JP2019102777A - 複合磁性体の製造方法および複合磁性体ならびにそれを用いた磁性塗料および磁性部品 - Google Patents

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まりえ 吉清
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Abstract

【課題】イプシロン酸化鉄を含む磁性体において、磁気特性に優れた磁性体を得る方法を提供する。【解決手段】超常磁性Fe3O4をケイ素化合物によって被覆する工程、被覆した超常磁性Fe3O4を酸化雰囲気中で熱処理してγ−Fe2O3とε−Fe2O3の複相とする工程、熱処理したγ−Fe2O3とε−Fe2O3の複相をアルカリ溶液によってケイ素化合物を溶解することで抽出する工程をそれぞれ備えた、複合磁性体の製造方法及びその関連技術を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は高密度磁気記録媒体、電波吸収体等に適用される、複合磁性体の製造方法および複合磁性体およびそれを使用した磁性塗料、磁性部品に関する。
イプシロン酸化鉄は、鉄サイトの異種元素置換や粒子径を様々に変化させることによって、吸収可能な周波数帯を任意に変化させることが出来るという特徴的な性質を有している。また、特徴的な高い保磁力は高密度磁気記録用途への応用も期待されており、現在も様々な研究機関などで検討が進められている。
しかしながら、イプシロン酸化鉄は本発明者が以前から述べているとおり、酸化鉄が取り得る相の中でも極めて珍しい相であり、単相で得られることが大変困難であった。現在までに本発明者らは、逆ミセルを活用した方法、原材料としてβ型の酸化水酸化鉄を出発物質として得る方法について提案してきた(例えば特許文献1など)。
また、近年では中谷らによってオレイルアミンもしくはオレイン酸で被覆された酸化鉄(Fe)を出発物質とするイプシロン酸化鉄の製造例が開示されている。この方法によれば、原料の酸化鉄は粒子の制御が比較的容易であるため、それによって得られるイプシロン酸化鉄のサイズや粒子径制御が比較的容易になるとされている(非特許文献1)。
特許第6133749号公報
中谷 公益社団法人ホソカワ粉体工学振興財団年報 No.21(2013)p.54−60
例え単相であったとしても、従来から得られているイプシロン型磁性粒子の飽和磁化値は低く、用途によってはさらに高い飽和磁化値を要求される可能性が指摘されている。そこで本発明では、イプシロン酸化鉄を含む磁性体において、磁気特性に優れた磁性体を得る方法を提供することを目的とした。
上記の課題は、以下に示す方法により達成することが出来るとともに、得られる特異な粉末は、磁性部品などの任意の製品に利用することが可能になる。
すなわち、第1の発明は、超常磁性Feをケイ素化合物によって被覆する工程、被覆した超常磁性Feを酸化雰囲気中で熱処理してγ−Feとε−Feの複相とする工程、熱処理したγ−Feとε−Feの複相をアルカリ溶液によってケイ素化合物を溶解することで抽出する工程をそれぞれ備えた、複合磁性体の製造方法である。
第2の発明は、上記の超常磁性FeのTEM(透過型電子顕微鏡)によって算出される数平均粒子径が5〜25nmである、第1の発明に記載された複合磁性体の製造方法である。ここでいう数平均粒子径とは、いわゆる個数分布のことを指し、つまり粒子の個数と大きさを分布として表記する方法によって、算出された平均径である。
第3の発明は、外部磁場を20kOe(1.59kA/m)印加して計測される磁化値が35emu/g以上であって、γ−Feとε−Feの複相である複合磁性体である。
第4の発明は、外部磁場を20kOe(1.59kA/m)印加して計測される磁化値が50emu/g以上であって、γ−Feとε−Feの複相である複合磁性体である。
第5の発明は、複合磁性体のTEM(透過型電子顕微鏡)によって算出される数平均粒子径が10nm以上30nm以下である、第3又は4の発明に記載された複合磁性体である。
第6の発明は、第3〜第5のいずれかの発明において得られるγ−Feとε−Feの複相を含む複合磁性体が液体および/または樹脂に分散された磁性塗料である。ここでいう複相とは、たとえばX線による構造分析時において、γ相とε相がともに確認できる状態にあることをいう。
第7の発明は、第3〜第5のいずれかの発明において得られるγ−Feとε−Feの複相である複合磁性体が含まれる磁性部品または磁気記録媒体である。
従来単相のイプシロン酸化鉄であっても得られなかった飽和磁化を有した、混相である複合磁性体が得られるようになるため、磁性部品などを設計する際の自由度をより改善することができるようになる。
本発明の実施例1にかかる粒子のX線回折測定結果である。 本発明の実施例2にかかる粒子のX線回折測定結果である。 本発明の実施例3にかかる粒子のX線回折測定結果である。
(複合磁性体)
本実施形態に係る複合磁性体は、ε−Fe相とγ−Fe相を有する複相の酸化鉄ナノ磁性粒子を含む酸化鉄ナノ磁性粒子粉末である。磁性粒子の数平均粒子径5nm以上30nm以下、好ましくは5〜25nmである。本実施形態の複合磁性体は、後の実施例で述べるとおり、外部磁場を10kOeから70kOeに種々変化させた際であっても、磁化値は35emu/g以上、より好ましいものは50emu/g以上の値を示す。
ε−Feとγ−Feの構成比としては、γ−Feに対するε−Feの比率(ε−Fe/γ−Fe)が1未満であるとよい。複合磁性体の磁化値を向上させる観点からは、上記比率が0.8以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましい。比率の下限値は特に限定されないが、0.1以上であることが好ましい。この比率が1を超過すると、ε−Feの構成比が高くなってしまい、単相に近いものとなってしまう。
平均粒子径は各粒子が単磁区構造となる程度に微細であることが好ましく、透過電子顕微鏡で観察される数平均粒子径が30nm以下、好ましくは25nm以下、一層好ましくは20nm以下であることが好ましい。しかし、平均粒子径が小さくなり過ぎると、磁性粒子粉単位重量当たりの磁気特性が悪化する可能性も考えられる。そのため、下限値としては5nm以上、好ましくは10nm以上とするのが良い。
(透過電子顕微鏡(TEM)観察)
透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社、JEM2000EX)により、本発明に係る複合磁性体(酸化鉄ナノ磁性粒子粉)の100万倍の写真を撮影し、当該写真から各粒子における最も長い径と、最も短い径とを測定し、その平均値を算出することにより粒子径を求めた。独立した各粒子の少なくとも100個以上について求めた粒子径の平均値を、試料粉末の平均粒子径とした。そして、当該粒子径のデータを統計処理することで、標準偏差を算出した。
本発明に係る複合磁性体の粒子径分布の標準偏差を求め、当該複合磁性体の平均粒子径の値から当該標準偏差の値を減じた値を当該複合磁性体の粒子径の下限と考え、当該複合磁性体を球形近似して、粒子の体積を求め粒子体積(1)とした。同様に、当該複合磁性体の平均粒子径の値へ当該標準偏差の値を加えた値を当該複合磁性体の粒子径の上限と考え、当該複合磁性体を球形近似し、粒子の体積を算出し、粒子体積(2)とした。
平均粒子体積=(4/3)×π×((平均粒子径(nm)/2)
粒子体積(1)=(4/3)×π×((平均粒子径(nm)−粒子径の標準偏差(nm))/2)
粒子体積(2)=(4/3)×π×((平均粒子径(nm)+粒子径の標準偏差(nm))/2)
上記の数式で算出されるこのとき、粒子体積(1)の値が65nm以上であり、粒子体積(2)の値が15000nm以下を満たす粒子群であれば、上述した粒度分布の均一性が担保され、磁気記録媒体や磁気遮蔽膜などに用いられる磁性粒子として好適であるといえる。
これは、粒子体積(1)の値が65nm以上、より好ましくは500nm以上であれば、熱揺らぎの影響を受けることが無くなり、超常磁性体になる可能性が減じる。一方、粒子体積(2)の値が15000nm以下、より好ましくは10000nm以下であれば、粒子体積が大き過ぎて磁気媒体とした場合のノイズの原因になることを回避出来ると考えられる。
さらに本発明者らの検討によると、複合磁性体において、粒子体積(2)の値から粒子体積(1)の値を減じた、粒子体積[(2)−(1)]の値が6500nm以下、より好ましくは3000nm以下であれば、さらに好ましいことが判明した。当該値が6500nm以下であることは、粒子体積の分布が均整であることを示し、保磁力分布のばらつきが抑制されていると考えることが出来る。
<製造方法>
本発明に係る複合磁性体の製造方法の一例について説明する。数平均粒子径5〜30nm、好適には5〜25nmの超常磁性マグネタイト粒子(超常磁性Fe粒子)を純水に分散させたものを用意する(あるいは市販の超常磁性マグネタイト水分散液を使用しても良い)。ここで、超常磁性とは、強磁性体の微粒子の集合体が示す磁性であって、低い磁界で飽和を示すものの、ヒステリシスを持たず、残留磁化もないようなものをいう。
当該分散液へアンモニア水溶液の滴下により添加して、0〜100℃、好ましくは20〜60℃で30分間以上撹拌する。ここで、当該アンモニアを添加した分散液へ、ケイ素化合物としてのテトラエトキシシラン(TEOS)を前記酸化鉄1モルあたり0.5〜15モル滴下し、15時間以上、30時間以下で撹拌した後、室温まで放冷する。これにより、超常磁性Fe粒子の表面にケイ素化合物を被覆させ、被覆粉末を得る。尚、放冷が完了したら、所定量の沈殿剤(例えば、硫酸アンモニウム等)を加えることが好ましい。
当該放冷した被覆粉末を含む分散液を遠心分離(例えば、3500rpm、50分間)し、上澄みを除去して、沈殿物(被覆粉末)を純水洗浄する。沈殿物へ純水を添加して撹拌して分散液とし、再び、遠心分離を行い、上澄みを除去する。当該遠心分離と純水洗浄とを3回以上繰り返した後、沈殿物を回収し、60℃程度で乾燥させて乾燥粉とする。
当該乾燥粉を酸化性雰囲気下、900℃以上、1200℃未満、好ましくは950℃以上、1150℃以下で、0.5〜30時間、好ましくは1〜24時間、一層好ましくは2〜5時間の熱処理を施し、熱処理粉を得る。得られた熱処理粉においては、ケイ素酸化物によって被覆された状態でγ−Fe相とε−Fe相とが生成している。
尚、上記酸化性雰囲気として大気を用いることは、コスト、作業性、得られるものの品質安定性の観点から好ましい。
得られた熱処理粉を、解粒処理したのち、液温60℃以上90℃以下、好ましくは80℃以下、濃度3M以上の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に添加し、15時間以上、30時間以下攪拌することにより、当該熱処理粉からケイ素酸化物を溶解により除去し、複合磁性体を得ることが出来る。
(磁性塗料の製造方法)
本実施形態に係る複合磁性体(磁性粉末)を磁性塗料とするには、例えば以下の方法が採用できる。
すなわち、複合磁性体(上述で回収された粉末)0.500gを秤量し、これをポット(内径45mm、深さ13mm)に入れ、蓋を開けた状態で10分間放置する。次にビヒクル〔塩ビ系樹脂MR−110(日本ゼオン株式会社(現在は株式会社カネカに事業譲渡)製)(22質量%)、シクロヘキサノン(38.7質量%)、アセチルアセトン(0.3質量%)、ステアリン酸nブチル(0.3質量%)、メチルエチルケトン(MEK;38.7質量%)の混合液〕を0.700mL採取し、これを前記のポットに添加する。
その後、直ちにスチールボール(2mm径)30g、ナイロンボール(8mm径)10個をポットに加え、蓋を閉じ10分間静置する。その後、このポットを遠心式ボールミルにセットし、ゆっくりと回転数を上げ、600rpmに合わせ、60分間分散処理を行う。遠心式ボールミルが停止した後、ポットを取り出し、あらかじめ、MEKとトルエンを1:1で混合しておいた調整液を1.800mL添加する。再度遠心式ボールミルにこのポットをセットし、600rpmで5分間分散処理することにより、磁性塗料を調製することができる。
<磁性部品、磁気記録媒体>
本実施形態に係る複合磁性体を含む磁性部品とは、先に例示したような磁性塗料をシート上に塗布乾燥して使用するケース(ここで磁性塗料の構成は適宜変更させうる)、磁性体を樹脂に混ぜ込んでコンパウンドとし、成形体として使用するケースなどが例示できる。また磁気記録媒体としては、先に例示した磁性塗料を公知の方法で塗布して形成させる方法が適宜採用されうる。
<磁気特性の評価>
複合磁性体の磁気特性(70kOeにおける磁化値)を測定した。具体的には、カンタムデザイン社製MPMS7のSQUID(超伝導量子干渉計)を用い、最大印加磁場(外部磁場)70kOe、温度300Kで測定した。
<X線回折による構成割合評価>
試料粉末を粉末X線回折(XRD:リガク製UltimaIV、線源CuKα線、電圧40kV、電流30mA)にかけ、解析はRigaku PDXLソフトフェアを使用し、試料粉末の結晶構成比を算出した。
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。特記無い限り、以下の説明においては、上記の製造方法及び評価方法を採用した。尚、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
前駆体としてFe水分散液(粒子径10±1.5nm:米国サイトダイアグノスティクス社製の市販品、IO−A10−10、マグネタイト濃度:5mg/mL、磁化:>45emu/g)を用いた。25質量%アンモニア水溶液1.9mLを、前記のFe水分散液45mLに加えた後に、50℃で30分間撹拌した。
次に、撹拌後液にテトラエトキシシラン(TEOS)2.4mLを加えた後に、50℃で20時間撹拌した後、室温まで冷却した。冷却後に硫酸アンモニウムを2.0g加えることによりオレンジ色のゲルを得た。
得られたオレンジ色のゲルを遠心分離処理により回収し、純水で洗浄した後に60℃で1日乾燥させることで乾燥粉を得た。得られた乾燥粉を大気雰囲気下、1001℃で4時間加熱処理して熱処理粉を得た。次に得られた熱処理粉を5mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液70mLに入れ、液温70℃にて撹拌することにより、酸化鉄結晶を被覆しているケイ素酸化物を除去して、実施例1に係る複合磁性体を得た。
得られた実施例1に係る複合磁性粉末における、平均粒子径、標準偏差の値、平均粒子体積、粒子体積(1)、粒子体積(2)、粒子体積[(2)−(1)]、外部磁場70kOeのときの磁化の値を表1に示す。表1にはX線回折による構成割合評価の結果も記載し、X線回折測定プロットは図1に示す。また、20kOe(1.59kA/m)を含め印加磁場(外部磁場)を各々変化させることで計測された磁化の値について、表2に示した。
<実施例2>
実施例1において、Fe水分散液を米国サイトダイアグノスティクス社製の市販品であるIO−A20−10(粒子径20±3.0nm、マグネタイト濃度:5mg/mL、磁化:>20emu/g)に変更した以外は実施例1と同様の手順により、実施例2に係る複合磁性粉末を得た。
実施例2についても、得られた実施例に係る複合磁性粉末における、平均粒子径、標準偏差の値、平均粒子体積、粒子体積(1)、粒子体積(2)、粒子体積[(2)−(1)]、外部磁場70kOeのときの磁化の値を表1に示す。表1にはX線回折による構成割合評価の結果も記載し、X線回折測定プロットは図2に示す。また、20kOe(1.59kA/m)を含め印加磁場(外部磁場)を各々変化させることで計測された磁化の値について、表2に示した。
<実施例3>
実施例1において、得られた乾燥粉を1001℃で加熱して熱処理する時間を4時間から24時間に変更した以外は同様にして、熱処理粉を得た。得られた実施例に係る複合磁性粉末における、平均粒子径、標準偏差の値、平均粒子体積、粒子体積(1)、粒子体積(2)、粒子体積[(2)−(1)]、外部磁場70kOeのときの磁化の値を表1に示す。表1にはX線回折による構成割合評価の結果も記載し、X線回折測定プロットは図3に示す。また、20kOe(1.59kA/m)を含め印加磁場(外部磁場)を各々変化させることで計測された磁化の値について、表2に併せて示した。
<比較例>
別法による無置換型ε酸化鉄の製造方法の例として、特開2017−1944号の比較例1を実施した。すなわち、1L三角フラスコに、純水420mLと、平均粒子径約6nmの酸化水酸化鉄(III)ナノ微粒子(β−FeO(OH))のゾル8.0gを入れ、50℃に加温して、均一分散液となるまで撹拌した。ここに、25%アンモニア水溶液19.2mLを滴下し、50℃で30分間攪拌した。さらにこの分散液に、テトラエトキシシラン(TEOS)24mLを滴下し、50℃で20時間攪拌した後、室温まで放冷した。当該分散液が室温まで放冷した。放冷後に硫酸アンモニウムを20g加えることにより沈殿物を析出させた。
当該析出した沈殿物を遠心分離処理(3500rpm、50分間)し、上澄みを除去して沈殿物を採集した。採集した沈殿物を純水で洗浄し、再度、遠心分離処理を実施した。当該遠心分離処理と純水洗浄とを3回実施した後、沈殿物をシャーレに移して60℃乾燥機中で乾燥させ、乾燥粉とした。
当該粉砕粉を炉内に装填し、大気雰囲気下において、特開2017−1944号公報の図2に示す熱処理条件にて熱処理を施し熱処理粉を得た。得られた熱処理粉を250mL三角フラスコに装填し、5モル/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液140mlで、液温70℃、24時間攪拌することにより、熱処理粉からケイ素酸化物を除去した。
次いで、シリコン酸化物を除去した熱処理粉を遠心分離処理(5000rpm、10分間)し、上澄みを除去して沈殿物を採集した。採集した沈殿物を約35mlの純水で洗浄し、再度、遠心分離処理(10000rpm、5分間)し、上澄みを除去して沈殿物を採集した。採集した沈殿物を約35mlの純水で洗浄し、遠心分離処理(14000rpm、60分間)し、上澄みを除去する工程を2回繰り返して、比較例に係るイプシロン酸化鉄を得た。比較例において特記無い作業内容は実施例1と同様の手順とした。
得られた比較例に係るイプシロン酸化鉄における、平均粒子径、標準偏差の値、平均粒子体積、粒子体積(1)、粒子体積(2)、粒子体積[(2)−(1)]、外部磁場70kOeのときの磁化の値を表1に示す。表1にはX線回折による構成割合評価の結果も記載した。
Figure 2019102777
Figure 2019102777
以上の結果より、各実施例ならば、従来単相のイプシロン酸化鉄であっても得られなかった飽和磁化値を有した、混相である複合磁性体が得られるようになるため、磁性部品などを設計する際の自由度をより改善することができるようになることが期待される。

Claims (7)

  1. 超常磁性Feをケイ素化合物によって被覆する工程、
    被覆した超常磁性Feを酸化雰囲気中で熱処理してγ−Feとε−Feの複相とする工程、
    熱処理したγ−Feとε−Feの複相をアルカリ溶液によってケイ素化合物を溶解することで抽出する工程をそれぞれ備えた、
    複合磁性体の製造方法。
  2. 超常磁性FeのTEM(透過型電子顕微鏡)によって算出される数平均粒子径が5〜25nmである、
    請求項1に記載の複合磁性体の製造方法。
  3. 外部磁場を20kOe(1.59kA/m)印加して計測される磁化値が35emu/g以上であって、
    γ−Feとε−Feの複相を含む複合磁性体。
  4. 外部磁場を20kOe(1.59kA/m)印加して計測される磁化値が50emu/g以上であって、
    γ−Feとε−Feの複相を含む複合磁性体。
  5. 複合磁性体のTEM(透過型電子顕微鏡)によって算出される数平均粒子径が10nm以上30nm以下である、
    請求項3又は4に記載の複合磁性体。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項において得られるγ−Feとε−Feの複相である複合磁性体が液体および/または樹脂に分散された磁性塗料。
  7. 請求項3〜5のいずれか一項において得られるγ−Feとε−Feの複相である複合磁性体が含まれる磁性部品または磁気記録媒体。
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