JP2019093001A - 履物の中敷き - Google Patents
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Abstract
Description
中敷きの使用目的は、代表的には、履物の履き心地や運動性の向上であるが、外反母趾の治療などで使用されることもある。
特許文献1には、姿勢やO脚などの障害の矯正や足の内側の筋肉を引き締めることなどを目的として、母趾球部に対応する領域と母趾の腹部に対応する領域を、母趾球部と母趾腹部がそれぞれ入り込めるように窪ます又は貫通穴を形成した中敷きが開示されている。
また、特許文献2には、蹴り出す段階においてより体重移動をコントロールすることによってあおり歩行を促すことを目的として、クッション性の中敷本体と硬質プレートとを有し、中敷本体の上面を不踏部から踵部にかけて周縁部を足裏に沿って高く肉厚に形成して内側アーチサポートと外側アーチサポートと踵サポートとを設けると共に踵部上面に球面状の窪みを形成し、硬質プレートにおいてはその踵中央部に切欠き部が形成されると共に踵外周壁に沿って踵補強壁を、内側アーチ側と外側アーチ側とに対向して内側補強壁、外側補強壁を形成すると共にその前縁を第1ボールジョイント部と踵部中心とを結ぶ軸線に対して第1中足骨の底部からほぼ直交し第5中足骨に至る幅とした中敷きが開示されている。
外反母趾の治療法として、代表的には、保存療法と手術療法が挙げられる。保存療法の1つとして、適切な中敷きの使用がある。通常、医療機関において、アーチサポートや踵骨の回内抑制、母趾球位置の制御などを目的として、個々の外反母趾者の足に合わせてカスタマイズされた中敷が処方される。一方で、軽度の外反母趾者にあっては、汎用的な市販の中敷を購入して使用している場合もある。しかしながら、外反母趾者の足部の変形状態は様々であるため、自身の足部変形状態に比較的適合した中敷きを探すことが困難であるという問題点がある。
特許文献1及び特許文献2の中敷きは、外反母趾者に適したものを提供することを意図していない上、上述のように外反母趾者の足部変形状態は様々であるため、広く外反母趾者の足に適合するものではない。
また、外反母趾の保存療法として、外反母趾の症状又は兆候の原因となっている足部の変形の進行をできるだけ防止できる中敷きが求められる。
本発明のもう1つの目的は、外反母趾に関連した足部変形の進行を防止できる履物の中敷きを提供することである。
本発明の好ましい履物の中敷きは、前記複数の衛星孔部が、基準孔部の重心を中心とする同心円状に配置されている。
本発明の好ましい履物の中敷きは、前記基準孔部が、前記中敷本体の最前端縁から最後端縁までの足長を100%とした場合、前記中敷本体の最後端縁から66.1%〜73.9%の範囲内に形成されている。
本発明の好ましい履物の中敷きは、前記基準孔部が、前記中敷本体の最内側縁から最外側縁までの足幅を100%とした場合、前記中敷本体の最内側縁から14%〜20%の範囲内に形成されている。
本発明の好ましい履物の中敷きは、前記中敷本体の母趾球領域の裏面に、凹部が形成されており、前記凹部の窪み開始部分である縁部が、断面視傾斜状に形成されている。
本発明の好ましい履物の中敷きは、前記凹部の最深部を含む中央部が、平坦状に形成されている。
本発明の好ましい履物の中敷きは、踵部に対応する前記中敷本体の踵領域の裏面に、凹部が形成されている。
本発明の好ましい履物の中敷きは、前記踵領域に形成された凹部が、弧状縁及び弧状縁とは反対側の尖縁を有する平面視略滴状に形成されており、前記平面視略滴状の軸線が前記中敷本体の足長方向に対して外側に傾斜するように、前記凹部が形成されている。
本発明の好ましい履物の中敷きは、前記凹部に対応する踵領域に、孔部が形成されている。
また、本発明の好ましい中敷きは、外反母趾者の足部変形の進行を防止する効果も期待できる。
本明細書において、中敷きの「表面」は、使用者の足が接する側の面を指し、「裏面」は、その反対側(履物に接する側)の面を指す。また、「足長」は、中敷本体の最前端縁から最後端縁までの長さ(中敷きの長さ)をいい、「足長方向」は、その長さ方向をいい、「足幅方向」は、その長さ方向に直交する方向をいい、「足幅」は、中敷本体の最内側縁から最外側縁までの足幅方向における長さをいう(図1参照)。なお、前記中敷きの「足長」は、足裏を基準としても規定でき、足部骨格における第2趾先端から踵骨後端までの長さとも言える。例えば甲先の長い履物(ロングノーズシューズなど)の中底形状に適合する中敷きは、前記履物の甲先に合わせるために、その前方に大きく延ばされた部分(この部分は、使用者の足裏が載らず、実質的に中敷きとして機能しない部分である)があるので、そのような場合には、前記「足長」は、足裏を基準として解釈されるものとする。
また、「外側」又は「外」は、足幅方向の第5趾側をいい、「内側」又は「内」は、中敷きの足幅方向の第1趾側をいい、「平面視」は、中敷きの表面又は裏面から面に対して垂直な視線で見ることをいい、「断面視」は、断面に対して垂直な視線で見ることをいう。
また、本明細書において「略」は、本発明の属する技術分野において許容される範囲を意味する。
本明細書において、「下限値X〜上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値〜任意の上限値」を設定できるものとする。
前記中敷本体2の、足裏の母趾球部に対応する母趾球領域には、複数の孔部41,42が形成されている。さらに、前記中敷本体2の母趾球領域の裏面には、凹部5が形成されている。また、前記中敷本体2の、足裏の踵部に対応する踵領域の裏面には、平面視略滴状の凹部6が形成されている。
以下、具体的に説明する。
図1乃至図3を参照して、中敷本体2は、従来と同様に、履物の標準的な中底形状を想定した平面視形状に形成されている。中敷本体2は、履物のサイズや種類に合わせて様々な大きさに形成される。中敷本体2の足長及び足幅は、履物のサイズと同様である。
中敷本体2の内側縁には、足裏の土踏まず部に対応するアーチサポート部31が立ち上げられている。また、中敷本体2の前端縁を含む五趾領域の縁には、足の五趾を覆うための前サポート部32が延設されている。さらに、中敷本体2の後端縁を含む踵領域の縁には、足の踵部側方に対応するヒールサポート部33が立ち上げられている。
ここで、本明細書においては、中敷本体2をいくつかの領域に区分けしている。説明用の図2を参照して、中敷本体2の五趾領域は、中敷本体2のうち、使用者の足裏の五趾に対応する領域をいい、中敷本体2の母趾球領域は、足裏の母趾球部に対応する領域をいい、中敷本体2の反母趾球領域は、前記母趾球領域とは足幅方向反対側の領域をいい、中敷本体2の踵領域は、足裏の踵部に対応する領域をいい、中敷本体2の中領域は、前記母趾球領域及び反母趾球領域と踵領域との間の領域をいう。図2の二点鎖線は、前記各領域を視覚的に区別するための各領域の概念上の境界線を示しているが、現実的には、前記各領域の境界は、ある程度の幅があることに留意されたい。
前サポート部32と中敷本体2の明確な境界線は存在しないが、図1乃至図3に両者の境界線を小破線で示している。
履き心地及び中敷本体2の母趾球領域の変形量が大きくなり易いことから、各サポート部及び中敷本体2は、軟質の表層と、前記表層よりも剛性の大きい硬質の裏層と、を有する少なくとも2層以上の積層体から形成されていることが好ましい。
前記表層及び裏層の剛性の程度は、例えば、硬度で表すことができる。前記表層の硬度(アスカーC硬度)は、例えば、20〜40であり、好ましくは22〜30であり、前記裏層の硬度(アスカーC硬度)は、例えば、50〜80であり、好ましくは55〜70である。
前記表層及び裏層のアスカーC硬度は、23℃において、JIS K 7312のタイプCにおけるスプリング硬さ試験において測定した瞬時値を意味する。
前記各サポート部及び中敷本体2を積層構造(図示例では表層2a及び裏層2b)で構成する場合、それらの全体に亘って2層以上の積層構造を有していてもよく、2層以上の積層構造部分と単層構造部分とを有していてもよい。図示例では、表層2a及び裏層2bを有する積層部分と、裏層2bの単層構造部分と、から構成されている。
例えば、前サポート部32及び中敷本体2が、表層2a及び裏層2bを有する2層以上の積層構造部分とされ、アーチサポート部31及びヒールサポート部33が裏層2bのみからなる単層構造部分とされている。なお、図2において、表層が存在する範囲に無数のドットを付加している。
表層2aの厚みと裏層2bの厚みは、適宜設定できる。足裏の当たりや圧力分散の効果を特に重要視する場合には、表層2aの厚みが裏層2bの厚みよりも大きいことが好ましい。安定性を特に重要視する場合は、表層2aの厚みが裏層2bの厚みよりも大きいことが好ましい。
例えば、母趾球領域では、表層2aの厚みは、母趾球部が沈み込みやすくなるように、裏層2bの厚みよりも大きいことが好ましく、踵領域の中央部では、表層2aの厚みが、安定性向上のために、裏層2bの厚みよりも大きいことが好ましい。この場合の厚み差について、特に限定されないが、表層2aの厚みが裏層2bの厚みの1.5倍〜2.5倍が効果的である。
また、踵領域の縁部では、表層2aの厚みが、安定性向上のために、裏層2bの厚みよりも小さいことが好ましい。この場合の厚み差について、特に限定されないが、裏層2bの厚みが表層2aの厚みの1.5倍〜2.5倍が効果的である。
ヒールサポート部33は、踵領域の内側から後側を経由して外側にかけて形成されており、平面視略馬蹄状を成している
図7、図14及び図15を主に参照して、ヒールサポート部33は、立体的には、先端側が鋭角状に形成され、中敷本体2の表面に向かうに従って次第に厚肉に形成されている。ヒールサポート部33は、中敷本体2の表面に対して略直交するように突出され、断面視略鋭角三角形状に形成されている。
このようなヒールサポート部33が形成されていることによって、外反母趾者の足部の過回内を抑制して外反母趾に関連した足部の変形の進行を防止できる。特に、ヒールサポート部33が、上述のように、硬質の裏層2bのみから形成されているので、外反母趾者の踵部における過回内を抑制する効果に優れている。もっとも、ヒールサポート部33を2層以上の積層体で形成してもよい。
図3、図5、図12乃至図15を主に参照して、前記ヒールサポート部33の裏面から中敷本体2の踵領域の裏面に至る範囲(以下、踵裏面コーナー範囲という)には、溝部331(以下、踵溝部という)が形成されている。踵溝部331は、ヒールサポート部33の裏面から踵領域の裏面に跨がって連続して形成されている。踵溝部331は、全体的に直線状に延設されていてもよいが、好ましくは、図示のように、踵領域の裏面において直線状に延びる部分とヒールサポート部33の裏面において直線状に延びる部分とを有し、両部分が鈍角に交わった屈曲状に形成されていることが好ましい。踵溝部331の幅は特に限定されないが、1mm〜3mmであることが効果的である。
踵溝部331は、前記踵裏面コーナー範囲内の何れの位置に配置されていてもよいが、好ましくは、少なくとも1つの踵溝部331が踵裏面コーナー範囲の外側に形成され、より好ましくは、少なくとも1つの踵溝部331が踵裏面コーナー範囲の外側に形成され、且つ、少なくとも1つの踵溝部331が踵裏面コーナー範囲の後側に形成される。
図示例では、2つの踵溝部331が踵裏面コーナー範囲の外側に形成され、且つ、2つの踵溝部331が踵裏面コーナー範囲の後側に形成されている。踵溝部331が複数形成される場合、各踵溝部331は所定間隔を開けて配置される。
踵裏面コーナー範囲に踵溝部331が形成されていることにより、足裏の踵部によって荷重が加わった際に、ヒールサポート部33から中敷本体2の踵領域が変形し易くなり、外反母趾者の過回内を抑制して外反母趾に関連した足部の変形の進行を防止できる。
前記盛り上がり部311の最大厚み(盛り上がり部311が表面側及び裏面側にそれぞれ設けられる場合には、それぞれの盛り上がり部311の最大厚み)は、特に限定されないが、例えば、アーチサポート部31の周縁における厚みの1.5倍〜3倍であり、好ましくは、アーチサポート部31の周縁における厚みの2倍〜3倍である。
前記膨出部21の最大厚みは、特に限定されないが、例えば、0.3mm〜2mmであり、好ましくは、0.5mm〜1.5mmである。
長状溝部22は、中敷本体2の反母趾球領域の裏面に設けられている。詳しくは、長状溝部22は、中敷本体2の反母趾球領域と中領域の境界付近における外側縁から母趾球領域又はその領域の近傍にまで直線状に延設されている。なお、長状溝部22は、前記膨出部21を横断せず、膨出部21の弧状縁21aの近傍であってその縁21aの上側を横切って形成されている。また、長状溝部22は、後述する母趾球領域の凹部5の縁部にまで至らずに、その凹部5の縁部の近傍にまで形成されている。
長状溝部22は、足幅方向と略平行に延設されていてもよいが、好ましくは、足幅方向に対して傾斜するように延設されている。足幅方向に対する長状溝部22の傾斜角度は、特に限定されないが、例えば、5度〜30度であり、好ましくは10度〜25度である。
また、長状溝部22の外側端部22aは、足長方向において、長状溝部22の内側端部22bよりも5mm〜15mm後方に位置することが好ましい。
また、長状溝部22の幅は、一定でもよいが、好ましくは、母趾球領域側に向かうに従って次第に小さくなる(狭くなる)ように形成されている。また、長状溝部22の深さは、一定でもよいが、好ましくは、母趾球領域側に向かうに従って次第に小さくなる(浅くなる)ように形成されている。
長状溝部22の具体的な寸法は、例えば、その最大幅が1.5mm〜5mmであり、最小幅が1mm〜3mmであり、最大深さが1mm〜2mmであり、最小深さが0.5mm〜1.5mmである。
このような長状溝部22が形成されていることによって、足のMP関節部の可動域の自由度が高まり、正常な足の動きのパターンからの逸脱を防止することができる。
中敷本体2が表層2aと裏層2bを有する場合、例えば、穴部23は、表層2aのみに形成されている。この場合、穴部23の深さは、表層2aの厚みに等しい。
複数の穴部23は、不規則に配置されていてもよいが、好ましくは、図示のように、複数の穴部23は、1つの穴部23の重心(穴部23の平面視形状における重心)を中心とし、その重心の同心円状に所定間隔をあけて配置されている。
複数の穴部23は、同じ大きさでもよく、大きさの異なるものを含んでいてもよい。
図示例では、開口面積が最大である第1穴部231と、前記第1穴部231よりも開口面積が小さい第2穴部232であって前記第1穴部231の同心円上に配置された複数の第2穴部232と、前記第2穴部232よりも開口面積が小さい第3穴部233であって前記第1穴部231の同心円上に配置された複数の第3穴部233と、が反母趾球領域に形成されている。
図1、図3、図9乃至図11を主に参照して、中敷本体2の母趾球領域には、複数の孔部41,42が形成されている。
中敷本体2の母趾球領域に形成された複数の孔部41,42は、それぞれ独立している。前記複数の孔部41,42は、1つの基準孔部41と、前記基準孔部41の径外方向に配置された複数の衛星孔部42と、から構成される。前記複数の衛星孔部42のうち、少なくとも1つの衛星孔部42は、その開口面積が前記基準孔部41の開口面積よりも小さい。或いは、前記複数の衛星孔部42の全ては、その開口面積が前記基準孔部41の開口面積よりも小さい。
なお、本明細書において、孔部の開口面積は、平面視における孔部の開口面積をいう。
孔部41,42を少なくとも硬質の裏層2bに貫通させることにより、母趾球領域の変形量の増大を期待できる。
例えば、基準孔部41の重心を中心とする同心円状に並んで複数の衛星孔部42が配置され、好ましくは、半径の異なる2つ以上の同心円上にそれぞれ複数の衛星孔部42が配置され、より好ましくは、半径の異なる3つ以上の同心円上にそれぞれ複数の衛星孔部42が配置される。なお、本明細書に記載の同心円は、概念であり、実際に、同心円が描かれているわけではない。本明細書において、同心円上に衛星孔部42が配置されるとは、基準孔部41の重心を中心とする同心円を仮に描いたときに、衛星孔部42の重心が同心円の上に略位置していることをいう。また、基準孔部の重心及び衛星孔部の重心は、基準孔部の平面視形状における重心及び衛星孔部の平面視形状における重心を意味する。例えば、基準孔部及び衛星孔部の平面視形状が、それぞれ略円形状である場合、それらの重心は円の中心となる。
1つの同心円上に配置された複数の衛星孔部42について、それらの周方向における間隔は一定でもよく、或いは、異なっていてもよい。好ましくは、1つの同心円上に配置された衛星孔部42については、周方向における互いの間隔は同じとされる。
図示例では、母趾球領域に、1つの基準孔部41と、その半径の異なる3つの同心円上にそれぞれ配置された複数の衛星孔部42と、が形成されている。
具体的には、基準孔部41の重心を中心とし、その第1同心円上に複数(例えば8つ)の第1衛星孔部421が周方向に間隔をあけて並んで配置され、第1同心円よりも径大の第2同心円上に複数(例えば8つ)の第2衛星孔部422が周方向に間隔をあけて並んで配置され、第2同心円よりも径大の第3同心円上に複数(例えば8つ)の第3衛星孔部423が周方向に間隔をあけて並んで配置されている。複数の第1衛星孔部421は、その重心が第1同心円上に位置しており、複数の第2衛星孔部422は、その重心が第2同心円上に位置しており、複数の第3衛星孔部423は、その重心が第3同心円上に位置している。複数の第1衛星孔部421は、周方向において互いに等間隔とされ、複数の第2衛星孔部422は、周方向において互いに等間隔とされ、複数の第3衛星孔部423は、周方向において互いに等間隔とされている。
また、第1同心円と第2同心円の間隔(第2同心円の半径−第1同心円の半径)、及び、第2同心円と第3同心円の間隔(第3同心円の半径−第2同心円の半径)は、同じでもよく、或いは、異なっていてもよい。
好ましくは、複数の衛星孔部42の全てが基準孔部41の開口面積よりも小さく形成される。この場合、全ての孔部の中で、基準孔部41は、開口面積が最も大きい孔部となる。
好ましくは、基準孔部に最も近くに配置された衛星孔部の開口面積≧次に近くに配置された衛星孔部の開口面積、の関係を満たすように衛星孔部42が形成され、より好ましくは、基準孔部に近い順でn番目の衛星孔部の開口面積≧n+1番目の衛星孔部の開口面積、の関係を満たすように衛星孔部42が形成される。前記nは、自然数を意味する。1番目(n=1)の衛星孔部は、基準孔部に最も近くに配置された衛星孔部であり、2番目(n=2)の衛星孔部は、次に近くに配置された衛星孔部(1番目の衛星孔部の次に基準孔部の近くに配置された衛星孔部)であり、3番目(n=3)の衛星孔部は、次に近くに配置された衛星孔部(2番目の衛星孔部の次に基準孔部の近くに配置された衛星孔部)であり、n番目の衛星孔部は、n−1番目の衛星孔部の次に基準孔部の近くに配置された衛星孔部であり、n+1番目の衛星孔部は、基準孔部から最も遠くに配置された衛星孔部である。
さらに好ましくは、基準孔部に近い順でn番目の衛星孔部の開口面積>n+1番目の衛星孔部の開口面積、の関係を満たすように衛星孔部42が形成される。
径外方向に離れるに従って開口面積が小さくなる場合としては、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積>第2衛星孔部422の開口面積>第3衛星孔部423の開口面積、の関係を満たしている。
図示例は、混在している場合を例示しており、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積>第2衛星孔部422の開口面積=第3衛星孔部423の開口面積、の関係を満たしている。
具体的な寸法を例示すると、基準孔部41の半径は、1.5mm〜4mmで、第1衛星孔部421の半径は、1mm〜3.5mmで、第2衛星孔部422の半径は、0.5mm〜3mmで、第3衛星孔部423の半径は、0.25mm〜2.5mmである。
基準孔部41の形成位置は、母趾球領域内であれば特に限定されないが、足長方向の前後又は足幅方向の内外の何れかに偏らないことが好ましい。図16を参照して、例えば、中敷本体2の最前端縁から最後端縁までの足長を100%とした場合、前記中敷本体2の最後端縁から66.1%〜73.9%の範囲内に、基準孔部41の一部分が位置するように、基準孔部41を形成することが好ましく、前記中敷本体2の最後端縁から68.7%〜71.3%の範囲内に、基準孔部41の重心が位置するように基準孔部41を形成することがより好ましい。特に、基準孔部41の重心が足長方向における前記範囲内(66.1%〜73.9%などの範囲内)に位置するように形成することが好ましく、基準孔部41の全体が前記範囲内に含まれるように形成することがより好ましい。
後述するように、中敷き1の使用時には、使用者の足裏の母趾球部が基準孔部41側へと導かれる。前記範囲は正常な母趾球部が接地する位置であり、前記範囲に基準孔部41が形成されていることにより、外反母趾者の母趾球部を正常な位置に導くことができる。
具体的な寸法を例示すると、前記所定半径は、5mm〜25mmである。
前記複数の衛星孔部42は、基準孔部41の径外方向において、孔部の孔開口率が小さくなる部分を有するように形成されている。
前記孔開口率は、単位面積当たりの孔部の開口面積の割合をいう。「基準孔部41の径外方向において、孔開口率が小さくなる」とは、次の条件(1)又は条件(2)に基づいて決定された孔開口率が径外方向において小さくなっていることをいう。
(a)第1の孔開口率の決定
孔開口率は、単位面積当たりの孔部の開口面積であり、式:{孔部の開口面積/所定面積}×100、で求められる。
図17を参照して、基準孔部41の同心円であって、半径の異なる内外2つの同心円を観念する。その2つの同心円の半径差は、基準孔部41の最も近くに位置する第1衛星孔部421の直径(第1衛星孔部421の平面視形状が略円形状でない場合には、円相当径とする)と同じである。つまり、1つの同心円の半径−もう1つの同心円の半径=第1衛星孔部421の直径。
前記半径差を維持しながら、前記2つの同心円(径大な同心円と径小な同心円)を径外に拡げていく。図示のように、径大な同心円Bが、基準孔部41に最も近い衛星孔部(図示例では、第1衛星孔部421)に、当該同心円Bの径内側において外接したときに、径大な同心円Bと径小な同心円Aで挟まれた範囲(平面視でドーナツ状の範囲)の面積と、その範囲に含まれる全ての衛星孔部の開口面積の和と、を算出する。上記孔開口率の式に従い、第1の孔開口率を求める。
第1の孔開口率={同心円A,Bで囲われる範囲に含まれる全ての衛星孔部の開口面積の和}/{同心円A,Bで挟まれた範囲の面積}×100。
前記半径差を維持しながら、前記2つの同心円をさらに径外に拡げていく。径大な同心円Dが次の衛星孔部(図示例では、第2衛星孔部422)に当該同心円Dの径内側において外接したときに、径大な同心円Dと径小な同心円Cで挟まれた範囲の面積と、その範囲に含まれる全ての衛星孔部の開口面積の和と、を算出し、第2の孔開口率を求める。
第2の孔開口率={同心円C,Dで囲われる範囲に含まれる全ての衛星孔部の開口面積の和}/{同心円C,Dで挟まれた範囲の面積}×100。
同様にして、さらに、径大な同心円Fが次の衛星孔部(図示例では、第3衛星孔部423)に径内側において外接したときに、径大な同心円Fと径小な同心円Eで挟まれた範囲の面積と、その範囲に含まれる全ての衛星孔部の開口面積の和と、を算出し、第3の孔開口率を求める。
第3の孔開口率={同心円E,Fで囲われる範囲に含まれる全ての衛星孔部の開口面積の和}/{同心円E,Fで挟まれた範囲の面積}×100。
事後、同様にして、第4の孔開口率…を決定できる。前記第1の孔開口率、第2の孔開口率、第3の孔開口率、第4の孔開口率…は、基準孔部41の径外方向において順に観念できるものである。
なお、図示例のような衛星孔部の配置にあっては、条件(1)に従えば、第1乃至第3の孔開口率を決定できる。
(a)第1の孔開口率の決定
孔開口率は、単位面積当たりの孔部の開口面積であり、式:{孔部の開口面積/所定面積}×100、で求められる。
図18を参照して、基準孔部41の最も近くに位置する1つの第1衛星孔部421を完全に含む最小面積の長方形又は正方形G(以下、単に長方形Gという)を観念する。
第1の孔開口率={長方形Gで囲われる範囲に含まれる衛星孔部の開口面積}/{長方形Gの面積}×100。
前記長方形Gの形状を維持しつつそれを径外方向にスライドさせる。その長方形Gが、次の衛星孔部(図示例では、第3衛星孔部423)に当該長方形Gの径内側において外接したときに、長方形Gに含まれる全ての衛星孔部の開口面積の和と、を算出し、第2の孔開口率を求める。
第2の孔開口率={長方形Gで囲われる範囲に含まれる衛星孔部の開口面積の和}/{長方形Gの面積}×100。
さらに、前記長方形Gの形状を維持しつつそれを径外方向にスライドさせ、同様にして、第3の孔開口率、第4の孔開口率…を決定できる。前記第1の孔開口率、第2の孔開口率、第3の孔開口率、第4の孔開口率…は、基準孔部41の径外方向において順に観念できるものである。
なお、図示例のような衛星孔部の配置にあっては、条件(2)に従えば、第2の孔開口率まで決定できる。
後述する孔部の作用効果を十分に奏するために、前記基準孔部41から径外方向に向かって孔開口率が順次小さくなるように、前記複数の衛星孔部42が形成されていることが好ましい。つまり、第1の孔開口率>第2の孔開口率>第3の孔開口率>第4の孔開口率…の関係を全て満たしていることが好ましい。これらの関係は、上記条件(1)又は条件(2)のいずれか一方の条件に基づいて満たしていればよいが、中でも、上記条件(1)及び条件(2)の双方の条件に基づいて満たしていることが好ましい。
なお、条件(2)に基づく場合には、少なくとも概ね足幅方向(足幅方向は、基準孔部41の径外方向の1つである)において、孔部の孔開口率が小さくなっていることが好ましく、さらに、少なくとも概ね足幅方向及び概ね足長方向(足幅方向及び足幅方向は、いずれも、基準孔部41の径外方向の1つである)において、孔部の孔開口率が小さくなっていることがより好ましい。
図示例では、条件(1)に基づいて、第1の孔開口率>第2の孔開口率>第3の孔開口率の関係を満たしており、第1乃至第3衛星孔部421,422,423は、基準孔部41から径外方向に向かって孔開口率が順次小さくなるように形成されている。
また、図示例では、条件(2)に基づいても、少なくとも足幅方向及び足長方向において、第1の孔開口率>第2の孔開口率の関係を満たしている。
母趾球凹部5は、全ての孔部41,42(基準孔部41及び衛星孔部42)が形成された範囲に少なくとも対応して設けられている。例えば、母趾球凹部5は、上述の基準孔部41の重心を中心とする所定半径の範囲(中敷本体2の足幅を100%とした場合、5%〜25%の長さを半径とする範囲)に少なくとも設けられる。図示例では、前記所定半径の範囲よりも少し大きい範囲に、母趾球凹部5が形成されている。
例えば、母趾球凹部5は、中敷本体2の足幅を100%とした場合、5%〜30%の長さを半径とする範囲に形成されていることが好ましい。
前記縁部5bは、立体的には、すり鉢上方部の如き形態である。断面視直状の縁部5bは、傾斜した直線が周方向に連続して面を成し、断面視弧状の縁部5bは、傾斜した円弧が周方向に連続して曲面を成した如き立体形状である。好ましくは、縁部5bは、断面視弧状に形成される。
なお、傾斜状の縁部5bから平坦状の中央部5aへと滑らかに連続しているので、図面上、縁部5bと中央部5aの境界を明確に表すことは困難である。
一部が開放されている母趾球凹部5は、特に図示しないが、母趾球凹部5の一部の縁部が、中敷本体2の内側縁に一致し、中敷きを側面から見たときに、母趾球凹部5の縁部5bの輪郭を視認できる状態をいう。
母趾球凹部5の少なくとも前側、後側及び外側における中敷本体2の厚みは、母趾球凹部5の中央部5aにおける中敷本体2の厚みよりも大きくなっている。このため、前記母趾球凹部5の前側、後側及び外側の剛性が、母趾球凹部5の中央部の剛性よりも大きくなっている。
母趾球凹部5の中央部の深さは、適宜設定されるが、余りに小さいと母趾球凹部5を設けた意義がなく、余りに大きいと母趾球領域の厚みが小さくなりすぎる。かかる観点から、母趾球凹部5の中央部5aの深さ(最深部の深さ)は、0.5mm〜4mmが好ましく、1mm〜3mmがより好ましい。
このような孔部が形成されていることによって、母趾球領域の変形量を増大させることができ、特に、母趾球領域のうち基準孔部41の近傍における変形量を増大させることができる。その作用効果を説明する。ある物体に外から力を加えたとき、その物体内部に内力が生じる。内力を断面積で割った値が応力であり、応力=内力/断面積、で表される。これは、同じ大きさの内力が作用していても、断面積が小さければ応力が大きくなることを示している。また、物体の変形前の寸法に対する変形量の比率である、ひずみは、ひずみ=変形量/元の長さ、で表される。物体は、応力が一定値を超えない範囲においてフックの法則に従うため、ひずみは応力に比例する。つまり、断面積を小さくすることによって、ひずみが大きくなる。
このため、外反母趾者の足裏が中敷本体2に接地した際、中敷本体2の母趾球領域のうち基準孔部41の近傍が大きく変形するので、足裏の母趾球部が基準孔部41側へと導かれる。よって、比較的多くの外反母趾者に適合する中敷き1を提供できる。また、基準孔部41側に足裏の母趾球部が導かれるので、足部変形防止効果も期待できる。
本発明者は、市販のシミュレーションソフトを用いて解析し、その解析結果から前記母趾球凹部5の作用効果を検証している。
図3、図12乃至図15を主に参照して、中敷本体2の踵領域の裏面には、凹部6が形成されている。以下、この凹部を「踵凹部」という。踵凹部6は、中敷本体2の表面側に凹んだ凹部である。
踵凹部6の平面視形状は、特に限定されないが、踵凹部6の効果を十分に奏するために、平面視略滴状に形成されていることが好ましい。
踵凹部6は、母趾球凹部5と同様に、最深部を含む中央部6aと、凹部の窪み開始部分である縁部6bと、から構成されている。前記中央部6aは、立体的には、平坦状に形成されている。その中央部6aの周囲に存する踵凹部6の縁部6bは、断面視傾斜状に形成されている。前記断面視傾斜状は、直線を描いて傾斜(直状傾斜)していてもよく、或いは、弧を描いて傾斜(弧状傾斜)していてもよい。なお、弧状傾斜は、中敷本体2の表面側に膨らんだ弧状である。
なお、傾斜状の縁部6bから平坦状の中央部6aへと滑らかに連続しているので、図面上、縁部6bと中央部6aの境界を明確に表すことは困難である。
踵凹部6の縁部6bは、踵領域の裏面において閉鎖的でもよく、一部の縁部が中敷本体2の縁から開放されていてもよい。図示例では、踵凹部6は、踵領域の裏面において閉鎖的に形成され、従って、中敷本体2を裏面側から見た際に、前記断面視傾斜状の縁部6bを全て視認できる。
踵凹部6の中央部6aの深さ(最深部の深さ)は、適宜設定されるが、余りに小さいと踵凹部6を設けた意義がなく、余りに大きいと踵領域の厚みが小さくなりすぎる。かかる観点から、踵凹部6の中央部の深さは、0.5mm〜4mmが好ましく、1mm〜3mmがより好ましい。
平面視略滴状の踵凹部6は、例えば、足長方向の前側に尖縁6dを向け且つ足長方向の後側に弧状縁6cを向けて配置されている。前記踵凹部6は、図示例のように、略滴状の軸線が中敷本体2の足長方向に対して傾斜するように配置されていてもよく、或いは、特に図示しないが略滴状の軸線が中敷本体2の足長方向に対して平行となるように配置されていてもよい。
好ましくは、略滴状の軸線が中敷本体2の足長方向に対して外側に傾斜(裏面側から見て、略滴状の縁部6bが外側に向いて傾斜)するように、踵凹部6が配置される。足幅方向に対する前記軸線の傾斜角度は、特に限定されないが、例えば、10度〜45度であり、好ましくは15度〜35度である。
なお、略滴状の軸線は、弧状縁6cの先端と尖縁6dの先端を結んだ仮想の直線をいう。
前記略滴状の踵凹部6のみでも足部変形防止効果を十分に奏するが、前記踵凹部6と上述の母趾球領域に形成された複数の孔部41,42とが相乗することにより、特に効果的である。
踵孔部71,72は、母趾球領域に形成された孔部と同様に、1つの基準踵孔部71と、前記基準踵孔部71の径外方向に配置された複数の衛星踵孔部72と、から構成される。
基準踵孔部71及び衛星踵孔部72の平面視形状(平面視における形状)は、それぞれ独立して、特に限定されず、例えば、略円形状、略長方形状、略正方形状、略正六角形状などの略正多角形状などが挙げられる。角部に応力が集中しないことから、基準踵孔部71及び衛星踵孔部72の平面視形状は、連続した曲線からなる無端環状であることが好ましく、そのような無端環状の中でも略円形状又は略楕円形状であることがより好ましく、図示例のように、略円形状であることがさらに好ましい。
基準踵孔部71と衛星踵孔部72は、それぞれ独立して、貫通孔でもよく、或いは、非貫通孔でもよい。基準踵孔部71及び衛星踵孔部72が非貫通孔である場合、それらは、中敷本体2の表面から中敷本体2の厚み方向中途部にまで形成された断面視凹状の孔でもよく、或いは、中敷本体2の裏面から中敷本体2の厚み方向中途部にまで形成された断面視凹状の孔でもよい。中敷本体2が軟質の表層2aと硬質の裏層2bとを有する場合、前記基準踵孔部71及び衛星踵孔部72は、いずれも、中敷本体2の裏面から少なくとも裏層2bを貫通するように形成されていることが好ましい。図示例の基準踵孔部71及び衛星踵孔部72は、いずれも貫通孔である。孔部71,72を少なくとも硬質の裏層2bに貫通させることにより、踵領域の変形量の増大を期待できる。
図示例では、1つの基準踵孔部71と、その基準踵孔部71の同心円状に配置された複数の第1衛星踵孔部721と、略滴状の踵凹部6の尖縁方向に配置された複数の第2衛星踵孔部722と、が踵領域に形成されている。
基準踵孔部71と衛星踵孔部72の開口面積は、特に限定されず、適宜設定できる。図示例では、基準踵孔部71の開口面積>第1衛星踵孔部721の開口面積>第2衛星踵孔部722の開口面積、とされている。
踵領域に前記基準踵孔部71及び衛星踵孔部72が形成されていることによって、踵領域の変形量を増大でき、特に、基準踵孔部71の近傍における変形量を増大させることができ、足裏の踵部の過回内を抑制する効果を奏する。
上記において、母趾球凹部5の縁部5bが断面視直状でもよいことを説明したが、その一例を図19に示している。
また、上記では、母趾球凹部5の中央部5aが平坦状である場合を例示したが、これに限定されず、例えば、図20に示すように、中央部5aが、断面視弧状(好ましくは、図示のように表面側に膨らむ弧状)に形成されていてもよい。この場合、凹部5の縁部5bは、断面視直状に形成されていてもよいが、図示のように、断面視弧状に形成されていることが好ましい。特に、弧状の縁部5bと弧状の中央部5aが連続した滑らかな曲線を成して形成されていることがより好ましい。また、母趾球凹部5の最深部に基準孔部41が配置されていることが好ましい。
ここで、上記各変形例の凹部を表した図19乃至図21は、足幅方向(図9のXI−XIと同じ箇所)で各変形例を切断したものである。各変形例の凹部は、足長方向(図9のX−Xと同じ箇所)で切断した場合も、前記足幅方向と同様な形状に表されるので、足長方向の断面図は省略している。
例えば、母趾球領域に設けられた基準孔部41及び衛星孔部42について、次のように変更することもできる。
図22乃至図30は、それぞれ、母趾球領域に設けられた基準孔部及び衛星孔部の変形例であり、基準孔部及び衛星孔部のみを表している。
図示例では、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積>第2衛星孔部4221の開口面積>第3衛星孔部423の開口面積>第2衛星孔部4222の開口面積、となっている。
この第1変形例でも、第1の孔開口率>第2の孔開口率>第3の孔開口率の関係を満たしている。
上記第1変形例では、第1衛星孔部421、第2衛星孔部4222及び第3衛星孔部423が基準孔部41の径外方向に並んで配置されているが、第2変形例では、第1衛星孔部421、第2衛星孔部4221及び第3衛星孔部423が基準孔部41の径外方向に並んで配置されている。その余の点においては、第2変形例は第1変形例と同様である。
図示例では、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積=第2衛星孔部422の開口面積>第3衛星孔部423の開口面積=第4衛星孔部424の開口面積、となっている。
図示例では、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積=第4衛星孔部424の開口面積>第2衛星孔部422の開口面積=第3衛星孔部423の開口面積、となっている。
図示例では、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積=第2衛星孔部422の開口面積>第3衛星孔部423の開口面積=第4衛星孔部424の開口面積、となっている。
図示例では、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積=第2衛星孔部4222の開口面積=第3衛星孔部423の開口面積>第2衛星孔部4221の開口面積=第4衛星孔部424の開口面積=第5衛星孔部425の開口面積、となっている。
なお、図27は、基準孔部41の重心を中心とする同心楕円状に複数の衛星孔部が配置されている例でもある。図27において、衛星孔部423,4222は、基準孔部41の重心を中心とする1つの楕円上に配置され、衛星孔部4221,424,425は、同心楕円であって前記1つの楕円よりも径大な同心楕円上に配置されている。
図示例では、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積>第2衛星孔部422の開口面積、となっている。
図示例では、基準孔部41の開口面積>第1衛星孔部421の開口面積>第2衛星孔部422の開口面積、となっている。
すなわち、例えば、図30に示すような、僅かな間隔をあけて隣接された平面視半円形状の一対の孔部は、その半円形の孔部がそれぞれ独立して機能せず、一対の孔部が一体となって機能するものと言える。このような僅かな間隔をあけて隣接された平面視半円形状の一対の孔部は、実質的には、平面視円形状の1つの孔部と見なされる。このように本明細書においては、孔部の平面視形状は、実質的な形状を意味するものとする。
本発明の中敷きは、外反母趾者に好適であるが、本発明の中敷きの使用者は、外反母趾者に限定されるわけではなく、健常者が本発明の中敷きを使用してもよいことは言うまでもない。
2 中敷本体
41 基準孔部
42 衛星孔部
5 母趾球領域に形成された凹部
5a 母趾球領域に形成された凹部の中央部
5b 母趾球領域に形成された凹部の縁部
6 踵領域に形成された凹部
6c 踵領域に形成された凹部の弧状縁
6d 踵領域に形成された凹部の尖縁
Claims (12)
- 中敷本体と、母趾球部に対応する前記中敷本体の母趾球領域に設けられた複数の孔部と、を有し、
前記複数の孔部が、基準孔部と、前記基準孔部とは独立した孔部であって、前記基準孔部の径外方向に配置され且つ前記基準孔部よりも開口面積の小さいものを少なくとも1つ含む複数の衛星孔部と、を有し、
前記基準孔部の径外方向において、孔開口率が小さくなる部分を有するように、前記複数の衛星孔部が形成されている、履物の中敷き。 - 前記基準孔部から径外方向に向かって孔開口率が順次小さくなるように、前記複数の衛星孔部が形成されている、請求項1に記載の履物の中敷き。
- 中敷本体と、母趾球部に対応する前記中敷本体の母趾球領域に設けられた複数の孔部と、を有し、
前記複数の孔部が、基準孔部と、前記基準孔部とは独立した孔部であって、前記基準孔部の径外方向に配置され且つ前記基準孔部よりも開口面積の小さい複数の衛星孔部と、を有し、
前記衛星孔部が、基準孔部に最も近くに配置された衛星孔部の開口面積≧次に近くに配置された衛星孔部の開口面積、の関係を満たすように形成されている、履物の中敷き。 - 前記基準孔部及び衛星孔部が、中敷本体の表裏面に貫通する貫通孔からなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の履物の中敷き。
- 前記複数の衛星孔部が、基準孔部の重心を中心とする同心円状に配置されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の履物の中敷き。
- 前記基準孔部が、前記中敷本体の最前端縁から最後端縁までの足長を100%とした場合、前記中敷本体の最後端縁から66.1%〜73.9%の範囲内に形成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の履物の中敷き。
- 前記基準孔部が、前記中敷本体の最内側縁から最外側縁までの足幅を100%とした場合、前記中敷本体の最内側縁から14%〜20%の範囲内に形成されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の履物の中敷き。
- 前記中敷本体の母趾球領域の裏面に、凹部が形成されており、
前記凹部の窪み開始部分である縁部が、断面視傾斜状に形成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の履物の中敷き。 - 前記凹部の最深部を含む中央部が、平坦状に形成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の履物の中敷き。
- 踵部に対応する前記中敷本体の踵領域の裏面に、凹部が形成されている、請求項1乃至9のいずれかに記載の履物の中敷き。
- 前記踵領域に形成された凹部が、弧状縁及び弧状縁とは反対側の尖縁を有する平面視略滴状に形成されており、
前記平面視略滴状の軸線が前記中敷本体の足長方向に対して外側に傾斜するように、前記凹部が形成されている、請求項10に記載の履物の中敷き。 - 前記凹部に対応する踵領域に、孔部が形成されている、請求項11に記載の履物の中敷き。
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