JP2019097920A - 衣類処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】においの特性も測定できるようにしたにおいセンサを搭載することにより、より最適な運転条件により運転を実行できるようにした衣類処理装置を提供する。【解決手段】本実施形態に係る衣類処理装置は、衣類が収容される衣類収容槽と、前記衣類収容槽内に存在するにおいの特性を測定可能であるにおいセンサと、を備える。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
従来より、衣類を処理する衣類処理装置として、衣類を洗濯する洗濯機が提供されている。そして、洗濯機においては、においを検知するにおいセンサを搭載した洗濯機が考えられている。例えば特許文献1に開示されている洗濯機は、臭気センサを利用して槽内の臭気の変化量を算出し、その算出結果に基づいて、槽内へのイオンの送風を制御するように構成されている。
上述した特許文献1の洗濯機のように、槽内のにおいに基づいて運転を制御することにより、より最適な運転条件により運転を実行することが期待できる。しかしながら、従来のにおいセンサでは、においの量つまり程度を測定することはできるものの、においの特性つまり種類までを測定することはできなかった。そこで、近年では、においの量のみならず、においの特性も測定できるようにしたにおいセンサの開発が進められつつある。
そこで、本実施形態は、においの特性も測定できるようにしたにおいセンサを搭載することにより、より最適な運転条件により運転を実行できるようにした衣類処理装置を提供する。
本実施形態に係る衣類処理装置は、衣類収容槽、においセンサを備える。衣類収容槽には、衣類が収容される。においセンサは、前記衣類収容槽内に存在するにおいの特性を測定可能である。
以下、衣類処理装置に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1および図2に例示する洗濯機1は、衣類の処理、この場合、衣類の洗い処理、すすぎ処理、脱水処理、乾燥処理などが可能な衣類処理装置の一例である。本実施形態では、洗濯機1は、衣類の洗濯機能と乾燥機能を備えたいわゆるドラム式の洗濯乾燥機であり、乾燥行程においては衣類を乾燥する衣類乾燥機としても機能する。洗濯機1の本体を構成する筐体2は、ほぼ矩形の箱状をなしていて、その前面部2aがやや前下がりの傾斜状に形成されている。前面部2aには、図示しない洗濯物出入口が形成されている。また、前面部2aには、洗濯物出入口を開閉する扉3が回動可能に設けられている。
筐体2内には、水槽4がサスペンション5を介して弾性的に支持されている。水槽4は、前面が開口し後面が閉塞された有底円筒状をなしていて、軸線方向を前後方向に指向させ、且つ、やや前上がりの傾斜状態に配置されている。水槽4は、衣類収容槽の一例である。水槽4の前面開口部は、図示しない蛇腹状のべローズを介して洗濯物出入口に接続されている。水槽4は、衣類などの洗濯物を洗う洗い行程、洗濯物をすすぐすすぎ行程においては洗濯槽の一例としても機能し、洗濯物を脱水する脱水行程においては後述の回転槽から脱水された水を受ける脱水槽の一例としても機能し、洗濯物を乾燥させる乾燥行程時においては乾燥槽の一例としても機能する。
水槽4内には、回転槽の一例であるドラム6が回転可能に配設されている。このドラム6も、水槽4と同様に、前面に開口部を有し後面が閉塞された有底円筒状をなしていて、軸線方向を前後方向に指向させ、且つ、やや前上がりの傾斜状態に配置されている。ドラム6の周壁部および後壁部には多数の孔6aが形成されている。これらの孔6aは、洗い行程時やすすぎ行程時、脱水行程時には水が通る通水孔として機能し、乾燥行程時には乾燥風が通る通風孔として機能する。
また、本実施形態では、水槽4の底部には、図示しないヒータが設けられている。このヒータは、水槽4内に供給された水を加熱して温水化する機能を有する。即ち、本実施形態に係る洗濯機1は、温水により洗濯物を洗う温水洗い動作、および、温水により洗濯物をすすぐ温水すすぎ動作が可能な構成となっている。
水槽4の背部にはドラムモータ7が設けられていて、ドラム6は、そのドラムモータ7により回転軸7aを介して回転駆動される。なお、ドラム6の周壁部の内部には、洗濯物をかき上げるための図示しない複数のバッフルが設けられている。衣類などの洗濯物は、洗濯物出入口、水槽4の開口部、およびドラム6の開口部を通してドラム6内に出し入れ可能に収容される。
水槽4には、周壁部の前部の上部に上向きの空気出口8bが設けられているとともに、後部壁の上部に空気入口8aが設けられている。空気出口8bの上部には、振動吸収可能に蛇腹状に形成された接続ダクト9を介してフィルタケース10が接続されている。フィルタケース10内には、図示しないリントフィルタが着脱可能に取り付けられる。
フィルタケース10の後部には、排気ダクト11の前端部が接続されている。排気ダクト11は、フィルタケース10から後方へ向けて延びた後、下方に向きを変え、その下端部が、振動吸収可能に蛇腹状に形成された接続ダクト18aを介して、筐体2内の後方下部において水槽4よりも下方に設けられたヒートポンプユニット12のユニットケース13の上流側に接続されている。ユニットケース13は、ヒートポンプユニット12の外殻を構成するものである。ユニットケース13は、サスペンション5の後方において洗濯機1の横方向に沿って、つまり、水平方向に沿って延びている。また、ユニットケース13の下流側には、振動吸収可能に蛇腹状に形成された接続ダクト18bを介して給気ダクト19の一端部が接続されている。給気ダクト19の他端部は上方へ延びていて、水槽4の空気入口8aに接続されている。
ここで、洗濯機1は、接続ダクト9、フィルタケース10、排気ダクト11、接続ダクト18a、ヒートポンプユニット12のユニットケース13、接続ダクト18b、および、給気ダクト19により、水槽4の空気出口8bと空気入口8aとの間を連通接続する循環風路20を構成している。この循環風路20は、水槽4の外部であって、且つ、筐体2の内部において、一端部である上流側が空気出口8bに接続され、他端部である下流側が空気入口8aに接続されている。
図3に例示するように、ヒートポンプユニット12に備えられるヒートポンプ21は、圧縮機22、凝縮器23、絞り器24、蒸発器25を冷媒管26によりサイクル接続して冷凍サイクルを構成している。このうち、熱交換器を構成する凝縮器23および蒸発器25は、循環風路20の一部を構成するユニットケース13の内部に配置されている。また、循環風路20には、循環送風機14が備えられている。循環送風機14は、循環ファン16をファンモータ17により回転駆動することにより、水槽4内の空気を、循環風路20を通して循環させるものである。この循環送風機14が駆動されることにより、水槽4内の空気は、循環風路20内に導入されて、空気出口8b側である上流側から空気入口8a側である下流側に向かって流れるようになっている。
そして、ユニットケース13内において、蒸発器25は、水槽4の空気出口8b側、つまり、循環風路20の上流側に配置されている。一方、凝縮器23は、水槽4の空気入口8a側、つまり、循環風路20の下流側に配置されている。即ち、循環風路20内において、凝縮器23は、蒸発器25よりも下流側に配置されている。蒸発器25は、除湿手段の一例であり、循環風路20内を空気出口8b側から空気入口8a側、つまり、上流側から下流側に向かって流れる空気を冷却して除湿する除湿手段として機能する。一方、凝縮器23は、加熱手段の一例であり、循環風路20内を空気出口8b側から空気入口8a側、つまり、上流側から下流側に向かって流れる空気を加熱する加熱手段として機能する。
図2および図3に例示するように、洗濯機1は、においセンサ100を搭載している。本実施形態では、このにおいセンサ100は、循環風路20の内部、この場合、蒸発器25と凝縮器23との間に備えられている。即ち、本実施形態では、においセンサ100は、例えば水槽4内に設けられて当該水槽4内のにおいを直接的に測定するのではなく、水槽4内から循環風路20内に流れる空気に含まれるにおいを測定する配置構成、つまり、水槽4の外部において水槽4内のにおいを間接的に測定する配置構成となっている。
次に、このにおいセンサ100の構成例について説明する。即ち、図4に例示するように、においセンサ100は、洗濯機1に備えられる制御装置200とともに、におい測定システムSを構築している。制御装置200は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、例えばドラムモータ7、循環送風機14、圧縮機22などの駆動源を制御することにより、洗濯機1の動作全般を制御する。また、制御装置200は、においセンサ100と協働することにより、水槽4内、より具体的にはドラム6内に収容されている衣類などの洗濯物のにおいを測定するにおい測定部として機能する。
図5に例示するように、においセンサ100は、基板101に複数のセンサ素子102を実装した構成となっている。センサ素子102は、それぞれ、センサ本体部103の表面に、におい物質を吸着する物質吸着膜104が設けられた構成となっている。なお、においセンサ100は、さらに、励振電極を備える構成としてもよい。
基板101は、例えば、シリコン基板、水晶結晶からなる基板、プリント配線基板、セラミック基板、樹脂基板などで構成することができる。物質吸着膜104は、例えば、π電子共役高分子からなる薄膜である。π電子共役高分子膜には、ドーパントとして無機酸、有機酸、イオン性液体からなる少なくとも1種類を含むことが可能である。
センサ本体部103は、物質吸着膜104の表面に吸着した物質による物理的、化学的、または、電気的特性の変化を測定することにより、物質吸着膜104に対する物質の吸着状況を測定する信号変換部、即ち、トランスデューサとして機能するように設けられている。物理的、化学的、または電気的な特性を示す要素としては、例えば、水晶振動子センサ、表面弾性波センサ、電界効果トランジスタセンサ、電荷結合素子センサ、MOS電界効果トランジスタセンサ、金属酸化物半導体センサ、有機導電性ポリマーセンサ、電気化学的センサなどが考えられる。なお、センサ本体部103を構成する要素は、これらのセンサ類に限定されるものではなく、例えば測定対象にしたい物質の種類などに応じて種々の要素を適宜用いることができる。
また、センサ本体部103の構造は、例えば測定対象にしたい物質の種類などに応じて種々異なる構造をとることができる。例えば、水晶振動子を用いる場合には、通常の電極を両面に設けた構造としてもよいし、振動の状態を示す値、いわゆるQ値を高くとることが可能な片面電極のみを分離電極とした構造のものを用いてもよい。
また、物質吸着膜104として用いられるπ電子共役高分子は、例えば、ポリピロールおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリアズレンおよびその誘導体など、いわゆるπ電子共役高分子を骨格とする高分子を用いることが好ましい。通常、こうしたπ電子共役高分子は、酸化状態で骨格高分子自体がカチオンとなり、ドーパントとしてアニオンを含むことによって導電性を発現する。なお、物質吸着膜104を構成する要素は、これらの高分子に限られるものではなく、例えば測定対象にしたい物質の種類などに応じて種々の要素を適宜用いることができる。また、物質吸着膜104を構成する要素は、ドーパントを含まない中性のπ電子共役高分子を用いてもよい。
ドーパントを含み、導電性を有するπ電子共役高分子を用いる場合には、ドーパントとして様々な物質を用いることが可能である。使用可能なドーパントとしては、例えば、塩素イオン、塩素酸化物イオン、臭素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ホウ酸イオンなどの無機イオン、アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カルボン酸などの有機酸アニオン、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸などの高分子酸アニオンなどが考えられる。
また、上述したような直接的なアニオンの結合体の他に、中性のπ電子共役高分子に、例えば食塩などのような塩、イオン性液体のような陽イオンおよび陰イオンの両方を含むイオン性化合物を共存させることで、化学平衡的にドーピングを行うようにしてもよい。使用可能なイオン性液体としては、例えば、陽イオンではピリジン系、脂環族アミン系、脂肪族アミン系のイオン性液体などが考えられる。また、これに組み合わせる陰イオンの種類を選択することにより、多様な構造を合成することができる。陽イオンとしては、例えば、イミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類などのアンモニウム系イオン、ホスホニウム系イオン、無機系イオンなどが考えられる。また、陰イオンとしては、例えば、臭化物イオン、トリフラートなどのハロゲン系イオン、テトラフェニルボレートなどのホウ素系イオン、ヘキサフルオロホスフェートなどのリン系イオンなどが考えられる。
π電子共役高分子に含むドーパントの含有量は、例えばドーパントを形成する繰り返し単位2つあたり1分子のドーパントが入る状態を1とすると、0.01〜5の範囲、好ましくは、0.1〜2の範囲に調整するとよい。ドーパントの含有量が、この範囲の最低値以下であると膜の特性が消失し、最大値以上であると高分子自体の吸着特性の効果が消失し、望ましい吸着特性を有する膜を形成することが困難となる。また、低分子量物質であるドーパントが優勢な膜となってしまい、膜の耐久性が大幅に低下してしまう。そのため、ドーパントの含有量を上述の範囲内に調整することにより、におい物質の検出感度を好適に維持することができる。
また、物質吸着膜104の厚さは、吸着対象となる物質の特性に応じて適宜選択することができる。具体的には、物質吸着膜104の厚さは、例えば、10nm〜10μmの範囲に調整するとよく、より好ましくは、50nm〜800μmの範囲に調整するとよい。膜厚が10nm以下になると十分な検出感度を得ることができない。また、膜厚が10μm以上になると、センサ素子により測定することができる重量の上限を超えてしまうため、好ましくない。
また、物質吸着膜104は、例えば、溶媒原液を種々の溶媒により希釈した後、これにドーパント成分を溶解させることにより膜液を調整し、これを、例えばマイクロディスペンサなどによりセンサ素子の表面に滴下することにより形成することができる。なお、物質吸着膜104の製造方法は、これに限られるものではなく、種々の方法により製造することができる。
上述した構成のセンサ素子102によれば、物質吸着膜104に吸着されるにおい物質の種類に応じてセンサ本体部103の振動が異なるようになる。そのため、においセンサ100は、このセンサ本体部103の振動の変化に基づき、物質吸着膜104に吸着されているにおい物質の種類を特定することができるようになっている。
そして、においセンサ100は、このように構成されるセンサ素子102を複数備えている。また、複数のセンサ素子102は、基板101上においてアレイ状に配列されている。そのため、各センサ素子102の表面に設けられている物質吸着膜104の構成を素子ごとに異ならせることにより、様々な特性を有するにおい物質を吸着することが可能になる。この場合、物質吸着膜104の構成を調整することにより、1つのセンサ素子102によって1種類のにおい物質を検出可能に構成することもできるし、1つのセンサ素子102によって複数種類のにおい物質を検出可能に構成することもできる。
また、1つのにおいセンサ100に搭載するセンサ素子102の組み合わせ、換言すれば、物質吸着膜104の組み合わせは、例えば測定対象にしたいにおい物質の種類などに応じて適宜変更することが可能である。そして、このように構成されるにおいセンサ100によれば、におい物質が有する特性、例えば、分子構造などによって、物質吸着膜104に対する吸着パターンが異なるようになる。
即ち、例えば図6に例示するように、においセンサ100が出力する吸着パターンは、物質吸着膜104に吸着されるにおい物質の種類に応じて異なるようになる。そのため、においセンサ100は、複数のセンサ素子102、換言すれば、複数の物質吸着膜104に対するにおい物質の吸着パターンの相違に基づいて、そのにおい物質の種類を特定することが可能となっている。
ここで、従来より提供されている、いわゆるにおいセンサは、におい物質を検出するプローブが1つであるものが殆どであり、従って、そのプローブに反応する1種類のにおい物質を検出することしかできず、また、その1種類のにおい物質について、その存在量を測定することしかできない。
これに対し、本実施形態に係るにおいセンサ100は、複数のセンサ素子102を備えており、各センサ素子102の物質吸着膜104の構成を相互に異ならせることにより、相互に異なる特性を有する複数種類のにおい物質を測定することが可能となっている。即ち、本実施形態に係るにおいセンサ100は、センサ素子102を構成するセンサ本体部103および物質吸着膜104の構成を適宜組み合わせて用いることができ、従って、測定対象にしたいにおい物質の特性、換言すれば、におい物質の種類に応じて多様なセンサ構成とすることができる。
また、本実施形態に係るにおいセンサ100によれば、センサ素子102を構成するセンサ本体部103および物質吸着膜104の構成を適宜組み合わせることにより、ほぼ制限なく様々なにおい物質を検出対象とすることができる。また、検出したいにおい物質の特性に応じて、必要な構成のセンサ素子102を必要な数だけ基板101に実装することにより、におい全体に含まれる複数種類のにおい物質をそれぞれ定性的に測定することができる。また、においセンサ100によれば、センサ素子102の出力強度に基づき、におい物質の存在量を定量的に測定することができる。よって、本実施形態に係るにおいセンサ100は、複数種類のにおい物質を含むにおい全体を定量的に分析する場合、および、定性的に分析する場合に好適なセンサとなっている。
次に、本実施形態に係るにおい測定システムSによるにおいの測定メカニズムについて説明する。即ち、図4に例示するように、においセンサ100は、においに含まれるにおい物質がセンサ素子102の物質吸着膜104に吸着すると、その吸着に伴うセンサ本体部103の振動の変化に基づいて、におい物質の吸着パターンPaを制御装置200に出力する。一方、制御装置200は、例えばメモリなどの記憶媒体により構成される記憶部201に、複数種類の判定用吸着パターンPbのデータを記憶している。そして、制御装置200は、においセンサ100から得られる吸着パターンPaを、記憶部201に格納されている複数種類の判定用吸着パターンPbと照合する。
図7に例示するように、この判定用吸着パターンPbは、所定のにおい物質がにおいセンサ100によって測定された場合に出力される吸着パターンを予め規定したものであり、本実施形態では、洗濯機に特化して、例えば、「汚れ」に含まれるにおい物質が測定された場合に出力される各種の吸着パターン、「洗剤」に含まれるにおい物質が測定された場合に出力される各種の吸着パターン、「柔軟剤」に含まれるにおい物質が測定された場合に出力される各種の吸着パターンが、判定用吸着パターンPbとして用意されている。また、汚れの種類としては、例えば、油汚れ、皮脂汚れ、泥汚れ、汗汚れなどについてのそれぞれの吸着パターンが用意されている。また、洗剤の種類としては、例えば、市販されている複数種類の洗剤についてのそれぞれの吸着パターンが用意されている。また、柔軟剤の種類としては、市販されている複数種類の柔軟剤についてのそれぞれの吸着パターンが用意されている。
制御装置200は、においセンサ100から得られる吸着パターンPaと記憶部201に格納されている複数種類の判定用吸着パターンPbとを照合し、吸着パターンPaと一致または近似する判定用吸着パターンPbの有無を確認する。なお、制御装置200が両吸着パターンが「近似」していると判定する場合における両パターンの近似度は、適宜変更して設定することができる。そして、制御装置200は、吸着パターンPaと一致または近似する判定用吸着パターンPbが存在する場合には、その判定用吸着パターンPbに対応するにおい物質が存在することを確認する。即ち、制御装置200は、例えば、吸着パターンPaが例えば判定用吸着パターンPb1に一致または近似する場合には、水槽4内の洗濯物に油汚れが付着していると判定し、吸着パターンPaが例えば判定用吸着パターンPb11に一致または近似する場合には、水槽4内に洗剤Aが存在していると判定し、吸着パターンPaが例えば判定用吸着パターンPb21に一致または近似する場合には、水槽4内に柔軟剤Aが存在していると判定する。
また、図8に例示するように、制御装置200は、制御プログラムを実行することにより、運転条件提示処理部211、重量検知処理部212、報知処理部213、運転制御処理部214などの各種の処理部をソフトウェアにより仮想的に実現する。なお、これらの処理部は、ハードウェアにより構成してもよいし、ソフトウェアとハートウェアの組み合わせにより構成してもよい。また、制御装置200には、操作パネル221が接続されている。この操作パネル221には、例えば、洗濯機1の電源をオン/オフする電源ボタン、運転を開始するためのスタートボタン、運転条件を設定する設定ボタンなどの各種の操作ボタン類を含む操作部222が設けられている。また、操作パネル221には、例えば液晶パネルにより構成される表示部223が設けられている。
運転条件提示処理部211は、運転条件提示手段の一例であり、例えば表示部223に各種の運転条件を提示する。表示部223に表示される運転条件は、例えば、水槽4内への給水量、水槽4内への洗剤や柔軟剤の投入量、ドラム6を回転させる攪拌時間、各行程の運転時間などの各種の条件である。重量検知処理部212は、重量検知手段の一例であり、ドラム6内に収容されている洗濯物の重量を検知する。洗濯物の重量を検知する重量検知処理は、例えば、ドラム6内の洗濯物の重量に応じてドラムモータ7の回転負荷が変化することを利用するものであり、水槽4内への給水前の状態で、ドラムモータ7を所定の短時間だけ回転させ、その際のドラムモータ7の回転速度の変化を検出することにより行うことができる。また、重量検知処理部212は、水槽4の重量を検知する図示しない重量センサなどを備えることにより洗濯物の重量を検知する構成としてもよい。
報知処理部213は、報知手段の一例であり、各種の情報、例えば、水槽4内に洗剤や柔軟剤が投入されていないことなど警告情報などを報知する。報知処理部213は、各種の情報を表示部223に表示する構成としてもよいし、図示しないブザーなどにより警告音として出力する構成としてもよいし、このような視覚的な出力態様および聴覚的な出力態様を組み合わせた構成としてもよい。運転制御処理部214は、運転制御手段の一例であり、制御プログラムや設定された運転条件などに基づいて、洗濯機1の運転、具体的には、各種の運転コースに含まれる洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、乾燥行程などにおける運転内容を制御する。
次に、上述したにおい測定システムSを実装する洗濯機1による運転制御の一例について説明する。本実施形態では、制御装置200は、基本的に、ドラム6内に洗濯物が収容された状態でにおいセンサ100による測定処理を実行し、水槽4内に存在するにおい物質の特性つまり種類を測定するようになっている。
(洗い行程)
図9に例示するように、制御装置200は、ドラム6内に衣類が投入されて洗濯機1の電源がオンされると、においセンサ100によるにおいの測定処理を実行する(A1)。この測定処理において、制御装置200は、においセンサ100から得られる出力信号の強度に基づいて、ドラム6内の洗濯物に付着している汚れの存在量を定量的に判定することが可能である。即ち、制御装置200は、においセンサ100により汚れのにおい物質が検出されるか否かに基づいて、ドラム6内の洗濯物に汚れが存在しているか否かを判定することが可能である。また、制御装置200は、においセンサ100により汚れのにおい物質が検出される場合には、においセンサ100からの信号の出力強度に基づいて、その汚れの存在量を測定することが可能である。また、制御装置200は、においセンサ100により測定したにおいの特性に基づいて、ドラム6内の洗濯物に付着している汚れの種類を定性的に判定することが可能である。そして、制御装置200は、においセンサ100による定量的、定性的な測定結果に基づいて洗濯物の汚れの種類および量を特定し、その特定結果に応じた運転条件を表示部223に提示する(A2)。
図9に例示するように、制御装置200は、ドラム6内に衣類が投入されて洗濯機1の電源がオンされると、においセンサ100によるにおいの測定処理を実行する(A1)。この測定処理において、制御装置200は、においセンサ100から得られる出力信号の強度に基づいて、ドラム6内の洗濯物に付着している汚れの存在量を定量的に判定することが可能である。即ち、制御装置200は、においセンサ100により汚れのにおい物質が検出されるか否かに基づいて、ドラム6内の洗濯物に汚れが存在しているか否かを判定することが可能である。また、制御装置200は、においセンサ100により汚れのにおい物質が検出される場合には、においセンサ100からの信号の出力強度に基づいて、その汚れの存在量を測定することが可能である。また、制御装置200は、においセンサ100により測定したにおいの特性に基づいて、ドラム6内の洗濯物に付着している汚れの種類を定性的に判定することが可能である。そして、制御装置200は、においセンサ100による定量的、定性的な測定結果に基づいて洗濯物の汚れの種類および量を特定し、その特定結果に応じた運転条件を表示部223に提示する(A2)。
ここで、図10に例示するように、制御装置200は、においセンサ100によるにおい物質の定量的な判定結果、つまり、汚れのにおい物質の存在量を複数段階、例えば、6段階で評価するようになっている。本実施形態では、さらに、レベル0,1,2を「弱」レベル、レベル3,4,5を「強」レベルに分類して設定している。よって、レベル0は弱レベルのうちの弱レベル、レベル1は弱レベルのうちの中レベル、レベル2は弱レベルのうちの強レベルとして定義することができる。また、レベル3は強レベルのうちの弱レベル、レベル4は強レベルのうちの中レベル、レベル5は強レベルのうちの強レベルとして定義することができる。
そして、図11に例示するように、制御装置200は、においの判定結果に基づいて、提示する運転条件を異ならせるように構成されている。本実施形態では、制御装置200は、においの判定結果が強レベルのうちの何れかのレベル、つまり、「レベル3」以上である場合には強レベル運転条件を提示し、弱レベルのうちの何れかのレベル、つまり、「レベル2」以下である場合には弱レベル運転条件を提示するように設定されている。
即ち、制御装置200は、例えば、汚れの種類が「油汚れ」であり、且つ、その存在量が「レベル3」以上である場合には、例えば、水槽4内の水の温度を40℃とし、ドラム6を回転させることにより洗濯物を攪拌させる攪拌時間を標準の攪拌時間から変更無しとし、水槽4内に投入する洗剤の量を標準の2倍とした強レベル運転条件を、推奨する運転条件として表示部223に提示する。
一方、制御装置200は、例えば、汚れの種類が「油汚れ」であり、且つ、その存在量が「レベル2」以下である場合には、例えば、水槽4内の水の温度を30℃とし、ドラム6を回転させることにより洗濯物を攪拌させる攪拌時間を標準の攪拌時間から変更無しとし、水槽4内に投入する洗剤の量を標準から変更無しとした弱レベル運転条件を、推奨する運転条件として表示部223に提示する。なお、制御装置200は、においの測定処理を複数回実行し、先のにおい測定処理において汚れの存在量が「レベル3」以上つまり「強」レベルであり、且つ、後のにおい測定処理において汚れの存在量が「レベル2」以下つまり「弱」レベルとなった場合に、提示する運転条件を、強レベル運転条件から弱レベル運転条件に変更するようにしてもよい。つまり、制御装置200は、行程の途中で汚れの存在量が変化、具体的には減少することに応じて、提示する運転条件を「強」レベルから「弱」レベルへ切り替えるようにしてもよい。また、制御装置200は、例えば最初のにおいの測定処理の結果、汚れの存在量が「弱」レベルであった場合、つまり、当初から汚れの存在量が「弱」レベルである場合には、弱レベル運転条件を提示するのではなく、水槽4内の水の温度、洗濯物を攪拌させる攪拌時間、洗剤の量などの各項目を標準設定のままとした標準運転条件を提示するようにしてもよい。
制御装置200は、においセンサ100によるにおい物質の定性的、定量的な判定結果に基づく運転条件を表示部223に表示すると、スタートボタンが操作されるまで待機する(A3)。なお、この待機期間中において、制御装置200は、例えば操作部222を介して運転条件の変更操作が入力された場合には、その変更内容を受け付け可能に構成してもよいし、受け付け不能に構成してもよい。
そして、制御装置200は、スタートボタンが操作されると(A3:YES)、重量検知処理を実行することにより、ドラム6内の洗濯物の重量を検知する(A4)。そして、制御装置200は、この重量検知処理の完了後に、再び、においセンサ100によるにおい物質の測定処理を実行する(A5)。そして、制御装置200は、においセンサ100により測定した洗濯物の汚れの種類および量に応じた運転条件を表示部223に提示する(A6)。
このとき、重量検知処理においてはドラム6が回転されるから、当該重量検知処理の完了後においては、ドラム6の回転により水槽4内の空気が攪拌されており、従って、水槽4内に存在するにおい物質も広範囲に攪拌されている。また、水槽4内の空気が攪拌されることに伴い、その水槽4内の空気が、においセンサ100が存在する循環風路20内に流れ込みやすくなる。
そのため、重量検知処理の後に実行するにおい物質の測定処理は、重量検知処理の前に実行するにおい物質の測定処理に比べ、より精度良くにおい物質の定性的、定量的な測定が可能となる。よって、重量検知処理後のにおい物質の測定処理に基づき提示する運転条件は、重量検知処理前のにおい物質の測定処理に基づき提示する運転条件に比べ、より信頼性が高い。そのため、制御装置200は、例えば、重量検知処理前のにおい物質の測定処理における汚れのレベルが「レベル2」以下であったにも関わらず、重量検知処理後のにおい物質の測定処理における汚れのレベルが「レベル3」以上になった場合には、表示部223に提示する運転条件を、弱レベル運転条件から強レベル運転条件に切り換える。
制御装置200は、洗濯物の汚れの種類および量に基づく運転条件を提示すると、洗い行程における給水動作を開始する(A7)。この洗い行程における給水動作においては、図示しない洗剤類投入ケースから水槽4内に洗剤が投入される。そして、制御装置200は、給水動作を開始すると、再び、においセンサ100によるにおい物質の測定処理を実行する(A8)。ここで、上述したステップA1,A5における測定処理は、主として、洗濯物に付着している「汚れ」のにおい物質を測定することを目的としているのに対し、このステップA8における測定処理は、主として、水槽4内に「洗剤」が投入されているか否かを判定すること、および、投入されている場合はその「洗剤」の種類を判定することを目的としている。
この測定処理において、制御装置200は、においセンサ100から得られる出力信号の強度に基づいて、水槽4内における洗剤の存在量を定量的に判定することが可能である。即ち、制御装置200は、においセンサ100により洗剤のにおい物質が検出されるか否かに基づいて、水槽4内に洗剤が投入されているか否かを判定することが可能である。また、制御装置200は、においセンサ100により洗剤のにおい物質が検出される場合には、においセンサ100からの信号の出力強度に基づいて、その洗剤の存在量を測定することが可能である。また、制御装置200は、においセンサ100により測定したにおいの特性に基づいて、水槽4内の投入されている洗剤の種類を定性的に判定することが可能である。そして、制御装置200は、においセンサ100による定量的、定性的な測定結果に基づいて洗剤の種類および量を特定し、その特定結果に応じた制御を行うように構成されている。
即ち、制御装置200は、においセンサ100により洗剤の存在が確認できない場合(A9:NO)には、水槽4内に洗剤が投入されていないことを報知する(A10)。そして、制御装置200は、水槽4内への給水を停止し(A11)、その後、所定時間、例えば、1分程が経過したら、ステップA7に戻って水槽4内への給水を再開する。この所定の待機時間の間に、ユーザにより洗剤が投入されることが期待される。
一方、制御装置200は、においセンサ100により洗剤の存在が確認できた場合(A9:YES)には、においセンサ100による定量的、定性的な測定結果に基づいて特定した洗剤の種類および量に応じた運転条件を表示部223に提示する(A12)。即ち、本実施形態では、制御装置200は、においセンサ100による測定処理に基づいて判定された洗剤の種類および存在量に応じた最適な運転条件を提示し、その提示した運転条件に基づき、その後の運転、この場合、洗い行程における給水量、攪拌時間、攪拌強度などを制御可能に構成されている。
制御装置200は、においセンサ100によるにおい物質の定性的、定量的な判定結果に基づく運転条件を表示部223に表示すると、その運転条件に基づいて給水動作を継続する。なお、この継続期間中において、制御装置200は、操作部222を介して運転条件の変更操作が入力された場合には、その変更内容を受け付け可能に構成してもよいし、受け付け不能に構成してもよい。そして、制御装置200は、給水動作を完了すると(A13)、その時点で設定されている運転条件に基づいて、ドラム6内の洗濯物を洗う洗い行程を実行する。
(すすぎ行程)
制御装置200は、上述した洗い行程を完了すると、ドラム6内の洗濯物をすすぐすすぎ行程に移行する。図12に例示するように、このすすぎ行程では、制御装置200は、まず、すすぎ前脱水処理を実行する(B1)。このすすぎ前脱水処理は、後述する脱水行程と同様に、ドラム6を高速回転させることにより、ドラム6内の洗濯物の脱水を行う。そして、制御装置200は、すすぎ前脱水処理を完了すると、においセンサ100によるにおいの測定処理を実行する(B2)。このとき、すすぎ前脱水処理によるドラム6の高速回転に伴い、水槽4内の空気が十分に攪拌されている。そのため、この測定処理による測定結果の信頼性を向上させることができる。そして、この測定処理において、制御装置200は、においセンサ100により、洗濯物の汚れの種類および量、つまり、洗い行程後における汚れの残り具合、および、残っている汚れの種類を特定し、その特定結果に応じて、その後の運転を制御する。
制御装置200は、上述した洗い行程を完了すると、ドラム6内の洗濯物をすすぐすすぎ行程に移行する。図12に例示するように、このすすぎ行程では、制御装置200は、まず、すすぎ前脱水処理を実行する(B1)。このすすぎ前脱水処理は、後述する脱水行程と同様に、ドラム6を高速回転させることにより、ドラム6内の洗濯物の脱水を行う。そして、制御装置200は、すすぎ前脱水処理を完了すると、においセンサ100によるにおいの測定処理を実行する(B2)。このとき、すすぎ前脱水処理によるドラム6の高速回転に伴い、水槽4内の空気が十分に攪拌されている。そのため、この測定処理による測定結果の信頼性を向上させることができる。そして、この測定処理において、制御装置200は、においセンサ100により、洗濯物の汚れの種類および量、つまり、洗い行程後における汚れの残り具合、および、残っている汚れの種類を特定し、その特定結果に応じて、その後の運転を制御する。
本実施形態では、制御装置200は、汚れの残り具合が所定の許容値よりも多いか否かを判定する(B3)。この許容値は、汚れの残り具合が最先すすぎ行程への移行を許容できるほど少量であるか否かを判定するための基準値であり、例えば、想定される汚れの種類やユーザの好みなどに応じて適宜変更して設定することができる。制御装置200は、汚れの残り具合が所定の許容値よりも多い場合(B3:YES)には、追加洗い行程を実行する(B4)。この追加洗い行程は、通常の洗い行程と同様であり、具体的には、水槽4内への給水動作を実行し、その後、ドラム6を回転させて、ドラム6内の洗濯物を洗う。そして、制御装置200は、追加洗い行程を完了すると、ステップB1に戻って、すすぎ前脱水処理を実行する。なお、この追加洗い行程においては、洗剤は投入されないことを前提とする。また、制御装置200は、追加洗い行程(B4)の実行回数を制限する構成としてもよい。即ち、制御装置200は、追加洗い行程(B4)を所定回数、例えば、2回実行した場合には、仮にステップB3において「YES」と判断したとしても、さらに追加洗い行程を行わず、ステップB5に移行するようにしてもよい。
制御装置200は、汚れの残り具合が所定の許容値よりも少ない場合(B3:NO)には、においセンサ100による定量的、定性的な測定結果に基づいて特定した汚れの残り具合に応じた運転条件を表示部223に提示する(B5)。
ここで、図13に例示するように、制御装置200は、においの判定結果に基づいて、提示する運転条件を異ならせるように構成されている。本実施形態では、制御装置200は、においの判定結果が「レベル3」以上である場合には強レベル運転条件を提示し、「レベル2」以下である場合には弱レベル運転条件を提示する。即ち、制御装置200は、例えば、洗剤の残存量、つまり、洗剤の残り具合が「レベル3」以上である場合には、例えば、水槽4内に供給する水の量を5L増量し、ドラム6を回転させることにより洗濯物を攪拌させる攪拌時間を標準の攪拌時間から3分追加し、すすぎ行程の実行回数を1回追加した強レベル運転条件を、推奨する運転条件として表示部223に提示する。
一方、制御装置200は、例えば、洗剤の残存量、つまり、洗剤の残り具合が「レベル2」以下である場合には、例えば、水槽4内に供給する水の量を5L減量し、ドラム6を回転させることにより洗濯物を攪拌させる攪拌時間を標準の攪拌時間から変更無しとし、すすぎ行程の実行回数を標準から変更無しとした弱レベル運転条件を、推奨する運転条件として表示部223に提示する。
制御装置200は、においセンサ100によるにおい物質の定性的、定量的な判定結果、この場合、洗剤の残り具合に基づく運転条件を表示部223に表示すると、最先すすぎ行程を実行する(B6)。この最先すすぎ行程における給水動作では、水槽4内には水のみが給水され、洗剤や柔軟剤は投入されない。そして、制御装置200は、水槽4内への給水の完了後、ドラム6を回転させることにより、ドラム6内の衣類をすすぐ。即ち、この最先すすぎ行程は、水槽4内の洗剤を除去することを目的とする。
そして、制御装置200は、最先すすぎ行程を完了すると、すすぎ行程の途中における脱水処理、いわゆる中間脱水処理を実行する(B7)。この中間脱水処理は、後述する脱水行程と同様に、ドラム6を高速回転させることにより、ドラム6内の洗濯物の脱水を行う。そして、制御装置200は、中間脱水処理を完了すると、再び、においセンサ100によるにおい物質の測定処理を実行する(B8)。このとき、中間脱水処理によるドラム6の高速回転に伴い、水槽4内の空気が十分に攪拌されている。そのため、この測定処理による測定結果の信頼性を向上させることができる。そして、この測定処理において、制御装置200は、においセンサ100により、水槽4内の洗剤の種類および量、つまり、最先すすぎ行程後における洗剤の残り具合、および、残っている洗剤の種類を特定し、その特定結果に応じて、その後の運転を制御する。
本実施形態では、制御装置200は、洗剤の残り具合が所定の許容値よりも多いか否かを判定する(B9)。この許容値は、洗剤の残り具合が最終すすぎ行程への移行を許容できるほど少量であるか否かを判定するための基準値であり、例えば、想定される洗剤の種類やユーザの好みなどに応じて適宜変更して設定することができる。制御装置200は、洗剤の残り具合が所定の許容値よりも多い場合(B9:YES)には、追加すすぎ行程を実行する(B10)。この追加すすぎ行程は、上述した最先すすぎ行程と同様であり、具体的には、水槽4内への給水動作を実行し、その後、ドラム6を回転させて、ドラム6内の洗濯物をすすぐ。そして、制御装置200は、追加すすぎ行程を完了すると、ステップB7に戻って、中間脱水処理を実行する。なお、この追加すすぎ行程においては、洗剤や柔軟剤は投入されないことを前提とする。また、制御装置200は、追加すすぎ行程(B10)の実行回数を制限する構成としてもよい。即ち、制御装置200は、追加すすぎ行程(B10)を所定回数、例えば、2回実行した場合には、仮にステップB9において「YES」と判断したとしても、さらに追加すすぎ行程を行わず、ステップB11に移行するようにしてもよい。
制御装置200は、洗剤の残り具合が所定の許容値よりも少ない場合(B9:NO)には、においセンサ100による定量的、定性的な測定結果に基づいて特定した洗剤の残り具合に応じた運転条件を表示部223に提示する(B11)。このとき、制御装置200は、例えば、洗剤の残り具合に応じて、強レベル運転条件あるいは弱レベル運転条件の何れかを選択して提示する。
制御装置200は、においセンサ100によるにおい物質の定性的、定量的な判定結果、この場合、洗剤の残り具合に基づく運転条件を表示部223に表示すると、最終すすぎ行程における給水動作を開始する(B12)。この最終すすぎ行程における給水動作では、図示しない洗剤類投入ケースから水槽4内に柔軟剤が投入される。そして、制御装置200は、給水動作を開始すると、再び、においセンサ100によるにおい物質の測定処理を実行する(B13)。ここで、このステップB13における測定処理は、水槽4内に「柔軟剤」が投入されているか否かを判定すること、および、投入されている場合はその「柔軟剤」の種類を判定することを目的としている。そして、制御装置200は、においセンサ100による定量的、定性的な測定結果に基づいて柔軟剤の種類および量を特定し、その特定結果に応じて、その後の運転を制御する。
即ち、制御装置200は、においセンサ100により柔軟剤の存在が確認できない場合(B14:NO)には、水槽4内に柔軟剤が投入されていないことを報知する(B15)。そして、制御装置200は、水槽4内への給水を停止し(B16)、その後、所定時間、例えば、1分程が経過したら、ステップB12に戻って水槽4内への給水を再開する。この所定の待機時間の間に、ユーザにより柔軟剤が投入されることが期待される。
一方、制御装置200は、においセンサ100により柔軟剤の存在が確認できた場合(B14:YES)には、においセンサ100による定量的、定性的な測定結果に基づいて特定した柔軟剤の種類および量に応じた運転条件を表示部223に提示する(B17)。即ち、本実施形態では、制御装置200は、においセンサ100による測定処理に基づいて判定された柔軟剤の種類および存在量に応じた最適な運転条件を提示し、その提示した運転条件に基づき、その後の運転、この場合、最終すすぎ行程における給水量、攪拌時間、攪拌強度などを制御可能に構成されている。
制御装置200は、においセンサ100によるにおい物質の定性的、定量的な判定結果に基づく運転条件を表示部223に表示すると、その運転条件に基づいて給水動作を継続する。なお、この継続期間中において、制御装置200は、操作部222を介して運転条件の変更操作が入力された場合には、その変更内容を受け付け可能に構成してもよいし、受け付け不能に構成してもよい。そして、制御装置200は、給水動作を完了すると(B18)、その時点で設定されている運転条件に基づいて、最終すすぎ行程を実行する(B19)。
本実施形態では、制御装置200は、最先すすぎ行程と最終すすぎ行程の間に、においセンサ100によるにおい物質の測定処理を実行する。そして、その測定結果に基づいて、洗剤の残り具合と、その残っている洗剤の種類を判定し、その判定結果に応じて、その後のすすぎ行程、この場合、最終すすぎ行程を制御するようになっている。即ち、本実施形態では、制御装置200は、においセンサ100による測定処理に基づいて判定された洗剤の種類および残り具合に応じた最適な運転条件を提示し、その提示した運転条件に基づき、その後の運転、この場合、最終すすぎ行程における給水量、攪拌時間、攪拌強度などを制御可能に構成されている。
(脱水行程)
制御装置200は、上述したすすぎ行程を完了すると、ドラム6内の洗濯物を脱水する脱水行程に移行する。図14に例示するように、この脱水行程では、制御装置200は、まず、脱水処理を実行する(C1)。この脱水処理では、制御装置200は、ドラム6を高速回転させることにより、ドラム6内の洗濯物を脱水する。制御装置200は、脱水処理を完了すると、においセンサ100による測定処理を実行する(C2)。このとき、脱水処理によるドラム6の高速回転に伴い、水槽4内の空気が十分に攪拌されている。そのため、この測定処理による測定結果の信頼性を向上させることができる。この測定処理は、ドラム6内の衣類を乾燥する乾燥行程に移行する前に、水槽4内に汚れあるいは洗剤が残っていないか否かを確認する最終チェック手段としての機能を有する。即ち、制御装置200は、においセンサ100により、水槽4内に汚れのにおい物質あるいは洗剤のにおい物質が残っていないか否かを確認する。
制御装置200は、上述したすすぎ行程を完了すると、ドラム6内の洗濯物を脱水する脱水行程に移行する。図14に例示するように、この脱水行程では、制御装置200は、まず、脱水処理を実行する(C1)。この脱水処理では、制御装置200は、ドラム6を高速回転させることにより、ドラム6内の洗濯物を脱水する。制御装置200は、脱水処理を完了すると、においセンサ100による測定処理を実行する(C2)。このとき、脱水処理によるドラム6の高速回転に伴い、水槽4内の空気が十分に攪拌されている。そのため、この測定処理による測定結果の信頼性を向上させることができる。この測定処理は、ドラム6内の衣類を乾燥する乾燥行程に移行する前に、水槽4内に汚れあるいは洗剤が残っていないか否かを確認する最終チェック手段としての機能を有する。即ち、制御装置200は、においセンサ100により、水槽4内に汚れのにおい物質あるいは洗剤のにおい物質が残っていないか否かを確認する。
本実施形態では、制御装置200は、汚れあるいは洗剤のにおい物質の残り具合が所定の許容値よりも多いか否かを判定する(C3)。そして、制御装置200は、におい物質の残り具合が所定の許容値よりも多い場合(C3:YES)には、におい物質除去処理を実行する(C4)。このにおい物質除去処理は、水槽4内に存在する汚れあるいは洗剤のにおい物質を除去するための処理であり、本実施形態では、例えば、洗い行程あるいはすすぎ行程における給水動作および攪拌動作と同じ動作を実行する。制御装置200は、におい物質除去処理を完了すると、ステップC1に戻って、再び、脱水処理(C1)、および、においセンサ100による測定処理(C2)を実行する。なお、制御装置200は、におい物質除去処理(C4)の実行回数を制限する構成としてもよい。即ち、制御装置200は、におい物質除去処理(C4)を所定回数、例えば、2回実行した場合には、仮にステップC3において「YES」と判断したとしても、さらににおい物質除去処理を行わず、この脱水行程を完了するようにしてもよい。
制御装置200は、再び脱水処理を実行する場合には、例えば、その直前に実行したにおい測定処理による測定結果に基づき運転内容を制御するように構成されている。即ち、図15に例示するように、制御装置200は、直前のにおい測定処理によるにおいの判定結果が「レベル3」以上である場合には強レベル運転条件を提示し、「レベル2」以下である場合には弱レベル運転条件を提示する。具体的には、制御装置200は、例えば、におい物質の残存量、つまり、においの残り具合が「レベル3」以上である場合には、例えば、脱水時間を標準脱水時間よりも2分延長した強レベル運転条件を、推奨する運転条件として表示部223に提示する。一方、制御装置200は、例えば、におい物質の残存量、つまり、においの残り具合が「レベル2」以下である場合には、例えば、脱水時間を標準脱水時間よりも1分短縮した弱レベル運転条件を、推奨する運転条件として表示部223に提示する。
制御装置200は、汚れあるいは洗剤のにおい物質の残り具合が所定の許容値よりも少ない場合(C3:NO)には、この脱水行程を完了する。なお、制御装置200は、この脱水行程において実行したにおいセンサ100によるにおい物質の測定処理を利用して、後述する乾燥行程の運転条件も制御できるように構成されている。
即ち、本実施形態では、制御装置200は、脱水行程におけるにおいセンサ100による測定処理に基づいて判定されたにおい物質の種類および残り具合に応じた乾燥行程の運転条件を初期設定の運転条件として提示し、その提示した運転条件に基づき、乾燥行程の特に初期段階の動作を制御できるように構成されている。乾燥行程における運転条件は、例えば、生成する温風の温度、風速、風量、ドラム6の回転速度、乾燥時間などである。
具体的には、図16に例示するように、制御装置200は、例えば、脱水行程から乾燥行程に移行する直前に行ったにおい測定処理によるにおいの判定結果が「レベル3」以上である場合には強レベル運転条件を提示し、「レベル2」以下である場合には弱レベル運転条件を提示する。この場合、制御装置200は、例えば、におい物質の残存量、つまり、においの残り具合が「レベル3」以上である場合には、例えば、乾燥時間を標準乾燥時間よりも10分追加し、水槽4内に供給する温風の風量を標準風量よりも1m3/分増量し、水槽4内に供給する温風の温度を5℃上昇させた強レベル運転条件を、推奨する運転条件として表示部223に提示する。一方、制御装置200は、例えば、におい物質の残存量、つまり、においの残り具合が「レベル2」以下である場合には、例えば、乾燥時間を標準乾燥時間よりも10分短縮し、水槽4内に供給する温風の風量を標準風量よりも1m3/分減量し、水槽4内に供給する温風の温度を10℃低下させた弱レベル運転条件を、推奨する運転条件として表示部223に提示する。
なお、脱水行程においては、制御装置200は、においセンサ100による測定処理(C2)およびそれに関連する各処理(C3,C4)を脱水処理(C1)よりも前に実行するように構成してもよい。
(乾燥行程)
制御装置200は、乾燥行程の実行が設定されている場合には、上述した脱水行程の完了後に乾燥行程に移行する。図17に例示するように、この乾燥行程では、制御装置200は、まず、乾燥動作を開始する(D1)。この乾燥動作では、制御装置200は、ヒートポンプユニット12の圧縮機22および循環送風機14の駆動を制御することにより、循環風路20を介して水槽4内に温風を循環させる。また、制御装置200は、ドラムモータ7の駆動を制御することにより、ドラム6内の洗濯物を攪拌させる。これにより、ドラム6内の洗濯物の乾燥が進められる。
制御装置200は、乾燥行程の実行が設定されている場合には、上述した脱水行程の完了後に乾燥行程に移行する。図17に例示するように、この乾燥行程では、制御装置200は、まず、乾燥動作を開始する(D1)。この乾燥動作では、制御装置200は、ヒートポンプユニット12の圧縮機22および循環送風機14の駆動を制御することにより、循環風路20を介して水槽4内に温風を循環させる。また、制御装置200は、ドラムモータ7の駆動を制御することにより、ドラム6内の洗濯物を攪拌させる。これにより、ドラム6内の洗濯物の乾燥が進められる。
そして、制御装置200は、乾燥動作を開始すると、においセンサ100による測定処理を実行する(D2)。この測定処理は、水槽4内の特に柔軟剤のにおい物質の残存量を特定し、乾燥完了時つまり運転全体の完了時において洗濯物に残る柔軟剤の香りを適正なものにすることを目的とする。
制御装置200は、においセンサ100による測定処理により特定された柔軟剤の残り具合と所定の適正値とを比較し、その比較結果に基づいて最適な運転条件を提示する(D3)。即ち、制御装置200は、柔軟剤の残り具合が所定の適正値よりも多い場合には、柔軟剤のにおい物質の除去が促進されるよう、例えば、温風の温度を高くしたり、風速を早くしたり、風量を多くしたり、ドラム6の回転速度を速くしたり、乾燥時間を長くしたりした運転条件を提示する。一方、柔軟剤の残り具合が所定の適正値よりも少ない場合には、柔軟剤のにおい物質の除去が進まないように、例えば、温風の温度を低くしたり、風速を遅くしたり、風量を少なくしたり、ドラム6の回転速度を遅くしたり、乾燥時間を短くしたりした運転条件を提示する。そして、制御装置200は、その後の乾燥動作を、その運転条件に基づいて継続する。
制御装置200は、乾燥行程の終了条件が満たされるまで、においの測定処理(D2)およびそれに基づく運転条件の提示処理(D3)を繰り返す(D4:NO)。そして、制御装置200は、乾燥行程の終了条件が満たされると(D4:YES)、乾燥行程を終了する。
本実施形態に係る洗濯機1によれば、においセンサ100は、従来のにおいセンサとは異なり、水槽4内に存在するにおいの「特性」を測定可能である。そのため、単に、におい物質の有無や存在量だけでなく、水槽4内に存在しているにおい物質の「種類」までも特定することができ、そのにおい物質を除去するために好適な、より最適な運転条件により運転を実行することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、水槽4内に衣類が収容された状態で、においセンサ100により、においの特性を測定する。よって、水槽4内に衣類が存在していないにも関わらずにおいの測定処理が無用に行われてしまうことを回避することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、においセンサ100により判定される洗濯物の汚れの種類に応じた運転条件を提示する。これにより、におい物質の種類に応じた、より最適な運転条件により運転を実行することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、水槽4内の空気が攪拌された後に、においセンサ100により、においの特性を測定する。即ち、水槽4内の空気が十分に攪拌された状態でにおい物質を測定するので、その測定精度の信頼性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、においセンサ100により洗剤の存在が確認されない場合には、洗剤が投入されていないことを報知する。これにより、ユーザが洗剤の投入を忘れた場合であっても、報知によって洗剤の投入を促すことができ、洗剤が存在しないまま運転が続行されてしまうことを回避することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、においセンサ10により判定される洗剤の種類に応じた運転条件を提示する。即ち、一般的に市販されている洗剤は多種多様であり、それぞれの洗剤に最適な運転条件も異なっている。そのため、洗剤の種類に応じた運転条件を提示し、その提示した運転条件により運転を行うようにすることで、その洗剤の機能を十分に発揮させながら運転を行うことができる。この場合、制御装置200は、複数種類の洗剤にそれぞれ最適な運転条件を予め記憶しておき、におい物質の測定処理により特定された洗剤の種類に応じた運転条件を提示するように構成してもよい。また、制御装置200は、提示した運転条件がユーザにより選択された場合に、その運転条件で運転を行うように構成してもよいし、提示した運転条件により自動的に運転を行うように構成してもよい。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、においセンサ100により判定されるにおい物質の残り具合に応じて運転を制御する。これにより、におい物質の残り具合に応じた運転条件で運転を行うことができ、におい物質の除去を効率良く行うことができる。
また、本実施形態によれば、すすぎ行程を複数回実行する場合には、複数のすすぎ行程の間ににおいの測定処理を実行し、その測定結果から洗剤の残り具合を判定し、その後のすすぎ行程を制御する。これにより、例えば、先のすすぎ行程において、汚れや洗剤が十分に除去されていない場合には、後のすすぎ行程を、残存するにおい物質を効率良く除去できるような運転条件で実行することができ、におい物質が残ってしまうことを回避することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、においセンサ100により柔軟剤の存在が確認されない場合には、柔軟剤が投入されていないことを報知する。これにより、ユーザが柔軟剤の投入を忘れた場合であっても、報知によって柔軟剤の投入を促すことができ、柔軟剤が存在しないまま運転が続行されてしまうことを回避することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、においセンサ10により判定される柔軟剤の種類に応じた運転条件を提示する。即ち、一般的に市販されている柔軟剤は多種多様であり、それぞれの柔軟剤に最適な運転条件も異なっている。そのため、柔軟剤の種類に応じた運転条件を提示し、その提示した運転条件により運転を行うようにすることで、その柔軟剤の機能を十分に発揮させながら運転を行うことができる。この場合、制御装置200は、複数種類の柔軟剤にそれぞれ最適な運転条件を予め記憶しておき、におい物質の測定処理により特定された柔軟剤の種類に応じた運転条件を提示するように構成してもよい。また、制御装置200は、提示した運転条件がユーザにより選択された場合に、その運転条件で運転を行うように構成してもよいし、提示した運転条件により自動的に運転を行うように構成してもよい。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、脱水行程の後に水槽4内のにおい物質の特性を測定し、測定したにおい物質の特性に基づいてにおい物質の残り具合を判定し、判定したにおい物質の残り具合に応じて、その後の運転を制御する。ここで、脱水行程においては、ドラム6が高速回転するため水槽4内の空気が十分に攪拌される。そのため、脱水行程の後に行うにおい物質の測定処理は、その測定精度が高くなる。よって、このように精度の高い測定結果に基づいて、その後の運転、具体的には、乾燥行程を制御することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置200は、においセンサ100により判定されるにおい物質の残り具合に応じて、乾燥行程を制御する。ここで、乾燥行程における温風の温度、風速、風量などを大きくすると、乾燥後の洗濯物に残る柔軟剤の特に香り物質が除去され過ぎてしまい、乾燥行程の終了後において、洗濯物に残る香り物質が少なくなり過ぎてしまう。一方、乾燥行程における温風の温度、風速、風量などを小さくすると、乾燥後の洗濯物に残る柔軟剤の特に香り物質が十分に除去されず、乾燥行程の終了後において、洗濯物に残る香り物質が多くなり過ぎてしまう。そのため、乾燥行程におけるにおいの測定処理により測定されたにおい物質の残り具合、特に、柔軟剤の残り具合に応じて乾燥行程における温風の温度、風速、風量などを適宜調整することにより、乾燥行程の終了後において洗濯物に残る香り物質の残存量を最適な量に調整することができ、乾燥の仕上がりを好適なものとすることができる。
(その他の実施形態)
本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように拡張または変形することができる。水槽4内の空気の攪拌は、ドラム6の回転によるものに限られず、例えば、循環送風機14、あるいは、専用の送風機により水槽4内に風を吹き込むことにより行うように構成してもよい。また、ドラム6の回転と送風機による送風を組み合わせた構成としてもよい。
本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように拡張または変形することができる。水槽4内の空気の攪拌は、ドラム6の回転によるものに限られず、例えば、循環送風機14、あるいは、専用の送風機により水槽4内に風を吹き込むことにより行うように構成してもよい。また、ドラム6の回転と送風機による送風を組み合わせた構成としてもよい。
また、水槽4内に洗濯物が収容されているか否かの判定手段は、種々の手段を採用することができる。例えば、洗濯機1に扉3の開閉を検知する開閉検知センサを設け、制御装置200は、この開閉検知センサにより扉3が開けられて閉められたことが検知されたことに基づいて、水槽4内に洗濯物が収容されたと判断するように構成してもよい。また、洗濯機1に画像センサを設け、制御装置200は、この画像センサにより撮影されるドラム6内の画像に基づいて、水槽4内に洗濯物が収容されているか否かを判断するように構成してもよい。また、洗濯機1にICタグを検知するICタグ検知センサを設け、制御装置200は、このICタグ検知センサにより洗濯物のICタグが検知されたことに基づいて、水槽4内に洗濯物が収容されたと判断するように構成してもよい。また、水槽4の重量を検知する重量検知センサを設け、制御装置200は、この重量検知センサにより水槽4の重量が増加したこと、つまり、洗濯物が投入されて水槽4の重量が増加したことが検知されたことに基づいて、水槽4内に洗濯物が収容されたと判断するように構成してもよい。
また、本実施形態は、回転槽の回転軸が水平方向または傾斜方向に延びるいわゆるドラム式の洗濯乾燥機に限られるものではなく、回転槽の回転軸が垂直方向となるいわゆる縦軸型の洗濯乾燥機にも適用することができる。また、本実施形態は、洗濯機能を有しない純粋な衣類乾燥機にも適用することができる。また、本実施形態は、例えば、衣類の消臭、脱臭、除菌など、衣類に対して何らかの処理を施す装置であれば、種々の衣類処理装置に適用することができる。
なお、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は洗濯乾燥機(衣類処理装置)、4は水槽(衣類収容槽)、100はにおいセンサ、211は運転条件提示処理部(運転条件提示手段)、212は重量検知処理部(重量検知手段)、213は報知処理部(報知手段)、214は運転制御処理部(運転制御手段)を示す。
Claims (12)
- 衣類が収容される衣類収容槽と、
前記衣類収容槽内に存在するにおいの特性を測定可能であるにおいセンサと、
を備える衣類処理装置。 - 前記においセンサは、前記衣類収容槽に衣類が収容された状態で、においの特性を測定する請求項1に記載の衣類処理装置。
- 運転条件を提示する運転条件提示手段をさらに備え、
前記においセンサは、測定したにおいの特性に基づいて衣類の汚れの種類を判定可能であり、
前記運転条件提示手段は、前記においセンサにより判定される衣類の汚れの種類に応じた運転条件を提示する請求項1または2に記載の衣類処理装置。 - 前記においセンサは、前記衣類収容槽内の空気が攪拌された後に、においの特性を測定する請求項1から3の何れか1項に記載の衣類処理装置。
- 洗剤が投入されていないことを報知する報知手段をさらに備え、
前記においセンサは、測定したにおいの特性に基づいて洗剤の存否を判定可能であり、
前記報知手段は、前記においセンサにより洗剤の存在が確認されない場合に、洗剤が投入されていないことを報知する請求項1から4の何れか1項に記載の衣類処理装置。 - 運転条件を提示する運転条件提示手段をさらに備え、
前記においセンサは、測定したにおいの特性に基づいて洗剤の種類を判定可能であり、
前記運転条件提示手段は、前記においセンサにより判定される洗剤の種類に応じた運転条件を提示する請求項1から5の何れか1項に記載の衣類処理装置。 - 運転を制御する運転制御手段をさらに備え、
前記においセンサは、測定したにおいの特性に基づいてにおい物質の残り具合を判定可能であり、
前記運転制御手段は、前記においセンサにより判定されるにおい物質の残り具合に応じて運転を制御する請求項1から6の何れか1項に記載の衣類処理装置。 - 前記運転制御手段は、前記衣類収容槽内の衣類をすすぐすすぎ行程を複数回実行可能であり、
前記においセンサは、複数の前記すすぎ行程の間に前記衣類収容槽内のにおいの特性を測定し、測定したにおいの特性に基づいて洗剤の残り具合を判定可能であり、
前記運転制御手段は、前記においセンサにより判定される洗剤の残り具合に応じて、その後の前記すすぎ行程を制御する請求項7に記載の衣類処理装置。 - 柔軟剤が投入されていないことを報知する報知手段をさらに備え、
前記においセンサは、測定したにおいの特性に基づいて柔軟剤の存否を判定可能であり、
前記報知手段は、前記においセンサにより柔軟剤の存在が確認されない場合に、柔軟剤が投入されていないことを報知する請求項1から8の何れか1項に記載の衣類処理装置。 - 運転条件を提示する運転条件提示手段をさらに備え、
前記においセンサは、測定したにおいの特性に基づいて柔軟剤の種類を判定可能であり、
前記運転条件提示手段は、前記においセンサにより判定される柔軟剤の種類に応じた運転条件を提示する請求項1から9の何れか1項に記載の衣類処理装置。 - 前記運転制御手段は、前記衣類収容槽内の衣類を脱水する脱水行程を実行可能であり、
前記においセンサは、前記脱水行程の後に前記衣類収容槽内のにおいの特性を測定し、測定したにおいの特性に基づいてにおい物質の残り具合を判定可能であり、
前記運転制御手段は、前記においセンサにより判定されるにおい物質の残り具合に応じて、その後の運転を制御する請求項1から10の何れか1項に記載の衣類処理装置。 - 前記運転制御手段は、前記衣類収容槽内の衣類を乾燥する乾燥行程を実行可能であり、
前記においセンサは、測定したにおいの特性に基づいてにおい物質の残り具合を判定可能であり、
前記運転制御手段は、前記においセンサにより判定されるにおい物質の残り具合に応じて、前記乾燥行程を制御する請求項1から11の何れか1項に記載の衣類処理装置。
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