JP2019093711A - ポリエステルフィルムおよび樹脂成形体 - Google Patents

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崇志 磯崎
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裕仁 内田
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【課題】直下型バックライトユニットなどの構成部材に好適なポリエステルフィルムおよび樹脂成形体の提供。【解決手段】少なくとも基材と樹脂層とを有するポリエステルフィルムであって、前記樹脂層面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、前記樹脂層の屈折率が1.55以下であり、30%伸長前後の樹脂層面の十点平均粗さRzの変化比(30%伸長後の十点平均粗さRz)/(30%伸長前の十点平均粗さRz)が1.5以下であるポリエステルフィルム、および該ポリエステルフィルムを成形してなる樹脂成形体。【選択図】図1

Description

本発明は、直下型バックライトユニットなどの構成部材として好適に用いられるポリエステルフィルムおよび樹脂成形体に関するものである。
近年、パソコン、テレビ、スマートフォン、タブレット、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して光を照射することにより表示が可能となっている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射しなければならないという要求に応えるため、エッジライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコンやモニター、タブレット等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、エッジライト型、つまり画面に対し側面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている。一方、液晶テレビのような大画面用では、直下型、つまり画面に対し裏面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている。
このような液晶画面用の面光源に用いられるランプリフレクターや反射板(以下、反射フィルム、面光源反射部材などと総称することもある)には、高い光反射性能が要求され、従来、白色顔料を添加したフィルムや内部に微細な気泡を含有させたフィルムが単独で、もしくはこれらのフィルムと金属板、プラスチック板などを貼り合わせたものが使用されてきた。特に内部に微細な気泡を含有させたフィルムは、輝度の向上効果や、画面輝度の均一化に一定の効果があることから広く使用されている(特許文献1、2)。
直下型バックライトを搭載した大型テレビでは、「ローカルディミング」と言われる機能が搭載される。液晶バックライトを細かく区分し、表示する画像の明暗に合わせてバックライトを部分駆動させ区分ごとに明暗をつけることで、よりコントラストを高く、きれいな画像を表示することができる技術である。「ローカルディミング」の技術的課題として、隣り合うLEDの明暗の差が大きい場合、光が隣の領域まで漏れてしまい、効果が薄れるというものがあった。また、直下型バックライトでは、構成によってはLEDがある部分だけ明るくなるムラが生じる場合があった。
これらの課題を解決する手法として、凹状の光反射面が形成されている光反射板(特許文献3)などが使用できる。しかし、綿密に計算された形状を付与した光反射板であっても、フィルム表面で光が拡散すると、光学ムラが発生するという課題がある。
特開2003−160682号公報 特公平8−16175号公報 特開2012−22089号公報
本発明は、上記の問題を解決し、直下型バックライトユニットなどの構成部材に好適なポリエステルフィルムおよび樹脂成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、係る課題について鋭意検討した結果以下の構成を有する。
(1)少なくとも基材と樹脂層とを有するポリエステルフィルムであって、前記樹脂層面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、前記樹脂層の屈折率が1.55以下であり、30%伸長前後の樹脂層面の十点平均粗さRzの変化比(Rz1)/(Rz0)が1.5以下であるポリエステルフィルム。
Rz1:30%伸長後の十点平均粗さRz
Rz0:30%伸長前の十点平均粗さRz
(2)前記基材における樹脂層と接していない側の十点平均粗さRzが500nm以上である(1)に記載のポリエステルフィルム。
(3)比重が0.5以上1.1以下である(1)または(2)に記載のポリエステルフィルム。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステルフィルムを成形してなる樹脂成形体。
(5)比重が0.5以上1.1以下である(4)に記載の樹脂成形体。
(6)LED照明ユニットに用いられる(5)に記載の樹脂成形体。
(7)直下型LEDバックライトユニットに用いられる(5)に記載の樹脂成形体。
本発明によれば、フィルム表面での光拡散が少ないポリエステルフィルムを提供でき、これを成形することで直下型バックライトユニットに好適なトレイ形状を有する樹脂成形体を提供することができる。
本発明の樹脂成形体の一例を表す図である。 平均傾斜勾配Δa値を説明する図である。
本発明者らは、係る課題について鋭意検討した結果、ポリエステルフィルムの熱による変形・収縮が小さいことが重要であることを究明し、本発明をなすに到った。直下型バックライトユニットのコントラスト比を向上し、ムラを低減するために形状を付与されたポリエステルフィルムを適用する場合、その形状は緻密な計算により光学的に最適化されたものである。形状を付与されたポリエステルフィルムを直下型バックライトユニットに組み込んだ場合、LEDから出る光が直接ポリエステルフィルムに当たる。その際、ポリエステルフィルムの表面で光が拡散すると、光学設計どおりの光反射ができず、コントラスト比の向上やムラ消しの効果が薄れることになる。
本発明者らが鋭意検討したところによれば、少なくとも基材と樹脂層とを有するポリエステルフィルムであって、樹脂層面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、樹脂層の屈折率が1.55以下であり、30%伸長前後の樹脂層面の十点平均粗さRzの変化比(Rz1)/(Rz0)(以下、単に(Rz1)/(Rz0)と表記することもある)が1.5以下であることが重要であると見出した。
[フィルム構成]
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも基材と樹脂層とを有するフィルムである。樹脂層は、熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物が硬化された層であることが好ましく、特に活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物が硬化された層であることが好ましい。ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって重合されて硬化される樹脂を意味する。特に、紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。紫外線硬化性樹脂を得るための重合性化合物としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基等の重合性官能基を有する化合物(モノマーやオリゴマー)が挙げられる。成形性、平滑性の観点から、ウレタンアクリレートあるいはウレタンメタクリレートのモノマーもしくはオリゴマーを重合して得られる樹脂が主成分であることが好ましい。樹脂層を構成する樹脂は、単一の高分子からなる場合であっても混合物であってもよい。樹脂層を形成する方法としては特に限定されないが、樹脂組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成されたものであることが好ましい。上記のウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法等の塗布方法を用いることができる。
樹脂層を得るために用いる樹脂組成物が紫外線硬化性樹脂を含有する場合、樹脂層を得るために用いる樹脂組成物は光重合開始剤を含有することが好ましい。かかる光重合開始剤としては、一般に市販されており、それらを使用することができる。例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173等、日本シイベルヘグナー(株)製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46等、日本化薬(株)製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。上記光重合開始剤の含有量は、樹脂層を得るために用いる樹脂組成物の固形分総量100質量%において0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.5〜8質量%の範囲がより好ましい。
樹脂層を得るために用いる樹脂組成物を硬化させるための紫外線照射量としては、30〜3,000mJ/cmの範囲が適当であり、50〜2,000mJ/cmの範囲が好ましく、100〜3,000mJ/cmの範囲がより好ましい。紫外線を照射するための光源としては、波長150〜450nmの光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いることができる。
樹脂層には、発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、波長450nm、入射光角度60°におけるS波の絶対反射率が10%以上であることが好ましい。より好ましくは12%以上、さらに好ましくは15%以上である。絶対反射率が高いポリエステルフィルムをバックライトの反射板として使用することで、LEDの光を効率的に利用することができる。特にローカルディミング機能を搭載したディスプレイの場合、トレイ形状に成形した樹脂成形体を使用し、トレイの底にLEDを配置し独立して制御することで、別のトレイの底に配置されたLEDとの明暗コントラストを大きくすることができる。その場合、樹脂成形体にLEDの光が斜めに入射するため、入射角度60°における絶対反射率が高いと輝度が向上しやすく好ましい。
波長450nm、入射光角度60°におけるS波の絶対反射率を10%以上にする方法としては、上記のように反射面に屈折率が1.55以下の樹脂層を設ける方法が挙げられる。基材より屈折率が低い層を設けることで光取り出し効率が向上し、高い絶対反射率を得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、樹脂層面の算術平均粗さRaが100nm以下であることが好ましい。ここで樹脂層面とは、基材と接してしない側の樹脂層の表面のことをいう。より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。Raが100nmより大きい場合、光を反射する際に拡散性が高くなってしまう場合がある。また、Raが1nmより小さい場合、測定下限以下となる場合がある。Raをかかる範囲とするためには、樹脂層の厚みを調整することで達成できる。樹脂層の厚みは0.5〜10μmであることが好ましい。より好ましくは1〜7μm、さらに好ましくは1.5〜5μmである。0.5μmより薄いと、基材の凹凸によりRaが大きくなる場合がある。10μmより厚い場合、フィルムを成形する場合にクラックが入りやすくなる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムの樹脂層は、屈折率が1.55以下であることが好ましい。より好ましくは1.53以下、さらに好ましくは1.52以下である。屈折率を1.55以下とすることで、樹脂層と空気の界面で全反射が発生しにくくなり、いわゆる光取出し効率が向上するため好ましい。屈折率が1.55より大きい場合、樹脂層と空気の界面で全反射が起こりやすく、光取出し効率が低下する場合がある。また、樹脂層の屈折率の下限は特に制限はないが1.35より小さい場合、基材層と樹脂層との界面で全反射が起きる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムの樹脂層は、30%伸長後の十点平均粗さRzをRz1、30%伸長前の十点平均粗さRzをRz0とした場合、(Rz1)/(Rz0)が1.5以下である。より好ましくは、1.4以下、さらに好ましくは1.3以下である。(Rz1)/(Rz0)が1.5より大きい場合、成形後に樹脂層面で光を反射する際に拡散性が高くなる場合がある。(Rz1)/(Rz0)の下限は特に制限はないが1.0より小さくなる場合、樹脂層の形成に問題がある場合がある。
本発明のポリエステルフィルムの樹脂層は、平均傾斜勾配Δaが0.001以上0.04以下であることが好ましい。より好ましくは0.02以下である。Δaが0.04より大きい場合、傾斜部分で光散乱や迷光が発生し、絶対反射率が低くなる場合がある。また、Δaが0.001より小さい場合、測定下限以下となる場合がある。Δaを0.001以上0.04以下とする方法は特に限定されないが、樹脂層の厚みを調整することで達成でき、具体的な樹脂層の厚みは0.5μm以上10μmであることが好ましい。樹脂層の厚みが0.5μmより薄いと、基材の凹凸によりΔaが大きくなる場合がある。また、樹脂層の厚みが10μmより厚い場合、樹脂層を得るために用いる樹脂組成物の乾燥時における熱対流や溶媒揮発による気泡、また、樹脂層を得るために用いる樹脂組成物の硬化時の収縮により、形成された樹脂層のΔaが大きくなる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、基材がポリエステル樹脂を主成分とするフィルムであることが好ましい。基材を構成する樹脂のうち、ポリエステル樹脂が少なくとも50質量%以上であれば、主成分といえる。このように、本発明における基材として好ましく用いることができるポリエステル樹脂を主成分とするフィルムを以下でポリエステルフィルムの基材と記載することもある。
ポリエステル樹脂とはエステル結合を主鎖に持つ高分子をいうが、本発明に用いるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールとが縮重合した構造を持つポリエステル樹脂が好ましい。
ジカルボン酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸では、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などの各成分を挙げることができる。また、ジカルボン酸エステル誘導体成分として、上記ジカルボン酸化合物のエステル化物、たとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどの各成分を挙げることができる。また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)などの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物など各成分が挙げられる。これらはそれぞれ1種だけであっても2種以上用いられるものであってもよい。
本発明で用いられるポリエステル樹脂として、共重合ポリエステル樹脂を使用してもよい。共重合ポリエステル樹脂は、上記のポリエステル樹脂のジカルボン酸成分として挙げている中から2種以上、および/またはジオール成分として挙げている中から2種以上が共重合されていることが好ましい。共重合成分を導入する方法としては、原料であるポリエステルペレットの重合時に共重合成分を添加し、あらかじめ共重合成分が重合されたペレットとして用いてもよいし、また、例えば、ポリエチレンナフタレートのように単独で重合されたペレットとポリエチレンテレフタレートペレットの混合物を押出し機に供給し、溶融時にエステル交換反応によって共重合化する方法を用いてもよい。また、フィルムとして製膜性に影響が出なければまたトリメリット酸、ピロメリット酸およびそのエステル誘導体を少量共重合されたものであっても構わない。
また、本発明の目的を阻害しなければ、前記ポリエステル樹脂にポリエステル樹脂以外の、ポリエステル樹脂に相溶する樹脂が樹脂成分全体の質量において5質量%以下含有されていても差し支えない。
本発明のポリエステルフィルムは、基材における樹脂層と接していない側における表面の十点平均粗さRzが500nm以上であることが好ましい。より好ましくは600nm以上、さらに好ましくは700nm以上である。Rzが500nmより小さい場合、成形して樹脂成形体とした際に、ブロッキングにより取扱性が低下する場合がある。また、Rzの上限は特に制限はないが基材の両面が同じ十点平均粗さRzを有して、さらに3,000nmより大きいと、樹脂層面の算術平均粗さRaが大きくなる場合がある。Rzを500nm以上とする方法は特に限定されないが、樹脂層と反対面を構成する基材の表層に粒子を含有させることで達成できる。粒子は有機粒子であっても無機粒子であってもよいが、数平均粒子径が0.1〜3μmであることが好ましい。数平均粒子径が0.1μmより小さい場合、基材の表面を十分に粗くできない場合がある。3μmより大きい場合、粒子が脱落しやすくなったり、基材の表面が粗くなりすぎたりする場合がある。
無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミ、リン酸カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、などの無機粒子が挙げられる。また、それらは単独もしくは2種類以上の混合で使用することができるが、中でも高い製膜安定性が得られることから、シリカ、コロイダルシリカ、硫酸バリウム粒子、二酸化チタン粒子、炭酸カルシウムが特に好ましい。
有機粒子としては、ポリエステル樹脂と非相溶な熱可塑性樹脂の粒子が好ましい。ポリエステル樹脂と非相溶な熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンのようなオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂などが選ばれる。なかでも好ましいのはオレフィン系樹脂またはスチレン系樹脂であり、オレフィン系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1(以下、「ポリメチルペンテン」または「PMP」と略称することがある)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、環状オレフィンが、スチレン系樹脂としてはポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレンなどが好ましい。これらは単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の熱可塑性樹脂を併用してもよい。
粒子は基材の表層中に0.1〜20質量%含有されていることが好ましい。より好ましくは0.3〜18質量%であり、さらに好ましくは0.5〜15質量%である。粒子が0.1質量%より少ない場合、十点平均粗さRzを500nm以上にすることが困難になる場合がある。また、20質量%より多い場合、基材の機械強度、耐熱性、製造コストを損ねる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、比重が0.5以上1.1以下であることが好ましい。より好ましくは0.6以上1.05以下であり、さらに好ましくは、0.7以上1.0以下である。比重が0.5未満であると、トレイ形状の強度が不足する場合がある。また、比重が1.1より大きいと、ポリエステルフィルムの反射率を十分に高くすることが困難になる場合がある。
比重をかかる範囲とする方法は特に限定されないが、基材の内部に気泡を含有する方法が好ましく用いられる。内部に気泡を含有させる方法としては、(1)熱可塑性樹脂(A)に発泡剤を含有せしめ、押出や製膜時の加熱により発泡、あるいは化学的分解により発泡させて気泡を形成する方法、(2)熱可塑性樹脂(A)の押出時にガスまたは気化可能物質を添加する方法、(3)熱可塑性樹脂(A)に無機粒子および/または該樹脂と非相溶の熱可塑性樹脂(B)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる方法等が挙げられるが、本発明においては、製膜性、内部に含有せしめる気泡の量の調整し易さ、製造コストなどの総合的な点から、上記の(3)の方法を用いることが好ましい。
上記の(3)の方法における無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミ、リン酸カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、などの無機粒子が挙げられる。また、それらは単独もしくは2種類以上の混合で使用することができるが、中でも高い光学特性と製膜安定性が得られることから、硫酸バリウム粒子、二酸化チタン粒子、炭酸カルシウムが特に好ましい。
無機粒子により気泡を含有させる場合、無機粒子はポリエステルフィルムの基材の総質量において1〜50質量%含有されていることが好ましい。無機粒子が1質量%より少ない場合、比重を1.1以下にすることが困難となり、50質量%より多い場合は、熱可塑性樹脂(A)の機械強度、耐熱性、製造コストを損ねる場合がある。
熱可塑性樹脂(A)に該樹脂と非相溶の熱可塑性樹脂(B)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる場合、熱可塑性樹脂(A)はポリエステル樹脂であることが好ましい。
ポリエステル樹脂と非相溶な熱可塑性樹脂(B)とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンのようなオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂などが選ばれる。なかでも好ましいのはオレフィン系樹脂またはスチレン系樹脂であり、オレフィン系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1(以下、「ポリメチルペンテン」または「PMP」と略称することがある)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、環状オレフィンが、スチレン系樹脂としてはポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレンなどが好ましい。これらは単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の熱可塑性樹脂(B)を併用してもよい。熱可塑性樹脂(B)は、本発明のポリエステルフィルムの総質量において1〜50質量%含有されていることが好ましい。熱可塑性樹脂(B)が1質量%より少ない場合、比重を1.1以下にすることが困難となる場合があり、50質量%より多い場合は、ポリエステル樹脂の機械強度、耐熱性、製造コストを損ねる場合がある。
ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂(B)の質量比を求める手法としては、それぞれの樹脂の種類に応じて、複数の分析を組み合わせる手法が考えられる。ポリエステル樹脂のみを溶媒で除去し、残った熱可塑性樹脂(B)を遠心分離機にて分離し、得られる残留物の質量から質量比を求める方法、IR(赤外分光法)、H−NMRや13C−NMRによりそれぞれの樹脂を同定したのち、ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂(B)がいずれも可溶な溶媒に溶解し、遠心分離により不純物や無機物を除去し、吸光度により濃度を求めることにより質量比を求める方法が使用できる。ポリエステル樹脂を可溶な溶媒としては、トリフルオロ酢酸や1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロー2−プロパノール、o−クロロフェノールなどが用いられる。
本発明のポリエステルフィルムの基材は、核を内包する気泡を含有することが好ましい。気泡を含有することにより、反射板としての反射性能を向上させることができ、また、核を内包することで、後述する成形時に気泡がつぶれずに維持しやすくなる。核を内包する気泡は、前記の熱可塑性樹脂(A)に該樹脂と非相溶の前記の無機粒子もしくは熱可塑性樹脂(B)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより無機粒子もしくは熱可塑性樹脂(B)が核となる微細な気泡を発生させることで得られる。核がない気泡の場合、反射性能を向上させることはできるが、成形時に気泡がつぶれる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムの基材は、無機粒子の核を内包する気泡を含有することがより好ましい。無機粒子が核となることで、成形時に高温にしても気泡が潰れにくくなる。無機粒子が単体であっても、熱可塑性樹脂(B)と併用しても構わない。
本発明のポリエステルフィルムの基材は、単一層からなるフィルムでも、複数の層からなるフィルムでも構わないが、少なくとも三層であることが好ましい。例えば、内部に気泡を含有する芯層(Y)と、表層(X)がX/Y/Xの順に三層に積層した構成が好ましい。表層(X)と芯層(Y)をX/Y/Xの順に積層することにより、高い強度を得ることができる場合がある。また、本発明のポリエステルフィルムは、あるいは四層以上の構成であってもよいが、製膜上の容易さと強度を考慮すると三層構成が好ましい。また、表層(X)と芯層(Y)は共押出し法により製膜ライン中で一挙に積層された後に、2軸方向に延伸されることが好ましい。さらに、必要に応じて、再縦延伸および/または再横延伸を行ってもよい。
次に本発明のポリエステルフィルムの基材の製造方法について、その一例を説明するが特に限定されるものではない。2台の一軸または二軸押出機、主押出機と副押出機を有する複合製膜装置において、主押出機に芯層(Y)の原料となる樹脂、副押出機に表層(X)の原料となる樹脂を投入する。それぞれの原料は水分率が50ppm以下となるように乾燥されていることが好ましい。このようにして各押出機に原料を供給し、例えば2台の押出機とTダイ上部に設置したフィードブロックやマルチマニホールドにてX/Y/Xの3層積層フィルムとすることができる。押出された未延伸シートは、冷却されたドラム上で密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを得る。このとき、均一なフィルムを得るために静電気を印加してドラム上に密着させることが望ましい。
この未延伸フィルムをロール加熱、必要に応じて赤外線加熱等でポリマーのガラス転移温度(Tg)以上に加熱し、長手方向(以降、縦方向と呼ぶ)に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行う。縦延伸の倍率は用途の要求特性にもよるが、好ましくは2〜6倍、より好ましくは3〜4倍である。2倍未満とすると反射率が低い場合があり、6倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる場合がある。縦延伸後のフィルムは、続いて、縦方向と直交する方向(以降、横方向と呼ぶ)に延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。このとき、横延伸のための予熱および延伸温度はポリマーのガラス転移温度(Tg)以上(Tg+20℃)で行うのが好ましい。横延伸の倍率は、用途の要求特性にもよるが、好ましくは2.5〜6倍、より好ましくは3〜4倍である。2.5倍未満であると反射率が低い場合がある。6倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる場合がある。得られた二軸延伸積層フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて180〜230℃の温度で1〜60秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却し、ロールに巻き取る。なお、かかる熱処理はフィルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行ってもよい。
またここでは逐次二軸延伸法によって延伸する場合を例に詳細に説明したが、本発明のポリエステルフィルムは逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法のいずれの方法で延伸してもよく、さらに必要に応じて、二軸延伸後、再縦延伸および/または再横延伸を行ってもよい。
こうして得られた二軸延伸積層フィルムに平面安定性、寸法安定性を付与するため、引き続いてテンター内で熱処理(熱固定)を行い、均一に徐冷後、室温付近まで冷却した後、巻き取ることにより、本発明のポリエステルフィルムの基材を得ることができる。
上記の方法で得たポリエステルフィルムの基材に樹脂層を設けることで本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。樹脂層は、上述した熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、紫外線を照射して硬化することにより形成されることが好ましい。
ウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バー
コート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクス
トルージョンコート法等の塗布方法を用いることができる。
紫外線を照射するための光源としては、特に限定されないが、例えば、紫外線蛍光灯、
低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライ
ドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、Kr
Fエキシマレーザ、エキシマランプ又はシンクロトロン放射光等も用いることができる。
このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、
メタルハライドランプを好ましく用いられる。
樹脂層が、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を硬化した層である場合は、基材フィルム上に熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物をウェットコーティング法で塗布し、熱硬化して積層されることが好ましい。熱硬化するときの条件(加熱温度、時間)は特に限定されないが、常法により形成されることが好ましい。
[樹脂成形体]
本発明の樹脂成形体は、本発明のポリエステルフィルムを成形することで得ることができる。ポリエステルフィルムを例えば以下に記載の成形方法で成形することができる。成形方法としては特に限定されないが、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形、プラグアシスト真空圧空成形のようにフィルムのみを成形する方法、インサート成形、TOM(Three dimension Overlay Method)成形、三次元ラミネート成形などのように基材がある成形方法など、一般に公知の成形方法で成形できる。中でも真空成形、圧空成形、真空圧空成形のように、反射面に金型が接触しない成形方法がより好ましい。例えば、真空圧空成形を行う場合は、400℃の遠赤外線ヒーターで、フィルム表面温度が主成分ポリエステルのTg+50℃以上の温度になるようにフィルムを加熱し、50℃に加熱した金型に沿って真空圧空成形(圧力:1MPa)を行うことで、本発明の樹脂成形体が得られる。
本発明の樹脂成形体は、白色であることが好ましい。白色とすることにより、光源の種類に関わらず高い反射率を得られるとともに、例えば特許第6159351号公報や特許第6152917号公報のような波長変換部材が組み込まれたバックライトユニットにおいても、光の波長に関わらず高い反射率が得られるため好ましい。なお、白色とは可視光線の全波長領域(380〜800nm)における相対反射率を90%以上とすることで実現しているものである。なお、酸化アルミニウムの標準白色板(日立ハイテクノロジーズ製、部品No.210−0740)を相対反射率100%とする。
また本発明の樹脂成形体は、複数の独立したトレイ形状を有する形状が好ましい。それぞれのトレイの底にLEDを配置し、独立して制御することで、別のトレイの底に配置されたLEDとの明暗コントラストを大きくすることができる。“独立した”とは、後述する底面部が別個に設定される形状のことを言う。例えば、ダンベル型のように一部が繋がっている場合、独立しているとは言えない。この場合は、まとめて一つのトレイ形状として取り扱う。トレイ形状とは、底面部に対して縁が高くなっている形状のことをいう。
トレイ形状の深さは、1mm以上20mm以下であることが好ましい。トレイの深さが1mm未満であると、光が隣に漏れてしまう場合がある。また、トレイの深さが20mmを超えると、テレビの厚さが大きくなってしまう場合がある。トレイの深さはより好ましくは2mm以上15mm以下、さらに好ましくは、2.5mm以上12mm以下であり、特に好ましくは、3mm以上10mm以下である。
トレイ形状は特に限定されるものではないが、錐台状、半球状、球冠状、柱状、これらの組み合わせ、中間形状、楕円ように歪ませた形状、角にRがついて丸みを帯びた形状であってもよい。中でも四角錐台状、六角錐台状であれば、画面を同一形状で埋めやすく、光を画面側へ反射しやすい形状であるため好ましい。
トレイ形状の水平方向のサイズは、独立したトレイ形状が10mm〜100mm四方に収まるサイズであることが好ましい。10mm四方より小さいと、必要なLEDの個数が過剰になる場合がある。100mm四方より大きいと、部分駆動させるバックライトの領域が大きくなる場合がある。深さ1mm以上20mm以下のトレイ形状は、樹脂成形体として使用されるフィルムあるいはシートを例えば成形することで得られる。
成形方法としては特に限定されないが、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形、プラグアシスト真空圧空成形のようにフィルムのみを成形する方法、インサート成形、TOM(Three dimension Overlay Method)成形、三次元ラミネート成形などのように基材がある成形方法など、一般に公知の成形方法で成形できる。中でも真空成形、圧空成形、真空圧空成形のように、反射面に金型が接触しない成形方法がより好ましい。反射面に金型が接触すると、樹脂成形体の表面粗さを十分にコントロールできない場合がある。本発明においては、厚み400μm以下のものを「フィルム」、400μmより厚いものを「シート」と呼称する。本発明のポリエステルフィルムはフィルム、シートのいずれであってもよい。
本発明の樹脂成形体は、トレイ形状の底面部にLEDを配置するために貫通孔を有することが好ましい。孔の大きさと形状はLEDの配置に差し支えない大きさと形状であれば特に限定されないが、大きすぎると反射性能を損なう場合がある。底面部に収まる大きさの孔であることが好ましい。具体的には1mm四方より大きく、30mm四方に収まるサイズと形状であることが好ましい。1mm四方より小さいと、LEDを配置するために十分な大きさが確保できない場合がある。貫通孔の個数はひとつのトレイ形状に1つ以上あってもよく、複数のトレイ形状の中間部や側面部にあってもよい。
本発明の樹脂成形体は、比重が0.5以上1.1以下であることが好ましい。より好ましくは0.6以上1.05以下であり、さらに好ましくは、0.7以上1.0以下である。比重が0.5未満であると、トレイ形状の強度が不足する場合がある。また、比重が1.1より大きいと、樹脂成形体の反射率を十分に高くすることが困難になる場合がある。
[用途]
本発明のポリエステルフィルムは、液晶ディスプレイや照明の反射板として好適に用いることができる。特に、画面に対し裏面から光を照射するタイプの直下型バックライトの反射板として好ましい。
本発明の樹脂成形体は、LED照明ユニット用の反射板として好適に用いることができる。本発明の樹脂成形体を使用したLED照明ユニットの場合、隣り合うLEDの光漏れが起こりにくく部分駆動機能を搭載する照明用途として好ましい。特に平面型LED照明ユニット用の反射板として好ましい。
本発明の樹脂成形体は、直下型LEDバックライトユニット用の反射板として好適に用いることができる。本発明の樹脂成形体を使用した直下型LEDバックライトユニットの場合、隣り合うLEDの光漏れが起こりにくくローカルディミング機能を搭載したバックライトに好ましい。特に液晶ディスプレイ、液晶テレビ、液晶モニターなどに使用される直下型LEDバックライトユニット用の反射板として好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)算術平均粗さRa、十点平均粗さRz(Rz0、Rz1)、平均傾斜勾配Δa
三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られた表面のプロファイル曲線より、JIS B 0601(1994)に準じ、算術平均粗さRa値、十点平均粗さRz値を求めた。
また、平均傾斜勾配Δa値を次のように求めた。表面のプロファイル曲線の高さ方向が0となる平面上に直行座標軸X軸、Y軸を置き、XY平面に直行する軸をZ軸とした。このとき、各軸方向のサンプリング数をNx、Nyとすると、i番目のx座標をx、j番目のy座標をyとする座標(x、y)におけるプロファイル曲線(図2)より、Δaは次式で与えられる(式1)。
Figure 2019093711
測定条件は下記のとおりである。
X方向測定長さ:0.5mm、X方向送り速度:0.1mm/秒
Y方向送りピッチ:5μm、Y方向ライン数:40本
カットオフ:0.25mm
触針圧:0.02mN
任意の一方向に対して、0°、45°、90°、135°となるように幅10mmのサンプルを切り出し、サンプルの幅方向をX方向となるように算術平均粗さRa値、十点平均粗さRz値、平均傾斜勾配Δa値を求めた。

測定後、引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUCT−100)を用いて、幅10mmに切り出したサンプルをチャック間長さ50mm(初期試料長)となるようにセットし、室温条件下(25℃63%RH)、引張速度300mm/分で30%伸張した。30%伸長時の応力が最も低い方向のサンプルについて“30%伸長後の十点平均粗さRz(Rz1)”を測定した。なお、樹脂層を有していないサンプルについては、反射面とする面の30%伸長後の十点平均粗さRzを測定した。
“30%伸長前の十点平均粗さRz(Rz0)”は、Rz1を測定したサンプルと同じ方向におけるサンプルを測定した結果を採用した。
(2)屈折率、樹脂層厚み
プリズムカプラMODEL2010/M(メトリコン社製)を用いて波長633nmの波長光で樹脂層の屈折率および樹脂層厚みを求めた。
(3)比重
[フィルム]
1辺が5cmである正方形サンプルを5枚切りだし、それぞれJIS K7112−1980に基づいて電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用いて測定した。得られた計5点の測定値の相加平均を求め、当該サンプルの比重とした。
[樹脂成形体]
樹脂成形体が電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)で測定できない大きさの場合、水槽と電子天秤を用いて、室温(25℃63%RH)条件下でアルキメデス法により比重を求めた。なお、サンプルに穴が開いているために一部が欠けた形状となっていても問題なく測定できる。
(4)トレイ形状の深さ
トレイ形状について、ワンショット3D形状測定機VR−3200((株)キーエンス社製)により形状を測定した。
VR−3000Series解析アプリケーションにおいて、2つの隣接するトレイ形状の貫通孔の重心点を結んだ直線のプロファイルを計測する。そのプロファイル上で最も高い点と、プロファイル上で貫通孔の縁にあたる点との垂直距離をトレイ形状の深さとする。貫通孔がない場合は、最も低い点と最も高い点の垂直距離を深さとする。
(5)絶対反射率(S波)
島津製作所製の分光光度計UV−3150に絶対反射率測定装置を取り付け、入射角60°に設定した。以下の条件にて400〜500nmまでの絶対反射率を測定した。なお、測定は平坦な部分を切り出して使用した。
スキャンスピード:高速
サンプリングピッチ:1nm
測定モード:シングル
スリット幅:30nm
光源切り替え波長:360nm
検出器切替波長:805nm
S/R切り替え:標準
検出器ロック:自動
スリットプログラム:標準
S波の反射率
15%以上:◎
10%以上15%未満:〇
10%未満:×
〇以上を合格とした。
(6)光学ムラ
2行×2列4マスのトレイを有する樹脂成形体を成形し、各マスの中央に直径5mmの穴を開けた。市販テレビ(ハイアール社製、LE42A7000)のLEDバーからレンズキャップを取り外し、穴からLEDが出るように樹脂成形体をセットした。光学フィルム群を樹脂成形体の上に乗せてLEDを点灯させて見た目を観察した。
樹脂成形体の形状は2行×2列4マスのトレイ形状であり、一つのトレイの大きさが30mm×30mm、深さ3mm、底面部のサイズが15mm×15mmの四角錐台形状(図1)。
◎:トレイとトレイの間も明るく、光学ムラが見えない
○:トレイとトレイの間は明るいが、成形形状が確認できる
×:トレイとトレイの間が暗くなる光学ムラが見え、成形形状が確認できる
〇以上を合格とした。
(7)ブロッキング
樹脂成形体を3枚重ね、重さ500gのSUS板を上に乗せて静置した。1時間後、ブロッキングの有無を評価した。
◎:ブロッキングなく、1枚ずつ樹脂成形体を持ち上げることが可能
〇:ブロッキングはしているが、樹脂成形体を1枚持ち上げると自重で落下する
×:ブロッキングしており、1枚持ち上げると3枚とも持ち上がる
〇以上を合格とした。
[使用原料]
(1)PET樹脂(a)
テレフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、常法により重合を行い、ポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。得られたPETのガラス転移温度は77℃、融点は255℃、固有粘度は0.63dl/g、末端カルボキシル基濃度は40eq./tであった。
(2)共重合ポリエステル樹脂(b)
テレフタル酸、エチレングリコールおよびネオペンチルグリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、常法により重合を行い、ネオペンチルグリコールを17.5モル%含有する共重合ポリエステル樹脂(c)を得た。IVは0.6dl/g、カルボン酸末端基量は33eq./tであった。
(3)環状オレフィン(COC)樹脂(c)
市販の環状オレフィン樹脂「TOPAS 6017」(日本ポリプラスチックス株式会社)を用いた。
(4)硫酸バリウム50質量%マスター(d)
PET樹脂(a)を50質量部と硫酸バリウム粒子(数平均粒子径0.5μm)50質量部を二軸押出機にて混練し、硫酸バリウム50質量%マスター(d)を得た。
(5)炭酸カルシウム50質量%マスター(e)
PET樹脂(a)を50質量部と炭酸カルシウム粒子(数平均粒子径0.5μm)50質量部を二軸押出機にて混練し、炭酸カルシウム50質量%マスター(e)を得た。
(6)紫外線硬化性樹脂(f)
市販の紫外線硬化性樹脂「UV−3210EA」(日本合成化学株式会社製)を用いた。
(7)紫外線硬化性樹脂(g)
市販の紫外線硬化性樹脂「リオデュラスTYZ54」(東洋インキ株式会社製)を用いた。
(8)紫外線硬化性樹脂(h)
市販の紫外線硬化性樹脂「リオデュラスTYP60」(東洋インキ株式会社製)を用いた。
(9)光重合開始剤(i)
市販の光重合開始剤「イルガキュア184」(BASFジャパン株式会社製)を用いた。
(実施例1〜7、比較例2〜3)
表1で示した組成の原料を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に主押出機に芯層(Y)の原料を供給し280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行い、副押出機に表層(X)の原料を供給し280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金内で、表層(X)が芯層(Y)の両表層に積層(X/Y/X)されるよう合流せしめた。
次いで、シート状に押出して溶融シートとし、該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸フィルムを得た。続いて、該未延伸フィルムを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.3倍に延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き、引き続き120℃で長手方向に垂直な方向(横方向)に3.5倍に延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで200度の熱処理を施し、次いで均一に徐冷後、ロールに巻き取り、白色フィルムを得た。
上記の白色フィルム上に表1に記載の樹脂組成物塗布液をリバースコート法で塗布し、90℃で乾燥後、紫外線を照射(積算光量600mJ/cm)し硬化させて樹脂層を形成した。
(比較例1)
表1で示した組成の原料を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に主押出機に芯層(Y)の原料を供給し280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行い、副押出機に表層(X)の原料を供給し280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金内で、表層(X)が芯層(Y)の両表層に積層(X/Y/X)されるよう合流せしめた。
次いで、シート状に押出して溶融シートとし、該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸フィルムを得た。続いて、該未延伸フィルムを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.3倍に延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き、引き続き120℃で長手方向に垂直な方向(横方向)に3.5倍に延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで200度の熱処理を施し、次いで均一に徐冷後、ロールに巻き取り、白色フィルムを得た。
(実施例8〜14、比較例4〜6)
実施例1〜7および比較例1〜3のフィルムを、浅野研究所製成形機(FKS−0631−20)を用いて400℃の遠赤外線ヒーターで、フィルム表面温度が150℃以上の温度になるようにフィルムを加熱し、50℃に加熱した金型に沿って真空圧空成形(圧力:1MPa)を行った。樹脂成形体の形状は2行×2列4マスのトレイ形状であり、一つのトレイの大きさが30mm×30mm、深さ3mm、底面部のサイズが15mm×15mmの四角錐台形状(図1)になるよう設計を行った。
Figure 2019093711
Figure 2019093711
Figure 2019093711
Figure 2019093711
本発明によれば、直下型バックライトユニットなどの構成部材に好適なポリエステルフィルムを提供できる。

Claims (7)

  1. 少なくとも基材と樹脂層とを有するポリエステルフィルムであって、前記樹脂層面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、前記樹脂層の屈折率が1.55以下であり、30%伸長前後の樹脂層面の十点平均粗さRzの変化比(Rz1)/(Rz0)が1.5以下であるポリエステルフィルム。
    Rz1:30%伸長後の十点平均粗さRz
    Rz0:30%伸長前の十点平均粗さRz
  2. 前記基材における樹脂層と接していない側の表面の十点平均粗さRzが500nm以上である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 比重が0.5以上1.1以下である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルムを成形してなる樹脂成形体。
  5. 比重が0.5以上1.1以下である請求項4に記載の樹脂成形体。
  6. LED照明ユニットに用いられる請求項5に記載の樹脂成形体。
  7. 直下型LEDバックライトユニットに用いられる請求項5に記載の樹脂成形体。
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