JP2019092301A - モーター、およびロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】第1挟持部材および第2挟持部材に対する被挟持部材の位置調整が必要なブレーキ装置を備え、かつ、ハウジングを製造する手間を低減できる構造を有するモーターを提供する。【解決手段】本発明のモーターの一つの態様において、ブレーキ装置は、第1挟持部材および第2挟持部材と、第1挟持部材と第2挟持部材との間に配置された被挟持部材と、被挟持部材をシャフトに固定する第1固定部材と、ブレーキ装置の状態を制動状態と非制動状態とに切り換え可能な駆動部と、を備え、ハウジングには、第1ハウジング孔部が形成され、駆動部は、第1ハウジング孔部を介してハウジングの外部に引き出された電源ケーブルを備え、第1挟持部材の接触部と被挟持部材との隙間は、非制動状態において、第1ハウジング孔部と対向し、第1固定部材は、シャフトの回転位置が所定位置である場合に、第1ハウジング孔部と対向していることを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、モーター、およびロボットに関する。
シャフトの回転を制動するブレーキ装置を備えたモーターが知れられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、例えば、ブレーキ装置として電磁ブレーキを備えたモーターが記載されている。
特開平9−23609号公報
上記のようなブレーキ装置としては、例えば、一対の挟持部材によってシャフトに固定された被挟持部材を挟持することでシャフトの回転を制動する構成が挙げられる。この構成においては、被挟持部材をシャフトに固定する際に、被挟持部材と挟持部材との隙間に調整部材を挿し込み、挟持部材に対する被挟持部材の位置調整が必要となる場合がある。そのため、ブレーキ装置を収容するハウジングに調整部材を挿し込むための孔部を形成する必要がある。
また、一方で、上記のようなモーターにおいては、ブレーキ装置に電源を供給するための電源ケーブルをハウジングの外部に引き出すための孔部も形成する必要がある。そのため、ハウジングに形成する孔部の数が多くなり、ハウジングを製造する手間が増大する問題があった。
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、第1挟持部材および第2挟持部材に対する被挟持部材の位置調整が必要なブレーキ装置を備え、かつ、ハウジングを製造する手間を低減できる構造を有するモーター、およびそのようなモーターを備えたロボットを提供することを目的の一つとする。
本発明のモーターの一つの態様は、所定方向に延びるシャフトを有するローターと、前記シャフトの径方向において前記ローターと対向して配置されたステーターと、前記シャフトの回転を制動可能なブレーキ装置と、前記ローター、前記ステーターおよび前記ブレーキ装置を収容するハウジングと、を備え、前記ブレーキ装置は、前記所定方向に並んで配置された第1挟持部材および第2挟持部材と、前記シャフトに固定され、少なくとも一部が前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との前記所定方向の間に配置された被挟持部材と、前記被挟持部材を前記シャフトに固定する第1固定部材と、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とのうちの少なくとも一方を前記所定方向に移動させて、前記ブレーキ装置の状態を、前記シャフトの回転を制動する制動状態と、前記シャフトの回転を制動しない非制動状態と、に切り換え可能な駆動部と、を備え、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とは、前記制動状態において前記被挟持部材に接触して前記被挟持部材を前記所定方向に挟持する接触部をそれぞれ備え、前記接触部は、前記非制動状態において前記被挟持部材と隙間を空けて前記所定方向に対向し、前記ハウジングには、前記ハウジングを構成する壁部を前記径方向のうちの第1径方向に貫通する第1ハウジング孔部が形成され、前記駆動部は、前記第1ハウジング孔部を介して前記ハウジングの外部に引き出された電源ケーブルを備え、前記第1挟持部材の前記接触部と前記被挟持部材との隙間の少なくとも一部は、前記非制動状態において、前記第1ハウジング孔部と前記第1径方向に対向し、前記第1固定部材は、前記シャフトの回転位置が所定位置である場合に、前記第1ハウジング孔部と前記第1径方向に対向していることを特徴とする。
本発明のモーターの一つの態様によれば、第1挟持部材の接触部と被挟持部材との隙間の少なくとも一部が非制動状態において第1ハウジング孔部と第1径方向に対向し、かつ、シャフトの回転位置が所定位置の場合に、第1固定部材が第1ハウジング孔部と第1径方向に対向している。そのため、第1ハウジング孔部が閉塞されていない状態において、第1挟持部材の接触部と被挟持部材との隙間および第1固定部材が第1ハウジング孔部を介してハウジングの外部に露出する。これにより、ハウジング内にブレーキ装置を収容した状態で、第1ハウジング孔部を介して、隙間への調整部材の挿し込み、および第1固定部材による被挟持部材のシャフトへの固定を行うことができる。したがって、各挟持部材に対する被挟持部材の位置調整を行うことができる。
また、ブレーキ装置の電源ケーブルは、第1ハウジング孔部を介してハウジングの外部に引き出されている。すなわち、ブレーキ装置の位置調整を行う孔部と電源ケーブルを引き出す孔部とをそれぞれ形成する必要がなく、1つの第1ハウジング孔部を形成することで、ブレーキ装置の位置調整と電源ケーブルのハウジングの外部への引き出しとの両方を行うことができる。したがって、ハウジングに形成する孔部の数を少なくすることができ、ハウジングの製造を容易にできる。以上により、本発明のモーターの一つの態様によれば、第1挟持部材および第2挟持部材に対する被挟持部材の位置調整が必要なブレーキ装置を備え、かつ、ハウジングを製造する手間を低減できる構造を有するモーターが得られる。
また、ハウジングを製造する手間を低減できるため、モーターの製造コストを低減できる。また、ハウジングに形成される孔部の数を少なくできるため、ハウジングの強度が低下することを抑制できる。また、ブレーキ装置の位置調整を行うことで、ブレーキ装置が非制動状態にある場合において、各挟持部材と被挟持部材とが接触することを抑制できる。そのため、非制動状態において各挟持部材と被挟持部材とが擦れて摩耗することを抑制できる。したがって、ブレーキ装置の寿命を向上でき、モーターの寿命を向上できる。また、非制動状態においてモーターの回転が阻害されることを抑制できる。
前記ブレーキ装置は、前記被挟持部材を前記シャフトに固定する第2固定部材を備え、前記ハウジングには、前記壁部を前記径方向のうちの第2径方向に貫通する第2ハウジング孔部が形成され、前記第1挟持部材の前記接触部と前記被挟持部材との隙間の少なくとも一部は、前記非制動状態において、前記第2ハウジング孔部と前記第2径方向に対向し、前記第2固定部材は、前記シャフトの回転位置が前記所定位置である場合に、前記第2ハウジング孔部と前記第2径方向に対向している構成としてもよい。
この構成によれば、第2ハウジング孔部を介しても、調整部材の隙間への挿し込みを行うことができる。これにより、2つの調整部材を用いて隙間の調整を行うことができ、隙間の調整をより安定して行うことができる。また、シャフトの回転位置が所定位置の場合に、第2固定部材が第2ハウジング孔部と第2径方向に対向している。これにより、シャフトの回転位置を変えることなく所定位置としたままで、被挟持部材の2箇所を第1固定部材と第2固定部材とによって固定することができる。したがって、被挟持部材をより強固に、かつ、容易にシャフトに固定することができる。
前記ハウジングは、前記第1ハウジング孔部のうち前記電源ケーブルが通された部分以外の部分を塞ぐ第1蓋部材と、前記第2ハウジング孔部を塞ぐ第2蓋部材と、を備え、前記第1蓋部材と前記第2蓋部材とは、互いに同じ形状である構成としてもよい。
この構成によれば、1種類の形状の蓋部材を2つ製造することによって、第1蓋部材と第2蓋部材との両方を得ることができる。したがって、モーターを構成する部品の種類が増大することを抑制でき、モーターの製造コストが増大することを抑制できる。
前記第1径方向と前記第2径方向とは、互いに直交する方向である構成としてもよい。
この構成によれば、2つの調整部材を挿し込む位置および各固定部材によって被挟持部材が固定されるシャフトの位置を周方向にある程度離しやすく、ブレーキ装置の位置調整作業を安定して行いやすい。また、被挟持部材をより安定してシャフトに固定できる。また、例えば、モーターをハウジング孔部が形成されていない面を設置面として設置することで、モーターの姿勢を変更することなく、各ハウジング孔部が形成された方向から、第1ハウジング孔部および第2ハウジング孔部を介したブレーキ装置の位置調整作業を行うことができる。これにより、2つのハウジング孔部を介したブレーキ装置の位置調整作業を、容易に行うことができる。
前記ハウジングは、前記第1ハウジング孔部のうち前記電源ケーブルが通された部分以外の部分を塞ぐ第1蓋部材を備え、前記電源ケーブルのうち前記ハウジングの外部に引き出された部分は、ポッティング材によって前記ハウジングに固定され、前記ポッティング材は、前記第1ハウジング孔部のうち前記電源ケーブルが通された部分を塞いでいる構成としてもよい。
この構成によれば、例えば、電源ケーブルを外部電源に接続する際に、電源ケーブルに引張応力が加えられた場合であっても、引張応力が電源ケーブルのうちハウジングの内部に収容される部分に伝わりにくくできる。これにより、電源ケーブルが駆動部から切断されることを抑制できる。また、ポッティング材は、第1ハウジング孔部のうち電源ケーブルが通された部分を塞いでいる。そのため、電源ケーブルが通される第1ハウジング孔部を、第1蓋部材とポッティング材とによって精度よく塞ぐことができる。
前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、前記ローターの回転位置を検出する検出装置と、をさらに備え、前記ハウジングは、前記ステーターの前記所定方向の一方に配置された保持部を備え、前記軸受は、前記保持部に保持され、前記検出装置は、前記保持部の前記一方に配置され、前記保持部には、前記所定方向の他方に開口し、前記軸受を収容する凹部と、前記ハウジングの外部に開口する第1開口部を有する注入孔部と、が形成され、前記凹部の内面は、前記軸受の外周面が接着剤を介して固定される内周面を含み、前記注入孔部は、前記凹部の内周面に開口する第2開口部を有し、前記第1開口部は、前記ハウジングにおける前記径方向の外方面に開口している構成としてもよい。
この構成によれば、例えば、凹部の内周面と軸受の外周面との間に注入された接着剤の一部が硬化しなかった場合に第1開口部から接着剤が漏れ出る場合であっても、未硬化の接着剤は、ハウジングの所定方向の一方ではなく、ハウジングの径方向外方に漏れ出る。これにより、ハウジングの所定方向の一方に配置された検出装置に、未硬化の接着剤が付着することを抑制できる。したがって、検出装置が故障する、または検出装置の検出精度が低下する等の不具合が生じることを抑制できる。また、注入孔部を閉塞する閉塞部材を設けることなく、検出装置への接着剤の付着を抑制できるため、モーターの部品点数を少なくしやすい。
前記注入孔部は、前記径方向の内方から外方に向けて直線状に延びている構成としてもよい。
この構成によれば、注入孔部を形成しやすい。また、注入孔部にディスペンサーを挿入しやすく、未硬化の接着剤を注入しやすい。
前記注入孔部は、前記径方向の内方から外方に向かうに従って前記一方に位置する向きに傾いて延びている構成としてもよい。
この構成によれば、保持部のうち注入孔部よりも他方の部分の所定方向の寸法を大きくでき、強度を大きくしやすい。これにより、ハウジング内に収容される部品を、保持部によって安定して一方から支持できる。
前記第1ハウジング孔部が開口する向きは、前記第1開口部が開口する向きと同じ向きである構成としてもよい。
この構成によれば、第1ハウジング孔部を介したブレーキ装置の位置調整作業と、注入孔部を介した軸受の固定作業と、をモーターの同じ方向から行うことができる。これにより、各作業を効率よく行うことができ、モーターの組み立て性を向上できる。
本発明のロボットの一つの態様は、上記のモーターを備えることを特徴とする。
本発明のロボットの一つの態様によれば、製造コストを低減できる。また、モーターの寿命を向上できるため、信頼性に優れたロボットが得られる。
本実施形態のモーターを上方から視た図である。 本実施形態のモーターを左右方向の一方から視た図である。 本実施形態のモーターを示す図であって、図1におけるIII−III断面図である。 本実施形態のモーターの一部を示す断面図である。 本実施形態のモーターの一部を上方から視た図である。 本実施形態のモーターの一部を左右方向の一方から視た図である。 本実施形態のモーターの一部を示す断面図である。 本実施形態の他の一例であるモーターの一部を示す断面図である。 本実施形態のロボットを示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモーターおよびロボットについて説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
各図に示すXYZ直交座標系において、Z軸方向と平行な方向を「上下方向」と呼び、Y軸方向と平行な方向を「左右方向」と呼び、X軸方向と平行な方向を「前後方向(所定方向)」と呼ぶ。Z軸方向の正の方向(図3における上方)を「上方」と呼び、Z軸方向の負の方向(図3における下方)を「下方」と呼ぶ。X軸方向の正の方向(図1における右方)を「前方(所定方向の他方)」と呼び、X軸方向の負の方向(図1における左方)を「後方(所定方向の一方)」と呼ぶ。また、各図には適宜、前後方向に延びる仮想軸である中心軸AXを示す。特に断りのない限り、中心軸AXを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸AXを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
なお、上下方向、左右方向、前後方向、前方および後方とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の各部の相対位置関係および姿勢は、これらの名称で示される以外の相対位置関係および姿勢であってもよい。
<モーターの実施形態>
図1は、本実施形態のモーター10を上方から視た図である。図2は、本実施形態のモーター10を左右方向の一方(+Y方向)から視た図である。図3は、本実施形態のモーター10を示す図であって、図1におけるIII−III断面図である。図4は、本実施形態のモーター10の一部を示す断面図である。図5は、本実施形態のモーター10の一部を上方から視た図である。図6は、本実施形態のモーター10の一部を左右方向の一方から視た図である。図7は、本実施形態のモーター10の一部を示す断面図である。図5から図7においては、後述する第1蓋部材28aおよび第2蓋部材28bが固定される前の状態を示している。
モーター10は、図1から図3に示すように、ハウジング20と、前後方向に延びるシャフト31を有するローター30と、ステーター40と、モールド部44と、回路基板45と、軸受51,52と、検出装置60と、ブレーキ装置70と、を備える。
ハウジング20は、中心軸AXを中心として前後方向に延びる四角筒状である。ハウジング20の外方面は、上下方向に平行で前後方向に延びる一対の側面と、左右方向に平行で前後方向に延びる一対の側面と、含む。ハウジング20は、図3に示すように、内部にローター30、軸受51,52、ステーター40およびブレーキ装置70を収容している。本実施形態においてハウジング20は、第1ハウジング21と、第2ハウジング(保持部)22と、第3ハウジング23と、を備える。第1ハウジング21と第2ハウジング22と第3ハウジング23とは、互いに別部材である。
第1ハウジング21は、前後方向の両方に開口する四角筒状である。第1ハウジング21の内周面は、中心軸AXを中心とする円筒状である。
第2ハウジング22は、第1ハウジング21の後方に固定されている。第2ハウジング22は、ステーター40の後方に配置されている。第2ハウジング22は、後方蓋部22aと、後方筒部22bと、を備える。後方蓋部22aは、ステーター40の後方を覆っている。後方蓋部22aの外形は、例えば、前後方向に沿って視て、角丸の正方形状である。
後方蓋部22aには、後方蓋部22aを前後方向に貫通する後方貫通孔24が形成されている。後方貫通孔24には、シャフト31の後方の端部が通されている。後方貫通孔24は、後方収容凹部(凹部)24aと、後方挿通孔部24bと、が前後方向に繋がって形成されている。後方収容凹部24aは、後方蓋部22aの前方の面から後方に窪んだ凹部である。後方収容凹部24aは、前方に開口し、軸受51を収容している。後方収容凹部24aの内面は、図4に示すように、底面24cと、内周面24dと、を含む。
底面24cは、前後方向と直交し、前方を向く面である。底面24cは、中心軸AXを中心とする円環状である。底面24cは、後述するウェブワッシャー53を介して、軸受51を後方から支持している。内周面24dは、底面24cの外周縁部から前方に延びている。内周面24dは、径方向と直交する円筒状の面である。内周面24dには、溝24eが形成されている。図示は省略するが、溝24eは、中心軸AXを中心とする円環状である。溝24eは、軸受51と径方向に対向する位置に形成されている。
後方挿通孔部24bは、底面24cから後方蓋部22aの後方の面までを貫通している。後方挿通孔部24bは、中心軸AXを中心とする。後方挿通孔部24bの内径は、後方収容凹部24aの内径よりも小さい。
後方蓋部22aには、後方蓋部22aの径方向外方の面から径方向内方に窪んだ注入孔部26が形成されている。本実施形態において注入孔部26は、第2ハウジング22の上面22cから下方に窪んでいる。第2ハウジング22の上面22cは、後方蓋部22aの上面と後方筒部22bの上面とを含む。注入孔部26は、径方向の内方から外方に向けて直線状に延びている。本実施形態において注入孔部26が延びる方向は、径方向のうちの一方向であり、上下方向である。
注入孔部26は、軸受51の径方向外方に配置されている。注入孔部26は、第1開口部26aおよび第2開口部26bを有する。第1開口部26aは、後方蓋部22aにおける径方向の外方面(ハウジング20における径方向の外方面,上面22c)に開口している。これにより、第1開口部26aは、ハウジング20の外部に開口している。
第2開口部26bは、後方収容凹部24aの内周面24dに開口している。これにより、第2開口部26bは、後方収容凹部24aの内部に開口している。第2開口部26bは、溝24eと繋がる。第1開口部26aと第2開口部26bとは、前後方向において同じ位置に配置されている。注入孔部26は、後方収容凹部24aの内部とハウジング20の外部とを連通させる。注入孔部26は、円形状の孔である。
注入孔部26の大きさは、後述する未硬化の接着剤80を溝24eに注入するためのディスペンサーを挿入できる程度の大きさである。本実施形態において注入孔部26の内径は、軸受51の前後方向の寸法および溝24eの前後方向の寸法よりも小さい。注入孔部26の内径が大きい程、注入孔部26の形成が容易である。一方、接着剤80が嫌気性である場合、注入孔部26の内径が小さい程、溝24eに注入された接着剤80が注入孔部26内の雰囲気と接触しにくく硬化しやすい。そのため、注入孔部26の内径は、接着剤80を注入するディスペンサーが挿入可能で、かつ、ある程度形成が容易な大きさを確保できる範囲内で、小さくすることが好ましい。
後方筒部22bは、図3に示すように、後方蓋部22aの外周縁部から前方に突出している。後方筒部22bの前方の端部は、第1ハウジング21の後方の端部に接触している。後方筒部22bには、後方筒部22bを構成する壁部を径方向のうちの上下方向と平行な方向(第1径方向)に貫通する第1ハウジング孔部27が形成されている。第1ハウジング孔部27は、上面22cに開口している。本実施形態において第1ハウジング孔部27が開口する向きは、上向きであり、注入孔部26における第1開口部26aが開口する向きと同じ向きである。第1ハウジング孔部27は、図5に示すように、円形状の孔である。
本実施形態において第1ハウジング孔部27は、第1ハウジング孔部27が後方筒部22bの壁部を貫通する方向(第1径方向)に沿って視て、ブレーキ装置70における後述する第1挟持部材71の一部、第2挟持部材72の一部、被挟持部材74の一部、駆動部73の一部および第1ネジ部材75と重なっている。駆動部73の一部には、後述する電源ケーブル73bが含まれる。
後方筒部22bの上面(第2ハウジング22の上面22c)における第1ハウジング孔部27の周縁部には、固定用溝27aが形成されている。固定用溝27aは、上方から視て、後方に開口するC字形状に延びている。
後方筒部22bには、図6に示すように、後方筒部22bを構成する壁部を径方向のうちの左右方向と平行な方向(第2径方向)に貫通する第2ハウジング孔部29が形成されている。第2ハウジング孔部29は、第2ハウジング22の左右方向一方(+Y方向)の側面22dに開口している。本実施形態において第2ハウジング22の側面22dは、後方蓋部22aの左右方向一方の面と後方筒部22bの左右方向一方の面とを含む。
第2ハウジング孔部29は、角丸の六角形状の孔である。第2ハウジング孔部29の開口面積は、第1ハウジング孔部27の開口面積よりも小さい。本実施形態において第1ハウジング孔部27が後方筒部22bの壁部を貫通する方向(第1径方向)と第2ハウジング孔部29が後方筒部22bの壁部を貫通する方向(第2径方向)とは、互いに直交する方向である。
本実施形態において第2ハウジング孔部29は、第2ハウジング孔部29が後方筒部22bの壁部を貫通する方向(第2径方向)に沿って視て、ブレーキ装置70における後述する第1挟持部材71の一部、第2挟持部材72の一部、被挟持部材74の一部および第2ネジ部材76と重なっている。
後方筒部22bの左右方向一方(+Y方向)の側面(第2ハウジング22の側面22d)における第2ハウジング孔部29の周縁部には、固定用溝29aが形成されている。固定用溝29aは、左右方向一方から視て、第2ハウジング孔部29を囲む環状に延びている。固定用溝29aの外縁の形状は、第1ハウジング孔部27の周縁部に形成された固定用溝27aの外縁の形状とほぼ同じである。
第3ハウジング23は、図3に示すように、第1ハウジング21の前方に固定されている。第3ハウジング23は、ステーター40の前方に配置されている。第3ハウジング23は、前方蓋部23aと、前方筒部23bと、を備える。前方蓋部23aは、ステーター40の前方を覆っている。前方蓋部23aの外形は、後方蓋部22aと同様に、前後方向に沿って視て、角丸の正方形状である。
前方蓋部23aには、前方蓋部23aを前後方向に貫通する前方貫通孔25が形成されている。前方貫通孔25には、シャフト31の前方の端部が通されている。前方貫通孔25は、前方収容凹部25aと、前方挿通孔部25bと、が前後方向に繋がって形成されている。前方収容凹部25aは、前方蓋部23aの後方の面から前方に窪んだ凹部である。前方収容凹部25aは、後方に開口し、軸受52を収容している。前方挿通孔部25bは、前方収容凹部25aの底面から前方蓋部23aの前方の面までを貫通している。前方挿通孔部25bは、中心軸AXを中心とする。前方挿通孔部25bの内径は、前方収容凹部25aの内径よりも小さい。
前方筒部23bは、前方蓋部23aの外周縁部から後方に突出している。前方筒部23bの後方の端部は、第1ハウジング21の前方の端部に接触している。前方筒部23bの後方の端部と第1ハウジング21の前方の端部との間には、Oリングが配置されている。
ハウジング20は、第1ハウジング孔部27のうち後述する電源ケーブル73bが通された部分以外の部分を塞ぐ第1蓋部材28aをさらに備える。第1蓋部材28aは、板面が上下方向と直交する板状の部材である。第1蓋部材28aの上方から視た形状は、図1に示すように、全体として略円形状である。第1蓋部材28aの後方の端部には、前方に窪んだ窪み部28cが形成されている。第1蓋部材28aは、固定用溝27aに嵌め合わされている。第1蓋部材28aは、例えば、接着剤を介して、固定用溝27aの溝底面に固定されている。
ハウジング20は、図2に示すように、第2ハウジング孔部29を塞ぐ第2蓋部材28bをさらに備える。第2蓋部材28bは、固定用溝29aに嵌め合わされている。第2蓋部材28bは、例えば、接着剤を介して、固定用溝29aの溝底面に固定されている。本実施形態において、第1蓋部材28aと第2蓋部材28bとは、互いに同じ形状である。
ローター30は、図3に示すように、シャフト31と、マグネット32と、を備える。シャフト31は、中心軸AXを中心とする円柱状である。シャフト31の後方の端部は、後方貫通孔24を介してハウジング20の外部に突出している。シャフト31の前方の端部は、前方貫通孔25を介してハウジング20の外部に突出している。シャフト31の前方の端部は、モーター10によって駆動される被駆動部が取り付けられる出力部である。マグネット32は、前後方向に延びる円筒状である。マグネット32は、シャフト31の外周面に固定されている。
ステーター40は、シャフト31の径方向においてローター30と隙間を介して対向して配置されている。ステーター40は、マグネット32の径方向外方を囲んでいる。ステーター40は、ステーターコア41と、インシュレーター42と、複数のコイル43と、を備える。
ステーターコア41は、マグネット32の径方向外方を囲む円環状の部材である。ステーターコア41の外周面は、第1ハウジング21の内周面に固定されている。インシュレーター42は、ステーターコア41に装着された絶縁性の部材である。複数のコイル43は、インシュレーター42を介してステーターコア41に装着されている。複数のコイル43は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。
モールド部44は、ステーターコア41における径方向両方の端部を除いて、ステーター40の周囲を覆っている樹脂部分である。ステーター40は、モールド部44に埋め込まれている。モールド部44は、前後方向に延びる略円筒状である。
回路基板45は、ステーター40の後方において、モールド部44に埋め込まれている。回路基板45は、板面が前後方向と直交する板状である。図示は省略するが、回路基板45には、コイル43を構成するコイル線が接続されている。回路基板45は、ハウジング20の外部に突出する突出部45aを備える。突出部45aは、第2ハウジング22の後方筒部22bから上方に突出している。突出部45aには、接続端子部45bが形成されている。接続端子部45bに電源が接続されることで、コイル43に電力を供給することができる。
本実施形態において軸受51,52は、ボールベアリングである。軸受51,52は、シャフト31を回転可能に支持している。軸受51は、後方収容凹部24aに収容されて、第2ハウジング22に保持されている。軸受51は、図4に示すように、内輪51aと、外輪51bと、複数のボール51cと、を備える。内輪51aは、中心軸AXを中心とする円筒状である。内輪51aは、シャフト31に嵌め合わされている。内輪51aは、例えば、シャフト31に圧入されて固定されている。
外輪51bは、内輪51aの径方向外方に配置されている。外輪51bは、中心軸AXを中心とする円筒状である。外輪51bは、後方収容凹部24aに嵌め合わされている。外輪51bは、例えば、後方収容凹部24aに隙間嵌めされている。外輪51bの外周面(軸受51の外周面)は、溝24eに注入された接着剤80を介して後方収容凹部24aの内周面24dに固定されている。接着剤80は、例えば、嫌気性の接着剤である。
複数のボール51cは、内輪51aと外輪51bとの径方向の間に配置され、内輪51aと外輪51bとを連結している。複数のボール51cは、周方向に沿って配置されている。軸受51の後方には、ウェブワッシャー53が配置されている。ウェブワッシャー53は、後方収容凹部24aの底面24cと外輪51bの後方の端部とに接触している。ウェブワッシャー53は、外輪51bに対して前向きに予圧を加えている。
軸受52は、図3に示すように、前方収容凹部25aに収容されて、第3ハウジング23に保持されている。軸受52の構造は、軸受51の構造と同様である。軸受52の固定方法は、軸受51の固定方法と同様である。
検出装置60は、第2ハウジング22の後方に配置されている。検出装置60は、ローター30の回転位置を検出する。本実施形態において検出装置60は、光学式の検出装置である。検出装置60は、被検出部62と、センサー部61と、ケース63と、を備える。
被検出部62は、径方向に拡がる円板状の部材である。被検出部62は、シャフト31に固定されている。より詳細には、被検出部62は、ネジ64によって、シャフト31の後方の端部に固定されている。図示は省略するが、被検出部62の後方の面には、光を反射する反射部と、光を反射しない非反射部と、が設けられている。非反射部は、例えば、被検出部62を前後方向に貫通する複数のスリット等である。
センサー部61は、被検出部62の後方に配置されている。センサー部61は、第2ハウジング22の後方の面に固定されている。図示は省略するが、センサー部61は、被検出部62に対して光を照射する光源部と、被検出部62のうちの反射部によって反射された光を検出する受光部と、を備えている。光源部からの光が照射される被検出部62の部分は、シャフト31と共に被検出部62が回転することで、反射部と非反射部との間で変化する。これにより、センサー部61は、受光部によって光の検出を行うことで、被検出部62の回転位置を検出可能である。したがって、検出装置60は、被検出部62と共に回転するローター30の回転位置を検出できる。
ケース63は、前方に開口し、後方に底部を有する四角筒状の部材である。ケース63は、センサー部61の後方および径方向外方を覆っている。ケース63の前方の端部は、第2ハウジング22における後方蓋部22aに固定されている。ケース63は、ハウジング20と共に、モーター10の外殻の一部を構成している。
ブレーキ装置70は、シャフト31の回転を制動可能である。本実施形態においてブレーキ装置70は、例えば、電磁ブレーキである。ブレーキ装置70は、ステーター40の後方において、第2ハウジング22における後方筒部22bの径方向内方に配置されている。ブレーキ装置70は、第1挟持部材71および第2挟持部材72と、被挟持部材74と、第1ネジ部材(第1固定部材)75と、第2ネジ部材(第2固定部材)76と、駆動部73と、を備える。
第1挟持部材71および第2挟持部材72は、中心軸AXを中心とする円環状の部材である。第1挟持部材71および第2挟持部材72は、前後方向に並んで配置されている。第1挟持部材71および第2挟持部材72は、シャフト31を径方向外方から囲んでいる。
第1挟持部材71は、図7に示すように、第1基部71aと、第1接触部(接触部)71bと、を備える。第1基部71aは、中心軸AXを中心とし、板面が前後方向と直交する円環板状である。第1基部71aは、被挟持部材74における後述する固定筒部74aを径方向外方から囲んでいる。第1接触部71bは、第1基部71aの後方の面から後方に突出している。第1接触部71bは、中心軸AXを中心とする円環状である。本実施形態において第1挟持部材71は、駆動部73に対して位置が固定されている。
第2挟持部材72は、第1挟持部材71の後方に配置されている。第2挟持部材72は、第2基部72aと、第2接触部(接触部)72bと、を備える。第2基部72aは、中心軸AXを中心とし、板面が前後方向と直交する円環板状である。第2基部72aは、被挟持部材74よりも後方において、シャフト31を径方向外方から囲んでいる。第2接触部72bは、第2基部72aの前方の面から前方に突出している。第2接触部72bは、中心軸AXを中心とする円環状である。第1挟持部材71の第1接触部71bと第2挟持部材72の第2接触部72bとは、前後方向に沿って視て、互いに重なる位置に配置されている。本実施形態において第2挟持部材72は、駆動部73に対して前後方向に移動可能である。
被挟持部材74は、シャフト31に固定されている。被挟持部材74は、図7に示すように、固定筒部74aと、円板部74bと、を備える。固定筒部74aは、中心軸AXを中心として前後方向に延びる円筒状である。固定筒部74aは、第1挟持部材71の第1基部71aよりも前方から、第1基部71aよりも後方まで延びている。固定筒部74aは、シャフト31に径方向外方から嵌め合わされている。固定筒部74aは、シャフト31に対して隙間嵌めされている。
固定筒部74aには、固定筒部74aの壁部を径方向に貫通する雌ネジ孔74cが形成されている。各図に示すシャフト31の回転位置(所定位置)において、雌ネジ孔74cは、固定筒部74aの壁部を上下方向に貫通している。雌ネジ孔74cには、第1ネジ部材75が螺合されている。第1ネジ部材75は、六角穴75aを有するイモネジである。第1ネジ部材75の径方向内方の端部は、シャフト31の外周面に押し付けられて固定されている。これにより、第1ネジ部材75は、被挟持部材74をシャフト31に固定している。
第1ネジ部材75は、シャフト31の回転位置が所定位置(例えば、各図に示す位置)である場合に、第1ハウジング孔部27と径方向(第1径方向)に対向している。シャフト31の回転位置が所定位置である場合、第1ネジ部材75は、第1ハウジング孔部27がハウジング20を貫通する方向(第1径方向)に沿って視て、第1ハウジング孔部27と重なる。第1ネジ部材75は、第1蓋部材28aが取り付けられていない状態において、シャフト31の回転位置が所定位置である場合、第1ハウジング孔部27を介してハウジング20の外部に露出する。第1ハウジング孔部27は、図6の断面図に示すように、第1ネジ部材75より前後方向に拡がった孔部である。
固定筒部74aには、図6に示すように、固定筒部74aの壁部を径方向に貫通する雌ネジ孔74dが形成されている。各図に示すシャフト31の回転位置(所定位置)において、雌ネジ孔74dは、固定筒部74aの壁部を左右方向に貫通している。雌ネジ孔74cが固定筒部74aの壁部を貫通する方向と、雌ネジ孔74dが固定筒部74aの壁部を貫通する方向とは、互いに直交している。雌ネジ孔74dには、第2ネジ部材76が螺合されている。本実施形態において第2ネジ部材76は、第1ネジ部材75と同様のネジであり、六角穴を有するイモネジである。第2ネジ部材76の径方向内方の端部は、シャフト31の外周面に押し付けられて固定されている。これにより、第2ネジ部材76は、被挟持部材74をシャフト31に固定している。
第2ネジ部材76は、シャフト31の回転位置が所定位置(例えば、各図に示す位置)である場合に、第2ハウジング孔部29と径方向(第2径方向)に対向している。シャフト31の回転位置が所定位置である場合、第2ネジ部材76は、第2ハウジング孔部29がハウジング20を貫通する方向(第2径方向)に沿って視て、第2ハウジング孔部29と重なる。第2ネジ部材76は、第2蓋部材28bが取り付けられていない状態において、シャフト31の回転位置が所定位置である場合、第2ハウジング孔部29を介してハウジング20の外部に露出する。
円板部74bは、図7に示すように、固定筒部74aの後方の端部から径方向外方に突出している。円板部74bは、中心軸を中心とし、板面が前後方向と直交する円環板状である。円板部74bの径方向外方部分は、第1挟持部材71の第1接触部71bと第2挟持部材72の第2接触部72bとの前後方向の間に配置されている。これにより、被挟持部材74の少なくとも一部が、第1挟持部材71と第2挟持部材72との前後方向の間に配置されている。
駆動部73は、第2挟持部材72の後方に配置されている。図3に示すように、駆動部73の後方の端部は、後方蓋部22aに後方から支持されている。駆動部73は、ソレノイド73aと、電源ケーブル73bと、を備える。ソレノイド73aは、シャフト31の径方向外方において周方向に巻き回されている。
電源ケーブル73bは、ソレノイド73aに接続されている。電源ケーブル73bは、ソレノイド73aから上方に延びており、第1ハウジング孔部27および第1蓋部材28aにおける窪み部28cの内部を介してハウジング20の外部に引き出されている。電源ケーブル73bのうちハウジング20の外部に引き出された部分は、ポッティング材81によってハウジング20に固定されている。ポッティング材81は、電源ケーブル73bのうちハウジング20の外部に引き出された部分の根元部分と、第1蓋部材28aと、第2ハウジング22の後方筒部22bとに跨って設けられており、これらの部分を互いに固定している。
ポッティング材81は、第1ハウジング孔部27のうち電源ケーブル73bが通された部分を塞いでいる。ポッティング材81は、例えば、接着剤80とは異なる種類の接着剤で構成されている。図3においては、ポッティング材81は、例えば、円錐台状である。
駆動部73は、第1挟持部材71と第2挟持部材72とのうちの少なくとも一方を前後方向に移動させる。本実施形態において駆動部73は、第2挟持部材72を前後方向に移動させる。駆動部73は、第2挟持部材72を移動させることで、ブレーキ装置70の状態を、制動状態と、非制動状態と、に切り換え可能である。
制動状態は、シャフト31の回転を制動する状態である。第1挟持部材71の第1接触部71bは、制動状態において円板部74b(被挟持部材74)の前方の面に接触する。第2挟持部材72の第2接触部72bは、制動状態において円板部74b(被挟持部材74)の後方の面に接触する。すなわち、第1接触部71bと第2接触部72bとは、制動状態において被挟持部材74に接触して被挟持部材74を前後方向に挟持する。各接触部が被挟持部材74と接触することで、第1挟持部材71および第2挟持部材72と被挟持部材74との間に周方向の摩擦力が生じ、被挟持部材74の回転を制動することができる。したがって、制動状態においてブレーキ装置70は、被挟持部材74が固定されたシャフト31の回転を制動できる。
非制動状態は、シャフト31の回転を制動しない状態である。第1挟持部材71の第1接触部71bは、非制動状態において円板部74b(被挟持部材74)と隙間S1を空けて前後方向に対向する。第2挟持部材72の第2接触部72bは、非制動状態において円板部74b(被挟持部材74)と隙間S2を空けて対向する。このように、非制動状態では、第1挟持部材71と第2挟持部材72とが被挟持部材74に接触しないため、シャフト31の回転は制動されない。
図5に示すように、第1接触部71bと被挟持部材74との隙間S1の一部および第2接触部72bと被挟持部材74との隙間S2の一部は、非制動状態において、第1ハウジング孔部27と径方向(第1径方向)に対向している。隙間S1の一部および隙間S2の一部は、第1蓋部材28aが取り付けられていない状態において、第1ハウジング孔部27を介してハウジング20の外部に露出する。
図6に示すように、第1接触部71bと被挟持部材74との隙間S1の一部および第2接触部72bと被挟持部材74との隙間S2の一部は、非制動状態において、第2ハウジング孔部29と径方向(第2径方向)に対向している。隙間S1の一部および隙間S2の一部は、第2蓋部材28bが取り付けられていない状態において、第2ハウジング孔部29を介してハウジング20の外部に露出する。
各図においては、非制動状態を示している。駆動部73は、各図に示す非制動状態から第2挟持部材72を前方に移動させることで、ブレーキ装置70を制動状態に切り換えることができる。本実施形態においては、駆動部73に電力が供給されていない状態においてブレーキ装置70は非制動状態となり、駆動部73に電力が供給されている状態においてブレーキ装置70は制動状態となる。すなわち、駆動部73に電力が供給されることで、第2挟持部材72が前方に移動する。
図示は省略するが、ブレーキ装置70は、第2挟持部材72を後方に押す弾性部材を備える。駆動部73に電力が供給された場合、駆動部73は、弾性部材の弾性力に抗して、第2挟持部材72を前方に移動させて、ブレーキ装置70を制動状態とする。一方、駆動部73への電力の供給が中止された場合、第2挟持部材72は弾性部材の弾性力によって後方に移動し、ブレーキ装置70が非制動状態となる。
次に、ブレーキ装置70における各挟持部材に対する被挟持部材74の位置調整方法について説明する。まず、作業者は、ブレーキ装置70を非制動状態として、図7に示すように、第1ハウジング孔部27を介して調整部材Bをハウジング20の内部に挿入する。そして、作業者は、第1挟持部材71と被挟持部材74との隙間S1に、調整部材Bを挿し込む。調整部材Bは、板面が前後方向と直交する板状である。同様にして、作業者は、調整部材Bを第2ハウジング孔部29からも隙間S1に挿し込む。
作業者は、調整部材Bの前方の面が第1接触部71bの後方の面と接触し、かつ、被挟持部材74の円板部74bにおける前方の面が調整部材Bの後方の面と接触する位置に、被挟持部材74の前後方向の位置を調整する。調整部材Bの板厚(前後方向の寸法)は、非制動状態において必要な隙間S1の前後方向の寸法である。そのため、上記のようにして被挟持部材74の前後方向の位置を調整することで、非制動状態における隙間S1を好適な寸法にすることができ、被挟持部材74を各挟持部材に対して前後方向に位置決めできる。
次に、作業者は、第1ハウジング孔部27を介してレンチLをハウジング20の内部に挿入する。作業者は、第1ネジ部材75の六角穴75aにレンチLを挿し込み、第1ネジ部材75を締め込む。同様にして、作業者は、第2ハウジング孔部29を介して第2ネジ部材76の六角穴にレンチLを挿し込み、第2ネジ部材76を締め込む。これにより、作業者は、非制動状態において各挟持部材に対する被挟持部材74の位置を調整した状態で、第1ネジ部材75と第2ネジ部材76とによって被挟持部材74をシャフト31に固定することができる。
次に、軸受51の固定方法について説明する。軸受51を固定する作業者は、軸受51が後方収容凹部24aに嵌め合わされた状態で、第1開口部26aから注入孔部26内にディスペンサーを挿入し、注入孔部26に開口する溝24eに未硬化の接着剤80を注入する。溝24eに注入された未硬化の接着剤80は、例えば、毛細管現象等により、円環状の溝24e全体に充填される。そして、未硬化の接着剤80が硬化することで、軸受51における外輪51bの外周面が接着剤80によって後方収容凹部24aの内周面24dと固定される。これにより、作業者は、軸受51を第2ハウジング22に固定することができる。
本実施形態によれば、第1接触部71bと被挟持部材74との隙間S1の一部が非制動状態において第1ハウジング孔部27と径方向(第1径方向)に対向し、かつ、シャフト31の回転位置が所定位置の場合に、第1ネジ部材75が第1ハウジング孔部27と径方向(第1径方向)に対向している。そのため、第1ハウジング孔部27が閉塞されていない状態において、隙間S1および第1ネジ部材75が第1ハウジング孔部27を介してハウジング20の外部に露出する。これにより、上述したように、ハウジング20内にブレーキ装置70を収容した状態で、第1ハウジング孔部27を介して、各挟持部材に対する被挟持部材74の位置調整を行うことができる。
また、ブレーキ装置70の電源ケーブル73bは、第1ハウジング孔部27を介してハウジング20の外部に引き出されている。すなわち、ブレーキ装置70の位置調整を行う孔部と電源ケーブル73bを引き出す孔部とをそれぞれ形成する必要がなく、1つの第1ハウジング孔部27を形成することで、ブレーキ装置70の位置調整と電源ケーブル73bのハウジング20の外部への引き出しとの両方を行うことができる。したがって、ハウジング20に形成する孔部の数を少なくすることができ、ハウジング20の製造を容易にできる。以上により、本実施形態によれば、第1挟持部材71および第2挟持部材72に対する被挟持部材74の位置調整が必要なブレーキ装置70を備え、かつ、ハウジング20を製造する手間を低減できる構造を有するモーター10が得られる。
また、ハウジング20を製造する手間を低減できるため、モーター10の製造コストを低減できる。また、ハウジング20に形成される孔部の数を少なくできるため、ハウジング20の強度が低下することを抑制できる。また、ブレーキ装置70の位置調整を行うことで、ブレーキ装置70が非制動状態にある場合において、各挟持部材と被挟持部材74とが接触することを抑制できる。そのため、非制動状態において各挟持部材と被挟持部材74とが擦れて摩耗することを抑制できる。したがって、ブレーキ装置70の寿命を向上でき、モーター10の寿命を向上できる。また、非制動状態においてモーター10の回転が阻害されることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1接触部71bと被挟持部材74との隙間S1の一部が非制動状態において径方向(第2径方向)に対向する第2ハウジング孔部29が形成されている。そのため、第2ハウジング孔部29を介しても、調整部材Bの隙間S1への挿し込みを行うことができる。これにより、2つの調整部材Bを用いて隙間S1の調整を行うことができ、隙間S1の調整をより安定して行うことができる。また、シャフト31の回転位置が所定位置の場合に、第2ネジ部材76が第2ハウジング孔部29と径方向(第2径方向)に対向している。これにより、シャフト31の回転位置を変えることなく所定位置としたままで、被挟持部材74の2箇所を第1ネジ部材75と第2ネジ部材76とによって固定することができる。したがって、被挟持部材74をより強固に、かつ、容易にシャフト31に固定することができる。
また、本実施形態によれば、第1ハウジング孔部27のうち電源ケーブル73bが通された部分以外の部分を塞ぐ第1蓋部材28aと、第2ハウジング孔部29を塞ぐ第2蓋部材28bとは、互いに同じ形状である。そのため、1種類の形状の蓋部材を2つ製造することによって、第1蓋部材28aと第2蓋部材28bとの両方を得ることができる。したがって、モーター10を構成する部品の種類が増大することを抑制でき、モーター10の製造コストが増大することを抑制できる。
本実施形態では、第2ハウジング孔部29は、第1ハウジング孔部27と異なり、電源ケーブル73bが通されない。そのため、第2ハウジング孔部29には、電源ケーブル73bが通される部分を設ける必要がない。これにより、本実施形態のように第2ハウジング孔部29の開口面積を第1ハウジング孔部27の開口面積よりも小さくすることができる。したがって、ハウジング20の強度が低下することを抑制できる。また、第2ハウジング孔部29の周縁部に形成された固定用溝29aの溝底面の面積を大きくすることができ、第2蓋部材28bをより強固に固定することができる。
また、本実施形態によれば、第1ハウジング孔部27がハウジング20の壁部を貫通する第1径方向と、第2ハウジング孔部29がハウジング20の壁部を貫通する第2径方向とは、互いに直交する方向である。そのため、2つの調整部材Bを挿し込む位置および各ネジ部材によって被挟持部材74が固定されるシャフト31の位置を周方向にある程度離しやすく、ブレーキ装置70の位置調整作業を安定して行いやすい。また、被挟持部材74をより安定してシャフト31に固定できる。また、例えば、モーター10を各図に示す姿勢のように、ハウジング孔部が形成されていない面を設置面として設置することで、モーター10の姿勢を変更することなく、上方および左右方向一方から、第1ハウジング孔部27および第2ハウジング孔部29を介したブレーキ装置70の位置調整作業を行うことができる。これにより、2つのハウジング孔部を介したブレーキ装置70の位置調整作業を、容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、ポッティング材81によって、電源ケーブル73bのうちハウジング20の外部に引き出された部分がハウジング20に固定されている。そのため、例えば、電源ケーブル73bを外部電源に接続する際に、電源ケーブル73bに引張応力が加えられた場合であっても、引張応力が電源ケーブル73bのうちハウジング20の内部に収容される部分に伝わりにくくできる。これにより、電源ケーブル73bとソレノイド73aとの接続が切断されることを抑制できる。また、ポッティング材81は、第1ハウジング孔部27のうち電源ケーブル73bが通された部分を塞いでいる。そのため、電源ケーブル73bが通される第1ハウジング孔部27を、第1蓋部材28aとポッティング材81とによって精度よく塞ぐことができる。
また、本実施形態においてポッティング材81は、第1蓋部材28aと第2ハウジング22とを固定している。そのため、第1ハウジング孔部27の開口面積を大きくして、固定用溝27aの溝底面の面積が小さくなった場合であっても、第1蓋部材28aを第2ハウジング22に対して強固に固定することができる。
また、例えば、注入孔部26における第1開口部26aが第2ハウジング22の後方の面に開口していると、後方収容凹部24aの内周面24dと軸受51の外周面との間に注入された接着剤80の一部が硬化しなかった場合に、未硬化の接着剤80がハウジング20の後方に漏れ出て、検出装置60に付着する虞がある。そのため、検出装置60が故障する、または検出装置60の検出精度が低下する等の不具合が生じる虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、注入孔部26の第1開口部26aは、ハウジング20における径方向の外方面に開口している。そのため、例えば、後方収容凹部24aの内周面24dと軸受51の外周面との間に注入された接着剤80の一部が硬化しなかった場合に第1開口部26aから接着剤80が漏れ出る場合であっても、未硬化の接着剤80は、ハウジング20の後方ではなく、ハウジング20の径方向外方に漏れ出る。これにより、ハウジング20の後方に配置された検出装置60に、未硬化の接着剤80が付着することを抑制できる。したがって、検出装置60が故障する、または検出装置60の検出精度が低下する等の不具合が生じることを抑制できる。また、注入孔部26を閉塞する閉塞部材を設けることなく、検出装置60への接着剤80の付着を抑制できるため、モーター10の部品点数を少なくしやすい。
また、本実施形態によれば、注入孔部26は、径方向の内方から外方に向けて直線状に延びている。そのため、注入孔部26を形成しやすい。また、注入孔部26にディスペンサーを挿入しやすく、未硬化の接着剤80を溝24eに注入しやすい。
また、本実施形態によれば、第1ハウジング孔部27が開口する向きは、注入孔部26の第1開口部26aが開口する向きと同じ向きである。そのため、第1ハウジング孔部27を介したブレーキ装置70の位置調整作業と、注入孔部26を介した軸受51の固定作業と、をモーター10の同じ方向から行うことができる。これにより、各作業を効率よく行うことができ、モーター10の組み立て性を向上できる。
また、本実施形態のように検出装置60が光学式の検出装置である場合、被検出部62に接着剤80が付着すると、付着した接着剤80に検出装置60から射出される光が入射する場合がある。この場合、例えば、被検出部62の反射部によって反射される光の向きが変わる、あるいは被検出部62の非反射部に向かう光が反射される等の不具合が生じる虞がある。したがって、検出装置60が光学式の検出装置である場合、接着剤80が検出装置60に付着すると、特に検出装置60に不具合が生じやすい。そのため、上述した検出装置60に接着剤80が付着することを抑制できる効果は、検出装置60が光学式の検出装置である場合に、特に有用に得られる。
また、本実施形態のように接着剤80が嫌気性の接着剤である場合、注入孔部26に開口する溝24eの部分に充填される接着剤80は、注入孔部26内の雰囲気と接触するため、硬化しないことが考えられる。そのため、接着剤80が嫌気性の接着剤である場合、特に、接着剤80の一部が硬化せずに注入孔部26の外部に漏れ出やすい。したがって、上述した検出装置60に接着剤80が付着することを抑制できる効果は、接着剤80が嫌気性の接着剤である場合に特に有用に得られる。
なお、本実施形態においては、下記の構成を採用することもできる。
上記説明においては、ハウジング20は、3つの別部材からなる構成としたが、これに限られない。ハウジング20は、単一の部材であってもよい。第1ハウジング孔部27の形状および第2ハウジング孔部29の形状は、特に限定されず、上述した実施形態の形状以外の形状であってもよい。第1ハウジング孔部27の形状を上述した実施形態のように円形状にする場合、第1ハウジング孔部27を形成しやすい。第2ハウジング孔部29は、例えば、ハウジング20の下面に形成されてもよい。第2ハウジング孔部29は、形成されていなくてもよい。第1蓋部材28aと第2蓋部材28bとは、互いに異なる形状であってもよい。
注入孔部26は、図8に示す注入孔部126のような形状であってもよい。図8は、本実施形態の他の一例であるモーターの一部を示す断面図である。注入孔部126は、第2ハウジング(保持部)122の後方蓋部122aに形成されている。注入孔部126の第1開口部126aは、第2開口部26bよりも後方において、ハウジング120の径方向の外方面に開口している。注入孔部126は、径方向の内方から外方に向かうに従って後方に位置する向きに傾いて直線状に延びている。この構成によれば、後方蓋部122aのうち注入孔部126よりも前方の部分の前後方向の寸法を大きくでき、強度を大きくしやすい。これにより、ブレーキ装置70の駆動部73を、後方蓋部122aによって安定して後方から支持できる。
また、注入孔部26には、注入孔部26における第1開口部26aから第2開口部26bまでの間の少なくとも一部を閉塞する閉塞部材が設けられてもよい。閉塞部材は、例えば、ネジ部材であってもよいし、ネジ部材以外の栓体であってもよい。閉塞部材は、注入孔部26におけるいずれの位置を閉塞してもよい。具体的には、閉塞部材は、注入孔部26における第1開口部26aから第2開口部26bまでの間の中間部分を閉塞してもよいし、第1開口部26aを閉塞してもよいし、第2開口部26bを閉塞してもよいし、注入孔部26全体を閉塞してもよい。また、注入孔部26の数は、特に限定されず、2つ以上であってもよい。
軸受51,52は、例えば、滑り軸受等、ボールベアリング以外の軸受であってもよい。軸受51,52を固定する接着剤80の種類は、特に限定されず、嫌気性以外の接着剤であってもよい。検出装置60は、ローター30の回転を検出できるならば、特に限定されない。検出装置60は、磁気式の検出装置であってもよい。
ブレーキ装置70の駆動部73は、第1挟持部材71と第2挟持部材72とのうちの少なくとも一方を前後方向に移動させて、制動状態と非制動状態とを切り換えられればよい。すなわち、駆動部73は、第2挟持部材72を移動させてもよいし、第1挟持部材71と第2挟持部材72との両方を移動させてもよい。第1挟持部材71の第1接触部71bと被挟持部材74との隙間S1は、少なくとも一部が、非制動状態において第1ハウジング孔部27と径方向に対向すればよい。これは、第2ハウジング孔部29に対しても同様である。また、上記実施形態では、2つの挟持部材のうち可動しない挟持部材を第1挟持部材としたが、2つの挟持部材のうち可動する挟持部材を第1挟持部材としてもよい。
第1ネジ部材75および第2ネジ部材76は、イモネジ以外のネジであってもよいし、互いに異なるネジであってもよい。また、上記実施形態においては、被挟持部材74を固定する固定部材をネジ部材としたが、これに限られない。固定部材は、被挟持部材74をシャフト31に固定できるならば、特に限定されず、ネジ部材以外の部材であってもよい。固定部材は、例えば、接着剤等であってもよい。
なお、本明細書において、「固定部材がハウジング孔部と径方向に対向している」とは、固定部材をシャフトに固定できる範囲内で、固定部材がハウジング孔部と径方向に対向していることを含む。すなわち、上記実施形態の例では、第1ネジ部材75のうち六角穴75aが第1ハウジング孔部27と径方向に対向しているならば、第1ネジ部材75の他の部分が、第1ハウジング孔部27と径方向に対向していなくてもよい。
<ロボットの実施形態>
図9は、上述した実施形態のモーター10が搭載されるロボットの一例であるロボット1を示す斜視図である。ロボット1は、図9に示すように、双腕ロボットである。ロボット1は、支持台3と、第1アーム2aと、第2アーム2bと、制御部4と、図9において図示しない複数のモーター10と、を備える。第1アーム2aと第2アーム2bとは、一端が支持台3に取り付けられている。第1アーム2aと第2アーム2bとは、それぞれ複数の関節と、各関節によって連結された可動部と、を有している。各関節には、モーター10が組み込まれており、各可動部を駆動する。制御部4は、支持台3の内部に設けられている。制御部4は、ロボット1の動作を制御する。
本実施形態によれば、上述したようにモーター10の製造コストを低減できる。したがって、モーター10が搭載されるロボット1の製造コストを低減できる。また、モーター10の寿命を向上できるため、信頼性に優れたロボット1が得られる。
なお、モーター10が搭載されるロボットは、上述したロボット1以外でもよく、特に限定されない。モーター10が搭載されるロボットは、天吊り用および天吊り用以外の垂直多関節型のロボットでもよいし、単腕のロボットでもよい。また、モーター10が搭載されるロボットの自由度は、特に限定されない。
なお、モーター10の用途は、特に限定されず、ロボット以外の機器に搭載されてもよい。また、上述した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
1…ロボット、10…モーター、20,120…ハウジング、22,122…第2ハウジング(保持部)、24a…後方収容凹部(凹部)、24d…内周面、26,126…注入孔部、26a,126a…第1開口部、26b…第2開口部、27…第1ハウジング孔部、28a…第1蓋部材、28b…第2蓋部材、29…第2ハウジング孔部、30…ローター、31…シャフト、40…ステーター、51…軸受、60…検出装置、70…ブレーキ装置、71…第1挟持部材、71b…第1接触部(接触部)、72…第2挟持部材、72b…第2接触部(接触部)、73…駆動部、73b…電源ケーブル、74…被挟持部材、75…第1ネジ部材(第1固定部材)、76…第2ネジ部材(第2固定部材)、80…接着剤、81…ポッティング材、S1…隙間

Claims (10)

  1. 所定方向に延びるシャフトを有するローターと、
    前記シャフトの径方向において前記ローターと対向して配置されたステーターと、
    前記シャフトの回転を制動可能なブレーキ装置と、
    前記ローター、前記ステーターおよび前記ブレーキ装置を収容するハウジングと、
    を備え、
    前記ブレーキ装置は、
    前記所定方向に並んで配置された第1挟持部材および第2挟持部材と、
    前記シャフトに固定され、少なくとも一部が前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との前記所定方向の間に配置された被挟持部材と、
    前記被挟持部材を前記シャフトに固定する第1固定部材と、
    前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とのうちの少なくとも一方を前記所定方向に移動させて、前記ブレーキ装置の状態を、前記シャフトの回転を制動する制動状態と、前記シャフトの回転を制動しない非制動状態と、に切り換え可能な駆動部と、
    を備え、
    前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とは、前記制動状態において前記被挟持部材に接触して前記被挟持部材を前記所定方向に挟持する接触部をそれぞれ備え、
    前記接触部は、前記非制動状態において前記被挟持部材と隙間を空けて前記所定方向に対向し、
    前記ハウジングには、前記ハウジングを構成する壁部を前記径方向のうちの第1径方向に貫通する第1ハウジング孔部が形成され、
    前記駆動部は、前記第1ハウジング孔部を介して前記ハウジングの外部に引き出された電源ケーブルを備え、
    前記第1挟持部材の前記接触部と前記被挟持部材との隙間の少なくとも一部は、前記非制動状態において、前記第1ハウジング孔部と前記第1径方向に対向し、
    前記第1固定部材は、前記シャフトの回転位置が所定位置である場合に、前記第1ハウジング孔部と前記第1径方向に対向していることを特徴とするモーター。
  2. 前記ブレーキ装置は、前記被挟持部材を前記シャフトに固定する第2固定部材を備え、
    前記ハウジングには、前記壁部を前記径方向のうちの第2径方向に貫通する第2ハウジング孔部が形成され、
    前記第1挟持部材の前記接触部と前記被挟持部材との隙間の少なくとも一部は、前記非制動状態において、前記第2ハウジング孔部と前記第2径方向に対向し、
    前記第2固定部材は、前記シャフトの回転位置が前記所定位置である場合に、前記第2ハウジング孔部と前記第2径方向に対向している、請求項1に記載のモーター。
  3. 前記ハウジングは、
    前記第1ハウジング孔部のうち前記電源ケーブルが通された部分以外の部分を塞ぐ第1蓋部材と、
    前記第2ハウジング孔部を塞ぐ第2蓋部材と、
    を備え、
    前記第1蓋部材と前記第2蓋部材とは、互いに同じ形状である、請求項2に記載のモーター。
  4. 前記第1径方向と前記第2径方向とは、互いに直交する方向である、請求項2または3に記載のモーター。
  5. 前記ハウジングは、前記第1ハウジング孔部のうち前記電源ケーブルが通された部分以外の部分を塞ぐ第1蓋部材を備え、
    前記電源ケーブルのうち前記ハウジングの外部に引き出された部分は、ポッティング材によって前記ハウジングに固定され、
    前記ポッティング材は、前記第1ハウジング孔部のうち前記電源ケーブルが通された部分を塞いでいる、請求項1から4のいずれか一項に記載のモーター。
  6. 前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、
    前記ローターの回転位置を検出する検出装置と、
    をさらに備え、
    前記ハウジングは、前記ステーターの前記所定方向の一方に配置された保持部を備え、
    前記軸受は、前記保持部に保持され、
    前記検出装置は、前記保持部の前記一方に配置され、
    前記保持部には、
    前記所定方向の他方に開口し、前記軸受を収容する凹部と、
    前記ハウジングの外部に開口する第1開口部を有する注入孔部と、
    が形成され、
    前記凹部の内面は、前記軸受の外周面が接着剤を介して固定される内周面を含み、
    前記注入孔部は、前記凹部の内周面に開口する第2開口部を有し、
    前記第1開口部は、前記ハウジングにおける前記径方向の外方面に開口している、請求項1から5のいずれか一項に記載のモーター。
  7. 前記注入孔部は、前記径方向の内方から外方に向けて直線状に延びている、請求項6に記載のモーター。
  8. 前記注入孔部は、前記径方向の内方から外方に向かうに従って前記一方に位置する向きに傾いて延びている、請求項7に記載のモーター。
  9. 前記第1ハウジング孔部が開口する向きは、前記第1開口部が開口する向きと同じ向きである、請求項6から8のいずれか一項に記載のモーター。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のモーターを備えることを特徴とするロボット。
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