JP2019095235A - 溶接管の溶接部の形状寸法測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この特許文献1に示された溶接部寸法測定器を用いて前述の種々の溶接部の形状寸法を測定する場合、測定項目ごとにその都度、ダイヤルゲージを手動で位置合わせする必要があり、作業が煩雑で、測定に長時間を要し能率を図る上で大きな阻害要因となる。また、人手による測定のため、測定結果がばらつく問題がある。
これにより、溶接鋼管の端部におけるビード研削部の溶接部の形状寸法を能率よく高精度に測定することができる。
即ち、溶接鋼管の溶接部の形状寸法を測定するに際し、例えば、溶接鋼管の外面側の溶接部の形状寸法を測定する場合には、その都度、測定装置を溶接鋼管上に人手でセットする必要があり、全自動で測定するとはいえず、溶接鋼管を全数測定するのに作業性が非常に悪い。
一方、かかる測定に際しては、前述したように、溶接部が上方に位置するように溶接鋼管を回動停止させ、上部に測定装置を載置し、測定ヘッドの2次元レーザ距離計の測定中央位置が溶接部の中心線上にほぼ位置するようにセットする必要があるが、測定の全自動化のために溶接鋼管の回動、停止をターニングロールを用いて行う場合には、溶接部の管周方向における一定位置での高精度な停止は極めて困難である。
なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
図1には、本発明の第1実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置の概略が示され、図2(a)、(b)には、測定対象となるUOE鋼管が示されている。
先ず、測定対象となるUOE鋼管Sについて説明すると、UOE鋼管Sは、厚鋼管をプレス加工で曲げ、曲げられた厚鋼管の側端面を突き合わせて溶接することにより製造される。図2(a)、(b)に示すように、UOE鋼管Sの管端部22の溶接部21は、外面(図2(a)参照)及び内面(図2(b)参照)とも、管端面24から200mm程度の範囲を製造過程において研削されている。そして、UOE鋼管Sの管端部22を、周方向に見たとき、外面側の溶接ビード研削部22a及び内面側の溶接ビード研削部22bと母材部との境界段差はなく、滑らかである。一方、溶接ビード研削部22a、22bよりも管軸方向中央側に位置する外面側の溶接ビード非研削部23a及び内面側の溶接ビード非研削部23bは、母材部との境界段差があり、母材部と明瞭に区別できる。
そして、形状寸法測定装置1は、測定台車2と、回転機構昇降機構4と、回転機構5と、測定アーム7と、径方向移動機構8と、測定ヘッド9と、回転角度検出器6と、制御部13と、演算部14とを備えている。
また、回転機構昇降機構4は、回転機構5を測定台車2に対して昇降させるものであり、測定台車2から起立する起立部4aと、起立部4aに図示しない上下一対の軸受によって回転可能に支持されたボールねじ軸4bと、ボールねじ軸4bの回転により上下移動する一対のナット部材4cと、ボールねじ軸4bを回転駆動するモータ4dとを備えている。
また、径方向移動機構8は、測定ヘッド9をUOE鋼管Sの径方向に移動させるものであり、測定アーム7に図示しない一対の軸受によって回転可能に支持されたボールねじ8aと、ボールねじ軸8aの回転により径方向に移動する一対のナット部材8bと、ボールねじ軸8aを回転駆動するモータ8cとを備えている。
この測定ヘッド9には、UOE鋼管Sの径方向外側に位置する外周用変位計取付バー12aと、外周用変位計取付バー12aに対し径方向内側に位置する内周用変位計取付バー12bとが取り付けられている。そして、外周用変位計取付バー12aには、UOE鋼管Sの溶接ビードが研削された溶接ビード研削部22a(図2(a)参照)を含む管端部22の外周面の位置を検出する外周用の第1変位計10aが設置されている。また、内周用変位計取付バー12bの外周用の第1変位計10aと対向する位置には、UOE鋼管Sの溶接ビードが研削された溶接ビード研削部22b(図2(b)参照)を含む管端部22の内周面の位置を検出する内周用の第1変位計10bが設置されている。外周用及び内周用の第1変位計10a、10bのそれぞれは、レーザ式変位計や、先端にUOE鋼管Sの内外面にエアシリンダなどにより押し付け、接触させたときに回転可能なタッチローラを配置した接触式の変位計が使用される。
また、回転角度検出器6は、回転機構5の基台部5aに取り付けられ、回転機構5の回転軸5cの回転角度を検出することで測定アーム7の回転角度を検出する。
また、制御部13は、測定台車2の走行モータ(図示せず)に接続され、測定台車2の移動動作を制御する。また、制御部13は、回転機構5の駆動モータ5bに接続されて、回転機構5の回転軸5cの回転動作を制御し、回転機構昇降機構4のモータ4dに接続されて、回転機構5の昇降動作を制御し、更に、径方向移動機構8のモータ8cに接続されて、測定ヘッド9の径方向移動動作を制御する。制御部13は、図示しない入力部及び上位コンピュータに接続され、演算処理機能を有するコンピュータによって構成される。
ここで、演算部14は、第1算出部14aと、第2算出部14bとを備えている。
また、第2算出部14bは、一対の第2変位計11a、11bから得られる溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方の位置データと、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの所定位置を基準とした回転軸5cの回転角度データとに基づいて、UOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。
そして、演算部14には、プリンタなどの出力装置で構成される出力部15が接続されている。演算部14の算出結果が出力部15に出力される。
先ず、UOE鋼管Sがチェーンコンベア(図示せず)によって搬入され、所定の位置で停止する。
次いで、作業者が図示しない入力部より形状寸法測定装置1の制御部13に測定スタートの信号を入力すると、制御部13は、図示しない上位コンピュータよりUOE鋼管Sの公称外径寸法値に基づいた高さ情報を取得する。そして、制御部は、このUOE鋼管Sの公称外径寸法値に基づいた高さ情報より、回転機構昇降機構4のモータ4dを制御して回転軸5cの中心軸線C2がUOE鋼管Sの中心軸線C1の近傍に位置するように回転機構5の昇降動作を制御し回転軸5cの高さ調整を行う。このとき、制御部13は、回転機構5の駆動モータ5bを制御して回転機構5の回転軸5cの回転動作を制御し、測定アーム7がUOE鋼管Sの円周方向において頂点と一致するように位置制御する。
続いて、制御部13は、UOE鋼管Sの位置情報に基づいて、測定台車2の図示しない走行モータを制御して測定台車2を走行レール3上をUOE鋼管Sに向かって移動させて、一対の第1変位計10a、10bがUOE鋼管Sの管端面24から30mm以内の位置に停止させる。このとき、一対の第2変位計11a、11bは、一対の第1変位計10a、10bからUOE鋼管Sの管軸方向中央側へ所定距離L(250mm〜500mm程度)のところで停止する。
具体的に述べると、演算部14の第2算出部14bは、特定されたUOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の母材部との境界位置とみなす。そして、演算部14の第2算出部14bは、このUOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の両側の境界位置データを、前述の第1算出部14aで算出されたUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準とした管端部22の内周面及び外周面の形状にあてはめ、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を算出する。
このように、本実施形態に係る溶接管の溶接部21の形状寸法測定装置1によれば、UOE鋼管S(被測定溶接管)の溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定することで、溶接ビードが研削され、溶接部と母材部の境界が不明瞭な溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の円周方向両側の余盛端部の位置を正確に特定でき、これにより、溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を測定することができる。
そして、かかる形状寸法の測定に際し、前述したように、UOE鋼管Sが所定の位置で停止した後、作業者が制御部13に測定スタートの信号を入力するだけで、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を、全自動で高精度に測定することができる。
図3(a)において、回転角度が45度近傍に位置した矢印で示した突起状のものが溶接部に相当するが、このままでは前述のサインカーブ状のうねりのため、溶接部の位置(回転角度)が特定できない。
演算部14の第2算出部14bは、以上の演算を行って外面の溶接ビード非研削部23aの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。そして、演算部14の第2算出部14bは、同様の演算を行って第2変位計11bによって内面の溶接ビード非研削部23aの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。
そして、演算部14の第2算出部14bは、特定されたUOE鋼管Sの円周方向における溶接ビード非研削部23aあるいは23bの中央位置、円周方向両側の余盛端部の位置データを、第1算出部14aで算出されたUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置を)を基準とした管端部22の内周面及び外周面の形状に当てはめ、これに基いて、管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法を算出する。
また、第2変位計11a、11bを無しとして第1変位計10a、10bのみで、測定台車2をUOE鋼管Sの管軸方向の測定位置をずらすことで、溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の内外周の形状と溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの内外周の形状とを2回測定すれば、変位計の数が少なくて済む分、安価になる。しかし、その分、測定時間を要するので、双方の変位計を配置する必要がある。
(1)管端部の外周面及び内周面の形状の算出
先ず、前述したように、演算部14の第1算出部14aは、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準(起点)とした測定アーム7の微小単位回転角度毎に、一対の第1変位計10a、10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の外周面及び内周面の位置データと測定アーム7の回転中心(回転軸5cの中心軸線C2、UOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ同一の軸心)の位置データとから管端部22の外周面の外面半径と内周面の内面半径とを算出する。
そして、この中心点PCから外周面データ列までの距離を外周面半径データ列(角度、外周面半径)として変換し、管端部22の外周面の外面半径とする。
そして、この中心点PC’から内周面データ列までの距離を内周面半径データ列(角度、内周面半径)として変換し、管端部22の内周面の内面半径とする。
次いで、演算部14の第2算出部14bは、全周にわたって算出されたUOE鋼管Sの外面半径と内面半径とから前述の演算手法により、外面及び内面の溶接ビード非研削部23a、23bの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。
そして、演算部14の第2算出部14bは、特定されたUOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の母材部との境界位置とみなし、このUOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の両側の境界位置データを、第1算出部14aで算出されたUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準とした管端部22の内周面及び外周面の形状にあてはめる。
また、同様に、前述の変換後の内周面半径データ列(角度、内周面半径)において、第2算出部14bの演算によって特定された内面の溶接ビード非研削部23bの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置より、どのデータが内面の溶接ビード研削部22bの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置であるかを記憶させておく。
次いで、便宜的に、前述で記憶しておいた外面の溶接ビード研削部22aの中央位置が直上位置、すなわち0°となるように、前述の管端部22の外面プロフィールの中心点PCを回転中心軸として回転移動する。また、前述で記憶しておいた内面の溶接ビード研削部22bの中央位置が0°となるように、前述の管端部22の内面プロフィールの中心点PC’を回転中心軸として回転移動する。
このときの、管端部22における溶接部21近傍の外面プロフィールの模式図を図4に示す。図4において実線で示した曲線は外面プロフィール、破線で示した曲線は内面プロフィールである。また、黒点で示したBL,BRは、UOE鋼管Sの管端部22の外面における溶接部21の円周方向両側の母材部との境界位置(外面の溶接ビード研削部22aの円周方向両側の余盛端部の位置)、BCは溶接部21の中央位置であり、BL−BC間水平方向距離とBC−BR間水平方向距離とは等しい。同様に、黒点で示したBL’,BR’は、UOE鋼管Sの管端部22の内面における溶接部21の円周方向両側の母材部との境界位置(内面の溶接ビード研削部22bの円周方向両側の余盛端部の位置)、BC’は溶接部21の中央位置であり、BL’−BC’間水平方向距離とBC’−BR’間水平方向距離とは等しい。また、図4の一点鎖線で示される中心線C4は、溶接部21の中央位置BCを通過して真下に延びる直線を示したもので、この直線上に、前述したUOE鋼管Sの管端部22における外面プロフィールの中心点PCが位置することになる。また、同様に、この直線上に、前述したUOE鋼管Sの管端部22における内面プロフィールの中心点PC’ が位置することになる。
UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法は、溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さを意味する。
図5を参照して、外面ビード高さ及び内面ビード高さを算出する方法について説明する。
図5は、図4における溶接部21近傍を拡大したもので、通常、溶接ビード研削部22aの溶接部21は、外面プロフィール及び内面プロフィールより母材部との境界を判定するのが不可能なほど研削されているが、説明のため、余盛形状を有した図としている。
図5において、まず、外面ビード高さの算出について説明すると、外面プロフィール上の溶接ビード研削部22aの溶接部21の母材部との左側境界BLから右側境界BRまでのデータのうち、中心点PC(図4参照)からの距離の最大値(図5の例では、BP−PC間距離を示したr(BP)に相当)を算出する。
BH=((r(BP)−r(BL))+(r(BP)−r(BR)))/2
=(2r(BP)−r(BL)−r(BR))/2 ……(1)
従って、(1)式で表される外面ビード高さを算出する。
また、図5中において、内面ビード高さは、前述のr(BP’)と2つの理想円弧r(BL’)、r(BR’)との間の距離の平均値として定義される。即ち、内面ビード高さBH’は、次の(2)式で表される。
BH’=((r(BL’)−r(BP’))+(r(BR’)−r(BP’)))/2
=(r(BL’)+r(BR’)−2r(BP’))/2 ……(2)
従って、(2)式で表される内面ビード高さを算出する。
外面オフセット値BOは、図6に示すように、外面における溶接部21の左右の母材部との境界BL、BRの鉛直方向座標の差を算出することで求められる。
一方、内面オフセット値BO’は、内面における溶接部21の左右の母材部との境界BL’、BR’の鉛直方向座標の差を算出することで求められる。
外面ピーキング値は、図7に示すように、最初に、溶接部21の中央位置BCを通過する中心線C4より、左右両側に等距離W(例えばW=75mm)だけ離れた外周プロフィール上の点EL及びERを検索し、各々の点における中心点PC(図4参照)からの距離r(EL)、r(ER)を求める。
続いて、溶接部21の左右の母材部との境界BL、BRの中心点PCからの距離r(BL)、r(BR)から各々r(EL)、r(ER)を減算することで、左側外面ピーキングPL及び右側外面ピーキングPRを求め、例えば、PL、PRのうち、絶対値の大きい方の値を外面ピーキング値Pとする。
続いて、溶接部21の左右の母材部との境界BL’、BR’の中心点PC’からの距離r(BL’)、r(BR’)から各々距離r(EL’)、r(ER’)を減算することで、左側内面ピーキングPL’及び右側内面ピーキングPR’を求め、例えば、PL’、PR’のうち、絶対値の大きい方の値を内面ピーキング値P’とする。
このようにすることにより、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法、即ち溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さを算出することができる。
図8には、本発明の第2実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置の概略が示されている。
図8に示す第2実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置1は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る形状寸法測定装置1と同様あるが、演算部14の構成が相違している。
即ち、第2実施形態に係る形状寸法測定装置1の演算部14は、第1算出部14aと、判定部14cと、第2算出部14bとを備えている。
これは、溶接ビード研削部22a,22bにおける溶接部の研削が例えば不十分で、母材部との境界が鮮明な場合に有効であり、この判定部14cによって、溶接ビード研削部22a,22bの円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能と判定された場合、後述するように、第2算出部14bで第2変位計11a,11bからの情報を用いることなく溶接ビード研削部22a,22bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定できる。
この第2実施形態に係る溶接管の溶接部21の形状寸法測定装置1によれば、UOE鋼管S(被測定溶接管)の溶接ビード研削部22a、22bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定可能な場合には、溶接ビード研削部22a、22bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定不可能な場合には、溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定することで、溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の円周方向両側の余盛端部の位置を正確に特定し、これにより、溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を測定することができる。
なお、第2変位計11a、11bは、溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方を測定するように一対設けられているが、外面の溶接ビード非研削部23aの円周方向両側の余盛端部の位置と内面の溶接ビード非研削部23bの円周方向両側の余盛端部の位置とが、僅かにでもずれ量を生じた場合を無視すれば、溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を一つ設けてもよい。
次に、本発明の第3実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置について図9を参照して説明する。
図9に示す溶接管の溶接部の形状寸法測定装置101は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る形状寸法測定装置1と同様であるが、図1に示す第1実施形態に係る形状寸法測定装置1と異なり、測定ヘッド9には、一対の第2変位計11a、11bが取り付けられておらず、溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの内周面の位置を検出する第2変位計103が取付バー102によって回転機構5の回転板5dに取り付けられている点で相違している。
ここで、第2変位計103は、回転板5dに取り付けられた取付バー102の先端に配置され、第2変位計103と第1変位計10bとの間の距離Lは、250mm〜500mmとなるように設定されている。
第1算出部14aは、第1実施形態に係る形状寸法測定装置1の演算部14の第1算出部14aと同様に、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした回転軸5c(測定アーム7)の回転角度データと、一対の第1変位計10a、10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22の外周面及び内周面の形状を算出する。ここで、管端部22の外周面及び内周面の形状は、前述と同様に、UOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした管端部22の外周面の外面半径及び管端部22の内周面の内面半径である。
また、第2算出部14bは、特定された内面のみの溶接ビード非研削部23bの円周方向両側の余盛端部の位置データと、第1算出部14aで算出された管端部22の外周面及び内周面の形状とに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22における外面及び内面の溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法を算出する。
そして、かかる形状寸法の測定に際し、前述したように、UOE鋼管Sが所定の位置で停止した後、作業者が制御部13に測定スタートの信号を入力するだけで、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を、全自動で高精度に測定することができる。
例えば、本発明の形状寸法測定装置1によって測定されるUOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部の形状寸法は、外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さの全てを測定する場合に限らず、外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さのうちいずれか一つを測定する場合であっても、任意の2つ以上の組み合わせを測定する場合であってもよい。
2 測定台車
3 走行レール
4 回転機構昇降機構
4a 起立部
4b ボールねじ軸
4c ナット部材
4d モータ
5 回転機構
5a 基台部
5b 駆動モータ
5c 回転軸
5d 回転板
6 回転角度検出器
7 測定アーム
8 径方向移動機構
8a ボールねじ軸
8b ナット部材
8c モータ
9 測定ヘッド
10a,10b 第1変位計
11a,11b 第2変位計
12a 外周用変位計取付バー
12b 内周用変位計取付バー
13 制御部
14 演算部
14a 第1算出部
14b 第2算出部
14c 判定部
15 出力部
21 溶接部
22 管端部
22a,22b 溶接ビード研削部
23a,23b 溶接ビード非研削部
24 管端面
101 形状寸法測定装置
102 取付バー
103 第2変位計
C1 UOE管の中心軸線
C2 回転軸の中心軸線
C3 一対の第1変位計間及び一対の第2変位計間の中心線
S UOE鋼管(被測定溶接管)
Claims (7)
- 被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計及び前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を備えた測定ヘッドと、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、
前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、前記第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された前記溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する第2算出部とを備えていることを特徴とする溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。 - 前記第2変位計は、一対設けられて、前記溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の双方の位置を検出し、
前記第2算出部は、これら一対の第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の双方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。 - 被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計及び前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を備えた測定ヘッドと、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、
前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、該第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状に基いて、前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能か否かを判定する判定部と、該判定部によって前記余盛端部の位置が特定可能と判定されたとき、前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する第2算出部とを備えていることを特徴とする溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。 - 前記第2算出部は、前記判定部によって前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能でないと判断されたとき、前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定することなく、前記第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定するとともに、特定された前記溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出することを特徴とする請求項3に記載の溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
- 前記第2変位計は、一対設けられて、前記溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の双方の位置を検出し、
前記第2算出部は、これら一対の第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の双方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。 - 被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計を備えた測定ヘッドと、前記回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転し、前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の内周面の位置を検出する第2変位計と、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、
前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、前記第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の内周面の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の内面のみの溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された内面のみの前記溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出することを特徴とする溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。 - 前記測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法は、外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、内面ビード高さのうちいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
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