JP2019084767A - 被接合部材の接合方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明に係わる被接合部材の接合方法の第1実施形態を説明する図である。
被接合部材の接合方法は、熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化樹脂(FRTP)から成る被接合部材1,2同士を接合するものである。
接合装置として、図1に示すホーンHを備えた縦振動型の超音波接合装置を用いた。被接合部材1,2の材料は、強化繊維として炭素繊維を用いたものであり、炭素繊維の含有量を40重量%とし、繊維長を0.3mm〜05mmとした。ホーンHにおけるピン部12は、根元径が4,5mm、先端径が4.0mm、突出高さが5.0mmである。接合条件は、大気中において、加圧力300kPa、振幅80%、押し込み深さ5mm、接合時間1.5秒、接合後の保持時間5.0秒とした。上記の条件で被接合部材1,2同士を接合した結果、1箇所あたりの接合部分の引張強度は5.2kNであり、充分な接合強度が得られることを確認した。
図2は、本発明に係わる被接合部材の接合方法及び接合装置の第2実施形態を説明する図である。図示例の接合装置は、被接合部材1,2同士を重ね合わせた状態で双方の界面に粘性体Pを発生させる粘性体生成機構として、赤外線ヒータ13を備えている。また、接合装置は、粘性体Pの分子運動を促進して前記粘性体Pを発熱させる分子活性化機構として、一方の被接合部材1の表面に当接可能な基部14を備えたホーンHを備えている。このホーンHには、被接合部材1,2の厚さ方向に沿う縦の超音波振動VWが付与される。
接合装置として、図2に示す赤外線ヒータ13と、ホーンHを備えた縦振動型の超音波接合装置とを用いた。被接合部材1,2の材料は、強化繊維として炭素繊維を用いたものであり、炭素繊維の含有量を40重量%とし、繊維長を0.3mm〜05mmとした。接合条件は、大気中において、加圧力300kPa、ホーンHの振幅80%、接合時間2.0秒、接合後の保持時間5秒とした。上記の条件で被接合部材1,2同士を接合した結果、1箇所あたりの接合部分の引張強度は4kNであり、充分な接合強度が得られることを確認した。
図3は、本発明に係わる被接合部材の接合方法及び接合装置の第3実施形態を説明する図である。図示例の接合装置は、被接合部材1,2同士を重ね合わせた状態で双方の界面に粘性体Pを発生させる粘性体生成機構として、レーザ発振器15を備えている。また、接合装置は、粘性体Pの分子運動を促進して前記粘性体Pを発熱させる分子活性化機構として、一方の被接合部材1の表面に当接可能な基部14を備えたホーンHを備えている。このホーンHには、被接合部材1,2の厚さ方向に沿う縦の超音波振動VWが付与される。
接合装置として、図3に示すレーザ発振器15と、ホーンHを備えた縦振動型の超音波接合装置とを用いた。被接合部材1,2の材料は、強化繊維として炭素繊維を用いたものであり、炭素繊維の含有量を40重量%とし、繊維長を0.3mm〜05mmとした。接合条件は、大気中において、加圧力300kPa、ホーンHの振幅80%、接合時間2.5秒、接合後の保持時間5秒とした。上記の条件で被接合部材1,2同士を接合した結果、1箇所あたりの接合部分の引張強度は4.2kNであり、充分な接合強度が得られることを確認した。
図4は、本発明に係わる被接合部材の接合方法及び接合装置の第4実施形態を説明する図である。図示例の接合装置は、被接合部材1,2同士を重ね合わせた状態で双方の界面に粘性体Pを発生させる粘性体生成機構として、誘導加熱装置16を備えている。この誘導加熱装置16は、誘導加熱のうちの高周波加熱を行うものである。また、接合装置は、粘性体Pの分子運動を促進して前記粘性体Pを発熱させる分子活性化機構として、一方の被接合部材1の表面に当接可能な基部14を備えたホーンHを備えている。このホーンHには、被接合部材1,2の厚さ方向に沿う縦の超音波振動VWが付与される。
接合装置として、図4に示す誘導加熱装置16と、ホーンHを備えた縦振動型の超音波接合装置とを用いた。被接合部材1,2の材料は、強化繊維として炭素繊維を用いたものであり、炭素繊維の含有量を40重量%とし、繊維長を0.3mm〜05mmとした。接合条件は、大気中において、加圧力300kPa、ホーンHの振幅80%、接合時間2.8秒、接合後の保持時間5秒とした。上記の条件で被接合部材1,2同士を接合した結果、1箇所あたりの接合部分の引張強度は4.2kNであり、充分な接合強度が得られることを確認した。
図5は、本発明に係わる被接合部材の接合方法及び接合装置の第2実施形態を説明する図である。接合装置は、図5(A)に示すように、被接合部材1,2同士を重ね合わせた状態で双方の界面に粘性体Pを発生させる粘性体生成機構として、ピン部12を有するホーンHを備えている。また、接合装置は、図5(B)に示すように、粘性体Pの分子運動を促進して前記粘性体Pを発熱させる分子活性化機構として、被接合部材1,2同士の界面の面内方向に沿う横の超音波振動HWが付与されるホーン17と、ホーン17に相対向して被接合部材1,2を保持するアンビル18とを備えている。
接合装置として、縦の超音波振動VWが付与されるホーンH(図5(A))と、横の超音波振動HWが付与されるホーン17(図5(B))とを備えた超音波接合装置とを用いた。被接合部材1,2の材料は、強化繊維として炭素繊維を用いたものであり、炭素繊維の含有量を40重量%とし、繊維長を0.3mm〜05mmとした。接合条件は、大気中において、加圧力300kPa、ホーンHの振幅80%、ピン部12の押し込み深さ4.0mm、接合時間2.5秒、接合後の保持時間5秒とした。上記の条件で被接合部材1,2同士を接合した結果、1箇所あたりの接合部分の引張強度は4.3kNであり、充分な接合強度が得られることを確認した。
図6は、本発明に係わる被接合部材の接合方法及び接合装置の第6実施形態を説明する図である。接合装置は、被接合部材1,2同士を重ね合わせた状態で双方の界面に粘性体Pを発生させる粘性体生成機構として、ピン部12を有するホーンHを備えている。また、接合装置は、粘性体Pの分子運動を促進して前記粘性体Pを発熱させる分子活性化機構として、誘電加熱装置19を備えている。この誘電加熱装置19は、誘電加熱のうちのマイクロ波加熱を行うものである。
接合装置として、図6(A)に示す縦の超音波振動VWが付与されるホーンHを備えた超音波接合装置と、誘電加熱装置19とを備えた超音波接合装置とを用いた。被接合部材1,2の材料は、強化繊維として炭素繊維を用いたものであり、炭素繊維の含有量を40重量%とし、繊維長を0.3mm〜05mmとした。接合条件は、大気中において、加圧力300kPa、ホーンHの振幅80%、ピン部12の押し込み深さ4.0mm、接合時間2.8秒、接合後の保持時間5秒とした。上記の条件で被接合部材1,2同士を接合した結果、1箇所あたりの接合部分の引張強度は4.5kNであり、充分な接合強度が得られることを確認した。
2 他方の被接合部材
H 縦の超音波振動が付与されるホーン
P 粘性体
PA 溶融範囲
11 基部(分子活性化機構)
12 ピン部(粘性体生成機構)
13 赤外線ヒータ(粘性体生成機構)
14 基部
15 レーザ発振器(粘性体生成機構)
16 誘導加熱装置(粘性体生成機構)
17 横の超音波振動が付与されるホーン(粘性体生成機構)
19 誘電加熱装置(粘性体生成機構)
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化樹脂から成る被接合部材同士を接合するに際し、
前記被接合部材同士を重ね合わせた状態で双方の界面に粘性体を発生させる第1工程と、
前記粘性体の分子運動を促進して前記粘性体を発熱させる第2工程とを備えたことを特徴とする被接合部材の接合方法。 - 前記粘性体が、前記被接合部材の母材である熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の被接合部材の接合方法。
- 前記被接合部材に押し込むピン部を有し且つ前記ピン部の軸線に沿う方向に超音波振動が付与されるホーンを用い、
前記第1工程では、一方の前記被接合部材側から前記ホーンの前記ピン部を押し込んで、前記ピン部の超音波振動により前記被接合部材同士の界面に前記粘性体を発生させることを特徴とする請求項1に記載の被接合部材の接合方法。 - 前記第1工程では、赤外線加熱、レーザ加熱及び誘導加熱のうちの少なくとも1つの加熱により、前記被接合部材同士の界面に前記粘性体を発生させることを特徴とする請求項1に記載の被接合部材の接合方法。
- 前記ピン部を突出させた基部を有するホーンを用い、
前記第2工程では、前記ホーンの前記基部を一方の前記被接合部材の表面に当接させて、前記基部の超音波振動により前記粘性体の分子運動を促進して前記粘性体を発熱させることを特徴とする請求項3に記載の被接合部材の接合方法。 - 一方の前記被接合部材の厚さT1と、他方の前記被接合部材の厚さT2との関係が、T1≧T2であり、前記ホーンにおける前記基部の前記被接合部材との接触面が円形である場合、
前記基部の前記接触面の面積が、π×((2√T2)/2)2 以上であることを特徴とする請求項5に記載の被接合部材の接合方法。 - 前記第2工程では、前記被接合部材同士の界面の面内方向に付与した超音波振動、及び誘電加熱の少なくとも一方により、前記粘性体の分子運動を促進して前記粘性体を発熱させることを特徴とする請求項1又は4に記載の被接合部材の接合方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の被接合部材の接合方法により、一方の前記被接合部材と他方の前記被接合部材とを接合したことを特徴とする接合構造。
- 熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化樹脂製の被接合部材同士を接合する装置であって、
前記被接合部材同士を重ね合わせた状態で双方の界面に粘性体を発生させる粘性体生成機構と、
前記粘性体の分子運動を促進して前記粘性体を発熱させる分子活性化機構とを備えたことを特徴とする被接合部材の接合装置。 - 前記分子活性化機構として一方の前記被接合部材の表面に当接可能な基部と、前記粘性体生成機構として前記基部から突出して前記被接合部材に押し込み可能なピン部とを有し且つ前記ピン部の軸線に沿う方向に超音波振動が付与されるホーンを備えたことを特徴とする請求項9に記載の被接合部材の接合装置。
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