確保することができ、モータ101の効率の低下も抑制される。
このほか、第1実施形態と同様の構成により同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、特定領域における磁路を構成するヨーク部131は曲線状部131dであって、ロータ2の外周面2aと、曲線状部131Dの内壁面との距離は、特定領域の何れにおいても0.5dとなっているので、磁路距離はより短くなって、ステータ103(特に、ステータコア130)で発生する磁束が大きくなる。この点からも、より高いモータ出力OPを確保することができ、また、モータ101の外形も小型化され、軽量化される利点もある。
〔その他〕
上記の各実施形態では、2極2スロットの単相ブラシレスモータを例示したが、本発明は、2極4スロットなど、2極2nスロット(nは自然数)の単相ブラシレスモータに適用することができる。
また、各実施形態のヨーク部31,131は、軸方向から見て矩形又は略六角形の形状であるが、ヨーク部31,131の軸方向視の形状はこれに限定されず、円形又はほぼ円形にするなど種々の形状に形成することができる。
また、ティース部33,133の形状や、巻線34a,134aの配置も各実施形態のものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
さらに、上記の各実施形態では、閉磁路モータを例示しているが、本発明は開磁路モータに適用することも考えられる。
1,101 単相モータ
2 ロータ
3,103 ステータ
21 永久磁石のN極
22 永久磁石のS極
30,130 ステータコア(ステータ)
31,131 ヨーク部
31a 長辺部
31b 短辺部
131a〜131c 直線状部
131d 曲線状部
32,132 ティース形成箇所
33,133 ティース部
33a,133a 先端壁部
33b,33c,133b,133c 側壁部(軸方向視)
33d,33e,133d,133e 角部
34,134 コイル
34a,134a 巻線
35 隅部空間
d ロータ2の外径
D 磁路とロータ2との距離(最短距離)
L1 長辺部31aの外面間の距離(短辺部31bの長さ)
L2 直線状部131bの外面間の距離
回転中心

Claims (7)

  1. 永久磁石を有するロータと、前記ロータの外周に前記ロータと空隙を介して配置され前記ロータと対向する少なくとも一対のティース部を有するステータコア及び前記ティース部の周囲に装備されたコイルからなるステータと、を備える単相モータであって、
    前記ロータの外周で前記ティース部が位置しない特定領域において、前記ステータコアにより形成される磁路と前記ロータとの距離が、前記ロータの外径の0.5倍以上に設定されている
    ことを特徴とする単相モータ。
  2. 前記特定領域において、前記磁路と前記ロータとの距離が、前記ロータの外径の1.5倍以下に設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載された単相モータ。
  3. 前記ステータコアは、前記ロータの外周を包囲するヨーク部と、前記ヨーク部の前記ロータを挟んで位置する一対のティース形成箇所からそれぞれ前記ロータに向けて突出した一対の前記ティース部と、を備え、
    前記ヨーク部は、閉磁路を形成している
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載された単相モータ。
  4. 前記ステータコアの前記一対のティース形成箇所の最遠部間の距離は前記ロータの外径の2.5倍以下に設定されている
    ことを特徴とする請求項3に記載された単相モータ。
  5. 前記ヨーク部は、前記ロータの軸方向視において一対の長辺部と一対の短辺部とからなる矩形に形成され、
    前記ティース部は、前記各長辺部にそれぞれ形成されている
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載された単相モータ。
  6. それぞれの前記ティース部の前記突出方向先端に形成される先端壁部は、前記ロータの外周に沿うように弧状に形成され、
    前記先端壁部の一縁側と他縁側とは、異なる突出量に設定されている
    ことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載された単相モータ。
  7. 前記ティース部の周囲に巻回される巻線は、前記ティース部の周壁面から離隔した位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載された単相モータ。
JP2017233247A 2017-12-05 2017-12-05 単相モータ Pending JP2019103295A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233247A JP2019103295A (ja) 2017-12-05 2017-12-05 単相モータ
CN201811027000.5A CN109873543B (zh) 2017-12-05 2018-09-04 单相马达

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233247A JP2019103295A (ja) 2017-12-05 2017-12-05 単相モータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019103295A true JP2019103295A (ja) 2019-06-24

Family

ID=66915431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233247A Pending JP2019103295A (ja) 2017-12-05 2017-12-05 単相モータ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2019103295A (ja)
CN (1) CN109873543B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023171103A1 (ja) * 2022-03-09 2023-09-14 株式会社プロテリアル 回転電機

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59127571A (ja) * 1983-01-07 1984-07-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd ミシン駆動用整流子電動機
JPH08317579A (ja) * 1995-05-15 1996-11-29 Sanyo Electric Co Ltd モーター及びモーターの製造方法
JPH1023690A (ja) * 1996-06-28 1998-01-23 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 電動機
JP2000092755A (ja) * 1998-09-07 2000-03-31 Mitsubishi Electric Corp 回転電機またはリニアモータおよび回転電機の製造方法
JP2003153471A (ja) * 2001-11-08 2003-05-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機
CN101764440A (zh) * 2008-12-24 2010-06-30 德昌电机(深圳)有限公司 电机及电机定子
US20120025656A1 (en) * 2010-08-02 2012-02-02 Bao Ting Liu Universal motor

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1198720A (ja) * 1997-09-19 1999-04-09 Akira Ishizaki 単相永久磁石電動機
CN100362738C (zh) * 2005-03-22 2008-01-16 台达电子工业股份有限公司 含不对称气隙结构的马达启动方法
CN205429899U (zh) * 2014-12-11 2016-08-03 德昌电机(深圳)有限公司 单相无刷电机
CN106466729A (zh) * 2015-08-18 2017-03-01 德昌电机(深圳)有限公司 电动工具
CN106487188B (zh) * 2015-09-01 2021-04-20 德昌电机(深圳)有限公司 单相永磁电机及其定子磁芯
CN106487189A (zh) * 2015-09-01 2017-03-08 德昌电机(深圳)有限公司 一种单相电机及应用该单相电机的排气扇

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59127571A (ja) * 1983-01-07 1984-07-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd ミシン駆動用整流子電動機
JPH08317579A (ja) * 1995-05-15 1996-11-29 Sanyo Electric Co Ltd モーター及びモーターの製造方法
JPH1023690A (ja) * 1996-06-28 1998-01-23 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 電動機
JP2000092755A (ja) * 1998-09-07 2000-03-31 Mitsubishi Electric Corp 回転電機またはリニアモータおよび回転電機の製造方法
JP2003153471A (ja) * 2001-11-08 2003-05-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機
CN101764440A (zh) * 2008-12-24 2010-06-30 德昌电机(深圳)有限公司 电机及电机定子
US20120025656A1 (en) * 2010-08-02 2012-02-02 Bao Ting Liu Universal motor

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023171103A1 (ja) * 2022-03-09 2023-09-14 株式会社プロテリアル 回転電機
JP7388602B1 (ja) 2022-03-09 2023-11-29 株式会社プロテリアル 回転電機

Also Published As

Publication number Publication date
CN109873543B (zh) 2021-06-04
CN109873543A (zh) 2019-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5491484B2 (ja) スイッチドリラクタンスモータ
JP2015122936A (ja) 埋込磁石型モータ及び埋込磁石型モータの使用方法
JP5684542B2 (ja) ロータ、及びモータ
JP2012161227A (ja) 回転電機用回転子
JPWO2019064801A1 (ja) 永久磁石式回転電機
JP2014230348A (ja) ロータおよびモータ
JP5383915B2 (ja) 永久磁石型回転電機
JP2004215442A (ja) 永久磁石埋め込み同期モータ
KR102237601B1 (ko) 자석 매립형 모터 및 자석 매립형 모터를 가지는 압축기
JP2018046691A (ja) 回転電機
JP4452488B2 (ja) 永久磁石型電動機
JPWO2018220806A1 (ja) リラクタンスモータ、圧縮機および空気調和装置
CN109873542B (zh) 单相电机
JP6426931B2 (ja) 発電機
JP2019103295A (ja) 単相モータ
JP6546042B2 (ja) 同期リラクタンスモータ
JP2015171272A (ja) 永久磁石埋込型電動機およびこれを用いた密閉型電動圧縮機
JP2012029405A (ja) モータ
JP2011259630A (ja) 電気機械装置
JP2019103293A (ja) モータ
JP2006254621A (ja) 永久磁石型電動機
JP2015171163A (ja) ロータ
JP6428458B2 (ja) 埋込磁石型モータ
JP2012070506A (ja) 回転電機
KR100932687B1 (ko) 고 토크밀도 하이브리드 스테핑 모터

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210720

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220125