JP2019089938A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性および水分混入時の耐久性に優れる内燃機関用潤滑油組成物を提供する。【解決手段】(A)基油および(B)カルシウム系清浄剤を含有する潤滑油組成物であって、前記成分(B)は、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、およびカルシウムフェネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(b)を含み、前記化合物(b)は炭素数16以上の直鎖アルキル基を有する、潤滑油組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油組成物に関する。
近年、地球規模での環境規制はますます厳しくなり、特に自動車を取り巻く状況は、燃費規制、排出ガス規制等厳しくなる一方である。この背景には地球温暖化等の環境問題と、石油資源の枯渇に対する懸念からの資源保護がある。このような近年の状況から、自動車の排気ガスによる大気汚染を低減させるために、ハイブリッド自動車の生産比率が増大している。
ハイブリッド自動車は、内燃機関(例えば、エンジン)および電動機(例えば、電気モーター)の2つの動力源を備えており、走行時の状況によって、内燃機関のみ、電動機のみ、またはこれらを同時に利用して走行する。従来の内燃機関のみを有する自動車では、駆動時に常に内燃機関の動力を用いる必要があったが、ハイブリッド自動車では内燃機関の動力を用いずに電動機により得られる電力を用いて駆動することができる。したがって、ハイブリッド自動車の内燃機関は、従来の自動車の内燃機関に比べて、自動車を使用している際であっても停止している時聞が長い。そのため、クランク室内で結露が生じ、内燃機関用潤滑油に水分が混入しやすい。
また、同様に石油資源の枯渇に対する懸念からの資源保護の観点から、バイオマス由来の燃料、例えば、バイオマスメタノール、バイオマスエタノール等のアルコール燃料を用いる内燃機関の開発も進められている。アルコール燃料等のバイオ燃料を用いる内燃機関も同様に、燃料中で水分が発生または混入し易い使用環境である。
このように、ハイブリッド自動車の内燃機関やバイオ燃料を用いる内燃機関に使用される潤滑油は、従来の内燃機関のみを有する自動車と比べ水分が混入しやすい使用環境にあり、近年、これらの内燃機関に好適な潤滑油の開発が進められている。
例えば、特許文献1には、特定の潤滑油基油に、それぞれ特定の含有量で、金属系清浄剤、ホウ素含有コハク酸イミド系無灰分散剤、およびリン含有酸の金属塩を含有することを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物が開示されている。
特許文献2には、潤滑油基油に、それぞれ特定の含有量で、サリシレート系清浄剤、ホウ素を含有しないコハク酸イミド系無灰分散剤のみからなるコハク酸イミド系無灰分散剤、リン含有有機酸の金属塩を含有することを特徴とするハイブリッド自動車の内燃機関用潤滑油組成物、並びに当該内燃機関用潤滑油組成物に、さらに、特定の含有量でホウ素含有コハク酸イミド系無灰分散剤を含有することを特徴とするハイブリッド自動車の内燃機関用潤滑油組成物が開示されている。
特許文献3には、特定のヒンダードアミン化合物、アミン系酸化防止剤、金属系清浄剤、および有機ジチオリン酸亜鉛を含有する内燃機関用潤滑油組成物が開示されている。
近年、ハイブリッドシステムの高性能化および内燃機関の高出力化に伴い、従来よりも内燃機関用潤滑油に混入する水分量が増加する傾向にある。混入する水分量が増加すると、内燃機関用潤滑油の塩基価維持性が低下し、内燃機関用の高温清浄性や酸中和性が低下しやすくなる。したがって、従来よりも多量に水分が混入した場合であっても、耐水性に優れる潤滑油組成物が求められている。
特開2008−144018号公報 特開2008−144019号公報 特開2016−180069号公報
本発明の課題は、ハイブリッド自動車やバイオ燃料車の内燃機関への適用に際して有用で、耐水性の向上した潤滑油組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のカルシウム系清浄剤を用いることにより、上記課題を解決しうることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の一形態は、以下の成分:
(A)基油;および
(B)カルシウム系清浄剤;
を含有する潤滑油組成物であって、
前記成分(B)は、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、およびカルシウムフェネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(b)を含み、前記化合物(b)は炭素数16以上の直鎖アルキル基を有する、潤滑油組成物である。
本発明によれば、耐水性に優れる潤滑油組成物を提供することができる。
一実施形態の潤滑油組成物中での過塩基性カルシウム塩の構造を示す模式図である。 図1Aの過塩基性カルシウム塩を構成する化合物(b)の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
本発明の一形態は、(A)基油および(B)カルシウム系清浄剤を含有する潤滑油組成物に関する。すなわち、実施形態に係る潤滑油組成物(以下、「組成物」とも称する)は、(A)基油および(B)カルシウム系清浄剤を必須成分として含有する。実施形態に係る組成物は、必要に応じて(C)他の添加剤を含有する。以下、実施形態に係る組成物に含まれる各成分について、順に説明する。
[成分(A):基油]
基油としては、特に制限はなく、従来、潤滑油の基油として使用されている鉱油および合成油の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等のうちの1種以上の処理を行って精製した鉱油やワックスやGTL WAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化することによって製造される鉱油等が挙げられる。これらのうち後述する%C、粘度指数の点から、水素化精製により処理した鉱油やGTL WAXを異性化することによって製造される鉱油が好ましい。
鉱油は、API(米国石油協会)の基油カテゴリーにおいて、グループI、II、IIIのいずれかに分類され、スラッジ生成を抑制する観点から、グループII、IIIに分類されるものが好ましい。また酸化安定性の向上の観点では、グループIIIに分類されるものがより好ましい。なお、グループIに分類される基油は、飽和分90%未満、硫黄分が0.03%より高いもので、粘度指数が80以上120未満である。また、グループIIに分類される基油は、飽和分90%以上、硫黄分が0.03%以下で、粘度指数が80以上120未満である。グループIIIに分類される基油は、飽和分90%以上、硫黄分が0.03%以下、粘度指数が120以上である。なお、硫黄分は、JIS K2541に準拠して測定される値であり、飽和分は、ASTM D 2007に準拠して測定される値である。さらに、粘度指数はJIS K2283:2000に準拠して測定される値である。
これらの鉱油は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
合成油としては、例えば、ポリブテン;α−オレフィン単独重合体、α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体)等のポリα−オレフィン;ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル等の各種のエステル;ポリフェニルエーテル等の各種のエーテル;ポリグリコール;アルキルベンゼン;アルキルナフタレン,等が挙げられる。これらの合成油のうち、ポリα−オレフィン、エステルが好ましい。これらの合成油は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、基油として、前記鉱油1種以上と前記合成油1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
基油は潤滑油組成物の主成分であり、通常、基油の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは65〜97質量%、より好ましくは70〜95質量%、さらに好ましくは75〜92質量%である。
基油の粘度については特に制限はない。基油の100℃における動粘度は、好ましくは2〜30mm/s、より好ましくは3〜15mm/s、さらに好ましくは4〜10mm/sである。100℃における動粘度が2mm/s以上であると、蒸発損失が少なく、また、30mm/s以下であると、粘性抵抗による動力損失が抑制され、燃費改善効果が得られる。
基油の40℃における動粘度は、特に制限はないが、好ましくは5〜65mm/s、より好ましくは8〜40mm/s、さらに好ましくは10〜25mm/sである。40℃における動粘度が5mm/s以上であると、蒸発損失が少なく、また、65mm/s以下であると、粘性抵抗による動力損失が抑制され、燃費改善効果が得られる。
基油の粘度指数は、特に制限はないが、好ましくは100以上、より好ましくは110以上、さらに好ましくは120以上、よりさらに好ましくは125以上である。当該粘度指数が100以上の基油は、温度の変化による粘度変化が小さい。上限は特に制限されないが、例えば200以下である。基油の粘度指数が当該範囲であることで、潤滑油組成物の粘度特性を良好なものとしやすい。
なお、40℃における動粘度、100℃における動粘度および粘度指数の値は、JIS K2283:2000に準じて測定される。
基油の環分析よる芳香族分(%C)および硫黄分の含有量は、特に制限はないが、%Cが3.0以下で、硫黄分の含有量が10質量ppm以下のものか好ましく用いられる。ここで、環分析による%Cは、ASTM D 3238に従って測定される環分析n−d−M法にて算出した芳香族分の割合(百分率)を示す。当該%Cが3.0以下で、硫黄分が10質量ppm以下の基油は、良好な酸化安定性を有し、酸価の上昇やスラッジの生成を抑制しうる潤滑油組成物を提供することができる。より好ましい%Cは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下であり、よりさらに好ましくは0であり、また、より好ましい硫黄分は5質量ppm以下、さらに好ましくは0質量ppmである。
基油の環分析によるパラフィン分(%C)は、特に制限はないが、好ましくは70以上で、より好ましくは75以上、さらに好ましくは79以上である。当該%Cを75以上とすることで、基油の酸化安定性が良好になる。上限は特に制限されないが、例えば98以下である。ここで、環分析による%Cとは、ASTM D 3238に従って測定される環分析n−d−M法にて算出したパラフィン分の割合(百分率)を示す。
基油のNOACK蒸発量は、特に制限はないが、好ましくは15.0質量%以下であり、より好ましくは14.0質量%以下である。NOACK蒸発量は、ASTM D 5800(250℃、1時間)に従って測定することができる。
[成分(B):カルシウム系清浄剤] カルシウム系清浄剤は、金属系清浄剤の一種である。カルシウム系清浄剤は、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、およびカルシウムフェネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下「化合物(b)」とも称する)を含む。実施形態の化合物(b)は炭素数16以上の直鎖アルキル基を有する。
本発明者らは、炭素数16以上の直鎖アルキル基を有する特定のカルシウム系清浄剤を配合することにより、耐水性が向上し、従来に比べて水分混入時(例えば5質量%の水分混入時)の塩基価維持性に優れる潤滑油組成物が得られることを見出した。
本明細書中、「耐水性」とは、水分混入時の塩基価維持性に優れることを意味し、具体的には、後述の実施例に記載の「耐水性試験」、すなわち、潤滑油組成物基準で5質量%の水を添加し95℃で48時間保持する試験の前後の塩基価の減少率が小さいことを指す。有利には、実施例に記載の「耐水性試験」の前後の塩基価の減少率(=耐水性試験後の塩基価/耐水性試験前の塩基価×100)が30%以下(より好ましくは27%以下、さらに好ましくは25%以下)である。「塩基価」はJIS K2501:2003に準拠して、電位差滴定法(塩基価・塩酸法)により測定される。
化合物(b)におけるアルキル基は、炭素数16以上の直鎖アルキル基であれば特に制限されない。炭素数16以上の直鎖アルキル基を備えることでカルシウム系清浄剤は油溶性に優れるものとなり、油中に安定して存在し得るため、水分混入時においても優れた清浄機能を発揮し得る。好ましくは、直鎖アルキル基の炭素数は、18以上であり、より好ましくは、20以上である。直鎖アルキル基の炭素数の上限は特に制限されないが、例えば、入手容易性の観点から24以下である。一実施形態において、直鎖アルキル基の炭素数は16〜24、または、18〜24、または20〜24である。化合物(b)は、同一の分子内において、複数のアルキル基を有するが、化合物(b)のアルキル基の全てが炭素数16以上の直鎖アルキル基である。化合物(b)におけるアルキル基が、炭素数16未満の直鎖アルキル基の場合、水分混入時の清浄機能を発揮しにくい。
化合物(b)としてのカルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、およびカルシウムフェネートは、上記直鎖アルキル基を有するものであれば特に制限されない。
カルシウムサリシレートとしては、アルキルサリチル酸のカルシウム塩が挙げられる。
カルシウムスルホネートとしては、好ましくは分子量が300〜1,500(より好ましくは350〜700、さらに好ましくは400〜600)のアルキル芳香族化合物をスルホン化することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩が挙げられる。アルキル芳香族化合物の例としては、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、が挙げられる。スルホン化剤としては特に制限はないが、通常、発煙硫酸や硫酸が用いられる。
カルシウムフェネートとしては、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、またはアルキルフェノールのマンニッヒ反応物のカルシウム塩が挙げられる。
カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、およびカルシウムフェネートは、中性塩、塩基性塩、もしくは過塩基性塩、またはこれらの混合物でありうる。例えば、前記アルキルサリチル酸、前記アルキル芳香族スルホン酸、前記アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、またはアルキルフェノールのマンニッヒ反応物等を、直接、カルシウムの酸化物や水酸化物等の塩基と反応させること、または、一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩とした後にカルシウムと置換させること等により得られる中性カルシウム塩(中性カルシウムサリシレート、中性カルシウムスルホネート、中性カルシウムフェネート);前記中性カルシウム塩を酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムと反応させることにより得られる塩基性カルシウム塩(塩基性カルシウムサリシレート、塩基性カルシウムスルホネート、塩基性カルシウムフェネート);炭酸ガスまたはホウ酸もしくはホウ酸塩の存在下で前記中性カルシウム塩または前記塩基性カルシウム塩を過剰の酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムと反応させることにより得られる過塩基性カルシウム塩(過塩基性カルシウムサリシレート、過塩基性カルシウムスルホネート、過塩基性カルシウムフェネート)が挙げられる。
以下に、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、およびカルシウムフェネートの構造の例を挙げる。
上記式中、Rは炭素数16以上(例えば炭素数16〜24、または、18〜24、または20〜24)の直鎖アルキル基である。xは例えば1〜2である。
一実施形態において、カルシウム系清浄剤は、炭酸カルシウムを含有する。炭酸カルシウムは通常、微粒子として含有される。
特定の実施形態において、カルシウム系清浄剤は、過塩基性カルシウム塩(過塩基性カルシウムサリシレート、過塩基性カルシウムスルホネート、または過塩基性カルシウムフェネート)を含む。例えば、図1Aに示すように、過塩基性カルシウム塩10は、化合物(b)14としての、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、またはカルシウムフェネートと、微粒子状の炭酸カルシウム11とから構成される。図1Aに示す形態において、炭酸カルシウム11は、潤滑油組成物中で、化合物(b)14から構成されるミセルに内包されている。具体的には、図1Aおよび図1Bに示すように、化合物(b)の石鹸部分12がミセルのコア部分を形成し、炭酸カルシウム11を取り囲んでいる。化合物(b)のアルキル鎖13の部分は、外側に広がってミセルのシェル部分(外殻部分)を形成した状態となっている。本実施形態では、化合物(b)のアルキル鎖が長鎖(炭素数16以上)の直鎖アルキル基で構成されていることにより、油溶性に優れる。したがって、実施形態のカルシウム系清浄剤は油中に安定して存在し、水分混入時においても優れた清浄機能を発揮し得る。なお、「油溶性」とは、化合物や添加物が完全に油に溶解することのみならず、それらが使用時、輸送時、および保存時に油に溶解または分散することを意味する。
カルシウム系清浄剤が炭酸カルシウムを含有する特定の実施形態において、カルシウム系清浄剤は下記式(I)を満たすことが好ましい。
Ca1/(Ca1+Ca2)≧0.6 (I)
上記式(I)中、Ca1は、カルシウム系清浄剤に含まれる化合物(b)中のカルシウム元素の質量を示し、Ca2は、カルシウム系清浄剤に含まれる炭酸カルシウム中のカルシウム元素の質量を示す。
化合物(b)中のカルシウム量(石鹸部分由来のカルシウム量:Ca1)が増加するほど水分混入時の塩基価維持率が向上する傾向にある。上記範囲を満たすことにより、優れた耐水性が発揮され得る。特に、化合物(b)のアルキル鎖が比較的短い(例えば、炭素数16〜20、炭素数16〜18)の場合に、上記式(I)を満たす構成とすることで、水分混入時の塩基価減少を抑制することができる。すなわち、好ましい一形態において、化合物(b)の直鎖アルキル基の炭素数が炭素数16〜20(さらには炭素数16〜18)であり、カルシウム系清浄剤が下記式(I)を満たす。
カルシウム系清浄剤が炭酸カルシウムを含有する特定の実施形態において、カルシウム系清浄剤は、下記式(II)を満たすことも好ましい。
Ca2/(Ca1+Ca2)≧0.2 (II)
上記式(II)中、Ca1はカルシウム系清浄剤に含まれる化合物(b)中のカルシウム元素の質量を示し、Ca2は、カルシウム系清浄剤に含まれる炭酸カルシウム中のカルシウム元素の質量を示す。
炭酸カルシウム(Ca2)により塩基性が付与され得る。炭酸カルシウム(Ca2)の割合が多いほど、清浄性(塩基価)を得るために必要なカルシウムの合計量(Ca1+Ca2)が低減でき、これにより潤滑油組成物の灰分が低減する傾向がある。したがって、炭酸カルシウム(Ca2)の割合が上記式(II)を満たす場合には、微粒子のカルシウム成分(Ca2)が一定量以上存在することにより、灰分を低い値に抑えつつ、水分混入時の塩基価維持率を確保することができる。
Ca1およびCa2の値は、例えば、過塩基性カルシウム塩を製造する際に添加する酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムの配合量を調整することにより調節し得る。
なお、本明細書中、「灰分」とは、JIS K 2272:1998に記載の方法により測定される「硫酸灰分」を意味する。
カルシウム系清浄剤由来のカルシウム原子含有量の合計(Ca1+Ca2)は、前記組成物全量基準で、組成物の清浄性の向上の点から、好ましくは500質量ppm以上、より好ましくは800質量ppm以上、さらに好ましくは1,000質量ppm以上である。また、組成物の灰分を低減する点から、好ましくは3,500質量ppm以下、より好ましくは3,000質量ppm以下、さらに好ましくは2,500質量ppm以下である。例えば、Ca1+Ca2は、500〜3,500質量ppm、または、800〜3,000質量ppm、または、1,000〜2,500質量ppmである。
上記式(I)および式(II)における、「Ca1」および「Ca2」は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、図1Aおよび図1Bに示される実施形態において、Ca1は、図1Aおよび図1Bに示される化合物(b)14(特に、化合物(b)の石鹸部分12)に含まれるカルシウム元素の質量であり、Ca2は、図1Aに示されるミセルコア内部の炭酸カルシウム11のカルシウム元素の質量に相当する。
カルシウム系清浄剤は、通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販され、入手可能であるが、一般的に、希釈された状態でその金属含有量が1.0〜20質量%、好ましくは2.0〜16質量%のものを用いるのが望ましい。
また、カルシウム系清浄剤の塩基価は、通常5〜450mgKOH/g、好ましくは10〜400mgKOH/g、より好ましくは15〜350mgKOH/gである。なお、当該「塩基価」は、JIS K2501:2003に準拠して、電位差滴定法(塩基価・塩酸法)により測定される。
カルシウム系清浄剤は、組成物の清浄性の向上の点から、組成物全量基準で、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、組成物の灰分を低減する点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。カルシウム系清浄剤の含有量は、組成物全量基準で、例えば、0.05〜30質量%、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。
カルシウム系清浄剤は、前記したものを単独で用いてもよく、前記した性状または構造の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
[成分(C):他の添加剤]
潤滑油組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、成分(B)以外の金属系清浄剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、摩擦調整剤、無灰系分散剤、極圧剤、防錆剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、消泡剤等のその他の成分(C)を含んでもよい。
(金属系清浄剤)
成分(B)以外の金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ金属原子およびカルシウム以外のアルカリ土類金属原子から選ばれる金属原子を含有する有機金属系化合物が挙げられ、具体的には、金属サリシレート、金属フェネートおよび金属スルホネート等が挙げられる。金属原子としては、高温での清浄性の向上の観点から、ナトリウム原子、マグネシウム原子、またはバリウム原子が挙げられる。具体的には、ナトリウム系清浄剤、マグネシウム系清浄剤、バリウム系清浄剤がある。金属系清浄剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属系清浄剤は、塩基性、過塩基性のものが好ましく使用され、その塩基価が10〜500mgKOH/gであることが好ましい。また、塩基価は、200〜500mgKOH/gがより好ましく、250〜450mgKOH/gがさらに好ましい。当該「塩基価」は、JIS K2501:2003に準拠して、電位差滴定法(塩基価・塩酸法)により測定される。
成分(B)以外の金属系清浄剤由来の金属原子量は、組成物全量基準で、10〜1500質量ppmが好ましく、150〜1000質量ppmがより好ましく、250〜750質量ppmがさらに好ましい。
(粘度指数向上剤)
粘度指数向上剤としては、例えば、非分散型ポリアルキル(メタ)アクリレート、分散型ポリアルキル(メタ)アクリレート等のPMA系;オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体等のOCP系;スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体など)などが挙げられる。なお、本明細書中、「アルキル(メタ)アクリレート」とは、アルキルメタクリレートおよびアルキルアクリレートの両方を含む意味で用いられる。ポリアルキル(メタ)アクリレートを構成するアルキル(メタ)アクリレートは、例えば、炭素数1〜18の直鎖アルキル基または炭素数3〜34の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである。
また、粘度指数向上剤としては、線状の側鎖が出ている三叉分岐点を主鎖に数多くもつ構造を有するポリマー(以下、「櫛形ポリマー」という。)を含有してもよい。このような櫛形ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイル基、エテニル基、ビニルエーテル基、アリル基等の重合性官能基を有するマクロモノマーに由来する構成単位を少なくとも有する重合体が好ましく挙げられる。より具体的には、アルキル(メタ)アクリレートや、窒素原子含有系、ハロゲン元素含有系、水酸基含有系、脂肪族炭化水素系、脂環式炭化水素系、芳香族炭化水素系等の各種ビニル単量体に由来する構成単位を含む主鎖に対して、上記重合性官能基を有するマクロモノマーに由来する構成単位を含む側鎖を有する共重合体が好ましく挙げられる。
当該マクロモノマーの数平均分子量(Mn)は、好ましくは200〜100,000、より好ましくは300〜50,000、さらに好ましくは400〜10,000である。櫛形ポリマーを含有する場合の当該櫛形ポリマーの含有量は、省燃費性を向上させる観点から、前記潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.10〜20.00質量%、より好ましくは0.50〜10.00質量%、さらに好ましくは1.00〜8.00質量%である。ここで、櫛形ポリマーの含有量は、櫛形ポリマーからなる樹脂分のみの含有量を意味し、例えば、該櫛形ポリマーとともに含有する希釈油等の質量は含まれない、固形分基準の含有量である。
あるいは、前記粘度指数向上剤として、SSIが30以下のポリアルキル(メタ)アタリレートも好ましい。粘度指数向上剤としてSSIが30以下のポリアルキル(メタ)アクリレートを使用することで、潤滑油組成物の摩耗防止性をより高めることができる。当該SSIは、摩耗防止性の向上の観点から、より好ましくは1〜25である。また、ポリアルキル(メタ)アクリレートを構成するアルキル(メタ)アクリレートは、例えば、炭素数1〜18の直鎖アルキル基または炭素数3〜34の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである。
SSIとは、せん断安定性指数(Shear Stabi1ity Index)を意味し、粘度指数向上剤中の樹脂分(すなわち、ポリアルキル(メタ)アタリレート)に由来するせん断による粘度低下をパーセンテージで示すものである。SSIが大きいほど、ポリマーはせん断に対して不安定で、より分解されやすい傾向がある。なお、本明細書において、「SSI」は、ASTM D 6278に準拠して測定された値であって、具体的には、下記計算式にしたがって算出された値である。
(上記計算式中、Kvは、樹脂分を含む粘度指数向上剤の100℃における動粘度の値であり、Kvは、当該粘度指数向上剤を、ASTM D 6278の手順にしたがって、30サイクル高剪断ボッシュ・ディーゼルインジェクターに通過させた後の100℃における動粘度の値である。また、Kvoilは、基油の100℃における動粘度の値である。)
これらの粘度指数向上剤は、SSI(せん断安定性指数)を好適な範囲とする観点から、例えば、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,500,000である。例えば、PMA系の場合、Mwは、好ましくは20,000〜1,000,000、より好ましくは100,000〜800,000である。OCP系の場合、Mwは、好ましくは10,000〜800,000、より好ましくは20,000〜500,000である。櫛形ポリマーの場合、Mwは、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜800,000、さらに好ましくは50,000〜700,000である。ポリアルキル(メタ)アクリレートの場合、Mwは、好ましくは、10,000〜1,000,000、より好ましくは30,000〜500,000である。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(標準ポリスチレン換算)により測定することができる。
これらの粘度指数向上剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘度指数向上剤の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.10〜20.00質量%であり、より好ましくは1.00〜15.00質量%、さらに好ましくは2.00〜10.00質量%である。当該含有量をこれら範囲とすることで、潤滑油組成物の粘度を所望の値にしやすくなる。
(酸化防止剤) 酸化防止剤としては、従来潤滑油の酸化防止剤として使用されている公知の酸化防止剤の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、モリブデン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えばジフェニルアミン、炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系酸化防止剤;α−ナフチルアミン、炭素数3〜20のアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤;4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)等のジフェノール系酸化防止剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤;等を挙げられる。
モリブデン系酸化防止剤としては、例えば、三酸化モリブデンおよび/またはモリブデン酸とアミン化合物とを反応させてなるモリブデンアミン錯体等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネイト等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、ホスファイト等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよいが、通常2種以上を組み合わせて使用するのが好ましい。酸化防止剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.01〜10質量%である。
(摩擦調整剤)
摩擦調整剤としては、従来潤滑油の摩擦調整剤として使用されている公知の摩擦調整剤の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、有機ジチオリン酸亜鉛、モリブデン系摩擦調整剤、無灰系摩擦調整剤などが挙げられる。
有機ジチオリン酸亜鉛は、摩擦調整剤として作用し得るが、酸化防止剤としての機能も兼ね備える。当該有機ジチオリン酸亜鉛が酸化を防止する作用機構の一部が、前述の酸化防止剤とは異なる作用機構であることから、前記酸化防止剤とともに当該有機ジチオリン酸亜鉛を併用することが好ましい。具体的には、前述のブェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤等の酸化
防止剤は、連鎖停止型の酸化防止剤であるが、当該有機ジチオリン酸亜鉛は、連鎖停止型の作用も有しつつ、主としてパーオキサイドを分解することにより酸化を防止する作用を有している。連鎖停止型の酸化防止剤は、ハイドロパーオキサイドの生成を抑制するが、生成したハイドロパーオキサイドに対しては効呆を奏しないことから、当該有機ジチオリン酸亜鉛と前記酸化防止剤とを併用することによって、相乗効果が得られ、より優れた酸化防止性能を奏することができる。
有機ジチオリン酸亜鉛としては、特に制限されないが、例えば、下記の一般式で表される化合物が挙げられる。
上記式中、R41、R42、R43及びR44は、それぞれ独立に、炭素数1〜24の炭化水素基を表す。
有機ジチオリン酸塩としては、好ましくはジアルキルジチオリン酸亜鉛であり、より好ましくは第2級ジアルキルジチオリン酸亜鉛である。
有機ジチオリン酸亜鉛は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機ジチオリン酸亜鉛の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.05〜20質量%である。
モリブデン系摩擦調整剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、ジチオリン酸モリブデン(MoDTP)、モリブテン酸のアミン塩等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。モリブデン系摩擦調整剤由来のモリブデン原子の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは30〜400質量ppmである。
無灰系摩擦調整剤としては、例えば、脂肪酸と脂肪族多価アルコールとの反応により得られる部分エステル化合物等のエステル系摩擦調整剤が挙げられる。前記脂肪酸は好ましくは炭素数6〜30の直鎖状又は分岐状炭化水素基を有する脂肪酸であり、該炭化水素基の炭素数はより好ましくは8〜24、さらに好ましくは10〜20である。また、前記脂肪族多価アルコールは2価以上6価以下のアルコールであり、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無灰系摩擦調整剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.01〜8.0質量%である。
(無灰系分散剤)
無灰系分散剤としては、数平均分子量(Mn)が900〜3,500のポリブテニル基を有するポリブテニルコハク酸イミド(ポリブテニルコハク酸モノイミド、ポリブテニルコハク酸ビスイミド等)、ポリブテニルベンジルアミン、ポリブテニルアミン、およびこれらのホウ酸変性物(ポリブテニルコハク酸モノイミドホウ素化物等)等の誘導体等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無灰系分散剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.10〜15質量%である。
(極圧剤)
極圧剤としては、例えば、硫化オレフィン、ジアルキルポリスルフィド、ジアリールアルキルポリスルフィド、ジアリールポリスルフィド等の硫黄系化合物、リン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、アルキルハイドロゲンホスファイト、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩等のリン系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。極圧剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.01〜10質量%である。
(防錆剤)
防錆剤としては、例えば、ドデセニルコハク酸ハーフエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミド等のアルキルまたはアルケニルコハク酸誘導体、ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエート等の多価アルコール部分エステル、ロジンアミン、N−オレイルサルコシン等のアミン類、ジアルキルホスファイトアミン塩等が使用可能である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。防錆剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%である。
(金属不活性化剤)
金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トリアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体が挙げられる。これらの金属不活性化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属不活性化剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.01〜3.0質量%である。
(流動点降下剤)
流動点降下剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられ、特に、ポリメタクリレートが好ましく用いられる。これらの流動点降下剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。流動点降下剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%である。
(消泡剤)
消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリアクリレート等が挙げられる。これらの消泡剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。消泡剤の含有量は、特に制限されないが、組成物全量基準で、好ましくは0.0002〜0.15質量%である。
<内燃機関用潤滑油組成物の性状等>
潤滑油組成物中のカルシウム原子(Ca)含有量は、潤滑油組成物の清浄性向上の面から、前記組成物全量基準で、好ましくは500質量ppm以上、より好ましくは800質量ppm以上、さらに好ましくは1,000質量ppm以上である。また、潤滑油組成物の灰分低減の面から、好ましくは2,500質量ppm以下、より好ましくは2,300質量ppm以下、さらに好ましくは2,000質量ppm以下である。
潤滑油組成物中のモリブデン原子(Mo)含有量は、潤滑油組成物の摩擦低減作用の向上の点から、前記組成物全量基準で、好ましくは30質量ppm以上、より好ましくは40質量ppm以上、さらに好ましくは50質量ppm以上である。また、潤滑油組成物の清浄性の面から、好ましくは1,500質量ppm以下、より好ましくは1,300質量ppm以下、さらに好ましくは1,100質量ppm以下である。
潤滑油組成物中のリン原子(P)含有量は、摩耗防止の面から、前記組成物全量基準で、好ましくは200質量ppm以上、より好ましくは300質量ppm以上、さらに好ましくは400質量ppm以上である。また、排ガス浄化用触媒の活性低下を防止する観点から、好ましくは1,500質量ppm以下、より好ましくは1,300質量ppm以下、さらに好ましくは1,100質量ppm以下である。
潤滑油組成物中の亜鉛原子(Zn)含有量は、摩耗防止の面から、前記組成物全量基準で、好ましくは200質量ppm以上、より好ましくは300質量ppm以上、さらに好ましくは400質量ppm以上である。また、触媒保護の面から、好ましくは1,700質量ppm以下、より好ましくは1,200質量ppm以下、さらに好ましくは1,100質量ppm以下である。
潤滑油組成物中の硫黄原子(S)含有量は、潤滑油組成物の摩擦低減作用の向上の面から、前記組成物全量基準で、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.07質量%以上、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは1.00質量%以下、より好ましくは0.70質量%以下、さらに好ましくは0.50質量%以下である。
潤滑油組成物中のホウ素原子(B)含有量は、耐熱性の面から、前記組成物全量基準で、好ましくは0質量ppm、より好ましくは30質量ppm以上、さらに好ましくは50質量ppm以上である。また、溶解性の面から、好ましくは1,000質量ppm以下、より好ましくは800質量ppm以下、さらに好ましくは700質量ppm以下である。
潤滑油組成物中の窒素原子(N)含有量は、酸化安定性の面から、前記組成物全量基準で、好ましくは100質量ppm以上、より好ましくは200質量ppm以上、さらに好ましくは300質量ppm以上である。また、溶解性の面から、好ましくは2,000質量ppm以下、より好ましくは1,800質量ppm以下、さらに好ましくは1,500質量ppm以下である。
潤滑油組成物中の硫酸灰分は、潤滑油組成物全量基準で、3質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。硫酸灰分の下限は特に制限されず、例えば、0.1質量%以上である。
潤滑油組成物の塩基価(塩酸法)は、清浄性の面から、好ましくは4.80mgKOH/g以上、より好ましくは5.00mgKOH/g以上、さらに好ましくは5.30mgKOH/g以上である。また、好ましくは20.0mgKOH/g以下、より好ましくは17.0mgKOH/g以下、さらに好ましくは15.0mgKOH/g以下である。当該塩基価(塩酸法)は、JIS K2501:2003に準拠して、電位差滴定法(塩基価・塩酸法)により測定される。
後述する実施例に記載の耐水性試験後の潤滑油組成物の塩基価(塩酸法)は、好ましくは3.00mgKOH/g以上、より好ましくは3.50mgKOH/g以上、さらに好ましくは4.00mgKOH/g以上である。当該塩基価が下限値以上であると、水分混入時の清浄性に優れる。また、好ましくは19.0mgKOH/g以下、より好ましくは16.0mgKOH/g以下、さらに好ましくは14.0mgKOH/g以下である。
[潤滑油組成物の製造方法]
実施形態の潤滑油組成物の製造方法は、特に制限されない。成分(A)および成分(B)、ならびに必要に応じて成分(C)は、いかなる方法で配合されてもよく、その手法は限定されない。
[潤滑油組成物の用途]
実施形態の潤滑油組成物は、好ましくは二輪車、四輪車等の自動車、発電機、船舶等のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、船外機等の内燃機関用潤滑油(エンジン油)として使用することができ、当該内燃機関に充填し、当該内燃機関に係る各部品間を潤滑する潤滑する潤滑油として使用されるものである。
実施形態の潤滑油組成物は、好ましくは内燃機関および電動機を動力源として有するハイブリッドシステムを採用した車両または船舶に搭載される内燃機関に用いることができる。好ましくは、ハイブリッドシステムを採用した車両または船舶に搭載される内燃機関に充填し、当該内燃機関に係る各部品間を潤滑する潤滑油として使用されるものである。ハイブリッドシステムを採用した車両または船舶としては、例えば、ハイブリッド自動車、ハイブリッド2輪車、ハイブリッドトレイン、ハイブリッド船舶等が挙げられる。
また、実施形態の潤滑油組成物は、船外機に搭載される内燃機関に用いることができる。船舶の推進システムである船外機は水分が混入しやすい。実施形態の潤滑油組成物は耐水性に優れるため、耐水性が要求される船外機の内燃機関に充填し、当該内燃機関に係る各部品間を潤滑する潤滑油として好ましく使用することができる。
また、実施形態の潤滑油組成物は、メタノール、エタノール、バイオ燃料等のアルコール燃料を含有する燃料を用いる内燃機関に用いることができる。好ましくはメタノール、エタノール、バイオ燃料等のアルコール燃料を含有する燃料を用いる内燃機関に充填し、当該内燃機関に係る各部品間を潤滑する潤滑油として使用されるものである。なお、アルコール燃料を含有する燃料中、当該アルコールの含有量は、好ましくは40体積%以上、より好ましくは70体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上である。バイオ燃料としては、例えば、バイオメタノール、バイオエタノール、バイオエチル−tert−ブチルエーテル、およびセルロース系エタノールが挙げられる。
また、実施形態の潤滑油組成物は、バイオディーゼル燃料を含有する燃料を用いる内燃機関に用いることができる。好ましくはバイオディーゼル燃料を含有する燃料を用いる内燃機関に充填し、当該内燃機関に係る各部品間を潤滑する潤滑油として使用されるものである。バイオディーゼル燃料としては、例えば、脂肪酸メチルエステル、植物および獣脂等の原料泊脂を石油精製の水素化処理技術を応用して分解・精製した水素化処理油、またはバイオマスの熱分解ガスをフィッシャートロプシュ法による一酸化炭素と水素とから触媒反応を用いて液体炭化水素を合成させてつくる合成袖を配合した燃料が挙げられる。バイオディーゼル燃料と上記バイオ燃料とを併用してもよい。バイオ燃料および/またはバイオディーゼル燃料の合計含有量は、好ましくは40体積%以上、より好ましくは70体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上である。
以下、本発明について実施例を参照して詳述するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
実施例および比較例で用いた各原料並びに各実施例および各比較例の潤滑油組成物の各物性の測定は、以下に示す要領に従って求めたものである。
(1)動粘度
JIS K2283:2000に準じ、ガラス製毛管式粘度計を用いて測定した値である。
(2)粘度指数
JIS K2283:2000に準拠して測定した値である。
(3)環分析によるパラフィン分(%CP)
環分析n−d−M法にて算出したパラフィン分の割合(百分率)を示し、ASTM D 3238に従って測定した値である。
(4)塩基価
JIS K2501:2003に準拠して、電位差滴定法(塩基価・塩酸法)により測定した値である。
(5)カルシウム原子(Ca)、モリブデン原子(Mo)、リン原子(P)、亜鉛原子(Zn)、およびホウ素原子(B)の含有量
JPI−5S−38−2003に準拠して測定した値である。
(6)硫黄原子(S)の含有量
JIS K2541−6:2013に準拠して測定した値である。
(7)窒素原子(N)の含有量
JIS K2609:1998に準拠し、化学発光法により測定した値である。
(8)硫酸灰分
JIS K2272:1998に準拠して測定した。
(9)Ca1、Ca2
カルシウム系清浄剤として、後述の各種過塩基性カルシウム塩を用いた。これらの過塩基性カルシウム塩は、炭酸カルシウム粒子がカルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、またはカルシウムフェネートに内包された構造を有しており、以下の手順により、Ca1、Ca2を算出した。
まず、カルシウム系清浄剤中に含まれるカルシウム元素の総質量をJPI−5S−38−2003に準拠して測定し、「Ca1+Ca2」とした。次に、カルシウム系清浄剤を塩酸で処理し、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、またはカルシウムフェネート(化合物(b))と炭酸カルシウム粒子とを分離した。分離したカルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、またはカルシウムフェネートをエーテルで抽出し、エーテルを除去した後に得られたアルキルサリチル酸、アルキルスルホン酸、またはアルキルフェノールの量から化合物(b)中に含まれるカルシウム元素の質量を求め、Ca1とした。「Ca1+Ca2」の量からCa1の量を差し引くことで、炭酸カルシウム粒子中に含まれるカルシウム元素の総質量(Ca2)を算出した。こうして得たCa1およびCa2から「Ca1/(Ca1+Ca2)」および「Ca2/(Ca1+Ca2)」を算出した。
[実施例1〜7、比較例1〜4]
下記の表1に示すように、基油に下記表1に示す各成分を配合して、基油およびこれら各成分を含有する各実施例および各比較例の潤滑油組成物を調製した。
以下に、実施例および比較例で用いた基油および各種添加剤の詳細を示す。
<成分(A):基油>
水素化精製基油(鉱油)、100℃動粘度=4.2mm/s、粘度指数=126、%C=79.6。
<金属系清浄剤:カルシウム系清浄剤(成分(B))・マグネシウム清浄剤(成分(C))>
・Caスルホネート(1):過塩基性カルシウムスルホネート
・Caスルホネート(2):過塩基性カルシウムスルホネート
・Caスルホネート(3):過塩基性カルシウムスルホネート
・Caサリシレート(1):過塩基性カルシウムサリシレート
・Caスルホネート(4):過塩基性カルシウムスルホネート
・Caスルホネート(5):過塩基性カルシウムスルホネート
・Caサリシレート(2):過塩基性カルシウムサリシレート
・Caフェネート:過塩基性カルシウムフェネート
・Caスルホネート(6):過塩基性カルシウムスルホネート
・Mgスルホネート:過塩基性マグネシウムスルホネート
前記各金属系清浄剤の性状を下記表1に示す。
<その他の成分(C)>
・エンジン油添加剤:粘度指数向上剤、流動点降下剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、モリブデンジチオカーバメート、ポリブテニルコハク酸イミド、ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミド、酸化防止剤、消泡剤
実施例および比較例で調製した潤滑油組成物について、以下の試験を行った。結果を表1に示す。
<耐水性試験>
実施例および比較例の内燃機関用潤滑油組成物200gに、精製水を10g(組成物全量基準で5質量%に相当)を添加後、油温を95℃に調整し、700rpmで撹拌しながら48時間保持した。
その後、塩基価(塩酸法)を測定し、水添加前後の塩基価の変化を評価した。
水添加前の塩基価に対する水添加後の塩基価の減少率(=水添加後の塩基価/水添加前の塩基価×100)が、30%を超えるものを不合格(×)、30%以下のものを合格(25%を超え30%以下:○、25%以下:◎)とした。
表1に示すとおり、炭素数16以上の直鎖アルキル基を有するカルシウム系清浄剤を含む実施例1〜7の潤滑油組成物は、カルシウム系清浄剤のアルキル基が分岐鎖である比較例1、カルシウム系清浄剤のアルキル基が16未満の直鎖アルキル基である比較例2、炭素数16以上の直鎖アルキル基を有するマグネシウム系清浄剤を用いた比較例3に比べて、水分添加試験後の塩基価の減少率が30%未満であり、多量(5質量%)の水分が混入した場合であっても塩基価維持性に優れることが確認される。なお、比較例4の金属系清浄剤を含まない潤滑油組成物の硫酸灰分量が有意に小さいことから、硫酸灰分量は主としてカルシウム系清浄剤に由来するものであることが示唆される。
さらに、カルシウム系清浄剤の直鎖アルキル基の炭素数が18以上(特に20以上)である実施例3〜5の潤滑油組成物は、塩基価の低下を一層抑制しやすいことが確認される。
また、式(I):Ca1/(Ca1+Ca2)≧0.6を満足する実施例6〜7の潤滑油組成物は、5%の水分添加試験後の塩基価の減少率が一層小さく、耐水性が向上した。
式(II):Ca2/(Ca1+Ca2)≧0.2を満足する実施例1〜6の潤滑油組成物は、同式を満たさない実施例7に比べて、硫酸灰分の発生を抑制することができた。
実施形態の潤滑油組成物は、耐水性、特に、水分混入時の塩基価維持性に優れる。そのため、ハイブリッドシステムを採用した車両に搭載される内燃機関に好適に用いることができ、より好ましくはハイブリッドシステムを採用した車両または船舶等に搭載される内燃機関に充填し、当該内燃機関に係る各部品間を潤滑する潤滑油として使用され得る。
また、実施形態の潤滑油組成物は、船外機に搭載される内燃機関に用いることができる。
また、実施形態の潤滑油組成物は、メタノール、エタノール等のアルコール燃料を含有する燃料を用いる内燃機関にも好適に用いることができ、より好ましくは当該アルコール燃料を含有する燃料を用いる内燃機関に充填し、当該内燃機関に係る各部品間を潤滑する潤滑油として使用され得る。
10 過塩基性カルシウム塩、
11 炭酸カルシウム
12 化合物(b)の石鹸部分
13 化合物(b)のアルキル基
14 化合物(b)

Claims (8)

  1. 以下の成分:
    (A)基油;および
    (B)カルシウム系清浄剤;
    を含有する潤滑油組成物であって、
    前記成分(B)は、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、およびカルシウムフェネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(b)を含み、前記化合物(b)は炭素数16以上の直鎖アルキル基を有する、潤滑油組成物。
  2. 前記成分(B)の直鎖アルキル基の炭素数が18以上である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記成分(B)の直鎖アルキル基の炭素数が20以上である、請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
  4. 前記成分(B)が、炭酸カルシウムを含有し、
    下記式(I)を満たす、請求項1に記載の潤滑油組成物。
    Ca1/(Ca1+Ca2)≧0.6 (I)
    (式中、Ca1は、前記成分(B)に含まれる化合物(b)中のカルシウム元素の質量を示し、
    Ca2は、前記成分(B)に含まれる炭酸カルシウム中のカルシウム元素の質量を示す。)
  5. 前記成分(B)が、炭酸カルシウムを含有し、
    下記式(II)を満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
    Ca2/(Ca1+Ca2)≧0.2 (II)
    (式中、Ca1は、前記成分(B)に含まれる化合物(b)中のカルシウム元素の質量を示し、
    Ca2は、前記成分(B)に含まれる炭酸カルシウム中のカルシウム元素の質量を示す。)
  6. ハイブリッドシステムを採用した車両または船舶に搭載される内燃機関に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  7. アルコール燃料を含有する燃料を用いる内燃機関に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  8. 船外機に搭載される内燃機関に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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