JP2019090483A - 等速自在継手の外側継手部材の製造方法およびそれを用いた等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手の外側継手部材の製造方法およびそれを用いた等速自在継手 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した姿勢でローラを転動させ得る等速自在継手の外側継手部材を提供する。【解決手段】カップ部14のトラック溝部16の両側の側面18に硬化層Sを熱処理により形成し、側面18をローラ13が接触するローラ案内面19とする。熱処理後におけるローラ案内面19にローラ13がその回転中心軸方向の中央部分で接触するように、熱処理前のトラック溝部16の両側の側面18を、熱処理によって生じる熱変形の方向と逆方向へ変位した状態に、かつ小径部17の内面側の縁部18aがトラック溝部16の大径部内面16b側の縁部18bに対してトラック溝部16の幅方向外側に位置する状態に成形し、熱処理後におけるトラック溝部16の両側の側面18に周方向に連続するように、熱処理前の小径部17の内面を、熱処理後の小径部17の内面位置よりも外側に変位した状態に成形した。【選択図】図5

Description

この発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、駆動側と従動側の二軸間で回転動力を等速で伝達する等速自在継手の外側継手部材の製造方法および、その外側継手部材を用いた等速自在継手に関する。
自動車や各種産業機械の動力伝達系に使用され、駆動側と従動側の二軸間で回転動力を等速で伝達する等速自在継手には、その内側継手部材としてトリポード部材を用いたトリポード型等速自在継手がある。
トリポード型等速自在継手は、内周部に三本のトラック溝部が周方向等間隔に形成されたカップ部を有する外側継手部材と、径方向外向きに突出する三本の脚軸を有するトリポード部材(内側継手部材)と、トラック溝部内を転動し、脚軸に回転可能に支持されるローラとを備えている。
このローラがカップ部のトラック溝部の側壁面を転動して、トリポード部材が外側継手部材のカップ部内を軸方向に移動できるようになっている。
このような等速自在継手では、ローラが転動するトラック溝部の側壁面に一定以上の硬度を持たせて、摩耗を抑制するために、外側継手部材のカップ部に熱処理を施すことが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、高周波焼入れの移動焼入れにより、外側継手部材のトラック溝部の大径部に硬化層を形成することなく、ローラ案内面に硬化層を形成することができる等速自在継手の外側継手部材の熱処理方法が開示されている。
この特許文献1に開示された熱処理方法は、高周波焼入れの移動焼入れであるので、外側継手部材のひずみが生じ難く、かつ焼入れによる硬化層深さの均一化を図ることができるものである。
特許文献2には、外側継手部材のローラ案内面を、高周波焼入れ後の仕上げ加工を行わない油中での高周波焼入れにより浸炭焼入れ層を形成した硬化層とした等速自在継手が開示されている。
特許文献2に開示された等速自在継手は、外側継手部材のローラ案内面の硬化層でのスケールの発生が抑制され、寸法精度の向上を図ることができる。
特開2012−180930号公報 特開2007−239837号公報
ところで、等速自在継手の外側継手部材は、例えば、自動車の燃費向上や、各種産業機械の動力伝達系の伝達効率の向上に寄与することを目的として、軽量化が求められている。
軽量化を図るために、図6に示すように、外側継手部材50のカップ部51は、外向きに突出する三本のトラック溝部52と、隣り合うトラック溝部52の間に配置される小径部53とが周方向に交互に三個づつ配置した三弁の花冠状をなしている。また、小径部53の外面は、カップ部51の軸方向に直交する断面で見たとき、トラック溝部52の大径部よりも、内側に位置している。
このような外側継手部材50のカップ部51は、図7に示すように、周方向等間隔に配置した複数の脚軸61を有するトリポード部材60が収容される。トラック溝部52の側面54は、脚軸61に回転自在に取り付けたローラ62が接触するローラ案内面55とされる。
トラック溝部52の両側の側面54は、ローラ案内面55としてローラ62から荷重を受けるため、高周波焼入れによる熱処理で硬化層が形成されており、トラック溝部52の側壁の肉厚が大きく設定される。その一方で、直接荷重を受けないトラック溝部52の大径部は、側壁よりも肉厚が小さく設定されている。
このように肉厚が異なる外側継手部材50のカップ部51に対して、高周波焼入れによる熱処理を行った場合、昇温、冷却過程による熱膨張、熱収縮および熱硬化層の生成による体積膨張により、カップ部51に熱変形が生じる。
カップ部51の熱変形は、ローラ案内面55、55のそれぞれが、小径部53側の部分において、互いに接近するように傾斜する状態となる。その一方で、トラック溝部52の大径部がその断面中央付近を中心に径方向外向きに膨らむものとなる(図6中の二点鎖線参照)。なお、図6は、カップ部51の熱処理による熱変形を誇張したものである。
特許文献1、2は、外側継手部材の大内径部(トラック溝部の大径部)に熱処理の硬化層を形成しないことによって、カップ部の変形を抑制しているが、この抑制では以下のような問題が生じる。
すなわち、ローラ案内面55、55が接近するように傾斜する変形に対しては、ローラ62の外径寸法を調整して対応することができる。しかしながら、図7に示すように、ローラ62は、傾斜するローラ案内面55、55に対して、小径部53寄りの部分に偏って接触する、いわゆる片当たり状態となる。
この状態では、ローラ案内面55に対するローラ62の姿勢が不安定になり、自動車などの車両の騒音、振動及び乗り心地に関するNVH性能の悪化や、外側継手部材の強度、耐久性の低下が懸念される。
そこで、この発明の解決すべき課題としては、安定した姿勢でローラを転動させ得る等速自在継手の外側継手部材を提供することにある。
上記の課題を解決するために、この発明に係る等速自在継手の外側継手部材の製造方法としては、トリポード部材を収容する一端部が開口したカップ部を成形する前鍛造工程と、そのカップ部の内周部に軸方向に延びるトラック溝部を複数に成形するしごき工程と、
前記トラック溝部の両側の側面に熱処理による硬化層を形成する熱処理工程とを含み、
前記側面を、前記トリポード部材に回転自在に取り付けたローラが接触するローラ案内面とした等速自在継手の外側継手部材の製造方法であって、
前記しごき工程により前記カップ部の隣り合う前記トラック溝部の間に小径部を成形し、
前記熱処理後における前記ローラ案内面に前記ローラがその回転中心軸方向の中央部分で接触するように、前記熱処理前の前記トラック溝部の両側の側面を、前記熱処理によって生じる熱変形の方向と逆方向へ変位した状態に、かつ前記小径部の内面側の縁部が前記トラック溝部の大径部内面側の縁部に対して前記トラック溝部の幅方向外側に位置する状態に成形し、
前記熱処理後における前記トラック溝部の両側の側面に周方向に連続するように、前記熱処理前の前記小径部の内面を、前記熱処理後の前記小径部の内面位置よりも外側に変位した状態に成形した方法を採用することができる。
この製造方法では、カップ部の内周部に軸方向に延びる複数のトラック溝部を成形した後、熱処理によって、トラック溝部の両側の側面に硬化層を形成すると、ローラがその回転中心軸方向の中央部分でローラ案内面に接触するように、トラック溝部の両側の側面が変位する。
この製造方法において、前記熱処理後におけるそれぞれの前記トラック溝部の大径部外面が前記カップ部の中心軸から等距離の断面円弧状となるように、前記熱処理前の前記トラック溝部の大径部を、前記熱処理によって生ずる熱変形の方向と逆方向に変位させた状態に成形した方法を採用することができる。
この製造方法では、熱処理により、トラック溝部の大径部外面がカップ部の中心軸から等距離の断面円弧状となるため、カップ部の外周面の外径寸法が必要以上に大きくなることを防止することができる。
また、上記の課題を解決するために、この発明に係る等速自在継手としては、内周部に軸方向に延びる複数のトラック溝部が周方向に間隔をおいて形成されたカップ部を有する外側継手部材と、前記カップ部に収容され、筒状のボス部と、そのボス部に周方向等間隔に径方向外向きに突出する複数の脚軸とを有するトリポード部材と、前記脚軸に対してその軸心周りに回転自在に取り付けられ、前記トラック溝部の両側の側面を転動するローラとを備える等速自在継手であって、
前記外側継手部材が、上述の製造方法により製造された外側継手部材であり、前記トラック溝部の両側の側面は、熱処理により形成された硬化層を有し、前記ローラの外周部の接触するローラ案内面とされ、前記ローラが、その回転中心軸の軸方向の中央部分で前記ローラ案内面と接触する状態となる構成を採用することができる。
この構成によると、ローラがその回転中心軸方向の中央部分でローラ案内面に接触する状態となり、トラック溝部を転動するローラの姿勢が安定する。
この発明は、ローラがその回転中心軸方向の中央部分でローラ案内面に接触する状態となるので、トラック溝部を転動するローラの姿勢が安定し、自動車などの車両に採用することで、その車両の騒音、振動及び乗り心地に関するNVH性能を向上させることができる。
この発明に係る実施形態の等速自在継手の縦断面図 図1のII−II線における等速自在継手の断面図 図1の外側継手部材の一部切り欠き断面図 図1のカップ部のローラ案内面とローラとの接触状態を示す拡大断面図 図1の外側継手部材のカップ部の熱処理前後の状態を示す断面図 従来の外側継手部材のカップ部の熱処理前後の状態を示す断面図 従来の等速自在継手の使用状態を示す断面図
以下、この発明の実施形態に係る等速自在継手を図1〜4に基づいて説明する。この実施形態に係る等速自在継手1は、自動車や各種産業機械の動力伝達系に使用され、駆動側と従動側の二軸間で回転動力を等速で伝達するものである。
この等速自在継手1は、図1に示すように、外側継手部材11と、内側継手部材であるトリポード部材12と、トルク伝達部材である三個のローラとしてのローラユニット13とを備えている。
外側継手部材11は、機械構造用炭素鋼からなり、一端側が開口する有底であるカップ部14と、カップ部14の底部の中央に軸方向外向きに延びる軸体部15とを有する。カップ部14は、内周部に周方向に等間隔で軸方向に延びる直線状の三本のトラック溝部16と、隣り合うトラック溝部16の間に形成された小径部17とを有する。ここで、トラック溝部16は、カップ部14のうち、後述するローラユニット13が軸方向に転動する空間を囲む部分を意味するものとする。
図2に示すように、カップ部14は、その軸方向に直交する断面で見たとき、外向きに突出する三本のトラック溝部16と、小径部17とが周方向に交互に三個づつ配置した三弁の花冠状となっている。
それぞれのトラック溝部16の大径部外面16aは、カップ部14の中心軸Oから等距離の断面円弧状をなしている。同様に、それぞれのトラック溝部16の大径部内面16bも、カップ部14の中心軸Oから等距離の断面円弧状をなしている。
それぞれのトラック溝部16は、両側の側面18、18が周方向において相互に対向する状態となっている。両側の側面18は、ローラユニット13が転動し、荷重を受けるローラ案内面19となっている。
それぞれのローラ案内面19は、カップ部14の軸方向に直交する断面において、同じ曲率半径の二つの円弧を組み合わせたゴシックアーク形状をなしている。なお、ローラ案内面19は、単一の円弧からなるサーキュラアーク形状としてもよい。
トラック溝部16の両側の側面18には、熱処理による硬化層Sが形成されている。硬化層Sは、図3に示すように、カップ部14の一端部近傍からカップ部14の軸方向中央部分よりも他端部寄りの位置に至る範囲に形成されており、カップ部14の他端部寄りの位置には形成されていない。
また、硬化層Sは、図4に示すように、トラック溝部16の側面18において、小径部17の内面側の縁部18aから、トラック溝部16の大径部内面16b側の縁部18bを経てトラック溝部16の大径部内面16bの一部に至る範囲にまで形成されている。硬化層Sは、そのトラック溝部16の側壁の肉厚の0.2から0.5倍の深さに形成されている。
硬化層Sは、熱処理より形成され、熱処理としては高周波焼入れを採用することができる。高周波焼入れを施す際には、コイルと外側継手部材11とを相対的に軸方向に移動させながら熱処理する移動焼入れ方を適用することができる。
熱処理によって硬化層Sが形成されたトラック溝部16の側面18は、後述するアウタローラ31が接触するローラ案内面19として、その表面硬度が向上し、アウタローラ31の転動による摩耗が抑制される。
小径部17は、図2に示すように、トラック溝部16の大径部よりも大きい厚みを有し、トラック溝部16の側壁と同程度の厚みを有している。例えば、トラック溝部16の側壁は、トラック溝部16の大径部に対して1.2〜2.5倍となる肉厚を有する。
小径部17の内面は、トラック溝部16の側面18に周方向に連続している。小径部17の外面は、カップ部14の軸方向に直交する断面で見たとき、トラック溝部16の大径部内面16bよりも、カップ部14の中心軸Oからの距離が小さくなっている。
外側継手部材11のカップ部14に、トリポード部材12およびローラユニット13が軸方向摺動自在に収容される。
トリポード部材12は、図1および図2に示すように、円筒状のボス部21と、ボス部21の外周部から突出する三本の脚軸22とを有する。ボス部21の軸孔21aには、図示しないシャフト(例えば、従動軸)の端部がスプライン嵌合により連結される。
それぞれの脚軸22は、ボス部21の外周面に対して、周方向等間隔に放射状に配置されている。脚軸22の先端はトラック溝部16の大径部内面16b付近にまで延びている。
それぞれの脚軸22は、アウタローラ31およびインナローラ32を有するローラユニット13が回転自在に取り付けられたものである。このようなローラユニット13を備える本実施形態の等速自在継手は、いわゆるダブルローラタイプである。なお、本実施形態は、単一のローラからなる、いわゆるシングルローラタイプを採用してもよい。
アウタローラ31の外周面は、アウタローラ31の中心軸を含む断面において、円弧状をなしている。アウタローラ31の外周面は、前記断面の形状の曲率半径が、ローラ案内面19の断面形状である二つの円弧の曲率半径よりもわずかに小さい。
アウタローラ31の外周面は、図4に示すように、アウタローラ31の回転中心軸方向の中央位置Cを挟んで、ローラ案内面19に二箇所で接触している。なお、ローラ案内面19の断面形状が、上述のサーキュラアーク形状であれば、アウタローラ31の外周面は、アウタローラ31の中心軸の軸方向の中央位置Cで、ローラ案内面19に一箇所で接触する。
ここで、「ローラ案内面にローラがその回転中心軸方向の中央部分で接触する状態」とは、アウタローラ31の外周面がその回転中心軸方向の中央位置Cを挟んで、ローラ案内面19に二箇所で接触する状態のみならず、前記中央位置Cの一箇所でローラ案内面19に接触する状態や、前記中央位置Cを含む領域で面接触する状態をも含むものとする。
インナローラ32の内周面は、インナローラ32の中心軸を含む断面で径方向内向きに突出する円弧状をなしている。アウタローラ31とインナローラ32との間には、複数の針状ころ33が、保持器のない、いわゆる単列総ころ状態で配置されている。
インナローラ32および針状ころ33は、アウタローラ31の内周面に形成された環状凹溝に嵌合したワッシャ34、35によりアウタローラ31に対して抜け止めされる。
この実施形態の等速自在継手1は、以上のように構成されている。その等速自在継手1では、図4に示すように、外側継手部材11のカップ部14において、トラック溝部16の側面18がローラ案内面19とされる。
そのローラ案内面19にローラユニット13のアウタローラ31がその回転中心軸方向の中央部分でローラ案内面に接触する状態となる。この状態では、アウタローラ31の姿勢が安定し、自動車などの車両の騒音、振動及び乗り心地に関するNVH性能を向上させることができる。
この実施形態では、図2に示すように、外側継手部材11のカップ部14の小径部17の外面は、カップ部14の軸方向に直交する断面で見たとき、トラック溝部16の大径部内面16bよりも、カップ部14の中心軸Oからの距離が小さくなっている。
次に、上述した等速自在継手1の外側継手部材11の製造方法を説明する。外側継手部材11の製造方法としては、前鍛造工程と、しごき工程と、熱処理工程とを含むものである。
具体的には、まず、据え込みや押し出しなどの各種鍛造加工を段階的に実行する前鍛造工程により、棒状素材を、内周面にトラック溝部が粗成形されたカップ部を有する中間鍛造品に成形する。
その後、成形した中間鍛造品にしごき加工を施すしごき工程により、内面に目標形状のトラック溝部16と小径部17とが設けられたカップ部14を有する外側継手素材40を成形する。
外側継手素材40のカップ部14は、図5中の実線で示すように、その軸方向に直交する断面で見たとき、外向きに突出する三本のトラック溝部16と、小径部17とが周方向に交互に三個づつ配置した三弁の花冠状となっている。
外側継手素材40の小径部17は、トラック溝部16の大径部よりも大きい厚みを有し、トラック溝部16の側壁と同程度の厚みを有している。小径部17の内面は、トラック溝部16の側面18に周方向に連続している。小径部17の外面は、カップ部14の軸方向に直交する断面で見たとき、トラック溝部16の大径部内面16bよりも、カップ部14の中心軸Oからの距離が小さくなっている。
外側継手素材40では、それぞれのトラック溝部16の大径部を、上記熱処理後におけるトラック溝部16の大径部外面16aがカップ部14の中心軸Oから等距離の断面円弧状となるように成形している。
すなわち、それぞれのトラック溝部16の大径部を、前記熱処理によって生ずる熱変形の方向と逆方向に変位させ、熱処理後におけるトラック溝部16の大径部外面16aよりも、カップ部14の中心軸Oに向かって内側に位置するように成形する。
それぞれのトラック溝部16の大径部の変位量としては、例えば、0.2〜0.5mmとすることができる。
また、外側継手素材40では、それぞれのトラック溝部16の両側の側面18を、上記熱処理後におけるローラ案内面19にアウタローラ31がその回転中心軸方向の中央部分で接触し、相互に対向するように成形している。
すわなち、それぞれのトラック溝部16の両側の側面18を、上記熱処理によって生じる熱変形の方向と逆方向へ変位させ、小径部17の内面側の縁部18aがトラック溝部16の大径部内面16b側の縁部18bに対してトラック溝部16の幅方向外側に位置するように成形している。
それぞれのトラック溝部16の両側の側面18の変位量としては、小径部17の内面側の縁部18aにおいて0.1〜0.3mm、トラック溝部16の大径部内面16b側の縁部18bにおいて、0.05〜0.2mmとすることができる。
さらに、外側継手素材40では、小径部17の内面を、熱処理後の小径部17の内面位置よりも外側に変位した状態に成形している。
続いて、外側継手素材40に対して、熱処理工程を行い、外側継手部材11を形成する。この熱処理工程は、外側継手素材40のトラック溝部16の側面18に、図示しないコイルを対向させた状態で、そのコイルと外側継手素材40と相対移動させる移動焼入れ法による高周波焼入れの熱処理を施すものである。この熱処理により、外側継手部材11のトラック溝部16の側面18に硬化層Sを形成する。
なお、上記熱処理工程は、移動焼入れ法による高周波焼入れの熱処理を施すものであるが、高周波焼入れとしては、トラック溝部16の側面18に対して、定位置で熱処理を行う、いわゆるワンショット法を採用することができる。
以上の製造方法により外側継手部材11が製造される。この外側継手部材11を等速自在継手1に用いると、カップ部14のトラック溝部16の側面18が熱処理により形成された硬化層を有するものとなる。
ここで、熱処理工程前では、外側継手素材40を、上述のように熱処理による熱変形を見越して成形している。このため、熱処理工程後の外側継手部材11は、トラック溝部16の側面18がアウタローラ31の外周部の接触するローラ案内面とされる。そして、アウタローラ31が、その回転中心軸の軸方向の中央部分でローラ案内面19と接触する状態となる。
この結果、トラック溝部16を転動するアウタローラ31の姿勢が安定し、自動車などの車両の騒音、振動及び乗り心地に関するNVH性能を向上させることができる。
また、外側継手部材11としては、トラック溝部16の大径部外面16aが、カップ部14の中心軸Oから等距離の断面円弧状となる。このため、従来のように、カップ部14の外径寸法が必要以上に大きくなることを防止することができる。
1 等速自在継手
11、50 外側継手部材
12、60 トリポード部材
13 ローラユニット
14、51 カップ部
15 軸体部
16、52 トラック溝部
16a 大径部外面
16b 大径部内面
17、53 小径部
18、54 側面
18a、18b 縁部
19、55 ローラ案内面
21 ボス部
21a 軸孔
22、61 脚軸
31 アウタローラ
32 インナローラ
33 針状ころ
34、35 ワッシャ
40 外側継手素材
62 ローラ
C 中央位置
O 中心軸
S 硬化層

Claims (3)

  1. トリポード部材を収容する一端部が開口したカップ部を成形する前鍛造工程と、そのカップ部の内周部に軸方向に延びるトラック溝部を複数に成形するしごき工程と、前記トラック溝部の両側の側面に熱処理による硬化層を形成する熱処理工程とを含み、
    前記側面を、前記トリポード部材に回転自在に取り付けたローラが接触するローラ案内面とした等速自在継手の外側継手部材の製造方法であって、
    前記しごき工程により前記カップ部の隣り合う前記トラック溝部の間に小径部を成形し、
    前記熱処理後における前記ローラ案内面に前記ローラがその回転中心軸方向の中央部分で接触するように、前記熱処理前の前記トラック溝部の両側の側面を、前記熱処理によって生じる熱変形の方向と逆方向へ変位した状態に、かつ前記小径部の内面側の縁部が前記トラック溝部の大径部内面側の縁部に対して前記トラック溝部の幅方向外側に位置する状態に成形し、
    前記熱処理後における前記トラック溝部の両側の側面に周方向に連続するように、前記熱処理前の前記小径部の内面を、前記熱処理後の前記小径部の内面位置よりも外側に変位した状態に成形した等速自在継手の外側継手部材の製造方法。
  2. 前記熱処理後におけるそれぞれの前記トラック溝部の大径部外面が前記カップ部の中心軸から等距離の断面円弧状となるように、前記熱処理前の前記トラック溝部の大径部を、前記熱処理によって生ずる熱変形の方向と逆方向に変位させた状態に成形した請求項1に記載された等速自在継手の外側継手部材の製造方法。
  3. 内周部に軸方向に延びる複数のトラック溝部が周方向に間隔をおいて形成されたカップ部を有する外側継手部材と、前記カップ部に収容され、筒状のボス部と、そのボス部に周方向等間隔に径方向外向きに突出する複数の脚軸とを有するトリポード部材と、前記脚軸に対してその軸心周りに回転自在に取り付けられ、前記トラック溝部の両側の側面を転動するローラとを備える等速自在継手であって、
    前記外側継手部材が、請求項1または2に記載された製造方法により製造された外側継手部材であり、前記トラック溝部の両側の側面は、熱処理により形成された硬化層を有し、前記ローラの外周部の接触するローラ案内面とされ、前記ローラが、その回転中心軸の軸方向の中央部分で前記ローラ案内面と接触する状態となる等速自在継手。
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