JPH1198720A - 単相永久磁石電動機 - Google Patents

単相永久磁石電動機

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JPH1198720A
JPH1198720A JP25466897A JP25466897A JPH1198720A JP H1198720 A JPH1198720 A JP H1198720A JP 25466897 A JP25466897 A JP 25466897A JP 25466897 A JP25466897 A JP 25466897A JP H1198720 A JPH1198720 A JP H1198720A
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phase
motor
air gap
permanent magnet
gap length
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JP25466897A
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Akira Ishizaki
彰 石崎
Shoji Shimomura
昭二 下村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単相交流で駆動される永久磁石電動機におい
て、脈動トルクを低減し、所定の方向へ回転させるこ
と。 【解決手段】 突極11の右側と左側のエアギャップ長
30a,30bに明確な段差を生じるような突極形状と
する。始動時に巻線12を電源に接続するに際して、電
源電圧の位相を判別し、突極11の位置の永久磁石21
の極性と反対の極性の磁界を生ずる方向の電流が巻線1
2に流れる電圧位相のときに巻線と電源を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子に永久磁石
を装着した電動機を単相交流で駆動する場合に、生ずる
脈動トルクを低減するとともに、所定の方向への安定な
運定を可能とする単相永久磁石電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】単相交流電動機は家庭で使用される電気
製品のみならず、電動工具等にも広く使用されている
が、その主力となっているのは単相かご形誘導電動機
(以後単相かご形モータと略記)である。これは単相か
ご形モータは構造が簡単で安価なためであるが、効率、
力率が良くないという欠点がある。
【0003】これに対し、単相永久磁石電動機(以後
「単相PMモータ」と略記)は効率、力率は良いが、運
転時の脈動トルクが大きく、また回転方向が不定で、そ
の時によって時計方向にも反時計方向にも回転するとい
う欠点があるため、回転方向の如何にかかわらず水を送
ることができる平板の羽根を用いたごく小容量のポンプ
モータに使用されているのが現状である。
【0004】この問題を解決するために、図1に示され
るように、1極のエアギャップ長が徐々に変化するよう
な鉄心形状とする方法が行われているが、その効果は充
分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】単相モータとして広く
使用されているかご形モータは効率が悪いという欠点が
ある。近年地球環境に対する問題がクローズアップさ
れ、省エネのためにモータの高効率化が要望されてい
る。高効率という点ではPMモータが最も有利であり、
高性能永久磁石の実用化とあいまって、既に3相交流の
分野ではPMモータが種々の分野に広く使用されてい
る。
【0006】しかし、単相PMモータは効率の点では有
利であるが、運転時の脈動トルクが大きいことと、始動
時にどちらの方向に回転するかが不確定であるという重
大な欠点がある。このため、ごく小容量のポンプモータ
として使用されているのみであるが、この欠点を解消す
ることができれば、現在単相かご形モータが使用されて
いる広い範囲の用途に使用することができ、大きな省エ
ネの効果をあげることができる。
【0007】本発明は、運転時の脈動トルクを低減する
とともに、始動時に所定の方向に回転させる単相PMモ
ータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、巻線を巻かれた突極を有する固定子鉄心と、
永久磁石を装着した鉄心を有する回転子によって構成さ
れ、単相交流で駆動される電動機において、各突極の右
側と左側において、エアギャップ長に明確な段差を生じ
るような突極形状としたことを特徴とする。
【0009】巻線を巻かれた突極を有する固定子鉄心
と、永久磁石を装着した鉄心を有する回転子によって構
成され、単相交流で駆動される電動機において、各突極
の右側と左側において、エアギャップ長に明確な段差を
設け、且つ左右のエアギャップ長の比を設計諸元及び負
荷トルクに応じて定まる特定の値に選定することによっ
て、運転中の脈動トルクを零または著しく小さい値とす
ることを特徴とする。
【0010】巻線を巻かれた突極を有する固定子鉄心
と、永久磁石を装着した鉄心を有する回転子によって構
成され、単相交流で駆動される電動機において、各突極
の右側と左側において、エアギャップ長に明確な段差を
生じるような突極形状とするとともにエアギャップ長の
小さな方の突極の端部にスロットを設け、隈取コイルを
取付けたことを特徴とする。
【0011】巻線を巻かれた突極を有する固定子鉄心
と、永久磁石を装着した鉄心を有する回転子によって構
成され、単相交流で駆動される電動機において、各突極
の右側と左側において、エアギャップ長に明確な段差を
生じるような突極形状とし、又はエアギャップ長の小さ
な方の突極の端部にスロットを設け、隈取コイルを取付
けた構造において、回転子の外周を導電性の材料で覆っ
たことを特徴とする。
【0012】各突極の右側と左側においてエアギャップ
長に明確な段差を設けた固定子鉄心形状を有する単相P
Mモータにおいて、始動時に巻線を電源に接続するに際
して、電源電圧の位相を判別し、突極の位置における永
久磁石の極性によって定まる特定の電圧位相のときに巻
線と電源を接続することによって、所定の方向にのみ回
転させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】先ず、各突極においてエアギャッ
プ長が一様な場合について考えてみる。突極に巻かれた
巻線に単相交流を流すと、交番磁界を生ずる。その起磁
力の基本波のピーク値をF1 とし、簡単のために2極の
場合を考えると、この交番磁界の起磁力は次式で表わさ
れるように、互いに反対方向に回転する二つの回転磁界
からなると考えることができる。
【0014】
【数1】
【0015】ここで、ωは電流の角周波数、θ1 は突極
の中央を原点としてエアギャップ円周上の空間位置を表
わす座標である。この式の第1項は正方向に回転する磁
界、第2項は負方向に回転する磁界を示している。回転
子が(1)式の正方向に回転する磁界と同期して回転し
ているとき、永久磁石によるギャップ磁束密度は、永久
磁石の起磁力の基本波成分をFm とし、エアギャップの
パーミアンス係数(単位面積当たりのパーミアンス)を
00とすると
【0016】
【数2】
【0017】として表わされる。この磁束密度と(1)
式の起磁力とによって生ずるトルクは
【0018】
【数3】
【0019】として表わされる。ここで、Φm は永久磁
石の磁束と1極の巻線との鎖交磁束数、Iは電流の実効
値、ξは電流による正方向の回転磁界のピーク値と永久
磁石の磁束密度のピーク値との間の空間的位相角であ
る。第1項は永久磁石の磁束密度と正方向回転の起磁力
とによって生ずる定常トルクであるが、第2項は永久磁
石の磁束密度と逆方向回転の起磁力とによって生ずる脈
動トルクである。
【0020】このように、一様ギャップの場合には定常
トルクと同一の振幅で、電流の角周波数の2倍の角周波
数で脈動するトルクが必ず存在するのが単相PMモータ
の欠点である。また、このような一様ギャップの場合に
は始動に問題があるので、始動を確実に行なうために、
図1のようにエアギャップ長が円柱方向の位置によって
徐々に変化するような鉄心形状にすることも行われてい
る。しかし、このような鉄心形状では脈動トルクの著し
い低減は見られず、始動時に所定の方向に回転させるこ
ともできない。
【0021】本願発明者はこの問題について研究を行な
った結果、図2のように突極の右側と左側において、エ
アギャップに明確な段差を生ずるような鉄心形状とする
ことによって、脈動トルクを著しく低減できることを理
論的に明らかにした。図2の鉄心形状の場合ギャップパ
ーミアンス係数は一般に
【0022】
【数4】
【0023】として表わされる。永久磁石が
【0024】
【数5】
【0025】として表わされるものとすると、この起磁
力と(4)式のギャップパーミアンス係数によって生ず
る磁束密度の基本波成分は次式で表わされる。
【0026】
【数6】
【0027】この磁束密度と固定子電流による起磁力並
びに永久磁石の起磁力との間に生ずるトルクを理論解析
によって求めると
【0028】
【数7】
【0029】として表わされる。ここでψ1 及びψ2
(4)式のPa01 とPb01 の関数として表わされるもの
で、極間隔をτ、鉄心長をla とするとCは
【0030】
【数8】
【0031】として表わされる。(理論については、下
村昭二、石崎彰「単相PMモータの理論とシミュレーシ
ョンによる特性解析」電気学会回転機研究会資料RM−
97−101,1997参照) トルクを表わす(7)式において、第1項と第2項は
(1)式の固定子起磁力と(6)式の永久磁石の磁束密
度との作用で生ずるトルクで、第1項は両者で回転方向
が同方向の成分の間で生ずる定常トルクであり、第2項
は両者で回転方向が反対方向の成分の間で生ずる2ωの
角周波数の脈動トルクである。
【0032】第3項も第2項と同じく2ωの角周波数の
脈動トルクであるが、これは(8)式から明らかなよう
に電流値Iとは無関係で、エアギャップに段差を設けた
ために生ずる永久磁石の磁束密度と永久磁石の起磁力と
によって生ずるトルクである。すなわち、永久磁石の磁
束密度を表わす(6)式において、第2項と第3項はエ
アギャップに段差を設けたために生ずる成分であるが、
その回転方向は(2)式の永久磁石の起磁力とは反対方
向であるので、両者の作用で生ずる脈動トルクが(7)
式の第3項である。
【0033】従って、(7)式の第2項と第3項とが互
いに打ち消しあうようにすれば、脈動トルクを低減でき
ることは明らかである。すなわち、両者の振幅が等し
く、位相が180度ずれていれば、脈動トルクを零とす
ることができるが、それに近い値とすることによって脈
動トルクを著しく低減できることは明らかであるので、
これに影響する要因について検討してみる。
【0034】(7)式の第3項はエアギャップに段差を
つけたために生ずるものであるから、段差のつけかたに
よって振幅Cの値が変化することは明らかである。い
ま、エアギャップの大きいほうの長さをδ1 、小さいほ
うの長さをδ2 とすると、両者の比δ1 /δ2 によって
段差の程度を表わすことができる。δ1 /δ2 の値によ
って脈動トルクの値が如何に変化するかの一例を図3に
示す。
【0035】この図3からδ1 /δ2 の値を適切に選定
することにとって、脈動トルクを低減することができる
ことは明らかである。このような変化をする理由につい
て考察してみると、δ1 /δ2 の値によってPa01 とP
b01 の値が変化し、その結果Cの値も変わるので、第2
項と第3項の打ち消しあう程度が変化する。これが脈動
トルクの値がδ1 /δ2 の値によって変化する理由であ
る。
【0036】しかし、図3の脈動トルクが最小になるδ
1 /δ2 の値が如何なる場合にも適用できるわけではな
い。それは第2項のΦm は永久磁石の起磁力Fm に比例
するが、第3項のCはFm 2 に比例するので、使用する
永久磁石の保持力によっても両者の振幅値のバランスは
変化する。この他、鉄心長や巻線の巻回数も両者の振幅
値のバランスに影響を与えることが分かっている。
【0037】さらに、負荷によって電流値I及び位相角
に含まれるξの値が変化するので、第2項と第3項の打
ち消しあう条件は変化する。従って、脈動トルクを零に
したり、または著しく低減するためには、このような設
計諸元及び負荷トルクに応じてδ1 /δ2 を適切な値に
選定することが必要である。このように、突極の右側と
左側とに段差をつけた場合、静止時には回転子の永久磁
石の中央はエアギャップの小さい方に片寄った位置にあ
るので、巻線を電源に接続したときに、図2の上の突極
の位置に永久磁石のN極があるとき、その突極に巻かれ
たコイルに流れる電流がN極の磁界を生ずるような方向
の場合には、反撥力を生じて回転子が時計方向へ動き、
電流の半周期後に回転子が約半回転しているとすると、
その突極の位置にはS極の永久磁石が来ている。
【0038】半周期後の電流の作る磁界はS極となるの
で、この場合にも反撥力を生じて回転子は時計方向に動
く。このような動作の繰り返しによって回転子は時計方
向に回転することになる。これに対して、図2の上の突
極の位置に永久磁石のN極があるとき、巻線が電源に接
続されて、その突極に巻かれたコイルに流れる電流がS
極の磁界を生ずるような方向である場合には、吸引力を
生ずるので、永久磁石の中央は突極の中央に戻されるよ
うに動き、慣性のために半周期後には突極の中央付近の
位置に到達する。
【0039】このとき電流による磁界はN極となるの
で、反撥力を生じて時計方向に動くが、動き始めの位置
が突極中央付近であるため、半周期後に隣の磁極に充分
入り込んでいない。この時再び電流による磁界はS極に
なるので、上の突極の吸引力によって回転子は引き戻さ
れ、慣性のために半周期後には永久磁石の中央は上の突
極の中央より左側の位置に来る。このような現象の繰り
返しによって、永久磁石の中央は徐々に突極の左側へ動
いていき、遂に反時計方向に回転することになる。
【0040】しかし、コイルに流れる電流の方向が吸引
力を生ずる場合でも、必ずしも上記の説明のように反時
計方向に回転するとは限らず、時計方向に回転する場合
もある。エアギャップに段差をつけることによって反時
計方向に回転する確率は低くなるが、その確率は設計条
件によって異なる。このように、エアギャップに段差を
設けた突極形状としても、巻線を電源に接続したときの
電圧位相によっては、回転方向が一定方向とならない可
能性がある。これでは電動機の用途が限定されるので、
常に所定の方向へ回転させるための工夫が必要である。
【0041】一定方向へ回転する可能性を高める手段の
一つとして、エアギャップの小さい側の突極の端部に隈
取コイルを設けることによって生ずる移動磁界を利用す
る方法がある。また、回転子の表面を導電性の薄板(例
えば銅板)で覆うことによって生ずる誘導電動機のトル
クを利用する方法がある。すなわち、回転子表面の銅板
がかご形巻線の作用をするので、永久磁石の反撥力によ
って回転子が時計方向に動くと、その方向に作用する単
相かご形モータのトルクを発生するので、PMモータの
トルクと加わり合って、一定方向に回転することにな
る。
【0042】これらの方法はギャップ長その他の設計条
件によっては、一定方向に回転しない場合もあり得る。
既に説明したように、明確な段差を設けた突極構造の場
合、巻線を電源に接続するときに、一つの突極の位置に
ある永久磁石の磁界の方向と反対方向の磁界を生ずるよ
うな電流を流すようにすれば、反撥力を生じて必ず一定
方向に回転するので、このような方向の電流が流れるよ
うに、電源電圧の位相を判別して、巻線を電源に接続す
る方法は、最も基本的で確実な方法である。
【0043】このように、本発明は単相交流で駆動する
永久磁石電動機において、運転時の脈動トルクを低減す
るとともに、所定の方向に回転させるようにすることに
よって、効率の良い単相交流電動機の用途を拡大し、省
エネに貢献しようとするものである。以下実施形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。図2は2極の場合
の1例であるが、固定子鉄心10には巻線12が巻かれ
た突極11が設けられている。一方、回転子は鉄心20
の表面に2極に着磁された永久磁石21が装着されてい
る。突極11の回転子に面した部分の形状は、左側のエ
アギャップ30aは大きく、右側のエアギャップ30b
は小さなギャップ長となるようにしてある。
【0044】この場合30aのギャップ長は突極の左側
半分で一定の大きな値、30bのギャップ長は突極の右
側半分で一定の小さな値となっている。図2においてコ
イルは各突極に巻かれた例を示しているが、鉄心継鉄部
分の1個所にコイルを設けることも可能である。図3は
図2の実施形態について、30aのギャップ長をδ1
30bのギャップ長をδ2 としたときに、その比δ1
δ2 に対して脈動トルクの振幅がどのように変化するか
を示した一例である。従って、鉄心長、永久磁石の保持
力、巻線の巻回数等の設計諸元及び負荷トルクに応じて
δ1 /δ2 の値を適切に選定することによって、ある負
荷条件において脈動トルクを著しく低減することができ
る。また、特定の負荷トルクに対して脈動トルクが零と
なるような設計も可能である。
【0045】図4は他の実施形態で、図2とは突極11
の形状のみが異なるので、その部分の図を示したもので
ある。図2においては大きいエアギャップ長30aの部
分と小さいエアギャップ長30bの部分の円周方向の寸
法が等しい場合であるが、図3は両者の円周方向の寸法
が異なり、30a部分の寸法が長く、30bの寸法の部
分が短い場合を示している。この場合にも30aと30
bのギャップ長の比δ 1 /δ2 を、設計諸元と負荷トル
クに応じて適切な値を選定することによって、脈動トル
クを著しく低減することができる。
【0046】図5も別の実施形態で、図2とは突極11
の形状のみが異なるので、その部分の図を示したもので
ある。図2においては大きいギャップ長30aと小さい
ギャップ長30bとにおいて、それぞれの部分のギャッ
プ長は一定であった。図5は30aと30bとはギャッ
プ長に明確な段差があるが、30aと30bのそれぞれ
においてギャップ長が一定ではなく、徐々に変化してい
る場合を示している。
【0047】勿論30aと30bのいずれか一方のギャ
ップ長が一定で、他方のギャップ長が徐々に変化する場
合も考えられる。この場合にも30aと30bのそれぞ
れにおける平均ギャップ長をδ1 及びδ2 とすると、そ
の比δ1 /δ2 を設計諸元と負荷トルクに応じて適切な
値を選定することによって、脈動トルクを著しく低減す
ることができる。
【0048】これまではすべて2極機の場合について述
べてきたが、多極機にも適用できることは勿論である。
図6は4極機の場合の実施形態で、各突極11において
エアギャップの30aと30bにおいてギャップ長に段
差を設けた形状になっている。この場合も勿論、図2と
同様に鉄心表面に永久磁石を張り付けた構造とすること
も可能であるが、この実施形態では永久磁石21を回転
子鉄心20内部に埋込んだ内部磁石形の場合にも適用で
きることを示している。
【0049】図7は図2において、突極のギャップ長の
小さい方の端部にスロット13を設け、そこに隈取コイ
ル14を納めた実施形態を示す。図8は図2において、
回転子の永久磁石21の外周に銅板22を装着した実施
形態である。図9は確実に所定の方向に回転させるため
の実施形態で、電動機の突極11のエアギャップ長の小
さい部分の表面に磁気センサ15を取付けてある。巻線
12と電源との間にはトライアックのような双方向導通
半導体素子40が挿入されている。この場合、開閉器4
1を閉じても、トライアック40のゲートに電圧が加え
られない限り、巻線12には電流は流れない。
【0050】電圧位相検出回路42は電源電圧の正の半
波の立上りと負の半波の立下がりを判別する回路であ
る。巻線12に正方向の電流が流れたときにその電流の
作る磁界がN極であるとすると、磁気センサ15で検出
した永久磁石の極性がN極であれば、ゲート駆動回路4
3は電圧位相検出回路42からの入力と磁気センサ15
からの入力に基づいて、巻線に正方向の電流が流れる電
圧位相を選んでトライアック40のゲートを駆動する電
圧を出力する。
【0051】これによってトライアック40は導通して
巻線に正方向の電流が流れ、反撥力を生じて回転子は必
ず時計方向に回転する。この例で用いたトライアックの
代わりに、電磁接触器を用いて、適切な電圧位相のとき
に電磁接触器を閉じるようにすることもできる。このよ
うな磁気センサを用いない方法もある。主回路の電磁接
触器を開いた状態で、巻線に短時間直流を流す。この直
流によってS極の極性を持つ磁界を生ずる突極の位置に
は永久磁石のN極が来るので、直流を切った後にこの直
流と反対方向の電流が流れるような電圧位相のときに電
磁接触器を閉じるようにすれば、反撥力を生じて時計方
向に回転する。
【0052】以上の説明に用いた図は、すべてエアギャ
ップの内側から磁極表面を見たときに、磁極の右側にお
いてギャップ長が小さくなるような突極形状になってい
るので、図9の方法で始動すると必ず時計方向に回転す
るが、これとは反対に磁極の左側においてギャップ長が
小さくなるような突極形状にすることによって、反時計
方向に回転させることができる。
【0053】図には記載してないが、いずれの場合も、
遠心力によって永久磁石が鉄心表面から離れる恐れのあ
る場合には、非磁性の材料で永久磁石の外側をバインド
したり、非磁性の円筒で覆ったりすることによってこれ
を防止する。また、電動機を水中で使用する場合には、
巻線部への水の侵入を防止するとともに、永久磁石の表
面を非磁性の材料で覆うことによって永久磁石の水によ
る錆の発生や腐食を防止する。
【0054】上記の実施形態はいずれも回転子が内側に
あるインナロータ形で説明したが、回転子が外側にある
アウタロータ形にも適用できることは勿論である。この
単相PMモータは単相インバータで駆動することによっ
て可変速運転が可能である。家庭電気製品において高効
率を目的としてインバータによる可変速を行なう場合に
は、現在は3相PMモータが用いられている。この単相
PMモータを用いれば、インバータに使用する半導体素
子の数が少なくてすむので、全体として、小形で安価と
なる。
【0055】
【発明の効果】単相PMモータは効率は良いが、運転時
の脈動トルクが大きいことと、始動時に回転方向が一定
せず正逆いずれの方向にも回転し得るので、回転方向如
何にかかわらずポンプ作用をすることのできる平板の羽
根を用いたごく小容量のポンプ等の用途に限定されてい
た。
【0056】本発明によって所定の方向に回転させるこ
とが可能となるので、その回転方向に対して効率の良い
羽根を使用することによって、平板の羽根を用いた場合
に比べて、所定の揚程と流量のポンプを駆動するのに必
要な電気動力を減少させることができる。これによって
電動機が小形軽量になり、装置の小形化を可能にすると
ともに省エネ効果をあげることができる。
【0057】このように所定の方向に回転できることに
加えて、脈動トルクの減少によって、このような小容量
のポンプに限らず、より容量の大きいポンプ、ファンあ
るいは家庭電気製品等への使用が可能となる。従来この
ような用途に用いられていたのは単相かご形モータであ
るが、効率が悪いという欠点がある。これに代わって効
率の良い単相PMモータが広く使用されれば、大きな省
エネ効果をあげることができ、現在重大な関心を持たれ
ている環境問題にも大きな貢献をすることが期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による2極単相PMモータの断面図
【図2】突極鉄心の左右のエアギャップ長に段差を設け
た2極単相PMモータの断面図
【図3】エアギャップ長の比とトルク脈動率の関係を示
すグラフ
【図4】エアギャップ長の大きい部分と小さい部分の円
周方向の寸法の異なる場合の突極部の断面図
【図5】エアギャップ長の大きい部分と小さい部分のそ
れぞれにおいて、ギャップ長が徐々に変化する場合の突
極部の断面図
【図6】突極鉄心の左右のエアギャップ長に段差を設
け、回転子鉄心内部に永久磁石を埋込んだ4極単相PM
モータの断面図
【図7】突極鉄心の左右のエアギャップ長に段差を設
け、且つ隈取コイルを有する2極単相PMモータの断面
【図8】突極鉄心の左右のエアギャップ長に段差を設
け、且つ回転子表面を銅板で覆った2極単相PMモータ
の断面図
【図9】所定の方向に回転させるための実施形態のブロ
ック図
【符号の説明】
10:固定子鉄心 11:突極 12:巻線 13:スロット 14:隈取コイル 15:磁気センサ 20:回転子鉄心 21:永久磁石 22:銅板 30a:大きいエアギャップ長の部分 30b:小さいエアギャップ長の部分 40:トライアック 41:開閉器 42:電圧位相検出回路 43:ゲート駆動回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻線を巻かれた突極を有する固定子鉄心と
    永久磁石を装着した回転子によって構成され、各突極の
    右側と左側のエアギャップ長に明確な段差を生じるよう
    な突極形状としたことを特徴とする単相交流電動機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の単相交流電動機に於いて、
    大きいエアギャップ長と小さいエアギャップ長との比を
    設計諸元と負荷トルクに対応して定まる特定の値に選定
    することによって、運転中の脈動トルクを著しく低減す
    ることを特徴とする単相交流電動機。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の単相交流電動機に於
    いて、エアギャップの小さいほうの突極の端部にスロッ
    トを設け、隈取コイルを取付けたことを特徴とする単相
    交流電動機。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の単相交流電動機
    に於いて、回転子の外周を導電性の材料で覆ったことを
    特徴とする単相交流電動機。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載の単相交流電
    動機に於いて、始動時に巻線を電源に接続するに際し
    て、電源電圧の位相を判別し、突極の位置における永久
    磁石の極性によって定まる特定の電圧位相のときに巻線
    と電源を接続することによって、所定の方向にのみ回転
    させることを特徴とする単相交流電動機。
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