以下、空気入りタイヤにおける一実施形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。なお、各図(図7〜図12も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
各図において、第1の方向D1は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1の回転中心であるタイヤ回転軸と平行であるタイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ1の直径方向であるタイヤ径方向D2である。なお、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向である。そして、タイヤ赤道面S1とは、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ1のタイヤ幅方向D1の中心に位置する面であり、タイヤ子午面とは、タイヤ回転軸を含む面で且つタイヤ赤道面S1と直交する面である。
図1に示すように、本実施形態に係るタイヤ1は、ビードを有する一対のビード部11と、各ビード部11からタイヤ径方向D2の外側に延びるサイドウォール部12と、一対のサイドウォール部12のタイヤ径方向D2の外端部に連接され、タイヤ径方向D2の外側表面が路面に接地するトレッド部13とを備えている。本実施形態においては、タイヤ1は、内部に空気が入れられる空気入りタイヤ1であって、リム20に装着される。
また、タイヤ1は、一対のビードの間に架け渡されるカーカス層14と、カーカス層14の内側に配置され、空気圧を保持するために、気体の透過を阻止する機能に優れるインナーライナー層15とを備えている。カーカス層14及びインナーライナー層15は、ビード部11、サイドウォール部12、及びトレッド部13に亘って、タイヤ内周に沿って配置されている。トレッド部13は、路面に接地するトレッド面2aを有するトレッドゴム2と、トレッドゴム2とカーカス層14との間に配置されるベルト層16とを備えている。
本実施形態においては、タイヤ1は、タイヤ赤道面S1に対して非対称となる構造である。例えば、トレッド部13のトレッド面2aに形成されるトレッドパターンは、タイヤ赤道面S1に対して非対称である。
したがって、本実施形態に係るタイヤ1は、車両への装着向きを指定されたタイヤであり、リム20に装着する際に、タイヤ1の左右何れを車両に対面するかを指定したものである。そして、車両への装着の向きは、サイドウォール部12に表示されている。具体的には、サイドウォール部12は、タイヤ外表面に、表示部(図示していない)を有している。
本実施形態においては、車両装着時に内側(各図における左側であって、以下、「車両内側」ともいう)に配置される一方のサイドウォール部12は、車両内側となる旨の表示(例えば、「INSIDE」等)を付されており、また、車両装着時に外側(図1における右側であって、以下、「車両外側」ともいう)に配置される他方のサイドウォール部12は、車両外側となる旨の表示(例えば、「OUTSIDE」等)を付されている。
なお、タイヤ1は、車両への装着向きを指定されていないタイヤであってもよい。例えば、トレッド部13のトレッド面2aに形成されるトレッドパターンは、タイヤ赤道面S1に対して対称(線対称、任意点において点対称)であってもよい。
トレッドゴム2は、タイヤ周方向に延びる複数の主溝3〜5を備えている。主溝3〜5は、タイヤ周方向に連続して延びている。例えば、主溝3〜5は、摩耗するにしたがって露出することで摩耗度合が分かるように、溝を浅くしてある部分、所謂、トレッドウエアインジケータ(図示していない)を備えている。また、例えば、主溝3〜5は、5mm以上の溝幅W3〜W5(図2、図3、及び図5参照)を有している。
複数の主溝3〜5においては、タイヤ幅方向D1の最も外側に配置される一対の主溝3,4は、ショルダー主溝3,4といい、一対のショルダー主溝3,4間に配置される主溝5は、センター主溝5という。また、ショルダー主溝3,4においては、車両外側に配置されるショルダー主溝3は、外側ショルダー主溝3といい、車両内側に配置されるショルダー主溝4は、内側ショルダー主溝4という。
本実施形態においては、主溝3〜5の数は、三つである、という構成であるが、斯かる構成に限られず、例えば、二つ又は四つ以上である、という構成でもよい。即ち、センター主溝5の数は、一つである、という構成であるが、斯かる構成に限られず、例えば、ゼロ又は二つ以上である、という構成でもよい。
トレッドゴム2は、主溝3〜5によって区画される複数の陸部6〜9を備えている。本実施形態においては、主溝3〜5の数は、三つであるため、陸部6〜9の数は、四つである。複数の陸部6〜9においては、ショルダー主溝3,4よりもタイヤ幅方向D1の外側に配置される陸部6,7は、ショルダー陸部6,7という。また、主溝3〜5の間に配置される陸部8,9は、センター陸部8,9という。
ショルダー陸部6,7においては、車両外側に配置されるショルダー陸部6は、外側ショルダー陸部6といい、車両内側に配置されるショルダー陸部7は、内側ショルダー陸部7という。また、センター陸部8,9においては、車両外側に配置されるセンター陸部8は、外側センター陸部8といい、車両内側に配置されるセンター陸部9は、内側センター陸部9という。
陸部6〜9は、複数の陸溝10を備えている。陸溝10は、タイヤ周方向と交差するように延びている。なお、陸溝10は、サイプと呼ばれるような細い凹部も含む。また、陸溝10は、タイヤ周方向に断続的に延びる溝や、タイヤ周方向に沿って連続的に延びて主溝3〜5よりも細い溝も含む。
なお、センター陸部8,9に配置される陸溝10においては、内端部がセンター主溝5に連接し、外端部がショルダー主溝3,4に連接していることが好ましい。これにより、排水性能を向上させることができる。また、ショルダー陸部6,7に配置される陸溝10においては、内端部がショルダー主溝3,4に連接し、外端部が接地端よりもタイヤ幅方向D1の外側に配置されていることが好ましい。これにより、排水性能を向上させることができる。
図2に示すように、センター主溝5は、対面する一対の側壁部51,52と、側壁部51,52よりもタイヤ径方向D2の内側に配置され、一対の側壁部51,52のタイヤ径方向D2の内端部と連接する底壁部53とを備えている。なお、一対の側壁部51,52においては、車両外側に配置される側壁部51は、外側壁部51といい、車両内側に配置される側壁部52は、内側壁部52という。また、図2(以降の図も同様)において、点P1は、側壁部51,52と底壁部53との境界を示している。
側壁部51,52は、平面状に形成される側面51a,52aを備えている。側面51a,52aは、側壁部51,52のタイヤ径方向D2の全域に亘って配置されている。即ち、側面51a,52aは、トレッド面2aから底壁部53まで配置されている。また、底壁部53は、少なくともタイヤ幅方向D1の各端部が曲面状に形成される底面53aを備えている。
図3に示すように、外側ショルダー主溝3は、対面する一対の側壁部31,32と、側壁部31,32よりもタイヤ径方向D2の内側に配置され、一対の側壁部31,32のタイヤ径方向D2の内端部と連接する底壁部33とを備えている。なお、一対の側壁部31,32においては、車両外側に配置される側壁部31は、外側壁部31といい、車両内側に配置される側壁部32は、内側壁部32という。また、底壁部33は、少なくともタイヤ幅方向D1の各端部が曲面状に形成される底面33aを備えている。
側壁部31,32は、側壁部31,32のタイヤ径方向D2の内端を含む第1側面31a,32aと、第1側面31a,32aよりもタイヤ径方向D2の外側に配置される第2側面31b,32bとを備えている。第1側面31a,32aは、平面状に形成されており、第2側面31b,32bは、平面状に形成されている。
なお、図3(以降の図も同様)において、点P2は、側壁部31(32)の側面31a,31b(32a,32b)間の境界を示している。また、第2側面31b,32bは、側壁部31,32のタイヤ径方向D2の外端を含んでいる。即ち、第2側面31b,32bは、トレッド面2aから第1側面31a,32aのタイヤ径方向D2の外端まで配置されている。
ところで、図4に示すように、タイヤ子午面における断面形状において、第2側面31b,32bがタイヤ径方向D2(具体的には、タイヤ赤道面S1と平行な面)と交差する角度θ31b,θ32bは、第1側面31a,32aがタイヤ径方向D2と交差する角度θ31a,θ32aよりも、大きくなっている。これにより、外側ショルダー主溝3は、側壁部31,32のタイヤ径方向D2の外端部に、切欠部34を備えている。
そして、外側ショルダー主溝3の外側壁部31が切欠部34を備えているため、外側ショルダー主溝3に隣接する外側ショルダー陸部6は、ゴム体積を大きくする補強部(図4において、ハッチングで示している)6aを備えている。また、外側ショルダー主溝3の内側壁部32が切欠部34を備えているため、外側ショルダー主溝3に隣接する外側センター陸部8は、ゴム体積を大きくする補強部(図4において、ハッチングで示している)8aを備えている。
これにより、外側ショルダー陸部6の剛性を大きくすることができ、また、外側センター陸部8の剛性を大きくすることができる。したがって、車両外側の陸部6,8の剛性が大きくなるため、コーナリングパワーを向上させることができる。その結果、旋回時の操縦安定性能を向上させることができる。なお、図4における破線は、側壁部が一つの平面状の側面から形成される主溝(具体的には、センター主溝5)の形状を示している。
なお、外側ショルダー主溝3が切欠部34を備えているため、外側ショルダー主溝3の溝幅W3は、トレッド面2aからタイヤ径方向D2の内側に向けて狭くなる。これにより、タイヤ1が摩耗することに伴って、外側ショルダー主溝3の溝幅W3が狭くなる。
図5に示すように、内側ショルダー主溝4は、対面する一対の側壁部41,42と、側壁部41,42よりもタイヤ径方向D2の内側に配置され、一対の側壁部41,42のタイヤ径方向D2の内端部と連接する底壁部43とを備えている。なお、一対の側壁部41,42においては、車両外側に配置される側壁部41は、外側壁部41といい、車両内側に配置される側壁部42は、内側壁部42という。また、底壁部43は、少なくともタイヤ幅方向D1の各端部が曲面状に形成される底面43aを備えている。
側壁部41,42は、側壁部41,42のタイヤ径方向D2の内端を含む第1側面41a,42aと、第1側面41a,42aよりもタイヤ径方向D2の外側に配置される第2側面41b,42bとを備えている。そして、第1側面41a,42aは、平面状に形成されており、第2側面41b,42bも、平面状に形成されている。
第2側面41b,42bは、側壁部41,42のタイヤ径方向D2の外端を含んでいる。即ち、第2側面41b,42bは、トレッド面2aから第1側面41a,42aのタイヤ径方向D2の外端まで配置されている。
ところで、図6に示すように、タイヤ子午面における断面形状において、第1側面41a,42aと第2側面41b,42bとは、傾斜して交差している。そして、側壁部41,42は、第1側面41a,42aと第2側面41b,42bとによって形成される凹部41c,42cを備えている。凹部41c,42cは、タイヤ幅方向D1に凹んでいる。
そして、外側壁部41の第2側面41bと内側壁部42の第2側面42bとは、タイヤ径方向D2の内側に向けて、離れるように配置されている。これにより、内側ショルダー主溝4は、トレッド面2aからタイヤ径方向D2の内側に向けて溝幅W4が広くなる幅増加部44を備えている。
したがって、タイヤ1が摩耗することに伴って、内側ショルダー主溝4の溝幅W4が広くなる。その結果、タイヤ1が摩耗することに伴って、外側ショルダー主溝3の溝幅W3が狭くなるものの、主溝3〜5の溝幅W3〜W5の総和が小さくなることを抑制できる。よって、排水性能の低下を抑制することができる。
なお、75%摩耗時における複数の主溝3〜5の溝幅W3〜W5の総和は、0%摩耗時(新品時)における複数の主溝3〜5の溝幅W3〜W5の総和の90%〜100%であることが好ましく、また、95%〜100%であることがより好ましい。また、50%摩耗時における複数の主溝3〜5の溝幅W3〜W5の総和は、0%摩耗時(新品時)における複数の主溝3〜5の溝幅W3〜W5の総和の80%〜100%であることが好ましく、また、90%〜100%であることがより好ましい。
なお、75%(又は50%)摩耗時における主溝3〜5の溝幅W3〜W5は、最も深い主溝3〜5の75%(又は50%)の深さの位置における、それぞれの主溝3〜5の溝幅W3〜W5をいう。また、主溝3〜5の溝幅W3〜W5がタイヤ周方向で変化する際には、主溝3〜5の溝幅W3〜W5は、平均の溝幅W3〜W5とする。
なお、幅増加部44のタイヤ径方向D2の寸法W44は、切欠部34のタイヤ径方向D2の寸法W34(図4参照)以上であることが好ましく、また、切欠部34のタイヤ径方向D2の寸法W34と同じであることがより好ましい。これによれば、タイヤ1が摩耗することに伴って、外側ショルダー主溝3の溝幅W3が切欠部34によって狭くなる際に、内側ショルダー主溝4の溝幅W4は、幅増加部44によって広くなる。
ところで、内側ショルダー主溝4の側壁部41,42が凹部41c,42cを備えているため、内側ショルダー主溝4に隣接する内側ショルダー陸部7及び内側センター陸部9は、ゴム体積を小さくするゴム減少部7a,9aを備えている。なお、図6における破線は、側壁部が一つの平面状の側面から形成される主溝(具体的には、センター主溝5)の形状を示している。
これにより、内側ショルダー陸部7及び内側センター陸部9の剛性が低下するものの、剛性が低下する陸部7,9は、何れも車両内側に配置される陸部7,9である。したがって、陸部7,9のゴム体積の減少に起因するコーナリングパワーの減少を抑制することができるため、旋回時の操縦安定性能の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、0%摩耗時(新品時)における複数の主溝3〜5の溝幅W3〜W5は、それぞれ同じである。そして、摩耗時には、外側ショルダー主溝3の溝幅W3は、センター主溝5の溝幅W5よりも狭く、センター主溝5の溝幅W5は、内側ショルダー主溝4の溝幅W4よりも狭くなる。なお、主溝3〜5の溝幅W3〜W5は、斯かる構成に限られない。
以上より、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、接地するトレッド面2aを有するトレッド部13を備え、前記トレッド部13は、タイヤ周方向に延びる複数の主溝3〜5を備え、少なくとも一つの主溝3は、少なくとも一方の側壁部31,32のタイヤ径方向D2の外端部に、切欠部34を備え、少なくとも一つの主溝4は、前記トレッド面2aからタイヤ径方向D2の内側に向けて溝幅W4が広くなる幅増加部44を備える。
斯かる構成によれば、少なくとも一つの主溝3が、少なくとも一方の側壁部31,32のタイヤ径方向D2の外端部に、切欠部34を備えているため、当該主溝3の溝幅W3は、トレッド面2aからタイヤ径方向D2の内側に向けて狭くなっている。そこで、少なくとも一つの主溝4は、トレッド面2aからタイヤ径方向D2の内側に向けて溝幅W4が広くなる幅増加部44を備えている。
これにより、タイヤ1が摩耗することに伴って、切欠部34を有する主溝3の溝幅W3が狭くなることに対して、幅増加部44を有する主溝4の溝幅W4が広くなる。したがって、複数の主溝3〜5の溝幅W3〜W5の総和が小さくなることを抑制できるため、排水性能の低下を抑制することができる。
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記切欠部34は、車両装着時に最も外側に配置される外側ショルダー主溝3のみに配置される、という構成である。
斯かる構成によれば、車両装着時に最も外側に配置される外側ショルダー主溝3のみが、切欠部34を備えているため、車両装着時に外側に配置される陸部6,8のゴム体積が、増加する。これにより、コーナリングパワーを向上させることができるため、旋回時の操縦安定性能を向上させることができる。
また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記幅増加部44は、車両装着時に最も内側に配置される内側ショルダー主溝4のみに配置される、という構成である。
斯かる構成によれば、車両装着時に最も内側に配置される内側ショルダー主溝4のみが、幅増加部44を備えているため、ゴム体積が減少する陸部7,9は、車両装着時に内側に配置される陸部7,9となる。これにより、陸部7,9のゴム体積の減少に起因するコーナリングパワーの減少を抑制することができるため、旋回時の操縦安定性能の低下を抑制することができる。
なお、空気入りタイヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、空気入りタイヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
(1)上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、主溝3は、両方の側壁部31,32に切欠部34を備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、図7に示すように、主溝3は、一方の側壁部31にのみ、切欠部34を備えている、という構成でもよい。
なお、斯かる構成においては、空気入りタイヤ1は、切欠部34は、外側ショルダー主溝3の、車両装着時に外側の側壁部31のみに備える、という構成であることが好ましい。
斯かる構成によれば、切欠部34が、外側ショルダー主溝3の、車両装着時に外側の側壁部31のみに備えられているため、車両装着時に最も外側に配置される陸部6のゴム体積が、増加する。これにより、コーナリングパワーを効果的に向上させることができるため、旋回時の操縦安定性能を効果的に向上させることができる。
(2)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、切欠部34は、外側ショルダー主溝3のみに、備えられている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、切欠部は、センター主溝5や、内側ショルダー主溝4に、備えられている、という構成でもよい。また、切欠部は、複数の主溝3〜5に備えられている、という構成でもよい。
(3)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1の、切欠部34を有する主溝3においては、側壁部31,32は、二つの平面状の側面31a,31b(32a,32b)を備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、主溝は、切欠部を形成するために、少なくとも一つの曲面状の側面を備えている、という構成でもよく、また、切欠部を形成するために、少なくとも二つの平面状の側面を備えている、という構成でもよい。なお、側壁部31,32は、切欠部を形成するために、例えば、三つ以上の側面を備えている、という構成でもよい。
例えば、図3及び図8に示すように、側壁部31,32は、タイヤ径方向D2の内端を含む平面状の第1側面31a,32aと、第1側面31a,32aと交差して連接する平面状の第2側面31b,32bとを備えている、という構成でもよい。また、例えば、図9及び図10に示すように、側壁部31,32は、タイヤ径方向D2の内端を含む平面状の第1側面31a,32aと、第1側面31a,32aと連接する曲面状の第2側面31b,32bとを備える、という構成でもよい。
(3−1)図8に係る主溝3においては、側壁部31,32は、タイヤ径方向D2の内端を含む平面状の第1側面31a,32aと、第1側面31a,32aと交差して連接する平面状の第2側面31b,32bと、第2側面31b,32bと交差して連接する平面状の第3側面31c,32cとを備えている。これにより、主溝3は、第2側面31b,32b及び第3側面31c,32cによって形成される切欠部34を備えている。
(3−2)図9に係る主溝3においては、側壁部31,32は、タイヤ径方向D2の内端を含む平面状の第1側面31a,32aと、第1側面31a,32aと連接する曲面状の第2側面31b,32bとを備えている。これにより、主溝3は、第2側面31b,32bによって形成される切欠部34を備えている。
(3−3)図10に係る主溝3においては、側壁部31,32は、タイヤ径方向D2の内端を含む平面状の第1側面31a,32aと、第1側面31a,32aと連接する曲面状の第2側面31b,32bと、第2側面31b,32bと連接する平面状の第3側面31c,32cとを備えている。これにより、主溝3は、第2側面31b,32b及び第3側面31c,32cによって形成される切欠部34を備えている。
(4)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、幅増加部44は、内側ショルダー主溝4のみに、備えられている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、幅増加部は、センター主溝5や、外側ショルダー主溝3に、備えられている、という構成でもよい。また、幅増加部は、複数の主溝3〜5に備えられている、という構成でもよい。
(5)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、主溝4は、幅増加部44を形成するために、両方の側壁部41,42に凹部41c,42cを備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、図11に示すように、主溝4は、幅増加部44を形成するために、一方の側壁部42にのみ、凹部42cを備えている、という構成でもよい。
なお、斯かる構成においては、空気入りタイヤ1においては、内側ショルダー主溝4は、幅増加部44を構成するために、車両装着時に内側の側壁部42のみに凹部42cを備える、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、内側ショルダー主溝4が、車両装着時に内側の側壁部42のみに凹部42cを備えるため、凹部42cは、幅増加部44を構成する。これにより、ゴム体積が減少する陸部7は、車両装着時に最も内側に配置される陸部7となる。したがって、陸部7のゴム体積の減少に起因するコーナリングパワーの減少を効果的に抑制することができるため、旋回時の操縦安定性能の低下を効果的に抑制することができる。
(6)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、幅増加部44を有する主溝4の側壁部41,42は、二つの側面41a,41b(42a,42b)を備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、幅増加部44を有する主溝4の側壁部41,42は、三つ以上の側面を備えている、という構成でもよく、また、図12に示すように、一つの側面41a,42aを備えている、という構成でもよい。
(7)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1の、幅増加部44を有する主溝4の側壁部41,42においては、側面41a,41b,42a,42bは、平面状に形成されている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、側面41a,41b,42a,42bの少なくとも一つは、曲面状に形成されている、という構成でもよい。