JP2019095235A - 溶接管の溶接部の形状寸法測定装置 - Google Patents

溶接管の溶接部の形状寸法測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接管の管端部における溶接ビード研削部の形状寸法を、全自動で高精度に測定することができる溶接管の溶接部の形状寸法測定装置を提供する。【解決手段】形状寸法測定装置1において、演算部14は、第2変位計11a,11bから得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管Sの外周面及び内周面の少なくとも一方の位置データと、回転角度検出器6から得られる回転軸5cの回転角度データとに基づいて、被測定溶接管Sの溶接ビード非研削部円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された溶接ビード非研削部の余盛端部の位置データと、第1算出部14aで算出された管端部22の外周面及び内周面の形状とに基づいて、被測定溶接管Sの管端部22における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する第2算出部14bとを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、UOE鋼管等の溶接管の溶接部の形状寸法を測定する溶接管の溶接部の形状寸法測定装置に関し、特に溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を、全自動で測定する装置に関する。
溶接管の一つであるUOE鋼管は、厚鋼管をプレス加工で曲げ、曲げられた厚鋼管の側端面を突き合わせて溶接することにより製造される。溶接部においては、UOE鋼管の外周面あるいは内周面にUOE鋼管の長さ方向にビードと称する盛り上がりが生じ、ラインパイプなどのようにUOE鋼管を接続して使用する際の溶接作業や溶接後の検査作業に悪影響を与える。このため、UOE鋼管の管端部における溶接ビードは、通常、管端面より200mm程度以内の範囲で、母材部肉厚よりも薄くならない程度に研削されている。UOE鋼管の内周面において盛り上がる溶接ビードはその内面が、UOE鋼管の外周面において盛り上がる溶接ビードはその外面が研削される。溶接部の形状寸法は、UOE鋼管の品質に大きな影響を与えるため、研削された溶接ビード部(溶接ビード研削部の溶接部)の形状寸法には、UOE鋼管の外周及び曲率の盛り上がり高さをあらわすピーキング値、溶接ビードの母材からの盛り上がり高さをあらわすビード高さ、溶接ビードの幅方向の左右端の母材高さの差であらわすオフセット値などがある。
このような溶接部の形状寸法の測定には、従来、例えば特許文献1に開示された溶接部寸法測定器が用いられている。特許文献1に示す溶接部寸法測定器は、門型架台上に該架台上を水平方向にスライド可能で、且つ、垂直に設置したゼロ点設定可能なデジタル式ダイヤルゲージを有し、ダイヤルゲージに設置した指示針と、その指示針によって、ダイヤルゲージが架台の中央に位置する点を零とした時の、ダイヤルゲージの移動距離を示す目盛とを有している。
この特許文献1に示された溶接部寸法測定器を用いて前述の種々の溶接部の形状寸法を測定する場合、測定項目ごとにその都度、ダイヤルゲージを手動で位置合わせする必要があり、作業が煩雑で、測定に長時間を要し能率を図る上で大きな阻害要因となる。また、人手による測定のため、測定結果がばらつく問題がある。
この問題を解決するために、従来、特許文献2に示す溶接部の形状寸法測定方法及び測定装置が提案されている。特許文献2に示す溶接部の形状寸法測定方法は、溶接鋼管の端部におけるビード研削部の溶接部の形状寸法を、2次元レーザ距離計からなる測定ヘッドを用い、光切断法により測定する方法であって、測定ヘッドをスライドさせてビード非研削部の溶接部の形状データを採取し、同様に、測定ヘッドをスライドさせてビード研削部の溶接部の形状データを採取し、ビード非研削部の溶接部の形状データからビード幅方向の左右の余盛端部の位置を特定し、特定したビード非研削部の余盛端部の位置データとビード研削部の溶接部の形状データを用いてビード研削部の溶接部の形状寸法を求めるようにしている。
そして、この測定方法により、例えば、溶接鋼管の外面側の溶接部の形状寸法を測定する場合には、溶接部が上方に位置するように溶接鋼管を回動停止させ、上部に測定装置(架台に測定ヘッドをスライド可能に取り付けたもの)を載置し、測定ヘッドの2次元レーザ距離計の測定中央位置が溶接部の中心線上にほぼ位置するようにセットする。そして、測定ヘッドを移動させてビード研削部の溶接部の形状データを採取するようにしている。
これにより、溶接鋼管の端部におけるビード研削部の溶接部の形状寸法を能率よく高精度に測定することができる。
実開平6−49918号公報 特開2001−201327号公報
しかしながら、この従来の特許文献2に示す溶接部の形状寸法測定方法にあっては、以下の問題点があった。
即ち、溶接鋼管の溶接部の形状寸法を測定するに際し、例えば、溶接鋼管の外面側の溶接部の形状寸法を測定する場合には、その都度、測定装置を溶接鋼管上に人手でセットする必要があり、全自動で測定するとはいえず、溶接鋼管を全数測定するのに作業性が非常に悪い。
一方、かかる測定に際しては、前述したように、溶接部が上方に位置するように溶接鋼管を回動停止させ、上部に測定装置を載置し、測定ヘッドの2次元レーザ距離計の測定中央位置が溶接部の中心線上にほぼ位置するようにセットする必要があるが、測定の全自動化のために溶接鋼管の回動、停止をターニングロールを用いて行う場合には、溶接部の管周方向における一定位置での高精度な停止は極めて困難である。
従って、本発明は、この従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を、全自動で高精度に測定することができる溶接管の溶接部の形状寸法測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置は、被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計及び前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を備えた測定ヘッドと、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、前記第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された前記溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する第2算出部とを備えていることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置は、被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計及び前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を備えた測定ヘッドと、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、該第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状に基いて、前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能か否かを判定する判定部と、該判定部によって前記余盛端部の位置が特定可能と判定されたとき、前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する第2算出部とを備えていることを要旨とする。
更に、本発明の別の態様に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置は、被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計を備えた測定ヘッドと、前記回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転し、前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の内周面の位置を検出する第2変位計と、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、前記第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の内周面の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の内面のみの溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された内面のみの前記溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出することを要旨とする。
本発明に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置によれば、溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を、全自動で高精度に測定することができる溶接管の溶接部の形状寸法測定装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置の概略構成図である。 測定対象となる溶接管の一種のUOE鋼管を示し、(a)はUOE鋼管の管端部における外周面側の溶接ビード研削部及び溶接ビード非研削部を示す部分斜視図、(b)はUOE鋼管の管端部における内周面側の溶接ビード研削部及び溶接ビード非研削部を示す部分斜視図である。 第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含むUOE鋼管の外周面の位置データと回転角度検出器から得られる所定位置を基準とした回転軸の回転角度データとから算出される微小単位回転角度毎の外面半径よりUOE鋼管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定する方法を説明するためのグラフである。 溶接ビード研削部の中央位置が直上位置となった場合の、UOE鋼管の管端部における溶接部近傍の外面プロフィールの模式図である。 図4における溶接部近傍を拡大したもので、ビード高さを説明するための模式図である。 図4における溶接部近傍を拡大したもので、オフセット値を説明するための模式図である。 図4における溶接部近傍を拡大したもので、ピーキング値を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置の概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。実施形態は、溶接管としてのUOE鋼管の溶接部の形状寸法測定装置の例である。
なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置の概略が示され、図2(a)、(b)には、測定対象となるUOE鋼管が示されている。
先ず、測定対象となるUOE鋼管Sについて説明すると、UOE鋼管Sは、厚鋼管をプレス加工で曲げ、曲げられた厚鋼管の側端面を突き合わせて溶接することにより製造される。図2(a)、(b)に示すように、UOE鋼管Sの管端部22の溶接部21は、外面(図2(a)参照)及び内面(図2(b)参照)とも、管端面24から200mm程度の範囲を製造過程において研削されている。そして、UOE鋼管Sの管端部22を、周方向に見たとき、外面側の溶接ビード研削部22a及び内面側の溶接ビード研削部22bと母材部との境界段差はなく、滑らかである。一方、溶接ビード研削部22a、22bよりも管軸方向中央側に位置する外面側の溶接ビード非研削部23a及び内面側の溶接ビード非研削部23bは、母材部との境界段差があり、母材部と明瞭に区別できる。
次に、図1に示すUOE鋼管Sの溶接部21の形状寸法測定装置1は、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法、具体的には、溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さを測定するものである。外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さについては後述する。
そして、形状寸法測定装置1は、測定台車2と、回転機構昇降機構4と、回転機構5と、測定アーム7と、径方向移動機構8と、測定ヘッド9と、回転角度検出器6と、制御部13と、演算部14とを備えている。
ここで、測定台車2は、被測定溶接管一つであるUOE鋼管Sの中心軸線C1が延びる方向(管軸方向)と平行な走行レール3に沿って移動可能に配置されている。
また、回転機構昇降機構4は、回転機構5を測定台車2に対して昇降させるものであり、測定台車2から起立する起立部4aと、起立部4aに図示しない上下一対の軸受によって回転可能に支持されたボールねじ軸4bと、ボールねじ軸4bの回転により上下移動する一対のナット部材4cと、ボールねじ軸4bを回転駆動するモータ4dとを備えている。
更に、回転機構5は、回転機構昇降機構4により測定台車2に対し昇降自在に取り付けられるものであり、回転機構昇降機構4のナット部材4cに取り付けられた基台部5aと、基台部5aに固定された駆動モータ5bと、駆動モータ5bによって回転する回転軸5cと、回転軸5cの先端に固定された回転板5dとを備えている。回転軸5cの中心軸線C2がUOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ一致する位置となるように、回転機構5は回転機構昇降機構4により昇降され、回転軸5cの中心軸線C2がUOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ一致しているときには回転軸5cはUOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ同一の軸心を中心に360度回転するようになっている。回転軸5cが回転すると、回転軸5cの先端に固定された回転板5dも回転する。
また、測定アーム7は、UOE鋼管Sの径方向に長く延びる部材であり、回転機構5の回転板5dに取り付けられ、回転板5dとともに回転する。測定アーム7の回転中心は回転軸5cの中心軸線C2である。従って、回転軸5cの中心軸線C2がUOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ一致しているときには、測定アーム7はUOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ同一の軸心を中心に360度回転する。
また、径方向移動機構8は、測定ヘッド9をUOE鋼管Sの径方向に移動させるものであり、測定アーム7に図示しない一対の軸受によって回転可能に支持されたボールねじ8aと、ボールねじ軸8aの回転により径方向に移動する一対のナット部材8bと、ボールねじ軸8aを回転駆動するモータ8cとを備えている。
また、測定ヘッド9は、径方向移動機構8のナット部材8bに固定されて測定アーム7に対しUOE鋼管Sの径方向に移動自在に取り付けられる。
この測定ヘッド9には、UOE鋼管Sの径方向外側に位置する外周用変位計取付バー12aと、外周用変位計取付バー12aに対し径方向内側に位置する内周用変位計取付バー12bとが取り付けられている。そして、外周用変位計取付バー12aには、UOE鋼管Sの溶接ビードが研削された溶接ビード研削部22a(図2(a)参照)を含む管端部22の外周面の位置を検出する外周用の第1変位計10aが設置されている。また、内周用変位計取付バー12bの外周用の第1変位計10aと対向する位置には、UOE鋼管Sの溶接ビードが研削された溶接ビード研削部22b(図2(b)参照)を含む管端部22の内周面の位置を検出する内周用の第1変位計10bが設置されている。外周用及び内周用の第1変位計10a、10bのそれぞれは、レーザ式変位計や、先端にUOE鋼管Sの内外面にエアシリンダなどにより押し付け、接触させたときに回転可能なタッチローラを配置した接触式の変位計が使用される。
また、測定ヘッド9の外周用変位計取付バー12aには、外周側の第1変位計10aからUOE鋼管Sの管軸方向中央側に所定距離L離れた位置に配置された外周側の第2変位計11aが設置されている。外周側の第2変位計11aは、溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部23a(図2(a)参照)を含むUOE鋼管Sの外周面の位置を検出するものである。また、内周用変位計取付バー12bの外周用の第2変位計11aと対向する位置には、溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部23b(図2(b)参照)を含むUOE鋼管Sの内周面の位置を検出する内周側の第2変位計11bが設置されている。外周用及び内周用の第2変位計11a、11bのそれぞれも、レーザ式変位計や、先端にUOE鋼管Sの内外面にエアシリンダなどにより押し付け、接触させたときに回転可能なタッチローラを配置した接触式の変位計が使用される。
なお、一対の第1変位計10a、10bと一対の第2変位計11a、11bとの間の所定距離Lは、250mm〜500mmとなるように設定される。
また、回転角度検出器6は、回転機構5の基台部5aに取り付けられ、回転機構5の回転軸5cの回転角度を検出することで測定アーム7の回転角度を検出する。
また、制御部13は、測定台車2の走行モータ(図示せず)に接続され、測定台車2の移動動作を制御する。また、制御部13は、回転機構5の駆動モータ5bに接続されて、回転機構5の回転軸5cの回転動作を制御し、回転機構昇降機構4のモータ4dに接続されて、回転機構5の昇降動作を制御し、更に、径方向移動機構8のモータ8cに接続されて、測定ヘッド9の径方向移動動作を制御する。制御部13は、図示しない入力部及び上位コンピュータに接続され、演算処理機能を有するコンピュータによって構成される。
更に、演算部14は、一対の第1変位計10a、10b、一対の第2変位計11a、11b、及び回転角度検出器6に接続され、これら一対の第1変位計10a、10b、一対の第2変位計11a、11b、及び回転角度検出器6から得られた情報に基づいて、前述したUOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法を算出する。演算部14は、演算処理機能を有するコンピュータによって構成される。
ここで、演算部14は、第1算出部14aと、第2算出部14bとを備えている。
第1算出部14aは、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした回転軸5cの回転角度データと、一対の第1変位計10a、10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22の外周面及び内周面の形状を算出する。ここで、管端部22の外周面及び内周面の形状は、UOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした管端部22の外周面の外面半径及び管端部22の内周面の内面半径である。
また、第2算出部14bは、一対の第2変位計11a、11bから得られる溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方の位置データと、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの所定位置を基準とした回転軸5cの回転角度データとに基づいて、UOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。
そして、第2算出部14bは、特定された溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置データと、第1算出部14aで算出された管端部22の外周面及び内周面の形状とに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を算出する。ここで、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法は、前述したように、溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さを測定するものである。これら値の算出の詳細については後述する。
そして、演算部14には、プリンタなどの出力装置で構成される出力部15が接続されている。演算部14の算出結果が出力部15に出力される。
次に、図1に示すUOE鋼管Sの溶接部21の形状寸法測定装置1を用いて、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を算出する方法について説明する。
先ず、UOE鋼管Sがチェーンコンベア(図示せず)によって搬入され、所定の位置で停止する。
次いで、作業者が図示しない入力部より形状寸法測定装置1の制御部13に測定スタートの信号を入力すると、制御部13は、図示しない上位コンピュータよりUOE鋼管Sの公称外径寸法値に基づいた高さ情報を取得する。そして、制御部は、このUOE鋼管Sの公称外径寸法値に基づいた高さ情報より、回転機構昇降機構4のモータ4dを制御して回転軸5cの中心軸線C2がUOE鋼管Sの中心軸線C1の近傍に位置するように回転機構5の昇降動作を制御し回転軸5cの高さ調整を行う。このとき、制御部13は、回転機構5の駆動モータ5bを制御して回転機構5の回転軸5cの回転動作を制御し、測定アーム7がUOE鋼管Sの円周方向において頂点と一致するように位置制御する。
そして、形状寸法測定装置1の制御部13は、UOE鋼管Sの公称外径寸法値及び公称管厚値を上位コンピュータから取得し、当該公称外径寸法値及び公称管厚値より、径方向移動機構8のモータ8cを制御して、一対の第1変位計10a、10b間及び一対の第2変位計11a、11b間の中心線C3がUOE鋼管Sの頂点位置における管厚中心値と同程度の高さとなるように、測定ヘッド9の径方向移動動作を制御し、測定ヘッド9の径方向位置を調整する。このとき、一対の第1変位計10a、10b及び一対の第2変位計11a、11bは、UOE鋼管Sの円周方向の頂点に対応した位置に位置する。
続いて、制御部13は、UOE鋼管Sの位置情報に基づいて、測定台車2の図示しない走行モータを制御して測定台車2を走行レール3上をUOE鋼管Sに向かって移動させて、一対の第1変位計10a、10bがUOE鋼管Sの管端面24から30mm以内の位置に停止させる。このとき、一対の第2変位計11a、11bは、一対の第1変位計10a、10bからUOE鋼管Sの管軸方向中央側へ所定距離L(250mm〜500mm程度)のところで停止する。
次いで、この状態で、制御部13は、回転機構5の駆動モータ5bを制御して、測定アーム7及び測定ヘッド9が回転軸5cの中心軸線C2を中心に360度回転させる。この際に、演算部14の第1算出部14aは、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準とした回転軸5c(測定アーム7)の回転角度データと、一対の第1変位計10a、10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置を)を基準とした管端部22の外周面及び内周面の形状を算出する。
具体的に述べると、演算部14の第1算出部14aは、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準(起点)とした測定アーム7の微小単位回転角度毎に、一対の第1変位計10a、10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の外周面及び内周面の位置データと測定アーム7の回転中心(回転軸5cの中心軸線C2、UOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ同一の軸心)の位置データとから管端部22の外周面の外面半径と内周面の内面半径とを算出する。
また、演算部14の第2算出部14bは、測定アーム7及び測定ヘッド9が回転軸5cの中心軸線C2を中心に360度回転した際に、一対の第2変位計11a、11bから得られる溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方の位置データと、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準とした回転軸5c(測定アーム7)の回転角度データとに基づいて、UOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。
具体的に述べると、演算部14の第2算出部14bは、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準(起点)とした測定アーム7の微小単位回転角度毎に、一対の第2変位計11a、11bから得られる溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方の位置データと測定アーム7の回転中心(回転軸5cの中心軸線C2、UOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ同一の軸心)の位置データとからUOE鋼管Sの外周面の外面半径と内周面の内面半径とを算出する。そして、演算部14の第2算出部14bは、全周にわたって算出されたUOE鋼管Sの外面半径と内面半径とから各々後述する演算手法により、外面及び内面の溶接ビード非研削部23a、23bの中央位置及び左右両側の余盛端部の位置を特定する。
更に、演算部14の第2算出部14bは、特定された溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置データと、第1算出部14aで算出されたUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置を)を基準とした管端部22の外周面及び内周面の形状とに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を算出する。
具体的に述べると、演算部14の第2算出部14bは、特定されたUOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の母材部との境界位置とみなす。そして、演算部14の第2算出部14bは、このUOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の両側の境界位置データを、前述の第1算出部14aで算出されたUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準とした管端部22の内周面及び外周面の形状にあてはめ、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を算出する。
そして、演算部14の第2算出部14bで算出されたUOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法は、出力部15に出力される。
このように、本実施形態に係る溶接管の溶接部21の形状寸法測定装置1によれば、UOE鋼管S(被測定溶接管)の溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定することで、溶接ビードが研削され、溶接部と母材部の境界が不明瞭な溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の円周方向両側の余盛端部の位置を正確に特定でき、これにより、溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を測定することができる。
そして、かかる形状寸法の測定に際し、前述したように、UOE鋼管Sが所定の位置で停止した後、作業者が制御部13に測定スタートの信号を入力するだけで、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を、全自動で高精度に測定することができる。
次に、演算部14の第2算出部14bが、外面及び内面の溶接ビード非研削部23a、23bの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する演算手法について、図3(a),(b)を参照して説明する。図3(a),(b)には、溶接ビード非研削部23aを含むUOE鋼管Sの外周面の位置を検出する第2変位計11aのみを設けた場合の外面の溶接ビード非研削部23aの中央位置及び左右両側の余盛端部の位置を特定する方法が示されている。内面の溶接ビード非研削部23bを含むUOE鋼管Sの内周面の位置を検出する第2変位計11bによって内面の溶接ビード非研削部23bの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する方法については、第2変位計11aによって外面の溶接ビード非研削部23aの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する方法と同一であるため、その説明は省略する。
図3(a)はUOE鋼管Sの頂点上に第2変位計11aが位置するときの回転角度を0度として360度回転させたときの回転角度検出器6から得られる回転軸5c(測定アーム7)の回転角度と、第2変位計11aが各回転角度位置にあったときの第2変位計11aから得られる溶接ビード非研削部23aを含むUOE鋼管Sの外周面の位置と測定アーム7の回転中心(回転軸5cの中心軸線C2)との間の距離を演算することで得られるUOE鋼管Sの外面半径との関係を示すグラフであり、合計2000点のデータをグラフ化したものであり、図3(b)はUOE鋼管Sの頂点上に第2変位計11aが位置するときの回転角度を0度として360度回転させたときの回転角度検出器6から得られる回転軸5c(測定アーム7)の回転角度と、前述の各回転角度における外面半径から51個移動平均を減算した値との関係を示すグラフである。
ここで、図3(a)を参照すると、外面半径が小さいところで299.6mm(回転角度が130度近傍)、大きいところで307.9mm(回転角度が290度近傍)と、サインカーブ状の大きなうねりを生じている。この理由は、測定アーム7の回転中心となる回転軸5cの中心軸線C2がUOE鋼管Sの中心軸線C1に対してずれているためである。
図3(a)において、回転角度が45度近傍に位置した矢印で示した突起状のものが溶接部に相当するが、このままでは前述のサインカーブ状のうねりのため、溶接部の位置(回転角度)が特定できない。
このため、図3(b)に示すように、図3(a)からサインカーブ状のうねりを除去する処理を行う。具体的に述べると、図3(b)において、横軸には図3(a)と同様にUOE鋼管Sの頂点上に第2変位計11aが位置するときの回転角度を0度として360度回転させたときの回転角度検出器6から得られる回転軸5c(測定アーム7)の回転角度を示す。また、図3(b)における縦軸には、全2000点のデータについて、着目した回転角度データにおける外面半径から、着目した回転角度データの前後の25個ずつと着目した回転角度データを含む51個のデータの外面半径の平均値を減算し、これをプロットした各回転角度における外面半径から51個移動平均を減算した値が示されている。
図3(b)を参照すると、縦軸がピーク値となる45度の角度を挟んで左右の負側のピーク値となる回転角度41度及び49度が、溶接ビード非研削部23aの円周方向両側の余盛端部の位置(角度データ)として、容易に演算から求めることができる。この両者の中間である45度(=(41度+49度)/2)が溶接ビード非研削部23aの中央位置である。
演算部14の第2算出部14bは、以上の演算を行って外面の溶接ビード非研削部23aの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。そして、演算部14の第2算出部14bは、同様の演算を行って第2変位計11bによって内面の溶接ビード非研削部23aの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。
なお、第2変位計11a、11bは、溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方を測定するように一対設けられているが、外面の溶接ビード非研削部23aの円周方向両側の余盛端部の位置と内面の溶接ビード非研削部23bの円周方向両側の余盛端部の位置とが、僅かにでもずれ量を生じた場合を無視すれば、溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を一つ設けてもよい。
そして、演算部14の第2算出部14bは、特定されたUOE鋼管Sの円周方向における溶接ビード非研削部23aあるいは23bの中央位置、円周方向両側の余盛端部の位置データを、第1算出部14aで算出されたUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置を)を基準とした管端部22の内周面及び外周面の形状に当てはめ、これに基いて、管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法を算出する。
なお、第2変位計11a,11bが、一対設けられて、溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方の位置を検出し、演算部14の第2算出部14bが、これら一対の第2変位計11a,11bから得られる溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方の位置データを用いてUOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定する方が望ましい。外面の溶接ビード非研削部23a及び内面の溶接ビード非研削部23bの円周方向両側の余盛端部の位置が、僅かではあるが異なる場合があり、この場合、個別に余盛端部の位置を演算した方がより精度の高い溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法の測定が可能になるからである。
ここで、第1変位計10a、10bと第2変位計11a、11bにおけるUOE鋼管Sの管軸方向の測定位置は、それらの設置間隔(所定距離)Lが250mm〜500mmと近傍であるため、UOE鋼管Sの曲りや捩れによる溶接ビード研削部22a、22bの円周方向の位置ずれは微量であり、溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定することで、溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の溶接ビード研削部22a,22bの円周方向両側の余盛端部の位置を高精度に特定することができる。
また、第2変位計11a、11bを無しとして第1変位計10a、10bのみで、測定台車2をUOE鋼管Sの管軸方向の測定位置をずらすことで、溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の内外周の形状と溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの内外周の形状とを2回測定すれば、変位計の数が少なくて済む分、安価になる。しかし、その分、測定時間を要するので、双方の変位計を配置する必要がある。
次に、演算部14の第2算出部14bによる、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法の算出の具体的手法について、図4乃至図8を参照しつ説明する。
(1)管端部の外周面及び内周面の形状の算出
先ず、前述したように、演算部14の第1算出部14aは、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準(起点)とした測定アーム7の微小単位回転角度毎に、一対の第1変位計10a、10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の外周面及び内周面の位置データと測定アーム7の回転中心(回転軸5cの中心軸線C2、UOE鋼管Sの中心軸線C1とほぼ同一の軸心)の位置データとから管端部22の外周面の外面半径と内周面の内面半径とを算出する。
ここで、先ず、管端部22の外面の外面半径について説明すると、第1変位計10aを360度回転させたときに得られる外周面データ列(第1変位計10aから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22aを含む管端部22の外周面の位置データ)を円の方程式に当てはめ、最小二乗法を用いて円の中心、即ちUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22aを含む管端部22の外面プロフィールの中心点PC(図4参照)を求める。
そして、この中心点PCから外周面データ列までの距離を外周面半径データ列(角度、外周面半径)として変換し、管端部22の外周面の外面半径とする。
これと同一の演算を、管端部22の内面の内面半径についても行い、第1変位計10bを360度回転させたときに得られる内周面データ列(第1変位計10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22bを含む管端部22の内周面の位置データ)を円の方程式に当てはめ、最小二乗法を用いて円の中心、即ちUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22bを含む管端部22の内面プロフィールの中心点PC’(図4参照)を求める。
そして、この中心点PC’から内周面データ列までの距離を内周面半径データ列(角度、内周面半径)として変換し、管端部22の内周面の内面半径とする。
(2)余盛端部の位置の特定及び特定された余盛端部の位置の管端部の内周面及び外周面の形状への当てはめ
次いで、演算部14の第2算出部14bは、全周にわたって算出されたUOE鋼管Sの外面半径と内面半径とから前述の演算手法により、外面及び内面の溶接ビード非研削部23a、23bの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。
そして、演算部14の第2算出部14bは、特定されたUOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の母材部との境界位置とみなし、このUOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の両側の境界位置データを、第1算出部14aで算出されたUOE鋼管Sの管端部22における所定位置(UOE鋼管Sの円周方向における頂点の位置)を基準とした管端部22の内周面及び外周面の形状にあてはめる。
ここでは、前述の変換後の外周面半径データ列(角度、外周面半径)において、第2算出部14bの演算によって特定された外面の溶接ビード非研削部23aの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置より、どのデータが外面の溶接ビード研削部22aの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置であるかを記憶させておく。
また、同様に、前述の変換後の内周面半径データ列(角度、内周面半径)において、第2算出部14bの演算によって特定された内面の溶接ビード非研削部23bの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置より、どのデータが内面の溶接ビード研削部22bの中央位置及び円周方向両側の余盛端部の位置であるかを記憶させておく。
(3)溶接ビード研削部位置の回転移動処理
次いで、便宜的に、前述で記憶しておいた外面の溶接ビード研削部22aの中央位置が直上位置、すなわち0°となるように、前述の管端部22の外面プロフィールの中心点PCを回転中心軸として回転移動する。また、前述で記憶しておいた内面の溶接ビード研削部22bの中央位置が0°となるように、前述の管端部22の内面プロフィールの中心点PC’を回転中心軸として回転移動する。
このときの、管端部22における溶接部21近傍の外面プロフィールの模式図を図4に示す。図4において実線で示した曲線は外面プロフィール、破線で示した曲線は内面プロフィールである。また、黒点で示したBL,BRは、UOE鋼管Sの管端部22の外面における溶接部21の円周方向両側の母材部との境界位置(外面の溶接ビード研削部22aの円周方向両側の余盛端部の位置)、BCは溶接部21の中央位置であり、BL−BC間水平方向距離とBC−BR間水平方向距離とは等しい。同様に、黒点で示したBL’,BR’は、UOE鋼管Sの管端部22の内面における溶接部21の円周方向両側の母材部との境界位置(内面の溶接ビード研削部22bの円周方向両側の余盛端部の位置)、BC’は溶接部21の中央位置であり、BL’−BC’間水平方向距離とBC’−BR’間水平方向距離とは等しい。また、図4の一点鎖線で示される中心線C4は、溶接部21の中央位置BCを通過して真下に延びる直線を示したもので、この直線上に、前述したUOE鋼管Sの管端部22における外面プロフィールの中心点PCが位置することになる。また、同様に、この直線上に、前述したUOE鋼管Sの管端部22における内面プロフィールの中心点PC’ が位置することになる。
(4)UOE鋼管の管端部おける溶接ビード研削部の溶接部21の形状寸法の算出
UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法は、溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さを意味する。
A.外面ビード高さ及び内面ビード高さの算出
図5を参照して、外面ビード高さ及び内面ビード高さを算出する方法について説明する。
図5は、図4における溶接部21近傍を拡大したもので、通常、溶接ビード研削部22aの溶接部21は、外面プロフィール及び内面プロフィールより母材部との境界を判定するのが不可能なほど研削されているが、説明のため、余盛形状を有した図としている。
図5において、まず、外面ビード高さの算出について説明すると、外面プロフィール上の溶接ビード研削部22aの溶接部21の母材部との左側境界BLから右側境界BRまでのデータのうち、中心点PC(図4参照)からの距離の最大値(図5の例では、BP−PC間距離を示したr(BP)に相当)を算出する。
図5中の破線で示した左右2つの曲線は、各々、溶接部21の母材部との境界BL及びBRを起点とした、中心点PCを中心とする半径r(BL)、r(BR)の理想円弧である。外面ビード高さは、前述のr(BP)とこれら2つの理想円弧との間の距離の平均値として定義される。即ち、外面ビード高さBHは、次の(1)式で表される。
BH=((r(BP)−r(BL))+(r(BP)−r(BR)))/2
=(2r(BP)−r(BL)−r(BR))/2 ……(1)
従って、(1)式で表される外面ビード高さを算出する。
一方、内面ビード高さの算出について説明すると、内面プロフィール上の溶接ビード研削部22bの溶接部21の母材部との左側境界BL’から右側境界BR’までのデータのうち、中心点PC’(図4参照)からの距離の最小値(図5の例では、BP’−PC’間距離を示したr(BP’)に相当)を算出する。
また、図5中において、内面ビード高さは、前述のr(BP’)と2つの理想円弧r(BL’)、r(BR’)との間の距離の平均値として定義される。即ち、内面ビード高さBH’は、次の(2)式で表される。
BH’=((r(BL’)−r(BP’))+(r(BR’)−r(BP’)))/2
=(r(BL’)+r(BR’)−2r(BP’))/2 ……(2)
従って、(2)式で表される内面ビード高さを算出する。
B.外面オフセット値及び内面オフセット値の算出
外面オフセット値BOは、図6に示すように、外面における溶接部21の左右の母材部との境界BL、BRの鉛直方向座標の差を算出することで求められる。
一方、内面オフセット値BO’は、内面における溶接部21の左右の母材部との境界BL’、BR’の鉛直方向座標の差を算出することで求められる。
C.外面ピーキング値及び内面ピーキング値の算出
外面ピーキング値は、図7に示すように、最初に、溶接部21の中央位置BCを通過する中心線C4より、左右両側に等距離W(例えばW=75mm)だけ離れた外周プロフィール上の点EL及びERを検索し、各々の点における中心点PC(図4参照)からの距離r(EL)、r(ER)を求める。
続いて、溶接部21の左右の母材部との境界BL、BRの中心点PCからの距離r(BL)、r(BR)から各々r(EL)、r(ER)を減算することで、左側外面ピーキングPL及び右側外面ピーキングPRを求め、例えば、PL、PRのうち、絶対値の大きい方の値を外面ピーキング値Pとする。
一方、内面ピーキング値は、図7に示すように、最初に、溶接部21の中央位置BC’を通過する中心線C4より、左右両側に等距離だけ離れた内周プロフィール上の点EL’及びER’を検索し、各々の点における中心点PC’(図4参照)からの距離r(EL’)、r(ER’)を求める。
続いて、溶接部21の左右の母材部との境界BL’、BR’の中心点PC’からの距離r(BL’)、r(BR’)から各々距離r(EL’)、r(ER’)を減算することで、左側内面ピーキングPL’及び右側内面ピーキングPR’を求め、例えば、PL’、PR’のうち、絶対値の大きい方の値を内面ピーキング値P’とする。
このようにすることにより、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法、即ち溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さを算出することができる。
(第2実施形態)
図8には、本発明の第2実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置の概略が示されている。
図8に示す第2実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置1は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る形状寸法測定装置1と同様あるが、演算部14の構成が相違している。
即ち、第2実施形態に係る形状寸法測定装置1の演算部14は、第1算出部14aと、判定部14cと、第2算出部14bとを備えている。
ここで、第1算出部14aは、第1実施形態に係る形状寸法測定装置1の演算部14の第1算出部14aと同様に、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした回転軸5cの回転角度データと、一対の第1変位計10a、10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22の外周面及び内周面の形状を算出する。ここで、管端部22の外周面及び内周面の形状は、前述と同様に、UOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした管端部22の外周面の外面半径及び管端部22の内周面の内面半径である。
また、判定部14cは、第1算出部14aで算出された管端部22の外周面及び内周面の形状に基いて、溶接ビード研削部22a,22bの円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能か否かを判定する。
これは、溶接ビード研削部22a,22bにおける溶接部の研削が例えば不十分で、母材部との境界が鮮明な場合に有効であり、この判定部14cによって、溶接ビード研削部22a,22bの円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能と判定された場合、後述するように、第2算出部14bで第2変位計11a,11bからの情報を用いることなく溶接ビード研削部22a,22bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定できる。
具体的に説明すると、図3で説明した演算を、管端部22における溶接ビード研削部22aを含む外面プロフィールデータに対して行い、このときに図3(b)に示す差分波形の2つの負側ピーク値(41°位置と49°位置)と比較する閾値(例えば、図3(b)において、−0.3)を設ける。そして、この閾値の絶対値と、2つの負側ピーク値(41°位置と49°位置)の絶対値とを比較し、2つの負側ピーク値(41°位置と49°位置)の絶対値が閾値の絶対値よりも大きい場合には、判定部14cは、外面の溶接ビード研削部22aの円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能と判定する。この判定原理は、内面の溶接ビード研削部22bの円周方向両側の余盛端部の位置の特定についても同様である。
そして、第2算出部14bは、判定部14cによって溶接ビード研削部22a,22bの円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能と判定されたとき、外面及び内面の溶接ビード研削部22a、22bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された溶接ビード研削部22a、22bの円周方向両側の余盛端部の位置データと、第1算出部14aで算出された管端部22の外周面及び内周面の形状とに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部の形状寸法を算出する。
また、第2算出部14bは、判定部14cによって溶接ビード研削部22a、22bの円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能でないと判断されたとき、溶接ビード研削部22a、22bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定することなく、第1実施形態に係る第2算出部14bと同様に、第2変位計11a、11bから得られる溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の位置データと、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした回転軸5c(測定アーム7)の回転角度データとに基づいて、UOE鋼管Sの溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定するとともに、特定された溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置データと、第1算出部14aで算出された管端部22の外周面及び内周面の形状とに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法を算出する。
そして、第2算出部14bの算出結果は、出力部15に出力される。
この第2実施形態に係る溶接管の溶接部21の形状寸法測定装置1によれば、UOE鋼管S(被測定溶接管)の溶接ビード研削部22a、22bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定可能な場合には、溶接ビード研削部22a、22bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定不可能な場合には、溶接ビード非研削部23a、23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定することで、溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の円周方向両側の余盛端部の位置を正確に特定し、これにより、溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を測定することができる。
そして、かかる形状寸法の測定に際し、第1実施形態に係る形状寸法測定装置1と同様に、UOE鋼管Sが所定の位置で停止した後、作業者が制御部13に測定スタートの信号を入力するだけで、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を、全自動で高精度に測定することができる。
なお、第2変位計11a、11bは、溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の双方を測定するように一対設けられているが、外面の溶接ビード非研削部23aの円周方向両側の余盛端部の位置と内面の溶接ビード非研削部23bの円周方向両側の余盛端部の位置とが、僅かにでもずれ量を生じた場合を無視すれば、溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を一つ設けてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る溶接管の溶接部の形状寸法測定装置について図9を参照して説明する。
図9に示す溶接管の溶接部の形状寸法測定装置101は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る形状寸法測定装置1と同様であるが、図1に示す第1実施形態に係る形状寸法測定装置1と異なり、測定ヘッド9には、一対の第2変位計11a、11bが取り付けられておらず、溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの内周面の位置を検出する第2変位計103が取付バー102によって回転機構5の回転板5dに取り付けられている点で相違している。
ここで、第2変位計103は、回転板5dに取り付けられた取付バー102の先端に配置され、第2変位計103と第1変位計10bとの間の距離Lは、250mm〜500mmとなるように設定されている。
そして、演算部14は、第1算出部14aと、第2算出部14bとを備えている。
第1算出部14aは、第1実施形態に係る形状寸法測定装置1の演算部14の第1算出部14aと同様に、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした回転軸5c(測定アーム7)の回転角度データと、一対の第1変位計10a、10bから得られるUOE鋼管Sの溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22の外周面及び内周面の形状を算出する。ここで、管端部22の外周面及び内周面の形状は、前述と同様に、UOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした管端部22の外周面の外面半径及び管端部22の内周面の内面半径である。
また、第2算出部14bは、第1実施形態に係る形状寸法測定装置1の演算部14の第2算出部14bと異なり、第2変位計103から得られる溶接ビード非研削部23a、23bを含むUOE鋼管Sの内周面の位置データと、回転角度検出器6から得られるUOE鋼管Sの管端部22における所定位置を基準とした回転軸5cの回転角度データとに基づいて、UOE鋼管Sの内面のみの溶接ビード非研削部23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定する。
また、第2算出部14bは、特定された内面のみの溶接ビード非研削部23bの円周方向両側の余盛端部の位置データと、第1算出部14aで算出された管端部22の外周面及び内周面の形状とに基づいて、UOE鋼管Sの管端部22における外面及び内面の溶接ビード研削部22a、22bの溶接部21の形状寸法を算出する。
この第3実施形態に係る溶接管の溶接部21の形状寸法測定装置1によれば、UOE鋼管S(被測定溶接管)の内面のみの溶接ビード非研削部23bの円周方向両側の余盛端部の位置を特定することで、溶接ビードが研削され、溶接部と母材部の境界が不明瞭な外面及び内面の溶接ビード研削部22a,22bを含む管端部22の溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の円周方向両側の余盛端部の位置を正確に特定でき、これにより、溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を測定することができる。
そして、かかる形状寸法の測定に際し、前述したように、UOE鋼管Sが所定の位置で停止した後、作業者が制御部13に測定スタートの信号を入力するだけで、UOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a,22bの溶接部21の形状寸法を、全自動で高精度に測定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、本発明の形状寸法測定装置1によって測定されるUOE鋼管Sの管端部22における溶接ビード研削部22a、22bの溶接部の形状寸法は、外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さの全てを測定する場合に限らず、外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、及び内面ビード高さのうちいずれか一つを測定する場合であっても、任意の2つ以上の組み合わせを測定する場合であってもよい。
1 形状寸法測定装置
2 測定台車
3 走行レール
4 回転機構昇降機構
4a 起立部
4b ボールねじ軸
4c ナット部材
4d モータ
5 回転機構
5a 基台部
5b 駆動モータ
5c 回転軸
5d 回転板
6 回転角度検出器
7 測定アーム
8 径方向移動機構
8a ボールねじ軸
8b ナット部材
8c モータ
9 測定ヘッド
10a,10b 第1変位計
11a,11b 第2変位計
12a 外周用変位計取付バー
12b 内周用変位計取付バー
13 制御部
14 演算部
14a 第1算出部
14b 第2算出部
14c 判定部
15 出力部
21 溶接部
22 管端部
22a,22b 溶接ビード研削部
23a,23b 溶接ビード非研削部
24 管端面
101 形状寸法測定装置
102 取付バー
103 第2変位計
C1 UOE管の中心軸線
C2 回転軸の中心軸線
C3 一対の第1変位計間及び一対の第2変位計間の中心線
S UOE鋼管(被測定溶接管)

Claims (7)

  1. 被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計及び前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を備えた測定ヘッドと、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、
    前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、前記第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された前記溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する第2算出部とを備えていることを特徴とする溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
  2. 前記第2変位計は、一対設けられて、前記溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の双方の位置を検出し、
    前記第2算出部は、これら一対の第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の双方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
  3. 被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計及び前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置を検出する第2変位計を備えた測定ヘッドと、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、
    前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、該第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状に基いて、前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能か否かを判定する判定部と、該判定部によって前記余盛端部の位置が特定可能と判定されたとき、前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する第2算出部とを備えていることを特徴とする溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
  4. 前記第2算出部は、前記判定部によって前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置が特定可能でないと判断されたとき、前記溶接ビード研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定することなく、前記第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の少なくとも一方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定するとともに、特定された前記溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出することを特徴とする請求項3に記載の溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
  5. 前記第2変位計は、一対設けられて、前記溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の双方の位置を検出し、
    前記第2算出部は、これら一対の第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の外周面及び内周面の双方の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
  6. 被測定溶接管の管軸方向に移動可能な測定台車に昇降自在に取り付けられ、前記被測定溶接管の中心軸線とほぼ同一の軸心を中心に回転可能な回転軸を有する回転機構と、該回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転する測定アームと、該測定アームに対し前記被測定溶接管の径方向に移動自在に取り付けられるとともに、前記被測定溶接管の溶接ビードが研削された溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置を検出する一対の第1変位計を備えた測定ヘッドと、前記回転機構の回転軸に取り付けられて前記回転軸とともに回転し、前記溶接ビードが研削されていない溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の内周面の位置を検出する第2変位計と、前記測定台車の移動動作、前記回転機構の回転軸の回転動作、前記回転機構の昇降動作及び前記測定ヘッドの径方向移動動作を制御する制御部と、前記回転機構の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器と、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出する演算部とを備え、
    前記演算部は、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データと、前記一対の第1変位計から得られる前記被測定溶接管の溶接ビード研削部を含む管端部の外周面及び内周面の位置データとに基づいて、前記被測定溶接管の管端部の外周面及び内周面の形状を算出する第1算出部と、前記第2変位計から得られる溶接ビード非研削部を含む被測定溶接管の内周面の位置データと、前記回転角度検出器から得られる前記回転軸の回転角度データとに基づいて、前記被測定溶接管の内面のみの溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置を特定し、特定された内面のみの前記溶接ビード非研削部の円周方向両側の余盛端部の位置データと、前記第1算出部で算出された前記管端部の外周面及び内周面の形状とに基づいて、前記被測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法を算出することを特徴とする溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
  7. 前記測定溶接管の管端部における溶接ビード研削部の溶接部の形状寸法は、外面ピーキング値、外面オフセット値、外面ビード高さ、内面ピーキング値、内面オフセット値、内面ビード高さのうちいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の溶接管の溶接部の形状寸法測定装置。
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