以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態における搬送車1の側面図である。なお、以下の説明では、図1の左側、右側、紙面手前側、紙面奥側を、それぞれ、搬送車1の前方、後方、左方、右方とする。
初めに、図1を参照して、搬送車1の全体構成について説明する。なお、本実施形態では、大型の鋼材や製品等の重量物を搬送する油圧駆動式の車両を搬送車1の一例として説明する。
図1に示すように、搬送車1は、荷台2と、運転室3と、複数の走行装置10と、潜り込み防止装置20と、を備える搬送車である。
荷台2の枠組みを構成するフレーム5は、一対の側梁6を備える。側梁6は、断面がI字型の鉄鋼材料から形成される。また、側梁6は、運転室3が懸架される第1部分6aと、荷物が積載される第3部分6cと、それら第1部分6a及び第3部分6cをつなぐ第2部分6bと、を備える。
搬送車1に積載される荷物の質量は数十トンに及ぶこともあるため、第3部分6cは、第1部分6aと比較して剛性が高く設定される。即ち、第3部分6cは、第1部分6aと比較して鉛直方向の高さが高く(寸法が大きく)設定される。
第2部分6bは、高さの異なる第1部分6aと第3部分6cを滑らかにつなぐよう、第1部分6aから第3部分6cに向かって鉛直方向の高さが変化して(拡幅して)いる。なお、荷台2のフレーム5以外の構造は公知であるため、その詳細は省略する。
運転室3は、運転室3の内方へ作業者が乗り込むために開閉する開閉扉4を備える。また、運転室3は、その前面にフロントガラス(図示せず)と、開閉扉4の一部にサイドガラス4aと、を備える。
また、運転室3の前方の左右両側の上方には、運転室3の内方に乗り込んだ作業者(搬送車1を運転する作業者)が搬送車1の左右の後方を視認するための一対のミラー9が配設される。なお、ミラー9は、フレーム5の下面に連結される棒状の部材により所定の位置に調整して取り付けられる。
開閉扉4は、運転室3の左右の側面よりも一回り小さく形成され、搬送車1の後方側における開閉扉4の端部を軸にして水平面上を回転可能とされる。また、開閉扉4は、下面が後述する潜り込み防止装置20の一対の左右梁22よりも上方に形成される。
走行装置10は、搬送車1の駆動、及び、操舵を行うための装置である。これにより、搬送車1は、車両の前後方向や左右方向に自由に走行可能である。なお、走行装置10の構造は公知であるため、その詳細は省略する。
次いで、図2、及び、図3を参照して、潜り込み防止装置20について詳細に説明する。図2(a)は、潜り込み防止装置20、及び、荷台2の部分側面図であり、図2(b)は、潜り込み防止装置20、及び、荷台2の斜視図である。図3(a)は、潜り込み防止装置20の上面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における潜り込み防止装置20の断面図である。
図2、及び、図3に示すように、潜り込み防止装置20は、搬送車1の前方側に配設され、搬送車1の車幅方向に延設される前方梁21と、その前方梁21の両端に連結され、搬送車1の車長方向に沿って配設される左右一対の左右梁22と、前方梁21の後方に位置し、前方梁21と対向配置され、一対の左右梁22に両端が連結される後方梁25と、一対の左右梁22をフレーム5(側梁6)に連結する左右一対の第1柱23、及び、左右一対の第2柱24と、を主に備えて構成される。
前方梁21は、他の車両との衝突位置に配置される部材であり、運転室3の前面よりも前方に配置されると共に、運転室3よりも左右方向の外側に延設される。
また、前方梁21は、断面がC字型の鉄鋼材料から形成され、断面C字の開口側を後方側に向けた状態で配置される。これにより、前方梁21の前方側に衝突面21aを形成できる。
一対の左右梁22は、車長方向に延設された前方側が前方梁21と溶接により連結されると共に、後方側の上面に第1柱23が溶接により連結される。また、左右梁22は、運転室3とその運転室3の背面側に配設される複数の走行装置10との間に後方側の端部が配置される(図1参照)。
一対の左右梁22は、左右方向における運転室3の両外側に配設される。これにより、運転室3へ乗り込む際、又は、運転室3から降車する際の足置きとして左右梁22の上面を利用でき、作業者の乗降性を向上できる。
なお、左右梁22は、断面がC字型の鉄鋼材料から形成され、断面C字の開口側を一対の左右梁22の対向方向の内側に向けた状態で配置される。これにより、一対の左右梁22の左右方向の両外側に、側面22aを形成できる。
上述したように、前方梁21の衝突面21a、及び、左右梁22の側面22aは、搬送車1の外側に向けて配設されるので、他の車両が潜り込み防止装置20に衝突した際の衝突面を広くできる。これにより、他の車両が潜り込み防止装置20に衝突した力を分散しやすくでき、他の車両の衝突時に潜り込み防止装置20が破損することを抑制できる。
左右一対の第1柱23は、一対の左右梁22と、フレーム5(一対の側梁6)とを連結する部材であり、第1柱23の下方側の端部が左右梁22の上面に連結され、第1柱23の上方側の端部が後述する第1柱ブラケット23aを介して側梁6の下面に連結される。
これら左右一対の左右梁22、及び、左右一対の第1柱23により、前方梁21の配設高さを第1柱23の延設寸法で調整すると共に、前方梁21の前後位置を左右梁22の延設寸法で調整できる。その結果、荷台2の下方に運転室3を設ける搬送車1において、潜り込み防止装置20を他の車両との衝突位置に構成できる。
また、前方梁21は、左右の両端が左右梁22と第1柱23とを介して、フレーム5に連結される。従って、開閉扉4を開閉させる際の開閉領域を避けて前方梁21とフレーム5とを配置することができる(図1参照)。
さらに、第1柱23は、左右梁22に連結される下方側の端部が、フレーム5の側梁6に連結される上方側の端部よりも前方側に配設され、第1柱23の延設方向が搬送車1の車長方向に傾斜した状態で配設される。
これにより、他の車両が搬送車1の前方梁21に衝突した際に前方梁21に生じる力は、一部が第1柱23の軸力となってフレーム5に伝達され、それ(フレーム5に伝達される)以外の力が前方梁21を上方または下方に移動させる力として作用する。
従って、他の車両が前方梁21に衝突した際に前方梁21に生じる力を分散できるので、前方梁21が上方または下方に移動することを抑制できる。
また、第1柱23は、上方側の端部が側梁6のなかで剛性の高い第3部分6cに連結されるので、他の車両が前方梁21に衝突した際に前方梁21から第1柱23の軸力となってフレーム5に伝達される力で、フレーム5が撓むことを抑制できる。
第1柱23は、下方側の端部が上方側の端部よりも前方側に位置するので、その分、第1柱23の下方側の端部に連結される左右梁22の車長方向への延設寸法を短くできる。よって、左右梁22の延設寸法を短くできる分、左右梁22の剛性を確保できる。その結果、他の車両が前方梁21に衝突した際に左右梁22が撓んで前方梁21が上下または左右に移動することを抑制できる。
なお、第1柱23は、断面がC字型の鉄鋼材料から形成され、断面C字の開口側を搬送車1の内側に向けた状態で配置される。また、第1柱23の上方側の端部には、上方に第1柱ブラケット23aが配設され、前方に上部補強23bが配設される。さらに、第1柱23の下方側の端部には、前方に下部補強23cが配設される。
第1柱ブラケット23aは、第1柱23を側梁6(フレーム5)に配設するための板部材であり、潜り込み防止装置20の後方側を側梁6に締結するためのボルト(図示しない)を挿通する貫通孔が複数箇所に形成される。また、第1柱ブラケット23aの下面には、第1柱23の上端が溶接により接合される。よって、第1柱ブラケット23aを介して第1柱23を側梁6に連結できる。
上部補強23bは、第1柱ブラケット23aの下面と第1柱23の前面とのそれぞれに溶接により接合される。また、下部補強23cは、左右梁22の上面と第1柱23の前面とのそれぞれに溶接により接合される。
これら上部補強23b、及び、下部補強23cにより、第1柱23が、側梁6、及び、左右梁22に対して、車長方向に傾倒することを抑制できる。その結果、前方梁21に他の車両が衝突した際に、第1柱23、及び、左右梁22の連結部分、又は、第1柱23、及び、フレーム5の連結部分を支点として潜り込み防止装置20が搬送車1の下方に倒れ込む、又は、搬送車1の上方に起き上がることを抑制できる。
一対の第2柱24は、第1柱23と左右梁22との連結部分、又は、フレーム5と第1柱23との連結部分を中心に左右梁22が回転することを抑制するための部材であり、前方梁21と第1柱23との間に配設され、第2柱24の下方側の端部が左右梁22の上面に連結され、第2柱24の上方側の端部が後述する第2柱ブラケット24aを介して側梁6の下面に連結される。
また、一対の第2柱24は、鉛直方向に沿って延設される。即ち、左右梁22の延設方向および側梁6の延設方向に対して、第2柱24の延設方向が直交する方向に設定される。これにより、前方梁21に他の車両が衝突した際に、第1柱23及び左右梁22の連結部分、又は、第1柱23及びフレーム5の連結部分を支点として潜り込み防止装置20が搬送車1の下方に倒れ込む、又は、搬送車1の上方に起き上がることを第2柱24により抑制しやすくできる。
また、一対の第2柱24は、運転室3の開閉扉4よりも前方、且つ、運転室3の内側に乗車した作業者からフロントガラス、及び、サイドガラス4aを介して視認される領域の死角となる位置に配設される。その結果、運転室3から視認可能な領域が一対の第2柱24により狭まることを抑制できる。
なお、一対の第2柱24は、断面がC字型の鉄鋼材料から形成され、断面C字の開口側を一対の第2柱24の対向方向の内側に向けた状態で配置される。また、第2柱24の上方側の端部には、上方に第2柱ブラケット24aが配設される。さらに、第2柱24の下方側の端部には、前方に前部補強24bが配設され、左右方向外側の側面に横部補強24cが配設される。
第2柱ブラケット24aは、第2柱24を側梁6(フレーム5)に配設するための板部材であり、潜り込み防止装置20の前方側を側梁6に締結するためのボルト(図示しない)を挿通する貫通孔が複数箇所に形成される。また、第2柱ブラケット24aの下面には、第2柱24の上端が溶接により接合される。よって、第2柱ブラケット24aを介して第2柱24を側梁6に連結できる。
前部補強24bは、第2柱24の下方側の端部の前方に位置し、第2柱24、及び、左右梁22に溶接により接合される。また、横部補強24cは、一対の第2柱24の対向方向外側に配設され、第2柱24の側面、及び、左右梁22の側面に溶接により接合される。
前部補強24b及び横部補強24cにより、第2柱24と左右梁22との連結部分の剛性を高めることで第2柱24と左右梁22との相対移動を抑制できる。その結果、他の車両が前方梁21に衝突した際に前方梁21が上下または左右に移動することを抑制できる。
また、横部補強24cは、第2柱24の側面、及び、左右梁22の側面に溶接により接合されるので、第2柱24と左右梁22との溶接の接合位置を鉛直方向の複数箇所に分散して、第2柱24と左右梁22とのそれぞれの溶接部分に作用する力を小さくできる。その結果、第2柱24と左右梁22との溶接の接合部が破断することを抑制できる。
後方梁25は、前方梁21の後方に位置し、前方梁21と対向配置され、一対の左右梁22の両端が連結される。これにより、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により枠状の構造を構成できる。
よって、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22の少なくとも一箇所に入力された力を、枠状の構造により前方梁21、後方梁25、一対の左右梁22、及び、それらの連結部分に分散して支持できる。従って、前方梁21、及び、一対の左右梁22の連結部分の一箇所に力が集中することを抑制でき、前方梁21に他の車両が衝突した際に搬送車1の左右方向に作用する力で、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22の各連結部分が変形することを抑制できる。
その結果、前方梁21に他の車両が衝突した際に搬送車1の左右方向に作用する力により、前方梁21が搬送車1の左方または右方に突出し、搬送車1周辺の構造物等を巻き込むこと、或いは、搬送車1周辺の構造物等を損壊させることを抑制できる。
また、後方梁25は第1柱23と左右梁22との連結部分よりも前方側に配設される。ここで、第1柱23と左右梁22との連結部分に後方梁25を連結すると、第1柱23と左右梁22と後方梁25との3部材にかかる力が、前記3部材の連結部分に作用する(集中する)。
本実施形態では、3部材(第1柱23、左右梁22、後方梁25)を1箇所で連結する箇所はなく(第1柱23と左右梁22との連結部分と異なる位置に後方梁25が連結される)、第1柱23と左右梁22と後方梁25との3部材にかかる力を、第1柱23及び左右梁22の連結部分と、左右梁22及び後方梁25の連結部分と、の2箇所の連結部分に作用させて(分散させて)、それぞれの連結部分に作用する力を抑制している(小さくしている)。即ち、連結部分が破損しにくい構造とされる。
なお、後方梁25は、断面がC字型の鉄鋼材料から形成され、断面C字の開口側を下方に向けた状態で配置される。
また、潜り込み防止装置20は、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により枠状の構造に構成される内側に両端が連結される一対の連結梁26を備える。一対の連結梁26は、車長方向に延設され、前方側の一端が前方梁21に連結されると共に、後方側の他端が左右梁22と後方梁25との連結部分に連結される。
これにより、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により枠状の構造を構成した内側に、前方梁21、左右梁22、及び、連結梁26により三角形の枠状の構造を構成できる。
連結梁26が筋交として機能するので、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により構成される枠状の構造の剛性を向上できる。よって、前方梁21に他の車両が衝突した際に搬送車1の左右方向に作用する力により、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22の各連結部分の連結角度が変わって、前方梁21の位置が変更されることを抑制できる。その結果、前方梁21が搬送車1の左方または右方に突出して、搬送車1の周辺の構造物等を巻き込むこと、或いは、搬送車1の周辺の構造物等を損壊させること、を抑制できる。
さらに、連結梁26は、後方側の他端が左右梁22と後方梁25との連結部分に連結されるので、左右梁22と後方梁25との連結角度が変わることを連結梁26の他端により抑制できる。従って、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により構成される枠状の構造の剛性を向上できる。その結果、前方梁21が搬送車1の左方または右方に突出して、搬送車1の周辺の構造物等を巻き込むこと、或いは、搬送車1の周辺の構造物等を損壊させること、を抑制できる。
また、一対の連結梁26は、上面視において、前方梁21側から後方梁25側に向かってその対向間隔が漸次広くされる状態で連結される。これにより、前方梁21に他の車両が衝突して前方梁21が後方に押される力を、連結梁26の延設方向に沿って、第1柱23に伝達しやすくできる。その結果、前方梁21に他の車両が衝突した力を連結梁26、及び、第1柱23を介してフレーム5に伝達しやすくできる。即ち、前方梁21が変形し、衝突した他の車両が搬送車1の下方に潜り込むことを抑制できる。
なお、運転室3は、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により構成される枠状の構造と、一対の第1柱23、及び、一対の第2柱24と、フレーム5と、に囲われる空間の内側に配設される(図1参照)。
また、一対の第1柱23、及び、一対の第2柱24は荷台2(フレーム5)の左右両端よりも内側に配置され、一対のミラー9は荷台2の左右両端よりも外側に配置されるので、作業者がミラー9により搬送車1の左右の後方を視認した際に、荷台2(搬送車1)の左右の両側面が第1柱23、及び、第2柱24の死角となることを抑制できる(図1参照)。
なお、第1柱ブラケット23a、及び、第2柱ブラケット24aに貫通形成される開口に挿通されるボルト(図示しない)により、第1柱23、及び、第2柱24(潜り込み防止装置20)がフレーム5(側梁6)に締結される。
さらに、潜り込み防止装置20は、一対の左右梁22に連結され車両内側に延設される一対のステップ27と、連結梁26、及び、後方梁25の上面に配設される門型の取付台28と、を備える。
ステップ27は、運転室3へ乗り込む際、又は、運転室3から降車する際の足置きとして作業者が利用する部分であり、上面に所定の領域を備える板状に形成される。
また、ステップ27は、一対の左右梁22の対向側の側面に連結され、上面が左右梁22の上面と同一高さに設定される。これにより、左右梁22の上面の分、運転室3へ乗り込む際、又は、運転室3から降車する際の足置きとして利用できる面積を増加させることができる。その結果、作業者の乗降性を向上できる。
さらに、ステップ27は、車両内側に延設された部分が連結梁26と鉛直方向に重なる位置に配置される。これにより、ステップ27に規定以上の荷重が作用した場合に、その荷重を連結梁26で支持できる。その結果、ステップ27が過大に変形することを抑制できる。
取付台28は、運転室3の室温を制御するエアコンのコンデンサを取り付ける土台であり、門型に形成された一端が連結梁26の上面に連結され、門型に形成された他端が後方梁25の上面に連結される。これにより、連結梁26と後方梁25との配置が変わることを取付台28で抑制できる。従って、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により構成される枠状の構造の剛性を向上できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態では、運転室3の開閉扉4が運転室3の外方に向かって開閉される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、開閉扉4を運転室3の内側に向かって開閉するように配置しても良い。この場合、潜り込み防止装置20の左右梁22、第1柱23、及び、第2柱24を配置する際に、開閉扉4の変位軌跡を考慮する必要がなくなるので、左右梁22、第1柱23、及び、第2柱24を配設する際の自由度を向上できる。
上記実施形態では、第1柱23は、左右梁22に連結される下方側の端部が、フレーム5の側梁6に連結される上方側の端部よりも前方側に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第1柱23の下方側の端部が第1柱の上方側の端部よりも後方側に配設されてもよい。
上記実施形態では、フレーム5の側梁6に連結される第1柱23の上方側の端部が、側梁6の第3部分6cに連結される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第1柱23の上方側の端部を、側梁6の第2部分6bの下面に連結してもよい。
この場合、第1柱23と側梁6との連結面を、第1柱23の延設方向に対して直交する方向に近づけることができるので、第1柱23の延設方向に沿って第1柱23からフレーム5(側梁6)に伝達される力が、第1柱23と側梁6との連結部分をせん断する方向に作用することを抑制できる。その結果、第1柱23からフレーム5に力を伝達しやすくできる。
上記実施形態では、連結梁26の後方側の他端が左右梁22と後方梁25との連結部分に連結される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、連結梁26の後方側の他端が左右梁22、又は、後方梁25のどちらか一方のみに連結されても良い。
この場合も上記実施形態と同様に、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により構成される枠状の構造の内側で連結梁26を連結するので、連結梁26を筋交として機能させることができる。その結果、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により構成される枠状の構造の剛性を向上できる。
また、連結梁26の後方側の他端が、左右梁22に連結される場合には、上記実施形態と同様に前方梁21、左右梁22、及び、連結梁26により構成される三角形の枠状の構造を構成できるので、前方梁21、後方梁25、及び、一対の左右梁22により構成される枠状の構造の剛性を向上できる。
上記実施形態では、第1柱23と左右梁22との連結部分が、後方梁25と左右梁22との連結部分よりも後方に位置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1柱23と左右梁22との連結部分を、後方梁25と左右梁22との連結部分よりも前方に配置しても良い。
上記実施形態では、前方梁21、左右梁22、第1柱23、第2柱24及び後方梁25が断面C字状に形成される場合について説明したが、その製造方法は、例えば、断面C字状の溝形鋼から形成しても、複数の板を接合して断面C字状に形成しても良い。また、前方梁21、左右梁22、第1柱23、第2柱24及び後方梁25は、断面C字状に限られるものではなく、例えば、断面が四角の棒状の部材から形成されても、断面が四角のパイプ状の部材から形成されても良い。