JP2019094416A - 固形筆記体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナーや印刷インキで形成された印字上に筆記した際に印字面を汚すことなく、筆記性、筆記感、および経時安定性に優れる固形筆記体を提供すること。【解決手段】着色剤と、沸点200℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルと、ジアルキルアルカノイルグルタミドとを少なくとも含んでなる固形筆記体とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、固形筆記体に関するものである。さらに詳しくは、トナーや印刷インキで形成された印字面を汚すことなく、筆記性、筆記感、および経時安定性に優れる固形筆記体に関する。
従来からクレヨン、パステル等の固形筆記体が知られ、扱いが簡便であることから幼児から大人まで幅広い年齢層に利用されている。これらの固形筆記体は、着色剤とワックス、ゲル化剤等の賦形剤の他、溶剤や体質材(体質顔料)を含むことによって、筆記の際、固形筆記体が容易に折損せずに滑らかな筆記感や色鮮やかな筆跡を得ることを可能にしている。(特許文献1〜3)
特許文献1には、着色剤と、ワックスと、オイルと、体質顔料として水酸化マグネシウム系複合金属水酸化物とを含有する固形描画剤が記載されている。この固形描画剤(固形筆記体)は、高い安全性とともに、筆跡の発色性、強度および筆記時の滑り性が良好とされたものである。
しかしながら、特許文献1の固形筆記体を用いてトナーで形成された印字上に筆記した際、筆跡に含まれるオイルにトナーが溶出し、溶出したトナーが筆跡の擦過等によって紙面上に広がり、紙面を汚してしまうことがあった。
一方、特許文献2には、着色剤と、特定の有機溶剤と、ゲル化剤と、樹脂成分とを含有するクレヨンが記載されている。この固形筆記体は、高い安全性とともに、優れた筆記面への付着性と筆記性、および良好なキャップオフ性能を並立させたものである。
この従来技術は、筆記の際に印字が溶出して紙面を汚すことを抑制可能にしている。しかしながら、揮発性の有機溶剤を用いているため、長期間放置した際に固形筆記体から有機溶剤が揮散して筆記体が収縮、変形し、筆記性や筆記感が低下してしまうことがあった。
また、特許文献3には、顔料と、ゲル化形成剤と、水溶性有機溶剤及び水とを含む固形描画剤が記載されている。この固形筆記体は、筆跡の滲みが少ない固形筆記体としたものであり、この従来技術も、筆記の際に印字が溶出して紙面を汚すことを抑制可能にしている。
特許文献3の固形筆記体は親水性有機溶剤を用いているため、水が蒸発して固形筆記体が収縮変形することをある程度抑制可能としている。しかしながら、高湿度下においては該親水性有機溶剤によって筆記体が吸湿するため、筆記感の悪化や筆記性の低下が生じることがあった。
特許4114795号公報 特開平11−209679号広報 特許4327569号広報
本発明は、上記の従来技術を鑑みてなされたものであり、トナーや印刷インキで形成された印字上に筆記した際に印字が筆跡に溶出して紙面を汚すことが抑制可能であり、長期間保管した場合においても変形や吸湿が生ずることなく、良好な筆記性や筆記感を持続可能な固形筆記体を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するために、
「1.着色剤と、沸点200℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルと、ジアルキルアルカノイルグルタミドとを少なくとも含んでなる固形筆記体。
2.前記沸点200℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが、炭素数4〜8のアルキル基を有する、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルまたはトリエチレングリコールモノアルキルエーテルである第1項記載の固形筆記体。
3.前記ジアルキルアルカノイルグルタミドがジブチルアルカノイルグルタミドである第1項〜第2項のいずれか1項に記載の固形筆記体。
4.ショ糖脂肪酸エステルをさらに含む第3項に記載の固形筆記体。」とする。
本発明によれば、トナーや印刷インキで形成された印字上に筆記した際に印字が筆跡に溶出して紙面を汚すことが抑制可能であり、長期間保管した場合においても変形や吸湿が生ずることなく、良好な筆記性や筆記感を持続可能な固形筆記体が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準である。
本発明による固形筆記体(以下、場合により「筆記体」と表すことがある。)は、着色剤と、沸点200℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルと、ジアルキルアルカノイルグルタミドとを少なくとも含んでなる。以下、本発明による固形筆記体を構成する各成分について説明する。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、従来知られている顔料、染料から任意に選択することができ、好ましく用いることができる。顔料としては、無機顔料として、カーボンブラックや酸化チタン、酸化亜鉛、鉄黒、黄色酸化鉄、弁柄、複合酸化物系顔料等の金属酸化物、および群青などが、また有機顔料としてはアゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、スレン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料などが挙げられ、光沢のある光輝性顔料としては、アルミニウム顔料やガラスフレーク顔料などが挙げられる。
また、該顔料を溶媒に分散させ、顔料分散体としたものを用いることも可能である。本発明に用いられる顔料分散体としては、例えば、SPシリーズ(冨士色素株式会社製)、SANDYESUPERCOLOURシリーズ(山陽色素株式会社製)、EMACOLシリーズ(山陽色素株式会社製)、ルミコールシリーズ(日本蛍光化学株式会社製)MICROPIGMOシリーズ、(オリヱント化学工業株式会社製)、WAシリーズ(大日精化工業株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記顔料は、顔料表面が酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、および酸化ジルコニウムなどの金属酸化物、二酸化ケイ素などの無機酸化物、および脂肪酸などで被覆処理されたものであってもよい。
染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、反応染料、バット染料、硫化染料、含金染料、カチオン染料、分散染料が挙げられる。
上記の中では、本発明に用いられる着色剤は染料であることが好ましい。
これは、本発明に染料を用いた場合、染料はアルキレングリコールモノアルキルエーテルに溶解して固形筆記体に含まれることに対し、顔料を用いた場合、顔料は溶解せずに粒子となって固形筆記体に含まれため、染料の方が後述するジアルキルアルカノイルグルタミドによる筆記体の構造骨格形成を阻害しにくく、高い強度を有する固形筆記体が得られやすいためである。
本発明における着色剤の含有量は、インキ組成物全量に対して0.1〜40質量%とすることが好ましく、1〜30質量%とすることがより好ましい。着色剤の含有量を上記範囲内とした場合、良好な発色性を有する筆跡を形成することが可能である。
(アルキレングリコールモノアルキルエーテル)
本発明の固形筆記体は沸点が200℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが含まれる。この物質はトナーや印刷インキで形成された印字を溶解しにくい油剤であり、印字上に筆記した際に印字が筆跡に溶出することを抑制可能とするものである。さらにこの油剤は常温で揮発しにくく、低い吸湿性を有するため、筆記体を長期間放置した際、筆記体に曲り、収縮、および膨張等の変形が生じることや筆記体の吸湿が抑制され、本発明の筆記体が有する優れた筆記性や筆記感が持続可能となるのである。
上記油剤は筆記体中に液体として存在し、筆記の際に潤滑剤として作用するため、本発明の固形筆記体に良好な筆記感をもたらすものでもある。
本発明に用いられるアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、200℃以上の沸点を有する下記化学式(1)に示す物質であり、アルキル基は直鎖状でも分岐したものであっても良い。
R−O−(C2XO)H・・・(1)
ここで、Rはアルキル基であり、X、Yは2以上の整数を示す。
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルの中でも、本発明に好ましい物質としては、化学式(1)のRが炭素数2〜10を有するアルキル基であり、かつXが2〜3、およびYが2〜4を満たすものである。アルキル基は直鎖状でも良く、分岐していても良い。
前記条件を満たす具体的なアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノノニルエーテル、ジエチレングリコールモノデカニルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノノニルエーテル、トリエチレングリコールモノデカニルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノペンチルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘプチルエーテル、テトラエチレングリコールモノオクチルエーテル、テトラエチレングリコールモノノニルエーテル、テトラエチレングリコールモノデカニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、ジプロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノニルエーテル、ジプロピレングリコールモノデカニルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノニルエーテル、トリプロピレングリコールモノデカニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノペンチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノオクチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノノニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノデカニルエーテルが挙げられ、1種あるいは2種以上を用いることが可能である。
印字の溶出抑制性や潤滑性をより考慮すれば、前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルの中でもより好ましい物質は、Rが炭素数4〜8を有するアルキル基であり、かつXが2、およびYが2または3を満たすものであり、特に好ましくはジエチレングリコールモノオクチルエーテルであり、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルが最も好ましい。
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルは、印字の溶出抑制に優れ、良好な潤滑性を有するため、筆記面の汚染抑制や筆記感に優れた筆記体とすることが容易となる。
本発明の筆記体におけるアルキレングリコールモノアルキルエーテルの含有量は、筆記体全量に対して10〜90質量%とすることが好ましく、30〜80質量%とすることがより好ましく、50〜70質量%とすることが特に好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルの含有量を上記数値範囲内とすると、筆記感に優れる固形筆記体とすることが容易となる。
(ジアルキルアルカノイルグルタミド)
本発明の固形筆記体には、ジアルキルアルカノイルグルタミドが必須である。本発明の固形筆記体においてジアルキルアルカノイルグルタミドは構造骨格を形成し、賦形剤となる物質であり、筆記体は、ジアルキルアルカノイルグルタミド同士が結合することによって形成する緻密な網目状のネットワークを骨格とし、着色剤や前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルをその網目の中に含んだ構造を有している。
ジアルキルアルカノイルグルタミドは下記化学式(2)に示す物質である。
Figure 2019094416
ここで、R1、、Rはアルキル基を示し、RCO−はアルカノイル基を示す。
前記構造を有する筆記体は、筆記の際に損壊しにくい筆記体強度とした場合においても、被筆記面との摩擦によって摩擦面の構造が容易に崩れて油剤や着色剤を放出することができるため、良好な発色性を奏する筆跡を形成可能な、優れた筆記性を奏することが可能であるとともに、滑らかな筆記感が得られるのである。
この滑らかな筆記感は、前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルの有する潤滑効果が加わることによってさらに向上するので、本発明の固形筆記体は非常に優れた筆記感を得られるのである。
本発明の固形筆記体に含まれるジアルキルアルカノイルグルタミドは、上述の、着色剤やアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含んだ構造を形成する物質であれば特に限りはないが、好ましくは、下記化学式(3)に示すジブチルアルカノイルグルタミドである。
Figure 2019094416
ここで、Rはアルキル基を示し、RCO−はアルカノイル基を示している。
前記ジアルキルアルカノイルグルタミドを用いることによって、良好な発色性を有する筆跡を形成できるとともに優れた筆記感を奏する筆記体とすることが容易となる。これらの筆跡形成性や筆記感をより考慮すれば、本発明により好ましくは、アルカノイル基の炭素数が8〜12であるジブチルアルカノイルグルタミドである。
前記ジブチルアルカノイルグルタミドの具体例としては、ジブチルオクタノイルグルタミド、ジブチルノナノイルグルタミド、ジブチルデカノイルグルタミド、ジブチルウンデカノイルグルタミド、ジブチルラウロイルグルタミドを挙げることができ、アルカノイル基に含まれる炭素鎖は直鎖であっても良く、分岐していても良い。これらは1種または2種以上を用いることが可能である。
上記ジブチルアルカノイルグルタミドを複数種併用すると筆記体の透明性を高めることができるため、さらに着色剤として染料を用いた場合、色鮮やかな透明な筆記体を得ることができる。
本発明に用いられるジアルキルアルカノイルグルタミドの含有量は、固形筆記体全量に対して1〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることが特に好ましい。含有量を上記数値範囲内とすることで、筆記の際に損壊しにくい強度としながらも、優れた筆記感を奏する筆記体とすることが容易となる。
本発明の固形筆記体は、上述の通り、アルキレングリコールモノアルキルエーテルと、ジアルキルアルカノイルグルタミドとを含むことにより、筆記の際に損壊しにくい芯体強度を有しつつも優れた筆記性や筆記感を奏し、長期保管した際においても吸湿や変形を生じることなく優れた筆記性や筆記感を持続可能な筆記体とすることができるので、これらの物質を組み合わせることが重要である。
(その他)
本発明の固形筆記体は、上記の他、さらにショ糖脂肪酸エステルを含むことができる。
ショ糖脂肪酸エステルは下記化学式(4)に示す、ショ糖と脂肪酸とが縮合することによって生成するエステルであり、ジアルキルアルカノイルグルタミドが形成した骨格に結合して筆記体の強度をより高め、筆記体に応力が加わった際に筆記体が変形、損壊することを抑制するものである。
Figure 2019094416
ここで、Xは−OH、または−OCOR(Rは炭化水素基)を示す。
本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステルは、筆記体の強度を高める効果を有するものであれば限りはなく、ショ糖と縮合する脂肪酸の数や種類が異なる、様々なショ糖脂肪酸エステルを用いることが可能であり、複数種を併用することが可能である。
本発明に好ましいショ糖脂肪酸エステルは11〜16のHLB値を有する物質であり、単一種のショ糖脂肪酸エステルで構成されたものであっても良く、HLB値の異なる複数種のショ糖脂肪酸エステルを混合し、混合物全体のHLB値を上記範囲内としたものであっても良い。
このようなショ糖脂肪酸エステルは、前記ジアルキルアルカノイルグルタミドの構造骨格形成性を阻害することなく、筆記体の強度を高めつつも良好な発色性を奏する筆跡を形成でき、筆記感を維持しやすいため本発明の筆記体に特に適している。
前記HLB値を有するショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、DKエステルF−110、同F−140、同F−160、以上第一工業製薬株式会社製、リョートーシュガーエステルS−1170、同S−1170F、同LWA−1570、同P−1570、同S−1570、同O−1570、同L−1695、同M−1695、同P−1695、同S−1695、以上三菱ケミカルフーズ株式会社、が挙げられる。
本発明の筆記体におけるショ糖脂肪酸エステルの含有量は、筆記体全量に対して0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。特に好ましくは5〜15質量%である。
ショ糖脂肪酸エステルの含有量が上記数値範囲内とすると、筆記体強度と筆記感や筆跡形成性とのバランスを良好としやすい。
本発明の固形筆記体は、必要に応じて上記以外の物質を添加することも可能である。具体的には、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、およびポリグリセリンなどのアルコールまたはグリコール、カオリン、タルク、マイカ、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、セリサイト、およびチタン酸カリウムなどの体質材、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、およびフッ素樹脂などからなる樹脂粒子、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アルキッド樹脂、スルフォアミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢ビ樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレン−アクリロニトリル樹脂、シアネート変性ポリアルキレングリコール、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、尿素アルデヒド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂やその水添化合物、ロジンフェノール樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、シクロヘキサノン系樹脂などの定着剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、およびサポニンなどの防錆剤、尿素、アニオン、カチオン系、ノニオン系、両性等の各種界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂からなる顔料分散剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、およびピロリン酸ナトリウムなどの湿潤剤を挙げることができる。
本発明の固形筆記体は上記物質を含むことによって、筆記体の強度、定着性、被浸透面への筆記性、筆記感等を調整することが可能である。
本発明の固形筆記体の作製方法の一例を以下に示す。加熱下、アルキレングリコールモノアルキルエーテルとジアルキルアルカノイルグルタミドを撹拌し、ジアルキルアルカノイルグルタミドが溶解した後、着色剤を加え、均一に混合させる。その後、混合物を所定の型に流しこみ、室温で放冷する。固化した固形筆記体を取り出すことにより、固形筆記体を得ることができる。
(実施例1)
下記原材料および配合量にて、120℃下で1時間攪拌混合し、所定の型に流し込み、室温に放冷することで固体物(外径10mm)を得た。
・着色剤 OILPINK312 1.0質量%
(染料:オリヱント化学工業株式会社製)
・ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル 79.0質量%
(沸点277℃、商品名:キョーワノールOX−20、KHネオケム株式会社製)
・ジブチルラウロイルグルタミド 20.0質量%
(ジアルキルアルカノイルグルタミド、商品名:GP−1、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)
(実施例2〜11、比較例1〜7)
実施例1に対して、配合する成分の種類や添加量を表1に示したとおりに変更して、実施例2〜11、比較例1〜7の固形物を得た。
上記実施例で使用した材料の詳細は以下の通りである。
・着色剤(1)OILPINK312(染料、オリヱント化学工業株式会社製)
・着色剤(2)シンロイヒカラーSX−117(顔料、シンロイヒ株式会社製)
・アルキレングリコールモノアルキルエーテル(1)
ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(沸点277℃、商品名:キョーワノールOX−20、KHネオケム株式会社製)
・アルキレングリコールモノアルキルエーテル(2)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点271℃、商品名:ブチセノール30、KHネオケム株式会社製)
・アルキレングリコールモノアルキルエーテル(3)
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点260℃、商品名:キョーワノールHX20、KHネオケム株式会社製)
・アルキレングリコールモノアルキルエーテル(4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点231℃、商品名:ブチセノール20、KHネオケム株式会社製)
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点275℃、商品名:ハイソルブMTEM、東邦化学工業株式会社製)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃、商品名:ハイソルブMP、東邦化学工業株式会社製)
・ジアルキルアルカノイルグルタミド(1) ジブチルラウロイルグルタミド(商品名:GP−1、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)
・ジアルキルアルカノイルグルタミド(2) ジブチルエチルヘキシルグルタミド((商品名:EB−21、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)
・ステアリン酸ナトリウム
・1,3:2,4−ビス−O−(4−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール
(商品名:ゲルオールMD−LM30G、新日本理化工業株式会社製)
・パラフィンワックス (商品名:Paraffin−WAX125、日本精蝋株式会社製)
・キャンデリラワックス (商品名:NC−1630、株式会社セラリカNODA製)
・ショ糖脂肪酸エステル(1) ショ糖ステアリン酸エステル(HLB値11、商品名:リョートーシュガーエステルS−1170、三菱ケミカルフーズ)
・ショ糖脂肪酸エステル(2) ショ糖パルミチン酸エステル(HLB値15、商品名:リョートーシュガーエステルP−1570、三菱ケミカルフーズ)
・ショ糖脂肪酸エステル(3) ショ糖ラウリン酸エステル(HLB値16、商品名:リョートーシュガーエステルL−1695、三菱ケミカルフーズ)
Figure 2019094416
調製した固形筆記体について、下記の通り、評価を行った。得られた結果は表2に記載したとおりであった。
(トナーや印刷インキで形成された印字の溶解性)
実施例1〜11、及び比較例1〜7で作製した固形筆記体を用いてトナーで印字された紙面や新聞紙に筆記を行い、筆跡上を指で擦過して印字部の着色剤が印字部分から紙面上に広がるかどうかを目視で確認した。なおトナーで印字された紙面は、コピー用紙(商品名;キャンパスレポート箋A4A罫、コクヨ株式会社製)にトナー(製品名:リサイクルトナー、株式会社パイロットコーポレーション製)で印字した紙を用いた。
A:印字部の着色剤が印字部から広がった形跡は確認されない。
B:印字部の着色剤の一部が印字部から広がった形跡が確認されたが、印字の認識は可能であり、着色剤による紙面の汚れは軽微である。
C:印字部の着色剤が印字部から周囲に広がり、印字の認識が困難である。着色剤による紙面の汚れは顕著である。
(筆跡発色性の評価)
上記固形筆記体により筆記用紙に筆記し、その際の筆跡の発色性を目視により観察した。筆記用紙は上記評価で用いたコピー用紙と同種の紙を用いた。
A:筆跡に色ムラが無く、鮮明である。
B:若干筆跡に色ムラがあるが、実用上問題なし。
C:筆跡に色ムラがあり、濃度が薄い。実用上懸念がある。
(筆記感の評価)
上記固形筆記体により、筆記試験用紙に筆記を行った。手書きによる官能試験を行い評価した。筆記用紙は上記評価で用いたコピー用紙と同種の紙を用いた。
A:非常に滑らか
B:滑らか
C:引っかかりがあり、重い。
(経時安定性)
固形筆記体を40℃、湿度10%RH下に120時間放置し、固形筆記体の形状、筆跡発色性、および筆記感を評価した。筆記用紙は上記評価で用いたコピー用紙と同種の紙を用いた。
A:試験前後で形状、筆跡発色性、および筆記感に差はなく、筆跡発色性および筆記感
は良好である。
B:筆記体が収縮、膨張するなど、形状の変化が確認される。筆跡発色性および筆記感は若干低下したものの、実用上問題ないレベルである。
C:筆記体の形状が著しく変化している。筆跡発色性および筆記感は悪化しており、実用上懸念がある。
試験結果を以下の表2に記す。
Figure 2019094416
比較例4、5は実用上の強度を有していないため評価不能。
比較例7は作製不能により評価不能。

Claims (4)

  1. 着色剤と、沸点200℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルと、ジアルキルアルカノイルグルタミドとを少なくとも含んでなる固形筆記体。
  2. 前記沸点200℃以上のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが、炭素数4〜8のアルキル基を有する、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルまたはトリエチレングリコールモノアルキルエーテルである、請求項1に記載の固形筆記体。
  3. 前記ジアルキルアルカノイルグルタミドがジブチルアルカノイルグルタミドである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の固形筆記体。
  4. ショ糖脂肪酸エステルをさらに含む、請求項3に記載の固形筆記体。
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