JP2019093513A - ロボット用の保護ジャケット、シート状部材 - Google Patents

ロボット用の保護ジャケット、シート状部材 Download PDF

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慎也 上原
Shinya Uehara
慎也 上原
聖二 町田
Seiji Machida
聖二 町田
隆幸 鈴木
Takayuki Suzuki
隆幸 鈴木
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【課題】ロボットの可動範囲を過度に制限することなく保護することができるとともに、弛みを低減することができるロボット用の保護ジャケット、およびそれに用いるシート状部材を提供する。【解決手段】実施形態の保護ジャケット3は、ロボット1の先端部から設置部側までを覆う筒状のシート状部材3aと、シート状部材3aを内面側から支える骨組みとして機能するものであって、一端がロボット1の先端部側に固定されるとともにロボット1の設置部側に向かって当該ロボット1の周囲を螺旋状に巻回するように配置される可撓性を有する線状部材3bと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のアームを有するロボットに装着するロボット用の保護ジャケットに関する。
従来、ロボットを保護すること等を目的として、ロボットに保護ジャケットを装着することがある。このとき、ロボットの可動範囲を制限しないようにするために、ジャバラ構造のものや、例えば特許文献1のように関節部分で分離させた構造のものを採用することがある。以下、関節部分で分離させた構造のものを、便宜的に分離構造と称する。
特開2010−274373号公報
しかしながら、ジャバラ構造のものは、比較的高コストになる傾向があり、また、蛇腹部分が折りたたまれた際には外形が大きくなることから、ロボットの姿勢が変化する向きによっては各軸の可動範囲を逆に制限してしまうおそれがある。一方、分離構造のものは、分離している部分から保護ジャケット内部に異物が侵入するおそれや、保護ジャケット内部から異物が放出されるおそれがあり、ロボットの設置環境によっては採用できないおそれがある。また、ロボットの可動範囲つまりは各軸の最大可動範囲を確保するために生地を大きくすると、アームを回転させた際に関節の内側になる部分に大きな弛みが生じ、その弛んだ部分がワークに接触したりするおそれもある。
そこで、ロボットの可動範囲を過度に制限することなく保護することができるとともに、弛みを低減することができるロボット用の保護ジャケット、およびそれに用いるシート状部材を提供する。
請求項1に記載した発明では、ロボット用の保護ジャケットは、ロボットの先端部から設置部側までを覆う筒状のシート状部材と、シート状部材を内面側から支える骨組みとして機能するものであって、一端がロボットの先端部側に固定されるとともに設置部側に向かって当該ロボットの周囲を螺旋状に巻回するように配置される可撓性を有する線状部材と、を備える。
可撓性を有する線状部材を環状に巻回した場合、線状部材には外側に広がろうとする復元力が発生することから、シート状部材の内面側に線状部材を配設した状態では、シート状部材は、長手方向における複数の位置において外側つまりはロボットから離間する向きに押し広げられ、その表面が張った状態になる。
また、可撓性を有する線状部材を螺旋状に巻回した状態では、いわゆるコイルばねを想像すると容易に理解できるように、ロボットの先端部から設置部に向かうアームに沿った向きを長手方向とすると、線状部材は、長手方向に隣り合う線状部材間の距離が変化することにより、加えられた外力の向きに曲がるようになる。また、線状部材は、外力がなくなれば、元の状態つまりは長手方向に沿った状態に戻ろうとする。
そのため、可撓性を有する線状部材の一端をロボット1の先端部側に固定するとともに、設置部側に向かってロボットの周囲を螺旋状に巻回して配置することにより、線状部材は、シート状部材をその内径を概ね保ったまま内面側から支えるとともに、ロボットの姿勢が変化した際にはアームに押されて姿勢の変化を許容するように曲がることになる。つまり、線状部材を螺旋形状に配設した場合には、全体としてみれば弾性を有する構造体となる。
このため、螺旋状に巻回した線状部材は、ロボットの姿勢の変化に追従しながらシート状部材を内面側から支える骨組みとして機能するようになる。これにより、ロボットの可動範囲となる空間全体をカバーしたような大きな布地を用いなくても、ロボットの可動範囲を確保することができる。すなわち、ロボットの可動範囲を過度に制限することなく、ロボットを保護することができる。
さらに、可動範囲全体を覆うような大きな布地等を用いていないことから、また、螺旋状に巻回した線状部材によってシート状部材の表面が張った状態になることから、シート状部材が弛んでワークや周辺設備に触れるおそれを低減することができる。
したがって、ロボットの可動範囲を過度に制限することなく保護することができるとともに、弛みを低減することができる。
請求項2に記載した発明では、線状部材は、ロボットの手先に取り付けられるエンドエフェクタに空気を供給可能、あるいは、エンドエフェクタと接続される配線を配設可能な中空の配管部材である。
ロボットは、一般的に手先にエンドエフェクタを取り付けて使用されることが多い。そして、エンドエフェクタは、例えば空気圧で動作するチャックのように、外部の装置から供給される空気や電気等の動力によって駆動されるものがある。そのため、ロボットの表面には、エンドエフェクタに空気を供給するエアチューブや、電力の供給や制御信号等を伝達する配線等を取り付けるための部材が設けられていることがある。
しかし、保護ジャケットを装着してしまうと、それら取り付け用の部材を利用することができなくなり、ロボットを設置する際の取り回しが悪化する。この場合、取り付け用の部材を利用するために保護ジャケットに穴を開けたりすると、異物が侵入したり放出されたりするおそれがある。
そこで、線状部材としてエンドエフェクタに空気を供給可能、あるいは、エンドエフェクタと接続される配線を配設可能な中空の配管部材を用いることにより、エンドエフェクタまで伸ばす必要がある配管部材を、保護ジャケットの内部に配線することができ、取り回しを容易にすることができる。
この場合、保護ジャケットに穴を開けたりする必要もないことから、異物の侵入や放出を防止することもできる。また、ロボットの実際の作業に必要となる配管部材を線状部材として採用していることから、設備コストの増加を抑制することもできる。
請求項3に記載した発明では、線状部材は、巻回方向が逆向きとなる状態であって、それぞれの巻回方向において巻回された状態から広がろうとする際の復元力のバランスを取った状態で複数本配設される。
可撓性を有する線状部材を巻回した場合には、線状部材には、巻回された状態から広がろうとする力、つまりは、元の状態に戻ろうとする復元力が生じる。このとき、一方向に巻回している場合には、その復元力によってシート状部材に捻れが生じるおそれがある。そこで、複数本の線状部材を、巻回方向が逆向きとなる状態であって、且つ、それぞれの巻回方向における復元力のバランスが取れた状態に配設する。
これにより、一方の巻回方向に巻回されている線状部材によって生じる捩れ力と、逆向きの巻回方向に巻回されている線状部材によってシート状部材に生じる捩れ力とが互いに逆向きの状態でバランスが取れることから、シート状部材に捩れが生じること、つまりは、保護ジャケットに捩れが生じることを防止できる。
この場合、復元力のバランスが取れた状態とは、それぞれの巻回方向に配設される線状部材の復元力が互いに一致する状態、および、互いの復元力が所定の範囲内で一致する状態を示す。なお、所定の範囲は、線状部材の可撓性に応じて適宜設定することができる。また、それぞれの巻回方向に配設する線状部材の本数が異なる場合であっても、互いの巻回方向における復元力のバランスが取れていればよい。
請求項4に記載したシート状部材の発明では、シート状部材は、複数のアームを有するロボットに装着するロボット用の保護ジャケットに用いられるものであって、ロボットの先端部から設置部側までを覆う筒状に形成されているとともに、ロボットの先端部から設置部側に向かって当該ロボットの周囲を螺旋状に巻回して配置されることで当該シート状部材を支える骨組みとなる可撓性の線状部材を通すベルト通しが、線状部材の螺旋状の配設経路に沿って内面側の複数箇所に形成されている。
このような構成のシート状部材によっても、その内面に専用の骨組み部材やエアチューブ等の配管部材等の線状部材を螺旋状に配設したりすることにより、ロボットの可動範囲を過度に制限することなく保護することができるとともに、弛みを低減することができる等の効果を得ることができる。また、巻回方向が逆向きとなるようにベルト通しに複数本の線状部材を通すことで、シート状部材の捻れを抑制することもできる。
実施形態の保護ジャケットを装着した状態と線状部材の巻回態様とを模式的に示す図 線状部材を通すための通し穴の形状の一例を模式的に示す図(その1) 線状部材を通すための通し穴の形状の一例を模式的に示す図(その2) ロボットの先端部に取り付けられる固定部材の一例を模式的に示す図 線状部材の他の巻回態様を模式的に示す図
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態では、ロボット1として複数のアームを有するいわゆる垂直多関節型ロボットを想定している。このロボット1は、例えば床面に設置された載置板2上に配置され、制御装置である図示しないコントローラに接続されて各種の作業を実行する。
ロボット1は、設置部に相当するベース1a上に、鉛直方向の軸心を持つ第1軸を介してショルダ1bが水平方向に回転可能に連結されている。ショルダ1bには、第1軸に直交する回転軸である第2軸を介して、下アーム1cが回転可能に連結されている。この下アーム1cの先端側には、第2軸に平行な回転軸である第3軸を介して第一上アーム1dが、下アーム1cに対して回転可能に連結されている。第一上アーム1dの先端側には、第3軸に直交する回転軸である第4軸を介して第二上アーム1eが、第一上アーム1dと同軸で捻り回転可能に連結されている。
第二上アーム1eの先端側には、第4軸に直交する回転軸である第5軸を介して手首1fが回転可能に連結されている。そして、手首1fには、第5軸に直交する回転軸である第6軸を介して、先端部としてのフランジ1gが、手首1fと同軸で捻り回転可能に連結されている。これら第1軸〜第6軸は、ロボット1の関節軸に相当する。このフランジ1gには、詳細は後述するが、保護ジャケット3をロボット1側に固定するための固定部材4が、フランジ1gに共に回転可能な状態で取り付けられている。
このロボット1は、その全体が保護ジャケット3により覆われた状態で設置される。この保護ジャケット3は、ロボット1の先端部であるフランジ1g側から設置部であるベース1a側までを覆う筒状のシート状部材3aと、一端がロボット1の先端部側に固定されるとともに、ロボット1の設置部側に向かってロボット1の周囲を螺旋状に巻回するように配置される可撓性を有する線状部材3bを備えている。この線状部材3bは、後述するように、シート状部材3aを内面側から支えるための骨組みとして機能する。なお、図1では、説明の簡略化のために、シート状部材3aは、ロボット1の長手方向に沿った断面を示している。
シート状部材3aは、ロボット1の先端側において固定部材4に接続されている。このシート状部材3aは、ロボット1が繰り返し同じ作業をする場合でも破損せずに耐えることができる強度を有する材料で構成されており、ある程度の厚みと重量とを有している。また、本実施形態では、シート状部材3aは、耐水性と、例えば次亜塩素酸系の洗浄液等により洗浄することができるように耐薬品性とを有するものを採用している。ただし、シート状部材3aは、伸縮性はごく小さいものであり、延び縮みし難いものとなっている。
また、シート状部材3aは、ベース1a側の端部が載置板2に密に固定されている。つまり、筒状のシート状部材3aは、その内径が各アームの直径よりも大きく形成されているとともに、長手方向の長さが、ロボット1の姿勢によらず、ロボット1の先端部から設置部までのアーム表面に沿った長さよりも長くなるように形成されている。
なお、シート状部材3aの内径は、ロボット1のアームの形状に応じて適宜設計することができる。また、シート状部材3aは、必ずしも長手方向において同一の内径とする必要はなく、例えばフランジ1g側の内径をベース1a側の内径より小さくしたり、固定部材4に固定する際にシワを少なくするためにフランジ1g側の端部を絞り込んだ立体的な形状に形成したりすることもできる。
線状部材3bは、本実施形態では空気を供給するためのいわゆるエアチューブを採用している。このエアチューブは、エンドエフェクタとして例えば空気圧により動作するチャックを用いる際に、チャックまで空気を供給するために用いられる。つまり、本実施形態では、線状部材3bとして、ロボット1の実際の作業に必要となる部材を採用している。
このエアチューブは、例えばポリウレタンやポリアミド等の可撓性を有する材料で形成されている。また、エアチューブは、供給する空気の圧力に耐えることができるように強靱であるとともに、ロボット1の姿勢の変化に追従して何度も屈曲できるように曲げ耐性も備えている。そのため、線状部材3bをロボット1の周囲に螺旋状に巻回した状態では、線状部材3bが巻回された状態からロボット1から離間する向きに広がろうとする復元力が発生することになる。
このような線状部材3bは、図2に示すように、シート状部材3aの内面側に設けられているいわゆるベルト通し3cに通されている。ベルト通し3cは、線状部材3bを周方向に通すことができるようにシート状部材3aの裏面との間に孔部を形成した状態に設けられている。このため、ベルト通し3cは、線状部材3bを摺動可能に保持するとともに、シート状部材3aと線状部材3bとの相対的な長手方向における移動を規制することになる。
また、ベルト通し3cは、ロボット1の先端部から設置部への向きを長手方向とすると、長手方向の複数の位置に、筒状のシート状部材3a例えば1/4周程度を覆う長さに形成されている。この場合、ベルト通し3cは、螺旋状に配設する際に線状部材3bに過度な力が加わらないようにするために、長手方向に多少傾けた状態で設けることもできる。また、図2に示したベルト通し3cの形状は一例であり、例えば図3に示すように、周方向における長さが短い形状とすることもできる。この図3に示すベルト通し3cを採用する場合には、必ずしも長手方向に傾ける必要はない。
このベルト通し3cは、少なくとも1本以上の線状部材3bを通すことができるように、想定される線状部材3bの数に応じてベルト通し3cの大きさを予め設定することもできる。いずれにしろ、ベルト通し3cは、線状部材3bを摺動可能に保持しつつ長手方向への相対的な移動を規制できれば、例えばリング状のような他の形状のものを適宜採用することができる。
このような構成の保護ジャケット3は、ロボット1の先端部側の一端が、図4に示すように概ね円柱状に形成された固定部材4に固定されている。この固定部材4は、円柱状の一方の面側においてフランジ1g側に取り付けられるとともに、フランジ1gとは反対側の面側に図示しないエンドエフェクタを装着可能な構造となっている。なお、図2に示す固定部材4の構造は一例であり、エンドエフェクタをフランジ1gに直接的に取り付け可能なように円筒状の構造とすることもできる。
この固定部材4には、シート状部材3aを固定するためのネジ穴が周方向に設けられており、ネジ4aによってシート状部材3aが外周面に固定される。また、固定部材4には、フランジ1g側と外周面側に、線状部材3bを接続するとともに例えば空気をエンドエフェクタに供給するための供給経路を固定部材4の内部に形成するカプラ4bが設けられている。
そして、線状部材3bは、カプラ4bに接続されることにより、一方の端部が固定部材4に固定されている。なお、線状部材3bの他端側は図示しない外部の装置に接続されているものの、ベースの近傍に位置する部位を載置板2に固定したり、載置板2に線状部材3bを通すことができるベルト通し2cを設けてそこを通したりする構成とすることもできる。
この固定部材4は、フランジ1gが回転した場合には、シート状部材3aの固定されている部位と線状部材3bとともに同期して回転する。なお、上記の供給経路は、空気ではなく、エンドエフェクタに電力を供給したり制御信号等を伝達したりする配線を配設する経路とすることもできる。
次に、上記した構成の作用について説明する。
ロボット1を保護するためのジャケットを装着することは従来から提案されているものの、前述のように従来のジャバラ構造のものや分離型のジャケットの場合には、コストが高くなったり、ロボット1の可動範囲を制限してしまったり、ジャケット内部に異物が侵入したり、ジャケット内部から異物が放出されたりするおそれがある。
また、例えば食品工場等の清潔さが求められる現場では一般的に定期清掃が毎日行われるものの、ジャバラ構造では表面に多くの凹凸が形成されること、また、分離構造では関節部分が狭く奥行きが深い溝状になることから、拭き残し等が発生するおそれが高くなるとともに、ロボット1が動作した際に拭き残された異物が放出されるおそれがある。
さらに、ロボット1は一般的に手先にエンドエフェクタを取り付けて使用されることから、ロボット1の表面にはエンドエフェクタに動力源となる空気を供給するエアチューブ等の配管部材を取り付ける部材が設けられていることがある。しかし、ジャケットを装着してしまうと、それら取り付け用の部材を利用することができなくなり、取り回しが悪くなることも懸念される。また、ロボット1の可動範囲を確保するために生地を大きくすると、アームを回転させた際に関節の内側となる部分が大きく弛んでしまい、その弛んだ部分がワークに接触したりするおそれもある。
そこで、本実施形態では、ロボット1の可動範囲を過度に制限することなく保護することができるとともに、弛みを低減することができるようにしている。
まず、可撓性を有する線状部材3bを環状に巻回した場合には、線状部材3bに外側に広がろうとする復元力が発生することから、シート状部材3aの内面側に線状部材3bを配設した状態では、シート状部材3aは、長手方向における複数の位置において外側つまりはロボット1から離間する向きに押し広げられた状態となる。
また、可撓性を有する線状部材3bを螺旋状に巻回した場合には、いわゆるコイルばねを想像すると容易に理解できるように、外力が加わると、長手方向に隣り合う線状部材3b間の距離が変化することにより、加わった外力の向きに曲がるようになる。このとき、外力が無くなれば、線状部材3bは、元の状態つまりは長手方向に沿って真っ直ぐな状態に戻るようになる。つまり、線状部材3bを螺旋形状に配設することにより、骨組み全体として見れば、弾性を有する構造になる。
そのため、可撓性を有する線状部材3bの一端をロボット1の先端部側に固定するとともに、設置部側に向かってロボット1の周囲を螺旋状に巻回して配置することにより、線状部材3bは、シート状部材3aをその内径を概ね保ったまま内面側から支えるとともに、ロボット1の姿勢が変化した際にはアームに押されて姿勢の変化を許容するように曲がることになる。
換言すると、螺旋状に巻回した線状部材3bは、ロボット1の姿勢の変化に追従しながらシート状部材3aを内面側から支える骨組みとして機能する。これにより、ロボット1の可動範囲全体を覆うような大きな布地等を用いなくても、ロボット1の可動範囲を確保することができる。すなわち、ロボット1の可動範囲を過度に制限することなく、ロボット1の表面を保護することが可能となる。
以上説明した保護ジャケット3によれば、次のような効果を得ることができる。
保護ジャケット3は、ロボット1の先端部から設置部側までを覆う筒状のシート状部材3aと、シート状部材3aを内面側から支える骨組みとして機能するものであって、一端がロボット1の先端部側に固定されるとともにロボット1の設置部側に向かって当該ロボット1の周囲を螺旋状に巻回するように配置される可撓性を有する線状部材3bと、を備える。本実施形態では、シート状部材3aの設置部側の端部は、ロボット1が載置される載置板2まで延びている。つまり、シート状部材3aは、少なくともロボット1の全体を覆う長さに形成されている。
これにより、線状部材3bの復元力によりシート状部材3aを内面から支えることで、シート状部材3aに弛みが生じることを抑制できるとともに、線状部材3bを螺旋状に巻回したことによりロボット1の姿勢に応じて傾いたり曲がったりすることが可能となることから、ロボット1の可動範囲を過度に制限してしまうことを防止できる。
このとき、シート状部材3aはロボット1の先端側から設置部側までを一体に覆っているため、保護ジャケット3の内部に異物が侵入するおそれや、保護ジャケット3の内部から異物が放出されるおそれも低減することができる。
また、シート状部材3aは、長手方向の長さが、ロボット1の姿勢によらず、ロボット1の先端部から設置部までのアーム表面に沿った長さよりも長くなるように形成されていることから、ロボット1がどのような姿勢を取ったとしても、ロボット1の表面が露出することがない。これにより、好適にロボット1を保護することができる。
また、シート状部材3aは線状部材3bによってその表面が比較的張った状態になることから、また、作業中に表面に凹凸が生じてもロボット1の姿勢が変化した際やロボット1が各アームを真っ直ぐ鉛直上方にするいわゆる待機姿勢となった際にはシート状部材3aの表面が張った状態に戻ることから、表面に異物が付着したまま残留したり、残留した異物が作業中にワークや周囲環境に飛散したりすることを防止できる。
したがって、可動範囲の確保と弛みの低減とを両立させることができる。換言すると、ロボット1の可動範囲を過度に制限することなく保護することができるとともに、弛みを低減することができる保護ジャケット3を提供することができる。
また、シート状部材3aは伸縮性がごく小さいことから、シート状部材3aの外縁の大きさは、線状部材3bを巻回した大きさとほぼ一致することになり、ロボット1の姿勢が変化した場合であってもシート状部材3aの弛みを低減できることから、シート状部材3aがワークに接触するおそれも低減できる。
また、待機姿勢においては、自重によってシート状部材3aが下方に引っ張られることにより、ワークに最も近くなる手先側の位置において、シート状部材3aの表面が張った状態となって凹凸が減ることから、異物の除去をし易くなり、例えば食品工場等の清潔さが求められる環境にも好適になる。
また、線状部材3bとして、ロボット1の手先に取り付けられるエンドエフェクタに空気を供給可能、あるいは、エンドエフェクタに接続する配線を配設可能な中空の配管部材を用いることにより、エンドエフェクタまで伸ばす必要がある配管部材を保護ジャケット3の内側で配設することができるため、保護ジャケット3の外側に配線用の可動シロ空間や別の部材を設ける必要なく、取り回しを容易にすることができる。
また、保護ジャケット3に穴を開けたりする必要も無いため、異物の侵入や放出を防止することができる。また、実際の作業に必要となる配管部材を利用することにより、設備コストの増加を抑制することもできる。
また、線状部材3bは、ロボット1の先端部側に取り付けられて回転する固定部材4に固定されている。この場合、フランジ1gが回転すると、線状部材3bも回転することになるが、線状部材3bはベルト通し3cに摺動可能に通されていることから、シート状部材3aを過度に引っ張ることがない。また、シート状部材3aの端部も固定治具とともに回転することから、凹凸やシワが過度に発生することもない。
また、ロボット1の先端部から設置部側までを覆う筒状に形成されているとともに、ロボット1の先端部から設置部側に向かって当該ロボット1の周囲を螺旋状に巻回して配置される可撓性の線状部材3bを通すベルト通し3cが、線状部材3bの螺旋状の配設経路に沿って内面側の複数箇所に形成されているシート状部材3aを用いることで、上記した各種の効果を得ることができる。
さて、ここまでは1本の線状部材3bを設ける構成について説明したが、線状部材3bは、複数本設ける構成とすることができる。その場合、線状部材3bを、巻回方向が逆向きとなる状態で、それぞれの巻回方向における復元力のバランスが取れた状態に配設することができる。この場合、復元力のバランスが取れた状態とは、互いの復元力が一致する状態を含み、互いの復元力が所定の範囲内で一致する状態を示す。なお、所定の範囲は、線状部材3bの可撓性に応じて適宜設定することができる。
このような構成とすることにより、図5に示すように、ロボット1の背何側から視た状態において時計回りの巻回方向に巻回されている線状部材3b1によってシート状部材3aに生じる捩れ力(F1)と、それとは逆向きの反時計回りの巻回方向に巻回されている線状部材3b2によってシート状部材3aに生じる捩れ力(F2)とがバランスが取れた状態で互いに逆向きになることにより、シート状部材3aに捩れが生じること、つまりは、保護ジャケット3に捩れが生じることを抑制できる。
また、実施形態では、骨組みを構成する線状部材3bとしてロボット1の作業に必要となるエアチューブ等の配管部材を利用する例を示したが、骨組み用の線状部材3bは、必ずしも配管部材を用いる必要は無く、保護ジャケット3を保持するための専用のものを用いる構成とすることもできる。
また、実施形態では、ロボット1の先端側から設置部側までを覆うとだけ説明したが、シート状部材3aは、1枚物のシートを用いる構成とすることもできるが、必ずしも1枚物である必要は無く、長手方向や周方向に分割された複数のシートを筒状に貼り合わせ又は縫い合わせた構成とすることもできる。
また、実施形態では単に筒状と称したが、シート状部材3aは、断面が円形のものに限らず、断面が四角形等の多角形状のものや楕円形状のものを採用することができる。つまり、本明細書で言う筒状とは、ロボット1の周囲を覆うことができる任意の形状を含んでいる。
また、実施形態ではフランジ1g側に直立するカプラ4bを設ける例を示したが、L字型のカプラ4bとしたり、カプラ4bを斜めに設けたりする構成とすることもできる。これにより、螺旋状に巻回されている線状部材3bに無理な力を加えること無く接続することができる。
図面中、1はロボット、1a〜1fはアーム、3は保護ジャケット、3aはシート状部材、3b、3b1、3b2は線状部材を示す。

Claims (4)

  1. 複数のアームを有するロボットに装着するロボット用の保護ジャケットであって、
    前記ロボットの先端部から設置部側までを覆う筒状のシート状部材と、
    前記シート状部材を内面側から支える骨組みとして機能するものであって、一端が前記ロボットの先端部側に固定されるとともに設置部側に向かって当該ロボットの周囲を螺旋状に巻回するように配置される可撓性を有する線状部材と、
    を備えることを特徴とするロボット用の保護ジャケット。
  2. 前記線状部材は、前記ロボットの手先に取り付けられるエンドエフェクタに空気を供給可能、あるいは、エンドエフェクタと接続するための配線を配設可能な中空の配管部材であることを特徴とする請求項1記載のロボット用の保護ジャケット。
  3. 前記線状部材は、巻回方向が逆向きとなる状態であって、それぞれの巻回方向において巻回された状態から広がろうとする際の復元力のバランスを取った状態で複数本配設されることを特徴とする請求項1または2記載のロボット用の保護ジャケット。
  4. 複数のアームを有するロボットに装着するロボット用の保護ジャケットに用いられるシート状部材であって、
    前記ロボットの先端部から設置部側までを覆う筒状に形成されているとともに、前記ロボットの先端部から設置部側に向かって当該ロボットの周囲を螺旋状に巻回して配置されることで当該シート状部材を支える骨組みとなる可撓性の線状部材を通すベルト通しが、前記線状部材の螺旋状の配設経路に沿って内面側の複数箇所に形成されていることを特徴とするシート状部材。
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