JP2019097375A - 電力管理装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、蓄電池には、充電容量や定格電力といった制約がある。つまり、蓄電池には定格電力より大きな電力で充電はできず、充電容量にまで電力が蓄積された満充電の状態の蓄電池は、これ以上の電力の充電はできない。このため、上記のような蓄電池の制約により、蓄電池に余剰電力を充電させることのできない時間が生じる場合があり、電力管理地域における発電電力の利用効率が低下する。
図1は、本実施形態に係る電力管理システム1の構成例を示す図である。本実施形態における電力管理システム1は、例えば、所定の地域範囲における複数の需要家施設に対応する住宅、商業施設、産業施設などの需要家施設における電力を一括して管理するものである。このような電力管理システム1は、例えばTEMS(Town Energy Management System)やCEMS(Community Energy Management System)などに対応する。
なお、本実施形態の電力管理エリア10が対応する地域は、1つのまとまった地域範囲により形成されてもよいし、地理的に離散している複数の地域範囲により形成されてもよい。
本実施形態の電力管理装置300は、例えば所定の単位期間(例えば1日(24時間)に対応して予め策定した電力制御計画に基づいて、需要家施設100が備える電気設備の運転を制御することができる。
電力制御計画には、例えば、需要家施設100が備える蓄電池の充放電について策定されたスケジュールや、需要家施設100が備える所定の電気設備(負荷)のオンオフや稼働状態についてのスケジュールが含まれる。
需要家施設100において、一般送配電事業者側の商用電源ラインDLから、電力測定部101、発電装置103、蓄電池104の電力の結合点Pに供給される電力が順潮流電力である。一方、発電装置103や蓄電池104から出力され、結合点Pから電力測定部101を経由して商用電源ラインDLに供給される電力が逆潮流電力である。
順潮流の方向を正方向とした場合、順潮流電力に対して逆潮流電力が小さければ、受給電力は正の値として測定され、順潮流電力に対して逆潮流電力が大きければ受給電力は負の値として測定される。
また、蓄電池104は、蓄積された電力を負荷105の電源として供給することができる。また、蓄電池104は、蓄積された電力を結合点Pから電力測定部101を経由して商用電源ラインDLに出力することで逆潮流させることができる。
負荷105は、結合点Pから供給される商用電源を入力して動作することができる。また、負荷105は、発電装置103により発電された電力を入力して動作することができる。また、負荷105は、蓄電池104から出力された電力を入力して動作することができる。
また、施設内電力管理装置200は、電力測定部101にて測定される受給電力の情報を入力し、入力された受給電力の情報を各種制御に利用することができる。
また、施設内電力管理装置200は、電力管理装置300と通信を行う。
図3においては、予測余剰電力GA1−1、GB1−1が示されている。
予測余剰電力GA1−1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A1にて、単位期間(ここでは、1日(24時間)の場合を例に挙げる)における所定の区分期間(ここでは1時間の場合を例に挙げる)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。需要対応余剰電力とは、1つの需要家施設100に対応するものであって、1つの需要家施設100において、発電装置103の発電により得られた発電電力と、負荷105により消費される電力(需要電力)とに基づいて導出される。具体的に、需要対応余剰電力は、1つの需要家施設100における発電電力に対する需要電力の差分として求めることができる。
また、予測余剰電力GB1−1は、複数の需要家施設100のうちで需要家施設A1以外の1つである需要家施設B1にて、単位期間における区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
また、需要家施設A1における蓄電池104の蓄積最大容量は4kwhであり、定格電力(許容最大電力の一例)は2kwである。定格電力は、蓄電池104が備えるインバータの仕様に応じて決まるもので、充電(及び放電)に際して許容される電力の最大値である。蓄積最大容量は、蓄電池104に蓄積が可能な電力量の最大値である。本実施形態では、蓄積最大容量は、例えば蓄電池104の仕様として定められた充電容量を用いてもよいし、仕様として定められた新品時の充電容量に対して蓄電池104の劣化を考慮して求められた充電容量を用いてもよい。
本実施形態においてこのような蓄積最大容量、定格電力等が蓄電池104についての制約条件となる。
また、上記の例では、蓄電池104の定格電力をそのまま許容最大電力としている。しかしながら、許容最大電力は、例えば蓄電池104の定格電力に所定のマージンを与えるようにして定格電力より小さい値が使用されてもよい。
また、需要家施設B1における蓄電池104の制約条件として、蓄積最大容量は10kwhであり、定格電力は4kwである。
まず、区分期間T1における1kwh(1kw×1h)の需要対応余剰電力量は、需要家施設A1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T2における2kwhの需要対応余剰電力量も、需要家施設A1の蓄電池104に充電できる。
しかし、区分期間T2を終了した段階で、需要家施設A1の蓄電池104に蓄積された電力量(蓄積電力量)は3kwhであり、充電が可能な蓄積電力量の残りは1kwhである。このため、区分期間T3においては、開始から30分が経過した途中の時点で需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量が4kwhとなり、これ以上の電力を蓄積できなくなる。
従って、この場合の需要家施設A1においては、区分期間T3における後半30分の1kwhと、区分期間T4における1kwhとの2kwhの需要対応余剰電力量が、需要家施設A1の蓄電池104に充電できずに余剰する状態の生じることが判定される。
このように、1つの需要家施設100において蓄電池104に充電されることなく余剰した需要対応余剰電力については、充電対応余剰電力とも記載する。
まず、区分期間T1における1kwhの需要対応余剰電力量は、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T2における3kwhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T3における3kwhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。また、次の区分期間T4における1kwhの需要対応余剰電力量も、需要家施設B1の蓄電池104に充電できる。
このように、需要家施設B1においては、蓄電池104の蓄積最大容量が10kwhであるのに対して、区分期間T1〜T4により発生する需要対応余剰電力量の合計が8kwhである。このため、蓄電池104に区分期間T1〜T4により発生する需要対応余剰電力量を全て充電することができると判定される。
電力管理装置300は、充電対応余剰電力が生じる需要家施設100を供給需要家施設として分類し、充電対応余剰電力が生じない需要家施設100を受給需要家施設として分類する。
供給需要家施設は、電力の融通にあたり、充電対応余剰電力を他の需要家施設に供給する需要家施設100である。受給需要家施設は、供給需要家施設からの充電対応余剰電力の供給を受けて、供給された充電対応余剰電力を蓄電池104に充電する需要家施設100である。
同図の例では、電力管理装置300は、需要家施設A1を供給需要家施設として分類し、需要家施設B1が受給需要家施設として分類する。
次の区分期間T4では、需要家施設A1にて生じている1kwhの充電対応余剰電力量W3は、需要家施設B1の蓄電池104に充電することができる。
電力管理エリア10における発電電力の利用効率の観点からすれば、受給需要家施設に充電できない充電対応余剰電力量はできるだけ削減されることが好ましい。
以降において、1の供給需要家施設にて、受給需要家施設に充電できない充電対応余剰電力については超過電力とも記載する。
予測余剰電力融通結果GA1−2、GB1−2によれば、需要家施設B1の蓄電池104の運転スケジュールとして、まず、区分期間T1においては、需要家施設B1にて生じた1kwの需要対応余剰電力に応じて、1kwの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる。
次に、区分期間T2においては、需要家施設B1にて生じた3kwの需要対応余剰電力に応じて、3kwでの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる。
次に、区分期間T3としての1時間にわたっては、需要家施設A1の蓄電池104については1kwの充電電力で充電を行わせるようにする。また、要家施設B1の蓄電池104については、定格電力に対応する4kwの充電電力での充電を行わせるようにする。この結果、区分期間T3においては、需要家施設A1にて発生する2kwhの需要対応余剰電力量のうち、1kwhの充電対応余剰電力量W5を需要家施設B1の蓄電池104に充電させることができる。
また、次の区分期間T4においては、需要家施設A1の蓄電池104については0kwの充電電力を設定して充電が行われないようにする。また、需要家施設B1の蓄電池104については2kwの充電電力で充電を行わせるようにする。これにより、需要家施設A1にて生じている1kwhの充電対応余剰電力量W3を需要家施設B1の蓄電池104に充電することができる。
この場合、区分期間T4が終了した段階では、需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい4kwhとなり、需要家施設B1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい10kwhとなる。
この結果、区分期間T2においては、需要家施設A1にて発生する2kwhの需要対応余剰電力量のうち1kwhの充電対応余剰電力量W4を需要家施設B1の蓄電池104に充電させることができる。
そこで、電力管理装置300は、次の区分期間T4においては以下のように運転スケジュールを設定する。つまり、電力管理装置300は、需要家施設A1にて生じた1kwの需要対応余剰電力に応じて、1kwの充電電力での充電を需要家施設A1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。また、需要家施設B1にて生じた1kwの需要対応余剰電力に応じて、1kwの充電電力での充電を需要家施設B1の蓄電池104に行わせる運転スケジュールを設定する。
これにより、区分期間T4においては、需要家施設A1にて生じている1kwの需要対応余剰電力が需要家施設A1の蓄電池104に充電され、需要家施設B1にて生じている1kwの需要対応余剰電力が需要家施設B1の蓄電池104に充電される。
この場合にも、区分期間T4が終了した段階では、需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい4kwhとなり、需要家施設B1の蓄電池104の蓄積電力量は、蓄積最大容量と等しい10kwhとなる。
図5においては、予測余剰電力GA11−1、GA12−1、GB11−1、GB12−1が示されている。
予測余剰電力GA11−1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A11にて、単位期間(1日)における所定の区分期間(1時間)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GA12−1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設A12にて、単位期間における所定の区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GB11−1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設B11にて、単位期間(1日)における所定の区分期間(1時間)ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
予測余剰電力GB12−1は、複数の需要家施設100のうちの1つである需要家施設B12にて、単位期間における所定の区分期間ごとに予測される需要対応余剰電力を示している。
需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kwhであり、定格電力が4kwである。
需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kwhであり、定格電力が2kwである。
需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が6kwhであり、定格電力が2kwである。
需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kwhであり、定格電力が2kwである。
この場合において、上記のように需要家施設A11にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設A11の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T4の前半30分が経過したタイミングで、蓄積電力量が蓄積最大容量と等しい10kwhとなる。従って、需要家施設A11においては、区分期間T4の後半30分に対応する1kWhの需要対応余剰電力量が、充電対応余剰電力量として発生する。
この場合において、需要家施設A12にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設A12の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T2が経過したタイミングで、蓄積電力量が蓄積最大容量と等しい3kwhとなる。従って、需要家施設A12においては、区分期間T3、T4に対応する3kWhの需要対応余剰電力量が、充電対応余剰電力量として発生する。
この場合において、需要家施設B11にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設B11の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T3までの4kwhの需要対応余剰電力量の全てを充電させることができる。従って、需要家施設B11においては、充電対応余剰電力は発生しない。この段階で、需要家施設B11の蓄電池104には、まだ2kwhを蓄積できる余裕がある。
この場合において、需要家施設B12にて発生した需要対応余剰電力を、同じ需要家施設B12の蓄電池104に対して、SOCが0%の状態から充電させていった場合には、区分期間T3までの5kwhの需要対応余剰電力量の全てを充電させることができる。従って、需要家施設B12においては、充電対応余剰電力は発生しない。この段階で、需要家施設B12の蓄電池104には、まだ2kwhの電力量を蓄積できる余裕がある。
この場合、まず、供給需要家施設としての需要家施設A11においては、区分期間T4の後半30分にて1kwh(2kw×0.5h)の充電対応余剰電力量W11が発生する。充電対応余剰電力量W11については、区分期間T4の後半30分において、定格電力と同等の2kwの充電電力で1kwhを需要家施設B11の蓄電池104に充電させることができる(この際、需要家施設A11の蓄電池104の充電電力は0kwとしている)。この充電により、需要家施設B11の蓄電池104の蓄積容量は5kwhとなるから、需要家施設B11の蓄電池104には、6kwhの蓄積最大容量に対してまだ1kwhの電力量を蓄積できる余裕がある。
また、上記のように充電対応余剰電力量W11が需要家施設B11の蓄電池104に充電されたことで、需要家施設A11においては、全ての需要対応余剰電力が充電されたことになる。従って、需要家施設A11においては、超過電力区間は存在しない。
この場合、区分期間T3においては、需要家施設B11の蓄電池104により2kwの充電電力で充電させる。これにより、需要家施設A12における2kwhの充電対応余剰電力量のうち1kwhの充電対応余剰電力量W12を、需要家施設B11の蓄電池104に充電させることができる。
しかしながら、この充電の段階で、区分期間T3においては、需要家施設B11の蓄電池104は定格電力と同等の2kwの充電電力で充電を行うことになる。また、需要家施設B12の蓄電池104は、既に、需要家施設B12にて発生している需要対応余剰電力の充電のために、定格電力と同等の2kwの充電電力で充電を行っている。このため、需要家施設A12にて残る1kwhの充電対応余剰電力量W13については、需要家施設B11、B12のいずれの蓄電池104にも充電させることができない。
また、需要家施設A12では、区分期間T4において1kwh(1kw×1h)の充電対応余剰電力量W14が発生している。需要家施設A12の区分期間T3が終了したタイミングでは、需要家施設B12の蓄電池104の蓄積容量は5kwhであり、7kwhの蓄積最大容量に対して2kwhの余裕がある。また、需要家施設B12では区分期間T4において需要対応余剰電力が発生していない。そこで、区分期間T4において1kwの充電電力により需要家施設B12の蓄電池104の充電動作を実行させることで、充電対応余剰電力量W14を需要家施設B12の蓄電池104に充電させることができる(この際、需要家施設A12の蓄電池104の充電電力は0kwとしている)。
このように、同図の例においては、需要家施設A12について、区分期間T3に対応して充電対応余剰電力量W13による超過電力区間が存在することが判定される。
この場合において、まず、電力管理装置300は、区分期間T3において、需要家施設A12の蓄電池104により1kwの充電電力で充電を行わせ、需要家施設B11の蓄電池104により2kwの充電電力で充電を行わせる運転スケジュールを設定する。これにより、需要家施設A12における2kwhの充電対応余剰電力量のうち1kwhの充電対応余剰電力量W12を、需要家施設B11の蓄電池104に充電させる(融通させる)ことができる。
このように蓄電池104の運転スケジュールが策定されることにより、本実施形態においては、供給需要家施設にて生じる超過電力を抑制することが可能となる。
制御部302は、需要対応余剰電力取得部321、需要家施設分類部322、電力制御計画策定部323、及び電力制御部324を備える。
予測発電電力は、単位期間において発電装置103が発電することで得られる発電電力の時間軸に応じた遷移についての予測結果である。予測需要電力は、単位期間において負荷105が消費する電力(需要電力)の時間軸に応じた遷移についての予測結果である。
需要対応余剰電力取得部321は、例えば予測発電電力と予測需要電力との導出(予測)に用いるパラメータ(予測パラメータ)を電力管理実績記憶部333から取得する。予測パラメータとしては、例えば対応の需要家施設100についての過去の一定期間における発電電力と需要電力の実績の情報を含む。さらには、例えば天気予報等の情報もパラメータに含まれてよい。需要対応余剰電力取得部321は、取得したパラメータを利用して単位期間における予測発電電力と予測需要電力とを導出する。
そのうえで、需要対応余剰電力取得部321は、単位期間における時間ごとの予測発電電力と予測需要電力との差分を求めることにより、単位期間における時間ごとの需要対応余剰電力を導出する。このようにして、需要対応余剰電力取得部321により、需要対応余剰電力が取得される。
電力制御計画策定部323は、超過電力区間があると判定した場合には、超過電力区間以前の期間において、受給需要家施設の需要対応余剰電力が許容最大電力より小さい区間にて、供給需要家施設の需要対応余剰電力が前記対象蓄電池に充電されるように電力制御の計画を策定する。
このために、電力制御部324は、通信部301を介して、需要家施設100の施設内電力管理装置200に対してコマンドを送信する。コマンドの受信に応じて、施設内電力管理装置200は、需要家施設100内の電気設備を制御する。このように、施設内電力管理装置200による電力制御は、需要家施設100の施設内電力管理装置200を経由して行われる。
本実施形態の場合、需要家施設情報は、対応の需要家施設100において備えられる蓄電池104についての仕様に関する情報を含む。蓄電池104についての仕様に関する情報は、充電容量、定格電力等の情報を含む。
電力制御部324は、電力制御計画記憶部332に記憶された電力制御計画の情報に基づいて、需要家施設100ごとの電気設備を制御する。これにより、電力管理システム1において、策定された電力制御計画に従って需要家施設100ごとの電気設備が動作することができる。
ステップS101:図3、図5にて説明したように、蓄電池104の運転スケジュールの策定にあたっては、電力管理システム1における需要家施設100のそれぞれを供給需要家施設と受給需要家施設とのいずれかに分類することが行われる。
そこで、電力管理装置300における需要家施設分類部322は、電力管理システム1における需要家施設100のうちから、分類対象とする1つの需要家施設100を選択する。
需要対応余剰電力取得部321は、例えば前述のように、分類対象の需要家施設100についての過去の発電電力、需要電力等の実績を予測パラメータとして、電力管理実績記憶部333から取得してよい。
また、需要対応余剰電力取得部321は、運転スケジュール策定対象となる単位期間に対応する時間帯の天気予報の情報等も予測パラメータとして取得してよい。
本実施形態において、予測発電電力と予測需要電力との予測手法については特に限定されない。
また、本実施形態における予測発電電力と予測需要電力は、前述のように、予測対象の単位期間における時間ごとの値を示す。
このために、需要家施設分類部322は、例えば、ステップS104にて導出された需要対応余剰電力とステップS105にて導出された蓄積最大容量とにより、充電対応余剰電力が生じるか否かについて判定する。
最も簡易な判定の例として、需要家施設分類部322は、需要対応余剰電力が蓄積最大容量よりも大きければ充電対応余剰電力が生じると判定し、需要対応余剰電力が蓄積最大容量よりも小さければ充電対応余剰電力が生じないと判定してよい。
そして、需要家施設分類部322は、分類対象の需要家施設100について、充電対応余剰電力が生じたと判定した場合には供給需要家施設として分類し、充電対応余剰電力が生じないと判定した場合には受給需要家施設として分類する。
未分類の需要家施設100が残っている場合、ステップS101に処理が戻されることで、未分類の需要家施設100についての分類が実行される。
このため、電力制御計画策定部323は、対象供給需要家施設において発生する需要対応余剰電力を、同じ対象供給需要家施設の蓄電池104に充電していくようにシミュレーションした場合に、蓄電池104のSOCが100%となって充電できなかった需要対応余剰電力(即ち、充電対応余剰電力)が発生する区間を特定する。具体的に、図3における予測余剰電力GA1−1との対応では、区分期間T3の後半30分、及び区分期間T4が、充電対応余剰電力の発生する区間である。
次に、電力制御計画策定部323は、特定された区間における充電対応余剰電力を、同じ特定された区間において、受給需要家施設の蓄電池104に充電させるシミュレーションを行う。この際には、受給需要家施設の蓄電池104の制約条件である蓄積最大容量と定格電力とを越えないようにすることを前提として、充電のシミュレーションが行われる。
シミュレーションの結果、充電対応余剰電力の全てを受給需要家施設の蓄電池104に充電することができた場合には、超過電力が発生しなかったことになる。この場合、電力制御計画策定部323は、超過電力区間は存在しないとの特定結果を得ることになる。
また、シミュレーションの結果、受給需要家施設の蓄電池104に充電できずに残った充電対応余剰電力がある場合には、超過電力が発生したことになる。この場合、電力制御計画策定部323は、超過電力が発生した区間を超過電力区間として特定する。
具体的に、図3における予測余剰電力GA1−1との対応では、区分期間T3の後半30分において充電対応余剰電力量W2としての超過電力が発生していることから、区分期間T3の後半30分が超過電力区間として特定される。
まだ、超過電力区間について特定されていない供給需要家施設がある場合には、ステップS108に処理が戻される。
即ち、ステップS109にて特定された超過電力区間ごとに、特定された超過電力区間以前の期間において、できるだけ多くの超過電力が受給需要家施設の蓄電池104に充電される結果となるように、需要家施設(供給需要家施設、受給需要家施設)の蓄電池104の時間ごとの充電電力を設定する。この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設の蓄電池104の制約条件である充電可能容量と定格電力とを考慮して、需要家施設の蓄電池104の時間ごとの充電電力を設定する。
受給需要家施設の蓄電池104の運転スケジュールが反映された電力制御計画は電力制御計画記憶部332に記憶される。電力制御部324は、電力制御計画記憶部332に記憶される電力制御計画に従って、電力管理システム1における電気設備等の制御を行う。
続いて、第2実施形態として、超過電力を抑制するための需要家施設の蓄電池104の運転スケジュール策定手法の一具体例について説明する。本実施形態に関する説明は、図8のステップS111としての処理の一具体例についての説明となる。
同図においては、図3と同様に、供給需要家施設である需要家施設A1の予測余剰電力GA1−1と、受給需要家施設である需要家施設B1の予測余剰電力GB1−1が示されている。
また、同図においては、需要家施設A1、B1のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件も、図3と同様である。つまり、需要家施設A1における蓄電池104の制約条件は、蓄積最大容量が4kwh、定格電力(許容最大電力の一例)が2kwである。需要家施設B1における蓄電池104の制約条件が、蓄積最大容量が10kwhであり、定格電力が4kwである。
また、同図においても、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A1、B1の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
また、同図の予測余剰電力GA1−1、GB1−1に関しては、図3と同様に、超過電力が発生した区間において超過電力を融通させる制御を行った場合には、超過電力の一部である充電対応余剰電力量W2を融通できないとの結果が示されている。
この場合、需要家施設B1の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W21を融通したと仮定すると、需要家施設B1の蓄電池104は、自家において発生した1kwhの需要対応余剰電力量と需要対応余剰電力量W21とで合計で2kwhの電力量が充電されることになる。この場合、需要家施設B1の蓄電池104は、10kwhの蓄積最大容量のうちの2kwhが蓄積されるので、充電が可能な蓄積電力量の残りは8kwhであり、4kwの定格電力未満で充電ができる。つまり、需要家施設B1の蓄電池104の制約条件を満たして、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した1kwhの需要対応余剰電力量W21の全てを融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T1において、需要家施設A1の蓄電池104については0kwの充電電力を設定して充電を行わせず、需要家施設B1の蓄電池104については、2kw(=1kw+1kw)の充電電力での充電を行うように設定する。
区分期間T2において、需要家施設A1では2kwの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では3kwの需要対応余剰電力が発生している。需要家施設B1の蓄電池104の定格電力は4kwであるので、定格電力に達するまでには1kwの余裕がある。また、区分期間T2において、需要家施設B1の蓄電池104に4kwhを充電したとしても、区分期間T1〜T2により需要家施設B1の蓄電池104における蓄積電力量の合計は6kwh(=2kwh+4kwh)であり、4kwhまで蓄積可能である。従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した2kwhの需要対応余剰電力量のうち、1kwhの需要対応余剰電力量W22を、需要家施設B1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T2において、需要家施設A1の蓄電池104について1kwの充電電力で充電を行うように設定し、需要家施設B1の蓄電池104について4kw(=3kw+1kw)の充電電力で充電を行うように設定する。この結果、需要家施設A1にて発生した需要対応余剰電力量W22を需要家施設B1の蓄電池104に充電させるようにして融通させることができる。
区分期間T3において、需要家施設A1では2kwの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では3kwの需要対応余剰電力が発生している。需要家施設B1の蓄電池104の定格電力は4kwであるので、定格電力に達するまでには1kwの余裕がある。また、区分期間T3において、需要家施設B1の蓄電池104に4kwhを充電したとしても、区分期間T1〜T3により需要家施設B1の蓄電池104における蓄積電力量の合計は10kwh(=2kwh+4kwh+4kwh)であり、蓄電池104への充電が可能である。従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設A1にて発生した2kwhの需要対応余剰電力のうち、1kwhの需要対応余剰電力量W23を、需要家施設B1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T3において、需要家施設A1の蓄電池104について1kwの充電を行うように設定し、需要家施設B1の蓄電池104については、4kw(=3kw+1kw)の充電を行うように設定する。この結果、需要家施設A1にて発生した需要対応余剰電力量W23を需要家施設B1の蓄電池104に充電させるようにして融通させることができる。
区分期間T4において、需要家施設A1では1kwの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B1では1kwの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B1の蓄電池104は、区分期間T3の段階で、蓄積容量が蓄積最大容量である10kwhに達していることから、これ以上の充電はできない。このため、電力制御計画策定部323は、区分期間T4において、需要家施設A1から需要家施設B1に対する電力の融通は不可であると判定する。
この場合、供給需要家施設の蓄電池104においては蓄積可能な容量の残りに余裕があるのに対して、受給需要家施設の蓄電池104においては蓄積可能な容量の残りに余裕がない状態である。即ち、受給需要家施設にて超過電力が発生するという逆転状態が発生する。超過電力を極力抑制するには、このような逆転状態を解消または抑制できるようにすることが好ましい。
つまり、電力制御計画策定部323は、区分期間T4において、受給需要家施設の需要対応余剰電力を供給需要家施設の蓄電池104に融通可能であるか否かについて判定する。同図の例では、区分期間T3までおける需要家施設A1の蓄電池104の蓄積電力量は2kwhであり、4kwhの蓄積最大容量に対して2kwhの余裕がある。
また、区分期間T4において、需要家施設A1では1kwhの需要対応余剰電力量W24(予測余剰電力GA1−1における充電対応余剰電力量W3に相当する)が発生している。
一方、区分期間T4において、需要家施設B1では1kwhの需要対応余剰電力量W25が発生している。この場合には、同図に示されるように、需要対応余剰電力量W25を、需要家施設A1に融通した場合には、需要家施設A1の蓄電池104には定格電力と同じ2kwによる充電が行われ、この結果、蓄積電力量は4kwhとなって蓄積最大容量と等しくなる。
従って、この場合には、電力制御計画策定部323は、需要家施設B1の需要対応余剰電力W25を、需要家施設A1の蓄電池104に融通可能であると判定する。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T4において、需要家施設B1の蓄電池104については充電を行わせず、需要家施設A1の蓄電池104については、2kwの充電電力での充電を行うように設定する。
このような区分期間T4における運転スケジュールの設定により、受給需要家施設にて生じる需要対応余剰電力量W25としての超過電力を解消できる。
しかしながら、受給需要家施設にて生じる超過電力の削減のための手順は、受給需要家施設の蓄電池104に対する充電電力が定格電力を越えることにより、供給需要家施設から受給需要家施設に対する電力の融通が不可であると判定された場合にも行われてよい。
そのうえで、電力制御計画策定部323は、1の対象区間において、供給需要家施設の需要対応余剰電力を受給需要家施設の蓄電池104に融通できないと判定した場合、供給需要家施設の蓄電池104の制約条件に基づいて、受給需要家施設の需要対応余剰電力の少なくとも一部を供給需要家施設の蓄電池104に融通が可能であるか否かについて判定する。融通が可能な電力があると判定した場合には、電力制御計画策定部323は、融通が行われるように、1の対象区間における供給需要家施設の蓄電池の充電電力を設定する。
同図においては、図5と同様に、供給需要家施設が需要家施設A11、A12の2つであり、受給需要家施設が需要家施設B11、B12の2つである場合の例が示される。また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれについて予測される予測余剰電力のパターンも、図5の予測余剰電力GA11−1、GA12−1、GB11−1、GB12−1と同様である場合の例が示される。
また、需要家施設A11、A12、B11、B12のそれぞれにおける蓄電池104の制約条件(蓄積最大容量、定格電力)についても、図5と同様である。つまり、需要家施設A11の蓄電池104は、蓄積最大容量が10kwhであり、定格電力が4kwである。需要家施設A12の蓄電池104は、蓄積最大容量が3kwhであり、定格電力が2kwである。需要家施設B11の蓄電池104は、蓄積最大容量が6kwhであり、定格電力が2kwである。需要家施設B12の蓄電池104は、蓄積最大容量が7kwhであり、インバータの定格電力が2kwである。
また、同図においても、区分期間T1の開始時においては、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104のSOCは0%である場合を例に挙げる。
この場合において、超過電力が発生した区間において超過電力を融通させる制御を行った場合には、図5にて充電対応余剰電力量W13として示したのと同様に、需要家施設A11について、区分期間T3に対応して超過電力が発生する。
まず、電力制御計画策定部323は、電力制御の計画の策定対象となる対象区間のうち、最初の対象区間である区分期間T1を対象として、以下の判定を行う。つまり、電力制御計画策定部323は、供給需要家施設である需要家施設A11、A12から、受給需要家施設である需要家施設B11、B12に対して電力の融通が可能であるか否かについて判定する。この際、電力制御計画策定部323は、需要家施設B11、B12の蓄電池104の制約条件が満たされることを考慮する。
この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設A11から需要家施設B11の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W31を融通することが可能であると判定する。また、電力制御計画策定部323は、需要家施設A12から需要家施設B12の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W32を融通することが可能であると判定する。
なお、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A11から需要家施設B12の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W31を融通し、需要家施設A12から需要家施設B11の蓄電池104に対して需要対応余剰電力量W32を融通することが可能であると判定してもよい。
そこで、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T1において、需要家施設A11、A12の蓄電池104については、それぞれ0kwの充電電力での充電を行い(即ち充電を実行させない)、需要家施設B11、B12の蓄電池104については、それぞれ2kw(=1kw+1kw)の充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設B11、B12の蓄電池104は、自家施設で発生した各1kwhの需要対応余剰電力量とともに、それぞれ、需要対応余剰電力量W31、W32を充電することができる。つまり、需要家施設B11、B12には、それぞれ需要対応余剰電力量W31、W32が融通される。
区分期間T2において、需要家施設B11では定格電力と等しい2kwhの需要対応余剰電力が発生しており、需要家施設B12でも定格電力と等しい2kwhの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B11、B12のいずれの蓄電池104も定格電力と等しい需要対応余剰電力を充電するので、これ以上の電力の充電は定格電力を越えることとなって不可能である。
そこで、電力制御計画策定部323は、区分期間T2においては、需要家施設A11、A12から需要家施設B11、B12に対して電力の融通は可能ではないと判定する。
この場合、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T2において、需要家施設A11の蓄電池104については4kwの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については2kwの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については、2kwの充電電力での充電、需要家施設B12の蓄電池104については、2kwの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A11、A12、B11、B12の各蓄電池104は、それぞれ自家施設にて発生した需要対応余剰電力を充電することになる。
区分期間T3において、需要家施設A11では4kw、需要家施設A12では2kw、需要対応余剰電力が発生している。また、需要家施設B11では1kwの需要家施設B12では2kwの需要対応余剰電力が発生している。この場合、需要家施設B12においては、需要対応余剰電力が2kwであり定格電力と等しいため、蓄電池104への充電は不可能である。
一方、需要家施設B11においては、2kwの定格電力に対して需要対応余剰電力が1kwであるため、さらに1kwの充電が可能である。この場合、需要家施設B12の蓄電池104に対しては、需要家施設A11、A12のいずれからも1kwhの電力量を融通することが可能である。
ただし、需要家施設A12において、蓄電池104の蓄積最大容量は3kwであることから、発生した2kwhの需要対応余剰電力量のうち、1kwhの需要対応余剰電力量W33については自家施設で充電することができずに超過電力となる。
一方、需要家施設A11では、区分期間T2の終了時点で蓄電池104の蓄積容量は4kwhであり、6kwhを蓄積可能な状態にある。つまり、需要家施設A11では、区分期間T3において発生した4kwhの需要対応余剰電力量を蓄電池104に充電可能である。
そこで、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A12にて超過電力となる1kwhの需要対応余剰電力量W33を、需要家施設B11に融通可能であると判定する。この判定結果に従って、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T3において、需要家施設A11の蓄電池104については4kwの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については1kwの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については2kw(=1kw+1kw)の充電電力での充電、需要家施設B12の蓄電池104については2kwの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A12から需要家施設B11に対して、1kwhの需要対応余剰電力量W33が融通される。
区分期間T3が終了した段階において、需要家施設B11では蓄積容量が6kwhであり、蓄積最大容量に達している。このため、電力制御計画策定部323は、区分期間T3に続く区分期間T4において需要家施設B11に対する電力の融通は不可能であると判定する。一方、需要家施設B12では区分期間T4において需要対応余剰電力は発生していない。また、需要家施設B12の蓄電池104の区分期間T3終了時の蓄積容量は6kwhであり、さらに1kwhを蓄積可能な状態であるから、区分期間T4としての1時間において最大で1kwでの充電が可能である。
一方で、区分期間T4において、需要家施設A11、A12の需要対応余剰電力は、それぞれ2kw、1kwである。この場合、需要家施設B12の蓄電池104に対しては、需要家施設A11、A12のいずれからも1kwhの電力量を融通することが可能である。
ただし、需要家施設A12において、蓄電池104の蓄積最大容量は3kwhであることから、発生した1kwhの需要対応余剰電力量W34は自家施設で充電することができずに超過電力となる。
一方、需要家施設A11では、区分期間T3の終了時点で蓄電池104の蓄積容量は8kwhであり、2kwhを蓄積可能な状態にある。つまり、需要家施設A11では、区分期間T4において発生した2kwhの需要対応余剰電力量を蓄電池104に充電可能である。
一方、需要家施設B11の蓄電池104の蓄積容量は、区分期間T3が終了した時点で6kwhの蓄積最大容量に達していることから、これ以上充電することはできない。
そこで、この場合の電力制御計画策定部323は、需要家施設A12にて超過電力となる1kwhの需要対応余剰電力量W34を、需要家施設B12に融通可能であると判定する。この判定結果に従って、電力制御計画策定部323は、運転スケジュールとして、区分期間T4において、需要家施設A11の蓄電池104については2kwの充電電力での充電、需要家施設A12の蓄電池104については0kwの充電電力での充電、需要家施設B11の蓄電池104については0kwの充電電力での、需要家施設B12の蓄電池104については1kwの充電電力での充電を行うように設定する。これにより、需要家施設A12から需要家施設B12に対して、1kwhの需要対応余剰電力量W34が融通される。
以降においては、図11の処理手順例が、図8のステップS111における処理である場合を例に挙げる。なお、図11の処理手順例を図8のステップS111の処理として適用した場合には、事前に超過電力区間を特定しなくともよいことから、図8のステップS108〜S110の処理は省略されてよい。
ステップS205:供給需要家施設から受給需要家施設に需要対応余剰電力を融通可能であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、融通元の供給需要家施設から融通先の受給需要家施設に融通可能な電力量を算出する。
ステップS206:電力制御計画策定部323は、ステップS205により算出された電力量が融通される結果となるように、選択された対象区間における運転スケジュールとして、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
ステップS208:受給需要家施設から供給需要家施設への需要対応余剰電力の融通が可能であると判定された場合、電力制御計画策定部323は、融通元の受給需要家施設から融通先の供給需要家施設に融通可能な電力量を算出する。
ステップS209:電力制御計画策定部323は、ステップS208により算出された電力量が融通される結果となるように、選択された対象区間における運転スケジュールとして、供給需要家施設と受給需要家施設とのそれぞれにおける蓄電池104の充電電力を設定する。
この場合、電力制御計画策定部323は、需要家施設のうちで、自家施設にて需要対応余剰電力の蓄電池104への充電が可能な需要家施設については、需要対応余剰電力が充電されるように充電電力を設定する。また、自家施設にて需要対応余剰電力の蓄電池104への充電が行えない需要家施設については、需要対応余剰電力を超過電力として逆潮流させる。このように逆潮流された超過電力は、特に他の需要家施設の蓄電池104に充電されるものではない。
なお、上記各実施形態のように策定される蓄電池104の運転スケジュールは、需要対応余剰電力の融通に対応するものであることから、融通元と融通先の需要家施設の蓄電池104については、充電電力についての説明を行っている。しかしながら、上記各実施形態のもとでは、例えば蓄電池104について充電が指定されない対象区間においては、自家施設の負荷105への電力供給などのために蓄電池104に或る放電電力により放電させる内容が運転スケジュールに含まれてよい。
Claims (4)
- 需要家施設ごとに、単位期間における予測発電電力と予測需要電力とに基づいて予測される需要対応余剰電力を取得する需要対応余剰電力取得部と、
前記需要家施設ごとに、前記需要対応余剰電力と、蓄電池の蓄積最大容量とに基づいて、前記単位期間において蓄電池に需要対応余剰電力を充電した場合に、充電対応余剰電力が生じる供給需要家施設と、充電対応余剰電力が生じない受給需要家施設とに分類する需要家施設分類部と、
前記単位期間において、供給需要家施設の需要対応余剰電力と受給需要家施設の需要対応余剰電力とにより、受給需要家施設の対象蓄電池に対して、前記対象蓄電池の定格電力に対応する許容最大電力で充電した場合に、供給需要家施設の充電対応余剰電力のうちで前記対象蓄電池に充電されずに余剰する超過電力が発生する超過電力区間がある場合に、前記超過電力区間以前の期間において、受給需要家施設の需要対応余剰電力が許容最大電力より小さい区間にて、供給需要家施設の需要対応余剰電力が前記対象蓄電池に充電されるように電力制御の計画を策定する電力制御計画策定部と
を備える電力管理装置。 - 前記電力制御計画策定部は、
前記単位期間において電力制御の計画の策定対象となる対象区間の時刻の早い順に従って、対象区間ごとに、受給需要家施設の蓄電池の蓄積可能電力量と許容最大電力とに基づいて、供給需要家施設の需要対応余剰電力のうちで受給需要家施設の蓄電池に融通が可能であるか否かについて判定し、
融通が可能であると判定した場合には、前記融通が行われるように、前記対象区間における受給需要家施設の蓄電池の充電電力を設定する
請求項1に記載の電力管理装置。 - 前記電力制御計画策定部は、
1の対象区間において、供給需要家施設の需要対応余剰電力を受給需要家施設の蓄電池に融通できないと判定した場合、供給需要家施設の蓄電池の蓄積可能電力量と許容最大電力とに基づいて、受給需要家施設の需要対応余剰電力の少なくとも一部を供給需要家施設の蓄電池に融通が可能であるか否かについて判定し、
融通が可能であると判定した場合には、前記融通が行われるように、前記1の対象区間における供給需要家施設の蓄電池の充電電力を設定する
請求項2に記載の電力管理装置。 - コンピュータを、
需要家施設ごとに、単位期間における予測発電電力と予測需要電力とに基づいて予測される需要対応余剰電力を取得する需要対応余剰電力取得部、
前記需要家施設ごとに、前記需要対応余剰電力と、蓄電池の蓄積最大容量とに基づいて、前記単位期間において蓄電池に需要対応余剰電力を充電した場合に、充電対応余剰電力が生じる供給需要家施設と、充電対応余剰電力が生じない受給需要家施設とに分類する需要家施設分類部、
前記単位期間において、供給需要家施設の需要対応余剰電力と受給需要家施設の需要対応余剰電力とにより、受給需要家施設の対象蓄電池に対して、前記対象蓄電池の定格電力に対応する許容最大電力で充電した場合に、供給需要家施設の充電対応余剰電力のうちで前記対象蓄電池に充電されずに余剰する超過電力が発生する超過電力区間がある場合に、前記超過電力区間以前の期間において、受給需要家施設の需要対応余剰電力が許容最大電力より小さい区間にて、供給需要家施設の需要対応余剰電力が前記対象蓄電池に充電されるように電力制御の計画を策定する電力制御計画策定部
として機能させるためのプログラム。
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