JP2023041314A - コンピュータ、及び電力調整方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023041314000001
【課題】調整力として動作させるリソースの選定において、簡単かつ的確に適切なリソースを選ぶ。
【解決手段】コンピュータがリソース分類及びリソース選定を実行する。リソース分類では、複数のリソースの各々を、第1リソースと、第1リソースよりも定格充電電力が大きい第2リソースとに分類する。リソース選定では、調整力要求に対して、複数のリソースの中から、調整力として動作させるリソースを選ぶ。コンピュータは、第1調整力要求に対するリソース選定においては、第2リソースに該当するリソースよりも第1リソースに該当するリソースを優先的に選び、第2調整力要求に対するリソース選定においては、第1リソースに該当するリソースよりも第2リソースに該当するリソースを優先的に選ぶ。第2調整力要求の調整期間は、第1調整力要求の調整期間よりも長い。
【選択図】図8

Description

本開示は、コンピュータ及び電力調整方法に関する。
たとえば特開2021-36752号公報(特許文献1)には、分散リソースの運用状態の時間分布を総体的に模擬し、模擬された分散リソースの運用状態の時間分布に基づいて、分散リソースが供給可能な調整力を試算する技術が開示されている。具体的には、定期的な運航を行なう電気自動車について、充電中、プラグイン(非充電)中、停止(プラグアウト)中、走行中などの運用状態が時間の経過と共にどのように変化するかの挙動を確率的に表現する状態遷移確率モデルを用いて、分散リソースの運用状態の時間分布を模擬することが、特許文献1に開示されている。
特開2021-36752号公報
上記特許文献1に記載される技術では、状態遷移確率モデルを用いて、分散リソースの運用状態の時間分布を模擬する。しかしながら、上記のような模擬を高い精度で行なうことができる状態遷移確率モデルを作成することは必ずしも容易ではない。また、上記特許文献1に記載される技術では、不定期に走行を行なう車両の蓄電装置を、調整力として動作させることは難しい。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、調整力として動作させるリソースの選定において、簡単かつ的確に適切なリソースを選ぶことである。
本開示の第1の観点に係るコンピュータは、外部電源の調整力として動作可能な複数のリソースを管理するように構成される。複数のリソースの各々は、蓄電装置を備える。コンピュータは、リソース分類及びリソース選定を実行するように構成される。リソース分類は、複数のリソースの各々を、第1リソースと、第1リソースよりも定格充電電力が大きい第2リソースとに分類する処理である。リソース選定は、調整力要求に対して、複数のリソースの中から、調整力として動作させるリソースを選ぶ処理である。コンピュータは、第1調整力要求に対するリソース選定においては、第2リソースに該当するリソースよりも第1リソースに該当するリソースを優先的に選び、第2調整力要求に対するリソース選定においては、第1リソースに該当するリソースよりも第2リソースに該当するリソースを優先的に選ぶように構成される。第2調整力要求の調整期間は、第1調整力要求の調整期間よりも長い。
以下、上記コンピュータを、「管理コンピュータ」とも称する。管理コンピュータが管理する複数のリソースの各々を、「管理対象」とも称する。調整力要求によって要求される調整力を、「要求調整力」とも称する。リソース選定によって選定されたリソースを「調整リソース」とも称する。
管理コンピュータは、管理対象を第1リソースと第2リソースとに分類する。蓄電装置は、定格充電電力が大きいほど、充電停止と充電実行とによって調整可能な電力の幅(ΔkW)が大きくなる。このため、第1リソースよりも第2リソースのほうが調整力は大きい。管理コンピュータは、上記分類を行なうことにより、調整力要求を受けたときに、要求調整力に適した蓄電装置を選びやすくなる。
具体的には、第2調整力要求では、長い期間(調整期間)において調整力を確保することが要求される。調整期間が長い調整力要求においては、電力変動に対する応動の早さよりも、調整期間において十分な電力幅(ΔkW)の調整を行なうことが要求される傾向がある。上記構成では、第2調整力要求に対して、調整力の大きい第2リソースから優先的に調整リソースを選ぶ。こうすることで、少ない調整リソースで要求調整力を満たすことができる。このため、必要な数の調整リソースを確保しやすくなる。また、調整リソースの数が少なくなることで、調整期間における調整リソースの管理又は制御が容易になる。
これに対し、第1調整力要求では、短い期間(調整期間)の調整力が要求される。調整期間が短い調整力要求においては、細かい電力変動を早期に調整することが要求される傾向がある。上記構成では、第1調整力要求に対して、第1リソースから優先的に調整リソースを選ぶ。定格充電電力の小さい蓄電装置は、細かい電力変動の調整(微調整)に適している。このため、上記構成によれば、電力変動に対して短い応動時間で微調整を行ないやすくなる。
以上説明したように、上記構成を有する管理コンピュータによれば、調整力として動作させるリソースの選定において、簡単かつ的確に適切なリソースを選ぶことが可能になる。
なお、調整力は、外部電源の電力調整(周波数制御、需給バランス調整など)を行なう能力全般を意味し、予備力も含む。
上記外部電源は、電力網(たとえば、マイクログリッド、又はインフラストラクチャとして整備された大規模な電力網)であってもよい。上記外部電源は、交流電力を供給してもよいし、直流電力を供給してもよい。上記管理コンピュータは、定置式のサーバであってもよいし、モバイル端末に搭載されてもよい。
管理コンピュータは、電力市場で調整力の取引きを行ない、電力市場で調整力を落札した場合に調整力要求を発生させるように構成されてもよい。電力市場ではコマ単位の調整力が取引きされてもよい。落札した調整力として動作させるリソースを選ぶためのリソース選定においては、所定コマ数以下の調整力要求が、第1調整力要求に該当し、所定コマ数を超える調整力要求が、第2調整力要求に該当してもよい。
上記構成によれば、電力市場で落札した調整力として動作させるリソースの選定において、簡単かつ的確に適切な蓄電装置を選ぶことが可能になる。
電力市場の例としては、前日市場(スポット市場)、当日市場、需給調整市場、容量市場、リアルタイム市場が挙げられる。
上記コマの長さは30分であってもよい。上記所定コマ数は1コマであってもよい。こうした構成によれば、第1調整力要求及び第2調整力要求の各々に対して、適切な調整リソースが選定されやすくなる。電力市場では、1日を30分単位に区切った48コマについて取引きが行なわれてもよい。
なお、所定コマ数は、1コマに限られず、任意に設定できる。電力市場で取引きされるコマの長さ(単位時間)は、国又は地域によって異なる。たとえば、コマの長さが5分である形態では、所定コマ数が4コマ以上10コマ以下の範囲から選ばれてもよい。
管理コンピュータは、外部電源に関する同時同量のインバランスが生じた場合に調整力要求を発生させるように構成されてもよい。管理コンピュータは、インバランスを解消するための調整力として動作させるリソースを選ぶためのリソース選定においては、第2リソースに該当するリソースよりも第1リソースに該当するリソースを優先的に選ぶように構成されてもよい。
同時同量のインバランスの調整においては、細かい電力変動を早期に調整することが要求される傾向がある。上記構成では、同時同量のインバランスを調整するための調整力として動作させる蓄電装置を選ぶためのリソース選定において、第1リソースから優先的に調整リソースを選ぶ。定格充電電力の小さい蓄電装置は、細かい電力変動の調整(微調整)に適している。このため、上記構成によれば、同時同量のインバランスを調整しやすくなる。
同時同量のインバランスは、たとえば、需給計画値と需給実績値との差分に相当する。需要予測が外れて、需要(消費電力)の実績値が計画値よりも大きくなった場合には、同時同量のインバランスが生じる。また、発電予測(たとえば、太陽光発電又は風力発電によって生成される電力の予測)が外れて、供給(発電電力)の実績値が計画値よりも大きくなった場合にも、同時同量のインバランスが生じる。電力市場で約定された需給量が、需給計画値として扱われてもよい。
第1リソースは、定格充電電力が基準値以下のリソースであってもよい。第2リソースは、定格充電電力が上記基準値よりも大きいリソースであってもよい。基準値は、2kW以上5kW以下であってもよい。
上記構成によれば、第1調整力要求及び第2調整力要求の各々に対して、適切な調整リソースが選定されやすくなる。基準値は3kWであってもよい。
上記複数のリソース(管理対象)は、充電設備を介して外部電源と電気的に接続された車両を含んでもよい。
上記のように、車載バッテリを活用することで、調整力要求に対して十分な調整力を確保しやすくなる。
管理コンピュータは、リモート制御により、リソース選定によって選ばれたリソースを調整力として動作させるように構成されてもよい。
上記管理コンピュータは、遠隔操作で蓄電装置(調整リソース)の充電制御を行なうことにより、容易かつ的確に蓄電装置を調整力として動作させることができる。
管理コンピュータは、調整力要求に対する目標調整力を決定するように構成されてもよい。管理コンピュータは、リソース選定において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達するように、調整力要求に対する調整力として動作させるリソースを選ぶように構成されてもよい。
上記構成によれば、調整力要求に対して十分な調整力を確保しやすくなる。管理コンピュータは、要求調整力(ΔkW)に余裕分(ΔkW)を足した調整力を、目標調整力として決定してもよい。
管理コンピュータは、第1調整力要求に対するリソース選定において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に近づくように第1リソースからリソースを選定するように構成されてもよい。そして、第1リソースに該当する全てのリソースを選定しても、選定されたリソースの定格充電電力の合計が、第1調整力要求に対する目標調整力に到達しない場合には、管理コンピュータは、不足分を満たすだけのリソースを第2リソースから選定してもよい。管理コンピュータは、第2調整力要求に対するリソース選定において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に近づくように第2リソースからリソースを選定するように構成されてもよい。そして、第2リソースに該当する全てのリソースを選定しても、選定されたリソースの定格充電電力の合計が、第2調整力要求に対する目標調整力に到達しない場合には、管理コンピュータは、不足分を満たすだけのリソースを第1リソースから選定してもよい。
上記構成では、管理コンピュータが、第1調整力要求に対して、第1リソースを優先的に選びつつ、第1リソースの数が足りない場合には、第2リソースによって十分な調整力を確保する。また、管理コンピュータは、第2調整力要求に対して、第2リソースを優先的に選びつつ、第2リソースの数が足りない場合には、第1リソースによって十分な調整力を確保する。上記構成によれば、第1調整力要求及び第2調整力要求の各々に対して十分な調整力を確保しやすくなる。
本開示の第2の観点に係る電力調整方法は、以下に示すリソース分類と、調整力判断と、第1リソース選定と、第2リソース選定と、リソース制御とを含む。
リソース分類では、外部電源の調整力として動作可能な複数のリソースの各々を、第1リソースと、第1リソースよりも定格充電電力が大きい第2リソースとに分類する。調整力判断では、調整力要求が、第1調整力要求と、第1調整力要求よりも長い調整期間での電力調整を要求する第2調整力要求とのいずれであるかを判断する。第1リソース選定では、調整力要求が第1調整力要求と判断された場合に、調整力要求に対する調整力の選定において、第2リソースに該当するリソースよりも第1リソースに該当するリソースを優先的に選ぶ。第2リソース選定では、調整力要求が第2調整力要求と判断された場合に、調整力要求に対する調整力の選定において、第1リソースに該当するリソースよりも第2リソースに該当するリソースを優先的に選ぶ。リソース制御では、調整力要求に対する調整力として選ばれたリソースを、外部電源の調整力として動作させる。
上記電力調整方法によっても、前述した管理コンピュータと同様、調整力として動作させるリソースの選定において、簡単かつ的確に適切なリソースを選ぶことが可能になる。
本開示によれば、調整力として動作させるリソースの選定において、簡単かつ的確に適切なリソースを選ぶことが可能になる。
本開示の実施の形態に係る電力管理システムの概略的な構成を示す図である。 図1に示した電力管理システムにおいて、外部電源の電力調整を行なうときの各リソースの状態を示す図である。 本開示の実施の形態に係る管理コンピュータ(サーバ)の詳細構成を示す図である。 図3に示した管理コンピュータによって実行されるリソース情報の取得に係る処理を示すフローチャートである。 本開示の実施の形態に係る電力市場の概要を示す図である。 図3に示した管理コンピュータによって実行される市場取引に係る処理を示すフローチャートである。 図6に示したリソース分類の詳細を示すフローチャートである。 図6に示したリソース選定の詳細を示すフローチャートである。 図1に示したTSOのサーバによって実行される電力調整に係る処理を示すフローチャートである。 図3に示した管理コンピュータによって実行される、インバランスを解消するための調整力確保に係る処理を示すフローチャートである。 図10に示したリソース選定の詳細を示すフローチャートである。 図3に示した管理コンピュータによって実行されるインバランス解消に係る処理を示すフローチャートである。 本開示の実施の形態に係る電力調整方法について説明するための図である。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本開示の実施の形態に係る電力管理システムの概略的な構成を示す図である。図1を参照して、この実施の形態に係る電力管理システムは、リソース群500と、サーバ600と、サーバ700とを含む。
サーバ600は、リソース群500を管理する。リソース群500には、蓄電装置を備えるリソースが複数含まれる。各リソースは、電力系統PGと電気的に接続可能に構成される。各リソースは、電力系統PGの電力調整を行なう調整力として機能する。この実施の形態では、リソース群500が、リソースとして、BEV(電気自動車)110、PHEV(プラグインハイブリッド車)120、及びESS(Energy Storage System)200を含む。図1には、各リソース(BEV、PHEV、ESS)を1つずつ図示しているが、リソース群500に含まれる各リソースの数は、各々独立して任意であり、10個以上であってもよいし、100個以上であってもよい。
BEV110、PHEV120、ESS200は、それぞれバッテリB11、バッテリB12、蓄電装置B2を備える。バッテリB11,B12及び蓄電装置B2の各々は、充放電可能に構成される蓄電装置である。
BEV110及びPHEV120の各々は、バッテリ(蓄電装置)に蓄えられた電力を用いて走行するように構成されるxEVである。xEVは、電力を動力源の全て又は一部として利用する車両である。具体的には、BEV110及びPHEV120の各々は、バッテリから図示しない電動モータに電力を供給して、電動モータによって生成される動力によって走行する。バッテリB11及びB12の各々としては、公知の車両用蓄電装置(たとえば、液式二次電池、全固体二次電池、又は組電池)を採用できる。車両用二次電池の例としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池が挙げられる。
BEV110が備える走行用のエネルギー貯蔵装置は、バッテリB11のみである。一方、PHEV120は、蓄電装置(バッテリB12)以外にも、走行用のエネルギー貯蔵装置を備える。PHEV120は、走行用の動力源H1を備える。動力源H1は、内燃機関と、内燃機関へ燃料を供給する燃料タンクとを含む。PHEV120は、電力を使用しなくても、内燃機関から出力される動力によって走行できる。燃料タンクは、走行用のエネルギー貯蔵装置に相当する。
ESS200は、定置式のリソースである。ESS200は、建物(戸建住宅、集合住宅、商業施設、工場、病院、学校など)に設けられてもよい。ESS200は、建物に設置された電力負荷(たとえば、住宅における空調設備、床暖房設備、照明器具、調理器具、湯沸かし器など)に電力を供給するように構成されてもよい。ESS200は、建物の非常用電源として機能してもよい。ESS200は、建物に設置された発電設備(たとえば、太陽光発電設備又は風力発電設備のような再エネ発電設備)の余剰発電電力を蓄えるように構成されてもよい。蓄電装置B2としては、公知の定置用蓄電装置(たとえば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、レドックスフロー電池、又はNAS(ナトリウム硫黄)電池)を採用できる。
電力系統PGは、送配電設備によって構築される電力網である。電力系統PGには、複数の発電所が接続されている。電力系統PGは、それらの発電所から電力の供給を受けている。この実施の形態では、電力会社が、電力系統PG(商用電源)を保守及び管理する。電力会社は、後述するTSO(系統運用者)に相当する。電力系統PGは、交流電力(たとえば、三相交流電力)を供給する。サーバ700は、たとえばTSOに帰属するコンピュータである。サーバ700は、後述する中給システム及び簡易指令システムを内蔵する。サーバ600とサーバ700とは相互に通信可能に構成される。
図2は、電力系統PGの電力調整を行なうときのBEV110、PHEV120、及びESS200の各々の状態を示す図である。以下、区別して説明する場合を除いて、BEV110及びPHEV120の各々を「xEV100」、バッテリB11及びB12の各々を「バッテリB1」と称する。
図1とともに図2を参照して、xEV100は、ECU(Electronic Control Unit)101と、充電器102と、インレット103とを備える。xEV100は、EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)310を介して電力系統PGと電気的に接続された状態で、電力系統PGの電力調整を行なう。EVSE310のプラグ(たとえば、EVSE310の本体とつながる充電ケーブルの先端に設けられたプラグ)がxEV100のインレット103に接続されることによって、xEV100と電力系統PGとが互いに電気的に接続される。以下、xEV100と電力系統PGとが互いに電気的に接続された状態を、「xEV接続状態」と称する。また、xEV100と電力系統PGとが互いに電気的に接続されていない状態を、「xEV非接続状態」と称する。走行中のxEV100はxEV非接続状態である。
充電器102は、インレット103とバッテリB1との間に位置し、ECU101によって制御される。充電器102は、たとえばインバータを含む。電力系統PGから供給される電力をxEV100が蓄える場合には、上記xEV接続状態において、インレット103からバッテリB1に適切な電力が入力されるようにECU101が充電器102を制御する。
xEV100は、xEV接続状態において、EVSE310を介してサーバ600と通信する。サーバ600とEVSE310とはインターネットを介して相互に通信してもよい。サーバ600は、EVSE310を介してxEV100に指令を送信することにより、充電器102を制御することができる。すなわち、サーバ600は、リモート制御により、電力系統PGの電力調整のための充電をバッテリB1に行なわせることができる。
なお、xEV100は、個人が所有する車両(POV)であってもよいし、MaaS(Mobility as a Service)車両であってもよい。MaaS車両は、MaaS事業者が管理する車両である。また、xEV100は、移動体通信網(テレマティクス)にアクセス可能な無線通信機(たとえば、DCM(Data Communication Module))を備え、EVSEを経由せずに移動体通信網を通じてサーバ600と無線通信するように構成されてもよい。xEV100は、サーバ600からの指令又は通知を上記無線通信機で受信してもよい。この実施の形態では、V1GタイプのxEV(電力系統から一方的に電力の供給を受けるタイプのxEV)がリソース(調整力)として用いられる。しかしこれに限られず、V2G機能(電力系統との間で双方方向に電力をやり取りする機能)とV2H(Vehicle to Home)機能との少なくとも一方を有するxEVが、リソース(調整力)として用いられてもよい。
ESS200はPCS(Power Conditioning System)210をさらに備える。電力系統PGは、PCS210を介して、蓄電装置B2と接続されている。PCS210と電力系統PGとは、互いに電気的に接続されている。ESS200は、常時、電力系統PGと電気的に接続されている。PCS210はサーバ600と通信可能に構成される。サーバ600とPCS210とはインターネットを介して相互に通信してもよい。PCS210は、運転制御装置、保護装置、及び電力変換回路(いずれも図示せず)を備える。PCS210は、サーバ600からの要求に応じて、蓄電装置B2と電力系統PGとの電気的な接続/遮断を切り替える。PCS210においては、運転制御装置がサーバ600からの指令に従って電力変換回路を制御する。電力変換回路は、たとえばインバータを含む。サーバ600は、PCS210に充放電指令を送信することにより、蓄電装置B2の充放電を制御することができる。
サーバ600は、リモート制御により、電力系統PGの電力調整のための充電又は放電を蓄電装置B2に行なわせることができる。具体的には、ESS200から電力系統PGへ電力を出力する場合には、蓄電装置B2からPCS210を経て電力系統PGに適切な電力が出力されるようにPCS210の電力変換回路が制御される。また、電力系統PGから供給される電力をESS200が蓄える場合には、電力系統PGからPCS210を経て蓄電装置B2に適切な電力が入力されるようにPCS210の電力変換回路が制御される。
サーバ600は、電力系統PGが電力を供給する所定エリア内に設けられた複数のEVSE310及び複数のPCS210を管理するように構成される。複数のEVSE310は、不特定多数のユーザが使用可能な公共のEVSE310(たとえば、沿道又は公共施設に設置されたEVSE)と、特定のユーザのみが使用可能な非公共のEVSE310(たとえば、家庭用EVSE)とを含んでもよい。サーバ600は、たとえばアグリゲータに帰属するコンピュータである。アグリゲータは、複数の分散型エネルギーリソース(以下、「DER(Distributed Energy Resources)」とも称する)を束ねてエネルギーマネジメントサービスを提供する電気事業者である。xEV100及びESS200の各々は、DERとして機能し得る。サーバ600は、複数のDERを遠隔・統合制御することによって、これらのDERをVPP(仮想発電所)として機能させてもよい。VPPは、IoT(モノのインターネット)を利用した高度なエネルギーマネジメント技術により多数のDERを束ね、これらDERを遠隔・統合制御することによってあたかも1つの発電所のように機能させる仕組みである。サーバ600は、各DERに対してDR(デマンドレスポンス)を実施してもよい。この実施の形態に係る電力系統PG、サーバ600は、それぞれ本開示に係る「外部電源」、「コンピュータ」の一例に相当する。
図3は、サーバ600の詳細構成を示す図である。図3を参照して、サーバ600は、プロセッサ610と、記憶装置620と、通信装置630と、HMI(Human Machine Interface)640とを備える。プロセッサ610は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。サーバ600が備えるプロセッサの数は任意であり、1つでも複数でもよい。記憶装置620は、各種情報を保存可能に構成される。記憶装置620には、プロセッサ610に実行されるプログラムのほか、プログラムで使用される情報(たとえば、マップ、数式、及び各種パラメータ)が記憶されている。通信装置630は、各種通信I/F(インターフェース)を含む。サーバ600は、通信装置630を通じて外部と通信するように構成される。HMI640は入力装置及び表示装置を含む。HMI640は、タッチパネルディスプレイを含んでもよい。HMI640は、音声入力を受け付けるスマートスピーカを含んでもよい。
この実施の形態では、サーバ600が、以下に説明するリソース管理部611、分類部612、需給管理部613、取引部614、調整力算出部615、及び選定部616を含む。これら各部は、たとえば、プロセッサ610と、プロセッサ610により実行されるプログラムとによって具現化される。ただしこれに限られず、上記各部は、専用のハードウェア(電子回路)によって具現化されてもよい。
リソース管理部611は、リソース群500から各リソースの情報を取得するように構成される。たとえば、各リソースの状態が、各リソースからサーバ600に送信されてもよい。xEV100は、現在位置(たとえば、経度及び緯度)及び系統接続状態(xEV接続状態/xEV非接続状態)をサーバ600へ送信してもよい。リソース管理部611は、各リソースから取得した情報に基づいて、記憶装置620に記憶されたリソース管理情報を更新してもよい。
図4は、サーバ600によって実行されるリソース情報の取得に係る処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、リソースごとに実行される。以下、処理の対象となるリソースを、「対象リソース」と称する。サーバ600は、たとえば所定の周期で図4に示す処理を繰り返し実行する。ただしこれに限られず、図4に示す処理が実行される条件は、リソースごとに任意に設定できる。たとえば、xEVである対象リソースについては、xEV接続状態とxEV非接続状態とが切り替わるタイミングで、図4に示す処理が実行されてもよい。以下では、フローチャート中の各ステップを、単に「S」と表記する。
図1~図3とともに図4を参照して、S11では、サーバ600が、対象リソースに関する情報(以下、「リソース情報」と称する)を取得する。たとえば、対象リソースがESS200である場合には、サーバ600は、PCS210と通信を行ない、PCS210からリソース情報(たとえば、SOC)を取得する。SOC(State Of Charge)は、蓄電装置の蓄電残量を示し、たとえば満充電状態の蓄電量に対する現在の蓄電量の割合を0~100%で表わしたものである。対象リソースがxEV100である場合には、サーバ600は、ECU101と通信を行ない、xEV100からリソース情報(たとえば、系統接続状態及びSOC)を取得する。サーバ600は、S11において、蓄電装置の定格充電電力を示すリソース情報を取得してもよい。定格充電電力は、蓄電装置のメーカによって示される蓄電装置の最大充電電力である。ただし、xEVの情報管理の仕方は、自動車メーカによって異なる。このため、サーバ600がxEV100から取得できるリソース情報の内容は、xEVごとに変わり得る。
続くS12では、サーバ600が、上記S11で取得したリソース情報を用いて、記憶装置620に記憶されたリソース管理情報(図3)を更新する。対象リソースがサーバ600に登録されていない場合には、対象リソースに識別情報(ID)が付与される。そして、対象リソースに関するデータが、IDと紐付けられて、図3に示したリソース管理情報に追加される。
図3に示すように、この実施の形態に係るリソース管理情報は、リソースごとに識別情報(ID)で区別されてサーバ600の記憶装置620に記憶されている。リソースのIDは、リソースごとに付与された固有の番号であってもよいし、リソースの通信アドレスであってもよい。
リソース管理情報は、リソースのタイプ(BEV/PHEV/ESS)と、リソースの定格充電電力とを含む。リソースのタイプ及び定格充電電力の各々は、予めサーバ600(記憶装置620)に登録されてもよい。あるいは、サーバ600は、前述した図4のS11の処理により、リソースのタイプ及び定格充電電力を、対象リソースから取得してもよい。
リソース管理情報は、xEVに関する系統接続状態(xEV接続状態/xEV非接続状態)をさらに含む。図3には示していないが、リソース管理情報は、リソースの位置をさらに含んでもよい。リソース管理情報は、蓄電装置のSOC、温度、及び電流をさらに含んでもよい。リソース管理情報は、リソースの異常の有無をさらに含んでもよい。リソース管理情報は、xEVに関する走行計画をさらに含んでもよい。サーバ600は、これらの情報を、前述した図4のS11の処理によって取得してもよい。
リソース管理部611は、選定部616によって選定されたリソースを、サーバ700からの指令に従って制御するように構成される。リソース管理部611は、リモート制御により、選定部616によって選ばれたリソースを調整力として動作させるように構成される。
分類部612は、リソース群500のリソース分類を実行するように構成される。リソース分類は、リソース群500に含まれる複数のリソース(蓄電装置を含む)の各々を、第1リソースと、第1リソースよりも定格充電電力が大きい第2リソースとに分類する処理である。この実施の形態では、定格充電電力が所定の基準値(以下、「Th1」と表記する)以下であるリソースが第1リソースに分類され、定格充電電力がTh1よりも大きいリソースが第2リソースに分類される。Th1は任意に設定できるが、この実施の形態ではTh1を3kWとする。
需給管理部613は、サーバ700から電力系統PGの需給情報を取得するように構成される。また、需給管理部613は、電力系統PGの実需給を監視する。電力系統PGの実需給は、リソースごとに設けられた電力量計で測定されてもよいし、託送計量器で測定されてもよい。リソースごとの電力量計は、スマートメータを含んでもよいし、EVSE310又はPCS210に内蔵された電力量計を含んでもよい。需給管理部613は、電力系統PGに関する同時同量のインバランスが生じた場合に調整力要求を発生させる。
取引部614は、電力市場で取引きを行なうように構成される。取引部614は、電力市場で入札を実行し、入札結果を需給管理部613に連絡する。取引部614が電力市場で調整力を落札した場合には、取引部614が調整力要求を発生させる。
調整力算出部615は、上記調整力要求に対する目標調整力を算出するように構成される。
選定部616は、上記調整力要求に対して、リソース群500のリソース選定を実行するように構成される。リソース選定は、リソース群500に含まれる複数のリソース(蓄電装置を含む)の中から、調整力として動作させるリソースを選ぶ処理である。選定部616は、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達するように、調整力要求に対する調整力として動作させる1つ以上のリソースを選ぶ。選定部616は、選定したリソースを、リソース管理部611に連絡する。なお、リソース選定の詳細については後述する(図8及び図11参照)。
図5は、この実施の形態に係る電力市場の概要を示す図である。以下、図5を用いて、この実施の形態に係る電力市場について説明する。ただし、以下に説明する電力市場は一例にすぎない。この実施の形態に係るコンピュータ(サーバ600)は、任意の電力市場に適用可能である。
電力系統PGを使用するBG(バランシンググループ)は、同時同量を達成する責任を負う。BGは、BRP(Balance Responsible Party)に相当する。BGの例としては、小売電気事業者、発電事業者、アグリゲータが挙げられる。この実施の形態では、計画値同時同量制度が採用される。BGは、事前に所定の機関にコマごとの計画値を提出する。コマは、単位時間ごとに1日が分割されたフレームである。この実施の形態では、コマの長さ(単位時間)を30分とする。所定の機関は、電力広域的運営推進機関(OCCTO)であってもよい。同時同量のインバランス(計画値との不一致分)は、コマごとに評価される。インバランスを発生させたBGは、インバランス料金(ペナルティ)を支払う義務を負う。また、インバランスを頻発させるBGは、ライセンスを剥奪され得る。
この実施の形態に係る電力市場は、スポット市場(前日市場)と時間前市場(当日市場)と需給調整市場と容量市場とを含む。スポット市場及び時間前市場は、JEPX(日本卸電力取引所)のような卸電力取引所によって開設及び運営される。各市場では、電力を商品とした取引きが行なわれる。各商品は、たとえば入札方式によって売買される。各市場では、コマ単位の商品が取引きされる。卸電力取引所では、1日を30分単位に区切った48コマについて取引きが行なわれる。図5中の「GC」(ゲートクローズ)は、コマごとの市場閉場時刻を示している。GC前においては、BGが市場を利用して、当該コマ(GCに対応するコマ)における計画値と実需給とのずれを調整できる。BGは、インバランスを解消するための調整力をDR(デマンドレスポンス)によって調達してもよい。
需給調整市場は、電力系統PGの運用者(以下、「TSO(Transmission System Operator)」と表記する)が調整力を調達する市場である。TSOは、一般送配電事業者であってもよい。調整力は、電力系統PGにフレキシビリティ(電力変動に応じて電力の生産又は消費を変更できる能力)を付与する。GC後においては、TSOが、需給調整市場を通じて調達した調整力を利用して需要及び供給を調整する。TSOは、市場で調達した調整力(リソース)を、GF(Governor Free)、LFC(Load Frequency Control)、又はEDC(Economic load Dispatch Control)によって制御する。これにより、電力系統PGの同時同量が達成される。
需給調整市場で取引きされる調整力は、平常時の調整力と事故時の調整力とに大別される。そして、平常時の調整力は、予測誤差のための調整力と、時間内変動のための調整力とに、さらに分類される。予測誤差は、需要予測誤差と、再エネ(RE:Renewable Energy)予測誤差とを含む。予測誤差は、コマごとの計画値と実績値との平均誤差(30分平均誤差)である。時間内変動は、コマ内(30分未満)の変動である。
BGは、需要を予測して、GC前に需要計画を提出する。しかし、GC後に予測誤差(電力需要の予測値と実績値との差)が生じ得る。需要予測誤差のための調整力は、GC後に生じる予測誤差を解消するための調整力である。また、再エネ予測誤差のための調整力は、GC時点で想定される再エネ予測誤差(再エネ出力の予測値と実績値との差)を解消するための調整力である。TSOは、主にLFC及びEDCを用いて、予測誤差のための調整力を制御する。
電力需要及び再エネ出力の各々は、時々刻々と変化する。仮に予測値と実績値とが30分平均値で一致していたとしても、30分よりも短い時間では細かな変動が生じている。時間内変動のための調整力は、時間内変動に対して需要と供給を一致させるように応動する調整力である。時間内変動のための調整力の制御に関して、TSOは、1分未満の変動にはGFで対応し、1分以上の変動にはLFC又はEDCで対応する。
事故時の調整力は、予測不能なトラブル(たとえば、電源脱落)で生じた需要と供給との差を解消するための調整力である。TSOは、電源脱落に備えて、バックアップ電源を市場で調達する。バックアップ電源(事故時の調整力)の制御に関して、TSOは、脱落直後はGFで対応し、その後はLFC、EDCに順次切り替える。
需要変動は、極短周期成分(サイクリック分)と、短周期成分(フリンジ分)と、長周期成分(サステンド分)とに細分化できる。
需給調整市場では、サイクリック分のための調整力(一次調整力)と、フリンジ分のための調整力(二次調整力-1)とが取引きされる。一次調整力は、「FCR」(Frequency Containment Reserve:周波数制御予備力)に相当する。FCRに関して、応動時間は10秒以内、継続時間は5分である。二次調整力-1は、「S-FRR」(Synchronized Frequency Restoration Reserve:同期周波数回復予備力)に相当する。S-FRRに関して、応動時間は5分以内、継続時間は30分(1コマ)である。
需給調整市場では、サステンド分のうち直前のコマとの差分に相当する部分のための調整力(二次調整力-2)と、サステンド分のうち直前のコマから継続する部分のための調整力(三次調整力-1)とが、さらに取引きされる。二次調整力-2は、「FRR」(Frequency Restoration Reserve:周波数回復予備力)に相当する。FRRに関して、応動時間は5分以内、継続時間は30分(1コマ)である。三次調整力-1は、「RR」(Replacement Reserve:代替予備力)に相当する。RRに関して、応動時間は15分以内、継続時間は3時間(6コマ)である。
さらに、需給調整市場では、FIT(Feed-in Tariff)特例制度のための調整力(三次調整力-2)も取引きされる。FIT特例制度では、TSOが発電計画に対するインバランスの責任を負う。TSOは、コマの前々日に再エネ出力を予測して発電計画値を決定する。そして、TSOは、コマの前日に、再エネ予測誤差(前々日からの予測誤差)を解消するための三次調整力-2を調達する。三次調整力-2は、「RR-FIT」(Replacement Reserve for Feed-in Tariff)に相当する。RR-FITに関して、応動時間は45分以内、継続時間は3時間(6コマ)である。
容量市場では、電源I’が取引きされる。電源I’は、主に10年に1回程度の厳気象(猛暑、厳寒など)に対応するための調整力(予備力)である。電源I’は、TSOの専用電源として、所定の期間において常時確保される。電源I’に関して、応動時間は3時間以内、継続時間は2~4時間(4~8コマ)である。
需給調整市場で調整力を落札した者(落札者)は、基準値(kW)に対して落札量(ΔkW約定量)の範囲で電力を調整する。落札者は、GC(落札されたコマの開始時刻1時間前)までに基準値を需給調整市場システムに登録する。落札量は、プラス(上げ調整力)であってもよいし、マイナス(下げ調整力)であってもよい。落札者は、落札した1つ以上のコマ(提供期間)において、TSOからの指令に従い電力調整を行なう。提供期間において出力指令値が変更された場合、落札者は、商品要件の応動時間内に出力をその値に変化させる。提供期間において出力指令値が同じ値で継続する場合、落札者は、少なくとも商品要件の継続時間はその指令に従って出力を継続する。
落札者は、電力調整に使用するリソース(たとえば、リストパターン)をTSOに通知する。TSOのサーバ700は、たとえば中央給電指令所のシステム(中給システム)又は簡易指令システムによって、落札者のリソースに対する指令を送信する。リソースは、専用線オンラインで中給システムと接続されてもよい。たとえば、サーバ700が上記指令によってリソース群500を制御する場合には、サーバ700は、サーバ600(アグリゲータ)を介してリソースを制御してもよいし、直接的にリソースを制御してもよい。落札者は、落札した全てのコマの終了後に、当該コマにおけるリソースの実績データをTSOへ送信する。TSOは、提供期間(落札された調整力の調整期間)において、ΔkW約定量の供出が可能な状態を落札者が維持していること(ΔkWの供出可否)と、ΔkW約定量の範囲内で指令に従って落札者が調整していること(応動実績)とを、コマ(30分)ごとに確認する。ΔkWの供出可否の評価(アセスメントI)と応動実績の評価(アセスメントII)との少なくとも一方において、取引対象のΔkWに定める要件の不適合が判明した場合には、落札者に所定のペナルティ料金が科される。
アグリゲータは、サーバ600を用いて電子商取引を行なう。サーバ600は、電力市場で調整力の取引きを行なう。市場取引の会計はサーバ600で管理される。サーバ600は、電力市場で調整力を落札した場合には、落札された調整力に対応する調整力要求を発生させる。そして、サーバ600は、その調整力要求に対して、リソース群500の中から、調整力として動作させるリソース(蓄電装置を含む)を選ぶ。以下では、サーバ600が需給調整市場で入札を行なう例について説明する。
図6は、サーバ600によって実行される市場取引に係る処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定の条件が成立すると、実行される。所定の条件は、所定の時刻に成立してもよいし、定期的に成立してもよい。サーバ600がユーザから入札指示を受けたときに、所定の条件が成立してもよい。サーバ600は、市場価格と、気象情報(気象予測情報を含む)と、リソース群500の需要履歴と、リソース群500に含まれる各リソースの状態との少なくとも1つに基づいて、入札に適したタイミングを決定し、入札に適したタイミングに図6に示す処理を実行してもよい。
図1~図3とともに図6を参照して、S21では、取引部614が、リソース群500のうち、調整力として利用可能なリソースを確認する。取引部614は、たとえば、異常が生じていないリソースを、利用可能なリソースとして認識する。取引部614は、xEVに関して、取引対象に対応するコマ(対象コマ)に走行予定が設定されているxEVを、利用可能なリソースから除外してもよい。
続くS22では、取引部614が、S21で確認された利用可能な調整力(リソース)に基づいて、取引対象(入札する商品)を選択する。この実施の形態では、取引対象を調整力とする。続けて、取引部614は、S23において、選択された取引対象に対して入札を行なう。取引部614は、予め設定された条件で、商品の選択及び入札を行なってもよい。また、取引部614は、ユーザから指定された条件で、商品の選択及び入札を行なってもよい。また、取引部614は、AI(人工知能)を用いた機械学習により得た学習済みモデルを用いて、商品の選択及び入札を行なってもよい。
続くS24では、取引部614が、入札した商品(調整力)が落札されたか否かを判断する。落札されなかった場合には(S24にてNO)、図6に示す一連の処理が終了する。ただしこれに限られず、取引部614は、落札されなかった場合に、処理をS22に戻して、別の商品に入札を行なってもよい。
落札された場合には(S24にてYES)、取引部614が、処理をS25に進める。取引部614が処理をS25に進めたことは、取引部614が調整力要求を発生させたことを意味する。S25では、調整力算出部615が、上記調整力要求に対する目標調整力を決定する。たとえば、調整力算出部615は、落札された調整力(ΔkW約定量)に所定の余裕係数(たとえば、1.0超2.0以下の範囲から選ばれる係数)を乗算した値を、目標調整力として決定する。S26では、分類部612がリソース分類を実行する。図7は、S26の詳細を示すフローチャートである。
図1~図3とともに図7を参照して、S251では、分類部612が、図6のS21で確認された利用可能なリソースの中から、分類対象を設定する。以下、分類対象となるリソースを、単に「分類対象」と称する。
S252では、分類部612が、図3に示したリソース管理情報に基づいて、分類対象の定格充電電力がTh1よりも大きいか否かを判断する。分類対象の定格充電電力がTh1以下である場合には(S252にてNO)、分類部612は、S253において、分類対象を第1リソースに分類する。分類対象の定格充電電力がTh1よりも大きい場合には(S252にてYES)、分類部612は、S254において、分類対象を第2リソースに分類する。分類結果は、記憶装置620に記録される。
その後、分類部612は、S255において、利用可能な全てのリソースの分類が完了したか否かを判断する。未分類のリソースが存在する場合には(S255にてNO)、処理がS251に戻る。S251では、未分類のリソースが、分類対象として設定される。S251では、利用可能なリソースが1つずつ順次、分類対象として設定される。これにより、利用可能な全てのリソースについて、リソース分類(S252~S254)が実行される。そして、利用可能な全てのリソースの分類が完了すると(S255にてYES)、図7に示す一連の処理が終了するとともに、処理が図6のS27に進む。S27では、選定部616がリソース選定を実行する。図8は、S27の詳細を示すフローチャートである。
図1~図3とともに図8を参照して、S271では、落札された商品(調整力)の調整期間(提供期間)が所定の閾値(以下、「Th2」と表記する)よりも長いか否かを、需給管理部613が判断する。Th2は任意に設定できるが、この実施の形態ではTh2を1コマ(30分)とする。
調整期間の長さがTh2以下である場合には(S271にてNO)、処理がS272に進む。調整期間の長さがTh2以下であることは、落札によって生じた調整力要求が第1調整力要求であることを意味する。S272では、選定部616が、利用可能なリソースの中から、第2リソースに分類されたリソース(図7のS254)よりも第1リソースに分類されたリソース(図7のS253)を優先的に選ぶ。選定部616は、全ての第1リソースを選んでもよい。目標調整力に対して第1リソースの数が多すぎる場合には、選定部616は、目標調整力を確保できる最低限の第1リソースを選んでもよい。選定部616は、第1リソースの中から、定格充電電力が小さい順にリソースを選んでもよい。選定部616は、蓄電装置のSOCに基づいて、第1リソースの中から、落札された調整力に合ったリソースを選んでもよい。
調整期間がTh2よりも長い場合には(S271にてYES)、処理がS273に進む。調整期間がTh2よりも長いことは、落札によって生じた調整力要求が第2調整力要求であることを意味する。S273では、選定部616が、利用可能なリソースの中から、第1リソースに分類されたリソース(図7のS253)よりも第2リソースに分類されたリソース(図7のS254)を優先的に選ぶ。選定部616は、全ての第2リソースを選んでもよい。目標調整力に対して第2リソースの数が多すぎる場合には、選定部616は、目標調整力を確保できる最低限の第2リソースを選んでもよい。選定部616は、第2リソースの中から、定格充電電力が大きい順にリソースを選んでもよい。選定部616は、蓄電装置のSOCに基づいて、第2リソースの中から、落札された調整力に合ったリソースを選んでもよい。
たとえば、落札された商品が1コマのFCR又はS-FRRである場合には、S271においてNOと判断される。S271においてNOと判断された場合には、選定部616が、S272において第1リソースを選んだ後、S274において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達したか否かを判断する。目標調整力に対して第1リソースの数が不十分であれば、S274においてNOと判断される。この場合、選定部616は、S275において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達するように、第2リソース(優先度の低いリソース)の中からリソースを選ぶ。そして、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達すると、図8に示す一連の処理が終了するとともに、処理が図6のS28に進む。
たとえば、落札された商品がRR、RR-FIT、又は電源I’である場合には、その継続時間は1時間以上(複数コマ)であるため、S271においてYESと判断される。S271においてYESと判断された場合には、選定部616が、S273において第2リソースを選んだ後、S274において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達したか否かを判断する。目標調整力に対して第2リソースの数が不十分であれば、S274においてNOと判断される。この場合、選定部616は、S275において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達するように、第1リソース(優先度の低いリソース)の中からリソースを選ぶ。そして、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達すると、図8に示す一連の処理が終了するとともに、処理が図6のS28に進む。
なお、S272、S273、及びS275の各々において、所定の除外要件を満たすリソースが選定候補から除外されてもよい。たとえば、サーバ600は、リソースを選定する前に、そのリソースのユーザに電力調整を依頼して拒否された場合に、そのリソースを選定候補から除外してもよい。
再び図1~図3とともに図6を参照して、S28では、落札された商品を特定する情報(たとえば、商品ID)とともに、その商品に対して選定部616が選定したリソース(リストパターン)を、リソース管理部611がサーバ700に通知する。リソース管理部611は、選定されたリソースの通信アドレス及び定格充電電力を、サーバ700に通知してもよい。サーバ600は、S28の通知によって、入札時に指定したリソース(リストパターン)を差し替えてもよい。
さらに、リソース管理部611は、S28において、選定部616が選定した各リソースのユーザ端末に、当該リソースに割り当てられた提供期間(調整開始時刻及び調整終了時刻)を通知する。ユーザ端末は、リソースに搭載された端末(たとえば、ECU101又はPCS210)であってもよいし、ユーザによって携帯されるモバイル端末(たとえば、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、電子キー、又はサービスツール)であってもよい。S28の処理が実行されると、図6に示す一連の処理は終了する。
サーバ700は、需給調整市場で確保した調整力(落札された商品)を利用して、電力系統PGの電力調整を行なう。具体的には、サーバ700は、サーバ600からの通知(図6のS28)に基づいて、その商品に対して選定された各リソースを制御する。図9は、サーバ700(TSO)によって実行される電力調整に係る処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、落札された商品の調整開始時刻が到来すると、開始される。
図1~図3とともに図9を参照して、S111では、サーバ700が、電力系統PGの需給状況に基づいて、ΔkW約定量の範囲内での電力調整を制御対象に要求する指令を生成し、生成された指令を制御対象へ送信する。具体的には、サーバ700は、電力系統PGの需給状況に応じた充電電力を示す充電指令(充電電力0kWを示す充電停止指令を含む)を制御対象へ送信する。この指令によって制御される制御対象は、サーバ600から通知された各リソース(図6のS28)である。サーバ700は、これらのリソースを、リモート制御により調整力(落札された商品)として動作させる。
S112では、落札された商品の調整期間が終了したか否かを、サーバ700が判断する。調整期間内においては、S112においてNOと判断され、処理がS111に戻る。そして、S111の処理により、アグリゲータが提供する調整力(選定された各リソース)によって電力系統PGの電力調整が行なわれる。その後、落札された商品の調整終了時刻が到来すると(S112にてYES)、図9に示す一連の処理は終了する。
サーバ600は、上記調整期間において、選定されたリソースの異常の有無を監視し、リソースに異常が生じた場合に、正常な代替リソースをサーバ700に通知してもよい。
上記の例では、サーバ700が直接的に各リソースを制御する。しかし、こうした例に限られず、サーバ700はサーバ600を介して各リソースを制御してもよい。サーバ700がサーバ600に指令を送信し、サーバ600が、サーバ700からの指令に従って各リソースをリモート制御してもよい。
アグリゲータは、サーバ600を用いて、電力系統PGに関する同時同量のインバランスを解消するための調整力を確保する。サーバ600は、電力系統PGに関する同時同量のインバランスが生じた場合に調整力要求を発生させる。そして、サーバ600は、その調整力要求に対して、リソース群500の中から、調整力として動作させるリソース(蓄電装置を含む)を選ぶ。
図10は、サーバ600によって実行される、インバランスを解消するための調整力確保に係る処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、たとえばサーバ600に計画値が入力されると、開始される。
図1~図3とともに図10を参照して、S31では、需給管理部613が、電力系統PGに関する同時同量を監視する。具体的には、需給管理部613は、S31において、電力系統PGに関する同時同量のインバランス(計画値と実需給との差分)が所定の許容範囲以内であるか否かを判断し、インバランスが許容範囲を超えた場合に(S31にてYES)、処理をS32に進める。S31においてYESと判断されたことは、電力系統PGに関する同時同量のインバランスが発生したことを意味する。また、需給管理部613が処理をS32に進めたことは、需給管理部613が調整力要求を発生させたことを意味する。
S32では、調整力算出部615が、上記調整力要求に対する目標調整力を決定する。たとえば、調整力算出部615は、インバランス解消のために必要な調整力(ΔkW)に所定の余裕係数(たとえば、1.0超2.0以下の範囲から選ばれる係数)を乗算した値を、目標調整力として決定する。S33では、調整力として利用可能なリソースについて、分類部612がリソース分類を実行する。ここでは、電力系統PGと電気的に接続されており、かつ、異常が生じていないリソースが、調整力として利用可能なリソースとして認識される。S33の処理は、たとえば前述の図7に示した処理と同じである。
続くS34では、選定部616がリソース選定を実行する。図11は、S34の詳細を示すフローチャートである。
図1~図3とともに図11を参照して、S341では、選定部616が、第2リソースに分類されたリソースよりも第1リソースに分類されたリソースを優先的に選ぶ。選定部616は、全ての第1リソースを選んでもよい。目標調整力に対して第1リソースの数が多すぎる場合には、選定部616は、目標調整力を確保できる最低限の第1リソースを選んでもよい。選定部616は、蓄電装置のSOCに基づいて、第1リソースの中から、インバランス解消に適したリソースを選んでもよい。なお、所定の除外要件を満たすリソースが選定候補から除外されてもよい。たとえば、サーバ600は、リソースを選定する前に、そのリソースのユーザに電力調整を依頼して拒否された場合に、そのリソースを選定候補から除外してもよい。
続くS342では、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達したか否かを、選定部616が判断する。目標調整力に対して第1リソースの数が不十分であれば、S342においてNOと判断される。この場合、選定部616は、S343において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達するように、第2リソース(優先度の低いリソース)の中からリソースを選ぶ。そして、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に到達すると(S342にてYES)、図11に示す一連の処理が終了するとともに、処理が図10のS35に進む。
再び図1~図3とともに図10を参照して、リソース管理部611は、S35において、選定部616が選定した各リソースのユーザ端末に、当該リソースが電力調整(インバランス解消)に用いられる旨を通知する。ユーザ端末は、リソースに搭載された端末であってもよいし、ユーザによって携帯されるモバイル端末であってもよい。S28の処理が実行されると、図10に示す一連の処理は終了する。
サーバ600は、上記のように確保した調整力を利用して、インバランスを解消する。図12は、サーバ600(アグリゲータ)によって実行されるインバランス解消に係る処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、たとえば図10に示した処理に続けて実行される。
図1~図3とともに図12を参照して、S121では、サーバ600が、電力系統PGの実需給に基づいて、インバランスを解消するための指令を生成し、生成された指令を制御対象へ送信する。具体的には、リソース管理部611が、インバランスに応じた充電電力を示す充電指令(充電電力0kWを示す充電停止指令を含む)を制御対象へ送信する。この指令によって制御される制御対象は、図10に示した処理によって選定された各リソースである。リソース管理部611は、これらのリソースを、リモート制御により、インバランスを解消するための調整力として動作させる。電力系統PGの実需給は、需給管理部613によって監視される。
S122では、インバランスが解消したか否かを、サーバ600が判断する。具体的には、電力系統PGの実需給が計画値に一致するか否かを、需給管理部613が判断する。電力系統PGの実需給が計画値に一致しない場合には(S122にてNO)、処理がS121に戻る。そして、S121の処理により、インバランスを解消するための電力系統PGの電力調整が行なわれる。S121の処理により電力系統PGの実需給が計画値に一致すると(S122にてYES)、図12に示す一連の処理は終了する。
上記の例では、サーバ600が直接的に各リソースを制御する。しかし、こうした例に限られない。サーバ600が子アグリゲータ(リソースアグリゲータ)に帰属する形態では、サーバ600は、親アグリゲータ(アグリゲーションコーディネータ)からの指令に従って各リソースを制御してもよい。サーバ600は、親アグリゲータからの要求に応じて、調整力要求を発生させてもよい。
図13は、この実施の形態に係る電力調整方法について説明するための図である。図13に示す例においては、調整期間が第1~第3コマである第2調整力要求が発生している。調整期間が長い調整力要求においては、電力変動に対する応動の早さよりも、調整期間において十分な電力幅(ΔkW)の調整を行なうことが要求される傾向がある。図13に示す第2コマでは、第2調整力要求以外の調整力要求は生じていない。第1コマ及び第3コマの各々においては、調整期間が1コマ(30分)である第1調整力要求、又はインバランスに起因した調整力要求が発生している。調整期間が短い調整力要求においては、細かい電力変動を早期に調整することが要求される傾向がある。また、同時同量のインバランスの調整においても、細かい電力変動を早期に調整することが要求される傾向がある。
図13を参照して、この実施の形態に係るサーバ600は、第2調整力要求(調整期間が長い調整力要求)に対するリソース選定においては、第1リソースに該当するリソースよりも第2リソースに該当するリソースを優先的に選ぶ。第2調整力要求に対して、調整力の大きい第2リソースから優先的に調整リソースを選ぶことで、少ない調整リソースで要求調整力を満たすことができる。このため、必要な数の調整リソースを確保しやすくなる。また、調整リソースの数が少なくなることで、調整期間における調整リソースの管理又は制御が容易になる。
サーバ600は、第1調整力要求(調整期間が短い調整力要求)に対するリソース選定においては、第2リソースに該当するリソースよりも第1リソースに該当するリソースを優先的に選ぶ。定格充電電力の小さい蓄電装置は、細かい電力変動の調整(微調整)に適している。このため、上記リソース選定によれば、電力変動に対して短い応動時間で微調整を行ないやすくなる。
また、サーバ600は、インバランスを解消するための調整力要求に対するリソース選定においても、第2リソースに該当するリソースよりも第1リソースに該当するリソースを優先的に選ぶ。こうしたリソース選定によれば、同時同量のインバランスを調整しやすくなる。
以上説明したように、この実施の形態に係る電力調整方法は、以下に示すリソース分類(図7)と、調整力判断(図8のS271)と、第1リソース選定(図8のS272)と、第2リソース選定(図8のS273)と、リソース制御(図9及び図12)とを含む。
リソース分類では、外部電源(電力系統PG)の調整力として動作可能な複数のリソースの各々を、第1リソースと、第1リソースよりも定格充電電力が大きい第2リソースとに分類する。調整力判断では、調整力要求が、第1調整力要求と、第1調整力要求よりも長い調整期間での電力調整を要求する第2調整力要求とのいずれであるかを判断する。第1リソース選定では、調整力要求が第1調整力要求と判断された場合に(図8のS271にてNO)、調整力要求に対する調整力の選定において、第2リソースに該当するリソースよりも第1リソースに該当するリソースを優先的に選ぶ。第2リソース選定では、調整力要求が第2調整力要求と判断された場合に(図8のS271にてYES)、調整力要求に対する調整力の選定において、第1リソースに該当するリソースよりも第2リソースに該当するリソースを優先的に選ぶ。リソース制御では、調整力要求に対する調整力として選ばれたリソースを、外部電源の調整力として動作させる。
上記電力調整方法によれば、調整力として動作させるリソースの選定において、簡単かつ的確に適切なリソースを選ぶことが可能になる。
図8に示した処理では、サーバ600が、第1調整力要求に対するリソース選定において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に近づくように第1リソースからリソースを選定する(図8のS272)。そして、第1リソースに該当する全てのリソースを選定しても、選定されたリソースの定格充電電力の合計が、第1調整力要求に対する目標調整力に到達しない場合には、サーバ600は、不足分を満たすだけのリソースを第2リソースから選定する(図8のS275)。サーバ600は、第2調整力要求に対するリソース選定において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が目標調整力に近づくように第2リソースからリソースを選定する(図8のS273)。そして、第2リソースに該当する全てのリソースを選定しても、選定されたリソースの定格充電電力の合計が、第2調整力要求に対する目標調整力に到達しない場合には、サーバ600は、不足分を満たすだけのリソースを第1リソースから選定する(図8のS275)。こうした構成によれば、第1調整力要求及び第2調整力要求の各々に対して十分な調整力を確保しやすくなる。
サーバ600は、所定の条件が成立する場合に、図8に示した方法でリソース選定を行ない、所定の条件が成立しない場合には、別の方法でリソース選定を行なうように構成されてもよい。サーバ600は、時間帯と、要求される調整力(必要調整力)と、利用可能なリソースのタイプ(種類)との少なくとも1つに基づいて、所定の条件が成立するか否かを判断してもよい。サーバ600は、たとえば時間帯に応じて、リソース選定の方法を切り替えてもよい。
上記実施の形態では、リソース群500(管理対象)がxEV100及びESS200を含む。サーバ600は、電力系統PGに常時接続されているESS200を、電力系統PGの調整力として利用することができる。サーバ600は、EVSE310(充電設備)を介して電力系統PGと電気的に接続されたxEV100(車両)を、電力系統PGの調整力として利用することができる。しかしこれに限られず、リソース群500は、xEV100及びESS200の一方のみを含んでもよい。たとえば、サーバ600は、車両のみをリソースとして管理してもよい。
電力系統PGは、電力会社が提供する大規模な交流グリッドに限られず、マイクログリッドであってもよいし、DC(直流)グリッドであってもよい。xEV100及びESS200の各々は、直流電力用の充電器又は充放電器を備えてもよい。xEV100は、充電器102の代わりに充放電器を備えてもよい。xEV接続状態において、バッテリB1からインレット103に適切な電力が出力されるようにECU101が充放電器を制御してもよい。サーバ600は、リモート制御により、電力系統PGの電力調整のための放電をバッテリB1に行なわせてもよい。充放電器の機能は、xEVではなくEVSEに搭載されてもよい。充電ケーブルのコネクタに充放電器が内蔵されてもよい。
xEVは、非接触充電可能に構成されてもよい。xEVは、自動運転可能に構成されてもよいし、飛行機能を備えてもよい。xEVは、乗用車に限られず、バス又はトラックであってもよい。xEVは、無人で走行可能な車両(たとえば、ロボタクシー、無人搬送車(AGV)、又は農業機械)であってもよい。リソースは、xEV以外の移動体(鉄道車両、船、飛行機、ドローン、歩行ロボット、ロボットクリーナ等)であってもよい。サーバ600は、建物(リソース)における電力需要の抑制によって電力調整を行なってもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 xEV、101 ECU、102 充電器、103 インレット、110 BEV、120 PHEV、200 ESS、210 PCS、310 EVSE、500 リソース群、600,700 サーバ、610 プロセッサ、611 リソース管理部、612 分類部、613 需給管理部、614 取引部、615 調整力算出部、616 選定部、620 記憶装置、630 通信装置、HMI 640、B1,B11,B12 バッテリ、B2 蓄電装置、PG 電力系統。

Claims (10)

  1. 外部電源の調整力として動作可能な複数のリソースを管理するコンピュータであって、
    前記複数のリソースの各々は、蓄電装置を備え、
    前記コンピュータは、
    前記複数のリソースの各々を、第1リソースと、前記第1リソースよりも定格充電電力が大きい第2リソースとに分類するリソース分類と、
    調整力要求に対して、前記複数のリソースの中から、前記調整力として動作させるリソースを選ぶリソース選定と、
    を実行するように構成され、
    前記コンピュータは、第1調整力要求に対する前記リソース選定においては、前記第2リソースに該当するリソースよりも前記第1リソースに該当するリソースを優先的に選び、第2調整力要求に対する前記リソース選定においては、前記第1リソースに該当するリソースよりも前記第2リソースに該当するリソースを優先的に選ぶように構成され、
    前記第2調整力要求の調整期間は、前記第1調整力要求の調整期間よりも長い、コンピュータ。
  2. 前記コンピュータは、電力市場で調整力の取引きを行ない、前記電力市場で調整力を落札した場合に前記調整力要求を発生させるように構成され、
    前記電力市場ではコマ単位の調整力が取引きされ、
    前記落札した調整力として動作させるリソースを選ぶための前記リソース選定においては、所定コマ数以下の調整力要求が、前記第1調整力要求に該当し、前記所定コマ数を超える調整力要求が、前記第2調整力要求に該当する、請求項1に記載のコンピュータ。
  3. 前記コマの長さは、30分であり、
    前記所定コマ数は、1コマである、請求項2に記載のコンピュータ。
  4. 前記コンピュータは、前記外部電源に関する同時同量のインバランスが生じた場合に前記調整力要求を発生させるように構成され、
    前記コンピュータは、前記インバランスを解消するための調整力として動作させるリソースを選ぶための前記リソース選定においては、前記第2リソースに該当するリソースよりも前記第1リソースに該当するリソースを優先的に選ぶように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータ。
  5. 前記第1リソースは、定格充電電力が基準値以下のリソースであり、
    前記第2リソースは、定格充電電力が前記基準値よりも大きいリソースであり、
    前記基準値は、2kW以上5kW以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ。
  6. 前記複数のリソースは、充電設備を介して前記外部電源と電気的に接続された車両を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ。
  7. 前記コンピュータは、リモート制御により、前記リソース選定によって選ばれたリソースを調整力として動作させるように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ。
  8. 前記コンピュータは、前記調整力要求に対する目標調整力を決定するように構成され、
    前記コンピュータは、前記リソース選定において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が前記目標調整力に到達するように、前記調整力要求に対する調整力として動作させるリソースを選ぶように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ。
  9. 前記コンピュータは、前記第1調整力要求に対する前記リソース選定において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が前記目標調整力に近づくように前記第1リソースからリソースを選定し、前記第1リソースに該当する全てのリソースを選定しても、選定されたリソースの定格充電電力の合計が前記目標調整力に到達しない場合には、不足分を満たすだけのリソースを前記第2リソースから選定するように構成され、
    前記コンピュータは、前記第2調整力要求に対する前記リソース選定において、選定されたリソースの定格充電電力の合計が前記目標調整力に近づくように前記第2リソースからリソースを選定し、前記第2リソースに該当する全てのリソースを選定しても、選定されたリソースの定格充電電力の合計が前記目標調整力に到達しない場合には、不足分を満たすだけのリソースを前記第1リソースから選定するように構成される、請求項8に記載のコンピュータ。
  10. 外部電源の調整力として動作可能な複数のリソースの各々を、第1リソースと、前記第1リソースよりも定格充電電力が大きい第2リソースとに分類することと、
    調整力要求が、第1調整力要求と、前記第1調整力要求よりも長い調整期間での電力調整を要求する第2調整力要求とのいずれであるかを判断することと、
    前記調整力要求が前記第1調整力要求と判断された場合に、前記調整力要求に対する調整力の選定において、前記第2リソースに該当するリソースよりも前記第1リソースに該当するリソースを優先的に選ぶことと、
    前記調整力要求が前記第2調整力要求と判断された場合に、前記調整力要求に対する調整力の選定において、前記第1リソースに該当するリソースよりも前記第2リソースに該当するリソースを優先的に選ぶことと、
    前記調整力要求に対する調整力として選ばれたリソースを、前記外部電源の調整力として動作させることと、
    を含む、電力調整方法。
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