JP2019087431A - 照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な放熱性を有し、器具の温度上昇を抑制できる照明器具を提供する。【解決手段】実施形態の一例である照明器具10は、光源13と、有底筒状のベース部20と、ベース部20の外面21bに取り付けられた複数の放熱フィン30とを備える。複数の放熱フィン30の少なくとも1つは、ベース部20の外周面22aよりもベース部20の外側に張り出している。【選択図】図1
Description
本開示は、照明器具に関する。
従来、光源を収容する有底筒状のベース部を備え、ベース部の開口を鉛直下方に向けた状態で天井の埋め込み孔に挿入される天井埋め込み型の照明器具が広く知られている。このような照明器具は、一般的にダウンライトと呼ばれる。例えば、特許文献1には、ベース部、フランジ部、側壁部、放熱フィン、およびケーブル支持台座が一体成形された放熱体を備える天井埋め込み型の照明器具が開示されている。
ところで、照明器具では、光源が点灯時に発熱するため、器具の温度上昇を抑制すべく器具の放熱性を向上させることが重要な課題となる。特に、照明器具の重量増、製造コスト増等の不具合を招くことなく、放熱性を向上させることが望まれる。なお、特許文献1の照明器具は、放熱性、軽量性等について未だ改良の余地がある。
本開示の一態様である照明器具は、光源と、前記光源が取り付けられる第1面、および前記第1面と反対側の第2面を有する有底筒状のベース部と、前記ベース部の前記第2面に取り付けられた複数の放熱フィンとを備え、前記複数の放熱フィンの少なくとも1つは、前記ベース部の外周面よりも前記ベース部の外側に張り出していることを特徴とする。
本開示の一態様である照明器具によれば、良好な放熱性が得られ、器具の温度上昇を抑制できる。さらに、例えば照明器具の軽量化等を図ることもできる。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る照明器具の実施形態の一例について詳細に説明する。実施形態の説明では、説明の便宜上、照明器具を水平な天井に取り付けた状態で、照明器具の鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」とし、放熱フィンとベース部とが並ぶ方向を「上下方向」とする。なお、本明細書において、「略〜」との記載は、略平行を例に説明すると、完全に平行な状態および実質的に平行と認められる状態を含む意図である。
本開示に係る照明器具は、図書館、駅等の公共施設、デパート等の商業施設、店舗、オフィス、住居、工場等の室内、通路などにおいて水平な天井に取り付けられるが、水平方向および鉛直方向に対して傾斜した天井に取り付けることも可能である。照明器具が取り付けられる天井は、建築空間の上方を区画する部位であればよく、例えば玄関ポーチ、テラスなどの天井であってもよい。
図1は、実施形態の一例である照明器具10を上方から見た斜視図である。図2は、照明器具10を下方から見た分解斜視図である。図3は、照明器具10をベース部20の軸方向に切断した断面図である。以下では、説明の便宜上、ベース部20の軸方向に沿った方向を「上下方向またはZ方向」とし、上下方向に直交する方向を「XY平面方向」とする。
図1〜図3に示すように、照明器具10は、光源13と、光源13が取り付けられる内面21a、および内面21aと反対側の外面21bを有する有底筒状のベース部20と、ベース部20の外面21bに取り付けられた複数の放熱フィン30とを備える。ベース部20は、天板部21と、筒壁部22とで構成され、筒壁部22の軸方向一端が開口し、筒壁部22の軸方向他端が天板部21で塞がれた形状を有する。照明器具10は、ベース部20の開口を鉛直下方に向けた状態で、天井に形成された埋め込み孔に挿入されて天井に取り付けられる。照明器具10は、天井埋め込み型の器具であって、一般的にダウンライトと呼ばれる。
ここで、内面21aとは、ベース部20の内側(筒内)を向いた天板部21の第1面である。また、外面21bとは、内面21aと反対側に位置するベース部20の外側を向いた天板部21の第2面である。
照明器具10において、複数の放熱フィン30の少なくとも1つは、ベース部20の外周面22aよりもベース部20の外側に張り出している。ベース部20の外周面22aよりも外側に位置する部分では空気の流速が早くなるため、かかる位置まで放熱フィン30を延ばすことで、放熱特性を向上させることができる。なお、照明器具10の器具本体11は、ベース部20および放熱フィン30によって構成される。器具本体11は、その全体が、特に放熱フィン30が光源13で発生する熱を放散させるヒートシンクとしても機能する。ベース部20および放熱フィン30の詳細については後述する。
光源13は、上述の通り、器具本体11を構成するベース部20内において、天板部21の内面21aに取り付けられる。本実施形態では、光源13と、基板14とで構成された発光モジュール12が固定部材70および接続部材75によって天板部21の内面21aに取り付けられている。発光モジュール12は、例えば、複数の光源13が基板14に実装された構造を有する。基板14には、金属配線が形成された回路基板を適用でき、放熱性を向上させるための放熱板を含んでいてもよい。
光源13を構成する発光素子は、半導体発光素子であることが好ましく、中でもLED(Light Emitting Diode)が特に好ましい。発光素子は、蛍光体を含む封止層で封止されていてもよい。この場合、光源13は、蛍光体によって発光素子の光の一部をより長波長の光に変換することで白色光を出射する。発光モジュール12は、COB(Chip On Board)型モジュール、SMD(Surface Mount Device)型モジュールのいずれであってもよく、その構成は特に限定されない。
固定部材70は、中央に開口71を有する枠状の部材であって、開口71の縁部によって発光モジュール12の基板14の周りを囲み、発光モジュール12のXY平面方向の動きを規制する。開口71は、基板14を収容でき、かつXY平面方向の動きを規制できる形状および寸法で形成される。発光モジュール12は、光源13が実装された基板14の面をベース部20の開口側(下方)に向け、固定部材70の開口71に収まった状態で天板部21の内面21aに取り付けられる。固定部材70は、樹脂製の部材であることが好ましい。
固定部材70の開口71の近傍には、一部が開口71の内側に張り出した状態で接続部材75が固定される。接続部材75は、発光モジュール12に電流を供給するための配線が接続され、当該配線と当該モジュールとを電気的に接続する部材である。また、接続部材75は、発光モジュール12の基板14を押えて当該モジュールを天板部21の内面21aに固定する役割を果たす。
接続部材75は、2つ以上設けられることが好ましく、図2に示す例では、2つの接続部材75が基板14の対向する二辺に沿った端部をそれぞれ押えている。接続部材75は、例えば、固定部材70と共に天板部21にネジ止めされる。当該ネジは、天板部21に形成されたネジ孔25(図4参照)に締結される。発光モジュール12は、接続部材75が天板部21にネジ止めされることで、基板14が天板部21の内面21aに押し付けられ、内面21aに固定される。
さらに、照明器具10は、ベース部20の開口側に取り付けられる枠体40を備える。また、照明器具10は、固定部材70に接続される反射部材50と、反射部材50に固定される透光性カバー60とを備える。本実施形態では、枠体40がネジ49を用いて天板部21に固定される。枠体40は、透光性カバー60を透過した光源13の光を通過させる筒状の部材であって、軸方向両端(上下両端)が開口している。本実施形態では、枠体40の上端に形成された開口46から反射部材50および透光性カバー60の一部が下方に突出している。
反射部材50は、光源13から出射される光の配光を制御する部材である。反射部材50は、上下両端が開口し、下端に近づくほど内径が拡大した筒状の本体部51を有する。本体部51は、光源13からの光の少なくとも一部を透光性カバー60側に反射させる。本体部51の内面には、蒸着、メッキ、スパッタリング等により金属層が形成されていてもよく、研磨等により鏡面仕上げされていてもよい。或いは、白色顔料を含有する白色の塗膜が形成されていてもよい。反射部材50は、本体部51の下部が枠体40の開口46から下方に突出した状態で配置される。
反射部材50は、本体部51の外周面から外側に張り出した支持部52を有する。支持部52は、枠体40の後述する張出部42が当接する部分である。支持部52を設けることで、枠体40が天板部21にネジ止めされたときに枠体40によって反射部材50が固定部材70に押圧される。反射部材50は、枠体40から押圧されることで、固定部材70に接続された状態で安定に配置される。
支持部52は、本体部51の周方向に離れて2つ以上形成されることが好ましい。支持部52は、本体部51の径方向に並んで形成されていてもよいが、図2に示す例では径方向に並んで形成されていない。また、各支持部52には、ネジ49を通すネジ挿通部53、および枠体40側に突出した位置決めピン54がそれぞれ形成されている。
透光性カバー60は、本体部51の光出射側(下端)の開口を覆うように、本体部51の下部に固定されている。なお、本体部51および透光性カバー60は、互いに嵌合する固定構造(図示せず)をそれぞれ有することが好ましい。透光性カバー60は、例えば、ガラス製または樹脂製の透明な部材である。或いは、光拡散用のフィラーまたはボイドを含有する乳白色の透光部材であってもよい。また、透光性カバー60は、反射部材50を通過した光の配光を制御するレンズ機能を有していてもよい。
枠体40は、円筒状に形成され、例えば上下方向に沿って直径が略一定の側壁部41を有する。枠体40は、補助反射体として機能することが好ましい。この場合、少なくとも側壁部41の内面には、反射部材50と同様の反射面が形成される。枠体40の上端に形成された開口46は、反射部材50および透光性カバー60の一部が挿通可能な形状および寸法で形成される。
また、枠体40には、上端部に内側に張り出した円環状の張出部42が、下端部に外側に張り出した円環状のフランジ部43がそれぞれ形成されている。なお、張出部42に囲まれた範囲が開口46となる。枠体40は、張出部42を利用してベース部20に固定される。照明器具10は、器具本体11および枠体40の上部が埋め込み孔から天井裏空間に挿入され、フランジ部43が天井面の埋め込み孔の周縁部に略当接した状態で、天井に取り付けられる。
枠体40には、照明器具10を天井に取り付けるための取付バネ45が固定されている。取付バネ45は、板バネ構造を有し、水平方向に延びている。照明器具10は、取付バネ45が天井裏空間において天井の埋め込み孔の周囲に当接することで天井に固定される。本実施形態では、枠体40の側壁部41に形成されたバネ固定部44に取付バネ45が固定されている。バネ固定部44は、取付バネ45の一端部を挿し込み可能な構造を有し、側壁部41の周方向に略等間隔で3つ形成されている。なお、バネ固定部44および取付バネ45の数は特に限定されず、例えば2つであってもよい。
枠体40の張出部42には、ネジ孔47および貫通孔48がそれぞれ4つずつ形成されている。張出部42は、円環状に形成された略平坦な板状部分であって、枠体40をベース部20に固定する際に利用される。具体的には、天板部21の貫通孔26(図4参照)に挿通されるネジ49が反射部材50のネジ挿通部53を通って張出部42のネジ孔47に締結されることで、枠体40が天板部21に固定される。さらに、張出部42が反射部材50の支持部52に当接することで、反射部材50が枠体40と固定部材70とで挟持される。また、張出部42の貫通孔48には、反射部材50の位置決めピン54が挿入される。
なお、ネジ孔47および貫通孔48は、1つの支持部52に対応する位置にそれぞれ2つずつ、合計4つ形成されている。本実施形態では、支持部52が2つ存在するので、ネジ孔47および貫通孔48の4つの集まりが各支持部52の位置に対応する張出部42の2箇所に形成されている。ネジ孔47および貫通孔48は、例えばこれらの4つの集まりがいずれの支持部52に対応する位置に存在する場合でも、ネジ49および位置決めピン54が対応する孔に挿通可能となるように形成される。この場合、枠体40の取り付けが容易になる。
以下、図4をさらに参照しながら、器具本体11の構成について詳説する。図4は、器具本体11の平面図である。
図1〜図4に示すように、器具本体11は、天板部21および筒壁部22を有する有底筒状ないしカップ状のベース部20と、天板部21の外面22bに取り付けられた複数の放熱フィン30とを備える。器具本体11は、複数の放熱フィン30をベース部20に取り付けて構成されている。ベース部20および放熱フィン30は、別々の部品であって、鉄、アルミニウム等を主成分とする金属でそれぞれ構成される。
ベース部20および放熱フィン30は、鍛造加工またはプレス加工によって高い寸法精度でそれぞれ形成することができ、また各部材の厚みを薄くすることができる。このため、例えば器具本体11の軽量化、材料コスト削減等を図ることができる。また、鍛造加工またはプレス加工によって製造する場合、鋳造加工で製造する場合と比べて材料選択の自由度が高く、より高熱伝導性の材料を用いることもできる。
ベース部20の天板部21は、発光モジュール12および放熱フィン30がそれぞれ取り付けられる円板状の部分であって、図4に例示するように平面視略真円形状を呈する。発光モジュール12は、上述の通り、固定部材70および接続部材75を用いて天板部21の内面21aに固定される。また、器具本体11の下方に配置される枠体40も天板部21に固定される。天板部21には、固定部材70および接続部材75を固定するネジが螺号されるネジ孔25と、枠体40を固定するネジ49が挿通される貫通孔26とがそれぞれ形成されている。
天板部21は、外面21bに形成された複数の突起23を有する。突起23は、上方に向かって突出しており、放熱フィン30を外面21bに取り付ける際に使用される。具体的には、放熱フィン30の貫通孔35に突起23を挿し込み、貫通孔35から上方に突出した突起23の先端部を押し潰して塑性変形させることで、放熱フィン30が外面21bに固定される。即ち、放熱フィン30は突起23を利用してかしめ固定される。この場合、ベース部20と放熱フィン30との接触の程度が強くなり良好な熱伝導性が得られる。
突起23は、例えば天板部21を内側から外側に向かってプレス加工することで形成される。この場合、内面21aには、突起23に対応する位置に凹部が形成される。突起23は、略円柱形状を有することが好ましい。また、貫通孔35から上方に突出した突起23の先端部は、塑性変形されて貫通孔35の直径よりも大きくなっており、貫通孔35内に存在する突起23の根元部よりも拡径している。
ベース部20の筒壁部22は、円筒状に形成され、例えば上下方向に沿って略一定の直径を有する。筒壁部22の下端は、ベース部20の下方に取り付けられる枠体40の張出部42に当接している。本実施形態では、筒壁部22の外周面22aが上下方向に沿って略真っ直ぐに形成されている。外周面22aは、枠体40の側壁部41の外周面よりも照明器具10のやや内側に位置しているが、外周面22aは側壁部41の外周面と面一に形成されていてもよい。なお、筒壁部22には、ベース部20内に配置された接続部材75に接続される配線(図示せず)を外部に引き出すための切り欠き24が形成されている。
複数の放熱フィン30は、光源13で発生した熱を放散させ、器具本体11の温度上昇を抑制する機能を有する。複数の放熱フィン30は、上述のように、筒壁部22の外周面22aよりもベース部20の外側に張り出した状態で、天板部21の外面21bに突起23を利用して取り付けられている。図4に例示するように、器具本体11では、全ての放熱フィン30が筒壁部22の外周面22aよりも外側に張り出している。
複数の放熱フィン30は、ベース部20の外面21bの中央αを中心として放射状に取り付けられ、ベース部20の周囲から張り出している。各放熱フィン30同士の間隔は、中央α側で狭く、中央αから離れた外側で広がっている。本実施形態では、照明器具10の光軸およびベース部20の中心軸が外面21bの中央αを通るので、複数の放熱フィン30は当該光軸および中心軸を中心として放射状に取り付けられていると言える。
ベース部20の外面21bには、16個の放熱フィン30が中央αを囲むようにベース部20の周方向に略等間隔で配置されている。外面21bの中央部には放熱フィン30が配置されず、当該中央部の上には放熱フィン30が存在しない空間が形成される。当該空間を設けることで、空気の対流がよりスムーズになり放熱性がさらに向上する。各放熱フィン30はベース部20の径方向に沿って配置され、2つの放熱フィン30が中央αを挟んでベース部20の径方向両側において、互いに同一直線上に配置されている。なお、放熱フィン30の個数、配置等はこれ限定されない。
各放熱フィン30は、互いに異なる形状および寸法であってもよいが、本実施形態では互いに同じ形状および寸法を有する。放熱フィン30は、底部31と、底部31の短手方向両端部に立設した2つの壁部32a,32bと備え、断面略U字形状を有する。底部31は、略一定の幅を有する板状部分であって、その長手方向がベース部20の径方向沿った状態で配置されている。また、底部31は天板部21の外面21bに接触している。光源13の熱は、天板部21から底部31に、そして底部31から壁部32a,32bに伝わることで効率良く放熱される。
また、各放熱フィン30は、外面21bの中央α側に延びた内側延出部34を有していてもよい。内側延出部34は、底部31の内端から中央α側に延出し、底部31と同様に、天板部21の外面21bに接触している。本実施形態では、外面21bの中央部に凹部27が形成されており、凹部27に対応する天板部21の内面21a(凹部27と上下方向に重なる領域)には凸部が形成されている。内側延出部34の先端部は下方に折れ曲がり、凹部27の表面に接触している。
なお、発光モジュール12は、基板13が凸部に当接した状態で内面21aに取り付けられている。ゆえに、外面21bの凹部27は温度が上昇し易い部分であるため、凹部27に接触する内側延出部34を設けることで、器具本体11の放熱性を向上させることができる。
底部31は、天板部21の半径を超える長さを有することが好適である。また、底部31は、筒壁部22の外周面22aよりも外側に張り出さないように配置されることが好ましい。壁部32a,32bだけが筒壁部22の外周面22aよりも外側に張り出すことで、壁部32a,32bの間隙に空気が流入し易くなり、効率良く対流が起こって放熱効果が向上する。
底部31には、上述のように、貫通孔35が形成されている。貫通孔35は、底部31の長手方向に並んで複数形成されることが好ましい。貫通孔35は、例えば平面視略真円形状の孔であって、塑性変形前の突起23が挿通可能な寸法で形成される。底部31は、突起23の高さよりも薄い厚みで形成される。このため、貫通孔35に挿通される突起23の先端部が貫通孔35から上方に突出する。突起23の先端部が貫通孔35の直径よりも大きくなり底部31の上面において貫通孔35の周縁に当接するように、当該先端部を押し潰して塑性変形させることで、底部31が外面21bに固定される。
壁部32a,32bは、底部31に対して略垂直に形成され、天板部21の外面21bに略垂直に立設している。即ち、外面21bには、上下方向およびXY平面方向に沿って放熱フィン30の壁部32a,32bが立設している。壁部32a,32bは、底部31の幅に対応する隙間をあけて互いに略平行に形成されることが好ましい。壁部32a,32bは、互いに異なる形状および高さで形成されていてもよいが、本実施形態では突出部33a,33bを除き互いに同じ形状および高さで形成されている。
壁部32a,32bの高さ(上下方向長さ)は、特に限定されないが、例えばベース部20の軸方向長さよりも長く、当該軸方向長さの2倍〜5倍が好ましい。また、壁部32a,32bは、底部31の長手方向に沿う方向の長さが、底部31から離れた上部において底部31に近い下部よりも長くなっていることが好ましい。そして、壁部32a,32bの上部がベース部20の筒壁部22の外周面22aよりも外側に張り出している。壁部32a,32bの下部は、底部31と同じ長さを有し、外周面22aよりも外側に張り出さないように配置されている。
壁部32a,32bの外周面22aよりも外側に張り出した部分は、各放熱フィン30において略同じ長さだけ張り出していることが好ましい。各壁部32a,32bが、ベース部20の周方向に沿って略等間隔で並び、略同じ長さだけ張り出すように、各放熱フィン30が配置される。この場合、ベース部20の全周囲で均一な放熱効果が得られ易くなる。器具本体11の平面視において、壁部32a,32bの先端をつなぐ外接円は、例えば外面21bの中央αを中心とする略真円形状となる。
壁部32aは、壁部32b側に突出した突出部33aを、壁部32bは、壁部32a側に突出した突出部33bをそれぞれ有する。突出部33aは、壁部32aの中央α側に位置する内端において、壁部32aの上端部、および高さ方向中央よりもやや下方に1つずつ形成されている。他方、突出部33bは、壁部32bの外端において、壁部32bの上端部、および高さ方向中央よりもやや下方に1つずつ形成されている。突出部33a,33bは、例えば壁部32a,32bを構成する金属板を対向する壁部側に折り曲げ、当該壁部との間に僅かな隙間をあけて形成される。突出部33a,33bを設けることで、壁部32a,32bに対して、互いに近づく方向の力が作用したときに壁部間に突っ張って壁部が変形することを防止できる。
以上のように、上記構成を備えた照明器具10によれば、良好な放熱性が得られ、器具の温度上昇を抑制できる。上述のように、ベース部20の外側では空気の流速が早くなるため、かかる位置まで放熱フィン30を延ばすことで放熱特性が向上する。また、ベース部20の突起23を利用して放熱フィン30を天板部21にかしめ固定することで、良好な熱伝導性を維持しながら、器具本体11の軽量化、材料コスト削減等を図ることができる。
以下、図5〜図9を参照しながら、実施形態の他の一例について説明する。以下では、第1実施形態との相違点を主に説明し、重複する説明を省略する。同一または類似の構成要素における上記説明は、以下の実施形態に援用される。
図5は、第2実施形態の照明器具10Xの一部を示す図である。図5に示すように、照明器具10Xの器具本体11Xは、有底筒状のベース部20Xと、ベース部20Xの天板部21Xの外面21Xbに取り付けられた複数の放熱フィン30とを備える点で、照明器具10と共通する。一方、照明器具10Xのベース部20Xの形状は、照明器具10のベース部20の形状と異なる。なお、照明器具10Xは、照明器具10と同じ形態の放熱フィン30を備えているが、放熱フィンの形状は特に限定されない。
ベース部20Xは、外面21Xbの中央部が周縁部よりも外側に向かって膨出した形状を有し、かつ当該周縁部には外側に向かって傾斜した傾斜面80が形成されている。傾斜面80は、外面21Xbの中央側から外側に向かって下方に傾斜した略平坦な面である。天板部21Xの中央部には、ベース部20Xの軸方向に略垂直な頂面81が形成されている。頂面81は略平坦であって、その内側に光源(図示せず)が取り付けられる。
複数の放熱フィン30は、傾斜面80に取り付けられている。放熱フィン30は、照明器具10の場合と同様に、ベース部20Xの傾斜面80に形成された突起23Xを利用して傾斜面80に取り付けられる。複数の放熱フィン30は、ベース部20Xの中心軸βを中心として放射状に取り付けられ、ベース部20Xの外周面22Xaよりもベース部20Xの外側に張り出している。各放熱フィン30は、傾斜面80に取り付けられているため、上端部に近づくほどベース部20の外側に大きく張り出している。
上記構成を備えた照明器具10Xにおいても、良好な放熱性が得られ、器具の温度上昇を抑制できる。なお、照明器具10Xは、照明器具10の場合と同様に、枠体、反射部材、透光性カバー、固定部材、および接続部材等を備えていてもよい。
図6〜図8は、第3実施形態の照明器具10Yを示す図である。図6は照明器具10Yを上方から見た斜視図、図7は照明器具10Yの側面図である。図8は、照明器具10Yを構成する器具本体11Xの平面図である。
図6〜図8に示すように、照明器具10Yは、有底筒状のベース部20Yと、ベース部20Yの外面21Ybに取り付けられた複数の放熱フィン30Yとを備える点で、照明器具10と共通する。また、照明器具10Yは、ベース部20Yの下方に取り付けられた枠体40Yを備える。なお、照明器具10Yは、照明器具10と同様に、反射部材、透光性カバー、固定部材、および接続部材等を備えていてもよい。
一方、照明器具10Yでは、放熱フィン30Yが、所定方向に沿って互いに略平行に取り付けられ、ベース部20Yの当該所定方向の両側からベース部20Yの外側にそれぞれ張り出している点で、放熱フィン30が放射状に配置された照明器具10Xと異なる。さらに、ベース部20Yの外面21Ybに取り付けられ、ベース部20Yを介して伝わる光源の熱により気化する液体が封入された放熱パイプ90a,90bをさらに備える点で、照明器具10と異なる。放熱パイプ90a,90bは、ベース部20Yの軸方向に延び、少なくとも先端部が複数の放熱フィン30Yに当接している。
放熱フィン30Yは、天板部21Yの外面21Ybに固定される底部31Yと、外面21Ybに対して略垂直に立設する壁部32Yとを備える。各放熱フィン30Yは互いに異なる形状および寸法で形成されてもよいが、本実施形態ではいずれも同じ形状および寸法で形成されている。放熱フィン30Yは、照明器具10の放熱フィン30と同様に、天板部21Yに形成される突起23Yを用いて外面21Ybに取り付けられてもよい。この場合、底部31Yには突起23Yを挿通可能な貫通孔が形成される。
放熱フィン30Yにおいて、上記所定方向(放熱フィン30Yの面方向)に沿った壁部32Yの長さは、下部よりも上部で長くなっている。壁部32Yの上部は、下部の所定方向両端よりも外側に向かってそれぞれ張り出している。そして、壁部32Yの上部が、ベース部20Yの外周面22Yaを超えてベース部20Yの外側に張り出している。照明器具10Yでは、全ての放熱フィン30Yがベース部20Yの外周面22Yaよりも外側に張り出している。また、放熱フィン30Yの張り出し長さは、ベース部20Yの所定方向の両側で略同じであることが好ましい。
ベース部20Yは、天板部21Yの外面21Ybに形成された放熱パイプ90a,90bの収容溝91が形成されている。収容溝91は、各放熱フィン30Yの面方向、即ち所定方向に対して直交する方向に沿って形成されている。収容溝91に沿って配置された放熱パイプ90a,90bは、天板21Ybに当接し、各放熱フィン30Yの下に配置される。放熱パイプ90a,90bは、外面21Ybの端部から上方に延び、途中で収容溝91に沿った方向に折れ曲がって各放熱フィン30Yを貫通した状態で配置されている。なお、各放熱フィン30Yには放熱パイプ90a,90bを通す貫通孔が形成されている。
照明器具10Yでは、2本の放熱パイプ90aが各放熱フィン30Yの上部に連結され、2本の放熱パイプ90bが各放熱フィン30Yの高さ方向中央部に連結されている。放熱パイプ90a,90bに封入された液体は、パイプの下部で加熱されて気化し、パイプの上部で冷却されて液体に戻る。照明器具10Yでは、当該液体が気化するときの気化熱を器具本体11Yの冷却に利用できる。放熱パイプ90a,90bは、放熱フィン30Yと同様に、ベース部20Yの外周面22Yaを超えて外側に張り出していてもよい。
上記構成を備えた照明器具10Yにおいても、照明器具10,10Xの場合と同様に、良好な放熱性が得られ、器具の温度上昇を抑制できる。
10 照明器具、11 器具本体、12 発光モジュール、13 光源、14 基板、20 ベース部、21 天板部、21a 内面、21b 外面、22 筒壁部、22a 外周面、23 突起、24 切り欠き、25 ネジ孔、26 貫通孔、27 凹部、30 放熱フィン、31 底部、32a,32b 壁部、33a,33b 突出部、34 内側延出部、35 貫通孔、40 枠体、41 側壁部、42 張出部、43 フランジ部、44 バネ支持部、45 取付バネ、46 開口、47 ネジ孔、48 貫通孔、49 ネジ、50 反射部材、51 本体部、52 支持部、53 ネジ挿通部、54 位置決めピン、60 透光性カバー、70 固定部材、71 開口、75 接続部材
Claims (5)
- 光源と、
前記光源が取り付けられる第1面、および前記第1面と反対側の第2面を有する有底筒状のベース部と、
前記ベース部の前記第2面に取り付けられた複数の放熱フィンと、
を備え、
前記複数の放熱フィンの少なくとも1つは、前記ベース部の外周面よりも前記ベース部の外側に張り出している、照明器具。 - 前記複数の放熱フィンは、前記ベース部の前記第2面の中央を中心として放射状に取り付けられ、前記ベース部の周囲から張り出している、請求項1に記載の照明器具。
- 前記複数の放熱フィンは、所定方向に沿って互いに略平行に取り付けられ、前記ベース部の前記所定方向の両側から前記ベース部の外側にそれぞれ張り出している、請求項1に記載の照明器具。
- 前記ベース部は、前記第2面の中央部が周縁部よりも外側に向かって膨出した形状を有し、かつ当該周縁部には外側に向かって傾斜した傾斜面が形成され、
前記複数の放熱フィンは、前記第2面の前記傾斜面に取り付けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明器具。 - 前記ベース部の前記第2面に取り付けられ、前記ベース部を介して伝わる前記光源の熱により気化する液体が封入された放熱パイプをさらに備え、
前記放熱パイプは、前記ベース部の軸方向に延び、少なくとも先端部が前記複数の放熱フィンに当接している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明器具。
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-
2017
- 2017-11-08 JP JP2017215180A patent/JP2019087431A/ja active Pending
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