JP2019100413A - 軸受装置及び回転機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸系に対するスクイズフィルムダンパの減衰効果を向上させる。【解決手段】一実施形態に係る軸受装置は、回転軸を回転自在に支持するための軸受部と、前記軸受部の外周側に設けられ、少なくとも一つの油膜形成隙間を挟んで互いに対向するインナリング及びアウタリング含むスクイズフィルムダンパと、を備え、前記少なくとも一つの油膜形成隙間は、前記回転軸の軸方向に沿った軸方向断面、又は、前記回転軸の径方向に沿った径方向断面において、前記回転軸の中心軸から前記油膜形成隙間までの距離が一定ではない特殊形状隙間を含み、軸方向又は径方向の該特殊形状隙間の全長は、少なくとも一方において軸方向又は径方向における基準長さより一定以上長い条件を満たす。【選択図】図1

Description

本開示は、軸受装置及び該軸受装置を備える回転機械に関する。
コンプレッサや蒸気タービン等の回転機械においては、回転軸系の安定支持が課題の一つとなっている。この課題を解決するためには、回転軸を支持する軸受部の支持特性(減衰、剛性等)を向上させることが効果的であり、この観点からの検討がなされている。
特許文献1には、インナリングとアウタリングとの間に形成された隙間に油が供給され、回転軸が振動し上記隙間が変位するとき、粘性をもった非圧縮性の油が該隙間を流動することで、回転軸の振動を減衰する効果を発揮させるスクイズフィルムダンパが開示されている。
米国特許第5421655号明細書
上記スクイズフィルムダンパにおいて、油膜形成隙間は、特許文献1に示されているように、径方向断面において周方向へ円弧状に配置されているのが一般的であり、油膜形成隙間の形状などについて減衰効果を向上させるための検討はなされていない。従って、現状において、一定以上の減衰効果は得られていない。
一実施形態は、回転軸系を回転自在に支承し、スクイズフィルムダンパを備える軸受装置において、回転軸系に対するスクイズフィルムダンパの減衰効果を向上させることを目的とする。
(1)一実施形態に係る軸受装置は、
回転軸を回転自在に支持するための軸受部と、
前記軸受部の外周側に設けられ、少なくとも一つの油膜形成隙間を挟んで互いに対向するインナリング及びアウタリング含むスクイズフィルムダンパと、
を備え、
前記少なくとも一つの油膜形成隙間は、前記回転軸の軸方向に沿った軸方向断面、又は、前記回転軸の径方向に沿った径方向断面において、前記回転軸の中心軸から前記油膜形成隙間までの距離が一定ではない特殊形状隙間を含み、
前記軸方向断面における前記特殊形状隙間の軸方向長さを第1基準長さLstとし、
前記径方向断面における前記特殊形状隙間の前記中心軸からの最小距離rmin及び最大距離rmaxと、前記特殊形状隙間が占める角度範囲Δθとを用いて、Δθ×(rmin+rmax)/2で表される第2基準長さをLstとしたとき、
前記特殊形状隙間は、前記軸方向断面における前記特殊形状隙間の全長Lが1.1×Lst以上である第1条件、または、前記径方向断面における前記特殊形状隙間の全長Lが1.1×Lst以上である第2条件の少なくとも一方を満たしている。
油膜形成隙間に油を供給し、油膜形成隙間に粘性をもった非圧縮性の油を流動させることで、回転軸から加わる荷重を減衰させる減衰効果を得ることができる。この減衰効果によって回転軸系の振動などを抑制し、回転軸系の安定支持が可能になる。また、油の流動量を調節することで、油膜形成隙間の油膜圧力を調節し、これによって、減衰性能を調節できる。
上記(1)の構成によれば、上記特殊形状隙間は、回転軸の軸方向(以下単に「軸方向」とも言う。)に沿った軸方向断面(以下単に「軸方向断面」とも言う。)における全長Lが第1基準長さLst1の1.1倍以上であり、又は回転軸の径方向(以下単に「径方向」とも言う。)に沿った径方向断面(以下単に「径方向断面」とも言う。)における全長Lが第2基準長さをLstの1.1倍以上であるために、スクイズフィルムダンパに形成される油膜形成隙間の面積を拡大できる。これによって、スクイズフィルムダンパが生み出す減衰効果を増大できるため、回転軸系で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸の安定支持が可能になる。
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記インナリングと前記アウタリングとの間に周方向に離散的に設けられた複数の弾性部を備える。
上記(2)の構成によれば、上記弾性部を備えることで、スクイズフィルムダンパの剛性は上記弾性部の剛性によって決定できる。従って、スクイズフィルムダンパの剛性と減衰性能とを夫々独立して設定できるため、減衰効果を高めるために夫々で最適な設定が可能になる。
(3)一実施形態では、前記(2)の構成において、
前記弾性部は前記回転軸の軸方向に延在するように配置されている。
上記(3)の構成によれば、複数の弾性部の各々は回転軸の軸方向に延在するように配置されるため、該弾性部により回転軸の軸方向で均等な弾性力で回転軸を支持できる。
(4)一実施形態では、前記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記特殊形状隙間は、前記軸方向断面又は前記径方向断面においてジグザグ形状を有する。
ここで、「ジグザグ形状」とは、複数の直線状の線分が端部又は該端部以外の部位で互いに180度以外の角度で連続的に接続されている形状を言う。
上記(4)の構成によれば、特殊形状隙間が、軸方向断面又は径方向断面においてジグザグ形状を有するため、スクイズフィルムダンパに形成される油膜形成隙間の面積を拡大できるだけでなく、上記ジグザグ形状は直線状の線分が接続されて形成される曲り部を有するため、該曲り部で流路抵抗が増加し、油膜形成隙間の油膜圧が増加する。これら2つの要因によって減衰効果を相乗的に増大できる。これによって、回転軸で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸の安定支持が可能になる。
(5)一実施形態では、前記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記特殊形状隙間は、前記軸方向断面又は前記径方向断面において波形形状を有する。
上記(5)の構成によれば、特殊形状隙間が、軸方向断面又は径方向断面において波形形状を有するため、スクイズフィルムダンパに形成される油膜形成隙間の面積を拡大でき、減衰効果を増大できる。この実施形態では、特殊形状隙間が全体として曲面を有するため、ジグザグ形状の場合と比べて油膜形成隙間の面積を拡大しやすい。
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記特殊形状隙間は、前記軸方向断面において前記スクイズフィルムダンパの軸方向中央部で外側又は内側に凸の曲面形状を有する。
上記(6)の構成によれば、特殊形状隙間が、軸方向断面においてスクイズフィルムダンパの軸方向中央部で外側又は内側に凸の曲面形状を有するため、スクイズフィルムダンパに形成される油膜形成隙間の面積を拡大できる。これによって、減衰効果を増大できるため、回転軸系で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸の安定支持が可能になる。
(7)一実施形態では、前記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記軸受部は、ティルティングパッドを含む。
上記(7)の構成によれば、ティルティングパッドを含む軸受部の外周側に上記構成のスクイズフィルムダンパを備え、これらの組合せで回転軸を安定支持できる。また、ティルティングパッドの周囲に形成される油膜による焼付き防止効果によって回転軸を安定して回転できる。
(8)一実施形態では、前記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記軸受部は、転がり軸受を含む。
上記(8)の構成によれば、転がり軸受を含む軸受部の外周側に上記構成のスクイズフィルムダンパを備え、これらの組合せで回転軸を支持できる。これによって、転がり軸受を含む軸受部による低摩擦支持とスクイズフィルムダンパの減衰効果との相乗効果によって、高速回転時においても支持側の剛性を確保しつつ回転軸系で発生する振動等の減衰効果を高めることができ、回転軸を安定支持できる。
(9)一実施形態に係る回転機械は、
前記回転軸と、
前記(1)〜(8)の何れかの構成を有する軸受装置と、
を備える。
上記(9)の構成を有する回転機械は、スクイズフィルムダンパが生み出す減衰効果を増大できるため、回転軸系で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸の安定支持が可能になる。
幾つかの実施形態によれば、回転軸系に対するスクイズフィルムダンパの減衰効果を向上させることができるため、回転軸系で発生する振動等を抑制でき、回転軸を安定支持できる。
一実施形態に係る軸受装置の径方向断面図である。 一実施形態に係る軸受装置の径方向断面図である。 (A)は一実施形態に係る軸受装置の径方向断面図であり、(B)は(A)中のA―A線に沿う軸方向断面図である。 (A)は一実施形態に係る軸受装置の径方向断面図であり、(B)は(A)中のB―B線に沿う軸方向断面図である。 一実施形態に係る軸受装置のスクイズフィルムダンパを示す断面図である。 一実施形態に係る軸受装置の特殊形状隙間を示す軸方向断面の模式図である。 一実施形態に係る軸受装置の特殊形状隙間を示す径方向断面の模式図である。 (A)〜(F)は幾つかの実施形態に係る弾性部を示し、(A)及び(B)は断面図であり、(C)〜(F)は正面図である。 一実施形態に係る軸受装置のスクイズフィルムダンパを示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1〜図4は幾つかの実施形態に係る軸受装置10(10A、10B、10C、10D)を示す。図3及び図4において、(A)は径方向から視た断面図であり、(B)は(A)中のA―A線又はB―B線に沿う軸方向から見た断面図である。
図1〜図4において、軸受装置10(10A〜10D)は、回転軸12の外周側に軸受部14を備え、軸受部14の外周側にスクイズフィルムダンパ16を備える。軸受部14は回転軸12を回転自在に支持する。スクイズフィルムダンパ16は、油膜形成隙間Sを挟んで互いに対向するインナリング18及びアウタリング20を有する。油膜形成隙間Sは1個又は複数個形成される。
上記構成により、油膜形成隙間Sに油供給部(不図示)から油を供給し、油膜形成隙間Sに粘性をもった非圧縮性の油を流動させることで、回転軸12から加わる荷重を減衰させる減衰効果を得ることができる。この減衰効果によって回転軸系の振動などを抑制し、回転軸系の安定支持が可能になる。また、油の流動量を調節することで、油膜形成隙間Sの油膜圧力を調節し、これによって、減衰性能を調節できる。
油膜形成隙間Sは、回転軸12の軸方向(矢印a方向)に沿った軸方向断面又は回転軸12の径方向(矢印b方向)に沿った径方向断面において、回転軸12の中心軸Oから油膜形成隙間Sまでの距離が一定ではない特殊形状隙間Sf(図6及び図7参照)を含む。なお、図1〜図4に示す軸受装置10(10A〜10D)は、油膜形成隙間Sの全域が特殊形状隙間Sfとなった実施形態である。特殊形状隙間Sfは油膜形成隙間Sの一部に形成されていてもよい。
ここで、図6の模式図に示すように、軸方向断面における特殊形状隙間Sfの軸方向長さを第1基準長さLstとする。また、図7の模式図に示すように、径方向断面における特殊形状隙間Sfの中心軸Oからの最小距離rmin及び最大距離rmaxと、特殊形状隙間Sfが占める角度範囲Δθとを用いて、Δθ×(rmin+rmax)/2で表される第2基準長さをLstとする。このとき、特殊形状隙間Sfは、軸方向断面における特殊形状隙間Sfの全長Lが1.1×Lst以上である第1条件、又は径方向断面における特殊形状隙間Sfの全長Lが1.1×Lst以上である第2条件の少なくとも一方を満たしている。
上記構成によれば、特殊形状隙間Sfは、軸方向断面における全長Lが第1基準長さLst1の1.1倍以上であり、又は径方向断面における全長Lが第2基準長さをLstの1.1倍以上であるために、スクイズフィルムダンパ16に形成される油膜形成隙間Sの面積を拡大できる。これによって、スクイズフィルムダンパ16が生み出す減衰効果を増大できるので、回転軸系で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸12の安定支持が可能になる。
油膜形成によって発揮される減衰効果を表す油膜減衰常数Cψは次の(1)式から求められる。
Figure 2019100413
ここで、B=12πμL(R/c)、μ:油の粘性係数、R:ダンパ径、L:ダンパ幅、c:径方向隙間の大きさ、ε:回転軸の偏心量である。
ε=e/c=1−δ/c
ここで、e:回転軸の偏心量、δ:回転軸の軸受からの浮上量である。
(1)式から、油膜形成隙間の面積が大きいほど油膜減衰常数Cψが大きくなり、かつ油膜減衰常数Cψは径方向隙間の大きさcの3乗に比例することがわかる。従って、回転軸12から軸受装置に付加される圧力が大きくなり、油膜形成隙間Sが狭くなると、油膜圧が増加し、油膜減衰常数Cψが増加して減衰効果が増す。
一実施形態では、図5に示すように、軸受装置10(10A〜10D)において、スクイズフィルムダンパ16の軸方向両端面にサイドプレート21が設けられる。サイドプレート21は、アウタリング20の軸方向両端面との間で油膜形成隙間Sに連通する油排出路Pdを形成する。油排出路Pdから油を排出することで、油膜形成隙間Sで油の流動状態を保ち、これによって、回転軸12から加わる荷重を減衰させることができる。この減衰効果によって回転軸系の振動などを抑制し、回転軸系の安定支持が可能になる。また、油排出路Pdからの油排出量を調節することで、油膜形成隙間Sの油膜圧力を調節し、これによって、減衰性能を調節できる。
一実施形態では、図1〜図4に示すように、インナリング18とアウタリング20との間に複数の弾性部22が周方向に離散的に設けられる。弾性部22を備えることで、スクイズフィルムダンパ16の剛性は弾性部22の剛性によって決定できる。従って、スクイズフィルムダンパ16の剛性と油膜形成による減衰性能とを夫々独立して設定できるため、スクイズフィルムダンパ16の減衰効果を高めるために、各々で最適な設定が可能になる。
一実施形態では、弾性部22は回転軸12の軸方向に延在するように配置されている。この弾性部22の配置によって回転軸12の軸方向で均等な弾性力を発揮でき、回転軸12を回転軸12の軸方向で均等な弾性力で支持できる。
一実施形態では、図1に示す軸受装置10(10A)は、特殊形状隙間Sfは、径方向断面においてジグザグ形状を有する。
この実施形態によれば、特殊形状隙間Sfが径方向断面においてジグザグ形状を有するため、スクイズフィルムダンパ16に形成される油膜形成隙間Sの面積を拡大できる。従って、スクイズフィルムダンパ16が生み出す減衰効果を増大できるため、回転軸系で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸12の安定支持が可能になる。
また、ジグザグ形状は直線状の線分が接続されて形成される曲り部Beを有するため、曲り部Beで流路抵抗が増加し、油膜形成隙間Sの油膜圧が増加する。これら2つの要因によって減衰効果を相乗的に増大できる。
一実施形態では、図3に示す軸受装置10(10C)は、特殊形状隙間Sfは、軸方向断面においてジグザグ形状を有する。これによって、図1に示す軸受装置10(10A)と同様の作用効果を得ることができる。
一実施形態では、軸受装置10(10C)の径方向断面において、油膜形成隙間Sは回転軸12の中心軸Oを中心とした円弧形状を有する。
一実施形態では、図2に示す軸受装置10(10B)は、特殊形状隙間Sfは径方向断面において波形形状を有する。
この実施形態によれば、特殊形状隙間Sfが軸方向断面において波形形状を有するため、スクイズフィルムダンパ16に形成される油膜形成隙間Sの面積を拡大でき、減衰効果を増大できる。また、特殊形状隙間Sfが全体として曲面を有するため、ジグザグ形状の場合と比べて油膜形成隙間Sの面積を拡大しやすくなる。
一実施形態では、特殊形状隙間Sfは軸方向断面において波形形状を有する。これによって、図2に示す実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
一実施形態では、図4に示す軸受装置10(10D)において、特殊形状隙間Sfは、軸方向断面においてスクイズフィルムダンパ16の軸方向中央部で外側又は内側に凸の曲面形状を有する。
この実施形態によれば、スクイズフィルムダンパ16に形成される油膜形成隙間Sの面積を拡大できる。これによって、減衰効果を増大できるため、回転軸系で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸12の安定支持が可能になる。
図4に示す実施形態は、特殊形状隙間Sfが軸方向断面においてスクイズフィルムダンパ16の軸方向中央部で外側に凸の曲面形状を有する実施形態である。
一実施形態では、軸受装置10(10D)の径方向断面において、油膜形成隙間Sは回転軸12の中心軸Oを中心とした円弧形状を有する。
一実施形態では、図1〜図4に示すように、軸受部14はティルティングパッド24を含む。ティルティングパッド24はピボット25を介してインナリング18の内側面に接続されている。ティルティングパッド24はピボット25を基点として任意の方向へ傾動可能になっている。ティルティングパッド24には内側面に開口する潤滑油流路(不図示)が形成され、回転軸12とティルティングパッド24との間に潤滑油が供給される。
この実施形態によれば、ティルティングパッド24の周囲に形成される油膜による焼付き防止効果によって回転軸12を安定して回転できる。
一実施形態では、軸受部14は転がり軸受を含む。この実施形態によれば、転がり軸受を含む軸受部の外周側に上記構成のスクイズフィルムダンパ16を備え、これらの組合せで回転軸を支持できる。これによって、転がり軸受を含む軸受部による低摩擦支持とスクイズフィルムダンパ16の減衰効果との相乗効果によって、高速回転時においても支持側の剛性を確保しつつ回転軸系で発生する振動等の減衰効果を高めることができ、回転軸12を安定支持できる。
一実施形態では、図1〜図4に示すように、弾性部22は、インナリング18とアウタリング20との間の隙間に配置される。一実施形態では、弾性部22は、油膜形成隙間Sに連通して周方向に離散的に形成された空間Sに弾性部材が収容されて構成される。空間Sは軸方向に沿って延在し、空間Sの径方向寸法は油膜形成隙間S又は特殊形状隙間Sfの径方向寸法より大きい。一実施形態では、空間Sは四角形断面を有する。
図8は、弾性部22の幾つかの実施形態を示す。
図8(A)に示す弾性部22(22a)は、断面が四角形状の1個の弾性棒状材26aが空間Sに収容され、軸方向に延在する。
図8(B)に示す弾性部22(22b)は、断面が四角形状の1個の弾性棒状材26bが空間Sに収容され、軸方向に延在する。
図8(C)に示す弾性部22(22c)は、断面が皿バネ形状(円錐台形状)の弾性体を中央が小径となるように2枚重ねにした弾性体26cが空間Sに収容される。一実施形態では、1個の棒状の弾性体26cが回転軸12の軸方向に延在する。別な実施形態では、複数の弾性体26cが軸方向に離散的に配置される。この弾性体は中空又は中実であってもよい。
一実施形態では、1個の部材で形成される弾性棒状材26a、26b及び弾性体26cは、スクイズフィルムダンパ16の軸方向領域のほぼ全域に配置される。
一実施形態では、弾性棒状材26a、26b及び弾性体26cは、例えば、弾性ゴムで製造される。
1個の部材で形成される弾性棒状材26a、26b及び弾性体26cは空間Sへの収容が容易である。
図8(D)に示す弾性部22(22d)は、複数のコイルバネ26dを空間Sに回転軸12の軸方向に離散的に配置される。
図8(E)に示す弾性部22(22e)は、断面がS字形状をした弾性体26eを空間Sに収容する。一実施形態では、1個の弾性体26eを空間Sに軸方向へ延在させる。別な実施形態では、複数の弾性体26eを空間Sに軸方向に離散的に配置する。
図8(F)に示す弾性部22(22f)は、断面がZ字形状をした弾性体26fを空間Sに収容する。一実施形態では、1個の弾性体26fを空間Sに軸方向へ延在させる。別な実施形態では、複数の弾性体26fを空間Sに軸方向に離散的に配置する。
一実施形態では、インナリング18とアウタリング20とは弾性部22を介して一体に形成される。このとき、一実施形態では、弾性部22はバネ部材を構成する。
図9は、一実施形態に係る軸受装置10(10E)のスクイズフィルムダンパ16を示す。このスクイズフィルムダンパ16は、インナリング18とアウタリング20との間にOリング28が介装されて油膜形成隙間Sが形成される。2個のOリング28が油膜形成隙間Sの軸方向両端部に設けられ、これらOリング28間で油膜形成隙間Sが形成される。油供給部(不図示)から油膜形成隙間Sに油が供給され、油膜形成隙間Sに供給された油は、回転軸系から加わる荷重によって油膜形成隙間Sが小さくなるとき、Oリング28とインナリング18又はアウタリング20との間から排出する。この油の流動によって減衰効果を発揮できる。
軸受装置10(10E)のインナリング18とアウタリング20との間に形成される油膜形成隙間Sの少なくとも一部を特殊形状隙間Sfとすることで、スクイズフィルムダンパ16の減衰効果を向上できる。従って、回転軸系で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸12の安定支持が可能になる。
なお、図5及び図9に示す油膜形成隙間S及び油排出路Pdの大きさは誇張して図示されており、実際は微小な隙間を形成している。
一実施形態に係る回転機械は、回転軸12と、上記構成を有する軸受装置10とを備える。
この回転機械によれば、スクイズフィルムダンパ16が生み出す減衰効果を増大できるため、回転軸系で発生する振動等を効果的に減衰でき、回転軸12の安定支持が可能になる。従って、例えば圧縮機や蒸気タービン等の回転機械に適用できる。
幾つかの実施形態によれば、スクイズフィルムダンパを備えて回転軸系を回転自在に支承する軸受装置及び該軸受装置を備える例えば圧縮機や蒸気タービン等の回転機械において、スクイズフィルムダンパの減衰効果を向上させることで、回転軸系で発生する振動等を抑制でき、回転軸を安定支持できる。
10(10A、10B、10C、10D、10E) 軸受装置
12 回転軸
14 軸受部
16 スクイズフィルムダンパ
18 インナリング
20 アウタリング
21 サイドプレート
22(22a、22b、22c、22d、22e、22f) 弾性部
24 ティルティングパッド
25 ピボット
26a、26b 弾性棒状材
26c、26e,24f 弾性体
26d コイルバネ
28 Oリング
O 中心軸
S 油膜形成隙間
Sf 特殊形状隙間
空間

Claims (9)

  1. 回転軸を回転自在に支持するための軸受部と、
    前記軸受部の外周側に設けられ、少なくとも一つの油膜形成隙間を挟んで互いに対向するインナリング及びアウタリング含むスクイズフィルムダンパと、
    を備え、
    前記少なくとも一つの油膜形成隙間は、前記回転軸の軸方向に沿った軸方向断面、又は、前記回転軸の径方向に沿った径方向断面において、前記回転軸の中心軸から前記油膜形成隙間までの距離が一定ではない特殊形状隙間を含み、
    前記軸方向断面における前記特殊形状隙間の軸方向長さを第1基準長さLstとし、
    前記径方向断面における前記特殊形状隙間の前記中心軸からの最小距離rmin及び最大距離rmaxと、前記特殊形状隙間が占める角度範囲Δθとを用いて、Δθ×(rmin+rmax)/2で表される第2基準長さをLstとしたとき、
    前記特殊形状隙間は、前記軸方向断面における前記特殊形状隙間の全長Lが1.1×Lst以上である第1条件、または、前記径方向断面における前記特殊形状隙間の全長Lが1.1×Lst以上である第2条件の少なくとも一方を満たすことを特徴とする軸受装置。
  2. 前記インナリングと前記アウタリングとの間に周方向に離散的に設けられた複数の弾性部を備えることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記弾性部は前記回転軸の軸方向に延在するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。
  4. 前記特殊形状隙間は、前記軸方向断面又は前記径方向断面においてジグザグ形状を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の軸受装置。
  5. 前記特殊形状隙間は、前記軸方向断面又は前記径方向断面において波形形状を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の軸受装置。
  6. 前記特殊形状隙間は、前記軸方向断面において前記スクイズフィルムダンパの軸方向中央部で外側又は内側に凸の曲面形状を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の軸受装置。
  7. 前記軸受部は、ティルティングパッドを含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の軸受装置。
  8. 前記軸受部は、転がり軸受を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の軸受装置。
  9. 前記回転軸と、
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の軸受装置と、
    を備えることを特徴とする回転機械。
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