JP2019093463A - 工作機械及び工作機械の工具の装着状態判定方法 - Google Patents

工作機械及び工作機械の工具の装着状態判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主軸の工具装着部に、工具が着脱可能に取り付けられる工作機械において、ワークの加工前に、工具装着部に対する工具の装着不具合を精度良く判定できるようにする。【解決手段】工作機械は、主軸の周りに支持部材に関連付けて配置され、工具装着部に工具が取り付けられた状態で該主軸が回転するときに、主軸に作用する応力を検出する応力検出手段(応力センサ)と、工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が空回転したとき(ステップS102)の、応力検出手段で検出された応力(ステップS103)に基づいて、工具装着部に対する工具の装着不具合を判定する(ステップS104〜ステップS109)装着状態判定手段(コントロールユニット)を備える。【選択図】図11

Description

本発明は、主軸の工具装着部に工具が取り付けられる工作機械、及び工作機械の工具の装着状態判定方法に関する。
従来より、軸心周りに回転する主軸の先端部に設けられた工具装着部に、ワークを加工する工具が着脱可能に取り付けられる工作機械が知られている。
このような工作機械では、予め用意された多種類の工具の中から選択された工具によって、ワークの加工が行われる。このとき、加工精度を向上させるために、工具装着部に対して工具を適切に装着することが要求されている。
例えば、特許文献1に記載の工作機械では、切削工具(工具本体)が設けられたホルダ(工具ホルダ)と、ホルダを着脱可能に保持する保持部(主軸の工具装着部)と、該保持部を回転駆動する駆動部と、該駆動部の単位時間当たりの消費電力を計測する電力センサと、該電力センサに接続された比較判定手段とを備え、ワークの加工前に計測された上記駆動部の基準消費電力と、上記駆動部が実際に消費した実消費電力とに基づいて、ホルダと保持部との間における異物の挟み込みを判定している。
特開2007−283461号公報
しかしながら、主軸の回転状態に応じた実消費電力の変動は僅かであり、特許文献1に記載のような方法では、工具装着部に対する工具の装着不具合が正確には判定できないおそれがある。特許文献1では、駆動部の近傍に電流センサを設けることで、実消費電力の僅かな変動を検出するようにしているが、駆動部に与えられる電力そのものが電源のノイズ等によって変動するため、実消費電力の変動が工具装着部に対する工具の装着不具合によるものであるか判断が困難になるおそれがある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主軸の工具装着部に、工具が着脱可能に取り付けられる工作機械において、ワークの加工前に、工具装着部に対する工具の装着不具合を精度良く判定できるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明では、駆動部によって軸心周りに回転駆動される主軸と、ワークを加工する工具本体と上記主軸に取り付けられる工具ホルダとを有する工具と、上記主軸の先端部に設けられ、上記工具ホルダを介して上記工具が着脱可能に取り付けられる工具装着部と、上記主軸を回転可能に支持する支持部材とを備えた工作機械を対象にして、上記主軸の周りに上記支持部材に関連付けて配置され、上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で上記主軸が回転するときに、該主軸に作用する応力を検出する応力検出手段と、上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が空回転したときの、上記応力検出手段で検出された応力に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する装着状態判定手段とをさらに備える、という構成とした。
この構成によると、工具装着部に対する工具の装着不具合を精度良く判定することができる。具体的には、例えば、工具ホルダと工具装着部との間(厳密には、工具ホルダと工具装着部との当接面)に異物が挟み込まれていたとすると、主軸の軸心に対して工具の軸心がずれるため、工具装着部に工具が取り付けられた状態で主軸を空回転させたときには、工具に周期的なブレが生じて、応力検出手段で検出される検出応力に比較的大きな変動が生じる。このため、例えば、該変動の大きさに基づいて、工具装着部に対する工具の装着不具合が生じているか否かを判定することができる。この判定は、上記のように、工具装着部に工具が取り付けられた状態で主軸を空回転させればよいため、工具によって実際にワークを加工する前に行うことができる。また、例えば、工具ホルダの変形等、異物の挟み込み以外の原因によって工具の装着不具合が発生していたとしても、該工具の装着不具合を判定することができる。よって、ワークの加工前に、工具装着部に対する工具の装着不具合を精度良く判定できる。
上記工作機械の一実施形態において、上記装着状態判定手段は、上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が所定時間空回転されたときに、上記応力検出手段で検出される応力波形に対して、該応力波形の中央値を求め、上記応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分を上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形を算出し、上記反転波形を積分して、該積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定するように構成されている。
すなわち、工具に装着不具合があって、主軸の回転時に工具の周期的なブレが生じれば、応力検出手段からは周期的に変化する応力波形が検出される。応力波形の振幅だけでも装着不具合を判定することは可能であるが、該振幅の変化が小さい場合には、判定精度が低下するおそれがある。そこで、応力波形の中央値を求め、該応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分を上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形を算出し、該反転波形を積分する。そして、該積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定することで、応力の変化量を積算した値を含む値に基づいて、工具装着部に対する工具の装着不具合を判定することになる。応力の変化量が小さい場合であっても、当該変化量を積算することによって、工具装着部に対する工具の装着不具合がない場合との差を明確にすることができる。この結果、工具装着部に対する工具の装着不具合の判定の精度を向上させることができる。
上記工作機械の他の実施形態において、上記応力検出手段は偶数個あり、上記偶数個の応力検出手段は、2つの応力検出手段からなる1組又は複数組の応力検出手段群に分けられ、上記応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段は、上記主軸の軸心方向から見て、該軸心周りに2回回転対称性を有するようにそれぞれ配置されており、上記装着状態判定手段は、上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が所定時間空回転されたときに、上記各応力検出手段で検出される応力波形に対して、各応力波形の各中央値をそれぞれ求め、上記各応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分を上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形をそれぞれ算出し、上記応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段で検出された2つの応力波形に基づく2つの上記反転波形を合算して合成波形を算出し、上記合成波形を積分して、積分値を算出し、上記応力検出手段群が1組である場合には、当該応力検出手段群の上記積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する一方、上記応力検出手段群が複数組である場合には、各応力検出手段群のそれぞれの積分値の合計値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定するように構成されている、ことが好ましい。
すなわち、応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段が、主軸の軸心周りに2回回転対称性を有するようにそれぞれ配置され、該2つの応力検出手段からそれぞれ算出された2つの反転波形を合算すれば、主軸の軸心方向から見て、上記2つの応力検出手段間の中点と主軸の軸心とにズレがあったとしても、該ズレの影響を小さくすることができる。また、合成波形の積分値に基づいて、工具装着部に対する工具の装着不具合を判定することにより、応力の変化量が小さい場合であっても、工具装着部に対する工具の装着不具合がない場合との差をより明確にすることができる。したがって、工具装着部に対する工具の装着不具合の判定の精度より向上させることができる。
上記工作機械において、上記工具装着部に対する上記工具の取り付け及び取り外しを行う工具着脱手段と、上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付け可能なエア吹付手段とを更に備え、上記装着状態判定手段によって、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合があると判定されたときには、上記主軸の回転を止めた後、上記工具着脱手段によって上記工具装着部に取り付けられている工具を取り外して、上記エア吹付手段によって上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付け、その後、上記工具着脱手段によって、上記工具装着部から取り外された上記工具を、再び該工具装着部に取り付けるように構成されている、ことが好ましい。
この構成によると、例えば、主軸と工具ホルダとの間に切削屑等の異物が挟み込まれたことで、工具装着部に対する工具の装着不具合が生じている場合には、工具着脱手段によって工具装着部に取り付けられている工具を取り外して、エア吹付手段によって上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付ければ、上記異物を除去することができる。これにより、工具装着部から取り外された工具を、工具脱着手段によって、再び該工具装着部に取り付ければ、工具装着部に対する工具の装着不具合を解消することができる。
上記工作機械において、上記応力検出手段の検出結果から算出される、上記工具の加工負荷である検出負荷に基づいて、上記工具による上記ワークの加工の制御量を制御する加工制御手段を更に備え、上記各応力検出手段は、上記工具よる上記ワークの加工時には、検出結果を上記加工制御手段に伝達するよう構成されている、ことが好ましい。
この構成によると、応力検出手段の検出結果から算出される検出負荷に基づいて、工具によるワークの加工の制御量が制御されることで、該加工の制御量を、工具に過大な加工負荷がかからずかつ加工効率を低下させないような、適切な制御量にすることができる。これにより、工具による加工品質を維持しつつ加工効率を高める制御量に制御することができる。
また、本発明の別の態様は、工作機械の工具の装着状態判定方法の発明であり、この発明は、軸心周りに回転する主軸と、上記主軸の先端部に設けられ、ワークを加工する工具が着脱可能に取り付けられる工具装着部と、上記主軸を回転可能に支持する支持部材とを備えた工作機械において、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する、工作機械の工具の装着状態判定方法を対象として、上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が所定時間空回転したときの、上記主軸に作用する応力を検出する応力検出工程と、上記応力検出工程で検出された応力に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する装着状態判定工程とを含む、という構成とした。
この工具の装着状態判定方法によっても、上述の工作機械の発明と同様に、ワークの加工前に、工具装着部に対する工具の装着不具合を判定することができる。
上記工具の装着状態判定方法の一実施形態では、上記装着状態判定工程は、上記応力検出工程で検出される応力波形に対して、該応力波形の中央値を設定する中央値設定工程と、上記応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分を上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形を算出する反転波形算出工程と、上記反転波形算出工程で算出された反転波形を積分して積分値を算出する積分工程と、を含み、さらに上記装着状態判定工程は、上記積分工程で算出された上記積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する。
この構成によれば、応力の変動が小さい場合でも、工具装着部に対する工具の装着不具合を判定することができるようになる。よって、工具装着部に対する工具の装着不具合の判定の精度を向上させることができる。
上記工具の装着状態判定方法の他の実施形態では、上記工作機械は、偶数個の応力検出手段を有し、上記偶数個の応力検出手段は、2つの応力検出手段からなる1組又は複数組の応力検出手段群に分けられ、上記応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段は、上記主軸の軸心方向から見て、該軸心周りに2回回転対称性を有するようにそれぞれ配置されており、上記応力検出工程は、上記偶数個の応力検出手段により上記主軸に作用する応力を検出する工程であり、上記装着状態判定工程は、上記応力検出工程において、上記各応力検出手段で検出される応力波形に対して、各応力波形の各中央値をそれぞれ求める中央値設定工程と、上記各応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分を上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形をそれぞれ算出する反転波形算出工程と、上記応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段で検出された2つの応力波形に基づく2つの上記反転波形を合算して合成波形を算出する合成波形算出工程と、上記合成波形算出工程で算出された上記合成波形を積分して、積分値を算出する積分工程と、を含み、さらに上記装着状態判定工程は、上記応力検出手段群が1組である場合には、当該応力検出手段群の上記積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する一方、上記応力検出手段群が複数組である場合には、各応力検出手段群のそれぞれの積分値の合計値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する。
この構成によると、合成波形の積分値に基づいて、工具装着部に対する工具の装着不具合を判定することにより、応力の変化量が小さい場合であっても、工具装着部に対する工具の装着不具合がない場合との差をより明確にすることができる。したがって、工具装着部に対する工具の装着不具合の判定の精度をより向上させることができる。
上記工具の装着状態判定方法において、上記工作機械は、上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付け可能なエア吹付手段を更に備え、上記装着状態判定工程によって、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合があると判定されたときには、上記主軸の回転を止めて、上記工具装着部に取り付けられている工具を取り外す工具取外工程と、上記工具取外工程の後、上記エア吹付手段によって上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付ける、エア吹付工程と、上記エア吹付工程の後、上記工具取外工程で上記工具装着部から取り外された上記工具を、再び該工具装着部に取り付ける工具再装着工程と、を実行する、ことが好ましい。
この構成によると、例えば、工具ホルダと工具装着部との間に切削屑等の異物が挟み込まれたことで、工具装着部に対する工具の装着不具合が生じている場合には、工具装着部に取り付けられている工具を取り外して、エア吹付手段によって上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付ければ、上記異物を除去することができる。これにより、工具装着部から取り外された工具を、再び該工具装着部に取り付ければ、工具装着部に対する工具の装着不具合を解消することができる。
以上説明したように、本発明の工作機械及び工作機械の工具の装着状態判定方法によれば、工具装着部に工具が取り付けられた状態で主軸が空回転したときの、応力検出手段で検出された検出応力に基づいて、工具装着部に対する工具の装着不具合を判定するため、ワークの加工前に、工具装着部に対する工具の装着不具合を精度良く判定できる。
本発明の実施形態1に係る工作機械の構成を示す正面図である。 工作機械の平面図である。 工作機械における主軸周りの部分を概略的に示す断面図である。 工作機械における主軸周りの部分の正面図である。 ケーシングの本体部への取付部分を拡大した分解斜視図である。 主軸の前側端部周辺を示す拡大断面図であって、工具の取付動作時の後期又は工具の取外動作時の初期の状態を示す図である。 工具の取付動作時の中期又は工具の取外動作時の中期の状態を示す、図3相当図である。 工具の取付動作時の後期又は工具の取外動作時の初期の状態を示す、図3相当図である。 工作機械の駆動系及び制御系の構成を示すブロック図である。 コントロールユニットによる工具の装着状態判定時の処理動作を示す概略図である。 コントロールユニットによる工具の装着状態判定時の処理動作を示すフローチャートの一部である。 コントロールユニットによる工具の装着状態判定時の処理動作を示すフローチャートの残部である。 本発明の実施形態2に係る工作機械の工具の装着状態判定時の処理を示すフローチャートである。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係る工作機械1を示す。尚、以下の説明では、説明の便宜上、図2に示すように、主軸2の軸心方向を前後方向といい、工具3側を前側、反工具3側を後側という。また、図2に示すように、前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向といい、前側から後側を見たときの左側を左側といい、前側から後側を見たときの右側を右側という。
この工作機械1は、横型マシニングセンタであって、加工装置10の主軸2(図2参照)を回転させて、該主軸2の前側端部(厳密には、後述する工具装着部22)に取り付けられた工具3を回転させることで、加工対象としてのワークWの加工を行うものである。基台1aの縁部にはハウジング11が配設されており、ハウジング11内には、ハウジング11によって閉塞された加工室12が形成されている。
工具3は、図2に示すように、ワークWに対して加工を行う工具本体(本実施形態1では、ドリル31)と、主軸2に取り付けられる工具ホルダ32とを有している。この工具ホルダ32の詳細については後述する。
加工室12内には、水平移動可能なパレット13が配設されている。パレット13は、送り軸モータ15(図9参照)に接続されており、ワークWの加工時には、送り軸モータ15が駆動されてパレット13(正確には、パレット13上のワークW)が工具3に対して送られる。パレット13上には、治具14が据え付けられており、ワークWは治具14によってチャックされている。工作機械1は、上記ワークWに対し、主軸2の前側端部に取り付けた工具3のドリル31によって中ぐり加工等を行う。尚、工具本体はドリルに限定されず、フライス加工用のフライスやねじ切り加工用のタップでもよい。
加工室12内には、加工装置10に隣接して、自動工具交換装置60が具備されている。この自動工具交換装置60は、多種類の工具3を収納するツールマガジン61と、該ツールマガジン61に収納されている1つの工具3と主軸2に取り付けられている工具3とを交換するために、両端部に工具保持部62aを有する工具交換アーム62とを有している。工具交換アーム62は、図2に示すように、前後方向にスライド可能な支持軸63に回動可能に支持されている。工具交換アーム62は、後述する工具装着部22に対する工具3の取り付け及び取り外しを行う工具着脱手段を構成する。
加工装置10は、図2に示すように、主軸2及び工具3ごと左右方向に移動可能に構成されている。工具交換時には、支持軸63周りに回動する工具交換アーム62が、主軸2(厳密には、後述する工具装着部22)に取り付けられている工具3を確実に保持して、該主軸2から取り外せるように、加工装置10は、図2に点線で示す位置(以下、工具交換位置という)まで左側に移動する。工具交換が終了した時には、加工装置10は、図2に実線で示す位置(以下、加工位置という)まで右側に移動する。尚、加工装置10は、後述する左右方向送り装置16の作動によって左右方向に移動する。また、加工装置10は、後述する上下方向送り装置17の作動によって上下方向に移動する。
図1〜図3に示すように、工作機械1の加工装置10は、詳しくは、駆動モータ21(図9参照)によって軸心周りに回転駆動される主軸2と、ワークWを加工するドリル31と主軸2に取り付けられる工具ホルダ32とを有する工具3と、主軸2を回転可能に支持する支持部材としてのケーシング4と、主軸2を含めてケーシング4を支持する支持部5とを備えている。
主軸2は、前後方向に延びる略円筒状の部材であり、主軸2の円筒内には前後方向に延びる軸心ロッド23が挿入されている。主軸2の前側端部(先端部)は、円筒形状のケーシング4の円筒内に配置された状態で、ケーシング4の前側端面よりも前側に突出するように構成されている。主軸2の前側端部には、工具ホルダ32を介して工具3が着脱可能に取り付けられる工具装着部22が形成されている。工具3は該工具装着部22を介して主軸2に取り付けられる。また、主軸2の後側端部には主軸2を回転させるための主軸モータ21(図9参照)が配置されている。
ケーシング4は、前後方向に延びる円筒形状の部材であって、円筒内に主軸2を回転可能に支持するものである。ケーシング4の内壁側における前側寄りの部分には、複数(図3では4個)のベアリング41が配置されており、主軸2は、ベアリング41を介して、ケーシング4の円筒内で回転する。ケーシング4の後側端部はケーシング4における他の部分よりも拡径したフランジ部6になっている。
また、ケーシング4のフランジ部6内及びケーシング4の壁部内には冷却用のクーラント液が流れるクーラント油路42が配設されている。詳しくは、クーラント油路42は、図3に示すように、フランジ部6よりも後側でケーシング4の径方向内側に向かって延びて、該径方向におけるケーシング4の壁部に対応する位置で前側に折れ曲がった後、前側に向かって延びている。クーラント液は、ワークWの加工時には、クーラント油路42を通って、ケーシング4の前端部に設けられた噴射口からドリル3aに向かって噴射されて、ワークWの加工部周辺を冷却する。また、クーラント油路42は、ケーシング4の中心に対して対称かつケーシング4の周方向において略等間隔となるように配置されており、ケーシング4の周方向における温度分布が略均一になるようになっている。
ケーシング4は、図4及び図5に示すように、フランジ部6の部分が複数箇所(本実施形態では6箇所)でプリロードボルト44によって支持部5に取付固定されることで、支持部5に支持されている。具体的には、図5に示すように、支持部5には支持部側ボルト孔5aが形成され、フランジ部6には支持部側ボルト孔5aに対応する位置にフランジ側ボルト孔6aが形成され、これらのボルト孔5a,6aにプリロードボルト44の軸部44aの端部がそれぞれ挿入される。軸部44aの前側端部にはフランジ部6の前側からナット44cが締結され、これによりケーシング4が支持部5に締結される。このとき、図4に示すように、プリロードボルト44による締結箇所は周方向に等間隔に複数(本実施形態では6箇所)設けられており、各締結箇所においてフランジ部6がプリロードボルト44によって支持部5に締結されることで、ケーシング4が支持部5に支持される。また、プリロードボルト44が周方向に等間隔に配設されることにより、図4に示すように、プリロードボルト44は、2回回転対称性を有するようにそれぞれ配置された2つのプリロードボルト44からなる3組のプリロードボルト群に分けることができるようになる。
フランジ部6におけるプリロードボルト44が取り付けられる位置の後側寄りの一部は、図4及び図5に示すように、フランジ部6の外周面から径方向内側に向かって略矩形状に凹陥した凹陥部6bとなっている。凹陥部6bは、フランジ部6の周方向に略等間隔になるように複数箇所(本実施形態では6箇所)に形成されている。フランジ部6の凹陥部6bが形成された位置における前側の残部は壁になっており、図4及び図5に示すように、上記フランジ側ボルト孔6aは、上記壁の部分に形成され、上記プリロードボルト44が支持部側及びフランジ側ボルト孔5a,6aに挿入されたときには、軸部44aが凹陥部6bの中に位置するようになる。
各プリロードボルト44の軸部44aには、図4及び図5に示すように、応力検出手段としての応力センサ70が1個ずつ(すなわち、全体で6個)嵌め込まれている。各応力センサ70は、各プリロードボルト44の軸部44aに支持された状態でフランジ部6の各凹陥部6bの中に配置されており、図3に示すように、ケーシング4の周方向において略等間隔となるように配置される。これにより、複数の応力センサ70は、2つの応力センサ70からなる3組の応力センサ群72,73,74に分けられ、3組の応力センサ群72,73,74を構成する2つずつの応力センサ70は、主軸2の軸心方向から見て、該軸心周りに2回回転対称性を有するようにそれぞれ配置されるようになる。詳しくは後述するが、応力センサ70は、ベアリング41を介してケーシング4に伝えられる力によって主軸2に作用する応力を検出する。
さらに、図4及び図5に示すように、ケーシング4における各応力センサ70の近傍部、つまり、ケーシング4のフランジ部6における各凹陥部6bには、各凹陥部6bの温度を検出する温度検出手段としての温度センサ71がそれぞれ取り付けられている。尚、本実施形態では、温度センサ71は、各凹陥部6bにそれぞれ取り付けられて、各凹陥部6bの温度をそれぞれ検出するようにしているが、温度センサ71を、上記近傍部である各凹陥部6aに配置された、各プリロードボルト44にそれぞれ取り付けて、各プリロードボルト44の温度をそれぞれ検出するようにしてもよい。また、各応力センサ70、各凹陥部6b及び各プリロードボルト44の全てに温度センサ71を取り付けるようにしてもよい。
具体的に、ケーシング4を本体部5に取り付ける際には、図5に示すように、フランジ部6と本体部5との間に、カラー側ボルト孔51aが形成されたカラー51を、カラー側ボルト孔51aが本体部側ボルト孔5aに対応する位置なるよう位置合わせをして配置する。次に、予め応力センサ70が嵌め込まれたプリロードボルト44の軸44aの後側端部をカラー側ボルト孔51aを介して本体部側ボルト孔5aに挿入させる。次に、フランジ側ボルト孔6aが、本体部側ボルト孔5aに挿入されたプリロードボルト44の軸部44aの前側端部と対応する位置になるようにケーシング4の位置合わせをし、軸部44aの前側端部をフランジ側ボルト孔6aに挿入させるようにケーシング4を移動させ、軸部44aの前側端部をフランジ側ボルト孔6aから前側に向かって突出させる。そして、軸部44aの前側端部におけるフランジ側ボルト孔6aから突出した部分にワッシャー44bを介して、ナット44cを締結させる。これにより、ケーシング4が本体部5に取り付けられる。尚、温度センサ71は、ケーシング4を本体部5に取り付ける途中で、凹陥部6bに取り付けられる。
応力センサ70は、本実施形態では、既知の水晶圧電素子をリング状に加工したものであって、主軸2に作用する応力を、該水晶圧電素子の電荷の変化から検出する。工具3によってワークWを加工する際には、応力センサ70が、工具3から、主軸2及びベアリング41を介してケーシング4に伝えられる力(主軸方向のスラスト力及びケーシング4に作用する曲げ応力など)によって水晶圧電素子に作用する応力を検出して、該検出応力を後述するコントロールユニット100に入力することで、該コントロールユニット100によって、ドリル3に加えられている加工負荷が算出される。尚、加工負荷とは、例えば、トルクや曲げ応力等のことをいう。
温度センサ71は、本実施形態では熱電対である。各温度センサ71は、各凹陥部6bの温度をそれぞれ検出し、検出した検出温度を後述するコントロールユニット100に出力する。
工具3の工具ホルダ32は、図6〜図8に示すように、円柱状の基部32aと、該基部32aの反ドリル31側に設けられ、基部32aより小径の円錐状をなすシャンク部32bとを有している。基部32aとシャンク部32bとは同軸に配置されている。
基部32aの周面には、工具交換アーム62の工具保持部62aが係合する溝32cが周方向全体に形成されている。また、シャンク部32bの周面を構成する側壁の一部には、後述する工具保持用ボール22bが嵌まり込む、傾斜面を有する凹所32dが形成されている。
主軸2の工具装着部22は、図6〜図8に示すように、主軸2の軸心ロッド23における前側端部の周囲に設けられている。工具装着部22は、工具ホルダ32のシャンク部32bが嵌合する嵌合孔22aが形成されている。
図6〜図8に示すように、軸心ロッド23における工具装着部22が設けられた部分には、円形の陥没穴23aとカム面23bとが連続して形成されている。また、工具装着部22における上記陥没穴23a及びカム面23bに対応する部分には、工具保持ボール22bを支持して挿通させる貫通孔22cが形成されている。
加工装置10の前側寄りの部分には、図6〜図8に示すように、複数のエアブローノズル45が設けられている。具体的には、複数のエアブローノズル45は、主軸2の前側端面(厳密には、工具装着部22の前側端面)に向かって前後方向に延びかつ前側に向かってエアを放出する複数の第1のノズル45aと、第1のノズル45aの途中から分岐して、工具装着部22の嵌合孔22aに向かって延びかつ上記嵌合孔22a内にエアを放出する複数の第2のノズル45bと、ケーシング4の前側端面における下側の部分から前方に突出した突出部4aを通りかつ上側に向かってエアを放出する第3のノズル45cとを有している。
第1のノズル45aは、図6〜図8に示すように、主軸2における工具装着部22よりも径方向の外側の部分に形成されている。詳細には示していないが、本実施形態1では、第1のノズル45aは主軸2の周方向に等間隔に6つ〜8つ形成されている。第2のノズル45bは、工具装着部22の一部を貫通して、嵌合孔22aに開口している。第2のノズル45bは、第1のノズル45aに対応して6つ〜8つ形成されている。第3のノズル45cは、本実施形態1では、1つだけ形成されている。
第1のノズル45aは、ケーシング4及び主軸2に形成された環状のエア溝46に連通している。エア溝46には、該エア溝46に加圧エアを供給する複数のエア供給路47が接続されている。エア供給路47には、加圧エア供給装置48(図9参照)から加圧エアが供給される。すなわち、エアブローノズル45には、主に工具交換時に、加圧エア供給装置48から、エア供給路47及びエア溝46を介して、加圧エアが供給されるようになっている。そして、エアブローノズル45は、加圧エア供給装置48から加圧エアが供給されたときに、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付けるようになっている。これらのことから、エアブローノズル45、エア溝46、エア供給路47、及び加圧エア供給装置48は、エア吹付手段を構成する。
上述のように構成された工作機械1は、図9に示すように、コントロールユニット100によって制御される。周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号を入出力する入出力(I/O)バスとを備えている。
コントロールユニット100には、例えば、応力センサ70で検出された検出応力及び温度センサ71によって検出された検出温度に関する情報が入力される。本実施形態1では、この検出応力及び検出温度は、単位時間毎(例えば、8ミリ秒毎)にコントロールユニット100に入力される。
コントロールユニット100は、入力された信号に基づいて、パレット13の送り軸モータ15、左右方向送り装置16、上下方向送り装置17、駆動モータ21、加圧エア供給装置48、自動工具交換装置60、軸心ロッド23を軸心方向に移動させるロッド移動装置101へ制御信号を出力する。また、コントロールユニット100は、工作機械1の作業者に、該工作機械1の異常状態を伝達するためのアラーム103に制御信号を出力する。
コントロールユニット100は、ワークWの加工時には、ドリル31に加えられている加工負荷を算出して、送り軸モータ15を制御してドリル31によるワークWの加工送り速度を上記加工負荷に応じた条件に制御する。具体的には、コントロールユニット100は、検出応力及び検出温度に関する情報に基づいて、ワークWの加工時にドリル31に加えられている加工負荷を算出して、該算出結果に基づいてドリル31によるワークWの加工送り速度を決定する。そして、該加工送り速度に基づく駆動信号を、パレット13の送り軸モータ15に送信して、ドリル31に対してワークWを移動させて、ドリル3の加工の制御量としての送り速度を制御する。このことから、コントロールユニット100は、加工制御手段を構成する。尚、コントロールユニット100は、検出応力及び検出温度に関する情報に基づいて、ドリル31によるワークWの加工の制御量を決定するときには、例えば、プリロードボルト44の熱変形量を温度センサ71の検出結果から推定して、プリロードボルト44の熱変形が応力センサ70の検出結果に与える影響を、上記推定結果に基づいて取り除くような制御を実行することができる。
また、コントロールユニット100は、左右方向送り装置16、上下方向送り装置17、自動工具交換装置60、及びロッド移動装置101の作動制御をして、工具装着部22に対する工具3の取り付け及び取り外しを行う。
工具3の取付動作について説明すると、工具3を工具装着部22に取り付けるときには、コントロールユニット100は、先ず、加工装置10を適切な上下位置に位置させる。次に、コントロールユニット100は、加工装置10を上記工具交換位置まで移動させる。次いで、コントロールユニット100は、加工装置10の主軸2の工具装着部22に工具3が取り付けられている場合には、自動工具交換装置60によって、該工具3の取り外しを行う(取外動作については後述する)、工具装着部22に工具3が取り付けられていない場合には、そのまま次の工程に進む。続いて、コントロールユニット100は、ツールマガジン61から選択された工具3を、工具交換アーム62の工具保持部62aに保持させた後、工具交換アーム62を回動させて、図6に示すように、取り付けられる工具3を工具装着部22の前に位置させる。このときには、図6に示すように、工具保持用ボール22bは、陥没穴23aと貫通孔22cとに亘って収容され、工具保持用ボール22bは嵌合孔22aよりも、主軸2の径方向の内側に位置した状態となっている。
コントロールユニット100は、上記工具3を工具装着部22の前に位置させた後、支持軸63をスライドさせて、図7に示すように、工具交換アーム62の工具保持部62aに上記工具3を保持させた状態で、該工具交換アーム62を、工具3のシャンク部32bが嵌合孔22aに嵌合するように移動させる。これにより、シャンク部32bと嵌合孔22aとが当接した状態となる。
その後、コントロールユニット100は、ロッド移動装置101によって軸心ロッド23を後側に移動させる。この軸心ロッド23の後側への移動により、図8に示すように、工具保持用ボール22bがカム面23bに乗り上げ、貫通孔22cから主軸2の径方向の外側に突出する。突出した工具保持用ボール22bは、シャンク部32cの凹所32dに嵌まり込む。このとき、工具保持用ボール22bは、凹所32dの傾斜面によって、シャンク部32bを後側へ引き込みながら、シャンク部32bを嵌合孔22aの内側面に押し付ける。これにより、工具3が工具装着部22に保持される。そして、工具交換アーム62の工具保持部62aと工具ホルダ32の溝部32cとの係合が解除されれば、工具3の取付動作が完了する。
次に、工具3の取外動作について説明する。工具3を工具装着部22から取り外すときには、コントロールユニット100は、先ず、加工装置10を適切な上下位置に位置させる。次に、コントロールユニット100は、加工装置10を上記工具交換位置まで移動させる。次いで、コントロールユニット100は、工具交換アーム62を回動させて、工具装着部22に取り付けられている工具3の溝部32cと工具保持部62aとを係合させて、工具3を保持させる。続いて、コントロールユニット100は、ロッド移動装置101によって軸心ロッド23を前側に移動させる。これにより、工具保持用ボール22bがカム面23bに沿って陥没穴23aに移動して、シャンク部32bの凹所32dから外れる。その後、コントロールユニット100は、支持軸63を前側にスライドさせる。そして、シャンク部32bと嵌合孔22aとの嵌合を解除されれば、工具3の取外動作が完了する。
ここで、工作機械1による加工精度を向上させるためには、工具装着部22に対して工具3を適切に装着することが重要とされている。特に、ドリル31のような中ぐり加工を行うものでは、工具3の軸心と主軸2の軸心とを出来る限り一致させて、ドリル31の回転ブレを抑制することが重要である。
主軸2の軸心と工具3の軸心とにズレが生じる原因としては、例えば、工具3の工具ホルダ32と工具装着部22との間の加工屑(切削屑)の挟み込みが挙げられる。そこで、本実施形態1では、上述のように工具3の取り付け及び取り外しを行う際に、工具ホルダ32と工具装着部22との間に隙間が生じたときに、加圧エア供給装置48を駆動させて、エアブローノズル45からエアを放出して、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付けるようにしている。これにより、工具3を工具装着部22に取り付ける際に、工具ホルダ32と工具装着部22との間に、加工屑が挟み込まれるのをある程度防止することができる。
しかしながら、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付けたとしても、工具ホルダ32と工具装着部22との間の加工屑の挟み込みを完全に防止することは難しく、該加工屑の挟み込みによって、工具3の軸心と主軸2の軸心とにズレ、すなわち、工具装着部22に対する工具3の装着不具合が生じることがある。また、上記加工屑の挟み込みがなかったとしても、工具ホルダ32に変形が生じている場合には、工具装着部22に対する工具3の装着不具合が生じることがある。
そこで、本実施形態1では、コントロールユニット100は、加工装置10で実際にワークWの加工を行う前に、工具装着部22に対する工具3の装着状態の判定、特に工具装着部22に対する工具3の装着不具合の判定(以下、単に不具合判定という)を実行するようにしている。以下、その詳細について説明する。
上記不具合判定は、工具装着部22に工具3が取り付けられた状態で主軸2が空回転したときの、応力センサ70で検出される応力に基づいて実行される。
より具体的には、先ず、工具装着部22に工具3が取り付けられた状態で主軸2を所定回転数で所定時間だけ空回転させる。この所定回転数は、例えば、取り付けられている工具3でワークWを加工する際の回転数と同等の回転数に設定されている。また、所定時間は、例えば、0.5秒〜1.0秒に設定されている。尚、工具3の装着不具合の判定を安定的に行うには、所定回転数は数千回転数あるのが好ましい。
このとき、例えば、工具ホルダ32と工具装着部22との間に切削屑等の異物が挟み込まれている場合、主軸2の軸心に対して工具3の軸心が傾くため、工具3に周期的なブレが生じて、各応力センサ70では周期的に応力が変化する応力波形が検出される。
図10の上図には、例として、応力センサ群72を構成する2つの応力センサ70で検出された2つの応力波形SWを示している。図10の上図において、縦軸は応力値、横軸は時間である。上記2つの応力センサ70は、上述したように、主軸2の軸心に対して2回回転軸を有するように配置されているため、主軸2の軸心に対して工具3の軸心が傾いている場合には、一方の応力センサ70が圧縮応力を受けているときには、他方の応力センサ70は引張応力を受けることになる。このため、上記2つの応力波形SWは、図10の上図に示すように、互いに位相が180°程度ずれることになる。
次に、検出された各応力波形について、中央値Mをそれぞれ設定する。この中央値Mは、図10の上図に示している。尚、中央値Mが応力値の0点に対してオフセットしているが、これは、例えば、ケーシング4の密度分布のばらつきや、プリロードボルト44の取り付け具合のばらつき等によって発生するものである。
次いで、各応力波形SWに対して、中央値Mよりも大きい値を正成分とし、中央値Mよりも小さい値を負成分として、該負成分を中央値Mに対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形RWを算出する。図10の中図に示すように、反転波形は、上記負成分を中央値Mに対して反転させているため、中央値M以上の値のみを持つようになる。
反転波形RWを算出した後、応力センサ群を構成する2つの応力センサ70に基づく2つの反転波形RWを合算して合成波形IWを算出する。図10の下図には、応力センサ群72を構成する2つの応力センサ70に基づく2つの反転波形RWから算出された合成波形IWを例示している。この合成波形IWは、応力センサ群72,73,74毎に算出される。
続いて、各合成波形IWを積分して積分値をそれぞれ求める。応力波形SWは、応力センサ70によって、単位時間毎に検出された応力値をプロットしたものに相当するため、合成波形IWも単位時間毎に値を有している。そのため、合成波形IWの単位時間毎の値を積算することで、合成波形IWの積分値を求めることができる。つまり、ここでいう「合成波形IWを積分する」とは、「合成波形IWの単位時間毎の値を積算する」ことを意味する。
そして、各合成波形IWから算出された各積分値を合計して、該合計値に基づいて工具装着部22に対する工具3の装着不具合を判定する。
具体的には、例えば、上記合計値と予め設定された閾値とを比較して、上記合計値が該閾値以上であるときには、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定する一方、上記合計値が上記閾値未満であるときには、工具装着部22に対する工具3の装着不具合がないと判定する。また、例えば、当該工具3の前回の許容できる合計値に対する今回の合計値の変化量が、予め設定した許容範囲内か判定する許容変化量以上であるときには、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定する一方、上記合計値の上記変化量が、上記許容変化量未満であるときには、工具装着部22に対する工具3の装着不具合がないと判定する。さらに、上記合計値が上記閾値以上かを判定するとともに、当該工具3の前回の許容できる合計値に対する今回の合計値の変化量が上記許容変化量以上かを判定してもよい。上記閾値に基づく判定と上記許容変化量に基づく判定とを組み合わせることにより、一層判定精度を高めることができる。 尚、判定において、予め設定された閾値を用いる場合には、上記所定時間に応じて該閾値の値を変化させる。
コントロールユニット100は、以上のようにして、上記不具合判定を行う。このことから、コントロールユニット100は、装着状態判定手段を構成する。
このように、積分値に基づいて、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を判定することで、応力の変化が小さい場合でも、該応力の変化量を積算した値を含む値に基づいて、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を判定することになる。よって、工具装着部22に対する工具3の装着不具合の判定の精度を向上させることができる。
尚、加工開始前の状態であれば、ケーシング4及び支持部5の温度分布は略均一であるため、仮に各プリロードボルト44が熱変形をしていたとしても、各プリロードボルト44の熱変形量にはバラツキがない。よって、上記不具合判定においては、プリロードボルト44の熱変形については、特に考慮する必要がない。しかしながら、プリロードボルト44の熱変形量を温度センサ71の検出結果から推定して、プリロードボルト44の熱変形が応力センサ70の検出結果に与える影響を、上記推定結果に基づいて取り除くようにしてもよい。
また、本実施形態1では、コントロールユニット100は、上記不具合判定において工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定されたときには、工具3の交換作業を利用して、エアブローノズル45から、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付けるようにしている。
具体的には、上記不具合判定において工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定されたときには、先ず、主軸2の回転を止めた後、左右方向送り装置16によって、加工装置10を上記工具交換位置まで移動させる。次に、自動工具交換装置60を作動させて、工具交換アーム62によって、工具装着部22に取り付けられている工具3を取り外す。このとき、上述したように、工具ホルダ32と工具装着部22との間に隙間が生じたときに、加圧エア供給装置48を駆動させて、エアブローノズル45からエアを放出して、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付ける。
次いで、工具交換アーム62によって、主軸2の工具装着部22に、取り付けられていた工具3とは別の工具を取り付ける。この交換される工具は、ツールマガジン61に収容されている工具であれば、どのような工具であってもよい。
次に、工具交換アーム62によって、上記別の工具を工具装着部22から取り外す。このときにも、工具ホルダ32と工具装着部22との間に隙間が生じたときに、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付ける。
続いて、工具交換アーム62によって、工具装着部22から取り外された工具3(工具装着部22に元々取り付けられていた工具3)を、再び工具装着部22に取り付ける。
上述のようにすれば、例えば、工具ホルダ32と工具装着部22との間に切削屑等の異物が挟み込まれたことで、工具装着部22に対する工具3の装着不具合が生じている場合には、工具3の交換作業を利用して、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付ければ、異物を除去することができることがある。これにより、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を解消することができることがある。また、上述の工具3の交換作業は、自動で行うことができるため、作業者の負担を軽くすることもできる。
本実施形態1では、上述のように、工具3の交換作業を利用して、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付けて、再び工具3を工具装着部22に取り付けた後、コントロールユニット100は、加工装置10を上記加工位置に戻して、再度、上記不具合判定を行う。そして、当該不具合判定において、工具装着部22に対する工具3の装着不具合はないと判定されたときには、そのまま加工を開始する一方、再度、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定されたときには、加工を中止する。尚、加工を中止したときには、例えばアラーム103を鳴らして、作業者に知らせるようにしてもよい。
図11及び図12のフローチャートは、本実施形態1のコントロールユニット100による工具3の装着状態の判定時(特に、装着不具合の判定時)の処理動作を示す。
先ず、ステップS101において、工具3を工具装着部22に取り付け、次のステップS102において、上記不具合判定のために、主軸2を所定回転数で所定時間だけ回転させる。尚、上述したように、工具3の取り付けの際には、加工装置10は上記工具交換位置まで移動しており、ステップS102は、加工装置10が上記加工位置まで移動した後に実行される。
次に、ステップS103において、主軸2を所定時間だけ回転したときに、各応力センサ70で検出される応力波形SWを読み込む。
次のステップS104では、各応力波形SWに対して中央値Mを設定する。
次に、ステップS105において、各応力波形SWに対して、中央値Mよりも小さい負成分を該中央値Mに対して反転させて、正成分と反転させた負成分とからなる反転波形RWを算出する。
次のステップS106では、応力センサ群72,73,74毎に、2つの反転波形RWを合算して合成波形IWを算出する。
次に、ステップS107において、合成波形を積分して積分値を算出する。
次のステップS108では、各応力センサ群72,73,74の各合成波形の各積分値を合計する。
次に、ステップS109において、上記ステップS108で算出された合計値に基づいて、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があるか否かを判定する。このステップ109での判定は、例えば、上述した、上記合計値と予め設定された閾値とを比較する判定方法や、上記合計値の変化量と上記許容変化量とを比較する判定方法によって、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を判定する。このステップS109の判定がYESであるときには、ステップS111に進む一方、ステップS109の判定がNOであるときには、ステップS110に進む。
上記ステップS110では、加工を開始する。ステップS110の後は、しかる後にリターンする。
一方で、上記ステップS111では、現在、工具装着部22に取り付けられている工具3を他の工具と交換する。この工具交換時には、加圧エア供給装置48を駆動して、エアブローノズル45からエアを放出して、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付ける。
次のステップS112では、上記他の工具を元の工具3と交換して、工具装着部22に再び工具3を取り付ける。この工具交換時にも、加圧エア供給装置48を駆動して、エアブローノズル45からエアを放出して、工具装着部22及び該工具装着部22の近傍にエアを吹き付ける。
工具装着部22に再び工具3を取り付けた後は、再び不具合判定を行うために、ステップS113〜S119の各ステップを実行して、ステップS120で、ステップS119で算出された合計値に基づいて、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があるか否かを判定する。このステップ119での判定でも、例えば、上述した、上記合計値と予め設定された閾値とを比較する判定方法や、上記合計値の変化量と上記許容変化量とを比較する判定方法によって、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を判定する。そして、ステップS120の判定がYESであるときには、ステップS121に進む一方、ステップS120の判定がNOであるときには、ステップS110に進んで加工を開始する。
上記ステップS121では、加工を中止する。ステップS121の後は、しかる後にリターンする。
したがって、本実施形態では、駆動モータ21によって軸心周りに回転駆動される主軸2と、ワークWを加工する工具本体(ドリル31)と主軸2に取り付けられる工具ホルダ32とを有する工具3と、主軸2の先端部に設けられ、工具ホルダ32を介して工具3が着脱可能に取り付けられる工具装着部22と、主軸2を回転可能に支持するケーシング4と、主軸2の周りにケーシング4に関連付けて配置され、工具装着部22に工具3が取り付けられた状態で該主軸2が回転するときに、主軸2に作用する応力を検出する応力センサ70と、工具装着部22に工具3が取り付けられた状態で該主軸2が空回転したときの、応力センサ70で検出された応力に基づいて、工具装着部22に対する工具2の装着不具合を判定する装着状態判定手段(コントロールユニット100)を備えるため、ワークWの加工前に、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を精度良く判定できる。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態2は、工具装着部22に対する工具3の装着状態の判定において、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定された後の処理が上記実施形態1と異なるだけであって、工作機械1の構成及び工具3の装着状態の判定における処理は、上記実施形態1と共通であるため、その詳細な説明を省略する。
図13のフローチャートは、本実施形態2における工具の装着状態の判定時(特に、装着不具合の判定時)の処理を示すフローチャートである。
本実施形態2でも、上記実施形態1と同様に、先ず、ステップS201において、工具3を工具装着部22に取り付け、次のステップS202において、工具3の装着不具合の判定のために、主軸2を所定回転数で所定時間だけ回転させる。
次に、ステップS203において、主軸2を所定時間だけ回転したときに、各応力センサ70で検出される応力波形SWを読み込んで、次のステップS204で、各応力波形SWに対して中央値Mを設定する。
次に、ステップS205において、各応力波形SWに対して、中央値Mよりも小さい負成分を該中央値Mに対して反転させて、正成分と反転させた負成分とからなる反転波形RWを算出し、続くステップS206において、応力センサ群72,73,74毎に、2つの反転波形RWを合算して合成波形IWをそれぞれ算出する。
次に、ステップS207において、合成波形を積分して積分値を算出して、次のステップS208において、各応力センサ群72,73,74の各合成波形の各積分値を合計する。
次に、ステップS209において、上記ステップS208で算出された合計値に基づいて、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があるか否かを判定する。このステップ209での判定は、実施形態1と同様に、例えば、上記合計値と予め設定された閾値とを比較する判定方法や、上記合計値の変化量と上記許容変化量とを比較する判定方法によって、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を判定する。このステップS209の判定がYESであるときには、ステップS211に進む一方、ステップS209の判定がNOであるときには、ステップS210に進む。
上記ステップS210では、加工を開始する。ステップS210の後は、しかる後にリターンする。
上記ステップS211では、コントロールユニット100は、駆動モータ21の作動を停止させて、主軸2の回転を停止させる。
次に、ステップS212において、コントロールユニット100は、作業者の呼び出しを行う。この作業者の呼び出しは、例えば、アラーム103を鳴らすことで行うことができる。
次のステップS213では、作業者が工具装着部22に対する工具3の装着不具合の原因を確認し、次のステップS214において、作業者が該原因を除去する。例えば、上記装着不具合の原因が、工具ホルダ32と工具装着部22との間の異物の挟み込みである場合には、作業者が工具30を工具装着部22から取り外した後、加圧エア供給装置48を作動させたり、手動で異物を取り除いたりする。これにより、上記装着不具合の原因を取り除くことができる。
次のステップS215では、コントロールユニット100が、駆動モータ21等を作動させて加工を開始する。
したがって、本実施形態2でも、ワークWの加工前に、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を精度良く判定できる。また、本実施形態2によると、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定されたときには、作業者を呼び出すようにしているため、工具装着部22に対する工具3の装着不具合の原因の確認と、該原因の除去とを適切に行うことができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上述の実施形態1及び2では、コントロールユニット100は、応力センサ群72,73,74毎に反転波形RWを合算して合成波形IWをそれぞれ算出し、該合成波形IWを積分するようにしているが、これに限らず、例えば、6つの応力センサ70のうちの1つの応力センサ70で検出された応力波形SWに対して、中央値Mを求めて、該中央値Mよりも大きい値を正成分とし、該中央値Mよりも小さい値を負成分として、該負成分を上記中央値Mに対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形RWを算出し、その後、反転波形RWを積分して、該積分値に基づいて、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を判定するようにしてもよい。このようにしても、ワークWの加工前に、工具装着部22に対する工具3の装着不具合を判定することができる。
また、上述の実施形態1及び2では、コントロールユニット100は、3組の応力センサ群72,73,74毎に反転波形RWを合算して合成波形IWをそれぞれ算出し、該合成波形IWを積分するようにしているが、これに限らず、上記合成波形IWのピーク値が予め設定された基準値以上であるときに、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定するようにしてもよい。このとき、3組の応力センサ群72,73,74に対応して算出される3つの合成波形IWのうち、1つの合成波形IWのピーク値が上記基準値以上であるときに、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定するようにしてもよいし、上記3つの合成波形IWの各ピーク値が全て上記基準値以上であるときに、工具装着部22に対する工具3の装着不具合があると判定するようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態1及び2では、応力センサ70は6つ配置されていたが、応力センサ70の数は、5つ以下でもよく、7つ以上でもよい。尚、応力センサ70が2つであって、該2つの応力センサ70が、1組の応力センサ群を構成するように主軸2の軸心周りに2回回転対称性を有するように配置されている場合には、上記不具合判定では、積分値を合計するステップ(実施形態1のステップS108及びステップS119、並びに、実施形態2のステップS208)は省略されて、1組の応力センサ群を構成する2つの応力センサ70の検出結果から算出された合成波形IWの積分値に基づいて、工具装着部22に対する工具3の装着不具合が判定される。このとき、当該積分値と予め設定された閾値と比較して判定を行う場合には、該閾値は上記実施形態1及び2の閾値とは異なる値に設定される。さらに、応力センサ70が1つである場合には、合成波形IWを算出するステップ(実施形態1のステップS106及びステップS117、並びに、実施形態2のステップS206)も省略されて、当該1つの応力センサ70の検出結果から算出された反転波形RWの積分値に基づいて、工具装着部22に対する工具3の装着不具合が判定される。尚、この場合も、当該積分値と予め設定された閾値と比較して判定を行う場合には、該閾値は上記実施形態1及び2の閾値とは異なる値に設定される。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、主軸の工具装着部に工具が取り付けられる工作機械において、工具装着部に対する工具の装着不具合を判定する際に有用である。
1 工作機械
2 主軸
3 工具
4 ケーシング(支持部材)
21 駆動モータ(駆動部)
22 工具装着部
31 ドリル(工具本体)
32 工具ホルダ
45 エアブローノズル(エア吹付手段)
46 エア溝(エア吹付手段)
47 エア供給路(エア吹付手段)
48 加圧エア供給装置(エア吹付手段)
62 工具交換アーム(工具脱着手段)
70 応力センサ(応力検出手段)
72 応力センサ群(応力検出手段群)
73 応力センサ群(応力検出手段群)
74 応力センサ群(応力検出手段群)
100 コントロールユニット(装着状態判定手段)
M 中央値
SW 応力波形
RW 反転波形
IW 合成波形

Claims (9)

  1. 駆動部によって軸心周りに回転駆動される主軸と、
    ワークを加工する工具本体と上記主軸に取り付けられる工具ホルダとを有する工具と、
    上記主軸の先端部に設けられ、上記工具ホルダを介して上記工具が着脱可能に取り付けられる工具装着部と、
    上記主軸を回転可能に支持する支持部材とを備えた工作機械であって、
    上記主軸の周りに上記支持部材に関連付けて配置され、上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で上記主軸が回転するときに、該主軸に作用する応力を検出する応力検出手段と、
    上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が空回転したときの、上記応力検出手段で検出された応力に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する装着状態判定手段とをさらに備えることを特徴とする工作機械。
  2. 請求項1に記載の工作機械において、
    上記装着状態判定手段は、
    上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が所定時間空回転されたときに、上記応力検出手段で検出される応力波形に対して、該応力波形の中央値を求め、
    上記応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分のみを上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形を算出し、
    上記反転波形を積分して、該積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定するように構成されていることを特徴とする工作機械。
  3. 請求項1に記載の工作機械において、
    上記応力検出手段は偶数個あり、
    上記偶数個の応力検出手段は、2つの応力検出手段からなる1組又は複数組の応力検出手段群に分けられ、
    上記応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段は、上記主軸の軸心方向から見て、該軸心周りに2回回転対称性を有するようにそれぞれ配置されており、
    上記装着状態判定手段は、
    上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が所定時間空回転されたときに、上記各応力検出手段で検出される応力波形に対して、各応力波形の各中央値をそれぞれ求め、
    上記各応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分を上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形をそれぞれ算出し、
    上記応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段で検出された2つの応力波形に基づく2つの上記反転波形を合算して合成波形を算出し、
    上記合成波形を積分して、積分値を算出し、
    上記応力検出手段群が1組である場合には、当該応力検出手段群の上記積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する一方、上記応力検出手段群が複数組である場合には、各応力検出手段群のそれぞれの積分値の合計値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定するように構成されていることを特徴とする工作機械。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の工作機械において、
    上記工具装着部に対する上記工具の取り付け及び取り外しを行う工具着脱手段と、
    上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付け可能なエア吹付手段とを更に備え、
    上記装着状態判定手段によって、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合があると判定されたときには、上記主軸の回転を止めた後、上記工具着脱手段によって上記工具装着部に取り付けられている工具を取り外して、上記エア吹付手段によって上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付け、その後、上記工具着脱手段によって、上記工具装着部から取り外された上記工具を、再び該工具装着部に取り付けるように構成されていることを特徴とする工作機械。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の工作機械において、
    上記応力検出手段の検出結果から算出される、上記工具の加工負荷である検出負荷に基づいて、上記工具による上記ワークの加工の制御量を制御する加工制御手段を更に備え、
    上記各応力検出手段は、上記工具よる上記ワークの加工時には、検出結果を上記加工制御手段に伝達するよう構成されていることを特徴とする工作機械。
  6. 軸心周りに回転する主軸と、上記主軸の先端部に設けられ、ワークを加工する工具が着脱可能に取り付けられる工具装着部と、上記主軸を回転可能に支持する支持部材とを備えた工作機械において、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する、工作機械の工具の装着状態判定方法であって、
    上記工具装着部に上記工具が取り付けられた状態で該主軸が所定時間空回転したときの、上記主軸に作用する応力を検出する応力検出工程と、
    上記応力検出工程で検出された応力に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する装着状態判定工程とを含むことを特徴とする、工作機械の工具の装着状態判定方法。
  7. 請求項6に記載の工作機械の工具の装着状態判定方法において、
    上記装着状態判定工程は、
    上記応力検出工程で検出される応力波形に対して、該応力波形の中央値を設定する中央値設定工程と、
    上記応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分を上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形を算出する反転波形算出工程と、
    上記反転波形算出工程で算出された上記反転波形を積分して積分値を算出する積分工程と、
    を含み、
    さらに上記装着状態判定工程は、上記積分工程で算出された上記積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定することを特徴とする、工作機械の工具の装着状態判定方法。
  8. 請求項6に記載の工作機械の工具の装着状態判定方法において、
    上記工作機械は、偶数個の応力検出手段を有し、
    上記偶数個の応力検出手段は、2つの応力検出手段からなる1組又は複数組の応力検出手段群に分けられ、
    上記応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段は、上記主軸の軸心方向から見て、該軸心周りに2回回転対称性を有するようにそれぞれ配置されており、
    上記応力検出工程は、上記偶数個の応力検出手段により上記主軸に作用する応力を検出する工程であり、
    上記装着状態判定工程は、
    上記応力検出工程において、上記各応力検出手段で検出される応力波形に対して、各応力波形の各中央値をそれぞれ求める中央値設定工程と、
    上記各応力波形に対して、上記中央値よりも大きい値を正成分とし、上記中央値よりも小さい値を負成分として、上記負成分を上記中央値に対して反転させて、上記正成分と反転させた上記負成分とからなる反転波形をそれぞれ算出する反転波形算出工程と、
    上記応力検出手段群を構成する2つの応力検出手段で検出された2つの応力波形に基づく2つの上記反転波形を合算して合成波形を算出する合成波形算出工程と、
    上記合成波形算出工程で算出された上記合成波形を積分して、積分値を算出する積分工程と、
    を含み、
    さらに上記装着状態判定工程は、上記応力検出手段群が1組である場合には、当該応力検出手段群の上記積分値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定する一方、上記応力検出手段群が複数組である場合には、各応力検出手段群のそれぞれの積分値の合計値に基づいて、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合を判定することを特徴とする、工作機械の工具の装着状態判定方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1つに記載の工作機械の工具の装着状態判定方法において、
    上記工作機械は、上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付け可能なエア吹付手段を更に備え、
    上記装着状態判定工程によって、上記工具装着部に対する上記工具の装着不具合があると判定されたときには、
    上記主軸の回転を止めて、上記工具装着部に取り付けられている工具を取り外す工具取外工程と、
    上記工具取外工程の後、上記エア吹付手段によって上記工具装着部及び該工具装着部の近傍の少なくとも一方にエアを吹き付ける、エア吹付工程と、
    上記エア吹付工程の後、上記工具取外工程で上記工具装着部から取り外された上記工具を、再び該工具装着部に取り付ける工具再装着工程と、
    を実行することを特徴とする、工作機械の工具の装着状態判定方法。
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