次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係るインスリン投与量調整システムの構成例を示す図である。図1に示すように、インスリン投与量調整システム1は、患者側装置10−1〜10−n(n≧1)、基地局40、ネットワーク50、LAN(Local Area Network)60、サーバ装置70、医師用端末装置80−1〜80−m(m≧1)を有している。
ここで、患者側装置10−1〜10−nは、糖尿病患者が有する装置である。なお、患者側装置10−1〜10−nは、同様の構成を有しているので、患者側装置10−1を例に挙げて説明する。患者側装置10−1は、血糖値測定装置20と患者用端末装置30を有している。血糖値測定装置20は、患者の血糖値を測定し、測定結果を基地局40、ネットワーク50、および、LAN60を介してサーバ装置70に供給する。患者用端末装置30は、LAN60、ネットワーク50、および、基地局40を介してサーバ装置70から通知される情報を取得する。なお、血糖値測定装置20に患者用端末装置30の機能を具備させたり、患者用端末装置30に血糖値測定装置20の機能を具備させたりしてもよい。
基地局40は、例えば、携帯電話の基地局であり、LTE(Long Term Evolution)等の通信方式に基づいて血糖値測定装置20および患者用端末装置30との間で情報を授受するとともに、ネットワーク50およびLAN60を介してサーバ装置70との間で情報を授受する。なお、IoT(Internet of Things)等で使用される通信方式であるLPWAN(Low Power Wide Area Network)を用いるようにしてもよい。もちろん、前述した以外の通信方式を用いるようにしてもよい。
ネットワーク50は、例えば、インターネット等のグローバルネットワークによって構成され、情報をパケット化して伝送する。
LAN60は、例えば、病院内に配置される小規模のネットワークであり、情報をパケット化して伝送する。
サーバ装置70は、例えば、パーソナルコンピュータまたはワークステーション等によって構成され、患者から送信される血糖値等の情報を格納するとともに、インスリンの投与に関する情報を生成して患者用端末装置30に配信する。また、医師用端末装置80−1〜80−mによって各患者のインスリンの投与に関する情報を設定するとともに、各患者に関する血糖値等の情報を医師用端末装置80−1〜80−mに供給する。
医師用端末装置80−1〜80−mは、例えば、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等によって構成され、サーバ装置70にアクセスすることで、インスリンの投与に関する設定を行うとともに、各患者の血糖値に関する情報を取得することができる。
図2は、図1に示す血糖値測定装置20の詳細な構成例を示す図である。図2に示すように、血糖値測定装置20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、通信部24、GPU(Graphics Processing Unit)25、表示部26、I/F27、血糖値検出部28a、操作部28b、および、バス29を有している。
ここで、CPU21は、ROM22に格納されたプログラムに応じて各部を制御する中央処理装置である。
ROM22は、不揮発性の半導体記憶装置によって構成され、CPU21が実行する基本的なプログラム等を格納する。
RAM23は、揮発性の半導体記憶装置によって構成され、CPU21が実行対象とするプログラムや、計算途中のデータを一時的に格納する。
通信部24は、例えば、LTE等の無線通信によって基地局40との間で情報を授受する。
GPU25は、CPU21から供給される描画命令に基づいて描画処理を実行し、得られた画像データを表示部26に供給して表示させる。
表示部26は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等によって構成され、GPU25から供給される画像および文字等を表示する。
I/F27は、血糖値検出部28aによって検出される血糖値に関するデータの表現形式を変換して入力する。また、I/F27は、操作部28bから供給される患者の操作に基づくデータの表現形式を変換して入力する。
血糖値検出部28aは、患者が採取した血液に含まれる血糖の血糖値(例えば、mg/dlの値)を検出し、I/F27に供給する。
操作部28bは、例えば、操作ボタン等によって構成され、患者の操作に応じた情報を生成してI/F27に供給する。
バス29は、CPU21、ROM22、RAM23、通信部24、GPU25、および、I/F27を相互に接続し、これらの間で情報の授受を可能とするための信号線群である。
図3は、図1に示す患者用端末装置30の構成例を示す図である。なお、図3に示す患者用端末装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、通信部34、GPU35、表示部36、I/F37、操作部38、および、バス39を有している。なお、各部の機能は、図2と同様であるのでその説明を省略する。
図4は、図1に示すサーバ装置70の構成例を示す図である。なお、図4に示すサーバ装置70は、CPU71、ROM72、RAM73、HDD(Hard Disk Drive)74、I/F75、および、バス76を有している。HDD74は、例えば、磁気記憶装置等によって構成され、CPU71が実行するプログラムやデータを格納する。なお、HDD74以外の構成要素の機能は、図2と同様であるのでその説明を省略する。
図5は、図1に示す医師用端末装置80−1〜80−mの構成例を示す図である。なお、医師用端末装置80−1〜80−mは同様の構成を有するので、以下ではこれらを医師用端末装置80として説明する。図5に示す医師用端末装置80は、CPU81、ROM82、RAM83、通信部84、GPU85、表示部86、I/F87、操作部88、および、バス89を有している。なお、各部の機能は、図2と同様であるのでその説明は省略する。
(B)本発明の実施形態の動作の説明
つぎに、図1に示す実施形態の動作について説明する。図6は、サーバ装置70において、新規の患者を登録する場合に実行される処理の一例を説明するフローチャートである。図6に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS10では、CPU71は、医師用端末装置80から新規に登録する患者の属性情報の入力を受ける。なお、属性情報としては、例えば、図7に示す情報がある。図7の例では、属性情報は、患者ID(Identification)、氏名、年齢、性別、身長、体重、BMI(Body Mass Index)値、体脂肪率、平均体温、居住地、家族構成、糖尿病タイプ、糖尿病発症年齢、HbA1c(ヘモグロビンA1c:血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す値)、既往歴、平均摂取カロリー、生活活動代謝量、および、平均睡眠時間がある。医師は、診察時において、前述した属性情報を患者から聞き取り、医師用端末装置80を操作することで、属性情報を入力することができる。なお、図7の例では、各属性情報として、患者IDとして「123456」が、氏名として「特許 太郎」が、年齢として「50歳」が、性別として「男性」が、身長として「174cm」が、体重として「91kg」が、BMI値として「30kg/m2」が、体脂肪率として「38%」が、平均体温として「36.1℃」が、居住地として「東京都青梅市〇丁目×番」が、家族構成として「独身」が、糖尿病タイプとして「2型糖尿病」が、糖尿病発症年齢として「49歳」が、HbA1cとして「8%で推移」が、既往歴として「睡眠時無呼吸症候群」が、平均摂取カロリーとして「3,000kcal/日」が、生活活動代謝量として「100kcal/日」が、および、平均睡眠時間として「7時間/日」が示されている。なお、図7に示す属性情報は一例であって、これらの一部だけを登録するようにしたり、これら以外の情報を登録したりするようにしてもよい。
ステップS11では、サーバ装置70のCPU71は、ステップS10で入力された属性情報をHDD74に格納する。なお、HDD74には、複数の患者に関する属性情報(図7参照)とともに、後述する血糖値の推移およびインスリンの投薬に関する情報が関連付けされて記憶される。
ステップS12では、CPU71は、ステップS10で入力された属性情報と類似する属性を有する患者の属性情報をHDD74から検索する。なお、類似する属性を有する患者を検索する方法としては、種々の方法が考えられるが、例えば、新規の患者の第i番目の属性情報の値をai1とし、既登録の患者の第i番目の属性情報の値をai2とした場合に、これらの属性情報の類似度Sを、重み値wiを用いて以下の式(1)で表すことができる。なお、ABS()は括弧内の絶対値を返す関数であり、EXP()は、括弧内の数値のe(自然対数)を底とするべき乗を返す関数である。例えば、糖尿病のタイプについては、タイプが同じである場合(例えば、共に2型である場合)には、ai1−ai2=0となり、タイプが異なる場合(例えば、一方が2型で他方が1型である場合)ai1−ai2=1となるようにすることができる。この場合、タイプが同じ場合には、EXP(0)=1となるのでwiが得られる値となる。一方、タイプが異なる場合には、wi×EXP(−1)(EXP(−1)<1)が得られる値となる。また、年齢についても同様に計算することで、年齢が近いほど大きい値を得る。なお、重み値wiについては、学習処理によって値を変更することで、検索の精度を高めることができる。なお、式(1)は一例であって、これ以外の関数を用いるようにしてもよい。また、図7に示す全ての属性情報を用いる必要はなく、一部の属性情報を用いるようにしてもよい。また、図7に示す以外の属性情報を用いるようにしてもよい。
ステップS13では、CPU71は、ステップS12における検索の結果得られる属性情報が類似する患者の中から、経過が良好な患者を特定する。より詳細には、ステップS12における検索処理の結果として、新規の患者と属性が類似する患者(例えば、糖尿病のタイプが同じで、年齢が近く、体重も近い患者)が特定されるが、特定された患者の中から経過が良好な(例えば、HbA1cの値が予定通り低下している)患者を特定する。なお、良好な患者としては、HbA1c以外にも、例えば、後述する上限値および下限値の間隔が予定通りに狭まっている患者とすることができる。もちろん、これら以外の指標を用いてもよい。
ステップS14では、CPU71は、ステップS13で特定された経過が良好な患者の投薬履歴をHDD74から取得する。例えば、新規の患者と属性が類似し、かつ、経過が良好な複数または単数の患者の投薬履歴がHDD74から取得される。なお、投薬履歴とは、投与するインスリンの種類、投与タイミング、および、投与量(単位)を示す情報と、後述する投与量変更条件、および、アラート発出条件を含む情報である。なお、投薬履歴にこれら以外の情報を含ませるようにしてもよい。
ステップS15では、CPU71は、ステップS14で取得した患者の情報を参照して、短期および長期の目標を決定する。例えば、短期(例えば、1ヶ月先)の目標としてHbA1cが8%未満を設定し、長期(例えば、6ヶ月先)の目標としてHbA1cが7.5%未満を設定する。なお、HbA1c以外の指標値(例えば、血糖値の上限値および下限値の差)を用いるようにしてもよい。
ステップS16では、CPU71は、ステップS14で取得した経過が良好な患者の投薬履歴を参照し、投薬するインスリンの種類を決定する。なお、インスリンには、超速効型、速効型、中間型、混合型、持効型がある。超速効型は、注射してから効果が出るまでの時間が10〜20分で、効果が持続する時間が3〜5時間のインスリンをいう。速効型は、注射してから効果が出るまでの時間が30分〜1時間で、効果が持続する時間が5〜8時間のインスリンをいう。中間型は、注射してから効果が出るまでの時間が1時間〜3時間で、効果が持続する時間が18〜24時間のインスリンをいう。混合型は、超速効型、速効型、および、中間型インスリンを様々な割合で混合したインスリンであり、効果の発現は超速効型、速効型、中間型インスリンのそれぞれの作用時間と略同様であり、効果の持続時間は中間型インスリンと略同じとなる。また、持効型は、注射してから効果が出るまでの時間が1時間〜2時間で、効果が持続する時間が略24時間のインスリンをいう。
ステップS17では、CPU71は、ステップS14で取得した経過が良好な患者の投薬履歴を参照し、ステップS16で決定したインスリンの投与のタイミングを決定する。なお、投与のタイミングとしては、例えば、朝食前、昼食前、夕食前、就寝前のタイミングから選択することができる。もちろん、これら以外のタイミングから選択してもよい。
ステップS18では、CPU71は、ステップS14で取得した経過が良好な患者の投薬履歴を参照し、ステップS16で決定したインスリンの投与の単位を決定する。ここで、インスリンの「単位」とは、例えば、「健康な体重約2kgのウサギを24時間絶食状態にし、そのウサギにインスリンを注射して、3時間以内に痙攣を起こすレベル(血糖値:約45mg/dL)まで血糖値を下げ得る最小の量」をいう。例えば、投与するインスリンの単位としては、朝食前に超速効型インスリンを12単位、昼食前に超速効型インスリンを10単位、夕食前に超速効型インスリンを12単位、持効型インスリンを8単位とすることができる。
ステップS19では、CPU71は、ステップS14で取得した経過が良好な患者の投薬履歴を参照し、ステップS16で決定したインスリンを投与する単位を変更する条件(以下、「投薬量変更条件」)を設定する。
図8〜図11は、投薬量変更条件の一例を示す図である。図8は、5日間を単位として設定される投薬量変更条件の一例である。図の縦方向は血糖値を示し、横方向は時間帯または区分を示している。また、図中の実線の太線は5日間の平均血糖値に対して設定された投薬量変更条件であり、図中の破線の太線は5日間の絶対血糖値に対して設定された投薬量変更条件である。実線と破線の細線については後述する。
なお、図8において、実線または破線の太線または細線の上部に記載された括弧に囲まれた数値は、図9に示す条件と対応している。例えば、図8の朝食前の時間帯の上側に記載された実線の太線((1)が付与された実線の太線)は、図9に示す優先順位が1である「5日間の朝食前の平均血糖値が150mg/dl以上の場合」に「眠前(睡眠前)のインスリンAを2単位増量」する投薬量変更条件である。このような投薬量条件に合致した場合(例えば、5日間の朝食前の平均血糖値が150mg/dl以上になった場合)には、眠前のインスリンA(例えば、持効型のインスリン(朝食前の時間帯の責任インスリン))を2単位増やすように指示がされる。また、図8において、昼食前の時間帯の上側に記載された実線の太線((2)が付与された実線の太線)は、図9に示す優先順位が2である「5日間の昼食前の平均血糖値が150mg/dl以上の場合」に「朝食前のインスリンB(昼食前の時間帯の責任インスリン)を2単位増量」する投薬量変更条件である。なお、図9の例は、50歳、男性、10年来の2型糖尿病で5年前から内服加療に加え、インスリン強化療法を開始し、HbA1cは8%台で推移しており、BMI30kg/m2と肥満であり、腎障害は認められない患者の例である。
また、図8の朝食前の時間帯の下側に記載された実線の太線((5)が付与された実線の太線)は、図9に示す優先順位が5である「5日間の朝食前の平均血糖値が100mg/dl以下の場合」に「眠前のインスリンAを2単位減量」する投薬量変更条件である。このような投薬量変更条件に合致した場合(例えば、5日間の朝食前の平均血糖値が100mg/dl以下になった場合)には、眠前のインスリンAを2単位減らすように指示がされる。さらに、図8の朝食前の時間帯の破線の太線((19)が付与された破線の太線)は、図9に示す優先順位が19である「5日間の朝食前の血糖値が2回以上70mg/dl以下の場合」に「眠前のインスリンAを2単位減量」する投薬量変更条件である。このような投薬量変更条件に合致した場合(例えば、5日間の朝食前の血糖値が2回以上70mg/dl以下になった場合)には、眠前のインスリンAを2単位減らすように指示がされる。
なお、図9において、適用条件が「以上」となっているものが血糖値の上限値を示し、適用条件が「以下」となっているものが血糖値の下限値を示している。また、インスリンの変更指示に示されるインスリンが、適用条件に示す期間に対応する責任インスリンである。例えば、優先順位が1の投薬量変更条件は、朝食前の時間帯の血糖値の「上限値」に該当し、眠前のインスリンAが責任インスリンに該当する。なお、責任インスリンとは、測定時の血糖値に最も影響を与えるインスリンをいう。
図10は、14日間を単位として設定される投薬量変更条件の一例である。図10の朝食前の時間帯の上側の実線の太線((10)が付与された実線の太線)は、図9に示す優先順位が10である「14日間の朝食前の平均血糖値が125mg/dl以上の場合」に、「眠前のインスリンAを2単位増量」する投薬量変更条件である。このような投薬量変更条件に合致した場合(例えば、14日間の朝食前の平均血糖値が125mg/dl以上になった場合)には、眠前のインスリンAを2単位増やすように指示がされる。また、図10の朝食前の時間帯の下側の実線の太線((14)が付与された実線の太線)は、図9に示す優先順位が14である「14日間の朝食前の平均血糖値が100mg/dl以下の場合」に「眠前のインスリンAを2単位減量」する投薬量変更条件である。このような投薬量変更条件に合致した場合(例えば、14日間の朝食前の平均血糖値が100mg/dl以下になった場合)には、眠前のインスリンAを2単位減らすように指示がされる。また、図10の朝食前の時間帯の破線の太線((24)が付与された破線の太線)は、図9に示す優先順位が24である「14日間の朝食前の血糖値が2回以上70mg/dl以下の場合」に「眠前のインスリンAを2単位減量」する投薬量変更条件である。このような投薬量変更条件に合致した場合(例えば、14日間の朝食前の血糖値が2回以上70mg/dl以下になった場合)には、眠前のインスリンAを2単位減らすように指示がされる。
図11は、2週間(14日間)を単位として設定される投薬量変更条件の一例である。図11の昼食前と朝食前の差に対応する列の上側の実線の太線((28)が付与された実線の太線)は、図9に示す優先順位が28である「14日間の昼食前と朝食前の血糖差が5回以上50mg/dl以上の場合」に「朝食前のインスリンBを2単位増量」する投薬量変更条件である。このような投薬量変更条件に合致した場合(例えば、14日間の昼食前と朝食前の血糖差が5回以上50mg/dl以上の場合)には、朝食前のインスリンBを2単位増やすように指示がされる。また、昼食前と朝食前の差に対応する列の下側の実線の太線((32)が付与された実線の太線)は、図9に示す優先順位が32である「14日間の昼食前と朝食前の血糖差が5回以上−50mg/dl以下の場合」に「朝食前のインスリンBを2単位減量」する投薬量変更条件である。このような投薬量変更条件に合致した場合(例えば、14日間の昼食前と朝食前の血糖差が5回以上−50mg/dl以下の場合)には、朝食前のインスリンBを2単位減らすように指示がされる。
図6に戻る。ステップS20では、CPU71は、ステップS14で取得した経過が良好な患者の投薬履歴を参照し、アラートを発出する条件(以下、「アラート発出条件」)を設定する。
例えば、図8の期間内全データの列に示す実線の細線((36)が付与された実線の細線)は、図9に示す、優先順位が36である「5日間の全期間の平均血糖値が100mg/dl以下の場合」に「インスリンの指示なし、アラートのみ」のアラート発出条件に対応している。このようなアラート発出条件に合致した場合(例えば、5日間の全期間の平均血糖値が100mg/dl以下の場合)には、インスリンを変更する指示は出されずに、アラートのみが通知される。また、図8の期間内全データの列に示す破線の細線((37)が付与された実線の細線)は、図9に示す、優先順位が37である「5日間の全期間の血糖値が2回以上70mg/dl以下の場合」に「インスリンの指示なし、アラートのみ」のアラート発出条件に対応している。このようなアラート発出条件に合致した場合(例えば、5日間の全期間の血糖値が2回以上70mg/dl以下の場合)には、インスリンを変更する指示は出されずに、アラートのみが通知される。
なお、投与量変更条件およびアラート発出条件については、例えば、つぎのような制限を設けることができる。例えば、破線で示す絶対値による指示は、実線で示す平均値による指示よりも狭くならないように制限を設けることができる。また、上限値としては、期間が長いビューで設定されている設定値を、期間が短いビューにおける設定値が超えて低い値に設定することができないように制限を設けることができる。下限値としては、期間が長いビューで設定されている設定値を、期間が短いビューにおける設定値が超えて高い値に設定することができないように制限を設けることができる。このような制限を設けることで、なだらかに血糖値が変化するようにすることができる。
ステップS21では、CPU71は、設定した条件(投薬量変更条件およびアラート発出条件)を一覧表示するか否かを問い合わせし、一覧表示すると医師が指示した場合(ステップS21:Y)にはステップS22に進み、それ以外の場合(ステップS21:N)の場合にはステップS23に進む。例えば、医師が医師用端末装置80の操作部88を操作することで、一覧表示を指示した場合にはステップS22に進む。
ステップS22では、CPU71は、設定した条件(投薬量変更条件およびアラート発出条件)を医師用端末装置80に送信し、表示部86に一覧表示させる。なお、一覧表示の態様としては、例えば、図8,図10〜図11のように表示することができる。また、図12に示すように、図9に示す投薬量変更条件およびアラート発出条件を文字として一覧表示するようにしてもよい。図12の例では、表示する投薬量変更条件およびアラート発出条件を選択するための複数のチェックボックスが表示されている。このようなチェックボックスをチェックすることで、所望の投薬量変更条件およびアラート発出条件を表示させることができる。
ステップS23では、CPU71は、設定した条件(投薬量変更条件およびアラート発出条件)を変更するか否かを判定し、変更すると判定した場合(ステップS23:Y)にはステップS24に進み、それ以外の場合(ステップS23:N)にはステップS25に進む。例えば、医師用端末装置80の操作部88が操作されて、条件を変更する要求がなされた場合にはYと判定してステップS24に進む。
ステップS24では、CPU71は、図9に示す投薬量変更条件およびアラート発出条件を変更する処理を実行する。より詳細には、図8に示す表示例の場合には、実線または破線の太線または細線を選択することで、例えば、図13に示すポップアップウィンドウが表示され、当該ポップアップウィンドウから条件を変更することができる。例えば、図13の例では、ポップアップウィンドウに、図9の優先順位が1である投薬量変更条件の内容である「眠前」、「インスリンA」、「2単位増量」が表示されている。なお、血糖値の条件である150mg/dlを変更する場合には、例えば、図13等において、実線の太線(数値(1)が付された実線の太線)を選択して移動させることで変更することができる。なお、移動する際に、ポップアップウィンドウ等を表示して、血糖値を表示するようにすれば、設定を容易に行うことができる。なお、図12等に示す画面において、「150mg/dl」を選択して、数値を変更可能としてもよい。
ステップS25では、CPU71は、以上のようにして設定された投薬量変更条件およびアラート発出条件(例えば、図9に示す条件)を、例えば、図7に示す個人の属性情報に関連付けしてHDD74に格納する。
以上の処理によれば、新たな患者に関する属性情報と、インスリンの投薬条件(インスリンの種類、タイミング、単位)を設定するとともに、投薬量変更条件およびアラート発出条件を設定することができる。また、以上の実施形態では、インスリンの投薬条件、投薬量変更条件、および、アラート発出条件を、類似する属性を有し、経過が良好である他の患者の情報を参照して設定するようにしたので、経験が少ない医師でも適切な設定を行うことができる。また、経過が良好な患者の情報を優先して参照することで、学習処理の進展に伴って、より適切な設定を行うことができる。また、設定後は条件を一覧表示するとともに、変更可能とすることで、例えば、経験が豊かな医師によって見直しをすることで、より適切な設定を行うとともに、学習処理を通じて他の医師の手本とすることができる。
つぎに、図14を参照して、患者側装置10−1〜10−nにおいて実行される処理について説明する。なお、以下では、説明を簡略化するために患者側装置10−1〜10−nを患者側装置10として説明する。図14に示す処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS30では、CPU21は、I/F27を介して血糖値検出部28aによって検出された患者の血糖値の測定結果を取得する。例えば、患者の朝食前の血糖値として150mg/dlが取得される。
ステップS31では、CPU21は、ステップS30で取得した血糖値の測定結果を、通信部24、基地局40、ネットワーク50、および、LAN60を介してサーバ装置70に送信する。なお、このとき、患者を特定するための患者IDと、測定時刻を示す情報とを送信する。サーバ装置70では、例えば、患者IDを参照して患者を特定し、受信した血糖値の測定結果を、患者の属性情報等に関連付けてHDD74に格納する。
ステップS32では、CPU31は、患者の摂取カロリー、運動量、体重、体温等の血糖値関連情報を取得する。より詳細には、摂取カロリーについては、食事を撮影した画像をCPU31が解析することで、おおまかな摂取カロリーを得ることができる。あるいは、コンビニエンス・ストア等の店舗において弁当等の商品を購入した場合に、支払い情報から商品を特定し、特定した商品のカロリーを、例えば、ネットワーク上の所定のサーバから取得し、摂取カロリーを求めるようにしてもよい。また、運動量については、患者が携行する携帯電話にインストールされた歩数計の計測値に基づいて計算することができる。また、体重については、例えば、通信機能を有する体重計から取得することができる。また、体温については、例えば、通信機能を有する体温計から取得することができる。なお、これらの情報を、患者が手入力によって入力するようにしたり、前述した以外の方法によって入力したりするようにしてもよい。
ステップS33では、CPU31は、ステップS32で取得した血糖値関連情報を、基地局40、ネットワーク50、および、LAN60を介してサーバ装置70に送信する。なお、このとき、患者を特定するための情報(例えば、ID)と、測定日時を示す情報とを送信する。サーバ装置70では、例えば、ID情報を参照して患者を特定し、受信した血糖値関連情報を、患者の属性情報等に関連付けてHDD74に格納する。
なお、ステップS31およびステップS33の処理によって送信された情報を受信したサーバ装置70では、後述する図15に示す処理によって、血糖値および血糖値関連情報を処理し、処理結果をLAN60、ネットワーク50、および、基地局40を介して患者側装置10および医師用端末装置80に送信する。
ステップS34では、CPU31は、サーバ装置70から処理結果の情報を受信する。より詳細には、サーバ装置70では、後述する図15に示す処理によって、血糖値および血糖値関連情報が処理されるので、CPU31は処理結果の情報をサーバ装置70から受信する。
ステップS35では、CPU31は、ステップS34で受信した情報にアラートが存在するか否かを判定し、アラートが存在すると判定した場合(ステップS35:Y)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS35:N)にはステップS37に進む。例えば、図9の例では、5日間の全期間の平均血糖値が100mg/dl以下の場合(優先順位が36のアラート発出条件に該当する場合)にはアラートが発出されるので、Yと判定してステップS36に進む。
ステップS36では、CPU31は、アラートを発出する。例えば、いまの例では、「5日間の全期間の平均血糖値が100mg/dl以下」であることを示すメッセージを表示部36に表示する。
ステップS37では、CPU31は、ステップS34で受信した情報に投薬量変更指示が存在するか否かを判定し、投薬量変更指示が存在すると判定した場合(ステップS37:Y)にはステップS38に進み、それ以外の場合(ステップS37:N)にはステップS39に進む。例えば、図9の例では、5日間の朝食前の平均血糖値が150mg/dl以上の場合(優先順位が1の投薬量変更条件に該当する場合)には眠前のインスリンAを2単位増加させる薬量変更指示が発出されるので、Yと判定してステップS38に進む。
ステップS38では、CPU31は、投薬量の変更を指示する。例えば、いまの例では、「眠前のインスリンAを2単位増量」することを示すメッセージを表示部36に表示する。
ステップS39では、CPU31は、ステップS34で受信した情報に生活習慣に対するコメントが存在するか否かを判定し、生活習慣に対するコメントが存在すると判定した場合(ステップS39:Y)にはステップS40に進み、それ以外の場合(ステップS39:N)には処理を終了する。
ステップS40では、CPU31は、コメントを表示する。例えば、朝食の摂取カロリーが多い場合には「朝食を減らす」ことを示すメッセージを表示部36に表示し、運動が足りない場合には「もっと運動を増やす」ことを示すメッセージを表示部36に表示し、体重が増加している場合には「体重を減らす」ことを示すメッセージを表示部36に表示する。もちろん、これら以外のメッセージを表示するようにしてもよい。
以上の処理によれば、測定された患者の血糖値をサーバ装置70に送信するとともに、摂取カロリー等の血糖値関連情報をサーバ装置70に送信することができる。また、サーバ装置70における処理の結果、アラート、投薬量変更指示、生活習慣に対するコメントが発出された場合には、表示部36に表示することができる。
つぎに、図15を参照して、サーバ装置70において実行される処理の一例について説明する。図15に示す処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS50では、サーバ装置70のCPU71は、患者側装置10から送信された情報が存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合(ステップS50:Y)にはステップS51に進み、それ以外の場合(ステップS50:N)には処理を終了する。
ステップS51では、CPU71は、図14のステップS31で送信された血糖値の測定結果を受信する。
ステップS52では、CPU71は、図14のステップS33で送信された血糖値関連情報を受信する。
ステップS53では、CPU71は、ステップS51,S52で受信した血糖値の測定結果と、血糖値関連情報とを、対応する患者に対応付けしてHDD74に格納する。
ステップS54では、CPU71は、HDD74に格納されている所定期間の血糖値を取得する。
ステップS55では、CPU71は、ステップS54で取得した所定期間の血糖値が、アラート発出条件に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS55:Y)にはステップS56に進み、それ以外の場合(ステップS55:N)にはステップS57に進む。例えば、図9の例では、5日間の全期間の平均血糖値が100mg/dl以下の場合に該当するときは、優先順位が36であるアラート発出条件に該当するので、Yと判定してステップS56に進む。
ステップS56では、CPU71は、アラートを発出する処理を実行する。この結果、例えば、対応する患者側装置10、または、当該患者を担当する医師の医師用端末装置80にアラートが表示される。
ステップS57では、CPU71は、ステップS54で取得した血糖値が投薬量増量条件(投薬量変更条件のうち、投薬量を増加する条件)に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS57:Y)にはステップS58に進み、それ以外の場合(ステップS57:N)にはステップS63に進む。例えば、図9に示す例では、5日間の朝食前の平均血糖値が150mg/dl以上の場合に該当するとき(優先順位が1の投薬量増加条件に該当するとき)は、Yと判定してステップS58に進む。
ステップS58では、CPU71は、ステップS54で取得した血糖値が投薬量減量条件(投薬量変更条件のうち、投薬量を減少する条件)に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS58:Y)にはステップS63に進み、それ以外の場合(ステップS58:N)にはステップS59に進む。例えば、図9に示す例では、5日間の昼食前の平均血糖値が100mg/dl以下の場合に該当するとき(優先順位が6の投薬量減少条件に該当するとき)は、Yと判定してステップS63に進む。
ステップS59では、CPU71は、複数の投薬量増量条件に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS59:Y)にはステップS60に進み、それ以外の場合(ステップS59:N)にはステップS61に進む。例えば、5日間の朝食前の平均血糖値が150mg/dl以上の場合に該当するとき(優先順位が1の投薬量増加条件に該当するとき)であって、かつ、5日間の昼食前の平均血糖値が150mg/dl以上の場合に該当するとき(優先順位が2の投薬量増加条件に該当するとき)は、2つの投薬量増量条件に該当するので、Yと判定してステップS60に進む。
ステップS60では、CPU71は、優先順位が最も高い投薬量増量条件を1つ選択する。例えば、いまの例では、優先順位が1の投薬量増量条件と、優先順位が2の投薬量増量条件の双方に該当する場合には、優先順位が1の投薬量増量条件が選択される。
ステップS61では、CPU71は、投薬量増量指示を発出する処理を実行する。この結果、例えば、対応する患者側装置10、または、当該患者を担当する医師の医師用端末装置80に投薬量増量指示が表示される。
ステップS62では、CPU71は、投薬量増量条件に関する血糖値をリセットする処理を実行する。より詳細には、例えば、優先順位が1の投薬量増量指示が発出された場合には、指示が発出された時点よりも前の血糖値はリセットされ、増量指示が発出された次の日から改めてカウントが新たに始まる。
ステップS63では、CPU71は、ステップS54で取得した血糖値が投薬量減量条件に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS63:Y)にはステップS64に進み、それ以外の場合(ステップS63:N)にはステップS67に進む。例えば、図9に示す例では、5日間の朝食前の平均血糖値が100mg/dl以下の場合に該当するとき(優先順位が5の投薬量減量条件に該当するとき)は、Yと判定してステップS64に進む。
ステップS64では、CPU71は、複数の投薬量減量条件に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS64:Y)にはステップS65に進み、それ以外の場合(ステップS64:N)にはステップS66に進む。例えば、5日間の昼食前の平均血糖値が100mg/dl以下の場合に該当するとき(優先順位が5の投薬量減量条件に該当するとき)であって、かつ、5日間の全食前の平均血糖値が100mg/dl以下の場合に該当するとき(優先順位が9の投薬量減量条件に該当するとき)は、2つの投薬量減量条件に該当するので、Yと判定してステップS65に進む。
ステップS65では、CPU71は、複数の投薬量減量条件に該当する場合には、これら複数の投薬量減量条件に対応する投薬量減量指示を加算する処理を実行する。例えば、いまの例では、優先順位が5と優先順位が9の2つの投薬量減量条件に該当するので、前者に該当する指示である「眠前のインスリンAを2単位減量」と、後者に該当する指示である「眠前のインスリンAを2単位減量」とが加算され、「眠前のインスリンAを4単位減量」が算出される。
ステップS66では、CPU71は、投薬量減量指示を発出する処理を実行する。この結果、例えば、対応する患者側装置10、または、当該患者を担当する医師の医師用端末装置80に投薬量減量指示が表示される。
ステップS67では、CPU71は、血糖値関連情報から生活習慣に関するコメントを生成する。例えば、朝食の摂取カロリーが多い場合には「朝食を減らす」ことを示すメッセージを生成し、運動が足りない場合には「もっと運動を増やす」ことを示すメッセージを生成し、体重が増加している場合には「体重を減らす」ことを示すメッセージを生成する。もちろん、これら以外のメッセージを生成するようにしてもよい。なお、メッセージを生成する場合、例えば、属性が類似している患者を特定し、特定した患者から同様の血糖値関連情報を有する患者を選択し、その患者に対して有効性が高いと判断されるメッセージと同様のメッセージを生成するようにしてもよい。例えば、朝食の摂取カロリーが多い場合に、「朝食を減らしてください。」よりも「朝食前に野菜を食べましょう。」の方が、朝食の摂取カロリーを低減する効果が高い場合には、後者を選択することができる。
ステップS68では、CPU71は、生活習慣に関するコメントを発出する処理を実行する。この結果、例えば、対応する患者側装置10、または、当該患者を担当する医師の医師用端末装置80に生活習慣に関するコメントが表示される。
図16〜図18は、図15に示す処理の詳細な動作を説明するための図である。図15は、投薬量増量指示に関する動作を説明する図である。図16の例では、「指示1:3日間の朝食前の平均血糖値が150mg/dl以上で眠前の持効型インスリン1単位増量(優先順位1)」と「指示2:3日間の昼食前の平均血糖値が150mg/dl以上で朝の速効型インスリン1単位増量(優先順位2)」の2つの投薬量増量指示が存在する場合の動作を示している。この場合、Day1〜Day3において、朝食前血糖値は全て151mg/dlであるので指示1の条件に該当するとともに、昼食前血糖値は全て161mg/dlであるので指示2の条件にも該当する。この結果、Day3では、2つの指示の条件に該当するが、優先順位が高い指示1が発出され(眠前の持効型インスリン1単位増量が指示され)、指示2の適用はスキップされる(適用されない)。また、指示1が発出されると、投薬量の増量に関するモニタリングは、Day3においてリセットされる。
Day4以降では、朝食前血糖値は141mg/dlに低下するので、指示1の条件には該当しなくなる。一方、昼食前血糖値は151mg/dlに低下するが、指示2の条件(150md/dl以上)には該当する。このため、Day6において、「3日間の昼食前の平均血糖値が150mg/dl以上で朝の速効型インスリン1単位増量」に該当すると判断され、指示2が発出される(朝の速効型インスリン1単位増量が指示される)。また、指示2が発出されると、投薬量の増量に関するモニタリングは、Day6においてリセットされる。
図17は、投薬量減量指示に関する動作を説明する図である。図17の例では、「指示1:1ヶ月間の朝食前の血糖値が3回以上70mg/dl以下で眠前の持効型インスリン1単位減量(優先順位1)」と「指示2:1ヶ月間の昼食前の血糖値が3回以上70mg/dl以下で朝の速効型インスリン1単位減量(優先順位2)」の2つの投薬量減量指示が存在する場合の動作を示している。この場合、Day3,Day4,Day7で指示1の条件に該当するとともに、Day1,Day3,Day7で指示2の条件に該当する。このような場合には、Day7において、指示1と指示2の双方が発出される(眠前の持効型インスリン1単位減量されるとともに朝の速効型インスリン1単位減量される)。また、このとき、投薬量の減量に関するモニタリングはリセットされない。このため、Day8では、指示1と指示2の双方に該当することから、指示1と指示2が再度発出される。
図18は、投薬量減量指示と投薬量増量指示の双方に該当する場合について説明する図である。図18の例では、「指示1:3日間の朝食前の平均血糖値が150mg/dl以上で眠前の持効型インスリン1単位増量(優先順位1)」の投薬量増量指示と、「指示2:1週間の昼食前の血糖値が3回以上70mg/dl以下で朝の速効型インスリン1単位減量(優先順位2)」の投薬量減量指示が存在する場合の動作を示している。増量指示と減量指示の双方の条件に該当する場合には、減量指示が優先される。すなわち、図18の例では、Day5〜Day7において指示1の条件に該当するとともに、Day1,Day3,Day7において指示2の条件に該当する。この場合、減量指示が優先されるので、Day7では、減量指示である指示2のみが発出され、朝の速効型インスリン1単位減量の指示がされる。一方、指示1については発出がスキップされるとともに、増量量モニタリングについては、リセットはされない。つぎに、Day8では指示1に該当することから、眠前の持効型インスリン1単位増量が指示される。また、このとき、増量量モニタリングがリセットされる。
以上に説明したように、本実施形態では、投薬量増加指示については優先順位が最も高いものを択一的に適用するようにしたので、増量指示が重複適用され、血糖値が下がり過ぎることを防止できる。また、減量指示については重複適用するようにしたので、血糖値が下がり過ぎた状態から速やかに脱することができる。また、減量指示と増量指示の双方に該当する場合には、減量指示を優先するようにしたので、血糖値が下がり過ぎて症状が急速に変化することを防止できる。さらに、本実施形態では、増量指示が発出された場合には、増量量モニタリングをリセットするようにしたので、血糖値が急激に減少することを防止できる。すなわち、血糖値は増加する場合よりも、減少する場合の方が身体への影響が大きい(低血糖症になる)ので、低下させる際には急激な変化が生じないように投薬量を徐々に変化させるようにしたので、患者の身体への負担を軽減することができる。
なお、投薬量増量指示については、例えば、投与のタイミングや投与するインシュリンの種類によっては、重複適用するようにしてもよい。例えば、朝食前の超速効型のインスリンと、夕食前の速効型のインスリンの増量指示の2つが該当する場合、これらを重複適用しても血糖値が下がり過ぎる可能性は低いことから、重複適用するようにしてもよい。より詳細には、重複適用可能なタイミングとインスリンの組み合わせ等をテーブルとして記憶しておき、当該テーブルを参照して重複適用の可否を判断するようにしてもよい。
つぎに、図19を参照して、図1に示す医師用端末装置80において実行される処理について説明する。図19に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS70では、CPU81は、操作部88から患者のIDの入力を受ける。例えば、患者IDとして「123456」が入力される。なお、患者の氏名を入力し、氏名から患者IDを特定するようにしてもよい。
ステップS71では、CPU81は、ステップS70で入力された患者IDに対応する血糖値、血糖値関連情報、および、属性情報をサーバ装置70から取得する。例えば、患者IDが「123456」である場合には、図7に示す「特許 太郎」に関する血糖値、血糖値関連情報、および、図7に示す属性情報が取得される。
ステップS72では、CPU81は、操作部88からビュー(View)の設定を受ける。なお、ビューとしては、実分布ビュー、差分ビュー、変動ビュー、および、アラートビューが存在する。もちろん、これら以外のビューを採用するようにしてもよい。
ステップS73では、CPU81は、ステップS72で指定されたビューに対応する画面を表示する。例えば、実分布ビューが選択された場合には、図20に示すような画面が表示部86に表示される。
ステップS74では、CPU81は、操作部88から表示条件の入力を受ける。例えば、図20の例では、図の上部に表示されたテキストボックスに入力された表示期間、計算基準日、赤領域設定、真ん中表示、および、アラート適用最小測定回数等の入力を受ける。なお、図20において、表示期間は、計算基準日からの遡及する期間を示しており、例えば、3日、5日、1週間、2週間、1ヶ月から選択できる。計算基準日は表示期間の基準日を示しており、当日または過去の任意の日を選択できる。赤領域(図20では作図を省略している)は上限値(例えば、投薬量増加指示またはアラート)を超える領域を示している。真ん中表示は、複数の血糖値を表示する場合に平均値または中央値から選択できる。アラート適用最小測定回数は、アラートを発出する最小適用回数を示し、期間が7日の場合には最大値が7とされる。
ステップS75では、CPU81は、ステップS71で取得した血糖値を、ステップS74で入力された表示条件に応じて表示部86に表示する。この結果、例えば、図20に白丸で示すように、血糖値が表示される。なお、図20において、ハッチングが施された丸印は間食が推定される場合に表示されるアイコンである。また、ベルのアイコンは、測定回数がアラート適用最小回数に満たない場合に表示されるアイコンである。また、メールのアイコンは、血糖値が所定の値よりも低下した場合に、例えば、家族や医師に対して注意喚起のためのメールを送信することを示すアイコンである。
ステップS76では、CPU81は、アラートおよび投薬量変更指示が発出されている場合には表示する。図20の例では、投薬量変更指示が発出された場合には、矢印が表示される。具体的には、朝食前の時間帯の上側の実線の太線の下には、上向きの矢印が表示されている。この矢印は、投薬量変更指示が発出されたことと、投薬量変更指示が発出された時期が表示されている期間の後半であることを示している。また、期間内全食前データでは、上側の実線の太線の下に、上向きの矢印が表示されており、投薬量変更指示が発出されたことと、投薬量変更指示が発出された時期が表示期間の前半であることが示されている。なお、矢印以外の表示形式を採用してもよい。例えば、アラートおよび投薬量変更指示が発出された場合には、それ以降の実線の色を変更するようにしてもよい。
ステップS77では、CPU81は、医師によってアラートが変更されたか否かを判定し、アラートが変更されたと判定した場合(ステップS77:Y)にはステップS78に進み、それ以外の場合(ステップS77:N)にはステップS79に進む。例えば、図20の例では、実線または破線の細線が医師によって画面上で移動された場合には、Yと判定されてステップS78に進む。
ステップS78では、CPU81は、変更後のアラートに関する情報(アラート発出条件およびアラート自身)を取得し、サーバ装置70に送信し、HDD74に格納させる。例えば、図9の例では、優先順位が36のアラートの発出条件「5日間の全期間の平均血糖値が100mg/dl以下の場合」が、「5日間の全期間の平均血糖値が110mg/dl以下の場合」に変更された場合には、変更後のアラート発出条件がサーバ装置70のHDD74に格納される。
ステップS79では、CPU81は、医師によって投薬量変更指示(または投薬量変更条件)が変更されたか否かを判定し、投薬量変更指示(または投薬量変更条件)が変更されたと判定した場合(ステップS79:Y)にはステップS80に進み、それ以外の場合(ステップS79:N)にはステップS81に進む。例えば、図20の例では、実線または破線の太線が医師によって画面上で移動された場合には、Yと判定されてステップS80に進む。
ステップS80では、CPU81は、変更後の投薬量変更指示(または投薬量変更条件)に関する情報を取得し、サーバ装置70に送信し、HDD74に格納させる。例えば、図9の例では、優先順位が1の投薬量変更条件である「5日間の朝食前の平均血糖値が150mg/dl以上の場合」が、「5日間の朝食前の平均血糖値が140mg/dl以上の場合」に変更された場合には、変更後の投薬量変更条件がサーバ装置70のHDD74に格納される。なお、投薬量変更指示を変更するようにしてもよい。いまの例では、「眠前のインスリンAを2単位増量」を「眠前のインスリンAを3単位増量」に変更するようにしてもよい。また、図21に示すように、投薬量変更指示が選択された場合には、ポップアップウィンドウが表示され、このポップアップウィンドウにおいて、条件を変更できるようにしてもよい。図21の例では、「眠前」の「インスリン×××」を「2」単位増量と表示され、テキストボックス内に表示されている項目を変更可能とされている。
ステップS81では、CPU81は、処理を継続するか否かを判定し、継続すると判定した場合(ステップS81:Y)にはステップS72に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS81:N)には処理を終了する。
図22および図23は、以上の処理によって表示される画面の他の例を示している。まず、図22は、同一日の差分ビュー画面を示している。より詳細には、図22は、2週間の表示期間であり、計算基準日が2017年9月12日で、赤色領域が2週間測定中5回以上逸脱した場合であり、真ん中表示は平均値が選択され、アラート適用最小測定回数は4回以上に設定されている。また、画面の左から右へ、「朝食後と朝食前の差」、「昼食後と昼食前の差」、「夕食後と夕食前の差」、「設定期間内全体の食後と食前の差」、「昼食前と朝食前の差」、「夕食前と昼食前の差」、「眠前と夕食前の差」、「朝食前と眠前の差」、および、「朝食前と夕食前の差」が表示され、それぞれに該当する血糖値の差が丸印で表示されている。
図23は、変動ビュー画面を示している。より詳細には、図23は、変動設定条件1に関する表示設定項目を示しており、変動設定条件1として「変動係数(CV)」が選択され、選択血糖値としては「朝食前」が選択され、計算期間としては「1週間」が選択され、アラート適用最小測定回数としては「4」回以上が選択され、表示基準期日としては「2017年9月12日」が選択されている。また、画面の下には、変動設定条件1に対応する表示がされ、その右側には変動設定条件2に対応する表示がされ、その右側には変動設定条件3に対応する表示がされている。より詳細には、変動設定条件1については表示期間2017年8月30日〜9月12日までの2週間の朝食前の標準偏差(SD:Standard Deviation)が表示され、計算に使用されたサンプル数は14であることが示されている。また、期間の最後に投薬量変更指示が発出されたことが、下向きの矢印によって示されている。変動設定条件2については表示期間2017年9月6日〜9月12日までの1週間の朝食前の変動係数(CV:Coefficient of Variation)が表示され、計算に使用されたサンプル数は7であることが示されている。
なお、図23では、表示変動項目としては「変動係数(CV)」の他に、標準偏差(SD)、血糖変動幅(MAGE:Mean Amplitude of Glycemic Excursions)または日差変動(MODD:Mean of the Daily Difference)が選択可能とされている。また、選択血糖値としては「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「眠前」、「食前全体」、「食後全体」、および、「1日全体」から選択可能とされている。なお、これ以外の表示項目を選択可能としてもよい。
つぎに、図24を参照して、経過が良好な場合に、投薬量を調整する処理について説明する。図24に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS90では、サーバ装置70のCPU71は、治療が開始されてから、または、図24に示す処理が前回実行されてから所定の期間が経過したか否かを判定し、所定の期間が経過したと判定した場合(ステップS90:Y)にはステップS91に進み、それ以外の場合(ステップS90:N)には処理を終了する。なお、所定の期間の経過を条件としてステップS91以降の処理を実行するのではなく、例えば、血糖値が設定された範囲(上限値および下限値の範囲)内に所定の期間収まっている場合や、血糖値の変動値が所定の範囲内に収まることを条件として、ステップS91以降の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS91では、CPU71は、HbA1cの値を取得する。例えば、CPU71は、所定の期間内(例えば、1週間以内)に測定されたHbA1cの値を取得する。
ステップS92では、CPU71は、短期の目標を達成したか否かを判定し、短期の目標を達成したと判定した場合(ステップS92:Y)にはステップS93に進み、それ以外の場合(ステップS92:N)には処理を終了する。例えば、短期の目標として、1ヶ月間でHbA1cの値を0.5以上減少させることが設定されている場合であって、1ヶ月間でHbA1cの値が0.6減少した場合には、短期の目標を達成したとしてステップS93に進む。
ステップS93では、CPU71は、当該患者の属性情報と類似する属性を有する患者の属性情報をHDD74から検索する。なお、類似する属性を有する患者を検索する方法としては、例えば、前述した図6のステップS12と同様の方法を用いることができる。
ステップS94では、CPU71は、ステップS93における検索の結果得られる属性情報が類似する患者の中から、経過が良好な患者を特定する。より詳細には、例えば、前述した図6のステップS13と同様の方法を用いることができる。
ステップS95では、CPU71は、ステップS94で特定された経過が良好な患者の投薬履歴をHDD74から取得する。例えば、対象となっている患者と属性が類似し、かつ、経過が良好な複数または単数の患者の投薬履歴がHDD74から取得される。
ステップS96では、ステップS95で取得した、属性が類似し、かつ、経過が良好な患者の投薬履歴を参照し、アラートおよび投薬量変更条件の上限値のそれぞれを減少させる。例えば、図8の例では、(1)〜(4)の数値が付与された投薬量変更条件の少なくとも1つの値が減少される(例えば、150mg/dlから140mg/dlに変更される)。
ステップS97では、ステップS95で取得した、属性が類似し、かつ、経過が良好な患者の投薬履歴を参照し、アラートおよび投薬量変更条件の下限値のそれぞれを増加させる。例えば、図8の例では、(5)〜(9)の数値が付与された投薬量変更条件の少なくとも1つの値が増加される(例えば、100mg/dlから90mg/dlに変更される)。
以上の処理によれば、経過が良好な場合には、上限値と下限値の間隔を狭めるように設定することで、血糖値が安定するように投薬量および投薬のタイミングを設定することができる。
(C)変形実施形態の説明
以上の各実施形態は一例であって、本発明が上述した場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、図8〜図13に示す患者の例としては、50代、2型糖尿病の男性の例を示したが、例えば、35歳、1型糖尿病の女性の場合には図25〜図30に示すような設定とすることができる。なお、この女性患者は、19年来の1型糖尿病であり、発症時よりインスリン強化療法を開始している。HbA1cは7%台で推移し、低血糖の発生が多い。また、BMIは16kg/m2と痩せ型で腎障害は認められない。
より詳細には、図25は、この患者の3日間における各時間帯等に対して設定されるアラートおよび投薬量変更指示である。より詳細には、朝食前の時間帯における上側の実線の太線((1)が付された実線の太線)は、図29に示す優先順位が1の投薬量変更指示に対応している。同様に、(2)〜(12)が付与された実線の太線は、図29に示す優先順位が2〜12の投薬量変更指示に対応している。(47)〜(53)が付与された破線の太線は、図29に示す優先順位が47〜53の投薬量変更指示に対応している。(54)〜(57)が付与された破線の細線は、図29に示す優先順位が54〜57のアラートに対応している。
図26は、この患者の5日間における各時間帯等に対して設定されるアラートおよび投薬量変更指示である。より詳細には、(13)〜(23)が付された実線の太線は、図29および図30に示す優先順位が2〜12の投薬量変更指示に対応している。また、(40)〜(46)が付された破線の太線は、図30に示す優先順位が40〜46の投薬量変更指示に対応している。
図27は、この患者の1週間における食事前後の差に対して設定されるアラートおよび投薬量変更指示である。より詳細には、(24)〜(37)が付された実線の太線は、図30に示す優先順位が24〜37の投薬量変更指示に対応している。
図28は、この患者の1週間の朝食前の標準偏差(SD)と、1週間の朝食前の変動係数(CV)に対して設定された投薬量変更指示である。より詳細には、(38)〜(39)が付された実線の太線は、図30に示す優先順位が38〜39の投薬量変更指示に対応している。
図31〜図34は、80歳で30年来の2型糖尿病を抱える女性に関する図である。当該患者は、10年前よりインスリン強化療法を開始し、HbA1cは8%台で推移している。最近、食事摂取量が低下し、また、歩行困難があり通院が徐々に困難になっている。BMIは15kg/m2であり、軽度腎障害が認められる。
図31は、当該患者の3日間におけるアラートおよび投薬量変更指示である。(1)が付与された実線の太線は、図34に示す優先順位が1の投薬量変更指示に対応している。(2)が付与された実線の太線は図34に示す優先順位が2の投薬量変更指示に対応している。(9)が付与された破線の太線は図34に示す優先順位が9の投薬量変更指示に対応している。(12)が付与された破線の細線は図34に示す優先順位が12のアラートに対応している。
図32は、当該患者の14日間におけるアラートおよび投薬量変更指示である。(3)〜(6)が付与された実線の太線は、図34に示す優先順位が3〜6の投薬量変更指示に対応している。(10)および(11)が付与された破線の太線は図34に示す優先順位が10および11の投薬量変更指示に対応している。
図33は、当該患者の2週間における食事の前後の差のアラートおよび投薬量変更指示である。(7)〜(8)が付与された実線の太線は、図34に示す優先順位が7〜8の投薬量変更指示に対応している。
以上に説明したように、本実施形態では、様々なタイプの患者に対して投与するインスリンの量およびタイミング等を調整することができる。
なお、図6に示すフローチャートでは、投薬量変更条件、投薬量変更指示、および、アラート発出条件については、属性が類似し、経過が良好な患者の投薬履歴を参照して自動的に決定するようにしたが、例えば、医師が手動で設定するようにしてもよい。また、図24に示すフローチャートでは、投薬量変更条件、投薬量変更指示、および、アラート発出条件については、属性が類似し、経過が良好な患者の投薬履歴を参照して自動的に決定するようにしたが、例えば、医師が手動で設定するようにしてもよい。
また、図6および図24に示すフローチャートでは、投薬量変更条件、投薬量変更指示、および、アラート発出条件については、属性が類似し、経過が良好な患者の投薬履歴を参照して決定するようにしたが、投薬履歴を参照する際に、乱数を用いて、設定内容を若干変更するようにしてもよい。そのような方法によれば、より最適な設定に近づけることができるようになる。
また、以上の実施形態では、患者の属性情報および血糖値に関する情報は、サーバ装置70に送信して格納するようにしたが、これらの情報を医師用端末装置80−1〜80−mの全てで分散管理するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、アラートおよび投薬量変更指示は、季節等によらず一律に適用するようにしたが、例えば、血糖値が上がりやすいクリスマスシーズンには、アラートおよび投薬量変更指示の発出の条件を一時的に変更するようにしてもよい。もちろん、クリスマスに限らず、血糖値が上がりやすい時期(例えば、正月)には投薬量変更指示の発出の条件を一時的に変更するようにしてもよい。また、図7に示す居住地から特定される地域的な特性を考慮して、アラート発出条件および投薬量変更条件を設定したり、変更したりするようにしてもよい。例えば、雪下ろしを行うことで運動量が確保できる豪雪地帯では、積雪時にはアラート発出条件および投薬量変更条件を一時的に変更するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、血糖値の測定は患者自身が手動操作で行うようにしたが、例えば、24時間監視型の血糖値測定装置を用いるようにしてもよい。また、インスリンの投与についても、自動的に行うようにしてもよい。
なお、図6、図14、図15、図19、および、図24に示すフローチャートは一例であって、本発明が図6、図14、図15、図19、および、図24に示すフローチャートに限定されるものではない。