JP2019097544A - 新規ビフィドバクテリウム属細菌及び当該細菌を含む組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567。
〔2〕
糖化率が10以下のデキストリンの資化能を有する、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムに分類される細菌。
〔3〕
前記細菌が、糖化率が5以下のデキストリンの資化能を有する、前記〔2〕に記載の細菌。
〔4〕
前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567である、前記〔2〕又は〔3〕に記載の細菌。
〔5〕
前記〔2〕〜〔4〕のいずれか一つに記載の細菌を含む組成物。
〔6〕
前記組成物が、プロバイオティクス組成物である、前記〔5〕に記載の組成物。
〔7〕
前記組成物が、整腸用又は飲食品用に用いられる、前記〔5〕又は〔6〕に記載の組成物。
〔8〕
糖化率が10以下のデキストリンをさらに含む、前記〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の組成物。
〔9〕
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムに分類される細菌の増殖促進に使用するためのプレバイオティクス組成物であり、
前記組成物が、糖化率が10以下のデキストリンを含むプレバイオティクス組成物。
〔10〕
前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567である、請求項5〜9のいずれか一項に記載の組成物。
〔11〕
糖化率が10以下のデキストリンの資化能を有する、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムに分類される細菌と糖化率が10以下のデキストリンとを含む組成物の製造方法。
〔12〕
前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567である、〔11〕に記載の製造方法。
なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
また、本技術の亜種ロンガムは、糖化率が10以下のデキストリンとの相性が良く、当該デキストリンは幅広い食品に含まれる。そのため、当該デキストリンを含む幅広い食品に添加した場合において、当該細菌の生理機能が発揮される。
本技術の亜種ロンガムは、プロバイオティクス効果を有すると期待できる。そのため、健康増進、食生活改善、腸内環境改善、腸内感染予防・治療、免疫力回復・向上などの目的で本技術の亜種ロンガムを使用することも可能である。
ナス科植物として、例えばナス属植物、特にはジャガイモを挙げることができる。好ましくは、前記デキストリンは、ジャガイモデンプンに由来するものである。
イネ科植物として、例えばイネ属植物、コムギ属植物、オオムギ属植物、及びトウモロコシ属植物を挙げることができる。特には、イネ属植物のうちイネ、コムギ属植物のうちコムギ、オオムギ属植物のうちオオムギ、又はトウモロコシ属植物のうちトウモロコシに、前記デキストリンは由来しうる。好ましくは、前記デキストリンは、イネ(コメ)のデンプン、コムギデンプン、オオムギデンプン、又はトウモロコシデンプンに由来するものである。
サトイモ科植物として、例えばサトイモ属植物、特にはサトイモを挙げることができる。好ましくは、前記デキストリンは、サトイモデンプンに由来するものである。
ヒルガオ科植物として、例えばサツマイモ属植物、特にはサツマイモを挙げることができる。好ましくは、前記デキストリンは、サツマイモデンプンに由来するものである。
本技術において用いられるデキストリンは、例えば、デンプン含有植物から得られたデンプンを加工処理して得られる。デンプン含有植物の例は、上記で述べた植物である。
また、本技術の亜種ロンガムは、アラビナン、特には脱分岐化アラビナンの資化能を有していていもよい。
ペクチックガラクタン及びアラビナンは、これらを含む植物から抽出及び/又は加工することで得ることができる。
ガラクタンは、ガラクトースを主な構成糖とし、ガラクトースのポリマーを主鎖とする糖質として知られている。本明細書内において、ガラクタンは、ガラクトースのポリマーを主鎖とすればよく、側鎖や主鎖に他の構成糖を有してもよい。
ペクチンは、α1−4結合したガラクツロン酸のポリマーとして知られている。本明細書内において、ペクチンは、α1−4結合したガラクツロン酸のポリマーであればよく、側鎖や主鎖に他の構成糖を有してもよい。また、本明細書内において、ペクチンは、ガラクツロン酸のカルボキシル基のメチルエステル化の有無に関係なく、メチルエステル化されている「狭義のペクチン」と、「狭義のペクチン」を脱エステル化処理したペクチン酸、及びメチルエステル化されていないペクチン酸を包含する。
ガラクタンは、大豆にはアラビノガラクタンとして含まれていることが知られている。ガラクタンを含むマメ科植物由来の糖質として、ルパン豆由来の糖質、大豆由来の糖質が挙げられる。大豆由来の糖質として、大豆加工製品(例えば、豆腐、豆乳等)、大豆発酵製品(例えば、味噌、醤油、納豆等)又はこれ由来の糖質であってもよい。
ガラクタンは、ガラクタンを含む植物(特に、ナス科植物、豆類)から抽出加工することができる。
ペクチックアラビナンは、アラビナンの主鎖とペクチンとを有する糖質として知られている。ペクチックアラビナンとして、例えば、主鎖のアラビナンの還元末端のC−1にペクチンが結合したものが挙げられる。ペクチックアラビナン又は脱分岐化アラビナンは、ペクチックアラビナンを含む植物から抽出及び/又は加工することで得ることができる。
脱分岐化アラビナンの資化能を有する亜種ロンガムは、アラビナン(アラビノースのポリマーを主鎖とする糖質)についても資化成分として使用することが可能と考えられる。
より好ましくは、当該実質的に同質の菌株は、上記で述べたペクチックガラクタンの資化能も有する。
さらにより好ましくは、実質的に同質の菌株とは、さらにその16S rRNA遺伝子の塩基配列が、それぞれの株が有する配列番号1又は配列番号2の配列(表2及び3参照)と100%一致し、上記寄託菌株と同一の菌学的性質を有する。さらに本技術の亜種ロンガムは、本技術の効果が損なわれない限り、本件寄託菌株又はそれと実質的に同質の菌株から、変異処理、遺伝子組換え、又は自然変異株の選択等によって得られた菌株であってもよい。
なお、本技術の医薬組成物、飲食品、及び飼料の製造のために使用される本技術の亜種ロンガムの菌体は、生菌であることが好ましい。
糖源を含むMRS(de Man-Rogosa-Sharpe)液体培地1mLに、菌株1v/v%ずつ接種し、嫌気条件下で37℃にて培養する。培養24時間後に濁度(OD 600)を測定し、菌株を接種しなかった培地を同様に培養したコントロールの濁度を測定する。前者の濁度から後者の濁度を差し引いた値に基づき、以下の基準に照らして、資化能の有無及び資化能の程度を判定する。当該値が0.3以上の場合は「良好な資化性あり」、0.5以上の場合は「より良好な資化性あり」、0.8以上の場合は「非常に良好な資化性あり」と判定される。糖源の例として、糖化率が10以下のデキストリン及びペクチックガラクタンを挙げることができる。
糖化率が10以下のデキストリンは、本技術の亜種ロンガムに対して増殖促進作用を有する。すなわち、当該デキストリンは、本技術の亜種ロンガムの増殖を促進するための成分として使用できる。
また、当該デキストリンとペクチックガラクタンとの組み合わせは、より好適に本技術の亜種ロンガムに対して増殖促進作用を有する。すなわち、当該デキストリン及び前記成分の組み合わせが、本技術の亜種ロンガムの増殖を促進するための成分として使用できる。また、当該デキストリンとアラビナンとの組合せが、本技術において用いられてもよい。この組み合わせを、本技術の亜種ロンガムの増殖を促進するための成分として使用できる。
また、当該デキストリンは、これ自体をそのまま本技術の亜種ロンガムの増殖のために又は増殖促進のために使用することが可能であり、又は生理的、医薬品的若しくは飲食品的に許容される通常の担体若しくは希釈剤等と共に混合して用いることもできる。
また、当該デキストリンは、これら各種製剤又は各種組成物等の製造のために使用することができる。また、当該デキストリンは、本技術の亜種ロンガムの増殖促進方法又は本技術の亜種ロンガムの増殖を促進させるのに使用するための組成物(好適にはプレバイオティクス組成物)として使用することも可能である。
本技術の増殖促進用組成物には、ペクチックガラクタンが含まれていてもよい。これにより、本技術の亜種ロンガムに対する増殖促進作用をより強く発揮することができる。
また、本技術の増殖促進用組成物には、アラビナンが含まれていてもよい。これにより、本技術の亜種ロンガムに対する増殖促進作用をより強く発揮することができる。
また、本技術の増殖促進用組成物における、前記ペクチックガラクタンの含有量は、菌100質量部に対して、1〜1,000,000質量部が好ましく、10〜10,000質量部がより好ましい。
また、本技術の増殖促進用組成物における、前記アラビナンの含有量は、菌100質量部に対して、1〜1,000,000質量部が好ましく、10〜10,000質量部がより好ましい。
また、本技術の増殖促進用組成物において、糖化率が10以下のデキストリン及びペクチックガラクタンの組合せを用いる場合、当該デキストリン及び当該ペクチックガラクタンは一つの組成物中に混合されていてもよく、又は、当該デキストリン及び当該ペクチックガラクタンをそれぞれ含む2つの組成物からなるキットとして構成されていてもよい。糖化率が10以下のデキストリン及びアラビナンの組合せを用いる場合についても同様である。
本技術の亜種ロンガム以外の乳酸菌・ビフィズス菌の増殖促進作用を有する成分として、例えばオリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ミルクオリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸など)及び食物繊維の一部(ポリデキストロース、イヌリン等)を挙げることができる。これら成分のうち、1種又は2種以上選択して、前記成分として用いることができる。
このため、このような乳酸菌・ビフィズス菌増殖促進成分を、本技術のプレバイオティクス組成物の任意成分として含有させることが好ましい。
そして、本技術のプレバイオティクス組成物によって、本技術の亜種ロンガム及びこれ以外の乳酸菌・ビフィズス菌の増殖を促進できる。このことにより、さらに良好に、例えば整腸作用、ミネラル吸収促進作用、及び炎症性腸疾患への予防・改善作用等のプロバイオティクス効果も期待できる。
本技術はまた、本技術の亜種ロンガムを含む組成物を提供する。本技術の組成物は、例えば飲食品組成物、医薬組成物、及び飼料組成物などの種々の用途に用いるための組成物を包含する。また、本技術の組成物は、好ましくはプロバイオティクス組成物である。
本技術の亜種ロンガムは、当該デキストリンを含む飲食品と組み合わせて用いることで、例えば当該デキストリンを含む飲食品と同時に又は別々に摂取することで、より好適に腸内で増殖できる。このように当該デキストリンと本技術の亜種ロンガムを組み合わせて摂取することによって、プロバイオティクス効果を奏することが可能となる。
さらに、本技術の亜種ロンガムがヒトに摂取される場合、当該ヒトは、例えば、乳幼児、小児、成人、健常者、中高年、高齢者、又は腸内環境の優れない者であってよい。当該ヒトは、例えばプロバイオティクス効果などの本技術の効果が発揮されることが望ましい者であってよい。
また、本技術の亜種ロンガムは、ヒト由来であるため副作用が少なく安全性が高いので、継続して長期間摂取することも可能である。
また、本技術の亜種ロンガムは、プロバイオティクスによって予防、改善又は治療可能な症状又は疾患に有効に使用することもできる。
従って、本技術の亜種ロンガムは、有効成分としてプロバイオティクス組成物に含有させることもでき、また、安全性が高いので、医薬品、飲食品、飼料等の幅広い用途の製品に使用できる。これらの製品は、各用途に適合した任意成分を適宜用い、各用途に適合した公知の製造方法によって、製造することができる。
また、本技術の亜種ロンガムは、これら各種製剤又は各種組成物等の製造のために使用することができる。また、本技術は、プロバイオティクス用の亜種ロンガムとして使用することも可能である。
本技術の亜種ロンガムの安全性は高いので、本技術の亜種ロンガムの使用量は、特に制限されなくてもよいが、例えば、1×106〜1×1012CFU/kg体重/日が好ましく、1×107〜1×1011CFU/kg体重/日がより好ましく、1×108〜1×1010CFU/kg体重/日がさらに好ましい。または、1個体(Body weight)あたりの使用量(投与量)としては、107〜1014CFU/日が好ましく、108〜1013CFU/日がより好ましく、109〜1012CFU/日がさらに好ましい。
また、本技術の亜種ロンガムの使用量は、0.01〜100mL/体重kg/日であることが好ましく、0.1〜10mL/体重kg/日であることがより好ましい。
なお、本技術において、CFUとは、Colony forming unitの意味であり、コロニー形成単位を表す。前記細菌が死菌の場合、CFUは、個細胞(cells)と置き換えることができる。
「非治療目的での使用」とは、医療行為、すなわち、治療による人体への処置行為を含まない概念である。非治療目的の使用として、例えば健康増進目的での使用及び美容目的での使用などが挙げられる。
「改善」は、疾患、症状又は状態の好転;疾患、症状又は状態の悪化防止若しくは遅延;又は、疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
「予防」は、適用対象における疾患若しくは症状の発症の防止や遅延、又は、適用対象の疾患若しくは症状の危険性の低下をいう。
本技術の組成物は、医薬組成物として用いることができる。当該医薬組成物は、例えば医薬的なプロバイオティクス効果又はプロバイオティクス効果によってもたらされる医薬的効果を対象において発揮するために用いられる。本技術の医薬組成物は、整腸用として使用されてもよい。
本技術の亜種ロンガムは、そのまま本技術の医薬組成物として使用されてもよく、又は、生理的に許容される液体又は固体の製剤担体と混合して製剤化されてもよい。
本技術の組成物は、飲食品組成物として用いられることができる。本技術の飲食品組成物は、例えばプロバイオティクス効果又はプロバイオティクス効果に伴い生じる効果を対象において発揮する為に用いられる。
本技術の飲食品組成物は、本技術の亜種ロンガムを飲食品に添加することによって製造されてもよく、又は、本技術の亜種ロンガムを飲食品の原料中に混合して製造されてもよい。
「表示」行為には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起・類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て本技術の「表示」行為に該当する。
本技術の亜種ロンガムの使用量は、飲食品組成物の態様によって適宜設定されるが、通常、飲食品中に、1×106〜1×1012CFU/g又は1×106〜1×1012CFU/mLの範囲内であることが好ましく、1×107〜1×1011CFU/g又は1×107〜1×1011CFU/mLの範囲内であることがより好ましい。
さらに、本技術の飲食品組成物は、上述した増殖促進用組成物を適宜含んでもよい。前記増殖促進用組成物として、増殖促進用組成物の由来となる食品等を使用してもよい。
食品又は飲料の原料としては、通常の飲料や食品に用いられている原料を使用することができる。
また、本技術の亜種ロンガムは、目的に応じて、飲食品に使用されるような他の「ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌」と併用して使用することも可能である。
本技術の飲食品組成物には、飲食品組成物製造のための原料、及び食品添加物等、飲食品組成物の製造工程又は製造後に飲食品に添加されるものも含まれる。
本技術の飲食品組成物の製造において、本技術の亜種ロンガムの添加は、飲食品組成物の製造工程のいずれの段階で行ってもよい。例えば、一例として、一般的にビフィドバクテリウム属細菌を添加する工程において本技術の亜種ロンガムを添加してもよい。
本技術の飲食品組成物は、経口的に摂取することが可能である。本技術の飲食品組成物としては、例えば糖化率が10以下のデキストリンが含まれる飲食品を挙げることができる。そのような飲食品として、例えば、当該デキストリンを賦形剤(特にはスプレードライにおける基材)として含む飲食品、当該デキストリンを増粘剤として含む飲食品、及び当該デキストリンをゲル化剤として含む食品を挙げることができる。
本技術の飲食品組成物が、例えばおかゆ及びゼリー状食品などの流動性のある飲食品である場合、当該飲食品は、離乳食として又は高齢者用の流動食としても使用することができる。
〔1〕
本技術の亜種ロンガムを投与することを含む健康増進方法、食生活改善方法、腸内環境改善方法、腸内感染の予防若しくは治療方法、又は免疫力向上若しくは改善方法。
〔2〕
糖化率が10以下のデキストリンを使用することを含む、本技術のロンガムの増殖促進方法
〔1〕
本明細書内で述べた用途のいずれか一つ(例えば整腸用又は腸内環境改善用など)のための、本技術の亜種ロンガム。
〔2〕
本技術の亜種ロンガムの増殖を促進するための、糖化率が10以下のデキストリン。
〔1〕
本技術の組成物を製造するために、本技術の亜種ロンガムを使用する方法。
〔2〕
本技術の組成物を製造するために、糖化率が10以下のデキストリンを使用する方法。
日本国内にて様々な年齢層の糞便から採集したサンプルを滅菌した0.85%生理食塩水で希釈し、下記組成のDifcoTM Lactobacilli MRS Agar(Becton Deckinson and Company)に塗布し、30℃で嫌気培養した。
〔DifcoTM Lactobacilli MRS Agar〕 プロテオースペプトンNo.3 10.0g;牛肉エキス 10.0g;酵母エキス 5.0g;デキストロース 20.0g;ポリソルベート80 1.0g;クエン酸アンモニウム 2.0g;酢酸ナトリウム 5.0g;硫酸マグネシウム 0.1g;硫酸マンガン 0.05g;リン酸二カリウム 2.0g;寒天 15.0g;精製水 1000mL;pH6.5±0.2を121℃で15分滅菌後、シャーレに分注して平板とした。
〔BL寒天培地〕 肉エキス 3.0g;肝臓エキス 5.0g;酵母エキス 5.0 g;ペプトン 15.0g;ソイペプトン 3.0g;可溶性デンプン 0.5g;ブドウ糖 10.0g;リン酸二カリウム 1.0g;リン酸一カリウム 1.0g;硫酸マグネシウム 0.2g;塩化ナトリウム 0.01g;硫酸マンガン 0.00674g;L−システイン塩酸塩 0.5g;硫化第一鉄 0.01g;ポリソルベート80 1.0g;寒天 15.0g;精製水 1000mL;pH 7.2±0.2を、121℃で15分滅菌後、50℃に冷却し、5%(V/V)馬無菌脱繊血を加え、シャーレに分注して平板とした。
この塩基配列情報に基づき、NCBI(National Center for Biotechnology Information、国立バイオテクノロジー情報センター)の国際塩基配列データベース(Genbank)上で、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool、http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)による16SリボソーマルRNA(SrRNA)遺伝子配列の全長についての相同性検索を行った結果、Bifidobacterium longum subsp. longum JCM 1217と高い相同性(98.6%以上)を示した菌を、Bifidobacterium longum subsp. longum菌株とした。なお、これら菌株はグラム陽性であった。
得られた複数のBifidobacterium longum subsp. longum菌株について、糖源を表1に記載の糖のみに変更したMRS(de Man-Rogosa-Sharpe)液体培地1mLに、1v/v%ずつ接種し、嫌気条件下で37℃にて培養した。培養24時間後に濁度(OD 600)を測定し、菌株を接種しなかった培地を同様に培養したコントロールの濁度を差し引いた値を以下の基準に照らし、資化能の有無及び資化能の程度を判定した。コントロールとの差でOD 600が、0.3以上を「良好な資化性あり」、0.5以上を「より良好な資化性あり」、0.8以上を「非常に良好な資化性あり」、と判断した。
(2)脱分岐化アラビナン(DA)(易水溶性):テンサイ由来:主鎖 -5)Ara α(1-:構成糖1,5-α-L-Arabinan. Ara: Gal: Rha: GalUA = 88: 4: 2: 6(Megazyme社)(https://secure.megazyme.com/Debranched-Arabinan-Sugar-Beet)
(3)ペクチックガラクタン(PG)(易水溶性):ジャガイモ由来:主鎖 -4)Gal β(1-:構成糖 Gal: Ara: Rha: Xyl: GalUA = 77: 14: 3: 0.6: 5.4(Megazyme社)(https://secure.megazyme.com/Pectic-Galactan-Potato)
(4)デキストリン(デキストリンDE3.5):ジャガイモデンプン由来:(シグマアルドリッチ社)(https://www.sigmaaldrich.com/catalog/product/sial/31400?lang=ja®ion=JP)
DE (dextrose equivalentの略)は糖化率であり、デンプンの糖化率を示す数値として一般的に使用されている。DEは、試料中の還元糖をぶどう糖として表わし、固形分に対する百分率として表わす(五訂増補日本食品標準成分表 第3章 資料−1−3:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802.htm)。
具体的には、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567が、前記デキストリンの高い資化能を有することが分かった。
これら2つの菌株は、上述のとおりBifidobacterium longum subsp. longumと同定され、同じ菌群に属する。これら2つの菌株のBifidobacterium longum subsp. longum JCM 1217との相同性は、前記ロンガム NITE BP−02566では99.9%であり、前記ロンガム NITE BP−02567では99.9%であった。
一般的に知られているBifidobacterium longum subsp. longumとして、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02497株についても、上記資化性の判定を行った。当該判定の結果も、表1に示されている。表1に示されるとおり、NITE BP−02497株は、糖化率が低いデキストリンの資化性を有さない。
また、表1に示されるとおり、NITE BP−02566及びNITE BP−02567は、PG(ペクチックガラクタン)に対して高い資化性を有することも認められた。
また、NITE BP−02566は、AXの資化能は低く、DAの良好な資化能を有することが分かった。また、NITE BP−02567は、AX及びDAの資化能を有することも分かった。
前記NITE BP−02566及びNITE BP−02567から少なくとも1種又は2種をMRS液体培地3mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養し、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、該細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。該菌末を、DEが3.5であるデキストリンを含むゼリー、飲料、又は介護食と混合する。該菌末を含有するこれら食品を成人に提供する。菌の摂取量が1×108〜1×1010CFU/kg体重/日になるようにし、1週間毎日朝食で提供する。
これらの食品を継続摂取することで、腸内環境の改善効果が発揮される。また、これらの食品は、成人だけでなく、乳幼児及び高齢者も摂取可能であり、良好な腸内フローラ形成効果が発揮される。
前記亜種ロンガム NITE BP−02566及び前記亜種ロンガム NITE BP−02567の両方をMRS液体培地3mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養し、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、該細菌の顆粒状(菌末)を得る。当該顆粒状の菌末を、菌の摂取量が1×108〜1×1010CFU/kg体重/日になるようにし、1週間毎日提供する。
製造例2の顆粒状の菌末を、DEが3〜4であるデキストリンを含むゼリー、飲料、又は介護食の食前、食中又は食後に摂取する。これにより、腸内環境の改善効果が発揮される。
(2)ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567(受託番号:NITE BP−02567、受託日:2017年11月10日)、受託先:〒292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)。
Claims (12)
- ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567。
- 糖化率が10以下のデキストリンの資化能を有する、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムに分類される細菌。
- 前記細菌が、糖化率が5以下のデキストリンの資化能を有する、請求項2に記載の細菌。
- 前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567である、請求項2または3に記載の細菌。
- 請求項2〜4のいずれか一項に記載の細菌を含む組成物。
- 前記組成物が、プロバイオティクス組成物である、請求項5記載の組成物。
- 前記組成物が、整腸用又は飲食品用に用いられる、請求項5又は6に記載の組成物。
- 糖化率が10以下のデキストリンをさらに含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載の組成物。
- ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムに分類される細菌の増殖促進に使用するためのプレバイオティクス組成物であり、
前記組成物が、糖化率が10以下のデキストリンを含むプレバイオティクス組成物。 - 前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567である、請求項5〜9のいずれか一項に記載の組成物。
- 糖化率が10以下のデキストリンの資化能を有する、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムに分類される細菌と糖化率が10以下のデキストリンとを含む組成物の製造方法。
- 前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02566、及び/又は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム NITE BP−02567である、請求項11に記載の製造方法。
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