JP2019102136A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電流センサの動作周波数帯域を超過するような、燃料電池に対するインピーダンス計測用の交流信号が出力されても、燃料電池と接続されたリチウムイオン二次電池に対する、適切な充電電力制限値の設定を可能とする。【解決手段】FDC14は、リチウムイオン二次電池12及び燃料電池10との間に接続され、燃料電池10の出力電圧を昇圧する。FDC−ECU20は、燃料電池10に対するインピーダンス計測時に、FDC14への操作信号として昇圧信号に交流信号を重畳させる。Bat電流センサ32は、リチウムイオン二次電池12への流出入電流を計測する。Bat−ECU18は、Bat電流センサ32による計測電流値Ibに基づきリチウムイオン二次電池12が充電中である場合に、計測電流値Ibに、交流信号に基づく電流リプルの振幅の半値A_high_k/2またはA_low_k/2を嵩増しした値を用いて、リチウムイオン二次電池12への充電電力制限値Winを算出する。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池を含む燃料電池システムに関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池では、燃料電池内部の電解質膜の湿潤度に応じて内部抵抗が変化することが知られている。例えば電解質膜が乾燥すると内部抵抗が増加する。また、燃料電池内の水分量が過剰であると、燃料電池の電極が水分で覆われてしまうため、反応物質である酸素、水素の拡散が阻害され(拡散抵抗が増加し)、その結果、出力電圧が低下する。
このように、燃料電池を高効率で運転させる上で、その内部の水分管理が重要となる。燃料電池の内部水分量と燃料電池の複素インピーダンスとの間には相関関係があることが知られており、この複素インピーダンスを計測することで、間接的に燃料電池の内部水分量を把握する、交流インピーダンス法と呼ばれる計測法が従来から用いられている。
例えば特許文献1のように、燃料電池を搭載する燃料電池車等においては、燃料電池の出力電圧を昇圧させるDC/DCコンバータが設けられる。交流インピーダンス法の実施に当たり、昇圧信号にインピーダンス測定のための交流信号を重畳させ、当該重畳信号に基づいてDC/DCコンバータのスイッチング素子を駆動させる。さらにこれにより得られた交流電圧及び交流電流から、燃料電池の複素インピーダンスが計測可能となる。
ところで、DC/DCコンバータによって昇圧された電力は、回転電機等の負荷や二次電池に送られる。二次電池は例えば燃料電池の出力補助や回生電力の受入れ先等の目的で設けられる。
この二次電池がリチウムイオン二次電池である場合、大電流によるいわゆる高レート充電等を行うとリチウムが析出することが知られている。例えば燃料電池からDC/DCコンバータを経由してリチウムイオン二次電池に供給される電流に、インピーダンス計測に基づく電流リプルが含まれると、その極値(ピーク値)において電力制限値を超過してリチウム析出に至るおそれがある。
そこで例えばリチウムイオン二次電池への流出入電流を電流センサで計測し、計測された電流値のうちそのピーク値に基づいて、リチウムイオン二次電池への充電電力制限値を定め、リチウム析出等の劣化を抑制することが考えられる。
しかしながら、電流センサの仕様によっては、インピーダンス計測用に出力される交流信号の周波数が、予め定められた電流センサの動作周波数帯域を超過する場合がある。このような場合、電流リプルに起因するピーク値の検出が困難となり、その結果、適切な充電電力制限値の設定が困難となるおそれがある。
本発明は、リチウムイオン電池を含む燃料電池システムに関する。当該燃料電池システムは、DC/DCコンバータ、コンバータ制御部、電流センサ、及び二次電池制御部を備える。DC/DCコンバータは、リチウムイオン二次電池及び燃料電池との間に接続され、燃料電池の出力電圧を昇圧する。コンバータ制御部は、燃料電池に対するインピーダンス計測時に、DC/DCコンバータへの操作信号として昇圧信号に交流信号を重畳させる。電流センサは、リチウムイオン二次電池への流出入電流を計測する。二次電池制御部は、電流センサによる計測電流値に基づきリチウムイオン二次電池が充電中である場合に、計測電流値に、交流信号に基づく電流リプルの振幅の半値を嵩増しした値を用いて、リチウムイオン二次電池への充電電力制限値を算出する。
本発明によれば、電流センサの動作周波数帯域を超過するような、インピーダンス計測用の交流信号が出力されても、リチウムイオン二次電池への適切な充電電力制限値の設定が可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
<全体構成>
図1には、実施形態に係る燃料電池システムの全体構成が例示される。燃料電池システムは、燃料電池10、リチウムイオン二次電池12、燃料電池コンバータ14(FDC)、二次電池コンバータ16(BDC)、二次電池制御部18(Bat−ECU)、FDC制御部20(FDC−ECU)、及びBDC制御部22(BDC−ECU)を備える。
図1には、実施形態に係る燃料電池システムの全体構成が例示される。燃料電池システムは、燃料電池10、リチウムイオン二次電池12、燃料電池コンバータ14(FDC)、二次電池コンバータ16(BDC)、二次電池制御部18(Bat−ECU)、FDC制御部20(FDC−ECU)、及びBDC制御部22(BDC−ECU)を備える。
燃料電池10は、複数の燃料電池セルが積層されたスタックで構成され、例えば燃料ガスとして水素ガスが陰極室に循環され、酸化ガスとして空気が陽極室に循環される。そして、陽極室と陰極室とを仕切る電解質膜を移動イオン(H+)が通過して、陽極、陰極において水素の酸化反応が進むことで電力が発生する。
燃料電池10の出力端には、燃料電池10の出力電圧を昇圧するDC/DCコンバータである、燃料電池コンバータ14(Fuel Cell DC/DC Converter、以下適宜FDCと記載する)が設けられる。図1に示されているように、FDC14は燃料電池10とリチウムイオン二次電池12との間に接続される。
FDC14はIGBT等の複数のスイッチング素子が設けられる。これらスイッチング素子のオン/オフ動作によって入力電圧(燃料電池10から出力された直流電圧)が昇圧される。また後述するように、燃料電池10のインピーダンス計測時には、スイッチング素子のオン/オフ動作により、昇圧された出力電圧に交流成分が含まれる。FDC14から出力された電力は、二次電池コンバータ16を介してリチウムイオン二次電池12に供給される。また、インバータ24を介して、回転電機26等の負荷に電力が供給される。
燃料電池10には、その状態を計測するための各種センサが設けられている。具体的には、燃料電池10への流出入電流Ifを計測するFC電流センサ28及び燃料電池10の両端電圧Vfを計測するFC電圧センサ30が設けられる。FC電流センサ28により計測された電流If及びFC電圧センサ30により計測された電圧Vfは、FDC制御部20に送信される。
FDC制御部20(以下適宜、FDC−ECUと記載する)は、FDC14の電力変換制御を行う。この電力変換制御には、昇圧制御と、後述するインピーダンス計測制御が含まれる。昇圧制御では、FDC−ECU20はFDC14に操作信号として昇圧信号を出力する。例えば所定の昇圧率(Vout/Vin)に応じて一周期当たりのオン期間及びオフ期間が定められたPWM信号が昇圧信号として、FDC14のスイッチング信号に送信される。
また後述するように、インピーダンス計測制御では、FDC−ECU20は操作信号として、上述の昇圧信号にインピーダンス計測用の交流信号を重畳してその重畳信号をFDC14のスイッチング信号に送信する。
FDC−ECU20は例えばコンピュータから構成され、図示しないCPU等の演算部や、メモリ及びハードディスクドライブ等の記憶部を備える。記憶部には後述するインピーダンス計測を実行するためのプログラムが記憶されている。当該プログラムを演算部が実行することで、上記した演算部及び記憶部等のリソースが適宜割り当てられて、FDC−ECU20には図1に示される機能部が生成される。この機能部はインピーダンス演算部20Aが含まれる。この機能については後述する。
リチウムイオン二次電池12は、回転電機26等の負荷に対して燃料電池10と並列に接続される。リチウムイオン二次電池12は、例えば燃料電池10の出力補助や、回転電機26からの回生電力の受入れ先として機能する。リチウムイオン二次電池12は、リチウムイオン二次電池の単電池(セル)が複数積層されたスタックであってよい。
リチウムイオン二次電池12の出力端には、二次電池コンバータ16(Battery DC/DC Converter、以下適宜BDCと記載する)が設けられる。BDC16はFDC14と同様に、IGBT等の複数のスイッチング素子が設けられる。これらスイッチング素子のオン/オフ動作によって入力電圧(リチウムイオン二次電池12から出力された直流電圧)が昇圧される。BDC16から出力された電力は、インバータ24を介して、回転電機26等の負荷に供給される。
リチウムイオン二次電池12には、その状態を計測するための各種センサが設けられている。具体的には、リチウムイオン二次電池12への流出入電流Ibを計測するBat電流センサ32及びリチウムイオン二次電池12の両端電圧Vbを計測するBat電圧センサ34が設けられる。さらに、リチウムイオン二次電池12の温度Tbを計測するBat温度センサ36が設けられる。
Bat電流センサ32により計測された電流Ib及びBat電圧センサ34により計測された電圧Vbは、BDC16のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するBDC制御部22に送られる。BDC制御部22は、例えば受信した電圧Vbと、図示しない統合制御部から受信した要求電圧に基づいて、BDC16における昇圧率を求める。さらにこれに基づいて、BDC16のスイッチング素子へのオン・オフ指令信号であるPWM信号を昇圧信号として生成する。
またリチウムイオン二次電池12の電流Ib、電圧Vb、及び温度Tbは二次電池制御部18(以下適宜、Bat−ECUと記載する)に送信される。Bat−ECU18は、例えばコンピュータから構成され、図示しないCPU等の演算部や、メモリ及びハードディスクドライブ等の記憶部を備える。
記憶部には後述する充電電力制限値算出フローを実行するためのプログラムが記憶されている。当該プログラムを演算部が実行することで、上記した演算部及び記憶部等のリソースが適宜割り当てられて、図1に示される各機能部が生成される。すなわちBat−ECU18は、電流リプル振幅取得部18A、SOC算出部18B、Win演算部18C、内部抵抗マップ記憶部18D、及びOCVマップ記憶部18Eを備える。これら各機能部の機能については後述する。
さらに、Bat−ECU18及びFDC−ECU20は、インピーダンス計測用交流信号マップ記憶部38(以下適宜、交流信号マップ記憶部と記載する)にアクセス可能となっている。交流信号マップ記憶部38には図2に例示するインピーダンス計測用交流信号マップ(以下適宜、交流信号マップと記載する)が記憶される。交流信号マップ記憶部38は、Bat−ECU18及びFDC−ECU20とは切り離された外部の記憶部であってもよいし、Bat−ECU18及びFDC−ECU20の少なくとも一方に設けられていてもよい。
<インピーダンス計測>
燃料電池10に対するインピーダンス法は公知であることから、ここでは簡単に説明する。燃料電池10はNest型やSeries型と呼ばれる等価回路に置き換えることができる。これらの等価回路には、オーム抵抗(電解質膜の抵抗)、電荷移動抵抗、拡散現象に起因する抵抗等の各種抵抗成分と、電気二重層容量とを含む複素インピーダンスが構成される。
燃料電池10に対するインピーダンス法は公知であることから、ここでは簡単に説明する。燃料電池10はNest型やSeries型と呼ばれる等価回路に置き換えることができる。これらの等価回路には、オーム抵抗(電解質膜の抵抗)、電荷移動抵抗、拡散現象に起因する抵抗等の各種抵抗成分と、電気二重層容量とを含む複素インピーダンスが構成される。
燃料電池10に交流電力を供給し、そのときに求められたインピーダンスを複素平面状にプロットすると、当該プロットは交流電力の周波数の変化に応じて所定の軌跡を描く。この軌跡に基づいて、複素インピーダンスを構成する各種抵抗を求めることができる。
このように、インピーダンス計測に当たり、燃料電池10に交流電力が供給される。交流電力の生成に当たり、FDC14が利用される。例えばFDC−ECU20は、FDC14に出力する信号として、燃料電池10から出力される直流電圧を昇圧させる昇圧信号に、インピーダンス計測用の交流信号を重畳させる。
上述したように、インピーダンスの軌跡を得るには複数の周波数に亘って交流電力を燃料電池10に与える必要がある。そこでFDC−ECU20のインピーダンス演算部20Aは、交流信号として、所定の高周波信号と低周波信号とを交互に切り替えて、昇圧信号に重畳させる。
図2には、交流信号マップ(インピーダンス計測用交流信号マップ)が例示されている。このマップには、高周波数f_highの信号S_hk(k=1〜n)と、低周波数f_lowの信号S_lk(k=1〜n)が記憶されている。なお、これらの周波数f_high,f_lowは、インピーダンス計測のモニタリング間隔の短縮化のため(単位時間当たりのサンプリング点数を増やすため)、両者ともFC電流センサ28及びBat電流センサ32に予め定められた動作周波数帯域を超過する。各交流信号S_hk,S_lkはそれぞれ、FDC14のスイッチング素子の、一周期当たりのオン期間及びオフ期間を定めるPWM信号であってよい。
各交流信号S_hk,S_lkの下段には、当該交流信号を出力した際の、電流リプルの振幅A_high_k(k=1〜n),A_low_k(k=1〜n)[A]が記憶されている。つまり、交流信号マップには、それぞれ周波数は等しい(高周波数f_high)が電流リプルの振幅が異なる交流信号S_h1〜S_hnと、それぞれ周波数は等しい(低周波数f_low)が電流リプルの振幅が異なる交流信号S_l1〜S_lnが記憶されている。
電流リプルの振幅A_high_k(k=1〜n),A_low_k(k=1〜n)は、リチウムイオン二次電池12の温度Tb(Tb=T1〜Tn)別に設定される。図2の例ではTk < Tk+1であり、表の右側ほど高温となっている。
一般的に、電流の受け手であるリチウムイオン二次電池12の温度が変動しても、FDC14への入力電流が一定であり、FDC14のオン・オフタイミングを定める周波数も一定である場合には、電流リプル振幅A_high_k,A_low_kは一定になると考えられる。しかしながら、後述するように、電流リプル振幅A_high_k,A_low_kは充電電力制限値Winの算出に用いられることから、リチウムイオン二次電池12のリチウム析出のおそれの高い温度域については、いわゆる安全率を掛けてもよい。
例えば上述したように、リチウムイオン二次電池12が低温であるほど、リチウム析出のおそれが高くなる。したがって、電流リプルの振幅A_high_k(k=1〜n),A_low_k(k=1〜n)は、リチウムイオン二次電池12の温度Tbが低温であるほど、その値が大きくなるように定められる。つまりA_high_k > A_high_k+1であり、A_low_k > A_low_k+1である。
インピーダンス計測に当たり、図3下段に示すように、FDC−ECU20のインピーダンス演算部20Aは、FDC14に出力する交流信号の周波数を、周期的に高周波数f_highと低周波数f_lowとに切り替える。この交流信号は、FDC14への操作信号である昇圧信号に重畳され、リチウムイオン二次電池12に流れる電流は、図3上段の破線で示すような波形を示すようになる。
また、交流信号の周波数切り替えに当たり、FDC−ECU20のインピーダンス演算部20Aは、図3下段に示すような周波数切り替え信号を出力する。この信号は、低周波数f_lowが設定されていることを示す値Lowと高周波数f_highが設定されていることを示す値Highの2値が時刻tに沿って周期的に切り替わる。
ここで、上述したように、交流信号の高周波数f_highと低周波数f_lowはBat電流センサ32の動作周波数帯から超過しているため、Bat電流センサ32による重畳信号波形の取得は困難となる。したがって例えば図3上段の太実線で示すように、Bat電流センサ32の計測値から交流信号成分が抜ける場合がある。このような場合に備えて、本実施形態では下記に説明するような充電電力制限値Winの算出を行う。
<充電電力制限値の算出プロセス>
図3〜図5を参照して、Bat−ECU18による充電電力制限値Winの算出プロセスを説明する。Bat−ECU18の電流リプル振幅取得部18Aは、FDC−ECU20のインピーダンス演算部20Aから図3下段に示す周波数切り替え信号を常時受信する。(図5S10)。また電流リプル振幅取得部18Aは、Bat電流センサ32からリチウムイオン二次電池12への流出入電流の計測値Ibを受信する。さらにBat温度センサ36からリチウムイオン二次電池12の温度Tbを受信する。
図3〜図5を参照して、Bat−ECU18による充電電力制限値Winの算出プロセスを説明する。Bat−ECU18の電流リプル振幅取得部18Aは、FDC−ECU20のインピーダンス演算部20Aから図3下段に示す周波数切り替え信号を常時受信する。(図5S10)。また電流リプル振幅取得部18Aは、Bat電流センサ32からリチウムイオン二次電池12への流出入電流の計測値Ibを受信する。さらにBat温度センサ36からリチウムイオン二次電池12の温度Tbを受信する。
また電流リプル振幅取得部18Aは、交流信号マップ記憶部38を参照して、インピーダンス演算部20Aから受信した周波数切り替え信号(HighまたはLow)と、Bat温度センサ36から取得したリチウムイオン二次電池12の温度Tbとに該当する交流信号S_hkまたはS_lkを特定する。さらに特定された交流信号の電流リプル振幅A_high_kまたはA_low_kを取得する(S12)。取得した電流リプル振幅A_high_kまたはA_low_kはWin演算部18Cに送られる。
さらに電流リプル振幅取得部18Aは、取得した電流Ibの値から、リチウムイオン二次電池12が充電中であるか否かを判定する(S14)。例えばBat電流センサ32の設定として、リチウムイオン二次電池12の放電時を正、充電時を負とすると、電流Ibが負のときに、リチウムイオン二次電池12が充電中であると判定する。
リチウムイオン二次電池12が充電中のとき、充電電力制限値演算部18C(以下適宜、Win演算部と記載する)は、リチウムイオン二次電池12の温度Tb、SOC、Bat電流センサ32による計測電流値Ib,及び電流リプル振幅A_high_k,A_low_kに基づいて、充電電力制限値Winを算出する(S18)。
充電電力制限値Winは、リチウムイオン二次電池12の過充電を防止するとともにこれに伴うリチウムの析出等の劣化を防止するための制限値である。一般的に、充電電力制限値Winは、リチウムイオン二次電池12に流れる電流I、リチウムイオン二次電池12の開放端電圧(OCV)、及びリチウムイオン二次電池12の内部抵抗Rを用いて、下記数式(1)のように表すことができる。
ここで、上述したように、Bat電流センサ32が交流信号による電流リプルの計測が困難である場合、Bat電流センサ32による計測値Ib≠Iとなる。そこで計測値Ibを補償するものとして、電流リプル振幅A_high_k,A_low_kが用いられる。
Win演算部18Cは、SOC算出部18Bからリチウムイオン二次電池12のSOCを取得する。SOC算出部18Bでは例えばBat電流センサ32から電流値Ibが常時送られており、その積算値をもとにしてSOCを求めている。さらにWin演算部18Cは、OCVマップ記憶部18Eにアクセスし、SOCとOCVとの対応関係が記憶されたOCVマップを参照して、SOC算出部18Bから取得したSOCに対応するOCVを取得する。
またWin演算部18Cは、内部抵抗マップ記憶部18Dにアクセスし、温度Tb及びSOCと内部抵抗Rとの対応関係が記憶された内部抵抗マップを参照する。そして、Bat温度センサ36から取得した温度Tbと、SOC算出部18Bから取得したSOCに対応する内部抵抗Rを取得する。
さらにWin演算部18Cは、下記数式(2)により、数式(1)の電流Iを求め、求められた電流Iと数式(1)から、充電電力制限値Winを求める(S18)。
数式(2)中、符号Aは電流リプル振幅取得部18Aから取得した交流信号の電流リプルの振幅A_high_kまたはA_low_kを示す。なお、電流Ibと振幅A_high_kまたはA_low_kの正負は等しいものとする。電流Ibが正負の値を取ることから、数式(2)は下記数式(3)のように書き換えられてもよい。
このように本実施形態では、Bat電流センサ32の計測値Ibに電流リプルの振幅A_high_kの半値またはA_low_kの半値を加える(嵩増しする)ことで、Bat電流センサ32の計測困難な周波数帯の電流成分を、充電電力制限値Winに反映可能となる。
図5のステップS16を参照して、リチウムイオン二次電池12が充電中でない場合には、Win演算部18Cは、数式(1)の電流Iに電流センサ32の計測値Ibを代入して充電電力制限値Winを求める(S16)。またはステップS16に代わり、リチウムイオン二次電池12が充電中でないときには、充電電力制限値Winの算出を省略してもよい。
このように本実施形態では、図4上段に例示するように、リチウムイオン二次電池12の充電中に、Bat電流センサ32の計測値Ibに補償値として電流リプルの振幅の半値A_high_k/2またはA_low_k/2を加える。これにより、リチウムイオン二次電池12に流れ込む実電流とBat電流センサ32の計測値Ibとの乖離が補償される。
図4下段には、充電電力制限値Winによる充電電力制限の例が示されている。横軸は時間、縦軸はリチウムイオン二次電池12への入出力電力[W]を示す。充電電力制限値Winは図5のフローチャートに沿って所定のサイクルで更新される。
ここで、一般的に、リチウム析出は負極電位の低下に伴って発生する。負極電位は充電継続時間が長いほど低下する。また充電電流値が高いほどリチウム析出は発生しやすくなる。数式(1)ではこれらの性質が反映されている。SOCの状態によりOCV及び内部抵抗Rが変化するが、定性的に充電電力制限値Winは、充電継続時間が長いほど低くなる、つまり0に近い値を取る(絞られる)。また、充電電力制限値Winは、数式(1)における電流値Iの値が高いほど、低い値を取る(絞られる)。
したがって、充電電力制限値Winは、リチウムイオン二次電池12の充電期間の経過に伴ってその値が絞られていく(0に近づく)。また充電時には、上述したように、Bat電流センサ32の計測値Ibに電流リプルの振幅A_high_kまたはA_low_kの半値を嵩増しした値を、数式(1)に代入される電流Iとして用いている。したがって、Bat電流センサ32の計測値Ibのみを用いた充電電力制限値Win0(破線で示す)よりも、充電電力制限値Winの減少率は高くなる(絞込みがきつくなる)。
特に図4下段の時刻t1〜t2に示されるように、充電電力制限値Winによりリチウムイオン二次電池12への充電電力が絞られる。これによりリチウムイオン二次電池12のリチウム析出が抑制される。
10 燃料電池、12 リチウムイオン二次電池、14 燃料電池コンバータ(FDC)、16 二次電池コンバータ(BDC)、18 二次電池制御部(Bat−ECU)、18A 電流リプル振幅取得部、18B SOC算出部、18C 充電電力制限値演算部(Win演算部)、18D 内部抵抗マップ記憶部、18E OCVマップ記憶部、20 FDC制御部(FDC−ECU)、20A インピーダンス演算部、22 BDC制御部(BDC−ECU)、24 インバータ、26 回転電機、28 FC電流センサ、30 FC電圧センサ、32 Bat電流センサ、34 Bat電圧センサ、36 Bat温度センサ、38 インピーダンス計測用交流信号マップ記憶部。
Claims (1)
- リチウムイオン二次電池を含む燃料電池システムであって、
前記リチウムイオン二次電池及び燃料電池との間に接続され、前記燃料電池の出力電圧を昇圧するDC/DCコンバータと、
前記燃料電池に対するインピーダンス計測時に、前記DC/DCコンバータへの操作信号として昇圧信号に交流信号を重畳させるコンバータ制御部と、
前記リチウムイオン二次電池への流出入電流を計測する電流センサと、
前記電流センサによる計測電流値に基づき前記リチウムイオン二次電池が充電中である場合に、前記計測電流値に、前記交流信号に基づく電流リプルの振幅の半値を嵩増しした値を用いて、前記リチウムイオン二次電池への充電電力制限値を算出する、二次電池制御部と、
を備える、燃料電池システム。
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- 2017-11-28 JP JP2017228211A patent/JP2019102136A/ja active Pending
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