JP2019090091A - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置

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Abstract

【課題】電子部品が配列された保護シートに密着した冷却プレートを、電子部品が保護シートから離脱することなく外すことができる成膜装置の提供。【解決手段】成膜装置は、プレート表裏を貫通する空気孔632が貫設された冷却プレート63から保護シートを剥がす。この成膜装置には、成膜処理部とプレート解除部4とが備えられる。成膜処理部3は、冷却プレート63に密着させた保護シート上の電子部品60に対して、スパッタリングにより成膜材料を堆積させて成膜する。プレート解除部4は、空気圧供給孔423と固定部とを備える。空気圧供給孔423は、冷却プレート63を臨み、部品配列領域615を含んだ範囲に設けられ、正圧を発生させる。固定部は、部品配列領域615を加圧している間、フレーム62を押さ付けておき、部品配列領域615が冷却プレート63から離れた後、押さえ付けを解除する。【選択図】図12

Description

本発明は、成膜装置に関する。
携帯電話に代表される無線通信機器には、半導体装置等の電子部品が多数搭載されている。電子部品は、通信特性への影響を防止するために、外部への電磁波の漏えい等、内外に対する電磁波の影響を抑制することが求められる。このため、電磁波に対するシールド機能を有する電子部品が用いられている。
一般的に、電子部品は、実装基板に対する中継用の基板としてのインターポーザ基板の上に素子を搭載し、この素子を樹脂で封止することにより形成されている。この封止樹脂の上面および側面に導電性の電磁波シールド膜を設けることにより、シールド機能が付与された電子部品が開発されている(特許文献1参照)。
このような電磁波シールド膜は、複数種類の金属材料の積層膜とすることができる。例えば、SUS膜を形成した上にCu膜を形成し、さらにその上にSUS膜を形成する積層構造の電磁波シールド膜が知られている。
電磁波シールド膜において、充分なシールド効果を得るためには、電気抵抗率を低くすることが必要となる。このため、電磁波シールド膜は、ある程度の厚みが要求される。半導体装置においては、一般的には、1μm〜10μm程度の膜厚があれば良好なシールド特性が得られるものとされている。上記のSUS、Cu、SUSの積層構造の電磁波シールド膜では、1μm〜5μm程度の膜厚があれば、良好なシールド効果が得られることが知られている。
電磁波シールド膜の形成方法としては、乾式工程であるスパッタリング法が注目されている。スパッタリング法による成膜装置としては、プラズマを用いて成膜を行うプラズマ処理装置が提案されている。プラズマ処理装置は、ターゲットを配置した真空容器に不活性ガスを導入し、直流電圧を印加する。プラズマ化した不活性ガスのイオンを、成膜材料のターゲットに衝突させ、ターゲットから叩き出された材料をワークに堆積させて成膜を行う。
一般的なプラズマ処理装置は、数10秒から数分の処理時間で形成が可能な10〜数100nmの厚みの膜の形成に用いられている。しかし、上記のように、電磁波シールド膜としては、ミクロンレベルの厚みの膜を形成する必要がある。スパッタリング法は、成膜材料の粒子を成膜対象物上に堆積させて膜を形成する技術であるから、形成する膜が厚くなる程、膜の形成に要する時間は長くなる。
従って、電磁波シールド膜を形成するためには、一般的なスパッタリング法よりも長い、数10分から1時間程度の処理時間を要することとなる。例えば、SUS、Cu、SUSの積層構造の電磁波シールド膜では、5μmの膜厚を得るために、1時間強の処理時間を要する場合がある。すると、プラズマを用いるスパッタリング法では、この処理時間中、電子部品の外装であるパッケージがプラズマの熱に晒され続けることになる。この結果、5μmの厚みの膜を得るまでに、パッケージは200℃前後まで加熱される場合がある。
一方、パッケージの耐熱温度は、数秒〜数10秒程度の一時的な加熱であれば200℃程度であるが、加熱が数分を超える場合、一般的には150℃程度である。このため、一般的なプラズマによるスパッタリング法を用いて、ミクロンレベルの電磁波シールド膜を形成することは困難であった。
そこで、本出願人は、特願2016−240856号にて電子部品を保護シートに配列し、その保護シートを冷却プレートに密着させることを提案している。保護シートは例えば粘着シートを介在させて冷却プレートに密着させることができる。スパッタリング法による成膜処理時に電子部品が加熱されたとしても、電子部品の熱は冷却プレートに伝熱されるため、電子部品に過剰に蓄熱されることが抑制されるものである。
国際公開第2013/035819号公報
電子部品は、最終的には、冷却プレートから外され、また保護シートから剥がされる。冷却プレートを外すには、冷却プレートを固定しておき、保護シートの外周囲に爪を引っ掛けて周囲から持ち上げる方法が考えられる。この方法によると、保護シートの中央領域が冷却プレートに最後まで残存し、保護シートはコーン形状に撓むことになる。そして、中央領域が冷却プレートから剥がれるとき、保護シートの伸縮性によって、中央領域が外周囲に追い付くように反発する。最悪の場合、保護シートに配列されている電子部品は、保護シートの反発力により加速し、保護シートから剥がれてバラバラに飛び散ってしまう。電子部品がバラバラに飛び散ってしまうと、電子部品を集め直して再整列させる労力が必要となり、また電子部品にダメージを及ぼす虞も生じる。
本発明は、電子部品が配列された保護シートに密着した冷却プレートを、電子部品が保護シートから離脱することを防止しつつ、外すことができる成膜装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、冷却プレートに密着させた保護シートに配列した電子部品に対する成膜装置であって、前記冷却プレートに密着させた前記保護シート上の前記電子部品に対して、スパッタリングにより成膜材料を堆積させて成膜する成膜処理部と、前記成膜処理部を経た後、前記冷却プレートを外すプレート解除部と、を備え、前記冷却プレートは、前記電子部品が配列される領域を含んだ範囲に表裏を貫通する空気孔が貫設され、前記プレート解除部は、前記冷却プレートの空気孔に臨み、正圧を発生させる正圧発生孔を有する載置台と、前記載置台が前記正圧発生孔を通じて前記電子部品が配列される領域を加圧している間、前記保護シートのうちの前記電子部品が配列される領域から外れた箇所を押さえ付けておき、前記電子部品が配列される領域が前記冷却プレートから離れた後、前記押さえ付けを解除する固定部と、を有すること、を特徴とする。
前記プレート解除部は、前記保護シートを挟んで前記冷却プレートとは反対側に位置し、前記保護シートと離間した平坦面を有し、前記平坦面は、前記電子部品が配列される領域が加圧されている間、前記電子部品が配列される領域における前記保護シートの膨らみを押さえ付けておくようにしてもよい。
前記プレート解除部は、前記平坦面に開口し、負圧が発生する負圧発生孔を有し、前記負圧発生孔は、前記正圧発生孔を通じての前記電子部品が配列される領域に対する加圧と共に、前記保護シートを吸い寄せるようにしてもよい。
前記冷却プレートは、前記電子部品が配列される領域から外れた箇所であって前記固定部によって押さえ付けられる箇所に、挿通孔を有し、前記プレート解除部は、前記電子部品が配列される領域が前記冷却プレートから離れた後、前記冷却プレートの前記挿通孔内を進出して、前記保護シートにおける前記固定部によって押さえ付けられている箇所を前記冷却プレートから離れる方向に押し上げるプッシャを有し、前記固定部は、前記押さえ付けを解除する際、前記プッシャの進出と共に、前記冷却プレートから離間するようにしてもよい。
本発明によれば、電子部品が保護シートから離脱することを防止しつつ、保護シートから冷却プレートを外すことができる。
成膜処理された電子部品を示す側面図である。 成膜処理を受ける電子部品の状態を示す側面図である。 成膜処理を受けるときの電子部品の状態を示す分解斜視図である。 電子部品の成膜プロセスフローを示す遷移図である。 成膜装置の構成を示すブロック図である。 埋込処理部の構成を示す模式図である。 埋込処理部の各工程での状態を模式的に示した遷移図である。 埋込処理部における電子部品間の拡大図である。 プレート装着部の構成を示す模式図である。 プレート装着部の各工程での状態を模式的に示した遷移図である。 成膜処理部の構成を示す模式図である。 プレート解除部の構成を示す模式図である。 プレート解除部の各工程での状態を模式的に示した遷移図である。 プレート解除部の他の構成を示す模式図である。 プレート解除部の更に他の構成を示す模式図である。 剥離処理部の構成を示す模式図である。 剥離処理部における部品埋込済みシートの上面を示す図である。 剥離処理部の各工程での状態を模式的に示した遷移図である。 電子部品の浮き上がりを阻止する態様を示す模式図である。 剥離処理部により電子部品を保護シートから剥離した後に電極を撮影した写真である。 剥離処理部において部品埋込済みシートの他の態様を示す上面図である。 剥離処理部において部品埋込済みシートの更に他の態様を示す上面図である。 剥離処理部において部品埋込済みシートの更に他の態様を示す上面図である。 成膜装置の他の構成を示すブロック図である。 従来の突き上げ装置の構成を示す模式図である。 従来の突き上げ装置において電子部品の突き上げを示す模式図である。 電子部品に粘着フィルムが再付着した後の電極の様子を示す写真である。
(電子部品)
図1は、成膜処理された電子部品を示す側面図である。図1に示すように、電子部品60の表面には電磁波シールド膜605が形成される。電子部品60は、半導体チップ、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ又はSAWフィルタ等の表面実装部品である。半導体チップは、複数の電子素子を集積化したICやLSI等の集積回路である。この電子部品は、BGA、LGA、SОP、QFP、WLP等の略直方体形状を有し、一面が電極露出面601となっている。電極露出面601は、電極602が露出し、実装基板と対面して実装基板と接続される面である。電極602は、ボールバンプやはんだボールバンプと呼ばれる電極で、直径が数10μm〜数100μmの球状に成形された半田(はんだボール)をパッド電極に搭載して形成される。
電磁波シールド膜605は電磁波を遮蔽する。電磁波シールド膜605は、例えばAl、Ag、Ti、Nb、Pd、Pt、Zr等の材料で形成される。電磁波シールド膜605はNi、Fe、Cr、Co等の磁性体材料で形成されてもよい。また、電磁波シールド膜605の下地層としてSUS、Ni、Ti、V、Ta等、また最表面の保護層としてSUS、Au等が成膜されていてもよい。
電磁波シールド膜605は、電子部品60の天面603及び側面604、即ち電極露出面601以外の外面に成膜される。天面603は電極露出面601とは反対の面である。側面604は天面603と電極露出面601とを繋ぎ、天面603及び電極露出面601とは異なる角度で延びる外周面である。電磁波遮断のシールド効果を得るためには、電磁波シールド膜605は少なくとも天面603に形成されていればよい。側面604には図外グランドピンが存在している。側面に対する電磁波シールド膜605の形成は、電磁波シールド膜605の接地のためでもある。
(成膜処理時)
図2は、成膜処理を受けた後の電子部品の状態を示す側面図である。また図3は、成膜処理を受けるときの電子部品の状態を示す分解斜視図である。図2及び図3に示すように、電子部品60は、予め保護シート61に電極602が埋設され、また保護シート61に電極露出面601が密着している。保護シート61への電極602の埋設より、電磁波シールド膜605の粒子が電極602に及ぶことが阻止される。また電極露出面601と保護シート61との密着により、電磁波シールド膜605の粒子が電極露出面601と保護シート61との間に入り込む余地も無くし、電極602に電磁波シールド膜605の粒子が及ぶ可能性を低下させている。
保護シート61は、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)などの耐熱性のある合成樹脂である。保護シート61の一面は、電極602が食い込む柔軟性と、電極露出面601が密着する粘着性を有する粘着面(粘着層)611となっている。粘着面611としては、シリコーン系、アクリル系の樹脂、その他、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂など、接着性のある種々の材料が用いられる。
粘着面611は、保護シート61の端から内側へ所定距離まで及ぶ外枠領域613と、外枠領域613の内周から内側へ所定距離まで及ぶ中枠領域614と、中枠領域614よりも内側の部品配列領域615に区分される。電子部品60は部品配列領域615に貼り付けられる。外枠領域613には、枠状のフレーム62が貼り付けられる。中枠領域614は、保護シート61の撓みが生じる範囲であり、フレーム62も電子部品60も貼り付けられない。尚、粘着面611の反対面は非粘着面612である。
保護シート61は粘着シート64を介して冷却プレート63に貼着される。冷却プレート63は、SUS等の金属、セラミクス、樹脂、又はその他熱伝導性の高い材質で形成される。この冷却プレート63は、電子部品の熱を逃がし、過剰な蓄熱を抑制する放熱路である。粘着シート64は、両面が粘着性を有し、保護シート61と冷却プレート63との密着性を高め、冷却プレート63への伝熱面積を確保する。
部品配列領域615の表面からフレーム62の上端面までの高さH1は、部品配列領域615の表面から電子部品60の天面603までの高さH2よりも高い。尚、高さH1は便宜上厚みH1と言い換える場合もあるが同じ意味である。要するに、フレーム62に平板を載せたものとすると、電子部品60の天面603が該平板に未達となっている。
フレーム62の一端部には案内部挿通孔621が貫設されている。案内部挿通孔621は、フレーム62の端部に沿って長い長円、矩形、丸円等の開口を有し、保護シート61に貼り付く面とその反対の露出面とを貫いて貫設されている。即ち、例えば棒状部材を案内部挿通孔621に差し込み、保護シート61の端を押すと(図18参照)と、保護シート61の一端部がフレーム62から剥離するようになっている。
冷却プレート63及び粘着シート64にはプッシャ挿通孔631が形成されている。プッシャ挿通孔631は、案内部挿通孔621とは合致せず、フレーム62によって閉塞される位置に貫設されている。プッシャ挿通孔631に例えば棒状部材を差し込み、棒状部材の先端でフレーム62を押し上げると、フレーム62全体が平行に持ち上がるように、プッシャ挿通孔631は複数貫設される。例えば、フレーム62が外形矩形の枠体であれば、四隅又は更に各辺中心にプッシャ挿通孔631が位置する。フレーム62の平行維持の観点では、棒状部材は、矩形状の先端面を有することが望ましく、即ち細板状や断面L字型形状等が望ましいが、これに限らず丸円状の先端面を有していてもよい。プッシャ挿通孔631は、対応して矩形状、L字状又は丸円状を有する。
更に、冷却プレート63及び粘着シート64には、保護シート61の中枠領域614及び部品配列領域615が貼り付く範囲の全域に等間隔で微細な空気孔632が多数形成されている。この空気孔632は、例えば微小円筒形状やスリット状である。冷却プレート63に貼り付いた保護シート61の少なくとも部品配列領域615に対し、空気孔632を通じて斑無く負圧又は正圧を与えるために、当該空気孔632は設けられている。この空気孔632の数や貫設間隔及び貫設範囲はこれに限られるものではなく、例えば、部品配置領域615に対応する範囲のみに設けるようにしても、冷却プレート63及び粘着シート64の中心に空気孔632を密に配する一方、外側は疎に配するようにしても、また部品配置領域615の中央に対応する位置に一つだけ設けるようにしてもよい。
(成膜プロセスフロー)
成膜プロセスにおいては、部品載置工程、部品埋込工程、プレート装着工程、成膜工程、プレート外し工程及び部品剥離工程を経て、電磁波シールド膜605が形成されて個片に分離した電子部品60が得られる。
図4は、電子部品の成膜プロセスフローを示す図である。図4に示すように、部品載置工程では、保護シート61にフレーム62が貼着した部品未載置シート65に対し、電子部品60の電極露出面601を向かい合わせにした状態で、部品配列領域615に電子部品60を並べる。保護シート61にフレーム62が貼り付けられ、更に電子部品60が配列されているが、電極602が未だ埋設されていない状態を部品載置済みシート66という。
部品埋込工程では、部品載置済みシート66に対し、電極602を保護シート61に埋め込み、電極露出面601を保護シート61に密着させる。電磁波シールド膜605の形成及び未形成を問わず、電極602が保護シート61に埋設された状態を部品埋込済みシート67という。プレート装着工程では、部品埋込済みシート67を粘着シート64を介して冷却プレート63に密着させる。この冷却プレート63を装着した状態を部品搭載プレート68という。
成膜工程では、電子部品60の天面603側から電磁波シールド膜605の粒子を堆積させ、電子部品60に電磁波シールド膜605を形成する。このとき、電子部品60の電極602は保護シート61に埋没しており、また電極露出面601は保護シート61に密着しており、電磁波シールド膜605の粒子が電極602に付着することが防止される。
プレート解除工程では、冷却プレート63を取り外し、部品埋込済みシート67の形態に戻す。そして、部品剥離工程では、保護シート61から電子部品60を剥がし、部品未載置シート65と個々の電子部品60とに分離する。また、フレーム62の再使用に備えて、フレーム62から保護シート61を剥がす。以上により成膜処理が終了する。
(成膜装置)
以上の成膜プロセスフローのうち、部品埋込工程、プレート装着工程、成膜工程、プレート解除工程及び部品剥離工程を担う成膜装置を図5に示す。図5に示すように、成膜装置7は、埋込処理部1、プレート装着部2、成膜処理部3、プレート解除部4及び剥離処理部5を備えている。各部間は搬送部73によって接続され、各工程で必要な部材が投入され、各工程で処理を終えた部材が排出される。搬送部73は、例えばコンベアであり、ボールネジ等で直線軌道に沿って可動な搬送テーブルでもよい。
また、成膜装置7には、埋込処理部1、プレート装着部2、成膜処理部3、プレート解除部4及び剥離処理部5が備える各構成要素の動作タイミングを制御するCPU、ROM、RAM及び信号送信回路を有するコンピュータ又はマイコン等の制御部74が収容されている。更に、埋込処理部1、プレート装着部2、成膜処理部3、プレート解除部4及び剥離処理部5に対して正圧や負圧を供給する空気圧回路75が収容されている。制御部74は、空気圧回路75内の電磁弁についても制御し、負圧発生、負圧解除、正圧発生及び正圧解除を切り替えている。
(埋込処理部)
部品埋込工程を担う埋込処理部1について説明する。図6は、埋込処理部1の構成を示す模式図である。埋込処理部1には部品載置済みシート66が投入される。埋込処理部1は、電子部品60を制止しながら保護シート61を電子部品60に引き寄せ、また保護シート61を電子部品60に押し付ける。これにより、埋込処理部1は、電子部品60の電極602を保護シート61に食い込ませ、更に電極露出面601を保護シート61に密着させる。
図6に示すように、この埋込処理部1は天井部11と載置台12とを備えている。天井部11と載置台12は共に内部空間111、121を有するブロックである。天井部11と載置台12は対向配置され、対向側に互いに平行な平坦面112、122を有する。両平坦面112、122は、部品載置済みシート66と同大同形状か、若しくは部品載置済みシート66よりも広い。載置台12は位置不動である。一方、天井部11は載置台12に対して昇降可能になっている。天井部11は、少なくとも、部品載置済みシート66のフレーム62の厚みH1の距離まで載置台12に近づく。
この載置台12には部品載置済みシート66が載せられる。載置台12の平坦面122が部品載置済みシート66の載置面になっている。この平坦面122は粘着力のある滑り止め部材により成る。また、載置台12の平坦面122には、内部空間121に通じる多数の空気孔123が貫設されている。空気孔123の貫設範囲は、部品載置済みシート66のフレーム62の内側と同大同形状の範囲か、少なくとも部品配列領域615と同大同形状である。空気孔123の貫設位置は、部品載置済みシート66が載置台12に載せられた際、フレーム62の内側の領域と対面する位置、又は部品配列領域615と対面する位置である。
載置台12の内部空間121には、平坦面122とは異なる箇所に更に空気圧供給孔124が貫設されている。空気圧供給孔124は、図外のコンプレッサ、負圧供給管、正圧供給管等を含む空気圧回路75に接続している。そのため、空気圧供給孔124と内部空間121を通じて、空気孔123には正圧又は負圧が選択的に発生する。空気孔123、空気圧供給孔124及び空気圧回路75は、圧力調整部として機能する。
更に、載置台12の平坦面122には、載置台12を貫くプッシャ挿通孔125が開口している。プッシャ挿通孔125は、空気孔123の貫設範囲外に設けられている。詳細には、プッシャ挿通孔125の貫設位置は、部品載置済みシート66が載せられた際、フレーム62の案内部挿通孔621を避けて、フレーム62によって閉塞される位置である。このプッシャ挿通孔125には、プッシャ13が挿通されている。プッシャ13は、載置台12の平坦面122から出没可能となっている。このプッシャ13は、プッシャ挿通孔125から突出した際、部品載置済みシート66を載置台12から離間させ、平行に持ち上げ、支持できる程度の剛性、数及び配置間隔で設置されている。例えばフレーム62の外形が矩形であると、フレーム62の各角に対応させて棒体が配置される。
次に、天井部11の平坦面112にも内部空間111に通じる多数の空気孔113が貫設されている。空気孔113の貫設範囲は、部品載置済みシート66のフレーム62の内側と同大同形状の範囲か、少なくとも部品配列領域615と同大同形状であり、部品配列領域615全体に亘る。空気孔113の貫設位置は、部品載置済みシート66が載置台12に載せられた際、フレーム62の内側の領域と対面する位置、又は部品配列領域と対面する位置である。
天井部11の内部空間111には、平坦面112とは異なる箇所に空気圧供給孔114が貫設されている。空気圧供給孔114は、図外のコンプレッサ、負圧供給管等を含む空気圧回路75に接続している。そのため、空気圧供給孔114と内部空間111を通じて、空気孔113には負圧が発生する。空気孔113、空気圧供給孔114及び空気圧回路75は、減圧部として機能する。
更に、天井部11の平坦面112には、載置台12に載せられた部品載置済みシート66のフレーム62に沿って、空気孔113の貫設範囲を囲むOリング115が設置されている。
図7に、このような埋込処理部1の動作の流れを示す。図7は、埋込処理部1の各工程での状態を模式的に示した遷移図である。まず、図7の(a)に示すように、部品載置済みシート66が埋込処理部1に投入される。天井部11は載置台12から十分に離間し、プッシャ13は先端を載置台12の平坦面122から突出しておく。部品載置済みシート66の投入では、プッシャ13に部品載置済みシート66のフレーム62を合わせ、プッシャ13に部品載置済みシート66を支持させる。
次に、図7の(b)に示すように、プッシャ13をプッシャ挿通孔125内へ後退させる。これにより、部品載置済みシート66は載置台12の平坦面122に降りる。また天井部11を載置台12に向けて移動させる。そして、天井部11の平坦面112と載置台12の平坦面122で部品載置済みのフレーム62を挟み込む。部品配列領域615の表面からフレーム62の上端面までの高さH1は、部品配列領域615の表面から電子部品60の天面603までの高さH2よりも高い。従って、フレーム62を挟み込んだとき、電子部品60の天面603は天井部11の平坦面112に未達である。そのため、天井部11の平坦面112と保護シート61とフレーム62とで囲まれ、Oリング115でシーリングされた密閉空間14に、電子部品60が載った部品配列領域615が閉じ込められる。
部品配列領域615を密閉空間14に閉じ込めると、図7の(c)に示すように、載置台12の空気孔123に負圧を発生させ、保護シート61を平坦面122に吸い付ける。続いて、図7の(d)に示すように、天井部11の空気孔113にも負圧を発生させ、部品配列領域615が閉じ込められた密閉空間14を減圧する。減圧の程度は、両空気孔113、123が及ぼす圧力が同じで、真空に近いことが望ましい。載置台12の空気孔123が先行して負圧を発生しているのは、保護シート61を載置台12に吸い付けておくことで、密閉空間14の減圧過程で保護シート61の上側の気圧が下側の気圧に対して過大になること、及びこれにより電子部品60が天井部11の平坦面112に勢いよく突進することを抑制するためである。尚、この段階では、電子部品60は電極602が保護シート61の粘着面611に埋設していない状態で保護シート61に載置されているので、電極露出面601と粘着面611との間には隙間が存在し、この隙間も減圧される。
減圧が完了すると、図7の(e)に示すように、天井部11側の負圧を維持したまま、載置台12側の空気孔123を負圧から正圧に徐々に変化させ、載置台12の空気孔123を正圧に転換する。電子部品60と保護シート61は天井部11の平坦面112に緩やかに吸い上げられ、また緩やかに押し上げられる。電子部品60は天井部11の平坦面112に押し付けられて制止させられる。一方、保護シート61は粘着面611が柔軟性を有するので、電子部品60が制止させられた後も平坦面112に更に吸い寄せられ、また平坦面112に向けて更に押し上げられる。
そうすると、保護シート61、より具体的には保護シート61の粘着面611に電子部品60の電極602が埋まっていき、更に電子部品60の電極露出面601が保護シート61に密着する。このとき、天井部11の平坦面112は部品配列領域615を包含し、部品配列領域615を平坦に倣わせている。換言すれば、部品配列領域615が湾曲することはない。そのため、部品配列領域615の端で電極602の埋設不足、又は電極露出面601の密着不足が生じることが防がれる。
この電極露出面601と保護シート61との密着過程は減圧環境下で行われており、密閉空間には空気が無いか非常に少なくなっている。そのため、電極露出面601と保護シート61との間に気泡が侵入する可能性は低くなっている。
更に、図8は、埋込処理部1における電子部品60間の拡大図である。図8に示すように、載置台12で発生している正圧は、保護シート61の少なくとも部品配列領域615を斑無く押し上げる。そうすると、柔軟性を有する保護シート61は、隣接の電子部品60間の各ギャップにおいて、電子部品60に阻まれることなく天井部11の平坦面112に向けて更に押し込まれることになる。そうすると、保護シート61の粘着面611は、電子部品60の側面下部に至るまで隆起し、電子部品60の側面下部にも保護シート61が密着する。そのため、電極露出面601と保護シート61との間に電磁波シールド膜605の粒子が入り込むことがより確実に防止できる。
電子部品60の電極602が保護シート61に埋設され、また電子部品60の電極露出面601と側面下部とが保護シート61に密着すると、図7の(f)に示すように、プッシャ13をプッシャ挿通孔125に沿って軸方向に移動させ、載置台12の平坦面122から再度出現させる。同時に、プッシャ13の進行速度と等速で天井部11を載置台12から離す。最後に、図7の(g)に示すように、プッシャ13を停止させ、更に天井部11を載置台12から離すことで、部品埋込済みシート67の挟み込みを解除する。これにより、埋込処理部1による電子部品60の保護シート61への埋め込みが完了する。
尚、天井部11側の負圧と載置台12側の正圧は、図7(e)で保護シート61に対する電子部品60の電極露出面601の密着が完了してから図7(g)で天井部11を上昇させるまでの間に解除すればよい。天井部11側の負圧に関しては、図7(g)で天井部11を上昇する直前に解除すると、図7(f)でのプッシャ13の上昇時に電子部品60を保護シート60上で安定して保持できるので好ましい。
このように、天井部11と載置台12はフレーム62を両面から挟み込むことで部品載置済みシート66を挟み込む固定部となっている。また、天井部11と保護シート61とフレーム62とは、部品配列領域615を閉じ込める密閉空間14を画成する。Oリング115は、シーリングにより密閉空間14の信頼性を高めている。更に、天井部11と載置台12の空気孔113は、密閉空間14を減圧する減圧部となっている。
そして、載置台12の平坦面122は、部品載置済みシート66の載置面となる。載置台12の平坦面122に開口する空気孔123は、密閉空間14の減圧の際に先行して負圧を発生し、電子部品60が天井部11の平坦面112に突進することを防ぐ衝突防止手段、天井部11の負圧と相俟って正圧により部品配列領域615を天井部11の平坦面112に押し付けて電子部品60の電極602を埋設する押圧手段となる。
また、天井部11の平坦面112は、部品配列領域615を平坦に倣わせ、電極602の埋設効果、電極露出面601の密着効果を高める平坦化手段となっている。天井部11の平坦面112に開口する空気孔113は、載置台12の正圧と相俟って負圧により部品配列領域615を天井部11の平坦面112に押し付けて電子部品60の電極602を埋設する吸い上げ手段、載置台12の正圧と相俟って電子部品60の間のギャップに保護シート61を吸い上げて電子部品60の側面下部まで密着させる側面下部被覆手段となる。
このように、埋込処理部1は保護シート61の粘着面611に電子部品60の電極602を埋設するが、電子部品60と部品配列領域615とが含まれた空間を減圧する減圧部とを有するようにした。そして、減圧の後、電子部品60と保護シート61とを押し付け合うようにした。これにより、電子部品60と保護シート61との間に気泡が入り込んで密着不足となることはなく、電子部品60と保護シート61との間に隙間が生じる虞が低下し、電磁波シールド膜605の粒子が電極602に付着する事態を回避できる。
また、埋込処理部1は、天井部11の平坦面112と、保護シート61を挟んで平坦面112とは反対側の空間の圧力を調整する圧力調整部を備えるようにした。平坦面112は、電子部品60を挟んで保護シート61とは反対に位置し、電子部品60に対向する。また、例えば空気孔123、空気圧供給孔124及び空気圧回路75が圧力調整部の例である。この圧力調整部は、保護シート61と平坦面112との間の空間よりも、載置台12と保護シート61との間、即ち保護シート61を挟んで平坦面112とは反対側の空間の圧力を相対的に大にした。
これにより、電子部品60と保護シート61を平坦面112に向かわせ、平坦面112を歯止めにして電子部品60と保護シート61とが押し付け合うようにした。従って、保護シート61の部品配列領域615は平坦に倣い、電子部品60の電極露出面601と保護シート61とが平行になった状態で互いに押し付け合う。そのため、気泡が入り込む余地が更になくなる。
電子部品60及び保護シート61の厚みは、均一ではなく、ばらつきが存在する。密閉空間14の圧力と載置台12と保護シート61との間の圧力との差圧は、この厚みのばらつきに関係なく電子部品60及び保護シート61に満遍なく押し付け合う力を付与できるので、複数の電子部品60のそれぞれの複数の電極602と保護シート61の粘着面611との間に十分な押し付け力を確実に与えることができ、各電子部品60の各電極602を保護シート61に埋め込むことができる。
また、埋込処理部1は、載置台12の平坦面122、即ち保護シート61を挟んで平坦面112とは反対に位置する載置面を有するようにした。そして、この載置面に開口し、減圧に先立って負圧を発生させて保護シート61を平坦面112から離間させる空気孔123を載置台12に形成した。これにより、減圧中に電子部品が平坦面112に勢い良く突進することで、電子部品60が損傷してしまうことを抑制できる。
電子部品60と保護シート61とを押し付け合わせる天井部11の空気孔113と載置台12の空気孔123を減圧部として用いたが、密閉空間14に別途第3の空気孔を形成し、その第3の空気孔に負圧を発生させて減圧するようにしてもよい。
また、載置台12側の空気孔123は、減圧後に正圧の発生に転じ、平坦面112で制止している電子部品60に対して保護シート61を更に押し付けるようにした。これにより、電子部品60間のギャップに保護シート61と共に粘着面611が隆起し、電子部品60の側面下部も保護シート61で被覆することができる。そのため、電極露出面601と保護シート61との間に隙間が生じることを確実に防止できる。また、側面下部に細板状の電極を有するSОPやQFP等の電子部品であっても、電極602を保護シート61で被覆し、電磁波シールド膜605の粒子が付着することを阻止でき、この成膜装置7を適用可能となる。
尚、本実施形態では、天井部11に負圧を発生させ、保護シート61を挟んで天井部11とは反対側の載置台12には正圧を発生させている。第1に、電子部品60と保護シート61とを押し付け合うため、第2に、電子部品60間のギャップに粘着面611を隆起させて側面下部を覆うためである。
但し、電子部品60と保護シート61を押し付け合うことを達成するためには、この大きさの差圧は必須ではない。電子部品60の電極602が保護シート61に埋め込まれる差圧は、保護シート61の柔軟性に応じるものであり、載置台12側を正圧に転じさせなくとも、載置台12側の負圧を天井部11側の負圧よりも弱めるようにしてもよい。即ち、相対的に大とは、天井部11側が負圧で載置台12が大気圧を含む正圧である場合と、載置台12の負圧は天井部11側の負圧よりも高いが、大気圧よりも低い場合とを含み、天井部11側と載置台12側とによって電極602を保護シート61に埋設可能な差圧を作出できればよい。
もっとも、天井部11側の負圧と、保護シート61を挟んで天井部11とは反対側の載置台12に発生させる大気圧又は大気圧を超える圧力との差圧によって電子部品60と保護シート61とを押し付ける場合は、大きな押し付け力を加えることができるので、複数の電子部品60のそれぞれの複数の電極602と保護シート61の粘着面611との間に十分な押し付け力を確実に与えることができ、各電子部品60の各電極602を保護シート61に埋め込むことができる。
また、差圧により保護シート61は押し上げられるが、部品配列領域615の押し上げ量は、平坦面112により決定される。つまり、保護シート61の変形量が平坦面112で規定されるので、差圧による押し上げ力は、部品配列領域615の電子部品60間のギャップにも加わる。このとき、電子部品60間のギャップは平坦面112とは接していないので、ギャップの上には減圧空間が存在する。このため、保護シート61とともにギャップ部分の粘着面611が差圧により隆起し、電子部品60の側面下部も保護シート61で被覆できるものである。
そこで、本実施形態では、電子部品60の側面下部を被覆するために、天井部11で負圧を発生させ、載置台12で正圧を発生させて、部品配列領域615を天井部11の平坦面112に押し付けるようにした。但し、保護シート61の柔軟性によっては、天井部11側の真空に近い圧力と載置台12側の大気圧又は大気圧を超える圧力との差圧でなくとも、粘着面611が電子部品60間のギャップに隆起可能な場合がある。従って、電子部品60の側面下部を覆うためには載置台12側を正圧に転じさせることが望ましいが、載置台12側を正圧に調整することは必須ではない。即ち、保護シート61の柔軟性に応じて差圧を調整できればよく、保護シート61の柔軟性によっては、減圧完了後、載置台12側の圧力を大気圧までは及ばなくとも負圧を弱めたりしてもよい。
また、後述の電磁波シールド膜605は、電子部品60のグランド配線と接続することでシールド性能を高めることができる。このグランド配線は、外部に不要な電磁波を逃がすための配線で、一般的に電子部品60の側面に形成される。電子部品60の側面下部に至る粘着面611の隆起により電磁波シールド膜605とグランド配線との接続を妨げることは避ける必要がある。
この埋込処理部1は、天井部11側と載置台12側の圧力を独立して調整し、所望の差圧を作出できるので、電子部品60の側面下部に至る隆起の高さを調整することができ、電子部品60の側面下部に均一に制御することができる。即ち、側面下部を保護シート61に密着させることで、電極602に至る隙間を更に確実に封じ、または電子部品60がSОPやQFP等であり側面下部の電極を保護シート61に埋設しつつ、側面604のグランド配線には保護シート61が及ばずにグランド配線を露出させた状態とすることができる。
尚、天井部11の動作機構及びプッシャ43の動作機構は公知の機構を適用でき、本発明は機構のメカニズムに限定されるものではない。
例えば、天井部11には、天井部11から載置台12に向かう方向に軸を延ばしたボールネジと、天井部11から載置台12に向かう方向に延びるレールガイドに接続されている。天井部11は、ネジ軸の回転方向に従ってレールに沿って載置台に向けて移動する。天井部11は、部品載置済みシート66のフレーム62の厚みH1の距離まで、天井部11が載置台12に近づくように、ボールネジ及びレールガイドは延びている。なお、天井部11と載置台12とは相対的に移動できればよいので、天井部11が移動するものに限らず、載置台12が移動するようにしてもよいし、天井部11と載置台12の双方が移動するようにしてもよい。
また、プッシャ13は、後端部がカムフォロアになっている。カムフォロアは、卵形のカムの周面を従動する。カムは回転モータに軸支され、周方向に回転可能となっている。回転モータが駆動し、カムが回転すると、カムフォロアがカムの膨出部を登り、プッシャ13が押し上げられ、プッシャ13の先端が挿通孔から突き出す。
更に、部品載置済みシート66の固定方法としては、天井部11と載置台12とでフレーム62を挟み込むようにし、天井部11と載置台12とフレーム62とで密閉空間14を画成し、載置台12の空気孔123に正圧と負圧の双方を選択的に発生させるようにしたが、これらに限られない。例えば、天井部11と載置台12の一方又は両方をカップ形状とし、部品載置済みシート66を天井部11と載置台12とで画成する内部空間に収容するようにしてもよい。フレーム62を両脇から挟み込むブロック体を備え、ブロック体で部品載置済みシート66を挟持してもよい。この場合、フレーム62の高さは問わない。載置台12の平坦面122に負圧を発生させる貫通孔と正圧を発生させる貫通孔の両方を形成するようにしてもよい。
(プレート装着部)
次に、プレート装着工程を担うプレート装着部2について説明する。図9は、プレート装着部2の構成を示す模式図である。プレート装着部2には、埋込処理部1で作成された部品埋込済みシート67と、粘着シート64が予め貼り付けられた冷却プレート63とが投入される。プレート装着部2は、部品埋込済みシート67を冷却プレート63に押し付け、また部品埋込済みシート67を冷却プレート63に引き付けることで、粘着シート64を介して部品埋込済みシート67を冷却プレート63に密着させる。
図9に示すように、このプレート装着部2は、天井部21と載置台22とを備えている。天井部21と載置台22は対向配置されている。載置台22は位置不動である。一方、天井部21は載置台22に対して昇降可能となっている。天井部21は、少なくとも、部品埋込済みシート67のフレーム62の厚みH1の距離まで載置台22に近づく。
天井部21は内部空間211を有するブロックであり、載置台22に向く面に平坦面212を有している。載置台22は、有底のカップ形状を有する。載置台22の開口221は天井部21に向く。天井部21の平坦面212は、部品埋込済みシート67と同大同形状か、若しくは部品埋込済みシート67よりも広い。一方、載置台22の開口221は、部品配列領域615以上中枠領域614以下の包含面積を有する。載置台22の開口221回りの縁部222はフレーム62の幅以上の幅を有する。
この載置台22においては、縁部222は冷却プレート63を支持し、開口221は冷却プレート63で閉塞される。冷却プレート63は、粘着シート64が貼り付けられた面とは反対の面が縁部222に当接する。更に、部品埋込済みシート67は、粘着シート64と対面させて冷却プレート63に載せられる。載置台22の底には、空気圧供給孔223が貫設されている。空気圧供給孔223は、図外のコンプレッサ、負圧供給管等を含む空気圧回路75に接続している。そのため、開口221を閉塞して載置された冷却プレート63の空気孔632には負圧が発生する。尚、粘着シート64は、プレート装着部2に投入される前に保護シート61の非粘着面612へ予め貼り付けられていてもよい。
更に、載置台22の縁部222には、載置台22を貫くプッシャ挿通孔224が貫設されている。プッシャ挿通孔224の貫設位置は、冷却プレート63のプッシャ挿通孔631と合致し、一方で部品埋込済みシート67が載せられた際、フレーム62の案内部挿通孔621を避けて、フレーム62によって閉塞される位置である。このプッシャ挿通孔631には、プッシャ23が挿通されている。このプッシャ23は、載置台22、冷却プレート63及び粘着シート64を貫いて出没可能となっている。
プッシャ23は、冷却プレート63から突出させた状態で、部品埋込済みシート67を冷却プレート63から離して平行に支持できる程度の剛性、数及び位置関係で設置されている。例えば、フレーム62の外形が矩形であると、フレーム62の各角に対応させて棒体として配置される。プッシャ挿通孔631もプッシャ23の数及び位置関係に対応して設けられる。
次に、天井部21の平坦面212には、内部空間211に通じる多数の空気孔213が貫設されている。空気孔213の貫設範囲は、部品埋込済みシート67のフレーム62の内側と同大同形状の範囲か、少なくとも部品配列領域615と同大同形状である。空気孔213の貫設位置は、部品埋込済みシート67が載置台22に載せられた際、部品配列領域615が被さる位置である。
天井部21の内部空間211には、平坦面212と異なる箇所に空気圧供給孔214が貫設されている。空気圧供給孔214は、図外のコンプレッサ、正圧供給管、負圧供給管等を含む空気圧回路75に接続している。そのため、空気圧供給孔214と内部空間211を通じて、空気孔213には正圧及び負圧が選択的に発生する。即ち、天井部21の内部空間211、平坦面212、空気孔213、空気圧供給孔214および空気圧回路75は、保護シート保持部としての機能と正圧部としての機能を有する、空気圧回路75が空気孔213に負圧を発生させた場合、保護シート保持部の機能を発揮し、空気圧回路75が空気孔213に正圧を発生させた場合、正圧部の機能を発揮する。
更に、天井部21の平坦面212には、載置台22に載せられた部品埋込済みシート67のフレーム62に沿って、空気孔213の貫設範囲を囲むOリング215が設置されている。即ち、天井部21の平坦面212の外周部は、Oリング215を介してフレーム62を押圧し、保護シート61の外周部を冷却プレート63に押し付ける。つまり、天井部21は、保護シート61の外周部を冷却プレート63に押し付ける押し付け部としての機能を有する。
図10に、このようなプレート装着部2の動作の流れを示す。図10は、プレート装着部2の各工程での状態を模式的に示した遷移図である。まず、図10の(a)に示すように、まず天井部21を載置台22から離しておく。載置台22には冷却プレート63が予め載置されている。またプッシャ23を載置台22、冷却プレート63及び粘着シート64を貫いて、天井部21に向けて突き出しておく。この状態で、プッシャ23に部品埋込済みシート67のフレーム62を合わせて、プッシャ23で部品埋込済みシート67を支持させる。そして、天井部21をプッシャ23に向けて降ろし、天井部21とプッシャ23で部品埋込済みシート67のフレーム62を挟み込む。
このとき、部品配列領域615の表面からフレーム62の上面までの高さH1は、部品配列領域615の表面から電子部品60の天面603までの高さH2よりも高い。そのため、フレーム62を挟み込んだとき、電子部品60の天面603は天井部21の平坦面212に未達である。従って、天井部21と保護シート61とフレーム62とで画成され、Oリング215でシーリングされた密閉空間24aに、少なくとも部品配列領域615が閉じ込められる。
部品配列領域615を密閉空間24aに閉じ込めると、天井部21の平坦面212に負圧を発生させる。平坦面212には電子部品60が吸い付けられる。部品埋込済みシート67は中枠領域614で歪みが発生し、部品配列領域615全域は平坦に倣ったまま、平坦面212に吸い寄せられる。そのため、部品配列領域615が湾曲するように撓むことはなく、埋め込まれた電極602が保護シート61から離脱してしまうことはない。なお、天井部21の平坦面212には、電子部品60が平坦面212に向けて勢い良く突進することの無いように、徐々に圧力を下げて負圧を発生させるとよい。このときの負圧の大きさは、制御部74に予め設定されている。後述の密閉空間24bの減圧との関係を考慮すると真空(0気圧)に近い圧力であることが好ましい。
次に、図10の(b)に示すように、プッシャ23と天井部21とを等速で載置台22に向けて降ろす。そして、部品埋込済みシート67のフレーム62の領域を冷却プレート63上の粘着シート64に接触させる。更に、天井部21を載置台22に向けて移動させて押し付けることで、フレーム62の領域を粘着シート64に貼着する。前述の部品埋込済みシート67のフレーム62の領域を冷却プレート63上の粘着シート64に接触させた時点では、天井部21の負圧は維持されており、部品埋込済みシート67は天井部21の平坦面212に吸い寄せられているので、部品配列領域615は粘着シート64に対して非接触(離間状態)である。
ここで、天井部21で負圧を発生させていない場合、空気の存在環境下で部品埋込済みシート67が粘着シート64に接触してしまう。そうすると、部品埋込済みシート67と粘着シート64との間に気泡が入り込む虞がある。気泡が入り込むと、冷却プレート63に至る断熱面積は減少し、成膜時における電子部品60の放熱効果は低下する。しかしながら、このプレート装着部2では、空気の存在環境下では、部品埋込済みシート67を粘着シート64から離す方向に上げているので気泡の入り込みは阻止されている。
フレーム62が保護シート61を介して粘着シート64に密着、つまり、押し付けられると、保護シート61と冷却プレート63とフレーム62とで画成され、保護シート61の非粘着面612と冷却プレート63の粘着シート64側とが密閉空間24bに閉じ込められる。密閉空間24bが形成されると、図10の(c)に示すように、天井部21の負圧を維持したまま、載置台22にも負圧を発生させる。言い換えれば、天井部21によって保護シート61の外周部(外枠領域613)が押し付けられた状態下で、密閉空間24bを減圧する。冷却プレート63の空気孔632と粘着シート64の空気孔632を通じて、粘着シート64が設置された冷却プレート63と保護シート61との間の密閉空間24bは減圧される。このとき載置台22に発生させる負圧は、天井部21に発生させている負圧よりも若干大気圧に近い負圧で、天井部21への電子部品60の吸着を維持できる大きさにするとよい。この負圧は、制御部74に予め設定されている。
粘着シート64が設置された冷却プレート63と保護シート61との間の密閉空間24bの予め設定された負圧への減圧が完了すると、図10の(d)に示すように、載置台22の負圧を維持したまま、天井部21の負圧を正圧に徐々に変化させる。言い換えれば、密閉空間24bの減圧が維持された状態下で、天井部21による保護シート61の保持を解除する。部品埋込済みシート67は、粘着シート64に向けて緩やかに吸い降ろされ、また押し下げられ、部品埋込済みシート67は冷却プレート63に貼着された粘着シート64に押し付けられる。そして、部品埋込済みシート67は、粘着シート64を介して冷却プレート63に装着される。
尚、載置台22側の負圧と天井部21側の負圧とを同一又は略同一とすれば、保護シート61が弾性収縮し、保護シート61が粘着シート64に接触する。そのため、載置台22側の負圧を天井部21側の負圧と同一又は略同一にし、接触があった後で、天井部21側の負圧を正圧に徐々に変化させてもよい。
最後に、図10の(e)に示すように、天井部21を載置台22から引き離すように移動させることにより、部品埋込済みシート67と粘着シート64と冷却プレート63を重ねた上での挟み込みを解除する。これにより、電子部品60と保護シート61と粘着シート64と冷却プレート63とにより成る部品搭載プレート68の作製が完了する。なお、天井部21に発生させている正圧と載置部22に発生させている負圧は、天井部21を載置台22から引き離している間に解除すればよい。
即ち、天井部21とプッシャ23と載置台22は、部品埋込済みシート67と冷却プレート63とを接近させる駆動部となっている。天井部21と載置台22は部品埋込済みシート67と冷却プレート63を挟み込む固定部となり、またフレーム62と冷却プレート63を押し付けて密着させる押し付け部ともなっている。また、載置台22の空気圧供給孔223は、部品埋込済みシート67と冷却プレート63との間の密閉空間24bを減圧する減圧部となっている。また、天井部21の空気孔213は、天井部21の平坦面212と部品埋込済みシート67との間の密閉空間24aを減圧する減圧部となっている。
天井部21の平坦面212は、部品埋込済みシート67と冷却プレート63との間の減圧に先行して負圧を発生させることで、部品埋込済みシート67を保持し、部品埋込済みシート67と冷却プレート63との間に気泡が入ることを防止する離隔手段、載置台22の負圧による吸い付けと相俟って正圧部として正圧により、部品埋込済みシート67を冷却プレート63に密着させる押圧手段となる。そして、載置台22は、天井部21の正圧による押し付けと相俟って負圧により部品埋込済みシート67を冷却プレート63に密着させる吸い付け手段となる。
このように、プレート装着部2は、電子部品60の電極602が埋設された保護シート61を冷却プレート63に貼り付ける。このプレート装着部2は、保護シート61のフレーム62等の外周部を冷却プレート63に押し付ける押し付け部として天井部21を有し、また部品配列領域615と冷却プレート63との間の空間を減圧する減圧部とを有する。また、このプレート装着部2は、減圧部による減圧がされた状態下で、保護シート61と冷却プレート63とを粘着シート64を介して押し付け合う。これにより、保護シート61と冷却プレート63との間に気泡が入ることがなく密着させることができ、冷却プレート63への伝熱面積を十分に確保することができる。
また、プレート装着部2は、天井部21の平坦面212、即ち保護シート61を挟んで冷却プレート63とは反対側に、負圧により保護シート61を吸い上げて冷却プレート63と保護シート61とを離間させる空気孔213を有するようにした。この空気孔213を有する平坦面212は、保護シート保持部として、押し付け部が保護シート61の外周部を冷却プレート63に接触させた時点では保護シート61のうちの電子部品60が配列される領域と冷却プレート63とを離間させるように保護シート61を保持する。そして、減圧部による部品埋込済みシート67と冷却プレート63との間が減圧されるまで負圧を維持し、減圧された状態下で保持を解除する。これにより、減圧未完了の状態で保護シート61と冷却プレート63とが貼り付く事態を阻止することができ、保護シート61と冷却プレート63との間に気泡が入る虞を更に低下させ、冷却プレート63への伝熱面積を十分に確保することができる。
また、天井部21の平坦面212に開口する空気孔213は、プッシャ23が下降して天井部21が部品埋込済みシート67のフレーム62を介して載置台22に当接する前、つまり、部品埋込済みシート67と冷却プレート63が接近する前、遅くとも粘着シート64が設けられた冷却プレート63と保護シート61との間の空間を画成する前から負圧を発生させておくようにした。これにより、保護シート61と冷却プレート63をプレート装着部2にセットする時点で、保護シート61が冷却プレート63に誤って貼り付いてしまう事態を阻止できる。
また、プレート装着部2は、天井部21の平坦面212を有している。この平坦面212は、保護シート61を挟んで冷却プレート63とは反対に位置し、電子部品60に対向する。部品埋込済みシート67と冷却プレート63との間の減圧終了まで冷却プレート63と保護シート61とを離間させておく空気孔213は、この平坦面212に開口しているようにした。これにより、減圧中に保護シート61の表裏の圧力差によって保護シート61が湾曲して撓むことなく、保護シート61を平坦に倣わせることができ、プレート装着中に電子部品60が保護シート61から剥離する事態を阻止できる。
この天井部21側の空気孔213は正圧部として、部品埋込済みシート67と冷却プレート63との間の圧力が所定設定値に到達した後、負圧発生から正圧発生に転じ、保護シート61を冷却プレート63に向けて押し付けるようにした。即ち、この空気孔213は、保護シート61の冷却プレート63からの離隔保持、密閉空間24aを減圧する減圧部、及び正圧を発生させる正圧部として保護シート61と冷却プレート63との押圧手段を兼ねている。但し、別の部材に設けられた空気孔によって離隔、減圧、及び密着手段の機能を果たしても良い。
例えば、本実施形態のように、冷却プレート63に空気孔632を設けておく。プレート装着部2は、冷却プレート63を載置し、負圧を発生させる載置台22を有する。そして、冷却プレート63を載置した載置台22と冷却プレート63の空気孔632を通して、保護シート61を冷却プレート63に引き付けるようにしてもよい。
尚、天井部21の動作機構及びプッシャの動作機構は、公知の機構を採用すればよく、本発明は機構のメカニズムに限定されるものではない。
例えば、天井部21には、天井部21から載置台22に向かう方向に軸を延ばしたボールネジと、天井部21から載置台22に向かう方向に延びるレールガイドが接続されている。この場合、天井部21は、ネジ軸の回転方向に従ってレールに沿って載置台22に向けて移動する。天井部21は、部品載置済みシート66のフレーム62の厚みH1の距離まで、天井部21が載置台22に近づくように、ボールネジ及びレールガイドは延びている。
また、プッシャ23は、後端部がカムフォロアになっている。カムフォロアは、卵形のカムの周面を従動する。カムは回転モータに軸支され、周方向に回転可能となっている。回転モータが駆動し、カムが回転すると、カムフォロアがカムの膨出部を登り、プッシャ23が押し上げられる。
更に、密閉空間24a及び密閉空間24bの画成方法としては、部品埋込みシート67と冷却プレート63を画成手段の一要素とせず、天井部21と載置台22とで画成するようにしてもよい。例えば、天井部21と載置台22の一方又は両方をカップ形状とし、部品載置済みシート66と冷却プレート63を包含するように、天井部21と載置台22とで画成する1つの空間に収容し、更に天井部21と載置台22とで部品載置済みシート66の表裏を区画するようにしてもよい。但し、この場合、天井部21は、空気孔213が開口した平坦面212を囲いつつ、載置台22に向けて延びた側壁が立設されることが望ましい。この側壁が載置台22の平坦面と密着し、1つの密閉空間を画成する。Oリング215は側壁の端面に設置しておく。
(成膜処理部)
次に、成膜工程を担う成膜処理部3について説明する。図11は、成膜処理部3の構成を示す模式図である。成膜処理部3は、部品搭載プレート68上の個々の電子部品60に、スパッタリングによって電磁波シールド膜605を形成する。図11に示すように、この成膜処理部3はチャンバ31とロードロック室32を有している。チャンバ31は、軸方向よりも半径方向に拡径した円柱形状の真空室である。チャンバ31内は、半径方向に沿って延設された区切り部33によって複数の扇状区画に仕切られている。一部の扇状区画には、処理ポジション311及び成膜ポジション312が割り当てられている。
区切り部33は、チャンバ31の天井面から底面に向けて延ばされているが、底面には未達である。区切り部33の無い底面側空間には、回転テーブル34が設置されている。回転テーブル34は、チャンバ31と同軸の円盤形状を有し、円周方向に回転する。ロードロック室32からチャンバ31内に投入された部品搭載プレート68は、回転テーブル34に載置され、円周の軌跡で周回移動しながら、処理ポジション311及び成膜ポジション312を巡る。
尚、部品搭載プレート68の回転テーブル34に対する位置を維持するために、回転テーブル34には例えば溝、穴、突起、治具、ホルダ、メカチャック、又は粘着チャック等の部品搭載プレート68を保持する保持手段が設置されている。
処理ポジション311には表面処理部35が設置されている。この表面処理部35は、アルゴンガス等のプロセスガスが導入され、高周波電圧の印加によりプロセスガスをプラズマ化し、電子、イオン及びラジカル等を発生させる。例えば、この表面処理部35は、回転テーブル34側に開口した筒形電極であり、RF電源により高周波電圧が印加される。
成膜ポジション312にはスパッタ源36を構成するターゲット361が設置され、アルゴンガス等の不活性ガスであるスパッタガスが導入されている。スパッタ源36は、ターゲット361に電力を印加し、スパッタガスをプラズマ化させ、発生するイオン等をターゲットに衝突させて、粒子を叩き出す。ターゲット361は、電磁波シールド膜605の材料で成る。即ち、ターゲット361からは電磁波シールド膜605の粒子が叩き出され、叩き出された電磁波シールド膜605の粒子は回転テーブル34上の電子部品60に堆積する。
この成膜ポジション312は、例えば2箇所設けられている。各々の成膜ポジション312のターゲット材料は、同じ材料としてもよいし、異なる材料として、積層の電磁波シールド膜605を形成してもよい。各々の成膜ポジション312のスパッタ源36に電力を印加する電源は、例えば、DC電源、DCパルス電源、RF電源等、周知のものが適用できる。また、スパッタ源36に電力を印加する電源は、スパッタ源36ごとに設けられてもよいし、共通の電源を切替器で切替えて使用してもよい。
このような成膜処理部3では、処理ポジション311にて電子部品60に対してエッチングやアッシングによる表面の洗浄及び粗面化を行い、電子部品60への導電性シールド膜の密着性を高め、また成膜ポジション312にてターゲット361の粒子を電子部品60に堆積させることで、電子部品60に導電性シールド膜を形成する。電極602は保護シート61に埋設され、電極露出面601は保護シート61に密着しているので、電極602に電磁波シールド膜605の粒子が付着することが阻止され、また電極露出面601と保護シート61との間に電磁波シールド膜605の粒子が入り込むことが阻止される。更に、電子部品60の熱は冷却プレート63に伝熱され、電子部品60の過剰な蓄熱が抑制される。
尚、この成膜処理部3は、スパッタリング法を用いて電子部品60に成膜するものであるが、成膜手法はこれに限られない。例えば、成膜処理部3は、蒸着、スプレーコーティング及び塗布等によって電磁波シールド膜605を電子部品60に成膜するようにしてもよい。
(プレート解除部)
次に、プレート解除工程を担うプレート解除部4について説明する。図12は、プレート解除部4の構成を示す模式図である。プレート解除部4には、電磁波シールド膜605が形成された後、部品搭載プレート68が投入される。プレート解除部4は、個々の電子部品60を得るための最初の工程として、冷却プレート63から部品埋込済みシート67を引き剥がす。
図12に示すように、このプレート解除部4は、天井部41と載置台42とを備えている。天井部41と載置台42は対向配置されている。載置台42は位置不動である。一方、天井部41は載置台42に対して昇降可能となっている。天井部41は、少なくとも、部品搭載プレート68のフレーム62の厚みH1の距離まで載置台42に近づく。
天井部41は内部空間411を有するブロックであり、載置台42に向く面に平坦面412を有している。載置台42は、有底のカップ形状を有し、開口421は天井部41に向く。天井部41の平坦面412は、部品搭載プレート68と同大同形状か、若しくは部品搭載プレート68よりも広い。一方、載置台42の開口421は、部品配列領域615以上中枠領域614以下の包含面積を有する。載置台42の開口421回りの縁部422はフレーム62の幅以上の幅を有する。
この載置台42においては、縁部422は部品搭載プレート68を支持し、開口421は部品搭載プレート68で閉塞される。冷却プレート63側が縁部422に当接する。載置台42の底には、空気圧供給孔423が貫設されている。空気圧供給孔423は、図外のコンプレッサ、正圧供給管等を含む空気圧回路75に接続している。そのため、開口421を閉塞して載置された部品搭載プレート68の空気孔632には正圧が発生する。
更に、載置台42の縁部422には、載置台42を貫くプッシャ挿通孔424が貫設されている。プッシャ挿通孔424の貫設位置は、冷却プレート63のプッシャ挿通孔631と合致し、一方で部品搭載プレート68が載せられた際、フレーム62の案内部挿通孔621を避けて、フレーム62によって閉塞される位置である。このプッシャ挿通孔424には、プッシャ43が挿通されている。プッシャ43は、載置台42に載せられた部品搭載プレート68のフレーム62よりも高い位置に先端を突出可能に軸方向に移動する。
プッシャ43は、外枠領域613と粘着シート64との粘着力に抗して部品埋込済みシート67を冷却プレート63から剥がし、部品埋込済みシート67を冷却プレート63から離隔させて、部品埋込済みシート67を平行に持ち上げて支持できる程度の剛性、数及び位置関係で設置されている。例えば、フレーム62の外形が矩形であると、フレーム62の各角に対応させて棒体として配置される。プッシャ挿通孔424もプッシャ43の数及び位置関係に対応して設けられる。
また、載置台42の両脇には一対の挟持ブロック44が配置されている。挟持ブロック44は、載置台42に載っている部品搭載プレート68のうち、冷却プレート63のみを挟み込む。即ち、一対の挟持ブロック44は、載置台42に載置された冷却プレート63と同じ高さに配置され、冷却プレート63と同じ厚みを有する。そして、挟持ブロック44は、冷却プレート63を中心に互いに接離可能となっている。但し、挟持ブロック44は、天井部41と載置台42とが並ぶ方向には不動である。
次に、天井部41の平坦面412には、内部空間411に通じる多数の空気孔413が貫設されている。空気孔413の貫設範囲は、保護シート61のフレーム62の内側と同大同形状の範囲か、少なくとも部品配列領域615と同大同形状である。空気孔413の貫設位置は、部品搭載プレート68が載置台42に載せられた際、部品配列領域615が被さる位置である。
天井部41の内部空間411には、平坦面412と異なる箇所に空気圧供給孔414が貫設されている。空気圧供給孔414は、図外のコンプレッサ、負圧供給管等を含む空気圧回路75に接続している。そのため、空気圧供給孔414と内部空間411を通じて、空気孔413には負圧が発生する。
更に、天井部41の平坦面412には、載置台42に載せられた部品搭載プレート68のフレーム62に沿って、空気孔413の貫設範囲を囲むOリング415が設置されている。尚、天井部41の平坦面412においてフレーム62に対向する周縁部は、保護シート61のうちの電子部品60が配列される部品配列領域615から外れた箇所を押さえ付ける固定部として機能する。この固定部は、フレーム62に対向する周縁部の全域で保護シート61を押さえ付ける、すなわち、フレーム62を全域で押さえ付けるようにしているが、必ずしも全域で押さえつける必要はなく、部分的に押さえ付けない箇所が存在していてもよい。
図13に、このようなプレート解除部4の動作の流れを示す。図13は、プレート解除部4の各工程での状態を模式的に示した遷移図である。まず、図13の(a)に示すように、天井部41を載置台42から離し、またプッシャ43を載置台42のプッシャ挿通孔424に埋没させておく。そして、載置台42に部品搭載プレート68を載置する。部品搭載プレート68を載置すると挟持ブロック44で冷却プレート63を固定しておく。
次に、図13の(b)に示すように、天井部41を載置台42に向けて降ろし、部品搭載プレート68のフレーム62に天井部41の平坦面412、つまり、固定部を当接させる。このとき、部品配列領域615の表面からフレーム62の上面までの高さH1は、部品配列領域615の表面から電子部品60の天面603までの高さH2よりも高い。そのため、フレーム62を挟み込んだとき、電子部品60の天面603は天井部41の平坦面412に未達である。従って、天井部41と保護シート61とフレーム62とで画成され、Oリング415でシーリングされた密閉空間45に、少なくとも部品配列領域615が閉じ込められる。
部品配列領域615を密閉空間45に閉じ込めると、図13の(c)に示すように、天井部41に負圧を発生させ、載置台42に正圧を発生させる。これにより、フレーム62の内側の部品配列領域615には天井部41の平坦面412に吸い上げられる力と、載置台42から離れて天井部41の平坦面412に向かう方向に押し上げられる力が働く。この吸い上げ力と押し上げ力とによって、冷却プレート63から部品配列領域615が剥離するのに十分な力が部品配列領域615に作用し、部品配列領域615は冷却プレート63から剥がれる。このときの天井部41の負圧および載置台42の正圧の大きさは、制御部74に予め設定されている。
部品配列領域615が剥離する時点では、保護シート61は歪み無く平坦であるので、部品配列領域615が天井部41の平坦面412に向かう勢いは小さく、電子部品60が保護シート61から剥がれ、または電子部品60が保護シート61から飛び出してしまう事態は阻止される。万一、部品配列領域615が勢いよく剥がれても天井部41の平坦面412が控えており、電子部品60が平坦面412で制止されるので、電子部品60が保護シート61から剥がれたり、保護シート61から脱落したりする虞は低減する。
電子部品60の保護シート61からの剥離や脱落の虞を低減する効果をより高めるためには、冷却プレート63から保護シート61が剥離する前の状態で、電子部品60の天面603と平坦面412との間の間隔が極力小さいことが好ましい。したがって、電子部品60の天面603と平坦面412との間の間隔は、冷却プレート63から保護シート61を剥離する最低限必要な間隔に設定するとよい。
また、冷却プレート63の複数の空気孔632に対して、正圧が作用する空気孔632が徐々に増加するように、例えば、冷却プレート63の一方側の端から他方側の端に向けて正圧が作用する空気孔632が増加するように、或いは、中央側に位置する空気孔632から外周側に段階的に正圧が作用する空気孔632の範囲が拡大するように、載置台42の開口421内の空間を複数に区画するなどして、正圧を発生させる系統を複数設けるようにしてもよい。このようにすることで、冷却プレート63から部品配列領域615が一気に剥がれることが防止でき、天井部41の平坦面412に電子部品60が勢い良く突進することを抑制することができる。
また、部品配列領域615が剥がれると、電子部品60が天井部41の平坦面412に当接し、保護シート61は中枠領域614のみが撓み、少なくとも部品配列領域615は平坦状を維持する。換言すると、天井部41の平坦面412が不存在であれば、保護シート61が空気を孕んで湾曲するように撓む。そうすると、電子部品60が保護シート61から剥がれる虞が生じるが、部品配列領域615は平坦上を維持しているので、電子部品60の剥がれは抑制される。
部品配列領域615が冷却プレート63から剥離すると、図13の(d)に示すように、プッシャ43を載置台42のプッシャ挿通孔424と冷却プレート63のプッシャ挿通孔424と粘着シート64のプッシャ挿通孔424を通じてフレーム62に保護シート61を介して接触させる。そして、更にプッシャ43を進出させ、同時に天井部41をプッシャ43と等速で載置台42から離す。冷却プレート63は挟持ブロック44により把持されて位置不動となっているので、フレーム62が貼り付けられた外枠領域613も冷却プレート63から剥がれ、保護シート61全体が冷却プレート63から剥離する。
このとき、載置台42の正圧と天井部41の負圧は維持されている。そのため、部品配列領域615が自重により冷却プレート63に向けて垂れ下がり、再付着する事態は抑制されている。また、載置台42の正圧が維持されていることにより、フレーム62が貼り付けられた外枠領域613の冷却プレート63からの剥離も補助される。
最後に、図13の(e)に示すように、プッシャ43を停止させ、天井部41を載置台42から更に引き離すように移動させることにより、部品埋込済みシート67に対する挟持が解除され、冷却プレート63から保護シート61の剥離が完了する。なお、載置台42の正圧と天井部41の負圧は、この間に解除すればよい。
即ち、天井部41は、部品配列領域615から外れて位置するフレーム62を押さえ付ける固定部となっている。また、載置台42の空気圧供給孔423は、正圧発生孔となり、冷却プレート63の空気孔632を通じて部品配列領域615を加圧し、部品配列領域615をフレーム62よりも前に冷却プレート63から剥がす加圧手段となっている。天井部41の空気孔413は、負圧発生孔となり、部品配列領域615を吸い寄せ、冷却プレート63からの剥離を助力する吸い付け手段となっている。
また、天井部41の平坦面412は、部品配列領域615が剥離した際の電子部品60の保護シート61からの剥離や脱落を抑制する制止手段となり、更に保護シート61を平坦に倣わせて電子部品60が保護シート61から剥がれるのを抑制する平坦化手段となっている。プッシャ43は、部品配列領域615が剥がれた後、フレーム62を冷却プレート63から剥がす突き上げ手段となっている。
このように、プレート解除部4は、成膜工程を経た後、冷却プレート63を外す。このプレート解除部4は、空気圧供給孔423を一例とする正圧発生孔を有する載置台42と、天井部41を一例とする固定部とを備えるようにした。正圧発生孔は、冷却プレート63を臨み、正圧を発生させる。固定部は、載置台42の正圧が部品配列領域615を加圧している間、保護シート61のうちの部品配列領域615から外れた箇所、例えばフレーム62を押さえ付けておき、部品配列領域615が冷却プレート63から離れた後、押さえ付けを解除するようにした。
これにより、部品配列領域615が剥がれる際には保護シート61は平坦を維持しているので、保護シート61が平坦に戻る反動で部品配列領域615が跳ね上がるという事態が回避される。そのため、電子部品60が保護シート61から剥がれて脱落してしまうことを抑制される。
より詳細には、冷却プレート63において中枠領域614および部品配列領域615に対応する範囲に設けられた複数の空気孔632から正圧が供給されると、この正圧によって保護シート61が冷却プレート63から剥離し始める。これにより生じた保護シート61の剥離部は、継続して供給される正圧によって、剥離し始めた箇所を起点として徐々に拡大し連結して外側へと広がる。最終的にこの剥離部は、固定部によって押さえ付けられたフレーム62の内周縁である外枠領域613と中枠領域614との境界部に達し、保護シート61の部品配列領域615および中枠領域614は冷却プレート63から完全に分離する。このとき、保護シート61の剥離部が最終的に到達する外枠領域613と中枠領域614との境界部は、固定部としての平坦面412によってフレーム62を介して押さえ付けられているので、部品配列領域615および中枠領域614が剥離したとしてもそれによって保護シート61が勢いよく跳ね上がることが阻止される。
しかも、外枠領域613が固定部としての平坦面412によってフレーム62を介して押さえ付けられていることで、保護シート61と冷却プレート63の間から正圧が漏れ出すことが防止されるので、部品配列領域615全体を確実かつ安定して剥がすことができる。これらのことにより、電子部品60が保護シート61から剥がれて脱落することを抑制することができる。
また、プレート解除部4は、天井部41側、即ち保護シート61を挟んで冷却プレート63とは反対に、保護シート61と離間した天井部41の平坦面412を有するようにした。この平坦面412は、部品配列領域615が加圧されている間、部品配列領域615の膨らみを押さえ付けておくようにした。これにより、部品配列領域615は平坦に倣い、電子部品60が剥がれてしまうことをより確実に防止できる。また、この平坦面412は、万一、部品配列領域615が跳ね上がっても、電子部品60を制止させるので、電子部品60が保護シート61から剥がれて脱落してしまうことを更に抑制できる。
また、プレート解除部4は、保護シート61と対面するように、負圧が発生する負圧発生孔を有するようにした。一例としては、天井部41の平坦面412に負圧を発生させる空気孔413を設けた。この空気孔413は、空気孔632による部品配列領域615に対する加圧と共に、保護シート61を吸い寄せる。このため、部品配列領域615に対する加圧に助力して保護シート61を冷却プレート63から剥がすことができ、剥離ミスが生じ難くなる。
また、プレート解除部4は、プッシャ43を備えるようにした。このプッシャ43は、部品配列領域615が冷却プレート63から離れた後、冷却プレート63内を進出して、フレーム62等の押さえ付けられている箇所を冷却プレート63から離れる方向に押し上げる。これにより、部品配列領域615を剥がした後、保護シート61全体を剥がすことができる。尚、天井部41を一例とする固定部は、押さえ付けを解除する際、プッシャ43の進出と共に、保護シート61から離間すればよい。
尚、天井部41の動作機構、挟持ブロック44の動作機構及びプッシャ43の動作機構は、公知の機構を採用すればよく、本発明は機構のメカニズムに限定されるものではない。
例えば、天井部41には、天井部41から載置台42に向かう方向に軸を延ばしたボールネジと、天井部41から載置台42に向かう方向に延びるレールガイドが接続されている。この場合、天井部41は、ネジ軸の回転方向に従ってレールに沿って載置台42に向けて移動する。天井部41は、部品載置済みシート66のフレーム62の厚みH1の距離まで、天井部41が載置台42に近づくように、ボールネジ及びレールガイドは延びている。
また、挟持ブロック44の更に外側には、一対の挟持ブロック44に対して個別に卵形のカムの周面を当接させておく。カムは回転モータに軸支され、周方向に回転可能となっている。回転モータが駆動し、カムが回転し、挟持ブロック44にカムの膨出部が当たると、挟持ブロック44は、冷却プレート63の方向に押しやられて、冷却プレート63を挟持する。
また、プッシャ43は、後端部がカムフォロアになっている。カムフォロアは、卵形のカムの周面を従動する。カムは回転モータに軸支され、周方向に回転可能となっている。回転モータが駆動し、カムが回転すると、カムフォロアがカムの膨出部を登り、プッシャ43が押し上げられる。
また、このプレート解除部4は、載置台42に正圧を発生させることにより冷却プレート63から保護シート61を剥離させる。天井部41の平坦面412は、剥離した保護シート61を平坦に倣わせる付加的機能であり、また天井部41の平坦面412に開口した空気孔413も載置台42による加圧を助力する付加的機能である。従って、図14に示すように、天井部41は、フレーム62に開口縁を当接させる角筒形状を有し、平坦面412が省かれていてもよい。また、図15に示すように、天井部41の平坦面412から空気孔413が省かれていてもよい。
(剥離処理部)
最後に、部品剥離工程を担う剥離処理部5について説明する。図16は、剥離処理部5の構成を示す模式図である。剥離処理部5には、プレート解除部4を経て冷却プレート63が外された部品埋込済みシート67が投入され、最終段階として保護シート61から個々の電子部品60を剥離する。なお、剥離処理部5は、成膜装置7から分離された場合、剥離処理装置と称することもある。
この剥離処理部5は、図16に示すように、部品埋込済みシート67が載置される載置台51と、保護シート61を把持して連続的に移動するチャック52と、保護シート61の端部を引掛けてチャック52が保護シート61を把持するきっかけを作出する案内部53と、保護シートの剥離基点を作るシートストッパ54と、電子部品60の浮き上がりを防止する部品ストッパ55とを備えている。
載置台51は、部品埋込済みシート67が載置される平坦面511を有する。部品埋込済みシート67は、この平坦面511に電子部品60を向け、電子部品60の天面603を載置面に接触させ、保護シート61を上に向けて載置される。平坦面511は粘着力のある滑り止め部材により成り、電子部品60の静止性が向上している。尚、平坦面511の外周域は、フレーム62が入り込むように、部品配列領域615の表面からフレーム62の端面までの高さH1に相当する深さで一段掘り下げられており、保護シート61が平坦を維持したまま、電子部品60は平坦面511に載置される。
この載置台51は内部空間512を有するブロックである。載置台51の平坦面511には、部品配列領域615と対面する領域に多数の空気孔513が貫設されている。空気孔513は、載置台51の内部空間512と連通している。載置台51の内部空間512には、平坦面511と異なる箇所に空気圧供給孔514が貫設されている。空気圧供給孔514は、図外のコンプレッサ、負圧供給管等を含む空気圧回路75に接続している。そのため、空気圧供給孔514と内部空間512を通じて、空気孔513には負圧が発生する。
チャック52は、把持面を対向させた一対のブロックである。一対のブロックは接離可能となっている。このチャック52は、水平方向および垂直方向に可動な移動装置に支持されており、載置台51の平坦面511に載った保護シート61に沿って、平坦面511に対して45度の迎角で連続的に移動する。即ち、チャック52は、載置台51の平坦面511を縦断しつつ、載置台51から離れていく。連続的な移動とは、途中に停止を含まず、望ましくは定速で移動することである。チャック52の移動範囲は、把持のきっかけが作出された保護シート61の端部から当該端部の反対端までである。
シートストッパ54は、保護シート61の一辺を横断する長軸の円筒体形状を有し、軸回転可能なローラである。このシートストッパ54は、ステンレスなどの金属で形成することができる。また、シートストッパ54の直径は、保護シート61を横断する長さが200mm〜300mm程度の場合、5mm〜10数mmに設定することができる。本実施形態では、直径6mmのステンレス製の円筒体とした。
このシートストッパ54は、載置台51の平坦面511を基準に高さ一定を保ち、チャック52の真下を維持し、長軸と直交する方向に沿って載置台51に載置された保護シート61を縦断する。シートストッパ54の配設高さは、電極602を除いた電子部品60と保護シート61とを合わせた高さと一致する。即ち、シートストッパ54は、保護シート61の非粘着面612を押圧しながら走行する。押圧の程度は、電極602を傷つけたり、こすったり、潰したりしない程度とする。シートストッパ54の移動範囲は、案内部53の間際、即ちフレーム62の案内部挿通孔621の縁を基点にして、保護シート61の反対端までである。
部品ストッパ55は、保護シート61の少なくとも部品配列領域615全域を横断する長軸の円筒体形状を有し、軸回転可能なローラである。部品ストッパ55は、ステンレスなどの金属で形成することができる。部品ストッパ55の直径は、シートストッパ54の直径と電子部品60の大きさを考慮して決定すればよいが、シートストッパ54よりも小さい直径に設定すればシートストッパ54により近接して配置することが可能となる。本実施形態では、シートストッパ54と同じ直径のステンレス製の円筒体とした。
この部品ストッパ55は、シートストッパ54と接近及び離反可能に配置されている。チャック52とシートストッパ54が載置台51を縦断移動している間、部品ストッパ55はシートストッパ54に対して一定の距離を保って追従する。一定の距離は、保護シート61に貼り付いている電子部品60の長さ(部品ストッパ55の移動方向における長さ)未満である。チャック52とシートストッパ54が載置台51の端部に位置している際は、部品ストッパ55は、案内部挿通孔621を挟んでシートストッパ54に対して対岸に位置するように距離を取る。
案内部53はフレーム62の案内部挿通孔621と軸を共通にする位置に配置される。案内部53の先端はフレーム62の案内部挿通孔621を臨む。この案内部53は、軸方向に可動であり、保護シート61の端に向けて突出し、保護シート61の端をチャック52に向けて突き上げ、保護シート61の端がチャック52に届くまで、フレーム62の案内部挿通孔621内を進出する。この案内部53は、突き上げによって保護シート61の一辺を剥がす。そのため、この案内部挿通孔621は、ピン形状を有し、保護シート61の一辺に沿って複数箇所設置される。
例えば、図17に示すように、案内部挿通孔621の貫設位置は、フレーム62の一辺の中心を挟んで等間隔離れた位置とする。この案内部挿通孔621に対応して案内部53は設置され、また案内部53は丸棒状に形成される。そして、このフレーム62の一辺と直交する方向にチャック52とシートストッパ54を縦断させ、保護シート61から電子部品60を剥離させる。
図18に、このような剥離処理部5の動作の流れを示す。図18は、剥離処理部5の各工程での状態を模式的に示した遷移図である。まず、図18の(a)に示すように、電子部品60の天面603を平坦面511に接触させた状態で、部品埋込済みシート67を載置台51に載置する。即ち、プレート解除部4と剥離処理部5との間には、プレート解除部4で冷却プレート63から分離された部品埋込済みシート67を上下反転させる反転装置が設けられており、部品埋込済みシート67は反転された状態で載置台51に載置される。載置台51の空気孔513には負圧を発生させ、電子部品60を平坦面511に吸い止めておく。シートストッパ54をフレーム62の案内部挿通孔621の縁まで移動させ、またチャック52をフレーム62の案内部挿通孔621の直上に位置させておく。部品ストッパ55は、シートストッパ54に対して開いておき、フレーム62の案内部挿通孔621よりも外側へ位置させておく。
図18の(b)に示すように、案内部53を軸方向上側に移動させる。案内部53は、フレーム62の案内部挿通孔621内を移動し、フレーム62に貼り付いている保護シート61の端に至る。案内部53は、更に進出し、保護シート61の端をフレーム62から離れる方向に突き出す。これにより保護シート61の端は案内部53によって剥がれ始める。案内部53が更に進行すると、保護シート61の端は、案内部53とシートストッパ54で挟持されつつ、チャック52に向けて誘導されていく。尚、案内部53による保護シート61の端の誘導の最中、チャック52も保護シート61の端に向けて移動し、保護シート61の端を迎えにいってもよい。
図18の(c)に示すように、保護シート61の端がチャック52に届くと、一対のブロックを閉じ、チャック52で保護シート61の端を把持する。チャック52が保護シート61の端を把持すると、図18の(d)に示すように、案内部53をフレーム62の案内部挿通孔621内へ埋没させた後、部品ストッパ55を移動させ、部品ストッパ55とシートストッパ54とを電子部品60の長さ未満の距離まで近づける。
図18の(e)に示すように、チャック52とシートストッパ54とを保護シート61に沿って移動させつつ、チャック52を引き上げていく。保護シート61の端はチャック52に把持され、またシートストッパ54は保護シート61上を走行しているので、保護シート61はシートストッパ54を基点にチャック52に引き上げられ、シートストッパ54を基点に電子部品60が保護シート61から剥離していく。剥離された保護シート61が垂直状態を保って剥離する場合、例えば、チャック52の水平移動と垂直移動の速度成分を同じに保てばよい。双方の速度成分が同じであれば、移動速度が変化しても停止しない限り剥離は停止することなく連続的に行うことが可能であるが、双方の移動速度は一定速度に維持するとよい。
このとき、図19に示すように、電子部品60の保護シート61からの剥離が進行し、電子部品60の端部のみがシートストッパ54と載置台51の平坦面511とに挟まれた状態になると、電子部品60は剥離開始端60aを持ち上げるように浮き上がろうとする。しかし、部品ストッパ55がシートストッパ54に追従している。この部品ストッパ55は、浮き上がろうとする剥離開始端60a側を押さえ付ける。そのため、電子部品60は浮き上がりが阻止され、保護シート61から剥がれた電極602と保護シート61との間のギャップ94が存在し続け、電子部品60が再付着することはなく、載置台51の平坦面511上に維持される。更に、シートストッパ54は、軸回転可能なローラであるので、電子部品60の押さえ付けの際に回転し、電子部品60との擦れが抑制されている。
また、シートストッパ54は、保護シート61の非粘着面611を押圧しながら走行する。そのため、電子部品60の剥離が開始し、剥離中の電子部品60の端部のみがシートストッパ54と載置台51の平坦面511とに挟まれた状態となるまでは、このシートストッパ54も電子部品60が剥離した保護シート61に追従することを防止している。但し、シートストッパ54による剥離の基点を作出する機能を発揮させる観点では、シートストッパ54が保護シート61の非粘着面611を押圧しながら走行することは必須ではない。即ちシートストッパ54は、保護シート61から若干離れた位置を移動するようにしてもよい。
そして、図18の(f)に示すように、チャック52とシートストッパ54が保護シート61の部品配列領域615を完全に縦断したとき、全ての電子部品60は保護シート61から剥離し、載置台51の平坦面511に並ぶ。この電子部品60が回収されることで、成膜装置7での電磁波シールド膜605の形成が完了する。尚、チャック52が載置台51の平坦面511を縦断しつつ、載置台51から離れていく迎角は45度に限らない。チャック52の位置が固定され、載置台51が連続的に移動することで、保護シート61を剥がしていくようにしてもよいし、チャック52と載置台51の両方が可動であるようにしてもよい。即ち、チャック52と載置台51が相対的に移動すればよい。
ここで、図25は、従来の突き上げ装置の構成を示す模式図である。この突き上げ装置は、保護シート61と同じように柔軟性と粘着性を有する粘着フィルム9から電子部品60を剥離させる装置であり、軸方向に移動可能なピン体8を備えている。ピン体8の先端には、電子部品60が貼り付けられた粘着フィルム9がセットされる。ピン体8は、電子部品60の貼着面とは反対側の面から粘着フィルム9を突き上げる。ピン体8は、粘着フィルム9を剥離対象の電子部品60を頂点にした山状に変形させる。そのため、電子部品60と粘着フィルム9との貼着面積は減少し、これによって電子部品60は粘着フィルム9から剥離する。
図26は、この突き上げ装置による電子部品60の剥離の様子を示す模式図である。図26に示すように、粘着フィルム9には複数の電子部品60が隙間を設けて貼り付けられている。生産効率の観点から、粘着フィルム9に貼り付けられる電子部品60の間隔は狭い。そのため、1つの電子部品60を突き上げると、粘着フィルム9の歪みは隣の電子部品60の貼着領域にも波及する。そうすると、剥離対象が突き上げられている間、隣の電子部品60にも、粘着フィルム9から一部が剥離して剥離箇所91が発生しまう。しかし、剥離対象の剥離が完了すると、ピン体8は軸方向に後退するため、粘着フィルム9の撓みは解消される。そうすると、剥離箇所91には粘着フィルム9が再付着し、電子部品60には粘着フィルム9の再付着箇所92が生じることになる。
そうすると、図27は、電子部品60に粘着フィルム9が再付着した後の電極602の様子を示す写真であるが、図27に示すように、粘着フィルム9が再付着すると、電極602には、粘着フィルム9の残渣93が発生することがある。粘着フィルム9の残渣93は、電子部品60を実装する際のリフロー時に燃焼して炭化することがあり、接続不良等を引き起こす虞がある。
一方、図20は、剥離処理部5により電子部品60を保護シート61から剥離した後に電極602を撮影した写真である。この剥離処理部5によると、保護シート61は、シートストッパ54によって常に平坦さが維持されており、一度保護シート61が剥離すると、電子部品60に保護シート61が戻って来て再付着することが防止できる。また、電子部品60は、部品ストッパ55及び載置台51の空気孔513によって位置が固定されており、保護シート61に追いついて再付着するように浮き上がることも防止できる。この結果、図20に示すように、電子部品60の電極602には保護シート61の残渣が見られなかった。
このように、この剥離処理部5は、成膜処理部3による成膜の後、電子部品60を保護シート61から剥がす。この剥離処理部5は、載置台51とチャック52と電子部品60の位置を固定する固定部とを備えるようにした。載置台51は、保護シート61に貼り付けられた電子部品60を支持する。チャック52は、保護シート61の端部を把持して、載置台51に対して相対移動し、当該端部の反対端に向けて連続剥離する。固定部は、電子部品60が保護シート61から剥離される際、電子部品60の位置を固定する。これにより、電子部品60と保護シート61とが一旦剥がれた後に再付着することが無くなり、保護シート61の残渣93が電子部品60に発生することを抑制できる。
固定部は、例えば部品ストッパ55又は空気孔513が貫設された載置台51の平坦面511である。部品ストッパ55は、シートストッパ54に対して電子部品60の長さ未満の距離を保って追従し、電子部品60の浮き上がりを押さえる。載置台51は、電子部品60を吸い付けて浮き上がりを押さえる。但し、載置台51は、固定部としての機能を有する限り、空気孔513による吸引を採らなくともよい。例えば、載置台51は、電子部品60を固定できれば、粘着チャック、静電チャック又はメカチャックであってもよい。
また、保護シート61の端部に向けて突出する案内部53を備えるようにした。チャック52は、保護シート61の端部を把持する前に、案内部53の突出先に位置させておく。そして、この案内部53は、チャック52に向かい、保護シート61の端部を案内部53に誘導する。これにより、チャック52が把持するきっかけを作出することができ、電子部品60と保護シート61との剥離ミスの可能性を低下させることができる。
また、チャック52と共に保護シート61に沿って移動し、剥離の基点を作るシートストッパ54を備えるようにした。そして、このシートストッパ54は、案内部53の突出先近傍に位置し、案内部53が剥がした保護シート61の端部を案内部53と共に挟持して、チャック52に誘導するようにした。これにより、チャック52は、より確実に保護シート61の端を把持することができ、電子部品60と保護シート61との剥離ミスの可能性を低下させることができる。
尚、シートストッパ54は、当該シートストッパ54の移動方向と直交する軸を有する円筒体を例として説明したが、保護シート61を押さえ付けながら走行できればよく、板状体又はブロック体であってもよい。また、部品ストッパ55についても、当該部品ストッパ55の移動方向と直交する軸を有する円筒体を例として説明したが、板状体、ブロック体又はハケであってもよい。部品ストッパ55が円筒体である場合には、軸回転可能なローラであるので、電子部品60の押さえ付けの際に回転し、電子部品60との擦れが抑制されている。
チャック52の動作機構、シートストッパ54の動作機構、部品ストッパ55の動作機構、及び案内部53の動作機構は、公知の機構を採用すればよく、本発明は機構のメカニズムに限定されるものではない。
例えば、チャック52においては次の動作機構を採用できる。即ち、両ブロックはベースに支持され、一方のブロックはベースに対して位置不動となっている。他方のブロックは、一方のブロックに対して可動となっている。可動となっているブロックの外側には卵形のカムが当接している。このカムを回転させ、ブロックが長径範囲に差し掛かると、可動となっているブロックがカムに押されて不動のブロックに接近する。また、一対のブロック間には、圧縮バネが設けられ、一対のブロックの間隔を拡げる方向に付勢している。カムを回転させ、ブロックが短径範囲に差し掛かると、可動となっているブロックが圧縮バネの付勢力によって不動のブロックから離れる。
また、例えば、載置台51の平坦面511に対して45度の角度で延びるボールネジとレールとが配設され、チャック52のベースは、このボールネジのスライダに固定され、またレールを把持している。ボールネジのネジ軸がモータによって軸回転すると、チャック52は、載置台51の一端から他端までレールに沿って移動する。
更に、部品ストッパ55については、部品ストッパ55とシートストッパ54を支持するベース間に引っ張りバネを介在させ、両ローラを近づける方向に付勢しつつ、両ローラ54、55を支持するベース間に楕円状のカムを配置し、カムの長径範囲がベースに当接している状態では、引っ張りバネの付勢力に抗して両ローラを離す方向に付勢する。
また、案内部53は、後端部がカムフォロアになっている。カムフォロアは、卵形のカムの周面を従動する。カムは回転モータに軸支され、周方向に回転可能となっている。回転モータが駆動し、カムが回転すると、カムフォロアがカムの膨出部を登り、案内部53が押し上げられる。
また、案内部挿通孔621の貫設位置は、フレーム62の一辺の中心を挟んで等間隔離れた位置とした。これにより、保護シート61の辺全体を剥がすことが容易となる。この案内部挿通孔621に対応して案内部53は設置され、また案内部53は丸棒状に形成した。そして、このフレーム62の一辺と直交する方向にチャック52とシートストッパ54を縦断させ、保護シート61から電子部品60を剥離させるようにした。剥離処理部5は、これに限らず、各種形状の案内部挿通孔及び案内部を採用し、また剥離方向も各種方向を採用することができる。
例えば、図21に示すように、フレーム62の一辺に沿って長い角丸矩形状、長円、矩形等の断面を先端に有する案内部53を採用することができる。この案内部53によれば、保護シート61を突き出す範囲が広くなるので、保護シート61が捲れやすく、チャック52に保護シート61の端が届きやすくなる。また、図22に示すように、案内部挿通孔621に代えて、案内部53の配置領域を含む切り欠き622をフレーム62に形成しておくこともできる。更に、図23に示すように、案内部挿通孔621をフレーム62の角部に配置し、このフレーム62の角部を剥離開始点として対角に向けてチャック52とシートストッパ54を移動させ、保護シート61の対角線に沿って剥離させるようにしてもよい。
(他の実施形態)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような態様も含む。即ち、成膜装置7は、図24に示すように、更に、部品載置工程を担う移載部71を備えるようにしてもよい。移載部71は、部品載置工程を担い、成膜処理前の電子部品60が載置されたトレイから部品未載置シート65へ電子部品60を移し替える。例えば、トレイと部品未載置シート65が隣り合わせにして並べられ、移載部71は、トレイと部品未載置シート65を包含する範囲を縦横に移動可能なロボットとすればよい。ロボットのアーム先端には、例えば真空チャックを備え付けておく。移載部71は、トレイ上で負圧を発生させて電子部品60を保持し、部品未載置シート65上で真空破壊又は大気開口等に負圧を解除し、電子部品60を部品未載置シート65に並べる。
また、成膜装置7は、埋込み処理部1、プレート装着部2、成膜処理部3、プレート解除部4及び剥離処理部5を備える装置としたが、これら各部を独立した装置として構成し、システム化してもよい。即ち、埋込み処理部1は独立した埋込処理装置であってもよく、プレート装着部2は独立したプレート装着装置であってもよいし、成膜処理部3は独立した成膜処理装置であってもよく、プレート解除部4は独立したプレート解除装置であってもよく、剥離処理部5は独立した剥離処理装置であってもよい。
なお、上記実施形態において、部品配列領域615の表面からフレーム62の上端面までの高さH1は、部品配列領域615の表面から電子部品60の天面までの高さH2よりも高いものとしたが、これに限られるものではなく、高さH2よりも低くてもよい。この場合、天井部11、21、41の平坦面112、212、412における部品配列領域615に対向する領域を高さH1と高さH2との差を許容する量だけ陥没した凹部に形成し、密閉空間14、24a、45を形成できるようにすればよい。
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
1 埋込処理部
11 天井部
111 内部空間
112 平坦面
113 空気孔
114 空気圧供給孔
115 Oリング
12 載置台
121 内部空間
122 平坦面
123 空気孔
124 空気圧供給孔
125 プッシャ挿通孔
13 プッシャ
14 密閉空間
2 プレート装着部
21 天井部
211 内部空間
212 平坦面
213 空気孔
214 空気圧供給孔
215 Oリング
22 載置台
221 開口
222 縁部
223 空気圧供給孔
224 プッシャ挿通孔
23 プッシャ
24a 密閉空間
24b 密閉空間
3 成膜処理部
31 チャンバ
311 処理ポジション
312 成膜ポジション
32 ロードロック室
33 区切り部
34 回転テーブル
35 表面処理部
36 スパッタ源
361 ターゲット
4 プレート解除部
41 天井部
411 内部空間
412 平坦面
413 空気孔
414 空気圧供給孔
415 Oリング
42 載置台
421 開口
422 縁部
423 空気圧供給孔
424 プッシャ挿通孔
43 プッシャ
44 挟持ブロック
45 密閉空間
5 剥離処理部
51 載置台
511 平坦面
512 内部空間
513 空気孔
514 空気圧供給孔
52 チャック
53 案内部
54 シートストッパ
55 部品ストッパ
60 電子部品
60a 剥離開始端
601 電極露出面
602 電極
603 天面
604 側面
605 電磁波シールド膜
61 保護シート
611 粘着面
612 非粘着面
613 外枠領域
614 中枠領域
615 部品配列領域
62 フレーム
621 案内部挿通孔
622 切り欠き
63 冷却プレート
631 プッシャ挿通孔
632 空気孔
64 粘着シート
65 部品未載置シート
66 部品載置済みシート
67 部品埋込済みシート
68 部品搭載プレート
7 成膜装置
71 移載部
73 搬送部
74 制御部
75 空気圧回路

Claims (4)

  1. 冷却プレートに密着させた保護シートに配列した電子部品に対する成膜装置であって、
    前記冷却プレートに密着させた前記保護シート上の前記電子部品に対して、スパッタリングにより成膜材料を堆積させて成膜する成膜処理部と、
    前記成膜処理部を経た後、前記冷却プレートを外すプレート解除部と、
    を備え、
    前記冷却プレートは、前記電子部品が配列される領域を含んだ範囲に表裏を貫通する空気孔が貫設され、
    前記プレート解除部は、
    前記冷却プレートの空気孔に臨み、正圧を発生させる正圧発生孔を有する載置台と、
    前記載置台が前記正圧発生孔を通じて前記電子部品が配列される領域を加圧している間、前記保護シートのうちの前記電子部品が配列される領域から外れた箇所を押さえ付けておき、前記電子部品が配列される領域が前記冷却プレートから離れた後、前記押さえ付けを解除する固定部と、
    を有すること、
    を特徴とする成膜装置。
  2. 前記プレート解除部は、
    前記保護シートを挟んで前記冷却プレートとは反対側に位置し、前記保護シートと離間した平坦面を有し、
    前記平坦面は、前記電子部品が配列される領域が加圧されている間、前記電子部品が配列される領域における前記保護シートの膨らみを押さえ付けておくこと、
    を特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記プレート解除部は、前記平坦面に開口し、負圧が発生する負圧発生孔を有し、
    前記負圧発生孔は、前記正圧発生孔を通じての前記電子部品が配列される領域に対する加圧と共に、前記保護シートを吸い寄せること、
    を特徴とする請求項2記載の成膜装置。
  4. 前記冷却プレートは、前記電子部品が配列される領域から外れた箇所であって前記固定部によって押さえ付けられる箇所に、挿通孔を有し、
    前記プレート解除部は、
    前記電子部品が配列される領域が前記冷却プレートから離れた後、前記冷却プレートの前記挿通孔内を進出して、前記保護シートにおける前記固定部によって押さえ付けられている箇所を前記冷却プレートから離れる方向に押し上げるプッシャを有し、
    前記固定部は、前記押さえ付けを解除する際、前記プッシャの進出と共に、前記冷却プレートから離間すること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の成膜装置。
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