JP2019092100A - 光受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる強度レベルを有する複数系列のデータが時分割多重されている時系列データであっても、系列ごとに適切な等化処理を行って正しく復調すること。【解決手段】2種類以上であるM種類の系列のデータが時分割多重されたデータを受信して時系列データとして出力する受信部と、更新値に基づいて更新するタップ係数に基づいて時系列データに対する等化処理を行うフィルタ部と、フィルタ部が等化処理した時系列データから系列の各々が分離するようにデータを抽出することによりMの正の整数倍の数であるN個の分離系列データを生成して出力するサンプリング部と、分離系列データに含まれるシンボルの判定をN個の分離系列データごとに予め定められる閾値に基づいて行うN個の閾値判定部と、サンプリング部が出力する分離系列データと、閾値判定部の判定結果と、受信部が出力する時系列データとに基づいて更新値を算出する更新値算出部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光受信装置に関する。
データ通信需要の増大に伴い、大容量トラヒックの伝送を可能とする光信号変調技術や、光信号多重技術を用いた光伝送ネットワークが普及しつつある。特に、1波当たりの伝送速度が100Gbit/sec(以下「Gb/s」という。)以上の超高速光伝送システムにおいて、コヒーレント検波とデジタル信号処理技術を組み合わせたデジタルコヒーレント技術が広く用いられるようになってきている。
これに対して、LTE(Long Term Evolution)に代表されるモバイル端末における大容量データ通信の普及により、上記のデジタルコヒーレント技術よりも安価に、すなわち、より簡易な送受信の装置構成によって100Gb/s級の超高速光伝送を実現することが求められている。
簡易な装置構成で100Gb/s級の超高速光伝送を実現する方式として、光信号の強度情報に基づいてデータ信号の復調を行う直接検波方式が注目されている。その中でも、2値の強度変調信号であるNRZ(Non Return-to-Zero)方式に比べて、高い周波数利用効率を有する4値強度変調方式であるPAM4(4-level Pulse Amplitude Modulation)を用いた超高速光伝送方式の検討が特に進められている。
デジタルコヒーレント技術を用いた100Gb/s級光伝送では、一般に偏波多重QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の変調方式(以下「PDM−QPSK」(Polarization Division Multiplexing)−QPSKという。)が用いられている。PDM−QPSKを用いた場合の変調速度は25GBd(GigaBaud)程度である。これに対して、PAM4の変調方式を用いて100Gb/s級の超高速光伝送を行う場合の変調速度は、50GBd程度となる。そのため、PAM4を用いた場合の信号スペクトルは、PDM−QPSK方式よりも広い周波数を占有する信号スペクトルとなる。
広い周波数を占有するということは、100Gb/s級の超高速光伝送の実現のためにPAM4の変調方式を適用した場合、PDM−QPSK方式に比べて電気デバイスの帯域制限に起因する波形劣化の影響を大きく受けてしまうことを意味する。また、より簡易で低価格な装置構成で100Gb/s級の超高速光伝送を実現するためには、より狭帯域な電気デバイスの利用が不可欠である。そのため、PAM4の変調方式によって変調された伝送信号の帯域制限耐力を向上させることが重要であり、帯域制限耐力を向上させる技術の検討が進められている(例えば、特許文献1参照)。
PAM4の変調方式における帯域制限耐力を向上させる技術として、例えば、QA−CPAM(Quadrature Amplitude Coding PAM)方式やPI−CPAM(Polarization Interleaved Coding PAM)方式などの技術が提案されている。
QA−CPAM方式では、PAM4信号で用いる4値の光強度信号に対して光位相を用いた符号化を適用することにより、元のPAM4信号が有する4値の強度情報と同一の強度情報を維持しつつ、光位相の自由度を用いた13値の光位相振幅変調信号に変換する方式である(例えば、非特許文献1参照)。
また、PI−CPAM方式では、PAM4信号で用いる4値の光強度信号に対して光偏波を用いた符号化を適用することにより、元のPAM4信号が有する4値の強度情報と同一の強度情報を維持しつつ、光位相及び偏波の自由度を用いた13値の光偏波振幅変調信号に変換する方式である(例えば、非特許文献2参照)。QA−CPAM方式及びPI−CPAM方式では、強度情報を維持しつつ、PAM4信号の4値の光強度信号を符号化により13値とすることで帯域制限に対する耐力を向上させることを可能としている。
特開2017−163225号公報
上述したQA−CPAM方式では、光送信装置側において、IQ変調器を用いて光波を構成する同相チャネル(In Phase Channel(以下「I−ch」という。))と、直交チャネル(Quadrature Channel(以下「Q−ch」という。))の各々に対して独立に7値の光振幅変調を適用することにより13値の光位相振幅変調信号を生成する。図17は、理想的な13値の光位相振幅変調信号のコンステレーションを示す図である。
I−chの光位相振幅変調信号とQ−chの光位相振幅変調信号は、時系列的に交互に現れる状態、すなわち、多重化することにより時分割多重される状態で生成される。そのため、光受信装置側では、従来の直接検波によって信号を検波することで、13値に光位相振幅変調された光信号の光位相が縮退するため、特別な復号化処理を適用することなく、元のPAM4信号が有していた4値の強度情報を検出することができる。
これに対して、上述したPI−CPAM方式では、光送信装置側においてX偏波用のMZ(Mach-Zehnder:マッハツェンダー)変調器と、Y偏波用のMZ変調器とを用いて光波を構成するX偏波とY偏波の各々に対して7値の光振幅変調を適用することにより13値の光偏波振幅変調信号を生成する。図18(a),(b)はそれぞれ、X偏波とY偏波の理想的な13値の光偏波振幅変調信号のコンステレーションを示す図である。
X偏波の光偏波振幅変調信号とY偏波の光偏波振幅変調信号は、時系列的に交互に現れる状態、すなわち、多重化することにより時分割多重される状態で生成される。そのため、光受信装置側では、従来の直接検波によって信号を検波することで、13値に光偏波振幅変調された光信号の光位相と偏波が縮退するため、特別な復号化処理を適用することなく、元のPAM4信号が有していた4値の強度情報を検出することができる。
QA−CPAM方式では、I−ch及びQ−chにおいて独立に7値の光振幅変調信号が生成されるため、IQ変調器のI−ch側変調器と、Q−ch側変調器において透過特性や損失に差がある等の不均一性が存在する場合、図19に示すような歪みのあるコンステレーションになってしまう。そのため、直接検波した受信信号のアイパターンは、図20に示すような、I−chから得られる4値の強度レベルと、Q−chから得られる4値の強度レベルが必ずしも等しい値にはならない形状となる。
PI−CPAM方式においても同様に、X偏波側の変調器とY偏波側の変調器で透過特性や損失に差がある等の不均一性が存在する場合、図21(a),(b)に示すような歪みのあるコンステレーションになる。そのため、直接検波した受信信号のアイパターンは図22に示すような、X偏波から得られる4値の強度レベルとY偏波から得られる4値の強度レベルが必ずしも等しい値にはならない形状となる。
このような光信号に対して、図23に示すような一般的な構成の光受信装置300を用いてシンボル判定を行っても、異なる強度レベルを有する4つの値を有するデータが時系列的に交互に現れるため、必ずしも正しいシンボル判定を行うことができない。そのため、正しい復調を行うことが難しく、また、適応的な波形等化を行うこともできないという問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、異なる強度レベルを有する複数系列のデータが時分割多重されている時系列データであっても、系列ごとに適切な等化処理を行って正しく復調することができる技術の提供を目的としている。
本発明の一態様は、2種類以上であるM種類の系列のデータが時分割多重されたデータを受信して時系列データとして出力する受信部と、更新値に基づいて更新するタップ係数を用いて、前記時系列データに対する等化処理を行うフィルタ部と、前記等化処理後の時系列データから前記系列の各々が分離するように前記データを抽出することにより前記Mの正の整数倍の数であるN個の分離系列データを生成して出力するサンプリング部と、前記分離系列データに含まれるシンボルの判定を、前記N個の分離系列データそれぞれに予め定められる閾値に基づいて行うN個の閾値判定部と、前記サンプリング部が出力する前記分離系列データと、前記閾値判定部の判定結果と、前記受信部が出力する前記時系列データとに基づいて前記更新値を算出する更新値算出部とを備える光受信装置である。
本発明の一態様は、上記の光受信装置であって、前記フィルタ部、前記サンプリング部、前記閾値判定部及び前記更新値算出部のそれぞれを対応付けてN個ずつ備え、前記受信部は、前記時系列データをN個複製し、複製した前記時系列データを前記N個のフィルタ部に分配して出力し、N個の前記フィルタ部の各々は、前記タップ係数に基づいて前記受信部が出力する前記時系列データに対する前記等化処理を行い、前記等化処理した前記時系列データを対応する前記サンプリング部に出力し、N個の前記サンプリング部の各々は、対応する前記フィルタ部が出力する前記時系列データから前記系列の各々が分離するように前記サンプリング部ごとに予め定められる位置の前記データを抽出することにより前記分離系列データを生成して対応する前記閾値判定部に出力し、N個の前記閾値判定部の各々は、対応する前記サンプリング部が出力する前記分離系列データに含まれるシンボルの判定を前記分離系列データごとに予め定められる閾値に基づいて行い、N個の前記更新値算出部は、対応する前記サンプリング部が出力する前記分離系列データと、対応する前記閾値判定部の判定結果と、前記受信部が出力する前記時系列データとに基づいて前記更新値を算出し、算出した前記更新値を対応する前記フィルタ部に出力する。
本発明の一態様は、上記の光受信装置であって、前記フィルタ部及び前記更新値算出部の個数は1個であり、前記サンプリング部は、前記フィルタ部に接続する1個の第1サンプリング部と、前記N個の閾値判定部の各々に接続するN個の第2サンプリング部とを備えており、前記第1サンプリング部は、前記フィルタ部が前記等化処理した前記時系列データを取り込んでN個複製し、複製した前記時系列データを前記N個の第2サンプリング部に分配して出力し、前記第2サンプリング部の各々は、前記系列の各々が分離するように前記第1サンプリング部が出力する前記時系列データから前記第2サンプリング部ごとに予め定められる位置の前記データを抽出することにより前記分離系列データを生成し、生成した前記分離系列データを対応する前記閾値判定部に出力し、前記更新値算出部は、いずれかの前記第2サンプリング部に予め対応付けられており、対応する前記第2サンプリング部が出力する前記分離系列データと、当該第2サンプリング部に対応する前記閾値判定部の判定結果と、前記受信部が出力する前記時系列データとに基づいて前記更新値を算出する。
本発明の一態様は、上記の光受信装置であって、前記フィルタ部の数は1個であり、前記更新値算出部の数は2個以上であり、前記サンプリング部は、前記フィルタ部に接続する1個の第1サンプリング部と、前記第1サンプリング部に接続するN個の第2サンプリング部とを備えており、前記第1サンプリング部は、前記フィルタ部が前記等化処理した前記時系列データを取り込んでN個複製し、複製した前記時系列データを前記N個の第2サンプリング部に分配して出力し、前記第2サンプリング部の各々は、前記系列の各々が分離するように前記第1サンプリング部が出力する前記時系列データから前記第2サンプリング部ごとに予め定められる位置の前記データを抽出することにより前記分離系列データを生成して出力し、前記更新値算出部の各々は、それぞれ異なるいずれかの前記第2サンプリング部に予め対応付けられており、対応付けられる前記第2サンプリング部が出力する前記分離系列データと、当該第2サンプリング部に対応する前記閾値判定部の判定結果と、前記受信部が出力する前記時系列データとに基づいて前記更新値を算出し、前記フィルタ部は、複数の前記更新値算出部が算出するいずれかの前記更新値を選択し、選択した前記更新値に基づいて前記タップ係数を更新し、更新した前記タップ係数に基づいて前記時系列データに対する等化処理を行う。
本発明の一態様は、上記の光受信装置であって、前記Mの値は、2であり、前記時分割多重されたデータに含まれる前記系列の一方は光信号のX偏波に重畳され、かつ前記系列の他方は前記光信号のY偏波に重畳されるか、または、前記系列の一方は、光信号の同相チャネルに重畳され、かつ前記系列の他方は、前記光信号の直交チャネルに重畳されている。
本発明の一態様は、上記の光受信装置であって、2種類の前記系列のデータは、QA−CPAM方式、またはPI−CPAM方式で符号化されたデータである。
本発明の一態様は、上記の光受信装置であって、前記受信部は、局発光を射出する局発光源と、前記局発光源から射出された局発光を用いたコヒーレント検波により同相成分及び直交成分の光信号を検出する光ハイブリッドと、検出された同相成分及び直交成分の光信号を電気信号に変換するバランス検波器と、アナログの前記電気信号をサンプリングしてデジタル信号に変換して時系列データを生成するアナログデジタル変換部とを備える。
本発明により、異なる強度レベルを有する複数系列のデータが時分割多重されている時系列データであっても、系列ごとに適切な等化処理を行って正しく復調することが可能となる。
第1の実施形態の光伝送システムの構成を示すブロック図である。 同実施形態の光送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。 同実施形態の光受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。 同実施形態の光受信装置が受信する光信号に含まれる時系列データの構成を示す図である。 第2の実施形態の光伝送システムの構成を示すブロック図である。 同実施形態の光送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。 同実施形態の光受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。 同実施形態の光受信装置の処理の流れを示す図である。 同実施形態の光受信装置の評価実験に用いたQA−CPAM方式で変調された信号のアイパターンを示す図である。 同実施形態の光受信装置の評価実験の結果を示すグラフである。 第3の実施形態の光受信装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態の光受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。 第4の実施形態の光受信装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態の光受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。 第5の実施形態の光受信装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態の光受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。 QA−CPAM方式で変調された13値光位相振幅変調信号の理想的なコンステレーションを示す図である。 PI−CPAM方式で変調された13値光偏波振幅変調信号の理想的なコンステレーションを示す図である。 QA−CPAM方式で変調された13値光位相振幅変調信号において透過特性に差がある場合のコンステレーションを示す図である。 図19の場合のアイパターンを示す図である。 PI−CPAM方式で変調された13値光偏波振幅変調信号において透過特性に差がある場合のコンステレーションを示す図である。 図21の場合のアイパターンを示す図である。 一般的な光受信装置の構成を示すブロック図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態における光伝送システムAを示すブロック図である。
光伝送システムAは、光送信装置1、光受信装置2及び光ファイバ伝送路5を備える。光ファイバ伝送路5は、光送信装置1と光受信装置2とを接続する伝送路である。
光送信装置1は、送信信号生成部10、M個の信号光源11−1〜11−M、M個の光変調部12−1〜12−M及び光合成部13を備える。ここで、Mは、2以上の整数である。
送信信号生成部10は、外部から送信信号を取り込み、取り込んだ送信信号を符号化してM個の系列の電気的な符号化信号を生成し、生成したM個の系列の符号化信号を光変調部12−1〜12−Mの各々に出力する。
信号光源11−1〜11−Mは、光を出力する。
光変調部12−1〜12−Mは、各々に対応する信号光源11−1〜11−Mから出力される光に対して、送信信号生成部10から出力された符号化信号に基づいて変調を行うことによって光信号を生成する。光変調部12−1〜12−Mは、例えばMZ変調器である。
光合成部13は、光変調部12−1〜12−Mによって生成されたM個の系列の光信号を合成して、M個の系列の光信号を多重した光信号を生成する。また、光合成部13は、多重して生成した光信号を、光ファイバ伝送路5を介して光受信装置2に送信する。
光受信装置2は、受信部200、N個のフィルタ部22−1〜22−N、N個のサンプリング部23−1〜23−N、N個の閾値判定部26−1〜26−N、N個の加算器27−1〜27−N、N個の更新値算出部28−1〜28−N及び多重部29を備える。ここで、Nは、Mの値を正の整数倍した値である。
受信部200は、PD(Photo Detector)20とADC(Analog-to-Digital Converter)21を備える。
PD20は、光ファイバ伝送路5に接続され、光送信装置1が送信する光信号を受信して光信号をアナログの電気信号に変換して出力する。
ADC21は、PD20が出力するアナログの電気信号をサンプリングしてデジタル信号に変換して時系列データを生成する。例えば、ADC21は、PD20が出力するアナログの電気信号を、2Sps(Sample/symbol)でサンプリングしてデジタル信号に変換して時系列データを生成する。また、ADC21は、生成した時系列データを複製して、N個の時系列データを生成し、生成したN個の時系列データの各々をN個のフィルタ部22−1〜22−Nのそれぞれに分配して出力する。
フィルタ部22−1〜22−Nは、適応等化処理に相当するデジタル信号処理を行う適応線形デジタルフィルタである。フィルタ部22−1〜22−Nは、例えば、T/2間隔の有限長タップを有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタである。ここで、Tは、シンボルの周期、すなわち変調周期であり、例えば、100GBdで変調された信号の場合、T=10ps(pico second)となる。
また、フィルタ部22−1〜22−Nは、更新値算出部28−1〜28−Nが逐次算出する更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データに対して波形等化等の等化処理を行う。タップ係数の更新は、例えば、現在のタップ係数に対して更新値を加算することによって行われる。また、フィルタ部22−1〜22−Nは、各々に対応する更新値算出部28−1〜28−Nに対してADC21から受けた時系列データを出力する。
サンプリング部23−1〜23−Nは、等化処理された時系列データからM個の系列を分離するようにサンプリングを行って分離系列データ#1〜#Nを生成する。
閾値判定部26−1〜26−Nは、内部に記憶領域を有しており、当該記憶領域に分離系列データ#1〜#Nごとに予め定められる閾値を予め記憶させる。また、閾値判定部26−1〜26−Nは、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、各々に対応するサンプリング部23−1〜23−Nが出力する分離系列データ#1〜#Nに含まれるデータがどのシンボルに該当するかを判定するシンボル判定処理を行う。また、閾値判定部26−1〜26−Nは、判定結果となるシンボル、例えば、4値信号であれば4個の値のいずれかの値の系列からなるシンボル系列データを生成して出力する。
多重部29は、閾値判定部26−1〜26−Nが出力するシンボル系列データを多重して単一の時系列データを生成し、生成した時系列データを復調データとして外部に出力する。
加算器27−1〜27−Nは、各々に対応するサンプリング部23−1〜23−Nの出力と、各々に対応する閾値判定部26−1〜26−Nの出力とに接続されている。また、加算器27−1〜27−Nは、各々に対応するサンプリング部23−1〜23−Nから出力された分離系列データ#1〜#Nの値を取り込む。また、加算器27−1〜27−Nは、各々に対応する閾値判定部26−1〜26−Nから出力されたシンボル系列データの値であって、取り込んだ分離系列データ#1〜#Nの値に対応する値をマイナスの符号を付与して取り込む。
また、加算器27−1〜27−Nは、取り込んだ2つの値を加算、すなわち分離系列データ#1〜#Nの値から、対応するシンボル系列データの値を減算し、減算により算出した減算値を各々に対応する更新値算出部28−1〜28−Nに出力する。
更新値算出部28−1〜28−Nは、各々に対応する加算器27−1〜27−Nから出力された減算値と、フィルタ部22−1〜22−Nから受けた時系列データとに基づいて、例えば、DD−LMS(Decision-directed Least Mean Square)アルゴリズムによりタップ係数の更新値を算出する。また、更新値算出部28−1〜28−Nは、算出した更新値を各々に対応するフィルタ部22−1〜22−Nに出力する。
(第1の実施形態の光伝送システムの処理)
次に、図2から図4を参照しつつ第1の実施形態の光伝送システムAによる処理について説明する。図2は、光送信装置1による処理の流れを示すフローチャートである。
送信信号生成部10は、外部から送信信号を取り込み、取り込んだ送信信号を符号化してM個の系列の電気的な符号化信号を生成する(ステップS1s)。送信信号生成部10は、符号化信号を生成する際、M個の系列の符号化信号が時系列的に交互に現れるように間隔を空ける符号化を行う。送信信号生成部10は、生成したM個の系列の符号化信号を光変調部12−1〜12−Mの各々に出力する。
光変調部12−1〜12−Mの各々は、送信信号生成部10が各々に対して出力する符号化信号に基づいて、各々に対応する信号光源11−1〜11−Mから出力される光に対して変調を行って光信号を生成する(ステップS2s)。ここで、信号光源11−1〜11−Mが出力する光は、例えば、互いに重ならないように光の位相や偏波の角度がずらされている光である。
光合成部13は、光変調部12−1〜12−Mが生成したM個の系列の光信号を合成する(ステップS3s)。上述したように、送信信号生成部10によってM個の系列の符号化信号が、時系列的に交互に現れるように間隔を空ける符号化が行われているため、光合成部13が合成して生成する光信号は、M個の系列の光信号が時分割多重された光信号となる。光合成部13は、合成した光信号を、光ファイバ伝送路5を介して光受信装置2に送信する(ステップS4s)。
図3は、光受信装置2による処理の流れを示すフローチャートである。
PD20は、光送信装置1が送信する光信号を受信して光信号をアナログの電気信号に変換して出力する(ステップS1r)。ADC21は、PD20が出力するアナログの電気信号を、例えば、2Spsでサンプリングしてデジタル信号に変換して時系列データを生成する。ADC21は、生成した時系列データを複製して、N個の時系列データを生成し、生成したN個の時系列データの各々をN個のフィルタ部22−1〜22−Nのそれぞれに分配して出力する(ステップS2r)。
フィルタ部22−1〜22−Nは、各々に対応する更新値算出部28−1〜28−Nが算出した更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データに対して等化処理を行う(ステップS3r)。
サンプリング部23−1〜23−Nは、M個の系列を分離するようにサンプリングを行って分離系列データ#1〜#Nを生成する(ステップS4r)。例えば、M=3の場合、フィルタ部22−1〜22−Nが出力する時系列データは、図4に示すようなデータ構成、すなわち、先頭から順に「#1」のデータ群のデータ、「#2」のデータ群のデータ及び「#3」のデータ群のデータが繰り返し時分割多重されたデータ構成となっている。
ここで、「#1」のデータ群とは、光変調部12−1が変調したデータ群のことであり、「#2」のデータ群とは、光変調部12−2が変調したデータ群のことであり、「#3」のデータ群とは、光変調部12−3が変調したデータ群のことである。
N=3である場合、例えば、サンプリング部23−1は、「#1」のデータ群のデータをサンプリングにより抽出して分離系列データ#1を生成する。サンプリング部23−2は、「#2」のデータ群のデータをサンプリングにより抽出して分離系列データ#2を生成する。サンプリング部23−3は、「#3」のデータ群のデータをサンプリングにより抽出して分離系列データ#3を生成する。
抽出の手法としては、等化処理された時系列データが2Spsでサンプリングされたデータであることを考慮した上で「#1」、「#2」及び「#3」ごとに予め定められる位置から直接読み出すようにしてもよいし、等化処理された時系列データを1Spsにリサンプリングしてから「#1」、「#2」及び「#3」ごとに予め定められる位置から読み出すようにしてもよい。
また、上述したようにNは、Mの値を正の整数倍した値であってもよいため、M=3の場合、Nは、[3,6,9,・・・]という3の倍数の値を取り得る。例えば、M=3、N=6の場合、サンプリング部23−1,23−2,23−3の各々は、「#1」,「#2」,「#3」のデータを順にサンプリングにより抽出する。サンプリング部23−4,23−5,23−6の各々は、その後に続く「#1」,「#2」,「#3」のデータを順にサンプリングにより抽出する。すなわち、「#1」のデータ群は、サンプリング部23−1とサンプリング部23−4により交互に抽出され、「#2」のデータ群は、サンプリング部23−2とサンプリング部23−5により交互に抽出され、「#3」のデータ群は、サンプリング部23−3とサンプリング部23−6により交互に抽出されることになる。
閾値判定部26−1〜26−Nの各々の内部の記憶領域は、サンプリング部23−1〜23−Nが生成して出力する分離系列データ#1〜#Nごとに予め定められる閾値を予め記憶している。閾値判定部26−1〜26−Nは、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、対応するサンプリング部23−1〜23−Nが出力する分離系列データ#1〜#Nに対してシンボル判定処理を行う。閾値判定部26−1〜26−Nは、判定結果となるシンボルの系列からなるシンボル系列データを生成して出力する(ステップS5r)。
分離系列データ#1〜#Nごとに予め閾値を定める理由は、以下の通りである。すなわち、光送信装置1の光変調部12−1〜12−Mの各々に不均一性が存在する場合、例えば、図20及び図22に示したアイパターンのように、光変調部12−1〜12−Mが変調して生成する光信号には強度レベルにばらつきが生じる。そのため、分離系列データ#1〜#Nごとに、強度レベルのばらつきに応じた閾値を予め定めておかないと正しくシンボル判定を行うことができなくなるためである。また、予め定められる閾値とは、判定対象のシンボルの数に応じた数、例えば、4値信号であれば4値を判別できる少なくとも3つの値からなる閾値である。
多重部29は、閾値判定部26−1〜26−Nが出力するシンボル系列データを多重して単一の時系列データを生成し、生成した時系列データを復調データとして外部に出力する(ステップS6r)。
ステップS6rが行われるのと並行に、加算器27−1〜27−Nは、分離系列データ#1〜#Nの値から、対応するシンボル系列データの値を減算し、減算により算出した減算値を各々に対応する更新値算出部28−1〜28−Nに出力する。更新値算出部28−1〜28−Nは、各々に対応する加算器27−1〜27−Nが出力する減算値と、フィルタ部22−1〜22−Nから受けた時系列データとに基づいて更新値を算出する。更新値算出部28−1〜28−Nは、算出した更新値を各々に対応するフィルタ部22−1〜22−Nに出力する(ステップS7r)。
ステップS1r〜ステップS7rまでの処理は、時系列で受信する光信号が存在する間繰り返し行われる。次回のステップS3rの処理において、フィルタ部22−1〜22−Nは、更新値算出部28−1〜28−Nが出力する更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データに対して等化処理を行う。このような過程でタップ係数が更新されることにより、フィルタ部22−1〜22−Nによって適切な適応等化処理が行われることになる。
上記の第1の実施形態の構成において、光受信装置22の受信部200は、2種類以上であるM種類の系列のデータが時分割多重されたデータを受信して時系列データとして出力する。フィルタ部22−1〜22−Nは、更新値に基づいて更新するタップ係数に基づいて時系列データに対する等化処理を行う。サンプリング部23−1〜23−Nは、フィルタ部22−1〜22−Nが等化処理した時系列データから系列の各々が分離するようにデータを抽出し、Mの値の正の整数倍の個数であるN個の分離系列データを生成して出力する。閾値判定部26−1〜26−Nは、サンプリング部23−1〜23−Nが出力する分離系列データに含まれるシンボルの判定をN個の分離系列データごとに予め定められる閾値に基づいて行う。更新値算出部28−1〜28−Nは、サンプリング部23−1〜23−Nが出力する分離系列データと、閾値判定部26−1〜26−Nの判定結果と、受信部200から受けた時系列データとに基づいて更新値を算出する。これにより、異なる強度レベルを有する複数系列のデータが時分割多重されている時系列データであっても、系列ごとに分離し、系列ごとに予め定められる閾値に基づいてシンボル判定するため、正しく復調することでき、更に、系列ごとに適切な等化処理を行うことが可能となる。
第1の実施形態の構成による効果について、図23に示した一般的な光受信装置300を適用した場合との比較を交えて説明する。
図23に示す光受信装置300において、PD301は、光送信装置1が送信するM個の系列を含んだ光信号を受信して光信号をアナログの電気信号に変換して出力する。ADC302は、アナログの電気信号を、例えば、2Spsでサンプリングしてデジタル信号である時系列データを生成し、生成した時系列データをフィルタ部303に出力する。フィルタ部303は、例えば、上述したフィルタ部22−1〜22−Nと同一のFIRフィルタであり、タップ係数に基づいて時系列データに対して等化処理を行う。
データ抽出部304は、フィルタ部303が等化処理した時系列データの2n番目の値を抽出して1Spsの時系列データを生成する。ここで、nは、0または正の整数(n=0,1,2,3,・・・)である。閾値判定部305は、データ抽出部304が生成した1Spsの時系列データに含まれるデータに対して、内部の記憶領域が予め記憶する閾値に基づいてシンボル判定を行い、判定結果のシンボルからなる復調データを生成して出力する。
加算器306は、データ抽出部304が出力する時系列データの値から、閾値判定部305が出力するシンボル系列データの値であってデータ抽出部304が出力する時系列データの値に対応する値を減算した減算値を算出する。更新値算出部307は、例えば、上述したDD−LMSアルゴリズムにより、加算器306が出力する減算値と、フィルタ部303から受けた時系列データとに基づいて更新値を算出してフィルタ部303に出力する。
すなわち、図23に示す光受信装置300の構成では、時系列データに含まれる全ての系列のデータに対して、系列ごとに閾値を変えることなく判定対象のシンボルごとに予め定められた固定の閾値でシンボル判定を行う。そのため、光変調部12−1〜12−Mに不均一性があり時系列データに含まれるデータの強度レベルに違いが生じているような場合、誤ったシンボル判定を行う可能性がある。更新値算出部207は、誤ったシンボル判定の結果に基づいてタップ係数の更新値を算出するため、適切な適応等化処理を行うことができなくなる。その結果として、図23に示す光受信装置300の構成では、信号品質が劣化してしまうことになる。
これに対して、上記の第1の実施形態では、光送信装置1の光変調部12−1〜12−Mによる変調によって生成された複数系列の光信号を、光受信装置2のサンプリング部23−1〜23−Nが複数系列の各々が分離するように時系列データからデータを抽出して分離系列データを生成する構成となっている。そのため、光変調部12−1〜12−Mの不均一性のために、変調された複数系列の光の強度レベルに違いが生じる場合であっても、強度レベルの違いに応じて時系列データを分けて、それぞれを分離系列データにすることができる。また、閾値判定部26−1〜26−Nは、強度レベルの違いに応じて予め定められる閾値を用いて分離系列データごとにシンボル判定を行うため、正しいシンボル判定を行うことができる。また、正しいシンボル判定を行うことができることから、更新値算出部28−1〜28−Nは、適切なタップ係数の更新値を算出することができるため適切な適応等化処理を行うことができ、信号品質の劣化を抑えることが可能となる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態における光伝送システムAaの構成を示すブロック図である。
光伝送システムAaは、光送信装置1a、光受信装置2a及び光送信装置1aと光受信装置2aとを接続する光ファイバ伝送路5とを備える。
第2の実施形態の光伝送システムAaの構成は、第1の実施形態の光伝送システムAにおいて、M=2、N=2とした構成に相当し、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
光送信装置1aは、送信信号生成部10a、信号光源11a−1,11a−2、光変調部12−1,12−2及び光合成部13を備える。送信信号生成部10aは、外部からPAM4信号の送信信号を取り込み、取り込んだ送信信号をQA−CPAM方式、またはPI−CPAM方式による符号化を行い、2系列の符号化信号を生成する。また、送信信号生成部10aは、生成した2系列の符号化信号の各々を光変調部12−1と光変調部12−2に出力する。
信号光源11a−1,11a−2は、QA−CPAM方式が適用される場合、例えば、信号光源11a−2が同相チャネルの光を出力し、信号光源11a−1がπ/2位相がずれた直交チャネルの光を出力する。また、信号光源11a−1,11a−2は、PI−CPAM方式が適用される場合、例えば、信号光源11a−1がX偏波の光を出力し、信号光源11a−2がY偏波の光を出力する。
なお、信号光源11a−1,11a−2が出力する光は、逆の関係であってもよく、信号光源11a−1が直交チャネルの光を出力し、信号光源11a−2が同相チャネルの光を出力するようにしてもよく、また、信号光源11a−1がY偏波の光を出力し、信号光源11a−2がX偏波の光を出力するようにしてもよい。
光受信装置2aは、受信部200a、フィルタ部22−1,22−2、第1サンプリング部24−1,24−2、第2サンプリング部25−1,25−2、閾値判定部26−1,26−2、加算器27−1,27−2、更新値算出部28−1,28−2及び多重部29を備える。なお、第1サンプリング部24−1,24−2及び第2サンプリング部25−1,25−2が、第1の実施形態のサンプリング部23−1,23−2に相当する構成である。
光受信装置2aにおいて、受信部200aは、PD20とADC21aを備える。受信部200aにおいてADC21aは、PD20が出力するアナログの電気信号を2Spsでサンプリングしてデジタル信号である時系列データxを生成する。また、ADC21aは、生成した時系列データxを複製して、2個の時系列データxを生成し、生成した2個の時系列データxの各々をフィルタ部22−1,22−2のそれぞれに分配して出力する。
第1サンプリング部24−1,24−2は、フィルタ部22−1,22−2が等化処理した2Spsの時系列データyを1Spsにリサンプリングする。第2サンプリング部25−1は、第1サンプリング部24−1が1Spsにリサンプリングして生成した時系列データaにおける予め定められる位置である2n番目のデータをサンプリングにより抽出して分離系列データbを生成する。第2サンプリング部25−2は、第1サンプリング部24−2が1Spsにリサンプリングして生成した時系列データAにおける予め定められる位置である2n+1番目のデータをサンプリングにより抽出して分離系列データBを生成する。ここで、nは、上述した通り0または正の整数(n=0,1,2,3,・・・)である。
(第2の実施形態の光伝送システムの処理)
次に、図6から図8を参照しつつ第2の実施形態の光伝送システムAaによる処理について説明する。図6は、光送信装置1aによる処理の流れを示すフローチャートである。
光送信装置1の送信信号生成部10aは、外部から送信信号を取り込む。送信信号をS(t)とした場合、S(t)は、4値信号であるため、S(t)は、[0,1,2,3]のいずれかの値となる。符号化後の7値信号のそれぞれをI(t),Q(t)とした場合、I(t)とQ(t)は、[−3,−2,−1,0,1,2,3]のいずれかの値となる。
送信信号生成部10aは、送信信号S(t)に対して、時刻tが奇数の場合、次式(1)による符号化を行い、時刻tが偶数の場合、次式(2)による符号化を行う(ステップSa1s)。
式(1)におけるP(t)及び式(2)におけるP(t)は、管理ビットであり、それぞれ次式(3)及び(4)に示す規則にしたがって更新される。
例えば、時刻tが、t=1から開始し、送信信号S(t)が、S(t)=(3,1,3,1,2,3,0,2,1,1,2)という4値信号のシーケンスであるとする。このとき、I(t)は、(3,0,−3,0,2,0,0,0,−1,0,2)という7値のシーケンスとなる。また、Q(t)は、(0,1,0,−1,0,3,0,−2,0,1,0)という7値のシーケンスとなる。すなわち、I(t)とQ(t)の値の絶対値を参照した場合、S(t)の値が時系列的に交互に現れている状態で符号化が行われる。
送信信号生成部10aは、例えば、I(t)を光変調部12−1に出力し、Q(t)を光変調部12−2に出力する。光変調部12−1,12−2の各々は、2個の系列のI(t),Q(t)に基づいて信号光源11a−1,11a−2が出力する光に対して変調を行う(ステップSa2s)。
QA−CPAM方式の場合、上述したように、信号光源11a−1が出力する光と、信号光源11a−2が出力する光の位相差がπ/2となる。光変調部12−1,12−2の各々は、送信信号生成部10aが出力するI(t)とQ(t)の各々に基づいて変調を行うことにより、I(t)とQ(t)とを連続光の同相チャネルと直交チャネル、すなわちI−chとQ−chに重畳する。
PI−CPAM方式の場合、上述したように、例えば、信号光源11a−1が出力する光がX偏波となり、信号光源11a−2が出力する光がY偏波となる。光変調部12−1,12−2の各々は、送信信号生成部10が出力するI(t)とQ(t)の各々に基づいて変調を行うことにより、I(t)とQ(t)とを連続光のX偏波とY偏波に重畳する。
光合成部13は、光変調部12−1,12−2が変調した2個の系列の光信号を合成する(ステップSa3s)。QA−CPAM方式及びPI−CPAM方式のいずれの方式であっても、光合成部13が、光変調部12−1,12−2の各々が出力する光信号を合成することにより、I(t)とQ(t)とが時分割多重された状態の時系列データを生成する。光合成部13は、合成した光信号を、光ファイバ伝送路5を介して光受信装置2aに送信する(ステップSa4s)。
図7は、光受信装置2aによる処理の流れを示すフローチャートである。
PD20は、光送信装置1aが送信する光信号を受信して光信号をアナログの電気信号に変換して出力する(ステップSa1r)。ADC21aは、PD20が出力するアナログの電気信号を2Spsでサンプリングしてデジタル信号である時系列データxを生成する。ADC21aは、生成した時系列データxを複製して、2個の時系列データxを生成し、生成した2個の時系列データxの各々をフィルタ部22−1,22−2のそれぞれに分配して出力する(ステップSa2r)。
フィルタ部22−1,22−2は、各々に対応する更新値算出部28−1,28−2が算出した更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して等化処理を行う(ステップSa3r)。第1サンプリング部24−1,24−2は、フィルタ部22−1,22−2が等化処理した2Spsの時系列データyを1Spsにリサンプリングする(ステップSa4r)。
第2サンプリング部25−1は、第1サンプリング部24−1が1Spsにリサンプリングして生成した時系列データaにおける予め定められる位置である2n番目のデータ、すなわちI(t)に対応するデータをサンプリングにより抽出して分離系列データbを生成する。第2サンプリング部25−2は、第1サンプリング部24−2が1Spsにリサンプリングして生成した時系列データAにおける予め定められる位置である2n+1番目のデータ、すなわちQ(t)に対応するデータをサンプリングにより抽出して分離系列データBを生成する(ステップSa5r)。
閾値判定部26−1,26−2の各々の内部の記憶領域は、分離系列データb及び分離系列データBの強度レベル、すなわち光変調部12−1,12−2の各々の不均一性に応じて予め定められる閾値を予め記憶している。閾値判定部26−1は、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、分離系列データbのシンボル判定を行い、判定結果となるシンボルの系列からなるシンボル系列データcを生成して出力する。閾値判定部26−2は、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、分離系列データBのシンボル判定を行い、判定結果となるシンボルの系列からなるシンボル系列データCを生成して出力する(ステップSa6r)。
多重部29は、閾値判定部26−1,26−2が出力するシンボル系列データc及びシンボル系列データCを多重して単一の時系列データを生成し、生成した時系列データを復調データとして外部に出力する(ステップSa7r)。
ステップSa7rが行われるのと並行に、加算器27−1は、分離系列データbの値から、対応するシンボル系列データcの値を減算し、減算により算出した減算値を更新値算出部28−1に出力する。加算器27−2は、分離系列データBの値から、対応するシンボル系列データCの値を減算し、減算により算出した減算値を更新値算出部28−1に出力する。
更新値算出部28−1,28−2の各々は、各々に対応する加算器27−1,27−2が出力する減算値と、フィルタ部22−1,22−2から受けた時系列データxとに基づいて更新値を算出し、算出した更新値を各々に対応するフィルタ部22−1,22−2に出力する(ステップSa8r)。
具体的には、更新値算出部28−1は、DD−LMSアルゴリズムにより、j番目のタップ係数の更新値Δwを次式(5)に基づいて算出する。
式(5)において、xは、ADC21aが2Spsにサンプリングした時系列データxであり、bは、第2サンプリング部25−1が出力する分離系列データbであり、cは、閾値判定部26−1が出力するシンボル系列データcである。また、μは、ステップサイズパラメータであり、光受信装置2aの利用者によって任意に設定される値である。フィルタ部22−1が出力する時系列データyは、次式(6)によって表される。
式(6)において、Kは、フィルタ部22−1を構成するタップ数である。また、bと、yは、次式(7)の関係を有する。
更新値算出部28−2は、DD−LMSアルゴリズムにより、j番目のタップ係数の更新値ΔWを次式(8)に基づいて算出する。
式(8)において、xは、ADC21aが2Spsにサンプリングした時系列データxであり、Bは、第2サンプリング部25−2が出力する分離系列データBであり、Cは、閾値判定部26−2が出力するシンボル系列データCである。また、μは、ステップサイズパラメータであり、光受信装置2aの利用者によって任意に設定される値である。フィルタ部22−2が出力する時系列データYは、次式(9)によって表される。
式(9)において、Kは、フィルタ部22−2を構成するタップ数である。また、Bと、Yは、次式(10)の関係を有する。
ステップSa1r〜ステップSa2rまでの処理は、時系列で受信する光信号が存在する間繰り返し行われる。次回のステップSa3rの処理において、フィルタ部22−1,22−2は、更新値算出部28−1,28−2が出力する更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して等化処理を行う。
図8は、ステップSa5rからステップSa7rによる処理における第2サンプリング部25−1,25−2、閾値判定部26−1,26−2及び多重部29における入出力のデータの関係を示す図である。
図8に示す[0,1,2,・・・,10,11,・・・]の値は、ADC21aが出力する時系列データxおける各データが格納されている位置を示す値である。
図8に示すように、第2の実施形態の構成により、第2サンプリング部25−1が、時系列データaから光変調部12−1が変調したI(t)に対応するデータを分離して分離系列データbを生成し、第2サンプリング部25−2が、時系列データAから光変調部12−2が変調したQ(t)に対応するデータを分離して分離系列データBを生成する。そして、閾値判定部26−1が、分離系列データbのシンボル判定を行い、閾値判定部26−2が、分離系列データBのシンボル判定を行う。多重部29は、シンボル判定後のシンボル系列データを多重して復調データを生成して出力する。
これにより、QA−CPAM方式においては、I−chとQ−chの光の強度レベルが異なる場合であっても正しいシンボル判定を行うことができ、また、I−chとQ−chのそれぞれに最適な適応等化を行うことができる。また、PI−CPAM方式においては、X偏波とY偏波の光の強度レベルが異なる場合であっても正しいシンボル判定を行うことができ、また、X偏波とY偏波のそれぞれに最適な適応等化を行うことができる。すなわち、上記の第2の実施形態の構成により、異なる強度レベルを有する複数系列のデータが時分割多重されている時系列データであっても、系列ごとに適切な等化処理を行って正しく復調することが可能となる。
(評価実験結果)
上記の第2の実施形態の光受信装置2aに対して、図9に示すアイパターンを有する56Gb/sのQA−CPAM方式で符号化した信号を与えた場合の信号品質の評価結果を図10に示す。図9に示す通り、評価に用いる信号を生成するために、56Gb/sのQA−CPAM方式で符号化して変調する際にI−chとQ−chにおいて強度レベル差が生じるようにして信号を生成している。
図10の縦軸は、ビット誤り率の対数(Log(BER(Bit Error Rate)))であり、横軸は、光信号対雑音比(OSNR(Optical Signal-to-Noise Ratio))の[dB]値である。評価に用いた56Gb/sのQA−CPAM方式で符号化した信号の変調レートは、「28GBd」であり、フィルタ部22−1,22−2のタップ数は「13」である。
図10において、丸型「●」でプロットされたグラフが、例えば、図23に示す一般的な光受信装置300によって当該信号の復調が行われた際のBERとOSNRの関係を示すグラフである。これに対して、ひし形「◆」でプロットされたグラフが第2の実施形態の光受信装置2aによって当該信号の復調が行われた際のBERとOSNRの関係を示すグラフである。図10に示すグラフより、第2の実施形態の光受信装置2aを適用することにより、ビット誤り率を低減させることができ、信号品質を向上させることができていることが分かる。
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態における光受信装置2bの構成を示すブロック図である。
第3の実施形態の光受信装置2bは、第2の実施形態の光送信装置1aに光ファイバ伝送路5を介して接続されており、光送信装置1aが送信する光信号を受信する。第3の実施形態において、第1及び第2の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
光受信装置2bは、受信部200b、フィルタ部22−1、第1サンプリング部24b−1、第2サンプリング部25−1,25−2、閾値判定部26−1,26−2、加算器27−1、更新値算出部28−1及び多重部29を備える。光受信装置2bにおいて、受信部200bは、PD20とADC21bを備える。なお、第1サンプリング部24b−1及び第2サンプリング部25−1,25−2が、第1の実施形態のサンプリング部23−1,23−2に相当する構成である。
受信部200aにおいてADC21bは、PD20が出力するアナログの電気信号を2Spsでサンプリングしてデジタル信号である時系列データxを生成し、生成した時系列データxをフィルタ部22−1に出力する。
第1サンプリング部24b−1は、フィルタ部22−1が等化処理した2Spsの時系列データyを1Spsにリサンプリングして時系列データaを生成する。第1サンプリング部24b−1は、生成した時系列データaを複製して、2個の時系列データaを生成し、生成した2個の時系列データaの各々を第2サンプリング部25−1,25−2のそれぞれに分配して出力する。
(第3の実施形態の光受信装置の処理)
図12は、第3の実施形態の光受信装置2bによる処理の流れを示すフローチャートである。
PD20は、光送信装置1aが送信する光信号を受信して光信号をアナログの電気信号に変換して出力する。ADC21bは、PD20が出力するアナログの電気信号を2Spsでサンプリングしてデジタル信号である時系列データxを生成し、生成した時系列データxをフィルタ部22−1に出力する(ステップSb1)。
フィルタ部22−1は、更新値算出部28−1が算出した更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して等化処理を行う(ステップSb2)。第1サンプリング部24b−1は、フィルタ部22−1が等化処理した2Spsの時系列データyを1Spsにリサンプリングして時系列データaを生成する(ステップSb3)。第1サンプリング部24b−1は、生成した時系列データaを複製して、2個の時系列データaを生成し、生成した2個の時系列データaの各々を第2サンプリング部25−1,25−2のそれぞれに分配して出力する(ステップSb4)。
第2サンプリング部25−1は、第1サンプリング部24b−1が1Spsにリサンプリングして生成した時系列データaにおける予め定められる位置である2n番目のデータ、すなわちI(t)に対応するデータをサンプリングにより抽出して分離系列データbを生成する。第2サンプリング部25−2は、第1サンプリング部24b−2が1Spsにリサンプリングして生成した時系列データaにおける予め定められる位置である2n+1番目のデータ、すなわちQ(t)に対応するデータをサンプリングにより抽出して分離系列データBを生成する(ステップSb5)。
閾値判定部26−1,26−2の各々の内部の記憶領域は、分離系列データb及び分離系列データBの強度レベル、すなわち光変調部12−1,12−2の各々の不均一性に応じて予め定められる閾値を予め記憶している。閾値判定部26−1は、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、分離系列データbのシンボル判定を行い、判定結果となるシンボルの系列からなるシンボル系列データcを生成して出力する。閾値判定部26−2は、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、分離系列データBのシンボル判定を行い、判定結果となるシンボルの系列からなるシンボル系列データCを生成して出力する(ステップSb6)。
多重部29は、閾値判定部26−1,26−2が出力するシンボル系列データc及びシンボル系列データCを多重して単一の時系列データを生成し、生成した時系列データを復調データとして外部に出力する(ステップSb7)。
ステップSb7が行われるのと並行に、加算器27−1は、分離系列データbの値から、対応するシンボル系列データcの値を減算し、減算により算出した減算値を更新値算出部28−1に出力する。更新値算出部28−1は、加算器27−1が出力する減算値と、フィルタ部22−1から受けた時系列データxとに基づいて更新値を算出し、算出した更新値をフィルタ部22−1に出力する(ステップSb8)。
具体的には、更新値算出部28−1は、DD−LMSアルゴリズムにより、j番目のタップ係数の更新値Δwを次式(11)に基づいて算出する。
式(11)において、xは、ADC21bが2Spsにサンプリングした時系列データxであり、bは、第2サンプリング部25−1が出力する分離系列データbであり、cは、閾値判定部26−1が出力するシンボル系列データcである。また、μは、ステップサイズパラメータであり、光受信装置2bの利用者によって任意に設定される値である。フィルタ部22−1が出力する時系列データyは、次式(12)によって表される。
式(12)において、Kは、フィルタ部22−1を構成するタップ数である。また、bと、yは、次式(13)の関係を有する。
ステップSb1〜ステップSb8までの処理は、時系列で受信する光信号が存在する間繰り返し行われる。次回のステップSb2の処理において、フィルタ部22−1は、更新値算出部28−1が出力する更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して等化処理を行う。
上記の第3の実施形態の構成により、第2サンプリング部25−1,25−2が光変調部12−1,12−2によって変調されたI(t)に対応するデータと、Q(t)に対応するデータを分離する。そのため、例えば、QA−CPAM方式においては、I−chとQ−chの光の強度レベルが異なる場合であっても正しいシンボル判定を行うことができる。また、PI−CPAM方式においては、X偏波とY偏波の光の強度レベルが異なる場合であっても正しいシンボル判定を行うことができる。
なお、上記の第3の実施形態の構成では、第2サンプリング部25−1の出力と、閾値判定部26−1の出力、すなわちI(t)に対応するデータに基づいて更新値算出部28−1が更新値を算出するようにしているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。加算器27−1と更新値算出部28−1に替えて、第2の実施形態に示した加算器27−2と更新値算出部28−2とを備え、更新値算出部28−2をフィルタ部22−1に接続する構成とし、Q(t)に対応するデータに基づいて更新値を算出するようにしてもよい。
上記の第3の実施形態の構成では、フィルタ部22−1、加算器27−1及び更新値算出部28−1をそれぞれ1つずつ備える構成となっている。そのため、タップ係数の更新において、I(t)かQ(t)のいずれかの情報を用いることになり、Ich及びQchの双方、またはX偏波及びY偏波の双方に対する適応等化にはなっていないが、第2の実施形態の構成に比べて小規模なデジタル信号処理回路の構成とすることを可能としている。
なお、上記の第3の実施形態において、光受信装置2bを第1の実施形態の光送信装置1と接続するような場合、すなわち、M=2、N=2に限定しないような場合、以下のような構成としてもよい。第1の実施形態と同様に、N個の第2サンプリング部25−1〜25−N及びN個の閾値判定部26−1〜26−Nを備え、閾値判定部26−1〜26−Nの出力を多重部29に接続する構成とする。また、第1サンプリング部24b−1の構成を、時系列データaをN個複製して、N個の第2サンプリング部25−1〜25−Nに分配して出力する構成とするようにしてもよい。また、M=2、N=2に限定しないような場合においても、加算器27−1及び更新値算出部28−1に替えて、加算器27−H及び更新値算出部28−H(ただし、H=2〜Nとする)を備え、更新値算出部28−Hをフィルタ部22−1に接続する構成にしてもよい。
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態における光受信装置2cの構成を示すブロック図である。
第4の実施形態の光受信装置2cは、第2の実施形態の光送信装置1aに光ファイバ伝送路5を介して接続されており、光送信装置1aが送信する光信号を受信する。第4の実施形態において、第1、第2及び第3の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
光受信装置2cは、受信部200b、フィルタ部22c、第1サンプリング部24b−1、第2サンプリング部25−1,25−2、閾値判定部26−1,26−2、加算器27−1,27−2、更新値算出部28−1,28−2及び多重部29を備える。なお、第1サンプリング部24b−1及び第2サンプリング部25−1,25−2が、第1の実施形態のサンプリング部23−1,23−2に相当する構成である。
光受信装置2cにおいて、フィルタ部22cは、例えば、T/2間隔の有限長タップを有するFIRフィルタであって適応等化処理に相当するデジタル信号処理を行う適応線形デジタルフィルタである。また、フィルタ部22cは、更新値算出部28−1,28−2に接続し、更新値算出部28−1,28−2が逐次算出する更新値を交互に選択する。また、フィルタ部22cは、選択した更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して波形等化等の等化処理を行う。タップ係数の更新は、例えば、現在のタップ係数に対して更新値を加算することによって行われる。また、フィルタ部22cは、ADC21bから受けた時系列データxを更新値算出部28−1,28−2に出力する。
(第4の実施形態の光受信装置の処理)
図14は、第4の実施形態の光受信装置2cによる処理の流れを示すフローチャートである。
PD20は、光送信装置1aが送信する光信号を受信して光信号をアナログの電気信号に変換して出力する。ADC21bは、PD20が出力するアナログの電気信号を2Spsでサンプリングしてデジタル信号である時系列データxを生成し、生成した時系列データxをフィルタ部22cに出力する(ステップSc1)。
フィルタ部22cは、例えば、最初のステップSc2の処理では、更新値算出部28−1が出力する更新値を選択する。2回目のステップSc2の処理では、フィルタ部22cは、更新値算出部28−2が出力する更新値を選択する。3回目のステップSc2の処理では、フィルタ部22cは、再び、更新値算出部28−1が出力する更新値を選択する。このように、フィルタ部22cは、更新値算出部28−1,28−2が出力する更新値を交互に選択する(ステップSc2)。
フィルタ部22cは、選択した更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して等化処理を行う(ステップSc3)。
第1サンプリング部24b−1は、フィルタ部22cが等化処理した2Spsの時系列データyを1Spsにリサンプリングする(ステップSc4)。第1サンプリング部24b−1は、リサンプリングして生成した時系列データaを複製して、2個の時系列データaを生成し、生成した2個の時系列データaの各々を第2サンプリング部25−1,25−2のそれぞれに分配して出力する(ステップSc5)。
第2サンプリング部25−1は、第1サンプリング部24b−1が1Spsにリサンプリングして生成した時系列データaにおける予め定められる位置である2n番目のデータ、すなわちI(t)に対応するデータをサンプリングにより抽出して分離系列データbを生成する。第2サンプリング部25−2は、第1サンプリング部24b−2が1Spsにリサンプリングして生成した時系列データaにおける予め定められる位置である2n+1番目のデータ、すなわちQ(t)に対応するデータをサンプリングにより抽出して分離系列データBを生成する(ステップSc6)。
閾値判定部26−1,26−2の各々の内部の記憶領域は、分離系列データb及び分離系列データBの強度レベル、すなわち光変調部12−1,12−2の各々の不均一性に応じて予め定められる閾値を予め記憶している。閾値判定部26−1は、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、分離系列データbのシンボル判定を行い、判定結果となるシンボルの系列からなるシンボル系列データcを生成して出力する。閾値判定部26−2は、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、分離系列データBのシンボル判定を行い、判定結果となるシンボルの系列からなるシンボル系列データCを生成して出力する(ステップSc7)。
多重部29は、閾値判定部26−1,26−2が出力するシンボル系列データc及びシンボル系列データCを多重して単一の時系列データを生成し、生成した時系列データを復調データとして外部に出力する(ステップSc8)。
ステップSc8が行われるのと並行に、加算器27−1は、分離系列データbの値から、対応するシンボル系列データcの値を減算し、減算により算出した減算値を更新値算出部28−1に出力する。加算器27−2は、分離系列データBの値から、対応するシンボル系列データCの値を減算し、減算により算出した減算値を更新値算出部28−1に出力する。
更新値算出部28−1,28−2の各々は、各々に対応する加算器27−1,27−2が出力する減算値と、フィルタ部22cから受けた時系列データxとに基づいて更新値を算出し、算出した更新値をフィルタ部22cに出力する(ステップSc9)。
具体的には、更新値算出部28−1は、DD−LMSアルゴリズムにより、j番目のタップ係数の更新値Δwを次式(14)に基づいて算出し、更新値算出部28−2は、DD−LMSアルゴリズムにより、j番目のタップ係数の更新値Δwを次式(15)に基づいて算出する。
式(14)及び(15)において、xは、ADC21bが2Spsにサンプリングした時系列データxであり、bは、第2サンプリング部25−1が出力する分離系列データbであり、cは、閾値判定部26−1が出力するシンボル系列データcである。Bは、第2サンプリング部25−2が出力する分離系列データBであり、Cは、閾値判定部26−2が出力するシンボル系列データCである。また、μとμは、ステップサイズパラメータであり、光受信装置2cの利用者によって任意に設定される値である。フィルタ部22cが出力する時系列データyは、次式(16)によって表される。
式(16)において、Kは、フィルタ部22cを構成するタップ数である。また、bと、yは、次式(17)の関係を有し、Bと、yは、次式(18)の関係を有する。
ステップSc1〜ステップSc9までの処理は、時系列で受信する光信号が存在する間繰り返し行われる。上述したように、ステップSc2の処理において、フィルタ部22cは、更新値算出部28−1,28−2が出力する更新値のうち、前回のステップSc2の処理において選択しなかった方の更新値算出部28−1,28−2が出力する更新値を選択する。そして、ステップSc3の処理においてフィルタ部22cは、選択した更新値に基づいてタップ係数の更新を行い、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して等化処理を行う。
上記の第4の実施形態の構成により、第2サンプリング部25−1,25−2が光変調部12−1,12−2によって変調されたI(t)に対応するデータと、Q(t)に対応するデータを分離する。そのため、例えば、QA−CPAM方式においては、I−chとQ−chの光の強度レベルが異なる場合であっても正しいシンボル判定を行うことができる。また、PI−CPAM方式においては、X偏波とY偏波の光の強度レベルが異なる場合であっても正しいシンボル判定を行うことができる。
また、上記の第4の実施形態の構成は、フィルタ部22cを1つ備える構成となっており、1つのフィルタ部22cが、更新値算出部28−1,28−2が出力する更新値を交互に選択する構成となっている。したがって、第4の実施形態の構成は、第2の実施形態の構成に比べて小規模なデジタル信号処理回路の構成とすることを可能としている。また、第4の実施形態では、タップ係数の更新を、I(t)及びQ(t)の情報を交互に選択することができるため、Ich及びQchの双方、またはX偏波及びY偏波の双方の変化を考慮した適応等化を行うことを可能としている。
なお、上記の第4の実施形態の光受信装置2cを第1の実施形態の光送信装置1と接続するような場合、すなわち、M=2、N=2に限定しないような場合、以下のような構成としてもよい。第1の実施形態と同様に、N個の第2サンプリング部25−1〜25−N、N個の閾値判定部26−1〜26−N、N個の加算器27−1〜27−N及びN個の更新値算出部28−1〜28−Nを備えるようにする。閾値判定部26−1〜26−Nの出力を多重部29に接続する。更新値算出部28−1〜28−Nの各々と、フィルタ部22cとを接続する。第1サンプリング部24b−1の構成を、時系列データaをN個複製して、N個の第2サンプリング部25−1〜25−Nに分配して出力する構成とする。フィルタ部22cの構成を、更新値算出部28−1〜28−Nが出力する更新値を予め定められる順番に基づいて選択し、選択した更新値に基づいてタップ係数を更新する構成とするようにしてもよい。また、当該構成において、加算器27−1〜27−N及び更新値算出部28−1〜28−Nの数をN個未満のL個とし、フィルタ部22cが、L個の更新値算出部28−1〜28−Lが出力する更新値を予め定められる順番に基づいて選択し、選択した更新値に基づいてタップ係数を更新する構成としてもよい。
また、上記の第4の実施形態において、フィルタ部22cは、2個の更新値算出部28−1,28−2が算出する更新値を交互に選択するとし、また、N個の更新値算出部28−1〜28−Nが算出する更新値を予め定められる順番で選択するとしているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。例えば、いずれかの更新値算出部28−1〜28−Nの更新値を選択する回数を多くしてもよいし、ランダムな順番で選択するようにしてもよい。
(第5の実施形態)
図15は、第5の実施形態における光受信装置2dの構成を示すブロック図である。
第5の実施形態の光受信装置2dは、第1の実施形態の光送信装置1に光ファイバ伝送路5を介して接続されており、光送信装置1が送信する光信号を受信する。第5の実施形態において、第1から第4の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
光受信装置2dは、受信部200、N個のフィルタ部22−1〜22−N、N個の第1サンプリング部24−1〜24−N、N個の第2サンプリング部25−1〜25−N、N個の閾値判定部26−1〜26−N、N個の加算器27−1〜27−N、N個の更新値算出部28−1〜28−N及び多重部29を備える。ここで、Nは、上述したようにMの値を正の整数倍した値である。なお、第1サンプリング部24−1〜24−N及び第2サンプリング部25−1〜25−Nが、第1の実施形態のサンプリング部23−1〜23−Nに相当する構成である。
光受信装置2dにおいて、第1サンプリング部24−1〜24−Nは、フィルタ部22−1〜22−Nが等化処理した2Spsの時系列データy〜yを1Spsにリサンプリングして時系列データa〜aを生成する。
第2サンプリング部25−1〜25−Nのいずれか1つを第2サンプリング部25−p(ただし、p=1,2,3,…,N)とした場合、第2サンプリング部25−pは、第2サンプリング部25−pに接続する第1サンプリング部24−pが1Spsにリサンプリングして生成した時系列データaにおける予め定められる位置であるN×n+p−1番目のデータを抽出する。ここで、nは、上述した通り0または正の整数(n=0,1,2,3,・・・)である。
(第5の実施形態の光受信装置の処理)
図16は、光受信装置2dによる処理の流れを示すフローチャートである。
PD20は、光送信装置1が送信する光信号を受信して光信号をアナログの電気信号に変換して出力する(ステップSd1)。ADC21は、PD20が出力するアナログの電気信号を2Spsでサンプリングしてデジタル信号である時系列データxを生成する。ADC21は、生成した時系列データxを複製して、N個の時系列データxを生成し、生成したN個の時系列データxの各々をフィルタ部22−1〜22−Nのそれぞれに分配して出力する(ステップSd2)。
フィルタ部22−1〜22−Nは、各々に対応する更新値算出部28−1〜28−Nが出力する更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して等化処理を行う(ステップSc3)。第1サンプリング部24−1〜24−Nは、フィルタ部22−1〜22−Nが等化処理した2Spsの時系列データyを1Spsにリサンプリングする(ステップSc4)。
第2サンプリング部25−pの各々は、第2サンプリング部25−pの各々に接続する第1サンプリング部24−pが1Spsにリサンプリングして生成した時系列データaのN×n+p−1番目のデータを抽出し、分離系列データbとして出力する(ステップSd5)。
閾値判定部26−1〜26−Nの各々の内部の記憶領域は、第2サンプリング部25−1〜25−Nが出力する分離系列データb〜bの強度レベル予め定められる閾値を予め記憶している。閾値判定部26−1〜26−Nは、内部の記憶領域が記憶する閾値に基づいて、対応する第2サンプリング部25−1〜25−Nが出力する分離系列データb〜bに対してシンボル判定処理を行い、判定結果となるシンボルの系列からなるシンボル系列データc〜cを生成して出力する(ステップSd6)。
多重部29は、閾値判定部26−1〜26−Nが出力するシンボル系列データc〜cを多重して単一の時系列データを生成し、生成した時系列データを復調データとして外部に出力する(ステップSd7)。
ステップSd7が行われるのと並行に、加算器27−1〜27−Nは、分離系列データb〜bの値から、対応するシンボル系列データc〜cの値を減算し、減算により算出した減算値を各々に対応する更新値算出部28−1〜28−Nに出力する。更新値算出部28−1〜28−Nは、各々に対応する加算器27−1〜27−Nが出力する減算値と、フィルタ部22−1〜22−Nから受けた時系列データxとに基づいて更新値を算出する。更新値算出部28−1〜28−Nは、算出した更新値を各々に対応するフィルタ部22−1〜22−Nに出力する(ステップSd8)。
具体的には、更新値算出部28−pは、DD−LMSアルゴリズムにより、フィルタ部22−pのj番目のタップ係数の更新値Δwを次式(19)に基づいて算出する。
式(19)において、xは、ADC21が2Spsにサンプリングした時系列データxであり、bp,iは、第2サンプリング部25−pが出力する分離系列データbであり、cp,iは、閾値判定部26−pが出力するシンボル系列データcである。また、μは、ステップサイズパラメータであり、光受信装置2dの利用者によって任意に設定される値である。フィルタ部22−pが出力する時系列データyp,iは、次式(20)によって表される。
式(20)において、Kは、フィルタ部22−1を構成するタップ数である。また、bp,iと、yp,iは、次式(21)の関係を有する。
ステップSd1〜ステップSd8までの処理は、時系列で受信する光信号が存在する間繰り返し行われる。次回のステップSd3の処理において、フィルタ部22−1〜22−Nは、更新値算出部28−1〜28−Nが出力する更新値に基づいてタップ係数を更新し、更新したタップ係数を有限長タップに適用して時系列データxに対して等化処理を行う。
上記の第5の実施形態では、光受信装置2dの第2サンプリング部25−1〜25−Nが、時系列データa1〜Nに含まれるM個の系列の各々が分離するように時系列データa1〜Nからデータを抽出し、N個の分離系列データb1〜Nを生成する構成となっている。そのため、光変調部12−1〜12−Mの不均一性のために、変調されたM個の系列の光の強度レベルに違いが生じる場合であっても、強度レベルの違いに応じて時系列データを分けて、それぞれを分離系列データb1〜Nにすることができる。また、閾値判定部26−1〜26−Nは、強度レベルの違いに応じて予め定められる閾値を用いて分離系列データb1〜Nごとにシンボル判定を行うため、正しいシンボル判定を行うことができる。また、正しいシンボル判定を行うことができることから、更新値算出部28−1〜28−Nは、適切なタップ係数を算出することができるため適切な適応等化処理を行うことができ、信号品質の劣化を抑えることが可能となる。
なお、上記の第1から第5の実施形態において、フィルタ部22−1〜22−N、22cの有限長タップにはタップ係数の初期値が予め設定されており、最初に等化処理を行う際には、更新値算出部28−1〜28−Nが更新値として「0」を出力したものとして、初期値のタップ係数を用いて等化処理を行うものとする。
また、上記第1から第5の実施形態において、ADC21,21a,21bは、PD20が出力するアナログの電気信号を2Spsでサンプリングしてデジタル信号である時系列データxを生成するようにしているが、任意のサンプリングレートでサンプリングした後、2Spsでサンプリングするようにしてもよい。
また、上記の第1から第5の実施形態において、更新値算出部28−1〜28−Nは、更新値の算出にDD−LMSアルゴリズムを用いるようにしているが、DD−LMS以外の他のアルゴリズムを更新値の算出に適用するようにしてもよい。
また、上記の第1から第5の実施形態において、更新値算出部28−1〜28−Nは、フィルタ部22−1〜22−N,22cからADC21,21a,21bが出力する時系列データxを受ける構成としているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。更新値算出部28−1〜28−Nと、ADC21,21a,21bとを接続する接続線を設け、更新値算出部28−1〜28−NがADC21,21a,21bが出力する時系列データxを直接受けるようにしてもよい。
また、上記の第2から第4の実施形態において、PAM4信号の4値信号にQA−CPAM方式やPI−CPAM方式の符号化を適用した場合について説明しているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。4値に限らず、任意の数の値を取り得る信号を適用してもよく、QA−CPAM方式及びPI−CPAM方式では、上記の式(1)〜(4)を適用することで、任意の数の値を取り得る信号に対して符号化を行うことができる。
また、上記の第1及び第5の実施形態において、閾値判定部26−1〜26−Nの各々の内部の記憶領域が、分離系列データごとに予め定められる閾値を予め記憶する構成としている。M=Nの場合、光変調部12−1〜12−Mの各々に不均一性が存在する場合、分離系列データの各々に強度レベルのばらつきが生じることになるため、分離系列データごとに、各々の強度レベルに応じた閾値を予め定めておく必要がある。これに対して、Nが、Mの値を2以上の整数値を乗じた値である場合、例えば、M=3、N=6の場合、例えば、第1の実施形態における分離系列データ#1,#4の組(第5の実施形態における分離系列データb,bの組)は、同一の光変調部12−1によって変調された光信号に対応するデータとなる。したがって、この場合、分離系列データの組ごとに、各々の強度レベルに応じた閾値を定めておけばよいことになる。
上記の第1から第5の実施形態では、光受信装置2,2a,2b,2c,2dが直接検波方式によって信号を検波する構成を示したが、第1から第5の実施形態における光受信装置2,2a,2b,2c,2dはコヒーレント検波によって光送信装置1,1aから送信された信号を検波するように構成されてもよい。このように構成される場合、光受信装置2,2a,2b,2c,2dの受信部は、局発光源と、光ハイブリッドと、バランスPDと、ADCとを備える。
局発光源は、局発光を射出する。
光ハイブリッドは、局発光源から射出された局発光と、光送信装置から送信された光信号とを入力する。光ハイブリッドは、入力した局発光を用いたコヒーレント検波により、同相成分及び直交成分の光信号を検出する。光ハイブリッドは、検出した同相成分及び直交成分の光信号をバランスPDに出力する。
バランスPD(バランス検波器)は、光ハイブリッドから出力された同相成分及び直交成分の光信号を入力する。バランスPDは、入力した光信号を電気信号に変換してADCに出力する。
ADCは、バランスPDが出力するアナログの電気信号をサンプリングしてデジタル信号に変換して時系列データを生成する。ADCは、生成した時系列データをフィルタ部に出力する。
上述した実施形態における光送信装置1,1a及び光受信装置2,2a,2b,2c,2dをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1…光送信装置,10…送信信号生成部,11−1〜11−M…信号光源,12−1〜12−M…光変調部,13…光合成部,5…光ファイバ伝送路,2…光受信装置,200…受信部,20…PD,21…ADC,22−1〜22−N…フィルタ部,23−1〜23−N…サンプリング部,26−1〜26−N…閾値判定部,27−1〜27−N…加算器,28−1〜28−N…更新値算出部,29…多重部

Claims (7)

  1. 2種類以上であるM種類の系列のデータが時分割多重されたデータを受信して時系列データとして出力する受信部と、
    更新値に基づいて更新するタップ係数を用いて、前記時系列データに対する等化処理を行うフィルタ部と、
    前記等化処理後の時系列データから前記系列の各々が分離するように前記データを抽出することにより前記Mの正の整数倍の数であるN個の分離系列データを生成して出力するサンプリング部と、
    前記分離系列データに含まれるシンボルの判定を、前記N個の分離系列データそれぞれに予め定められる閾値に基づいて行うN個の閾値判定部と、
    前記サンプリング部が出力する前記分離系列データと、前記閾値判定部の判定結果と、前記受信部が出力する前記時系列データとに基づいて前記更新値を算出する更新値算出部と
    を備える光受信装置。
  2. 前記フィルタ部、前記サンプリング部、前記閾値判定部及び前記更新値算出部のそれぞれを対応付けてN個ずつ備え、
    前記受信部は、
    前記時系列データをN個複製し、複製した前記時系列データを前記N個のフィルタ部に分配して出力し、
    N個の前記フィルタ部の各々は、
    前記タップ係数に基づいて前記受信部が出力する前記時系列データに対する前記等化処理を行い、前記等化処理した前記時系列データを対応する前記サンプリング部に出力し、
    N個の前記サンプリング部の各々は、
    対応する前記フィルタ部が出力する前記時系列データから前記系列の各々が分離するように前記サンプリング部ごとに予め定められる位置の前記データを抽出することにより前記分離系列データを生成して対応する前記閾値判定部に出力し、
    N個の前記閾値判定部の各々は、
    対応する前記サンプリング部が出力する前記分離系列データに含まれるシンボルの判定を前記分離系列データごとに予め定められる閾値に基づいて行い、
    N個の前記更新値算出部は、
    対応する前記サンプリング部が出力する前記分離系列データと、対応する前記閾値判定部の判定結果と、前記受信部が出力する前記時系列データとに基づいて前記更新値を算出し、算出した前記更新値を対応する前記フィルタ部に出力する、請求項1に記載の光受信装置。
  3. 前記フィルタ部及び前記更新値算出部の個数は1個であり、
    前記サンプリング部は、
    前記フィルタ部に接続する1個の第1サンプリング部と、前記N個の閾値判定部の各々に接続するN個の第2サンプリング部とを備えており、
    前記第1サンプリング部は、
    前記フィルタ部が前記等化処理した前記時系列データを取り込んでN個複製し、複製した前記時系列データを前記N個の第2サンプリング部に分配して出力し、
    前記第2サンプリング部の各々は、
    前記系列の各々が分離するように前記第1サンプリング部が出力する前記時系列データから前記第2サンプリング部ごとに予め定められる位置の前記データを抽出することにより前記分離系列データを生成し、生成した前記分離系列データを対応する前記閾値判定部に出力し、
    前記更新値算出部は、
    いずれかの前記第2サンプリング部に予め対応付けられており、対応する前記第2サンプリング部が出力する前記分離系列データと、当該第2サンプリング部に対応する前記閾値判定部の判定結果と、前記受信部が出力する前記時系列データとに基づいて前記更新値を算出する、請求項1に記載の光受信装置。
  4. 前記フィルタ部の数は1個であり、前記更新値算出部の数は2個以上であり、
    前記サンプリング部は、
    前記フィルタ部に接続する1個の第1サンプリング部と、前記第1サンプリング部に接続するN個の第2サンプリング部とを備えており、
    前記第1サンプリング部は、
    前記フィルタ部が前記等化処理した前記時系列データを取り込んでN個複製し、複製した前記時系列データを前記N個の第2サンプリング部に分配して出力し、
    前記第2サンプリング部の各々は、
    前記系列の各々が分離するように前記第1サンプリング部が出力する前記時系列データから前記第2サンプリング部ごとに予め定められる位置の前記データを抽出することにより前記分離系列データを生成して出力し、
    前記更新値算出部の各々は、
    それぞれ異なるいずれかの前記第2サンプリング部に予め対応付けられており、対応付けられる前記第2サンプリング部が出力する前記分離系列データと、当該第2サンプリング部に対応する前記閾値判定部の判定結果と、前記受信部が出力する前記時系列データとに基づいて前記更新値を算出し、
    前記フィルタ部は、
    複数の前記更新値算出部が算出するいずれかの前記更新値を選択し、選択した前記更新値に基づいて前記タップ係数を更新し、更新した前記タップ係数に基づいて前記時系列データに対する等化処理を行う、請求項1に記載の光受信装置。
  5. 前記Mの値は、2であり、
    前記時分割多重されたデータに含まれる前記系列の一方は光信号のX偏波に重畳され、かつ前記系列の他方は前記光信号のY偏波に重畳されるか、または、前記系列の一方は、光信号の同相チャネルに重畳され、かつ前記系列の他方は、前記光信号の直交チャネルに重畳されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の光受信装置。
  6. 2種類の前記系列のデータは、QA−CPAM方式、またはPI−CPAM方式で符号化されたデータである、請求項5に記載の光受信装置。
  7. 前記受信部は、局発光を射出する局発光源と、前記局発光源から射出された局発光を用いたコヒーレント検波により同相成分及び直交成分の光信号を検出する光ハイブリッドと、検出された同相成分及び直交成分の光信号を電気信号に変換するバランス検波器と、アナログの前記電気信号をサンプリングしてデジタル信号に変換して時系列データを生成するアナログデジタル変換部とを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の光受信装置。
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