JP2019100236A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダブロックのオイル戻し孔から流出したオイルをオイルパンの内面へ案内する。【解決手段】シリンダブロック20とオイルパン40の間には、ラダーフレーム50が配置されている。ラダーフレーム50は、相対向して配置されている一対の縦壁52と、一対の縦壁52を接続している横壁54とを備えている。横壁54は、クランクシャフト100を支持する軸受部60と、軸受部60に対して横壁54の延設方向に並ぶ位置に配置されており、シリンダブロック20のオイル戻し孔24とオイルパン40の内部とを連通している連通路70とを備えている。連通路70におけるオイル戻し孔24と対向する開口の開口縁は、当該開口縁の周方向の全周に亘ってシリンダブロック20の下面に当接している。連通路70の内面からは、横壁54の延設方向における端側に向かうほど下側に位置するように板状の案内板80が突出している。【選択図】図1
Description
この発明は、内燃機関に関する。
特許文献1に開示された内燃機関は、複数の気筒が一列に並んだシリンダブロックを備えている。シリンダブロックの下側には、オイルパンが配置されている。また、内燃機関は、潤滑が求められる例えば動弁機構等の部位にオイルを供給するためのオイル供給機構を備えている。そして、シリンダブロックには、オイル供給機構によって動弁機構等に供給されたオイルをオイルパンに戻すためのオイル戻し孔が区画されている。オイル戻し孔は、シリンダブロックの下面で開口している。
特許文献1に開示された内燃機関においてオイルパンの内部には、ベアリングキャップモジュールが配置されている。ベアリングキャップモジュールは、シリンダブロックの下面に固定されている。ベアリングキャップモジュールには、クランクシャフトの軸線と直交する方向に複数の支持壁部が延設されている。各支持壁部の上面における中央には、回転可能にクランクシャフトが支持されている。
支持壁部の延設方向において、当該支持壁部の両端部における上面は、端に向かうほど下方に位置するように傾斜した傾斜面になっている。また、支持壁部の傾斜面における短手方向両端からは、対向する一対の縦壁部が立設している。両縦壁部は、傾斜面の端に沿って支持壁部の延設方向に延びている。これら支持壁部の傾斜面及び一対の縦壁部によってオイル流路が区画されている。オイル戻し孔から流出したオイルは、支持壁部における上記オイル流路へと滴下され、オイル流路によって支持壁部の延設方向の端側へと案内される。
上記内燃機関では、オイル戻し孔の開口周辺にオイルが付着する。そして、オイル戻し孔の開口周辺に付着したオイルの一部は、シリンダブロックの下面を他の箇所にまで伝っていく。このようにシリンダブロックの下面を伝っていったオイルは、支持壁部におけるオイル流路へと滴下されて支持壁部の延設方向における端側へと案内されるとは限らない。すなわち、上記の内燃機関では、オイル戻し孔の開口周辺に付着したオイルがシリンダブロックの下面を伝っていき意図しない箇所において滴下することがある。仮に、滴下したオイルがクランクシャフト等の回転に巻き込まれると、オイルが飛散してオイルの過度な蒸発や劣化を招くおそれがある。
上記課題を解決するための内燃機関は、複数の気筒が一列に並んだシリンダブロックの下側にクランクシャフトを支持するラダーフレームが固定され、前記ラダーフレームの下側にオイルを貯留するオイルパンが固定されている内燃機関であって、前記シリンダブロックの下面には、オイルを前記オイルパンに戻すためのオイル戻し孔が開口しており、前記ラダーフレームは、前記クランクシャフトと平行に延びているとともに相対向して配置されている一対の縦壁と、前記クランクシャフトと交差する方向に延びているとともに前記一対の縦壁を接続している横壁とを備え、前記横壁は、前記クランクシャフトを支持する軸受部と、前記軸受部に対して前記横壁の延設方向に並ぶ位置に配置されており、前記オイル戻し孔と前記オイルパンの内部とを連通している連通路とを備え、前記連通路における前記オイル戻し孔と対向する開口の開口縁は、当該開口縁の周方向の全周に亘って前記シリンダブロックの下面に当接しており、前記連通路の内面からは、前記オイル戻し孔の直下に位置する部分を有する案内板が突出しており、前記案内板の上面は、前記横壁の延設方向における端側に向かうほど下側に位置するように傾斜している。
上記構成によれば、連通路におけるオイル戻し孔と対向する開口縁の全周がシリンダブロックの下面に当接していることから、オイル戻し孔から流出したオイルがシリンダブロックの下面を伝って他の箇所へと至ることは考えにくい。したがって、オイル戻し孔から流出したオイルのほとんどはラダーフレームの連通路内に流入することになる。
また、上記構成によれば、ラダーフレームの連通路に流入したオイルは、連通路の案内板に沿って、ラダーフレームにおける横壁の延設方向の端側へと案内される。このように、オイルが連通路の案内板の上面を流れる際に、オイルには、横壁の延設方向の端側へ向かう流れが生じる。そのため、ラダーフレームの連通路から流れ出たオイルは、その流れに従って、例えばオイルパンの内面へと至りやすい。その一方で、ラダーフレームの連通路から流れ出たオイルは、横壁の延設方向の中央側、すなわちクランクシャフト等が位置する側には伝っていきにくい。したがって、横壁の下面から滴下したオイルがクランクシャフト等の回転に巻き込まれて飛散することは抑制される。
また、上記構成によれば、横壁において案内板の下側には、横壁の下面から窪む空間が生じる。仮に、案内板の下縁をオイルが伝ったとしても、案内板の下側の空間を乗り越えてはオイルが伝いにくい。したがって、横壁の下面を、当該横壁の延設方向中央側へとオイルが伝うことは抑制できる。
以下、内燃機関の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、内燃機関10は、全体として一方向に延びたクランクシャフト100を備えている。具体的には、図2に示すように、クランクシャフト100は、上記一方向に互いに間隔をおいて配置された5つの円柱状のジャーナル102を備えている。5つのジャーナル102の軸線は一致している。隣り合うジャーナル102の間には、一対のクランクウエイト106で構成されたクランクウエイト対104が配置されている。各クランクウエイト106は、平面視でほぼ扇状の板状になっている。各クランクウエイト106の厚み方向の一方側の面には、ジャーナル102の端面が固定されている。各クランクウエイト106は、対向配置されていて、ジャーナル102の軸線(ジャーナル102の固定位置)から外れた位置において、クランクピン105で連結されている。クランクウエイト対104は、隣り合うジャーナル102の各間に、合計4つ設けられている。クランクシャフト100の延設方向の両端に位置しているジャーナル102のうちの一方には棒状の軸部107が固定されている。軸部107には、例えばチェーンが掛け回される図示しないスプロケット等が取り付けられる。両端に位置しているジャーナル102のうちの他方には、図示しないトランスミッションが連結される。
図1及び図2に示すように、内燃機関10は、全体として一方向に延びたクランクシャフト100を備えている。具体的には、図2に示すように、クランクシャフト100は、上記一方向に互いに間隔をおいて配置された5つの円柱状のジャーナル102を備えている。5つのジャーナル102の軸線は一致している。隣り合うジャーナル102の間には、一対のクランクウエイト106で構成されたクランクウエイト対104が配置されている。各クランクウエイト106は、平面視でほぼ扇状の板状になっている。各クランクウエイト106の厚み方向の一方側の面には、ジャーナル102の端面が固定されている。各クランクウエイト106は、対向配置されていて、ジャーナル102の軸線(ジャーナル102の固定位置)から外れた位置において、クランクピン105で連結されている。クランクウエイト対104は、隣り合うジャーナル102の各間に、合計4つ設けられている。クランクシャフト100の延設方向の両端に位置しているジャーナル102のうちの一方には棒状の軸部107が固定されている。軸部107には、例えばチェーンが掛け回される図示しないスプロケット等が取り付けられる。両端に位置しているジャーナル102のうちの他方には、図示しないトランスミッションが連結される。
図1に示すように、内燃機関10は、全体としてほぼ直方体状のシリンダブロック20を備えている。シリンダブロック20内には、円筒状の気筒22が区画されている。気筒22の軸線は上下方向に延びている。気筒22は、シリンダブロック20の上面から、シリンダブロック20における上下方向の中央よりもやや下側まで延びている。気筒22は、4つ設けられていて(図1では1つのみ図示)、クランクシャフト100の軸線方向に沿って並設されている。
シリンダブロック20において各気筒22の下側には、空隙部23が区画されている。空隙部23は、シリンダブロック20の下面まで続いている。すなわち、各気筒22は、空隙部23を介してシリンダブロック20の下面よりも下側に連通している。そして、この空隙部23内には、クランクシャフト100のクランクウエイト対104が位置している。各気筒22内には、当該気筒22内を往復移動する図示しないピストンが配置されている。このピストンは、コネクティングロッドを介して、クランクシャフト100のクランクピン105に連結されている。
上記のとおり、4つの気筒22及び4つの空隙部23が並設されているため、シリンダブロック20には、クランクシャフト100の軸線方向における両端、隣り合う気筒22及び隣り合う空隙部23の間において、クランクシャフト100の軸線方向及び上下方向に直交する方向に延びる仕切り壁20aが存在している。すなわち、仕切り壁20aは、シリンダブロック20におけるクランクシャフト100の軸線方向両側の側壁を構成する2つの仕切り壁20a、及び4つの気筒22及び空隙部23の各間の3つの仕切り壁20aで、合計5つ存在している。また、シリンダブロック20は、気筒22及び空隙部23の並設方向に延びて5つの仕切り壁20aの端部を連結している外壁20bを備えている。外壁20bの下端部からは、フランジ状の張出部Pが外側へ張り出している。
各仕切り壁20aの下面においては、半円状の軸受部26が上側へ窪んでいる。軸受部26は、当該仕切り壁20aの延設方向のほぼ中央に位置している。また、各仕切り壁20aの下面においては、ボルト穴28が上側へ窪んでいる。ボルト穴28は、仕切り壁20aの延設方向に関して、軸受部26の両側に1つずつ設けられている。
各仕切り壁20aには、上下方向に延びているオイル戻し孔24が区画されている。オイル戻し孔24の上端は、仕切り壁20a(シリンダブロック20)の上面に開口しており、オイル戻し孔24の下端は、仕切り壁20a(シリンダブロック20)の下面に開口している。すなわち、オイル戻し孔24は、仕切り壁20aを上下方向に貫通している。オイル戻し孔24は、仕切り壁20aの延設方向に関して、仕切り壁20aの両端部に1つずつ設けられていてボルト穴28よりも端側に位置している。
シリンダブロック20の上側には、シリンダヘッド30が固定されている。詳しい図示は省略するが、シリンダヘッド30には、気筒22への吸気の導入タイミングを調節する吸気弁が気筒22毎に取り付けられている。また、シリンダヘッド30には、気筒22からの排気の排出タイミングを調節する排気弁が気筒22毎に取り付けられている。シリンダヘッド30内には、吸気弁及び排気弁の動作を駆動する弁駆動機構が収容されている。シリンダヘッド30の下壁部においてはオイル排出孔32が貫通している。オイル排出孔32は、シリンダブロック20のオイル戻し孔24に繋がっている。
シリンダブロック20の下側には、ラダーフレーム50が固定されている。図2に示すように、ラダーフレーム50は、クランクシャフト100の軸線方向に延設されているとともにクランクシャフト100の軸線方向及び上下方向と直交する方向(図2において左右方向)に相対向している一対の板状の縦壁52を備えている。また、ラダーフレーム50は、クランクシャフト100の軸線方向及び上下方向と直交する方向に延びて一対の縦壁52を接続している横壁54を備えている。横壁54は、クランクシャフト100の軸線方向に関して等間隔で5つ並んでいる。なお、5つの横壁54の間隔は、シリンダブロック20における5つの仕切り壁20aの間隔と一致している。5つの横壁54のうちクランクシャフト100の軸線方向の両端側に位置している各横壁54は、一対の縦壁52の延設方向の端部同士を接続している。その結果として、両端側に位置している横壁54と、一対の縦壁52とは、四角形の枠状に繋がっている。縦壁52と横壁54の上下方向の寸法は一致しており、縦壁52の上面と横壁54の上面とはほぼ面一になっている。なお、両端側の横壁54と、一対の縦壁52とが構成する枠の外周寸法は、張出部Pを含んだシリンダブロック20における下面の外周寸法と一致している。
ラダーフレーム50がシリンダブロック20に固定された状態では、各縦壁52は、シリンダブロック20における各張出部Pと対向する位置に配置されている。そして、縦壁52の上面は、張出部Pの下面に当接している。また、ラダーフレーム50がシリンダブロック20に固定された状態では、5つの横壁54は、シリンダブロック20の5つの仕切り壁20aと対向する位置に配置されている。そして、横壁54の上面は、仕切り壁20aの下面と当接している。
図1及び図2に示すように、横壁54の上面においては、半円状の軸受部60が下側へ窪んでいる。軸受部60は、横壁54の延設方向のほぼ中央に位置していて、シリンダブロック20における仕切り壁20aの軸受部26と対向している。図1に示すように、ラダーフレーム50における横壁54の軸受部60と、シリンダブロック20における仕切り壁20aの軸受部26とによって、クランクシャフト100が回転可能に支持されている。具体的には、ラダーフレーム50における横壁54の軸受部60とシリンダブロック20における仕切り壁20aの軸受部26との間に、クランクシャフト100のジャーナル102が挟み込まれている。そして、隣り合う横壁54の間、及び隣り合う仕切り壁20aの間に、クランクウエイト対104が位置している。
図1及び図2に示すように、ラダーフレーム50の各横壁54においては、ボルト孔56が上下方向に貫通している。ボルト孔56は、横壁54の延設方向に関して、軸受部60の両側に1つずつ設けられている。ボルト孔56の軸線は、シリンダブロック20における仕切り壁20aのボルト穴28の軸線と一致している。ボルト孔56には、下側からボルトBが貫通している。ボルトBは、シリンダブロック20における仕切り壁20aのボルト穴28に結合されている。これにより、ラダーフレーム50がシリンダブロック20に固定されている。
図1に示すように、ラダーフレーム50の下側には、オイルパン40が固定されている。オイルパン40は上面が開口された箱形となっている。オイルパン40の上縁を構成する4辺は、ラダーフレーム50における2つの縦壁52、及びクランクシャフト100の軸線方向の両端側に位置している横壁54の下面に当接している。オイルパン40は図示しないボルト等によってラダーフレーム50に固定されている。オイルパン40の内部にはオイルが貯留されている。図示は省略するが、オイルパン40には、当該オイルパン40の内部のオイル(潤滑油)を圧送するためのオイルポンプが収められている。オイルポンプの動作により、軸受部26やシリンダヘッド30の弁駆動機構等、内燃機関10における潤滑が求められる部位にオイルを供給できるようになっている。
図1に示すように、ラダーフレーム50の各横壁54には、シリンダブロック20におけるオイル戻し孔24とオイルパン40の内部とを連通する連通路70が設けられている。連通路70は、横壁54を上下方向に貫通している。連通路70は、横壁54の延設方向に関して、軸受部60を挟んだ両側に1つずつ設けられている。連通路70は、ボルト孔56よりも横壁54の延設方向の端側に位置している。
図2に示すように、連通路70は、上面視すると、全体として横壁54の延設方向に長い長方形状になっている。この実施形態では、連通路70における横壁54の延設方向の端側の一部は、端側に向かうほど短手方向の寸法が長くなるテーパ状になっている。図2及び図3に示すように、連通路70における横壁54の延設方向の中央側部分は、オイル戻し孔24における下側の開口の直下に位置している。また、連通路70の上側の開口面積は、オイル戻し孔24における下側の開口面積よりも大きくなっていて、連通路70の上側の開口縁72が、オイル戻し孔24の下側の開口を外側から囲っている。すなわち、連通路70におけるオイル戻し孔24と対向する開口の開口縁72は、当該開口縁72の周方向の全域に亘って、シリンダブロック20(仕切り壁23)の下面に当接している。なお、図2及び図3では、オイル戻し孔24の位置を仮想的に二点鎖線で図示している。
図3及び図4に示すように、各連通路70の内面のうち横壁54の延設方向中央側の内面78からは、横壁54の延設方向端側に向かって板状の案内板80が突出している。案内板80は、上記延設方向中央側の内面78における上下方向のほぼ中央から突出している。案内板80は、平面視四角形状、且つ平板状になっている。案内板80は、横壁54の延設方向端側に向かうほど下方に位置するように突出していて、当該案内板80の上面は、横壁54の延設方向端側に向かうほど下方に位置するように傾斜している。この実施形態では、案内板80は、連通路70の内面のうちの、横壁54の短手方向の両側の内面74にも接続されている。
図1に示すように、案内板80における突出方向の先端の縁である突出先端縁80aは、横壁54の下面からよりも僅かに上側に位置している。案内板80の突出先端縁80aは、連通路70の内面のうちの横壁54の延設方向端側の内面76近傍に位置している。一方で、案内板80の突出先端縁80aは、上記延設方向端側の内面76にまでは至っていない。したがって、案内板80の突出先端縁80aよりも、横壁54の延設方向端側には、オイルが流通可能なオイル通路90が区画されている。なお、この実施形態では、案内板80が板状に形成されているため、案内板80の下側に、横壁54の下面から上側へと凹部86が窪んでいる。
図2及び図3に示すように、案内板80の突出先端縁80aは、横壁54の短手方向の両側の内面74間で、クランクシャフト100の軸線方向に沿って直線状に延びている。また、図1に示すように、案内板80の突出先端縁80aは、クランクウエイト106の径方向外側の端部の回転軌道Zの外側に位置している。
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)シリンダヘッド30内の弁駆動機構等に供給されたオイルは、当該弁駆動機構等を潤滑した後、シリンダヘッド30におけるオイル排出孔32、シリンダブロック20におけるオイル戻し孔24、及びラダーフレーム50の連通路70を通じてオイルパン40内に戻る。
(1)シリンダヘッド30内の弁駆動機構等に供給されたオイルは、当該弁駆動機構等を潤滑した後、シリンダヘッド30におけるオイル排出孔32、シリンダブロック20におけるオイル戻し孔24、及びラダーフレーム50の連通路70を通じてオイルパン40内に戻る。
本実施形態において、ラダーフレーム50における連通路70の上側の開口縁72の全周は、シリンダブロック20の下面に当接している。そのため、シリンダブロック20のオイル戻し孔24から流出したオイルがシリンダブロック20の下面を伝って他の箇所へと至ることはほぼ無い。そして、オイル戻し孔24から流出したオイルのほとんどは、図1の矢印A1で示すように、ラダーフレーム50の連通路70内に流入することになる。
連通路70に流入したオイルは、図1の矢印A2で示すように、案内板80の上面に沿って、横壁54の延設方向端側かつ下側へと案内される。詳しくは、オイルは、連通路70における、横壁54の延設方向端側の内面76に向けて案内される。このように、案内板80の上面を流れるオイルには、横壁54の延設方向端側に向かう流れが生じる。したがって、連通路70内を流れるオイルは、横壁54の延設方向端側、すなわちオイルパン40の内面へと流れやすく、横壁54の延設方向中央側へと流れにくい。ここで、案内板80の突出先端縁80aは、横壁54の延設方向端側の内面76近傍に位置している。したがって、オイルは、上記延設方向端側の内面76に近い位置まで、案内板80で案内される。上記延設方向端側の内面76に近い位置までオイルが案内されることで、オイルは、上記延設方向端側の内面76と繋がっているオイルパン40の内面へと至りやすくなる。そして、オイルは、図1の矢印A3で示すように、オイル通路90を通じて、上記延設方向端側の内面76からオイルパン40の内面へと伝わり、オイルパン40内の液面へと流れていく。
ところで、案内板80に案内されたオイルが、案内板80の突出先端縁80aに付着し、当該突出先端縁80aに沿って伝うことがある。ここで、本実施形態では、案内板80の下側には、上側に向かって窪んだ凹部86が存在している。したがって、案内板80の突出先端縁80aを伝うオイルが、凹部86を乗り越えて上記延設方向中央側の内面78へと至ることは考えられず、当該オイルは、案内板80の突出先端縁80aとなる直線部分を伝うのみである。したがって、横壁54の下面を、当該横壁54の延設方向中央側へとオイルが伝うことは抑制できる。
このように、本実施形態では、オイルがオイルパン40やラダーフレーム50の下面を伝って横壁54の延設方向中央側、すなわちクランクシャフト100が位置している側へと至ることを抑制できる。これにより、滴下されるオイルがクランクシャフト100によって巻き込まれてオイルが飛散し、オイルの過度な蒸発や劣化が引き起こされることを抑制できる。
(2)案内板80の突出先端縁80aは、クランクウエイト106の径方向外側の端部の回転軌道Zの外側に位置している。すなわち、案内板80の上面を流れるオイルは、クランクウエイト106の上記回転軌道Zの外側にまで案内されることになる。したがって、案内板80の突出先端縁80aまで案内されたオイルがクランクウエイト106の回転に巻き込まれて飛散することを適切に抑制できる。
(3)連通路70は、ラダーフレーム50における板状の横壁54に設けられている。仮にオイルが連通路70における下側の開口縁から横壁54の下面を伝ったとしても、クランクシャフト100の軸線方向においてオイルが伝う範囲は、横壁54の短手方向の寸法の範囲に限られる。そして、横壁54の直下には、クランクシャフト100のクランクウエイト対104が位置していない。したがって、横壁54の短手寸法の範囲内であれば、当該範囲からオイルが滴下しても、クランクウエイト対104にオイルが衝突することは抑制できる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・案内板80は、横壁54の延設方向端側に向かうほど下方に位置するように傾斜していればよく、その傾斜角度を自由に変更可能である。この傾斜角度は、オイルの流出量に応じてオイルをオイルパン40の内面へと効率的に伝わせることが可能となるようにすればよい。
・案内板80は、横壁54の延設方向端側に向かうほど下方に位置するように傾斜していればよく、その傾斜角度を自由に変更可能である。この傾斜角度は、オイルの流出量に応じてオイルをオイルパン40の内面へと効率的に伝わせることが可能となるようにすればよい。
・案内板80の突出寸法は、適宜変更可能である。ただし、少なくとも、シリンダブロック20におけるオイル戻し孔24の直下に案内板80の一部が位置している必要がある。また、上記(1)(2)の効果を適切に享受する上では、案内板80が、連通路70の内面のうちの横壁54の延設方向端側の内面76に極力近い位置まで突出していることが好ましい。
・案内板80は、その傾斜角度や突出寸法に応じて、横壁54の下面よりも下側まで突出していてもよい。つまり、案内板80は、オイルパン40の内部まで突出していてもよい。
・連通路70における横壁54の延設方向中央側の内面78に対する案内板80の上下方向の接続位置は、適宜変更可能である。
・案内板80の形状は、オイルをオイルパン40の内面に向けて案内できる形状であること、及び、横壁54の延設方向端側に向かうほど当該案内板80が下方に位置するように傾斜していることを条件に変更可能である。例えば、案内板80は、平板状でなくてもよい。例えば、案内板80は、横壁54の短手方向の中央で上側に凸となるような山なりの面形状でもよい。また、こうした山なりの面形状と上記実施形態に示した平板状の形状とを組み合わせてもよい。例えば、案内板80における横壁54の延設方向の中央側を平板状とし、他の部分を山なりの面形状にしてもよい。
・案内板80の形状は、オイルをオイルパン40の内面に向けて案内できる形状であること、及び、横壁54の延設方向端側に向かうほど当該案内板80が下方に位置するように傾斜していることを条件に変更可能である。例えば、案内板80は、平板状でなくてもよい。例えば、案内板80は、横壁54の短手方向の中央で上側に凸となるような山なりの面形状でもよい。また、こうした山なりの面形状と上記実施形態に示した平板状の形状とを組み合わせてもよい。例えば、案内板80における横壁54の延設方向の中央側を平板状とし、他の部分を山なりの面形状にしてもよい。
また、案内板80の突出先端縁80aは、直線状に延びていなくてもよい。例えば、案内板80の突出先端縁80aは、円弧状になっていたり、V字状になっていたりしてもよい。また、案内板80の突出先端縁80aの一部又は複数個所を、連通路70における横壁54の延設方向端側の内面76まで延長させて当該内面76に接続してもよい。この場合、オイル通路90が複数個設けられることになる。
また、案内板80は、連通路70における横壁54の短手方向の両側の内面74に接続されていなくてもよい。案内板80と横壁54の短手方向の両側の内面74との間に多少の隙間があっても、オイルは、案内板80の縁を伝って行くため、全体としては、オイルは案内板80によって、横壁54の延設方向の端側に案内される。
・上側から視た場合の連通路70の形状及び寸法は、適宜変更可能である。ただし、連通路70の上側の開口縁72の面積が、シリンダブロック20のオイル戻し孔24の開口縁の面積よりも大きいことは必須である。上側から視た場合の連通路70の形状及び寸法を変更した場合、その形状に合わせて案内板80の形状も変更される。この場合、案内板80は、シリンダブロック20のオイル戻し孔24の直下に位置する部分を有しており、かつ、横壁54の延設方向端側に向かうほど下側に位置するように上面が傾斜していることは必須である。
・横壁54における両端の連通路70及びその連通路70内の案内板80は、同一の構成でなくてもよい。例えば、横壁54の延設方向一方側の連通路70と他方側の連通路70とで開口形状が異なっていてもよいし、横壁54の延設方向一方側の案内板80と他方側の案内板80とで傾斜角度が異なっていてもよい。
・気筒22の数は変更可能である。気筒22の数に合わせて、シリンダブロック20における仕切り壁20aの数、及びラダーフレーム50における横壁54の数は変更される。
10…内燃機関、22…気筒、20…シリンダブロック、24…オイル戻し孔、40…オイルパン、50…ラダーフレーム、52…縦壁、54…横壁、60…軸受部、70…連通路、72…開口縁、80…案内板、90…オイル通路、100…クランクシャフト。
Claims (1)
- 複数の気筒が一列に並んだシリンダブロックの下側にクランクシャフトを支持するラダーフレームが固定され、前記ラダーフレームの下側にオイルを貯留するオイルパンが固定されている内燃機関であって、
前記シリンダブロックの下面には、オイルを前記オイルパンに戻すためのオイル戻し孔が開口しており、
前記ラダーフレームは、前記クランクシャフトと平行に延びているとともに相対向して配置されている一対の縦壁と、前記クランクシャフトと交差する方向に延びているとともに前記一対の縦壁を接続している横壁とを備え、
前記横壁は、前記クランクシャフトを支持する軸受部と、前記軸受部に対して前記横壁の延設方向に並ぶ位置に配置されており、前記オイル戻し孔と前記オイルパンの内部とを連通している連通路とを備え、
前記連通路における前記オイル戻し孔と対向する開口の開口縁は、当該開口縁の周方向の全周に亘って前記シリンダブロックの下面に当接しており、
前記連通路の内面からは、前記オイル戻し孔の直下に位置する部分を有する案内板が突出しており、
前記案内板の上面は、前記横壁の延設方向における端側に向かうほど下側に位置するように傾斜している
内燃機関。
Priority Applications (1)
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JP2017230878A JP2019100236A (ja) | 2017-11-30 | 2017-11-30 | 内燃機関 |
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ID=66976372
Family Applications (1)
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JP2017230878A Pending JP2019100236A (ja) | 2017-11-30 | 2017-11-30 | 内燃機関 |
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-
2017
- 2017-11-30 JP JP2017230878A patent/JP2019100236A/ja active Pending
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