JP2019098634A - サンドイッチ構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】筐体の表面の一部の箇所を加工して段差を設けた凹状部の形成に際し、シャープな輪郭を発現し、均一な塗装層を形成することができるとともに、高強度・高剛性化を達成しつつ、かつ薄肉化を可能としうるサンドイッチ構造体およびその製造方法を提供する。【解決手段】コア層5の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層6,7で狭持されてなり、少なくとも一方のスキン層が意匠面6であり、意匠面6の一部を凹状部2、残りを意匠表面部3とし、凹状部2と意匠表面部3との境界にあるコア層の少なくとも一部に切込み4が設けられるとともに、凹状部2直下におけるコア層5aの空隙率は、意匠表面部3におけるコア層5bの空隙率よりも低いサンドイッチ構造体1。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばパソコンやOA機器、携帯電話等の部品や筐体部分として用いられる軽量、高強度・高剛性でかつ薄肉化が要求される用途に適したサンドイッチ構造体およびその製造方法に関する。
現在、パソコン、OA機器、AV機器、携帯電話、電話機、ファクシミリ、家電製品、玩具用品などの電気・電子機器の携帯化が進むにつれ、より小型、軽量化が要求されている。その要求を達成するために、機器を構成する部品、特に筐体には、外部から荷重がかかった場合に筐体が大きく撓んで内部部品と接触、破壊を起こさないようにする必要があるため、高強度・高剛性化を達成しつつ、かつ薄肉化が求められている。
特許文献1(特開平8−238638号公報)では、「開放された雌雄一対の金型間に、表皮材および予熱して厚み方向に5倍以上に膨張した抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シートを重ね合うように供給したのち、膨張した抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シートが40〜80%の厚みになるまで型締、圧縮し一体化する方法」が記載され、「表皮材が強固に接着され、空隙率が高く、軽量性および強度に優れ、得られた成形体は軽量、かつ高強度の成形品として利用することができる」効果が開示されている。
また、特許文献2(特開2015−63078号公報)では、「繊維と熱可塑性樹脂とを含む平板状の成形材料を一対の成形型のせん断によって切断し、その切断によって凹部を有する樹脂成形体を形成し、その凹部である成形空間に、溶融樹脂を射出することで凹部の壁部を成形する方法」が、記載され、これにより、「プレス成形で、凹部を有する樹脂成形体を狙った通りの寸法でより確実に成形することができる」効果が開示されている。
また、特許文献3(特開2016−49649号公報)には、「不連続繊維と熱可塑性樹脂(A)からなるコア層コア層にスプリングバックによる復元力により空隙率が異なり厚さの異なる部位を形成することにより段差部位を形成する構成」が記載され、「空隙率が異なり厚さの異なる段差部位に別の構造体を接合する構成とすることにより、一体成形体の薄肉形成を可能とし、軽量、高強度・高剛性で、かつ別の構造体との高い接合強度が得られる」効果が開示されている。さらに、厚さの異なる段差部位を形成する方法として、加熱プレス成形によりスキン層前駆体を固化または硬化してスキン層の形成とコア層前駆体とスキン層とを一体化させた後、接合部と本体部との境界に沿ってスキン層にスリットの加工を施し、サンドイッチ構造体を加熱し、スプリングバックにより空隙を有するコア層を形成している。
特開平8−238638号公報 特開2015−63078号公報 特開2016−49649号公報
電気・電子機器等に用いられる筐体の表面には、製造メーカの名称等を特徴的に表示するロゴ部を形成することが一般的に行われおり、筐体の表面の一部の箇所を凹形状または凸形状に加工し、その箇所にロゴ部を形成することで、立体感が表れ、視覚的に良い印象を与えることから、多くの製品で採用されている。ロゴ部を凸形状に加工することは、薄肉化に逆行することもあり、凹状に形成する場合が多い。
しかし、凹状に形成するために、単に、プレス成形により段差賦形するだけでは、複雑な形状や、深い段差に形成することは困難であった。また、凹状に形成した部位の周辺の段差部は角張った深い段差形状ではなく、なだらかな丸みを帯びた形状となるため、シャープな輪郭が得られず、ロゴ部を強調して視認させるには不十分であった。また、意匠面側に塗装を形成する場合には、凹状部の周辺に塗装液が滞留して塗装液溜りが生じてしまう課題があった。
このような課題に対し、上述した特許文献1の方法は、表皮材を強固に接着することを目的としており、膨張した抄造法繊維強化熱可塑性樹脂シートを使用してプレス成形するだけでは、複雑な形状や、深い段差に形成し、ロゴ部の輪郭を強調して視認させるように形成することは困難であった。
また、特許文献2の方法は、凹部を構成する壁部を形成することを目的としたものであり、繊維強化樹脂基材を成形型のせん断によって切断する場合、切断箇所以外の部分で引っ張られ移動したりして、基材の位置ずれが生じ、寸法精度の悪化に繋がる場合があった。
さらに、特許文献3の構成では、段差形成のためにサンドイッチ構造体の広い面にわたって加熱して膨張させる必要があるため、加熱による伝熱が均一でなく、平面の寸法精度が十分に出せないものであった。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、筐体の表面の一部の箇所を加工して段差を設けた凹状部の形成に際し、シャープな輪郭を発現し、均一な塗装層を形成することができるとともに、高強度・高剛性化を達成しつつ、かつ薄肉化を可能としうるサンドイッチ構造体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の手段を採用するものである。すなわち、
(1)コア層の両側が、連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体であって、
少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、前記意匠面の一部を凹状部、残りを意匠表面部とし、
前記凹状部と前記意匠表面部との境界にあるコア層の少なくとも一部に切込みが設けられるとともに、
前記凹状部直下におけるコア層の空隙率は、前記意匠表面部におけるコア層の空隙率よりも低いことを特徴とするサンドイッチ構造体。
(2)前記切込みの深さが、前記意匠表面部に接するコア層厚みの50〜100%である(1)記載のサンドイッチ構造体。
(3)前記切込みの幅が0.1〜1mmである(1)又は(2)記載のサンドイッチ構造体。
(4)前記凹状部のスキン層の上面は、前記意匠表面部のスキン層の下面よりも下方に位置する(1)〜(3)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(5)前記コア層が発泡体または、熱可塑性樹脂(B)と不連続繊維からなる複合体のいずれかからなる多孔質コア層である(1)〜(4)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(6)前記意匠表面部に接するコア層領域の空隙率が50〜80%、前記凹状部に接するコア層領域の空隙率が0〜45%である(1)〜(5)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(7)前記意匠表面部に接するコア層及びスキン層を含むサンドイッチ構造体全体の厚さDb(mm)が0.5〜2mmである(1)〜(6)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(8)前記凹状部を形成するスキン層の最表面と前記意匠表面の最表面との高さの差Tc(mm)が、2≦Db/Tc≦5の範囲にある(7)に記載のサンドイッチ構造体。
(9)前記意匠面に塗装層を有する(1)〜(8)のいずれかにに記載のサンドイッチ構造体。
(10)前記凹状部にロゴ部が形成される(1)〜(9)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(11)コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、
少なくとも以下の工程[1]〜[5]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、前記意匠面の一部に凹状部を有することを特徴とする、サンドイッチ構造体の製造方法。
[1]不連続繊維基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂(B)層を配したコア層積層前駆体を形成する工程
[2]前記コア層積層前駆体の両面に、前記連続繊維に前記マトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体を配して成形体前駆体を形成する工程、
[3]前記成形体前駆体を加熱プレスにより、前記スキン層前駆体を固化または硬化させてスキン層を形成するとともに、前記コア層積層前駆体の前記熱可塑性樹脂(B)を軟化または溶融させて前記不連続繊維基材に含浸させコア層前駆体を形成し、前記スキン層と前記コア層前駆体を一体化させた後、加圧を解除し、
前記コア層前駆体をスプリングバックにより膨張させて空隙を有する前記コア層及びサンドイッチ構造前駆体を形成する工程
[4]前記サンドイッチ構造前駆体の少なくとも一方の前記スキン層を意匠面とし、前記意匠面の面内の一部に、前記凹状部に相当する領域に沿って切込みを設ける工程
[5]前記凹状部に相当する領域を押圧し、前記凹状部に相当する領域に含まれる前記コア層を圧縮させる工程
(12)コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、
少なくとも以下の工程[1]〜[5]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、前記意匠面の一部に凹状部を有することを特徴とする、サンドイッチ構造体の製造方法。
[1]不連続繊維基材と熱可塑性樹脂(B)とを含有するコア層積層前駆体を、前記熱可塑性樹脂(B)の軟化点または融点以上に加熱及び加圧した後、加圧を解除し、スプリングバックにより膨張させることにより空隙を有するコア層を形成する工程、
[2]前記コア層の両面に、前記連続繊維に前記マトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体を配して成形体前駆体を形成する工程、
[3]前記成形体前駆体を加熱プレスにより、前記スキン層前駆体を固化または硬化させて、前記スキン層の形成と前記コア層とを一体化させてサンドイッチ構造前駆体を形成する工程
[4]前記サンドイッチ構造前駆体の少なくとも一方の前記スキン層を意匠面とし、前記意匠面の面内の一部に、前記凹状部に相当する領域に沿って切込みを設ける工程
[5]前記凹状部に相当する領域を押圧し、前記凹状部に相当する領域に含まれる前記コア層を圧縮させる工程
(13)コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、
少なくとも以下の工程[1]〜[4]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、前記意匠面の一部に凹状部を有することを特徴とする、サンドイッチ構造体の製造方法。
[1]発泡体を前記コア層とし、前記コア層の両面に、前記連続繊維に前記マトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体を配して成形体前駆体を形成する工程、
[2]前記成形体前駆体を加熱プレスにより、前記スキン層前駆体を固化または硬化させて、前記スキン層の形成と前記コア層とを一体化させてサンドイッチ構造前駆体を形成する工程
[3]前記サンドイッチ構造前駆体の少なくとも一方の前記スキン層を意匠面とし、前記意匠面の面内の一部に、前記凹状部に相当する領域に沿って
切込みを設ける工程
[4]前記凹状部に相当する領域を押圧し、前記凹状部に相当する領域に含まれる前記コア層を圧縮させる工程
(14)前記スリット部が形成された前記意匠面に塗装処理を施す(11)〜(13)いずれかに記載のサンドイッチ構造体の製造方法。
本願発明のサンドイッチ構造体およびその製造方法によれば、筐体の表面の一部の箇所を加工して凹状部を形成するに際し、シャープな輪郭を発現し、均一な塗装層を形成することができるとともに、高強度・高剛性化を達成しつつ、かつ薄肉化を実現することができる。
本発明に係るサンドイッチ構造体の斜視模式図である。 図1の凹状部付近を拡大したサンドイッチ構造体の厚さ方向におけるAA’断面拡大図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の凹状部の各寸法関係を示した側面断面図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の意匠面に塗装した際の塗装液の状態を表した側面断面図である。 従来技術に係るサンドイッチ構造体の意匠面に塗装した際の塗装液の溜りの状態を表した側面断面図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の意匠面にロゴ部を形成した斜視模式図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係るサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係る別の実施態様のサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係る別の実施態様のサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係る別の実施態様のサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係る別の実施態様のサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係る別の実施態様のサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係る別の実施態様のサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。 本発明に係る別の実施態様のサンドイッチ構造体の製造過程を示した側面断面図である。
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は図や実施例に何ら限定されるものではない。
本発明のサンドイッチ構造体1は、図1及び図2に示すように、コア層5の両側が、連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層(6,7)で狭持されたサンドイッチ構造体であって、少なくとも一方のスキン層6が意匠面であり、意匠面6の一部を凹状部2、残りを意匠表面部3とし、凹状部2と意匠表面部3との境界にあるコア層5の少なくとも一部に切込み4が設けられるとともに、凹状部2直下におけるコア層5aの空隙率は、意匠表面部3におけるコア層5bの空隙率よりも低い構成を有する。ここで、凹状部2の真下に形成されたコア層5aの空隙率を、意匠表面部3に接するコア層5bの空隙率よりも低くすることは、凹状部2を形成する箇所を圧縮させること等で実現できるが、具体的な方法は後述する。
このような凹状部2を形成すると、凹状部2の周辺は深い段差で角張った形状をなし得ることができ、シャープな輪郭が得られる。この凹状部2をロゴ部として使用すると、この凹状部2の特徴ある形状により、ロゴ部の輪郭を強調して視認できるようになる。
ここで、スキン層(6,7)に用いられる連続繊維としては、少なくとも一方向に150mm以上、好ましくは200mm以上の長さにわたり連続した強化繊維が好ましく用いることができる。
スキン層(6,7)を形成する連続繊維としては特に制限はなく、例えば、アルミニウム、黄銅、ステンレスなどの金属繊維や、ポリアクリルニトリル(PAN)系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維や、黒鉛繊維や、ガラスなどの絶縁性繊維や、アラミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂などの有機繊維や、シリコンカーバイト、シリコンナイトライドなどの無機繊維が挙げられる。
スキン層(6,7)に用いられるマトリクス樹脂(A)としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができ、好ましくは熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂の例示としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール(レゾール型)樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂などを好ましく用いることができる。これらは、2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。この中でも、特に、エポキシ樹脂は、成形体の力学特性や、耐熱性の観点から好ましい。エポキシ樹脂は、その優れた力学特性を発現するために、使用する樹脂の主成分として含まれるのが好ましく、具体的には樹脂組成物当たり60重量%以上含まれることが好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、以下に例示される熱可塑性樹脂のいずれの樹脂も用いることができる。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN樹脂)、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂や、ポリエチレン(PE樹脂)、ポリプロピレン(PP樹脂)、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などのポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリケトン(PK)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素系樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの結晶性樹脂、スチレン系樹脂の他、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PSU)樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂などの非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、更にポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、フッ素系樹脂、およびアクリロニトリル系樹脂等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも、得られる成形品の軽量性の観点からはポリオレフィン樹脂が好ましく、強度の観点からはポリアミド樹脂が好ましく、表面外観の観点からポリカーボネート樹脂やスチレン系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のような非晶性樹脂が好ましく、耐熱性の観点からポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましく、連続使用温度の観点からポリエーテルエーテルケトン樹脂が好ましく用いられる例えば前述したコア層5で用いられる熱可塑性樹脂(A)と同様の種類の樹脂を用いることができる。
また、切込み4の深さが、意匠表面部3に接するコア層厚み9の50〜100%であることが好ましい。
図3に示すように、切込み4は、スキン層意匠面6を横断してその切込み4の先端8がコア層厚9の50%〜100%の深さにまで到達するように形成することにより、凹状部2が深い段差で角ばった周辺形状を実現でき、ロゴ部の輪郭がより強調して視認することができる。
コア層5内に切り込まれる切込み4の先端8の到達深さがコア層厚9の50%未満であると、深い段差を持つ凹状部2の形成が困難になる場合がある。また、塗液が流れ込む切込み4の空間容積が小さくなり、一部に塗装液溜りが生成する場合がある。100%を超えると非意匠面側スキン層7にまで切込み4が入ってしまう場合があり、強度確保のため好ましくない。好ましくは50〜95%、より好ましくは55〜90%、さらに好ましくは60〜90%である。
また、本発明において、切込み4の幅11が、0.1〜1mmであることが好ましい。ここで、切込み4の幅11は、コア層5の層厚みと直交する面内方向の切込み溝の幅である。
図3に示すように、切込み4を一定範囲の切込みの幅11とすることにより、凹状部2の周辺部は深い段差で角張った形状に形成することができる。また後述するように、塗装層14を形成する場合には、切込み4に流れ込んだ塗装液を確実に捕捉することができる。 切込み幅11は、好ましくは0.2〜0.9mm、より好ましくは0.3〜0.8mm、さらに好ましくは0.4〜0.7mmである。0.1mm未満であると、凹状部2の周辺部を深い段差で角張った周辺形状とすることが困難となる場合がある。1mmを超えるとサンドイッチ構造体1の強度が不足する場合がある。
また、本発明において、凹状部2のスキン層6の上面6aは、意匠表面部3のスキン層6の下面6bよりも下方に位置することが好ましい。
図3に示すように、凹状部2のスキン層6の上面6aが意匠表面部3を形成するスキン層6の下面6bよりも下方に位置するように切込み4を入れ圧縮により形成することにより、境界部において意匠表面部3に接するコア層の側面10が露出する形態となり、ロゴ部として使用する際、輪郭がより強調して視認することができる。
また、本発明において、コア層5が発泡体または、熱可塑性樹脂(B)と不連続繊維からなる複合体のいずれかからなる多孔質コア層であることが好ましい。コア層5が多孔質で空隙を有することにより、切込み4を入れた後、圧縮成形により凹状部2を容易に形成できるとともに、サンドイッチ構造体1の軽量化と高剛性化を実現することができる。
発泡体としては、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂又はポリメタクリルイミド樹脂が好適に使用できる。具体的には、軽量性を確保するためにスキン層より見かけ密度が小さい樹脂を用いることが好ましく、特に、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂又はポリメタクリルイミド樹脂が好ましく使用できる。
また、コア層5として熱可塑性樹脂(B)と不連続繊維からなる複合体を用いる場合には、不連続繊維と熱可塑性樹脂(B)とからなるコア層前駆体を準備し、熱可塑性樹脂(B)の軟化点または融点以上に加熱及び加圧した後、加圧を解除し、不連続繊維の残留応力解放時に元に戻ろうとする復元力、いわゆるスプリングバックにより、厚さ方向に膨張させて空隙を形成させて複合体とすることが好ましい。
コア層5内に空隙を形成することにより、サンドイッチ構造体1の薄肉軽量化と強度確保を実現することができる。また、後述するように、スキン層6に塗装層14を形成するため塗装液を塗布する場合には、切込み4に流れ込んだ塗装液がコア層5の空隙にも入り込むため、塗装液10を多く塗布したとしても塗装液の溜り16の発生を抑制することができる。
コア層5に用いる不連続繊維としては、前述したスキン層(6,7)で用いられる連続繊維と同様の種類の強化繊維を用いることができる。不連続繊維の繊維長は1mm以上150mm未満であることが好ましい。1mm未満である場合、不連続繊維の基材としての使用が難しく、一方、繊維長が150mm以上であるとサンドイッチ構造体の板厚みのバラつきが大きくなる場合がある。コア層5に用いる熱可塑性樹脂(B)も、前述したスキン層(6,7)で用いた熱可塑性樹脂と同様の種類の樹脂を用いることができる。
また、熱可塑性樹脂(B)と不連続繊維からなる複合体を構成する不連続繊維が5〜75質量%、熱可塑性樹脂(B)が25〜95質量%の範囲で含まれることが好ましい。好ましくは、不連続繊維が7〜70質量%、熱可塑性樹脂(B)が30〜93質量%、より好ましくは不連続繊維が20〜50質量%、熱可塑性樹脂(B)が50〜80質量%、さらに好ましくは不連続繊維が25〜40質量%、熱可塑性樹脂(B)が60〜75質量%である。不連続繊維が5質量%よりも少なく、熱可塑性樹脂(B)が95質量%よりも多いと、スプリングバックが起きにくくなるため空隙率を高めることができず、一方、不連続繊維が75質量%よりも多く、熱可塑性樹脂(B)が25質量%よりも少ないと、サンドイッチ構造体1の比剛性が低下する場合がある。
また、本発明において、意匠表面部3に接するコア層領域5bの空隙率が50〜80%、凹状部2に接するコア層領域5aの空隙率が0〜45%であることが好ましい。
意匠表面部3に接するコア層領域5bの空隙率は、好ましくは52〜78%、より好ましくは58〜75%、さらに好ましくは60〜70%である。空隙率が50%未満であると凹状部2の一定の深さの段差を確保できない場合があり、凹状部2にロゴ部として塗装した際、視認性を確保できない場合がある。空隙率が80%を超えるとサンドイッチ構造体1の強度が不足する場合がある。
凹状部2に接するコア層領域5aの空隙率は、好ましくは5〜40%、より好ましくは8〜38%、さらに好ましくは10〜35%である。空隙率が40%を超えると凹状部2の一定の深さの段差を確保できない場合がある。
また、本発明において、意匠表面部3に接するコア層及びスキン層を含むサンドイッチ構造体全体の厚さDb(mm)が0.5〜2mmであることが好ましい。これにより、サンドイッチ構造体の軽量化とともに薄肉化を実現することができる。図3に示すように厚さDbは、意匠表面部3に接するコア層及びスキン層を含むサンドイッチ構造体全体の厚さ12を示している。好ましくは0.6〜1.8mm、より好ましくは0.8〜1.6mm、さらに好ましくは1〜1.5mmである。
また、本発明において、凹状部2を形成するスキン層6の最表面6aと意匠表面部3の最表面との高さの差Tc(mm)が、2≦Db/Tc≦5の範囲にあることが好ましい。
図3に示すように、意匠表面部3の厚さDb(mm)12に対して、一定の高さの差Tc(mm)13を持たせて凹状部2を形成することにより、凹状部2をロゴ部として使用する場合、ロゴ部の輪郭が強調して視認することができる。Db/Tcの範囲として好ましくは2.5≦Db/Tc≦4.5、より好ましくは2.8≦Db/Tc≦4.2、さらに好ましくは3≦Db/Tc≦4である。
また、本発明において、意匠面6に塗装層14を有することが好ましい。図4に示すように、意匠面6に塗装層14を形成することにより、表面の光沢性が向上しロゴ部の視認性を高めることができる。さらに、スキン層6の表面を塗装する場合、凹状部2の周辺部での塗装液の溜りをなくすることができる。これはスキン層6に塗装層14を形成するため塗液を塗布する際、凹状部2の周辺部ではコア層5内部まで切り込まれて形成された切込み4に塗装液15が流れ込むため、周辺部は塗装液の溜りの発生を抑制することができる。
これに対し、図5に示すように、単にスキン層の一部の箇所を圧縮して凹状部を形成する場合、深い段差を形成することが困難であり、また一点鎖線で示す凹状部の周辺の段差17の部分は丸みを帯びたような形状となり、凹状部をロゴ部として用いた場合その輪郭がぼけたように見えてしまい、ロゴ部を強調して視認するには不十分である。また、意匠面側6に塗装層14を形成する場合、凹状部2周辺では塗装液の逃げ場がないため、その周辺部に塗装液の溜り16ができ、意匠面の寸法精度が低下するだけでなく、良感な意匠性を低下させる要因となる。
また、本発明において、凹状部2にはロゴ部が形成されることが好ましい。図6に示すように、深い段差で角ばった周辺形状を有する凹状部2をロゴ部18として使用することにより、ロゴ部17の視認性がより強調することができる。
次に、本発明に係るサンドイッチ構造体の製造方法について図面を用いながら説明する。
本発明に係るサンドイッチ構造体の製造方法は、コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、少なくとも以下の工程[1]〜[5]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、意匠面の一部に凹状部を形成することを特徴とする製造方法である。
[1]不連続繊維基材21の少なくとも片面に熱可塑性樹脂(B)層22を配したコア層積層前駆体23を形成する工程、
[2]コア層積層前駆体23の両面に、連続繊維にマトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体24を配して成形体前駆体25を形成する工程、
[3]成形体前駆体25を加熱プレスにより、スキン層前駆体24を固化または硬化させてスキン層(6,7)を形成するとともに、コア層積層前駆体23の熱可塑性樹脂(B)22を軟化または溶融させて不連続繊維基材21に含浸させコア層前駆体26を形成し、スキン層(6,7)とコア層前駆体26を一体化させた後、加圧を解除し、
コア層前駆体26をスプリングバックにより膨張させて空隙を有するコア層5及びサンドイッチ構造前駆体27を形成する工程、
[4]サンドイッチ構造前駆体27の少なくとも一方のスキン層6を意匠面とし、意匠面の面内の一部に、凹状部2に相当する領域に沿って切込み4を設ける工程、
[5]凹状部2に相当する領域を押圧し、凹状部2に相当する領域に含まれるコア層5を圧縮させる工程。
本発明の製造方法の一工程例を、図7−1〜図7−5を用いて説明する。
図7−1は、不連続繊維基材21の両面に熱可塑性樹脂(B)層22を配したコア層積層前駆体23を形成する[1]工程を示している。熱可塑性樹脂(B)層22は他の基材と積層する作業性の観点からフィルムや不織布が好ましい。
図7−2は、コア層積層前駆体23の両面に、連続繊維にマトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体24を配して成形体前駆体25を形成する工程[2]を示している。スキン層前駆体24としては、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなるマトリクス樹脂(A)が連続繊維に含浸されたプリプレグであることが好ましい。
図7−3−1は、下型32と上型31との間に成形体前駆体25を配置し、加熱プレス成形により、スキン層前駆体24を固化または硬化させスキン層(6,7)を形成するとともに、熱可塑性樹脂(B)22を軟化または溶融させ不連続繊維基材21に含浸させ、コア層前駆体26を形成するとともに、スキン層(6,7)とコア層前駆体26を一体化させる工程[3−1]を示している。
この工程[3−1]において、フィルムや不織布の形態を有する熱可塑性樹脂(B)層22を不連続繊維基材21内に含浸させる際の圧力は、0.5〜30MPaが好ましく、さらに好ましくは1〜5MPaとするのがよい。0.5MPaよりも圧力が小さいと熱可塑性樹脂(B)層22が不連続繊維基材21に含浸しないことがあり、また30MPaよりも大きいとコア層積層前駆体23の不連続繊維基材21が熱可塑性樹脂(B)層22により流動することで、不連続繊維基材21が割れることがある。熱可塑性樹脂(B)層22のフィルムや不織布を含浸させる際の温度は、熱可塑性樹脂(B)の融点あるいは軟化点以上の温度であることが好ましく、融点あるいは軟化点+10℃以上、さらに好ましくは、融点あるいは軟化点+20℃以上が良い。なお、熱可塑性樹脂(B)層22のフィルムや不織布を含浸させる際の温度が、熱可塑性樹脂(B)の融点あるいは軟化点よりも温度が高すぎる場合、熱可塑性樹脂(B)の分解や劣化が生じることがあるため、熱可塑性樹脂(B)の融点あるいは軟化点+150℃以下であるのが好ましい。
また、スキン層前駆体24に用いられたマトリクス樹脂(A)が熱硬化性樹脂の場合には、加熱により硬化するが、熱可塑性樹脂の場合には、加熱により軟化させた後、熱可塑性樹脂が固化する温度まで冷却する。例えば、マトリクス樹脂(A)が熱硬化性樹脂の場合、連続繊維に含浸されたプリプレグをスキン層前駆体24として準備する。工程[1]で得られたコア層積層前駆体23の少なくとも片面にスキン層前駆体24を配した積層体を形成し、この積層体を加熱プレス成形により加熱し0.5〜30MPaの圧力を付与すると、スキン層前駆体24のマトリクス樹脂(A)が硬化してスキン層(6,7)を作製することができる。また、マトリクス樹脂(A)が熱可塑性樹脂の場合は、連続繊維に含浸されたプリプレグをスキン層前駆体24とすることができ、加熱プレス成形により加熱し、0.5〜30MPaの圧力を付与することで、熱可塑性樹脂を軟化させた後、冷却用プレス成形機に搬送し、熱可塑性樹脂が固化する温度まで加圧することでスキン層(6,7)を作製することができる。このとき、コア層積層前駆体23とスキン層前駆体24とを同時に加熱プレス成形を行うことにより、コア層積層前駆体23の不連続繊維基材21がスキン層前駆体24内に入り込み、不連続繊維基材21によるアンカリング効果により、コア層積層前駆体23とスキン層前駆体24の一体化成形体を得ることができる。コア層またはコア層前駆体とスキン層とが強固に密着していることは、サンドイッチ構造体の曲げ特性を最大限発現させる観点から好ましい。
図7−3−2は、コア層前駆体26中の不連続繊維基材21の復元力を発現させて所定厚さに膨張させるにあたり、スキン層(6,7)とコア層前駆体26を一体化させた後、上型31を下型32との間隔を一定長広げて、加圧を解除し、コア層前駆体26をスプリングバックにより膨張させて一定の空隙が生成されたコア層5を形成し、サンドイッチ構造前駆体27を成形する工程[3−2]を示している。上下型間の間隔を広げることにより、加圧を解除し、不連続繊維基材21と熱可塑性樹脂(B)とを含有するコア層前駆体26を、熱可塑性樹脂(B)の軟化点または融点以上の加熱により熱可塑性樹脂(B)の不連続繊維基材21に対する結合力が弱まり、強化繊維の残留応力が解放され、内部の不連続繊維基材11がスプリングバックし、所定の膨張倍率に厚さが調整された、空隙を有するコア層5となる。このようにコア層全体を一度に加熱加圧し、加圧を解除することで、大面積を有するサンドイッチ構造体や接合部が複雑な段差部を有するものであっても、サンドイッチ構造体全体を一度に精度良く成形することができる。
図7−4は、コア層5とスキン層(6,7)とを一体化させたサンドイッチ構造前駆体27のスキン層6の意匠面側の面内の一部に、凹状部2に相当する領域に沿って切込み4を設ける工程を示している。凹状部2に相当する領域に沿って、凹状部2と意匠表面部3との境界に沿ってスキン層6に切込み4の加工を施す工程である。切込み加工を施す方法に特に制限はなく、例えばカッターナイフによりスキン層をハーフカットする方法、カッティングプロッタやNC加工機による設備を使用し、スキン層をハーフカットする方法、がある。
図7−5は、凹状部2に対応してクリアランスが異なる領域を設けた成形上金型34により、凹状部2のみ圧縮させる工程を示している。
コア層5を加熱し、プレス成形により、サンドイッチ構造前駆体27の切込み4が形成された領域が所定厚さに圧縮され、空隙が減少したコア層5aを備えた凹状部2を形成することができる。空隙率の制御は圧縮厚さを変えることにより行うことができる。金型のクリアランスを変えることで、意匠表面部3と凹状部2に接するコア層5の空隙率が異なる領域を有するサンドイッチ構造体1を作製することができる。
また、本発明に係る別のサンドイッチ構造体の製造方法として、コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、少なくとも以下の工程[1]〜[5]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、意匠面の一部に凹状部を有することを特徴とするものである。
[1]不連続繊維基材21と熱可塑性樹脂(B)22とを含有するコア層積層前駆体23を、前記熱可塑性樹脂(B)22の軟化点または融点以上に加熱及び加圧した後、加圧を解除し、スプリングバックにより膨張させることにより空隙を有するコア層5を形成する工程、
[2]コア層5の両面に、連続繊維にマトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体24を配して成形体前駆体25を形成する工程、
[3]成形体前駆体25を加熱プレスにより、スキン層前駆体24を固化または硬化させて、スキン層(6,7)の形成とコア層5とを一体化させてサンドイッチ構造前駆体27を形成する工程、
[4]サンドイッチ構造前駆体27の少なくとも一方のスキン層6を意匠面とし、意匠面6の面内の一部に、凹状部2に相当する領域に沿って切込み4を設ける工程、
[5]凹状部2に相当する領域を押圧し、凹状部2に相当する領域に含まれるコア層5を圧縮させる工程。
図8−1−1は、下型32と上型31との間に不連続繊維基材21の両面に熱可塑性樹脂(B)層22を配したコア層積層前駆体23を配置する工程を示す。
図8−1−2は、加熱プレス成形により、熱可塑性樹脂(B)22を軟化または溶融させ不連続繊維基材21に含浸させコア層前駆体26を形成する工程を示す。
図8−1−3は、上型31と下型32とを一定距離に間隔を空けて加圧を解除し、コア層前駆体26をスプリングバックにより膨張させて一定の空隙が生成されたコア層5を形成する工程を示す。
図8−2は、上型31を意匠表面部3に対応するキャビティを有するように上型33に変更し、下型32と上型33との間にコア層5の両面に連続繊維にマトリクス樹脂(A)が含浸したスキン層前駆体24を配して成形体前駆体25を形成する工程を示す。
図8−3は、スキン層前駆体24を固化または硬化して、スキン層(6,7)の形成とコア層5とを一体化させてサンドイッチ構造前駆体27を形成する工程を示す。
サンドイッチ構造前駆体27の意匠面側の面内の一部のスキン層6に、凹状部2に相当する領域に沿って切込み4を設ける工程は図7−4、凹状部2に対応してクリアランスが異なる領域を設けた成形金型により、凹状部2を設ける工程は図7−5と同様である。
また、本発明のさらに別のサンドイッチ構造体の製造方法として、コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、少なくとも以下の工程[1]〜[4]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、意匠面の一部に凹状部を有することを特徴とするものである。
[1]発泡体をコア層5とし、コア層5の両面に、連続繊維にマトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体24を配して成形体前駆体25を形成する工程、
[2]成形体前駆体25を加熱プレスにより、スキン層前駆体24を固化または硬化させて、スキン層(6,7)の形成とコア層5とを一体化させてサンドイッチ構造前駆体27を形成する工程、
[3]サンドイッチ構造前駆体27の少なくとも一方のスキン層6を意匠面とし、意匠面6の面内の一部に、凹状部2に相当する領域に沿って切込み4を設ける工程、
[4]凹状部2に相当する領域を押圧し、凹状部2に相当する領域に含まれるコア層5を圧縮させる工程。
図9−1は、下型32と上型33との間に発泡体からなるコア層5の両面に連続繊維にマトリクス樹脂(A)が含浸したスキン層前駆体24を配して成形体前駆体25を形成する工程を示す。
図9−2は、スキン層前駆体24を固化または硬化して、スキン層(6,7)の形成とコア層5とを一体化させてサンドイッチ構造前駆体27を形成する工程を示す。
サンドイッチ構造前駆体27の意匠面側の面内の一部のスキン層6に、凹状部2に相当する領域に沿って切込み4を設ける工程は図7−4、凹状部2に対応してクリアランスが異なる領域を設けた成形金型により、凹状部を設ける工程は図7−5と同様である。
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(材料組成1)PAN系炭素繊維束の調整
ポリアクリロニトリルを主成分とする重合体から紡糸、焼成処理を行い、総フィラメント数12000本の炭素繊維連続束を得た。該炭素繊維連続束に浸漬法によりサイジング剤を付与し、120℃の温度の加熱空気中で乾燥しPAN系炭素繊維束を得た。
(材料組成2)チョップド炭素繊維束
カートリッジカッターを用いて、材料組成1のPAN系炭素繊維束をカットし、繊維長6mmのチョップド炭素繊維束を得た。
(材料組成3)炭素繊維マットの調製
界面活性剤(和光純薬工業(株)社製、「n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム」(製品名))の1.5重量%水溶液100リットルを攪拌し、予め泡立てた分散液を作製した。この分散液に、材料組成2で得られたチョップド炭素繊維束を投入し、10分間撹拌した後、長さ400mm×幅400mmの抄紙面を有する抄紙機に流し込み、吸引により脱水後、150℃の温度で2時間乾燥し、炭素繊維マットを得た。得られたマットは良好な分散状態であった。
(材料組成4)マトリクス樹脂(A)の調整
エポキシ樹脂(ベースレジン:ジシアンジアミド/ジクロロフェニルメチルウレア硬化系エポキシ樹脂)を、ナイフコーターを用いて離型紙上に塗布してマトリクス樹脂(A)のフィルムを得た。
(材料組成5)スキン層前駆体の調整
材料組成1で得たPAN系炭素繊維束をシート状に一方向に配列させた炭素繊維シートを作製し、材料組成4で作製したエポキシ樹脂フィルム2枚を炭素繊維シートの両面から重ね、加熱加圧により樹脂を含浸させ、炭素繊維の目付が140g/m、厚さ0.075mm、マトリクス樹脂の質量分率が50.0%のスキン層前駆体を作製した。
(材料組成6)熱可塑性樹脂(B)フィルムの調整
無変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)社製、“プライムポリプロ”(登録商標)J105G、融点160℃)を90重量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)社製、“アドマー”(登録商標)QE510、融点160℃)を10重量%用意し、これらをドライブレンドした。このドライブレンド品を二軸押出機のホッパーから投入し、押出機にて溶融混練した後、400mm幅のT字ダイから押出した。その後、60℃のチルロールで引き取ることによって冷却固化させ、熱可塑性樹脂(B)のフィルムを得た。
(材料組成7)発泡樹脂コア層
発泡樹脂コア層として、無架橋低発泡ポリプロピレンシート“エフセル”(登録商標)(2倍発泡、厚さ0.8mm)(古川電気工業(株)製)を使用した。
(実施例1)
材料組成3で得られた炭素繊維マット、材料組成6で得られた熱可塑性樹脂(B)フィルム及び材料組成5で得られたスキン層前駆体を用い、図7−1〜図7−5に示す方法にてサンドイッチ構造体を作成した。
まず、炭素繊維基材21、熱可塑性樹脂(B)層22及びスキン層前駆体24それぞれを300mm角のサイズに調整した後、[熱可塑性樹脂(B)層22/炭素繊維基材21/熱可塑樹脂(B)層22]の順序に積層し、コア層積層前駆体23を作成した(図7−1)。次に、コア層積層前駆体23とスキン層前駆体24を準備し、[スキン層前駆体0°/スキン層前駆体90°/コア層積層前駆体/スキン層前駆体90°/スキン層前駆体0°]の順序で積層し、コア層積層前駆体23の両面にスキン層前駆体24を配した成形体前駆体25を準備した(図7−2)。
次に、成形体前駆体25を離型フィルムで挟み、盤面温度が180℃の加熱プレス下型32上に配置した後、上型31を閉じて3MPaで6分間加熱プレスした。スキン層前駆体24を硬化させてスキン層(6,7)を形成するとともに、熱可塑性樹脂(B)層22を軟化させ炭素繊維基材21に含浸させコア層前駆体26を形成し、スキン層(6,7)とコア層前駆体26を一体化させた(図7−3−1)。その後、金型間隙を0.7mm広げて、コア層前駆体26をスプリングバックにより膨張させて空隙を有するコア層5を形成した(図7−3−2)。さらに4分間経過した後、金型を開き、素早く盤面温度が40℃の冷却プレス金型の盤面の上に配置し、3MPaで冷却プレスした。5分後にプレス金型から成形品を取り出し、板厚Dbが1.3mm、スキン層厚が0.15mm、コア層厚が1.0mmのサンドイッチ構造前駆体27を得た。
次に、上記で得たサンドイッチ構造前駆体27を直径0.1mmのエンドミルを設置したNC加工機を用いて、ロゴ部形状18に対応した凹状部2の形状に沿って切込み4の先端部8が意匠表面部3から略垂直方向に1.1mmの深さに到達するまで切込み加工を行い、結果、コア層厚の95%に相当する深さにまで切込み4が形成された。また、切込み幅は0.1mmであった(図7−4)。
上記で切込み加工を施したサンドイッチ構造前駆体27を、再度盤面温度が180℃の加熱プレス金型上に配置した後、金型を閉じて1MPaで加熱プレスした。加圧から4分間経過した後、金型を開き、上金型を図7−5に示す凹状部2に対応してクリアランスが異なる領域を設けた成形金型34に取り替え、金型盤面温度を40℃とした冷却プレス金型に設置し、金型34を閉じて3MPaでプレスした。5分後にプレス金型から成形品を取り出し、板厚Dbが1.3mm、凹状部2厚みが0.6mm、凹状部2を形成するスキン層6の最表面6aと意匠表面部3の最表面との高さの差Tcが0.7mm、Db/Tcが1.9のサンドイッチ構造体1を得た。サンドイッチ構造体1の意匠表面部3に接するコア層5bの空隙率は70%、凹状部2に接するコア層5aの空隙率は0%であった(図7−5)。
上記で得たサンドイッチ構造体1の意匠面側のスキン層6に塗装を行った。切込み部4に塗料が流れ、塗装溜りのない、ロゴ部の視認性が高い凹状部となり、スキン層6を意匠面として取り扱える外観良好なサンドイッチ構造体を得た。
(実施例2)
実施例1と同様の材料を用いて、金型間隔を0.4mm広げた以外は実施例1と同様の条件で成形を行い、板厚Dbが1.0mm、スキン層厚が0.15mm、コア層厚が0.7mmのサンドイッチ構造前駆体27を得た。
上記で得たサンドイッチ構造前駆体27を直径0.5mmのエンドミルを設置したNC加工機を用いてロゴ部形状18に対応した凹状部2の形状に沿って切込み4の先端部8が意匠表面部3から略垂直方向に0.7mmの深さに到達するまで切込み加工を行い、結果、コア層厚の79%に相当する深さにまで切込み4が形成された。また、切込み幅は0.5mmであった。
実施例1と同様の手法を用いて、上記で得たサンドイッチ構造前駆体27に凹状部2を付与したところ、板厚Dbが1.0mm、凹状部2厚みが0.6mm、Tcが0.4mm、Db/Tcが2.5のサンドイッチ構造体1を得た。サンドイッチ構造体1の意匠表面部3に接するコア層5bの空隙率は57%、凹状部2のコア層5aの空隙率は0%であった。
上記で得たサンドイッチ構造体1の意匠面側6に塗装を行った。切込み部4に塗料が流れ、塗装溜りのない、ロゴ部の視認性が高い凹状部となり、スキン層6を意匠面として取り扱える外観良好なサンドイッチ構造体を得た。
(実施例3)
実施例1と同様の材料を用いて、金型間隔を0.6mm広げた以外は実施例1と同様の条件で成形を行い、板厚Dbが1.2mm、スキン層厚が0.15mm、コア層厚が0.9mmのサンドイッチ構造前駆体27を得た。
上記で得たサンドイッチ構造前駆体27を直径1mmのエンドミルを設置したNC加工機を用いてロゴ部形状18に対応した凹状部2の形状に沿って切込み4の先端部8が本体部3表面から略垂直方向に0.6mmの深さに到達するまでスリット加工を行い、結果、コア層厚の50%に相当する深さにまで切込み4が形成された。また、スリット幅Saは1mmであった。
実施例1と同様の手法を用いて、上記で得たサンドイッチ構造前駆体27に凹状部2を付与したところ、板厚Dbが1.2mm、凹状部2厚みが0.8mm、Tcが0.4mm、Db/Tcが3のサンドイッチ構造体1を得た。サンドイッチ構造体1の意匠表面部3に接するコア層5bの空隙率は67%、凹状部2に接するコア層5aの空隙率は40%であった。
上記で得たサンドイッチ構造体1の意匠面側6に塗装を行った。切込み部4に塗料が流れ、塗装溜りのない、ロゴ部の視認性が高い凹状部となり、スキン層6を意匠面として取り扱える外観良好なサンドイッチ構造体を得た。
(実施例4)
材料組成7で得られた発泡樹脂コア層及び材料組成5で得られたスキン層前駆体を用い、図9−1〜図9−2に示す方法にてサンドイッチ構造体を作成した。
まず、発泡樹脂コア層5及びスキン層前駆体24それぞれを300mm角のサイズに調整した後、[スキン層前駆体0°/スキン層前駆体90°/発泡樹脂コア層1/スキン層前駆体90°/スキン層前駆体0°]の順序で積層し、コア層5の両面にスキン層前駆体24を配した成形体前駆体25を準備した。
次に、成形体前駆体25を離型フィルムで挟み、盤面温度が180℃の加熱プレス下型32上に配置した後、上型31を閉じて1.5MPaで5分間加熱プレスした。スキン層前駆体24を硬化させてスキン層(6,7)を形成するとともに、スキン層(6,7)と発泡樹脂コア層5を一体化させた。金型を開き、素早く盤面温度が40℃の冷却プレス金型の盤面の上に配置し、1.0MPaで冷却プレスした。5分後にプレス金型から成形品を取り出し、板厚Dbが1.1mm、スキン層厚が0.15mm、コア層厚が0.8mmのサンドイッチ構造前駆体27を得た。
次に、上記で得たサンドイッチ構造前駆体27を直径0.1mmのエンドミルを設置したNC加工機を用いて、ロゴ部形状18に対応した凹状部2の形状に沿って切込み4の先端部8が意匠表面部3から略垂直方向に0.9mmの深さに到達するまで切込み加工を行い、結果、コア層厚の94%に相当する深さにまで切込み4が形成された。また、切込み幅は0.1mmであった。
上記で切込み加工を施したサンドイッチ構造前駆体27を、再度盤面温度が40℃の上金型を図7−5に示す凹状部2に対応してクリアランスが異なる領域を設けた成形金型34とした冷却プレス金型上に配置した後、金型を閉じて3MPaで冷却プレスした。2分後にプレス金型から成形品を取り出し、板厚Dbが1.1mm、凹状部2厚みが0.8mm、Tc0.3mm、Db/Tcが3.7のサンドイッチ構造体1を得た。サンドイッチ構造体1の意匠表面部3に接するコア層5bの空隙率は50%、凹状部2に接するコア層5aの空隙率は20%であった。
上記で得たサンドイッチ構造体1の意匠面側6に塗装を行った。スリット部4に塗料が流れ、塗装溜りのない、ロゴ部の視認性が高い凹状部となり、スキン層6を意匠面として取り扱える外観良好なサンドイッチ構造体を得た。
(実施例5)
材料組成3で得られた炭素繊維マット、材料組成6で得られた熱可塑性樹脂(B)フィルム及び材料組成5で得られたスキン層前駆体を用い、図8−1−1〜図8−3に示す方法にてサンドイッチ構造体を作成した。
まず、炭素繊維基材21、熱可塑性樹脂(B)層22及びスキン層前駆体24それぞれを300mm角のサイズに調整した後、[熱可塑性樹脂(B)フィルム/炭素繊維マット1/熱可塑樹脂(B)フィルム]の順序に積層し、コア層積層前駆体23を作成した(図8−1−1)。
次に、コア層積層前駆体23を離型フィルムで挟み、盤面温度が180℃の加熱プレス下型32上に配置した後、上型31を閉じて3MPaで6分間加熱プレスした。熱可塑性樹脂(B)層22を軟化させ炭素繊維基材21に含浸させコア層前駆体26を形成した(図8−1−2)。その後、金型間隙を0.7mm広げて、コア層前駆体26をスプリングバックにより膨張させて空隙を有するコア層5を形成した(図8−1−3)。さらに4分間経過した後、金型を開き、素早く盤面温度が40℃の冷却プレス金型の盤面の上に配置し、3MPaで冷却プレスした。
次に上記で得たコア層5とスキン層前駆体24を準備し、[スキン層前駆体0°/スキン層前駆体90°/コア層/スキン層前駆体90°/スキン層前駆体0°]の順序で積層し、コア層5の両面にスキン層前駆体24を配した成形体前駆体25を準備した(図8−2)。
次に、成形体前駆体25を離型フィルムで挟み、盤面温度が180℃の加熱プレス下型32上に配置した後、上型31を閉じて3MPaで6分間加熱プレスした。スキン層前駆体24を硬化させてスキン層(6,7)を形成するとともに、スキン層(6,7)とコア層5を一体化させた。さらに4分間経過した後、金型を開き、素早く盤面温度が40℃の冷却プレス金型の盤面の上に配置し、3MPaで冷却プレスした。5分後にプレス金型から成形品を取り出し、板厚Dbが1.3mm、スキン層厚が0.15mm、コア層厚が1.0mmのサンドイッチ構造前駆体27を得た(図8−3)。
次に、上記で得たサンドイッチ構造前駆体27を直径0.1mmのエンドミルを設置したNC加工機を用いて、ロゴ部形状18に対応した凹状部2の形状に沿って切込み4の先端部8が本体部3表面から略垂直方向に1.1mmの深さに到達するまで切込み加工を行い、結果、コア層厚の95%に相当する深さにまで切込み4が形成された。また、切込み幅は0.1mmであった。
上記で切込み加工を施したサンドイッチ構造前駆体27を、再度盤面温度が180℃の加熱プレス金型上に配置した後、金型を閉じて1MPaで加熱プレスした。加圧から4分間経過した後、金型を開き、上金型を図7−5に示す凹状部2に対応してクリアランスが異なる領域を設けた成形金型34に取り替え、金型盤面温度を40℃とした冷却プレス金型に設置し、金型34を閉じて3MPaでプレスした。5分後にプレス金型から成形品を取り出し、板厚Dbが1.3mm、凹状部2厚みが0.6mm、Tcが0.7mm、Db/Tcが1.9のサンドイッチ構造体1を得た。サンドイッチ構造体1の意匠表面部3に接するコア層5bの空隙率は70%、凹状部2に接するコア層5aの空隙率は0%であった。
上記で得たサンドイッチ構造体1の意匠面側6に塗装を行った。切込み部4に塗料が流れ、塗装溜りのない、ロゴ部の視認性が高い凹状部となり、スキン層6を意匠面として取り扱える外観良好なサンドイッチ構造体を得た。
(実施例6)
実施例1と同様の積層構成、製造方法を用いて、板厚Dbが1.3mm、スキン層厚が0.15mm、コア層厚が1.0mmのサンドイッチ構造前駆体27を得た。
次に、上記で得たサンドイッチ構造前駆体27を直径0.1mmのエンドミルを設置したNC加工機を用いて、ロゴ部形状18に対応した凹状部2の形状に沿って切込み4の先端部8が意匠表面部3から略垂直方向に1.15mmの深さに到達するまで切込み加工を行い、結果、コア層厚の100%に相当する深さにまで切込み4が形成された。また、切込み幅は0.1mmであった。
上記で切込み加工を施したサンドイッチ構造前駆体27を実施例1と同様の条件でプレス成形を行い、板厚Dbが1.3mm、凹状部2厚みが0.6mm、Tcが0.7mm、Db/Tcが1.9のサンドイッチ構造体1を得た。サンドイッチ構造体1の意匠表面部3に接するコア層5bの空隙率は70%、凹状部2に接するコア層5aの空隙率は0%であった。
上記で得たサンドイッチ構造体1の意匠面側6に塗装を行った。切込み部4に塗料が流れ、塗装溜りのない、ロゴ部の視認性が高い凹状部となり、スキン層6を意匠面として取り扱える外観良好なサンドイッチ構造体を得た。
(比較例1)
実施例3と同様の積層構成、製造方法を用いて、板厚Dbが1.2mm、スキン層厚が0.15mm、コア層厚が0.9mmのサンドイッチ構造前駆体27を得た。
上記で得たサンドイッチ構造前駆体27に切込みを入れずに凹状部2を付与したところ、凹状部2のスキン層が破断したサンドイッチ構造体1を得た。
上記で得たサンドイッチ構造体1の意匠面側6に塗装を行ったところ、凹状部2のスキン層が破断しているため、ロゴ部の視認性が悪化し、破断した側のスキン層を意匠面として取り扱うことができなかった。
本発明の一体化成形体は、自動車内外装、電気・電子機器筐体、自転車、スポーツ用品用構造材、航空機内装材、輸送用箱体等に有効に使用できる。
1 サンドイッチ構造体
2 凹状部
3 意匠表面部
4 切込み
5 コア層
5a コア層の空隙率が小さい領域
5b コア層の空隙率が大きい領域
6 意匠面側スキン層
6a スキン層上面(凹状部)
6b スキン層下面(意匠表面部)
7 非意匠面側スキン層
8 切込みの先端部
9 コア層厚
10 コア層の側面
11 切込み幅
12 意匠表面部の厚さDb
13 凹状部を形成するスキン層の最表面と意匠表面の最表面との高さの差Tc
14 塗装層
15 コア層のスリット部に流れ込んだ塗装液
16 凹状部の周辺に滞留した塗装液の溜り
17 丸み形状部
18 ロゴ部
21 不連続繊維基材
22 熱可塑性樹脂(B)層
23 コア層積層前駆体
24 スキン層前駆体
25 成形体前駆体
26 コア層前駆体
27 サンドイッチ構造前駆体
31 上型
32 下型
33 上型
34 上型

Claims (14)

  1. コア層の両側が、連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体であって、
    少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、前記意匠面の一部を凹状部、残りを意匠表面部とし、
    前記凹状部と前記意匠表面部との境界にあるコア層の少なくとも一部に切込みが設けられるとともに、
    前記凹状部直下におけるコア層の空隙率は、前記意匠表面部におけるコア層の空隙率よりも低いことを特徴とするサンドイッチ構造体。
  2. 前記切込みの深さが、前記意匠表面部に接するコア層厚みの50〜100%である請求項1記載のサンドイッチ構造体。
  3. 前記切込みの幅が0.1〜1mmである請求項1又は2記載のサンドイッチ構造体。
  4. 前記凹状部のスキン層の上面は、前記意匠表面部のスキン層の下面よりも下方に位置する請求項1〜3のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
  5. 前記コア層が発泡体または、熱可塑性樹脂(B)と不連続繊維からなる複合体のいずれかからなる多孔質コア層である請求項1〜4のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
  6. 前記意匠表面部に接するコア層領域の空隙率が50〜80%、前記凹状部に接するコア層領域の空隙率が0〜45%である請求項1〜5のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
  7. 前記意匠表面部に接するコア層及びスキン層を含むサンドイッチ構造体全体の厚さDb(mm)が0.5〜2mmである請求項1〜6のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
  8. 前記凹状部を形成するスキン層の最表面と前記意匠表面の最表面との高さの差Tc(mm)が、2≦Db/Tc≦5の範囲にある請求項7に記載のサンドイッチ構造体。
  9. 前記意匠面に塗装層を有する請求項1〜8のいずれかにに記載のサンドイッチ構造体。
  10. 前記凹状部にロゴ部が形成される請求項1〜9のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
  11. コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、
    少なくとも以下の工程[1]〜[5]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、前記意匠面の一部に凹状部を有することを特徴とする、サンドイッチ構造体の製造方法。
    [1]不連続繊維基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂(B)層を配したコア層積層前駆体を形成する工程
    [2]前記コア層積層前駆体の両面に、前記連続繊維に前記マトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体を配して成形体前駆体を形成する工程、
    [3]前記成形体前駆体を加熱プレスにより、前記スキン層前駆体を固化または硬化させてスキン層を形成するとともに、前記コア層積層前駆体の前記熱可塑性樹脂(B)を軟化または溶融させて前記不連続繊維基材に含浸させコア層前駆体を形成し、前記スキン層と前記コア層前駆体を一体化させた後、加圧を解除し、前記コア層前駆体をスプリングバックにより膨張させて空隙を有する前記コア層及びサンドイッチ構造前駆体を形成する工程
    [4]前記サンドイッチ構造前駆体の少なくとも一方の前記スキン層を意匠面とし、前記意匠面の面内の一部に、前記凹状部に相当する領域に沿って切込みを設ける工程
    [5]前記凹状部に相当する領域を押圧し、前記凹状部に相当する領域に含まれる前記コア層を圧縮させる工程
  12. コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、
    少なくとも以下の工程[1]〜[5]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、前記意匠面の一部に凹状部を有することを特徴とする、サンドイッチ構造体の製造方法。
    [1]不連続繊維基材と熱可塑性樹脂(B)とを含有するコア層積層前駆体を、前記熱可塑性樹脂(B)の軟化点または融点以上に加熱及び加圧した後、加圧を解除し、スプリングバックにより膨張させることにより空隙を有するコア層を形成する工程、
    [2]前記コア層の両面に、前記連続繊維に前記マトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体を配して成形体前駆体を形成する工程、
    [3]前記成形体前駆体を加熱プレスにより、前記スキン層前駆体を固化または硬化させて、前記スキン層の形成と前記コア層とを一体化させてサンドイッチ構造前駆体を形成する工程
    [4]前記サンドイッチ構造前駆体の少なくとも一方の前記スキン層を意匠面とし、前記意匠面の面内の一部に、前記凹状部に相当する領域に沿って切込みを設ける工程
    [5]前記凹状部に相当する領域を押圧し、前記凹状部に相当する領域に含まれる前記コア層を圧縮させる工程
  13. コア層の両側が連続繊維とマトリクス樹脂(A)とからなるスキン層で狭持されたサンドイッチ構造体の製造方法であって、
    少なくとも以下の工程[1]〜[4]により、少なくとも一方のスキン層が意匠面であり、前記意匠面の一部に凹状部を有することを特徴とする、サンドイッチ構造体の製造方法。
    [1]発泡体を前記コア層とし、前記コア層の両面に、前記連続繊維に前記マトリクス樹脂(A)を含浸させたスキン層前駆体を配して成形体前駆体を形成する工程、
    [2]前記成形体前駆体を加熱プレスにより、前記スキン層前駆体を固化または硬化させて、前記スキン層の形成と前記コア層とを一体化させてサンドイッチ構造前駆体を形成する工程
    [3]前記サンドイッチ構造前駆体の少なくとも一方の前記スキン層を意匠面とし、前記意匠面の面内の一部に、前記凹状部に相当する領域に沿って切込みを設ける工程
    [4]前記凹状部に相当する領域を押圧し、前記凹状部に相当する領域に含まれる前記コア層を圧縮させる工程
  14. 前記スリット部が形成された前記意匠面に塗装処理を施す請求項11〜13いずれかに記載のサンドイッチ構造体の製造方法。


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