JP2019100118A - あと付けブレースの接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と比較し、施工性に優れ、好適にあと付けブレースを柱に接合固定できるあと付けブレースの接合構造を提供する。【解決手段】ウェブとフランジ3aを有する鉄骨からなる水平の既存部材3の端部が接合された中柱15に水平ブレース6の端部を接合するためのあと付けブレースの接合構造Aであって、既存部材3のフランジ3aの外側の面に対向配置され、水平ブレース6を接続する板状の固定板10と、固定板10とともに既存部材3のフランジ3aを挟み込むように配設される支持板11と、固定板10と支持板11の間に介装される介装板と、固定板10と支持板11をボルト接合するボルト及びナットとを備える。また、固定板10が複数の固定板片13、14に分割可能に形成され、複数の固定板片13、14がそれぞれ、中柱15が嵌合する嵌合凹部16と、隣り合う固定板片13、14同士を接合するための連結部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、本発明は、既存の工場施設や体育館などの大空間の屋根面の耐震補強を施すために、あと付け水平ブレースを設置する場合において、あと付け水平ブレースと柱を接合固定する構造に関する。
工場施設や体育館などの大空間施設では、大地震時に、天井の落下、間仕切り壁の倒壊、吊り設備機器の破壊などが発生し、生産ラインが停止するおそれがある。このような被害の根本的な原因として、屋根面の面内剛性の不足による鉛直構面間で過大な水平変位の差や、柱スパンにある屋根面自体が過大な変形によって、屋根面の構造に付随する天井・間仕切り壁・吊り設備を破壊に至らしめる可能性があり、このような大空間建物では屋根面の面内剛性高めることの重要性が増している。
また、1981年以前の「旧耐震」で設計された工場施設や体育館では既存屋根面ブレースの耐力・剛性が不足している場合が多く、あと付け水平ブレースによる耐震補強が必要となる。
ここで、あと付け水平ブレースと柱との接合部は、屋根面荷重が最終的に集まる軸力の大きな水平ブレースの荷重を確実に柱に伝えるように構成されていることが重要である。
一方、既設工場の耐震補強工事では、屋内に生産ラインや資材が存在するため、火気や粉塵を嫌う。また、柱材の材料が溶接に適さない場合や、柱の孔開け加工による断面欠損を嫌う場合がある。さらに、工事中でも生産ラインを稼働させること、あるいは停止期間をなるべく短くさせるという要求が高く、施工が簡単であり、短時間で済む工法の開発が求められている(例えば、特許文献1参照)。
これに対し、例えば、角形鋼管の柱材の外周を線材で囲み、線材中央のボルトをねじ込み、ボルトから角形鋼管のスキンプレートへの支圧又は変形によって鋼管外周の治具を固定する手法が提案、実用化されている(非特許文献1参照)。この手法によれば、施工が簡単で、短工期のあと付けブレースの接合構造を実現することができ得る。
特開平10−227069号公報
張 雷 ,武田 禎久,佐藤 美帆,倉田 真宏:New configuration of minimal-disturbance arm damper for bidirectional seismic force Part 1: Design and numerical simulation,日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),構造III,pp.891-892,2016-08
しかしながら、角形鋼管の柱材の外周を線材で囲み、線材中央のボルトをねじ込み、ボルトから角形鋼管のスキンプレートへの支圧又は変形によって鋼管外周の治具を固定する手法においては、スキン板がへこむことで、角形鋼管の断面性能の低下や角形鋼管を損傷させるおそれがある。
さらに、複数のボルト用いてスキン板を面外変形させるため、1つのボルトの支圧力を増すと、他のボルトの支圧力が低下し、好適な状態で固定作業が行えない(固定作業がなかなか収束しない)という不都合が生じてしまう。
上記事情に鑑み、本発明は、従来と比較し、施工性に優れ、好適にあと付けブレースを柱に接合固定できるあと付けブレースの接合構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明のあと付けブレースの接合構造は、ウェブとフランジを有する鉄骨からなる水平の既存部材の端部が接合された中柱に水平ブレースの端部を接合するためのあと付けブレースの接合構造であって、前記既存部材のフランジの外側の面に対向配置され、前記水平ブレースを接続する板状の固定板と、前記固定板とともに前記既存部材のフランジを板厚方向に挟み込むように配設される支持板と、前記固定板と前記支持板の間に介装される介装板と、前記固定板と前記支持板をボルト接合するボルト及びナットとを備えるとともに、前記固定板が複数の固定板片に分割可能に形成され、前記複数の固定板片がそれぞれ、前記中柱が嵌合する嵌合凹部と、隣り合う前記固定板片同士を接合するための連結部とを備えることを特徴とする。
本発明のあと付けブレースの接合構造は、ウェブとフランジを有する鉄骨からなる水平の既存部材の端部が接合された側柱に水平ブレースの端部を接合するためのあと付けブレースの接合構造であって、前記既存部材のフランジの外側の面に対向配置され、前記水平ブレースを接続する板状の固定板と、前記固定板とともに前記既存部材のフランジを挟み込むように配設される支持板と、前記固定板と前記支持板の間に介装される介装板と、前記固定板と前記支持板をボルト接合するボルト及びナットとを備えるとともに、前記固定板が、前記側柱が嵌合する嵌合凹部と、前記嵌合凹部を間にして両側にそれぞれ設けられた一対の連結部とを備え、且つ、前記側柱を前記嵌合凹部に嵌合させた状態の前記固定板の前記一対の連結部にそれぞれ端部側を連結させ、前記固定板とともに前記側柱を囲繞するように配設される連結材を備えることを特徴とする。
本発明のあと付けブレースの接合構造においては、水平ブレースを既存部材に固定する部品が一般に使用される鋼板とボルトのみから構成されるため、材料が少なく、入手しやすく、加工コストを小さく抑えることができる。このため、施工箇所数が無数に存在する工場施設においては、経済的な効果が非常に大きい。
また、現場での溶接や孔開け加工、現場での摩擦面処理作業が不要であり、施工が簡単である。
また、ブレース固定板をフランジの外側に固定するため、既存部材を避けた配置が可能となり、この点からも簡単に施工できる。
さらに、ブレースの軸線が通っているため、偏心曲げなどの2次応力が発生しない。
また、固定部の応力の流れが明快であり、構造設計がしやすい。
さらに、本発明のスペーサは、既存弦材フランジからの支圧力を受ける働きと、既存フランジの上側へフック金物を配置する目的で設置されるため、特許文献3のようなスペーサ板厚の高精度の管理を行うことが不要である。
本発明の第1実施形態に係るあと付けブレースの接合構造を示す正面視図である。 本発明の第1実施形態に係るあと付けブレースの接合構造を示す平面視図である。 本発明の第1実施形態に係るあと付けブレースの接合構造を示す分解平面視図である。 本発明の第1実施形態に係るあと付けブレースの接合構造を示す分解正面視図である。 本発明の第1実施形態に係るあと付けブレースの接合構造の変更例を示す平面視図である。 本発明の第1実施形態に係るあと付けブレースの接合構造の変更例を示す分解平面視図である。 本発明の第2実施形態に係るあと付けブレースの接合構造を示す正面視図である。 本発明の第2実施形態に係るあと付けブレースの接合構造を示す平面視図である。 本発明の第2実施形態に係るあと付けブレースの接合構造を示す分解平面視図である。 本発明の第2実施形態に係るあと付けブレースの接合構造を示す分解正面視図である。 本発明の第2実施形態に係るあと付けブレースの接合構造の変更例を示す平面視図である。 本発明の第2実施形態に係るあと付けブレースの接合構造の変更例を示す分解平面視図である。
以下、図1から図4を参照し、本発明の第1実施形態に係るあと付けブレースの接合構造について説明する。
ここで、本実施形態では、あと付けの水平ブレースを設置して耐震性能の向上を図る対象が、既存の工場施設や体育館などの大空間/大スパンの屋根面を有する建物であるものとして説明を行う。また、本実施形態では、建物の屋根面が柱とトラス形式の大梁を備えて構成され、この柱に水平ブレースを追加設置して耐震性能の向上を図るものとして説明を行う。
さらに、本実施形態では、本発明に係るあと付けブレースの接合構造を中柱に取り付け、あと付けの水平ブレースの端部を接続するものとして説明を行う。
具体的に、本実施形態の建物の屋根面架構(大梁)1は、図1に示すように、上側の水平梁である上弦材2と、下側の水平梁である下弦材3と、上弦材2と下弦材3を連結するように上弦材2と下弦材3の間に配設された束材(鉛直材:不図示)及びラチス材(斜材)4とを備えてトラス形式で形成されている。
上弦材2と下弦材3は、H形鋼や山形鋼のウェブとフランジを備えた鉄骨(弦材)を用いて構成されている。また、本実施形態の上弦材2と下弦材3はそれぞれ、複数の鉄骨を直交させて組み付け、略格子状に形成されている。
本実施形態のあと付けブレースの接合構造Aは、図1から図4に示すように、あと付けの水平ブレース6の端部をボルト接合する平板状の固定板10と、固定板10とともに下弦材3(あるいは上弦材2)のフランジ3aを挟み込むように配設される支持板11と、固定板10と支持板11の間に介装されるスペーサの介装板12と、固定板10と支持板11をボルト接合するボルト及びナットとを備えて構成されている。
固定板10は、平面視で、正方形の4つの隅部を対角線の延長線に沿って外側に張り出すようにして略十字状に形成され、中央の正方形部分が応力伝達部10aとされ、4つの張り出した隅部がそれぞれ水平ブレースの端部をボルト接合する接合部10bとされている。
さらに、この固定板10は、互いに2つずつの接合部10bを備えた同径同大の一方の固定板片13と他方の固定板片14の2つの固定板片13、14に分割可能に形成されている。また、一方の固定板片13と他方の固定板片14はそれぞれ、応力伝達部10aに、端部から側部に向けて凹み、平面視で中柱(柱、中間柱)15の略半分が嵌合する嵌合凹部16が形成されている。
一方の固定板片13と他方の固定板片14にはそれぞれ、嵌合凹部16を間にして互いに対向する応力伝達部10aの接合端部に、応力伝達部10aの板面に直交する方向に突出し、ボルト挿通孔が貫通形成された連結部17が一体に設けられている。
そして、嵌合凹部16を中柱15に嵌合させ、中柱15を挟み込むように一方の固定板片13と他方の固定板片14を所定位置に配置すると、一方の固定板片13と他方の固定板片14の連結部17同士が対向配置され、この状態で連通するボルト挿通孔にボルトを挿通し、ナットを締結して互いに対向する連結部17同士を接合する。
これにより、固定板10は、一方の固定板片13と他方の固定板片14が一体になって略十字状を呈するように形成され、一方の固定板片13と他方の固定板片14の互いの嵌合凹部16によって形成された中心孔に中柱15を挿通させるようにして中柱15に取り付けられる。
また、固定板10は、上弦材2や下弦材3の十字状に直交する鉄骨(弦材)の交点及びこの交点と中心軸線を同軸上に配して立設される中柱15の中心軸線と、その中心を合わせ、且つ対角線が下弦材3の直交する鉄骨の延設方向に対して45°の角度をなすように、また、下弦材3のフランジ3aの外面に面接触させて配設される。
支持板11は、図4に示すように、矩形板状に形成され、長辺の一側部側に一面から他面に貫通する複数のボルト挿通孔が穿設されている。そして、この支持板11は、下弦材3のフランジ3aを避けて、互いに連通したボルト挿通孔にボルトを挿通しナットを緊締することにより、固定板10と支持板11の他側部側とで下弦材3のフランジ3aを挟み込み、固定板10を下弦材3に支持することができるように構成されている。
さらに、本実施形態では、支持板11の一側部側と介装材12と固定板10のボルト挿通孔を連通させて各支持板11の一側部側と固定板10の間に介装材12を介装し、これら支持板11の一側部側と介装材12と固定板10を一体にボルト接合するように構成されている。介装板12が無くても固定板10を下弦材3のフランジ3aの外面に略鉛直方向に支持することができるが、介装板12があれば、支持板11をフランジ3aの端へ接合する際、支持板11の傾きやぐらつきを無くすことができる。
そして、上記構成からなる本実施形態のあと付けブレースの接合構造Aにおいては、新たに追加する水平ブレース6が固定板10の対角線上の4隅の接合部10bにそれぞれボルト接合して配設される。
これにより、屋根面で発生する水平方向の地震力は、直交する上弦材2や下弦材3の鉄骨に集まるが、直交する弦材と対角線上に配置された水平ブレース6の交点中心が一致しているため、偏心による2次応力が発生せず、力学的に明快な補強を行うことができる。
より具体的に、図2に、矢印により本実施形態のあと付けブレースの接合構造Aを用いて水平ブレース6を設置した場合の力の流れを示す。
図中の矢印S1は他の水平ブレース6から伝達され累積した屋根面の水平荷重であり、矢印S2は矢印S1が形を変え、固定板10が柱15と接する小口において発生する圧力(支圧力)である。同支圧力は、1つの水平ブレース6の水平力に対して2方向に発生する。これら支圧力は、柱15におけるコーナーからスキン板にかけての支圧力を反力(矢印S4)として柱15に伝達される。
したがって、水平ブレース6からの引張力S1は、固定板10の接合部を流れて柱15を挟んで反対側の小口に到達する。逆に水平ブレース6が圧縮荷重を負担する場合では、直接、固定板10の小口から柱15へ支圧力(矢印S3)が伝達される。
なお、図5及び図6に示すように、固定板片13と固定板片14の嵌合凹部16の長さの合計値Lを柱15の外径より若干短くすることにより、固定板片13と固定板片14のボルト連結時に、柱15と両固定板片13、14が密着し、がたつきを無くすことができる。
そして、このような力の伝達のしくみは、固定板片13と固定板片14がボルトで結合されることで1つのリングが形成され、そのリングが柱を貫通する形態であるため、水平ブレース6の引張力を柱15の背面から支圧として働かせ、4方向に配置されている水平ブレース6と中柱15の力の伝達を確実になすものである。
また、本実施形態のあと付けブレースの接合構造Aは、主要構成部材が固定板10、支持板11、介装材12の3種だけであり、全て鋼板を用い、高力ボルト接合用の孔開け加工を施すだけで、容易に製作することができる。
すなわち、本実施形態のあと付ブレースの接合構造Aにおいては、1施工箇所(1節点)における部材数が少なく、簡単に入手可能な材料と加工が行えるため、特に大量の数量を必要とする大空間建物の耐震改修で大きなコスト削減を図ることが可能になる。
また、現場での溶接や孔開け加工、現場での摩擦面処理作業が不要であり、施工が簡単である。
また、固定板10をフランジ3aの外側に固定するため、既存部材を避けた配置が可能となり、この点からも簡単に施工できる。さらに、ブレース6の軸線が通っているため、偏心曲げなどの2次応力が発生しない。
また、固定部の応力の流れが明快であり、構造設計がしやすい。
なお、水平ブレース6の材料には一般形鋼、JISブレースを使用できる他、接合部10bを構造用ケーブルの固定金物とすることで、施工時の運搬に場所をとらず、圧縮軸力で座屈の心配が無い構造用ケーブルを使用することもできる。また、本実施形態のあと付けブレースの接合構造Aは、上弦材2側にも下弦材3側にも施工することができ、同様の効果が得られることは言うまでもない。
次に、図7から図10を参照し、本発明の第2実施形態に係るあと付けブレースの接合構造について説明する。
ここで、本実施形態では、本発明に係るあと付けブレースの接合構造を側柱に取り付け、あと付けの水平ブレースの端部を接続するものとして説明を行う。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態のあと付けブレースの接合構造Bは、図7から図10に示すように、あと付けの水平ブレース6の端部をボルト接合する平板状の固定板10と、固定板10とともに下弦材3(あるいは上弦材2)のフランジ3aを挟み込むように配設される支持板11と、固定板10と支持板11の間に介装されるスペーサの介装板12と、固定板10と支持板11をボルト接合するボルト及びナットと、固定板を固定するための連結材20を備えて構成されている。
本実施形態の固定板10は、第1実施形態の一つの固定板片13の応力伝達部10aを側柱(柱)15の奥行寸法に合わせて延長した形で構成されている。すなわち、本実施形態の固定板10は、平面視で、四角形の2つの隅部を対角線の延長線に沿って外側に張り出すようにして略Y字状に形成され、中央の四角形部分が応力伝達部10aとされ、2つの張り出した隅部がそれぞれ水平ブレース6の端部をボルト接合する接合部10bとされている。
また、応力伝達部10aに、端部から側部に向けて凹み、側柱15が嵌合する嵌合凹部16が形成されている。
固定板10には、嵌合凹部16を間にして互いに対向する応力伝達部10aの接合端部に、応力伝達部10aの板面に直交する方向に突出し、ボルト挿通孔が貫通形成された連結部17が一体に設けられている。
本実施形態の連結材20は、側柱15の幅寸法よりも大きい所定の長さの溝形鋼などの鉄骨材であり、ウェブの両端部側にそれぞれ、固定板10の一対の連結部17にそれぞれ形成されたボルト挿通孔に対応するボルト挿通孔が貫通形成されている。
そして、嵌合凹部16を側柱15の一側面側から側柱15に嵌合させ、固定板10を所定位置に配置する。側柱15の他側面側に連結材20を配置するとともに連結材20の両端部側のボルト挿通孔を固定板10の一対の連結部17のボルト挿通孔と連通させ、互いのボルト挿通孔にボルトを挿通し、ナットを締結し、連結材20と固定板10を接合する。
これにより、固定板10と連結材20によって側柱15が囲繞され、固定板10の嵌合凹部16に嵌合した側柱15を連結材20と固定板10とでクランプする形となり、固定板10が側柱15の所定位置に固定して取り付けられる。なお、図11及び図12に示すように、固定板10の嵌合凹部16の長さの合計値Lを柱15の外径より若干短くすることにより、固定板10と連結材20のボルト連結時に、柱15と固定板10、連結材20が密着し、がたつきを無くすことができる。
また、固定板10は、上弦材2や下弦材3の十字状に直交する鉄骨(弦材)の交点及びこの交点と中心軸線を同軸上に配して立設される側柱15の中心軸線と中心を合わせつつ対角線が下弦材3の直交する鉄骨の延設方向に対して45°の角度をなすように、また、下弦材3のフランジ3aの外面に略鉛直方向に支持される。
支持板11は、矩形板状に形成され、長辺の一側部側に一面から他面に貫通する複数のボルト挿通孔が一側部に沿って所定の間隔をあけて穿設されている。そして、この支持板11は、下弦材3のフランジ3aの内面に他側部側を面接触させつつ、固定板10に穿設されたボルト挿通孔と、一側部側のボルト挿通孔を連通させるように配設される。そして、互いに連通したボルト挿通孔にボルトを挿通しナットを緊締することにより、固定板10と支持板11の他側部側とで下弦材3のフランジ3aを挟み込み、固定板10と下弦材3を接合することができるように構成されている。
また、本実施形態では、直交する3本の下弦材3の各鉄骨のフランジ3aを挟み込むようにそれぞれ支持板11が配設されている。本実施形態では、4つの支持板11が設けられ、直交する各鉄骨のフランジ3aを固定板10と各支持板11で挟み込んで、固定板10が下弦材3の所定位置に接合配置されている。
さらに、本実施形態では、支持板11の一側部側と介装材12と固定板10のボルト挿通孔を連通させて各支持板11の一側部側と固定板10の間に介装材12を介装し、これら支持板11の一側部側と介装材12と固定板10を一体にボルト接合するように構成されている。
そして、上記構成からなる本実施形態のあと付けブレースの接合構造Bにおいては、新たに追加する水平ブレース6が固定板10の対角線上の2隅の接合部10bにそれぞれボルト接合して配設される。
これにより、地震で発生した屋根面の水平荷重は水平ブレース6を伝わって、柱の中心へ確実に伝えることができる。したがって、偏心による2次応力が発生せず、力学的に明快な補強を行うことができる。
より具体的に、図8に、本実施形態のあと付けブレースの接合構造Bを用いて水平ブレース6を設置した場合の力の流れを示す。
本実施形態のあと付けブレースの接合構造Bは第1実施形態のあと付けブレースの接合構造Aの一方の固定板片13のみで固定板10が構成された形に置き換わったものであるため、基本的な力の流れは中柱を対象とした第1実施形態の場合と同様である。
また、水平ブレース6の軸力が大きく、支圧面積を広げたい場合には、固定板10の板厚を大きくしたり、支圧面を形成する鋼板を溶接接合などで追加すればよい。
そして、このような力の伝達のしくみは、固定板10と連結材20がボルトで結合されることで1つのリングが形成され、そのリングが柱15を貫通する形態であるため、水平ブレース6の引張力を柱15の背面から支圧として働かせ、2方向に配置されている水平ブレース6と側柱15の力の伝達を確実になすものである。
以上のような仕組みにより、本実施形態のあと付けブレースの接合構造Bでは、既存部材(下弦材3)と新規部材(水平ブレース6)と間に摩擦接合を使用せず、既存部材に対して固定板10と連結材20がずれないようにし、力の流れがスムーズになるようにしている。
したがって、本実施形態のあと付けブレースの接合構造Bにおいても、第1実施形態と同様、主要構成部材が固定板10、支持板11、連結材20の3種だけであり、全て鋼板を用い、高力ボルト接合用の孔開け加工を施すだけで、容易に製作することができる。
すなわち、1施工箇所(1節点)における部材数が少なく、簡単に入手可能な材料と加工が行えるため、特に大量の数量を必要とする大空間建物の耐震改修で大きなコスト削減を図ることが可能になる。
よって、本実施形態のあと付けブレースの接合構造Bおいても、水平ブレース6を既存部材に固定する部品が一般に使用される鋼板とボルトのみから構成されるため、材料が少なく、入手しやすく、加工コストを小さく抑えることができる。このため、同様なパターンが繰り返され施工箇所数が多数に存在する工場施設においては、経済的な効果が非常に大きい。
また、現場での溶接や孔開け加工、現場での摩擦面処理作業が不要であり、施工が簡単である。
また、連結材20が奥行を取らない部材であることから、屋内作業によって、建物の外壁と柱の間に連結材20を挿入することができ、さらに固定板10がフランジ3aの外側に設置されるため、既存部材を避けた配置が可能となり、この点からも簡単に施工できる。
ブレース6の軸線が通っているため、偏心曲げなどの2次応力が発生しない。また、固定部の応力の流れが明快であり、構造設計がしやすい。
なお、水平ブレース6の材料には一般形鋼、JISブレースを使用できる他、接合部10bを構造用ケーブルの固定金物とすることで、施工時の運搬に場所をとらず、圧縮軸力で座屈の心配が無い構造用ケーブルを使用することもできる。また、本実施形態のあと付けブレースの接合構造Bは、上弦材2側にも下弦材3側にも施工することができ、同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上、本発明に係るあと付けブレースの接合構造の第1、第2実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第2実施形態の固定板を複数に分割形成したり、第1実施形態の固定板をさらに3つ以上に分割形成してもよい。
さらに、上記の実施形態では大空間/大スパンの屋根面を構成する大梁をトラス形式とした場合であったが、大梁をH形鋼としても、H形鋼がウェブとフランジを有する鉄骨からなる水平の既存部材であることに変わりがなく、本発明が適用できることは言うまでもない。
また、図5及び図6、図11及び図12に示すように、柱15の種類は角形鋼管以外の例えばH形鋼の場合でも、接合構造の第1、第2実施形態と同様な形態が適用できる。
1 屋根面架構(大梁)
2 上弦材(既存部材)
3 下弦材(既存部材)
3a フランジ
4 ラチス材
6 水平ブレース(あと付けブレース)
10 固定板
10a 応力伝達部
10b 接合部
11 支持板
12 介装板(スペーサ)
13 一方の固定板片
14 他方の固定板片
15 柱(中柱、側柱)
16 嵌合凹部
17 連結部
20 連結材
A あと付けブレースの接合構造
B あと付けブレースの接合構造

Claims (2)

  1. ウェブとフランジを有する鉄骨からなる水平の既存部材の端部が接合された中柱に水平ブレースの端部を接合するためのあと付けブレースの接合構造であって、
    前記既存部材のフランジの外側の面に対向配置され、前記水平ブレースを接続する板状の固定板と、
    前記固定板とともに前記既存部材のフランジを挟み込むように配設される支持板と、
    前記固定板と前記支持板をボルト接合するボルト及びナットとを備えるとともに、
    前記固定板が複数の固定板片に分割可能に形成され、
    前記複数の固定板片がそれぞれ、前記中柱が嵌合する嵌合凹部と、隣り合う前記固定板片同士を接合するための連結部とを備えることを特徴とするあと付けブレースの接合構造。
  2. ウェブとフランジを有する鉄骨からなる水平の既存部材の端部が接合された側柱に水平ブレースの端部を接合するためのあと付けブレースの接合構造であって、
    前記既存部材のフランジの外側の面に対向配置され、前記水平ブレースを接続する板状の固定板と、
    前記固定板とともに前記既存部材のフランジを挟み込むように配設される支持板と、
    前記固定板と前記支持板をボルト接合するボルト及びナットとを備えるとともに、
    前記固定板が、前記側柱が嵌合する嵌合凹部と、前記嵌合凹部を間にして両側にそれぞれ設けられた一対の連結部とを備え、
    且つ、前記側柱を前記嵌合凹部に嵌合させた状態の前記固定板の前記一対の連結部にそれぞれ端部側を連結させ、前記固定板とともに前記側柱を囲繞するように配設される連結材を備えることを特徴とするあと付けブレースの接合構造。
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