JP2019088833A - 縫製品 - Google Patents

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和秀 古川
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寛巳 樋口
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春男 松島
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Abstract

【課題】ファスナーテープと身生地等、厚みの異なる2枚の生地の縫合部の厚さ、ごろつき感、硬さを減らすと共に縫合部を目立ち難くすっきり仕上げることができ、かつ、縫合部の強度を確保することができる、生地端同士が縫合された縫製品を提供する。【解決手段】第1の生地の端とそれよりも厚い第2の生地の端とがつき合わせた状態で縫合された縫製品であって、1本の下糸と下糸に絡んで複数列のジグザグの縫い目を形成する複数本の上糸とによって、第1の生地端と第2の生地端とが縫合されて、第1の生地は、左右一対のファスナーテープで、第2の生地は、ファスナーテープそれぞれの幅方向一端とつき合わせた状態で縫合され、ファスナーテープは幅方向他端側に左右のエレメントをそれぞれ有し、エレメントの噛合状態におけるファスナーテープの幅方向の長さは、噛合状態のエレメントが占める幅方向の長さの2〜4倍であることを特徴とする縫製品。【選択図】図7

Description

本発明は、縫製品及び生地の縫製方法に関し、特に厚さの異なる生地端同士、例えば、ファスナーテープの端と身生地の端同士が縫合された縫製品、及びその縫製方法に関する。
スライドファスナー用のファスナーテープと身生地とを縫合する場合、縫合部の強度を確保するため、ファスナーテープの一面の幅方向一端側に身生地を重ねた状態で地縫いした後、身生地を折り返して更に縫合している。なお、一般的には、ファスナーテープの他面にも見返しを重ね、身生地と共に地縫いし、見返しを折り返した後、更に身生地と共に縫合している。そのため、縫合部が厚く、硬くなっている。また、ファスナーテープと身生地とを部分的に重ね合わせ、更に折り返すため、その分、ファスナーテープ及び身生地の両方の寸法を大きくする必要があった。例えば、ファスナーテープの横幅は、エレメントが占める横幅の5〜6倍に設定する必要があった。そのため、ファスナーテープ及び身生地の両方の材料費が嵩んでいる。
生地端同士を重ねることなく縫合する生地の縫製方法として、4本針又は5本針のフラットシーマーミシンを用いて、6本の糸で縫合する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このフラットシーマーミシンを用いた縫合方法によれば、生地端同士をつき合わせた状態で縫合することにより、縫合部の凹凸を減らすことができ、また、生地端同士を6本の糸で縫合することにより、縫合部の強度を確保することができる。しかしながら、フラットシーマーミシンを用いた生地の縫製方法では、生地端同士を6本の糸で縫合することにより、糸の太さにより縫合部の厚さが嵩み、また、縫合部の幅が広いことにより目立つ。そのため、フラットシーマーミシンを用いてファスナーテープの端と身生地の端とをつき合わせた状態で縫合した場合、ステッチ部分の縫い幅が広く盛り上がってごろつき感が出たり、ミシン目が複雑でエレガントな仕上がりになり難いといった問題がある。また現実的にフラットシーマーミシンで縫製する場合、横荷重に対して止める力が弱く生地同士に隙間が開いてしまう事から、縫い目形成間での重ね合わせ縫製が主流であり、つき合せでの縫製は少ない。
また、特許第5341961号(特許文献2)には、上記フラットシーマーミシンによる縫製方法の問題点を解決する技術が開示されている。しかしながら、当該特許文献2には、厚さが異なる生地同士をつき合わせ縫製する際に生じる特有の技術課題を解決することまでは記載されていない。本発明者は、この技術を用いてファスナーテープの端と身生地の端とつき合わせて縫合する場合、ファスナーテープが長手方向に波うつように仕上がってしまうという課題を見出した。さらに、従来、ファスナーは上述のとおり、重ね合わせにより縫製することが技術常識であり、それ以外の縫製方法で縫製することは、当該特許文献2に示唆されていないし、そのような着想を開示する先行技術文献はない。
特開2000−197783号公報 特許第5341961号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ファスナーテープと身生地等、厚みの異なる2枚の生地の縫合部の厚さ、ごろつき感、硬さを減らすと共に縫合部を目立ち難くすっきり仕上げることができ、かつ、縫合部の強度を確保することができる、生地端同士が縫合された縫製品、及びその縫製方法を提供することを課題とするものである。
本発明の別の課題は、生地の材料費を低減することができ、また縫製工程の簡略化を図ることができる縫製品及び生地の縫製方法を提供することである。
本発明の更に別の課題は、ファスナーテープの波うちを減らすか無くすことができる生地の縫製方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る縫製品は、第1の生地の端と第1の生地よりも厚い第2の生地の端とがつき合わせた状態で縫合された縫製品であって、1本の下糸と該1本の下糸に絡んで複数列のジグザグの縫い目を形成する複数本の上糸とによって、前記第1の生地の端と前記第2の生地の端とが縫合されていることを特徴とする。
前記縫製品において、2本の前記上糸により2列のジグザグの縫い目が形成され、前記2本の上糸の一方と前記下糸とにより前記第1の生地の端が縁かがりされ、前記2本の上糸の他方と前記下糸とにより前記第2の生地の端が縁かがりされてもよい。
前記縫製品において、3本の前記上糸により3列のジグザグの縫い目が形成され、前記3本の上糸のうちの1本は、前記第1の生地の端と前記第2の生地の端とに交互に縫い付けられ、前記3本の上糸のうちの他の2本は、前記1本の上糸を挟んだ両側で前記第1の生地の端又は前記第2の生地の端に縫い付けられてもよい。
前記縫製品において、前記第1の生地は、エレメントが取り付けられたファスナーテープであってもよい。
前記縫製品において、前記ファスナーテープの幅方向の長さ(図9のT参照)は、前記エレメントの幅方向の長さ(図9のE参照)の2〜4倍であってもよい。従来のファスナーテープと身生地との縫合は、両者を部分的に重ねる必要があり、その分、ファスナーテープの幅方向の長さを大きくする必要があった。そのため、ファスナーテープの幅方向の長さは、エレメント幅の5〜6倍に設定する必要があった。
また、本発明に係る生地の縫製方法は、第1の生地の端と第1の生地よりも厚い第2の生地の端とをつき合わせた状態で縫合する生地の縫製方法であって、複数本の上糸を1本の下糸に、前記複数本の上糸が複数列のジグザグの縫い目を形成するように絡ませて、前記第1の生地の端と前記第2の生地の端とを縫合することを特徴とする。
前記生地の縫製方法において、垂直全回転釜と、前記第1及び第2の生地の送り方向と直交する方向に並べて配され、当該方向に揺動する複数本の縫針とを備えるミシンを使用して前記第1の生地の端と前記第2の生地の端とを縫合してもよい。
前記生地の縫製方法において、前記第1の生地及び第2の生地を均等な圧力で押さえつつ送り量設定の異なる送り歯でそれぞれ送ってもよい。
前記生地の縫製方法において、前記第2の生地に対する送り歯の送り量設定を第1の生地に対する送り歯の送り量設定よりも大きくしてもよい。
前記生地の縫製方法において、前記第1の生地は、エレメントが取り付けられたファスナーテープであってもよい。
前記生地の縫製方法において、前記ファスナーテープの幅方向の長さは、前記エレメントの幅方向の長さの2〜4倍であってもよい。
本発明によれば、ファスナーテープと身生地等、厚みの異なる2枚の生地の縫合部の厚さ、ごろつき感、硬さを減らすと共に縫合部を目立ち難くし、すっきりエレガントに仕上げることができ、かつ、縫合部の強度を確保することができる、生地端同士が縫合された縫製品、及びその縫製方法を提供することができる。また、本発明によれば、生地の材料費を低減することができ、また縫製工程の簡略化を図ることができる縫製品及び生地の縫製方法を提供することができる。更に、本発明によれば、ファスナーテープの波うちを減らすか無くすことができる生地の縫製方法を提供することができる。
一実施形態に係る縫製品の一方の面を示す平面図である。 縫製品の他方の面を示す平面図である。 縫合部の縫型立体図である。 図1の4−4断面図である。 生地の縫製方法の一実施例を示す立面図である。 生地の縫製方法の一実施例を示す斜視図である。 ミシンの生地押さえでファスナーテープと身生地と押さえつつ送り歯で送っている状態を示す正面図であり、ファスナーテープ及び身生地は断面で表される。 針板上に露出する送り歯を示す斜視図である。 身生地に縫合された左右一対のファスナーテープの断面図である。 他の実施形態に係る縫製品の一方の面を示す平面図である。 縫製品の他方の面を示す平面図である。 縫合部の縫型立体図である。 図10の11−11断面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る縫製品10の一方の面を示す平面図であり、図2は、縫製品10の他方の面を示す平面図である。これらの図に示すように、縫製品10は、第1の生地の一例としてのファスナーテープ12の端(以下、「テープ端」ともいう)12Aと、ファスナーテープ12よりも厚い第2の生地としての身生地14の端(以下、「生地端」ともいう)14Aとを、重ねることなくつき合わせた状態で縫合することにより縫製されたものである。ファスナーテープ12は、織物製又は編物製である。身生地14は、衣類、鞄類等をなす生地であり、例えば、フェルト生地、ニット、ウール圧縮ニット、ジャージー等であるが、これらに限定されるものではない。縫製品10は、スライドファスナー(図示せず)を使った衣類、鞄類等である。
本実施形態において、ファスナーテープ12は身生地14よりも薄い(図4等参照)が、本発明はこれに限定されるものではなく、身生地14がファスナーテープ12よりも薄い場合もある。
テープ端12A及び生地端14Aの縫合には、2本の上糸16、18と1本の下糸20とが用いられている。なお、以下の説明では、縫製品10における上糸16、18が縫い目となって表出する面を表、縫製品10における下糸20が縫い目となって表出する面を裏と称する。ファスナーテープ12の表面にはエレメント15(図7等参照)が取り付けられている。
2本の上糸16、18は、テープ端12A及び生地端14Aが重なることなくつき合わされる境界線Lを挟んで並列されており、上糸16は、テープ端12Aの表側でジグザグの縫い目を形成し、上糸18は、生地端14Aの表側でジグザグの縫い目を形成している。上糸16、18は、その折返し点16A、16B、18A、18Bにおいて下糸20と絡んで結び目を形成している。
上糸16の境界線L側の折返し点16A、及び上糸18の境界線L側の折返し点18Aは、何れも境界線L上に位置する。また、折返し点16A、18Bは、境界線Lと直交する方向(図中X方向)に並び、折返し点16B、18Aも、X方向に並んでおり、それらの間隔L1は所定値(例えば、2.00mm)に設定されている。また、折返し点16Aと折返し点16BとのX方向の間隔L2、及び、折返し点18Aと折返し点18BのX方向の間隔L3は、所定値(例えば、2.00mm)に設定されている。従って、上糸16、18によって形成される縫い目の幅L4は、所定値(例えば、4.00mm)となる。
図2に示すように、下糸20は、テープ端12A及び生地端14Aの裏側で、折返し点16A、16B、18A、18Bを経由しながら、境界線Lの方向(図中Y方向)に延びている。ここで、下糸20をY方向に辿ると、下糸20は、各折返し点を、18B→18A→16B→18A→18B→16A→18B→(以下、繰り返し)の順序で経由する。
図3は、テープ端12A及び生地端14Aの縫合部の縫型立体図である。この図に示すように、下糸20の構成をY方向に辿ると、下糸20は、折返し点18Bにおいて上糸18と結び目を形成し、その隣の折返し点16Aにおいて上糸16と結び目を形成する。そして、下糸20は、折返し点18Bを経由して、折返し点18Aにおいて上糸18と結び目を形成し、その隣の折返し点16Bにおいて結び目を形成する。そして、下糸20は、折返し点18Aを経由して、折返し点18Bにおいて上糸18と結び目を形成し、その隣の折返し点16Aにおいて結び目を形成する。以上の構成が繰返される。
図4は、図1の4−4断面図である。この図に示すように、テープ端12Aは、折返し点16B−16A間で、上糸16と下糸20とにより縁かがりされ、生地端14Aは、折返し点18B−18A間で、上糸18と下糸20とにより縁かがりされている。
ここで、互いに絡み合ってテープ端12Aを包囲する上糸16と下糸20との張力は、テープ端12Aを圧縮するように作用するため、テープ端12Aの密度が高められている。また、互いに絡み合って生地端14Aを包囲する上糸18と下糸20との張力は、生地端14Aを圧縮するように作用するため、生地端14Aの密度が高められている。
図5は、生地の縫製方法の一実施例を示す立面図であり、図6は、当該実施例に係る生地の縫製方法を示す斜視図である。図5に示すように、テープ端12Aと生地端14Aとを縫合するのに使用するミシンは、2本の縫針1、2と、垂直全回転釜4と、これらの間に配された針板3とを備える。2本の縫針1、2は、生地の送り方向(図中手前側から奥側)と直交する方向(図中左右方向)に平行に配されており、上下動されると共に、不図示の揺動機構により図中左右方向に揺動される。縫針1の糸穴には上糸16が通され、縫針2の糸穴には上糸18が通されている。
垂直全回転釜4は、生地の送り方向と平行な回転軸を中心として図中反時計回り方向に回転する釜であり、下糸20が巻かれたボビンや上糸16、18のループを広げる剣先(共に不図示)等を備えている。針板3には、縫針1、2が通過する孔が形成されている。
テープ端12Aと生地端14Aとを縫合するのに使用するミシンは、ファスナーテープ12とファスナーテープ12よりも厚い身生地14とを針板3に対し均等の圧力で押さえるための生地押さえ装置30(図7参照)と、ファスナーテープ12と身生地14とを異なる送り量で送るための送り歯40a、41a、40b、41b(図8等参照)を含む生地送り機構とを更に備える。以上のような構成のミシンを使用してテープ端12Aと生地端14Aとを縫合する手順について説明するが、生地押さえ装置30、及び送り歯40a、41a、40b、41bを含む生地送り機構については後述する。図6に示すように、上糸16、18が糸穴に通された縫針1、2を、夫々、折返し点16B、18Aに貫通させ、そして、縫針1、2を引き上げつつ垂直全回転釜4を回転させる。この際、垂直全回転釜4の剣先により上糸16、18のループが広げられて、このループの中に下糸20が通され、その状態で、上糸16、18が引き上げられる。これにより、折返し点16Bにおいて上糸16と下糸20とが結び目を形成し、折返し点18Aにおいて上糸18と下糸20とが結び目を形成する。
次に、ファスナーテープ12及び身生地14をY方向に送り、縫針1、2を図中右方向へ揺動させて夫々、折返し点16A、18Bに貫通させる。そして縫針1、2を引き上げつつ垂直全回転釜4を回転させる。これにより、折返し点16Aにおいて上糸16と下糸20とが結び目を形成し、折返し点18Bにおいて上糸18と下糸20とが結び目を形成する。
次に、ファスナーテープ12及び身生地14をY方向に送り、縫針1、2を図中左方向へ揺動させて夫々、折返し点16B、18Aに貫通させる。そして、縫針1、2を引き上げつつ垂直全回転釜4を回転させる。これにより、折返し点16Bにおいて上糸16と下糸20とが結び目を形成し、折返し点18Aにおいて上糸18と下糸20とが結び目を形成する。以上の手順を繰返すことにより、テープ端12Aと生地端14Aとが、上糸16、18及び下糸20により縁かがりされながら2列の千鳥縫いをされて縫合される。
以上説明したように、2本の上糸16、18及び1本の下糸20による2列の千鳥縫いによってテープ端12A及び生地端14Aを縫合した縫製品10の縫合部は、2本の上糸16、18及び1本の下糸20の張力でテープ端12A及び生地端14Aの密度が高められていることにより、十分な引張強度を有する。
また、テープ端12A及び生地端14Aを縫合する糸が3本と少ないことから、フラットシーマーミシンを用いた6本の糸による縫合部と比して、縫合部の厚みを抑えることができ、縫合部の凹凸やごろつき感を抑えたり、縫合部を目立ち難くしたりすることができる。また、フラットシーマーミシンを用いた6本の糸による縫合部と比して、縫い幅を狭くすることができ、より一層、縫合部を目立ち難くすることができる。ここで、縫合部を目立ち難くすることができることにより、縫製品10が上着等の縫い目が外に出る衣類である場合に、デザイン性を良くすることができる。
また、本実施形態に係る縫製品10では、上糸16と下糸20とによりテープ端12Aが縁かがりされ、上糸18と下糸20とにより生地端14Aが縁かがりされていることにより、テープ端12A及び生地端14Aのほつれを防止できる。
以上のテープ端12Aと生地端14Aとの縫合時において、ファスナーテープ12と身生地14は、針板3上で生地押さえ装置30(図7参照)により均等の圧力で押さえられる。加えて、ファスナーテープ12及び身生地14のY方向への送りは、生地送り機構の左方送り歯40a、41a及び右方送り歯40b、41b(図7及び8参照)により、右方に配置される身生地14の送り量が左方に配置されるファスナーテープ12の送り量よりもわずかに大きくなるように設定される。このような制御を行う理由は次の通りである。身生地14がファスナーテープ12よりも厚いため、通常のミシンフットで縫製したのでは、薄い側のファスナーテープ12をミシンフットによってしっかりと押さえることができない。そのような状態で縫製すると、ミシンが間欠送りであることから、生地を押さえる圧力にも変化が起こり、結果的に送りムラやピッチ不良が起きる。これを回避するため、まず、ファスナーテープ12と身生地14とで厚みが異なっても同様の押さえ圧力がかかる様にすべく、生地押さえ装置30のようなシーソー機能を有したミシンフットで生地を押さえるようにした。しかしながら、本発明者は、均等押さえ圧でファスナーテープ12と身生地14を縫合したところ、ファスナーテープ12側に長手方向に波うつような皺が生じることが分かった。更に、その原因は、均等圧下の生地押さえ部下に引き込まれる際、ファスナーテープ12よりも厚い身生地14がわずかに送り方向に伸びた状態となって縫合され、縫合後に伸びていた身生地14が縮むためであることを見出した。これを回避するため、均等押さえ下のより厚い身生地14側の送り量をファスナーテープ12よりもわずかに大きく設定した。
図7は、ミシンの生地押さえ装置30によりファスナーテープ12及び身生地14を針板3上で均等な圧力で押さえている状態を示す正面説明図である。この図中、参照番号40a、41aは、ファスナーテープ12を送り方向(図7において手前から奥方向)に送るための左方送り歯であり、参照番号40b、41bは身生地14を送るための右方送り歯である。ファスナーテープ12は、身生地14に縫合される縁とは幅方向反対側の縁にエレメント15を有する。生地押さえ装置30は、装置本体31と、装置本体31から下方かつ前方(図7において手前側)に延びる左右一対の生地押さえ部32a、32bとを備える。この実施形態では、左方の生地押さえ部32aがファスナーテープ12を押さえ、右方の生地押さえ部32bが身生地14を押さえる。装置本体31には、生地押さえ部32a、32bの一方が上がると、その分、他方が下がることにより、生地押さえ部32a、32bによる厚さの異なる生地の押さえ圧を同じにすることができる連動機構(シーソー機能)が内蔵されている。このような連動機構は、例えば特公昭56−17112号公報に開示されている。この連動機構により、ファスナーテープ12と身生地14は、生地押さえ部32a、32bから針板3上で均等の圧力で押さえられる。
図8は、ミシンのテーブル(図示せず)に組み込まれる針板3の開口から上方に露出する左方の送り歯40a、41a及び右方の40b、41bを示す。これら送り歯40a、41a、40b、41bは図7にも表される。送り歯41a、41bは、針孔を挟んで送り方向前後に分けられている。本実施形態において、左方の送り歯40a、41aは、ファスナーテープ12を送るためのものであり、右方の送り歯40b、41bは、身生地14を送るためのものである。また、右方の送り歯40b、41bは、左方の送り歯40a、41aよりも送り量がわずかに大きくなるように設定される。このように左右の送り歯の送り量を独立に設定することができる技術は、例えば、特開平3−191984号公報に開示されている。
以上のように、ファスナーテープ12及び身生地14を均等の圧力で押さえつつ、より厚い身生地14側の送り量を大きくすることにより、両者の一方が他方に対し伸びすぎたり縮みすぎたりすることなくテープ端12Aと生地端14Aとを縫合することができる。そのため、ファスナーテープ12が長手方向に波うつようなことを防ぐことができる。また、縫合時に身生地14を折り返したりする必要がなく、更に見返しも不要となるため、ファスナーテープ12や身生地14の材料費を抑えることができ、また縫製工程も簡略化される。
図9は、身生地14に縫合された左右一対のファスナーテープ12を示す一部断面説明図である。本発明では、テープ端12Aと生地端14Aとが重なることなくつき合わされた状態で縫合される。そのため、ファスナーテープ12の幅方向長さを従来よりも短くすすることが可能となり、その分、材料費を低減することができる。更に詳しくは、従来、エレメント15が閉じられた状態の左右のファスナーテープ12の幅方向長さ(T)は、身生地14との重ね合わせを考慮して、噛合状態の左右のエレンメント15が占める幅方向長さ(E)の5〜6倍に設定する必要があった。これに対し、本発明では、閉状態の左右のファスナーテープ12の幅方向長さTを、左右のエレメント15の幅方向長さEの2〜4倍に抑えることが可能となる。通常、ファスナーテープを重ね合わせ縫製する場合、エレメントの幅方向長(E)が5mm〜6mmのファスナーに対して、ファスナーテープ部を4mm幅のミシンフットで押さえて縫製することが多い。この場合、縫製後に露出しているファスナーテープの幅方向長さ(T)は5mm〜6mm+4mm+4mmで、13mm〜14mmとなっており、現状の消費者には見慣れた商品形態としての定番になっており、消費者が求める見栄えのする商品形態となっているものといえる。そのような消費者ニーズをとらえた縫製商品を提供するという立場からすれば、本発明においても、閉状態の左右のファスナーテープ12の幅方向長さTを、左右のエレメント15の幅方向長さEの2.33〜2.60倍(14/6〜13/5)が最も好ましい範囲といえるが、実際には、縫製品加工上の誤差幅や視覚上の見え方の印象を考慮すると、2〜3倍が好ましい範囲といえる。しかしながら、その一方で、ファスナーを既存の自動製造機で大量生産するとなると、自動製造機のグリッパーでファスナーテープを挟んで保持して各製造の工程間を搬送することが必要になる。そのため、グリッパーで保持できる程度のファスナーテープ幅が必要になるという事情もあり、この技術的な制約からすると、閉状態の左右のファスナーテープ12の幅方向長さTは、左右のエレメント15の幅方向長さEの4倍が少なくとも必要になってくることがわかった。そのため、ファスナーを既存の自動製造機で大量生産したうえで、ファスナーの露出幅をできる限り少なくしようとする場合には、4倍という数字が上限になってくる。
図10は、他の実施形態に係る縫製品100の一方の面を示す平面図であり、図11は、縫製品100の他方の面を示す平面図である。これらの図に示すように、テープ端12Aと生地端14Aの縫合には、3本の上糸16、18、22と1本の下糸20とが用いられている。この実施形態においても、ファスナーテープ12及び身生地14に対する上述した均等押さえと、身生地14側の送り量増とが採られる。
2本の上糸16、18は、テープ端12Aと生地端14Aがつき合わされる境界線Lを挟んで並列されており、上糸16は、テープ端12Aの表側でジグザグの縫い目を形成し、上糸18は、生地端14Aの表側でジグザグの縫い目を形成している。また、上糸22は、境界線Lに跨り、テープ端12A及び生地端14Aの表側でジグザグの縫い目を形成している。上糸16、18、22は、その折返し点16A、16B、18A、18B、22A、22Bにおいて下糸20と絡んで結び目を形成している。
上糸22の折返し点22A、22Bは夫々、テープ端12A及び生地端14A上に位置する。また、折返し点16A、22B、18Bは、境界線と直交する方向(図中X方向)に並び、折返し点16B、22A、18Aは、X方向に並んでいる。
図11に示すように、下糸20は、テープ端12A及び生地端14Aの裏側で、折返し点16A、16B、18A、18B、22A、22Bを経由しながら、境界線Lの方向(図中Y方向)に延びている。ここで、下糸20をY方向に辿ると、下糸20は、各折返し点を、18B→18A→22B→16B→22B→18A→18B→22A→16A→22A→18B(以下、繰り返し)の順序で経由する。
図12は、テープ端12Aと生地端14Aの縫合部の縫型立体図である。この図に示すように、下糸20の構成をY方向に辿ると、下糸20は、折返し点18Bにおいて上糸18と結び目を形成し、その隣の折返し点22Bにおいて上糸22と結び目を形成する。そして、下糸20は、折返し点16Aにおいて上糸16と結び目を形成し、折返し点22B、18Bを経由して、折返し点18Aで上糸18と結び目を形成する。そして、下糸20は、折返し点22Aにおいて上糸22と結び目を形成し、折返し点16Bにおいて上糸16と結び目を形成する。そして、下糸20は、折返し点22A、18Aを経由して折返し点18Bにおいて上糸18と結び目を形成する。以上の構成が繰返される。
図13は、図10の11−11断面図である。この図に示すように、互いに絡み合う上糸22、下糸20が、境界線Lを跨いでテープ端12A及び生地端14Aを包囲し、その片側で、互いに絡む合う上糸16、下糸20が、テープ端12Aを包囲し、その反対側で、互いに絡み合う上糸18、下糸20が、生地端14Aを包囲している。
ここで、上糸22と下糸20との張力は、テープ端12A及び生地端14Aの上糸22、下糸20により包囲される部位を圧縮するように作用する。これにより、テープ端12A及び生地端14Aの当該部位の密度が高まる。また、上糸16と下糸20との張力は、テープ端12Aの上糸16、下糸20により包囲される部位を圧縮するように作用する。これにより、テープ端12Aの当該部位の密度が高まる。さらに、上糸18と下糸20との張力は、生地端14Aの上糸18、下糸20により包囲される部位を圧縮するように作用する。これにより、生地端14Aの当該部位の密度が高まる。
即ち、本実施形態に係る縫製品100の縫合部は、3本の上糸16、18、22と1本の下糸20とにより、幅方向中央とその両側の3箇所において圧縮されて密度が高められるため、上述の実施形態に係る縫製品10よりもさらに、縫合部の引張強度を高くすることができる。なお、縫製品100は、縫針を3本にして上述した縫製品10と同様の方法で縫製すればよい。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、上記実施の形態では、ファスナーテープ12とファスナーテープ12よりも厚い身生地14のテープ端12Aと生地端14Aを縫合したが、身生地14がファスナーテープ12よりも薄い場合もある。この場合は、均等押さえ力下でファスナーテープ12側の送り量をわずかに大きくする。また、上記実施の形態に係る縫製品10では、折返し点16A、18Aをテープ端12A及び生地端14Aの境界線L上に配置したが、テープ端12A上又は生地端14A上に配置してもよい。
1、2 縫針
3 針板
4 垂直全回転釜
10 縫製品
12 ファスナーテープ
12A テープ端
14 身生地
14A 生地端
15 エレメント
16 上糸
16A、16B 折返し点
18 上糸
18A、18B 折返し点
20 下糸
22 上糸
22A、22B 折返し点
30 生地押さえ装置
32a、32b 生地押さえ部
40a、41a、40a、41b 送り歯
100 縫製品

Claims (3)

  1. 第1の生地の端と第1の生地よりも厚い第2の生地の端とがつき合わせた状態で縫合された縫製品であって、
    1本の下糸と該1本の下糸に絡んで複数列のジグザグの縫い目を形成する複数本の上糸とによって、前記第1の生地の端と前記第2の生地の端とが縫合されており、
    前記第1の生地は、左右一対のファスナーテープであり、
    前記第2の生地は、前記左右一対のファスナーテープそれぞれの幅方向一端とつき合わせた状態で縫合され、
    前記左右一対のファスナーテープは幅方向他端側に左右のエレメントをそれぞれ有し、 前記左右のエレメントの噛合状態における前記左右一対のファスナーテープの幅方向の長さは、噛合状態の前記左右のエレメントが占める幅方向の長さの2〜4倍であることを特徴とする縫製品。
  2. 2本の前記上糸により2列のジグザグの縫い目が形成され、
    前記2本の上糸の一方と前記下糸とにより前記第1の生地の端が縁かがりされ、前記2本の上糸の他方と前記下糸とにより前記第2の生地の端が縁かがりされていることを特徴とする請求項1に記載の縫製品。
  3. 3本の前記上糸により3列のジグザグの縫い目が形成され、
    前記3本の上糸のうちの1本は、前記第1の生地の端と前記第2の生地の端とに交互に縫い付けられ、前記3本の上糸のうちの他の2本は、前記1本の上糸を挟んだ両側で前記第1の生地の端又は前記第2の生地の端に縫い付けられていることを特徴とする請求項1に記載の縫製品。
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