持続的なアクセスとは、車両がコンピュータネットワークに連続的またはほぼ連続的にアクセスすることである。安定したアクセスとは、車両が利用できる帯域幅が、安定しており、かつ一般に機能を発揮するためにコンピュータネットワークにアクセスする必要がある車両のシステムに十分な質であることを意味する。車両は、車両用メッシュネットワークを利用して、コンピュータネットワークへのアクセスの持続性および安定性を高めることができる。
車両用メッシュネットワークは、車道速度(例えば、毎時15マイル以上)で進行するエンドポイントを含み、コンピュータネットワーク(例えば、図1Aのネットワーク105)への持続的な安定したアクセスをこれらのエンドポイントに提供する、メッシュネットワークである。車両用メッシュネットワークのためのコンピュータネットワークへの持続的な安定したアクセスは、それまで当該車両用メッシュネットワークのメンバであった車両が当該車両用メッシュネットワークから退出したものの、それと同時に(または実質的に同時に)その車両に代わって新たな車両(またはエンドポイント)が追加されない場
合に、悪影響を受ける。
車両用メッシュネットワークを形成する1つの方法は、複数の車両の間にメッシュネットワークを形成させるようにできる組織化された方法で当該複数の車両が専用狭域通信(以下、DSRC)メッセージを交換することによるものである。DSRC規格は、車両が「DSRC対応車両」になるための要件を規定している。例えば、DSRC対応車両は、DSRC無線、DSRC準拠全地球測位システムユニット(以下、DSRC準拠GPSユニット)、および車両に適用されるDSRC規格に準拠するために必要なその他の任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む、任意のタイプのコネクテッド車両である。
DSRC規格は、また、車両ではない電子デバイスが「DSRC対応デバイス」になるための要件も規定している。例えば、DSRC対応デバイスは、DSRC無線、DSRC準拠GPSユニット、および非車両デバイスに適用されるDSRC規格に準拠するために必要なその他の任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む、車両ではない任意のタイプのプロセッサ型コンピューティングデバイスである。一実施形態では、スマートフォン(すなわちDSRC対応スマートフォン)、タブレットコンピュータ(すなわちDSRC対応タブレットコンピュータ)、ラップトップ(すなわちDSRC対応ラップトップ)、スマートウォッチ(すなわちDSRC対応スマートウォッチ)、フィットネスバンド(すなわちDSRC対応フィットネスバンド)、およびその他の任意のプロセッサ型コンピューティングデバイス(すなわちDSRC対応プロセッサ型コンピューティングデバイス)といったプロセッサ型コンピューティングデバイスのうちの1つまたは複数は、DSRC無線を含んでいればDSRC対応デバイスである。
一実施形態では、DSRC対応デバイスは、歩行者によって携帯される。歩行者は、道路内、または道路の近傍に位置する人間を含む。
一実施形態では、DSRC対応デバイスは、1つまたは複数のPSMメッセージをブロードキャストまたはユニキャストする。一実施形態では、PSMメッセージは、PSMデータ(例えば、図1B参照)を含む。一実施形態では、DSRC対応デバイスは、「候補DSRC対応デバイス」と呼ばれる。候補DSRC対応デバイスの一例は、DSRC対応スマートフォン、またはその他の任意のDSRC対応型のプロセッサ型コンピューティングデバイスを含む。
一実施形態では、PSMメッセージは、候補DSRC対応デバイスが道路内または道路の近傍(例えば、DSRC規格の要件に基づくPSMメッセージの伝送範囲に対応する、道路から500メートル以内)に位置しているときに、当該候補DRSC対応デバイスによって送信される。
本明細書に記載されるのは、PSMデバイス検出システムの実施形態である。一実施形態では、PSMデバイス検出システムは、コネクテッド車両(例えば、DSRC対応車両またはその他の何らかのコネクテッド車両)の車載ユニット(例えば、電子制御装置またはその他の何らかのプロセッサ型車載コンピュータ)に搭載される。一実施形態では、PSMデバイス検出システムは、コネクテッド車両の車載ユニットによって実行されたときに、以下のステップを車載ユニットに実行させるコードおよびルーチンを含む。当該コード及びルーチンに含まれるステップは、車両用メッシュネットワークのメンバであるコネクテッド車両が当該車両用メッシュネットワークを退出しようとしている(または既に退出している)ことを検出し、次いで、1つまたは複数のPSMメッセージの受信に基づいて、当該車両用メッシュネットワークに加入する候補DSRC対応デバイスを特定し、これによって、車両用メッシュネットワークのメンバが車両用メッシュネットワークを出たときにその代わりに当該車両用メッシュネットワークのメンバになる別のエンドポイント
がない場合に引き起こされる不整合性および不安定性を回避することを含む。一実施形態では、車両用メッシュネットワークに加入することは、車両用メッシュネットワークのメンバになることと、コンピュータネットワークへの自分のアクセス権をその車両用メッシュネットワークの他のメンバと共有することとを含む。
一実施形態では、DSRC対応デバイスは、ADASシステムのセットを含む。ADASシステムのセットは、DSRC対応車両の動きのプロファイルを制御する。ADASシステムのセットは、本明細書では「ADASシステムセット」と呼ぶこともある。例えば、図1Aに示されるADASシステムセット180を参照されたい。
一実施形態では、複数のDSRC対応デバイスは、1つまたは複数の地理学的な場所に対して複数のPSMメッセージをブロードキャストする。例えば、複数の歩行者が、自分のDSRC対応スマートフォンを有し、これらのDSRC対応スマートフォンが、DSRC規格に基づくPSMメッセージの伝送範囲である道路から500メートル以内にある限り、一定の間隔で繰り返しPSMメッセージをブロードキャストする。DSRC対応車両は、この複数のPSMメッセージを受信する。
一実施形態では、DSRC対応車両は、自律車両である。米国運輸省道路交通安全局(以下、NHTSA)は、例えば、レベル0、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4、およびレベル5など、様々な「レベル」の自律車両を定義している。DSRC対応車両が別のDSRC対応車両より高レベルである(例えば、レベル3はレベル2またはレベル1より高レベルである)場合には、高レベルのDSRC対応車両は、低レベルのDSRC対応車両より多くの組合せ及び量の自律機構を提供する。これらの様々なレベルの自律車両について、以下に簡単に説明する。
レベル0:DSRC対応車両にインストールされたADASシステムのセットは、車両制御は行わないが、DSRC対応車両の運転者に警報を出すことはできる。
レベル1:運転者は、常にDSRC対応車両の制御が行える体勢でいなければならない。DSRC対応車両にインストールされたADASシステムのセットは、アダプティブクルーズコントロール(「ACC」)と、自動操舵および車線逸脱防止支援(「LKA」)タイプIIを備えた駐車支援とのうちの1つまたは複数などの自律機構を任意の組合せで提供することができる。
レベル2:運転者は、道路内の物体および事象を検知し、DSRC対応車両にインストールされたADASシステムのセットが適切に対応できない場合には(運転者の主観的判断に基づいて)自ら対応しなければならない。DSRC対応車両にインストールされたADASシステムのセットは、加速、制動、および操舵を実行する。DSRC対応車両にインストールされたADASシステムのセットは、運転者が運転を引き継いだときには直ちに非活動状態になることができる。
レベル3:既知の限定された環境(高速道路など)内では、運転者は、運転作業から注意を支障なく逸らすことができるが、依然として必要に応じてDSRC対応車両の制御を行う準備ができていなければならない。
レベル4:DSRC対応車両にインストールされたADASシステムのセットは、荒天時などいくつかの環境を除けば全てにおいて、DSRC対応車両を制御することができる。運転者は、自動システム(DSRC対応車両にインストールされたADASシステムのセットで構成される)使用可能にしても安全なときには、これを使用可能にすることができる。自動システムが使用可能になると、運転者が注意していなくても、DSRC対応車
両は、安全に走行し、受け入れられている基準に適合する。
レベル5:行き先を設定してシステムを起動すること以外は、人間の介入は不要である。自動システムは、合法な場所であればどこにでも運転していくことができ、それ自体で判断を下すことができる(これはDSRC対応車両が位置している管轄区域によって変化する可能性がある)。
一実施形態では、DSRC対応車両は、高度自律車両(以下、HAV)である。HAVは、上述のレベル3、またはNHTSAにより2016年9月に公開された「Federal Automated Vehicles Policy:Accelerating the Next Revolution in Roadway Safety」と題する政策文書の9ページに定義されたレベル3以上で動作するADASシステムのセットを含むDSRC対応車両(例えば、DSRC対応エゴ車両)である。
1つまたは複数のコンピュータで構成されたシステムは、動作時にシステムにアクションを実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せをシステムにインストールすることによって、特定の動作またはアクションを実行するように構成することができる。1つまたは複数のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されたときに装置にアクションを実行させる命令を含むことによって、特定の動作またはアクションを実行するように構成することができる。
1つの一般的な態様は、方法を含む。当該方法は、第1のDSRC無線が、PSMメッセージのブロードキャストを行う第2のDSRC無線によってブロードキャストされたPSMメッセージを受信し、第2のDSRC無線へ、勧誘を記述した勧誘データを含み、第1のDSRC無線がPSMメッセージを受信したことに応じて第1のDSRC無線によって送信されるワイヤレスメッセージを送信することを含む。この態様の他の実施形態は、この方法のアクションを実行するようにそれぞれ構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。PSMメッセージは、DSRC用に確保された帯域でブロードキャストされる、方法。第1のDSRC無線は、DSRC対応エゴ車両の要素である、方法。第2のDSRC無線は、候補DSRC対応デバイスの要素である、方法。勧誘は、候補DSRC対応デバイスに対する車両用メッシュネットワークへの加入の勧誘である、方法。車両用メッシュネットワークは、コンピュータネットワークへのアクセスを提供する、方法。候補DSRC対応デバイスは、車両用メッシュネットワークに加入せずにコンピュータネットワークにアクセスでき、当該候補DSRC対応デバイスが、車両用メッシュネットワークに加入することをさらに含む、方法。記載する技術の実施態様は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体のコンピュータソフトウェアを含む可能性がある。
1つの一般的な態様は、システムである。当該システムは、実行可能なコードを格納する非一時的メモリに通信可能に接続されているプロセッサと第1のDSRC無線とを含む。当該コードは、プロセッサによって実行されたときに、当該プロセッサに、PSMメッセージをブロードキャストする第2のDSRC無線によってブロードキャストされるPSMメッセージを第1のDSRC無線によって受信させ、勧誘を記述した勧誘データを含み、第1のDSRC無線がPSMメッセージを受信したことに応じて第1のDSRC無線によって送信されるワイヤレスメッセージを第1のDSRC無線によって第2のDSRC無線に送信させることを含む。この態様の他の実施形態は、この方法のアクションを実行するようにそれぞれ構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは
複数のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。プロセッサは、エンジン制御ユニットの要素である、システム。プロセッサは、車載コンピュータシステムの要素である、システム。PSMメッセージは、DSRC用に確保された5.9ギガヘルツ帯域でブロードキャストされる、システム。第1のDSRC無線は、DSRC対応エゴ車両の要素である、システム。第2のDSRC無線は、候補DSRC対応デバイスの要素である、システム。勧誘は、候補DSRC対応デバイスに車両用メッシュネットワークに加入するように勧誘する、システム。車両用メッシュネットワークは、コンピュータネットワークへのアクセスを提供することができる、システム。記載される技術の実施態様は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
1つの一般的な態様は、方法である。当該方法は、候補DSRC対応デバイスの第1のDSRC無線が、PSMメッセージをブロードキャストし、車両用メッシュネットワークの1つまたは複数のメンバに対する、コンピュータネットワークへのアクセスを提供する車両用メッシュネットワークへの加入の勧誘を含み、PSMメッセージの受信の応答として第2のDSRC無線によって送信されたワイヤレスメッセージを受信することを含む。この態様の他の実施形態は、この方法のアクションを実行するようにそれぞれ構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。PSMメッセージは、(1)候補DSRC対応デバイスが、勧誘された場合に車両用メッシュネットワークに加入する、および(2)候補DSRC対応デバイスが、車両用メッシュネットワークに加入せずともコンピュータネットワークにアクセスできる、というしきい値基準のうちの少なくとも1つを記述する歩行者安全メッセージデータを含む、方法。第2のDSRC無線は、DSRC対応エゴ車両の要素であり、DSRC対応エゴ車両のプロセッサが、(1)候補DSRC対応デバイスが、勧誘された場合には車両用メッシュネットワークに加入する、および(2)候補DSRC対応デバイスが、車両用メッシュネットワークに加入せずともコンピュータネットワークにアクセスできる、というしきい値基準のうちの少なくとも1つを記述した歩行者安全メッセージデータを含むPSMメッセージに基づいて、候補DSRC対応デバイスに勧誘を送信することを決定する、方法。候補DSRC対応デバイスは、スマートフォンである、方法。候補DSRC対応デバイスは、プロセッサ型コンピューティングデバイスである、方法。記載する技術の実施態様は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
本開示の態様の一つは、第1のDSRC無線装置が、第2のDSRC無線装置によってブロードキャストされたPSMメッセージを受信し、当該PSMメッセージの受信に応答して、車両間ネットワークへの勧誘を記述する勧誘データを含むワイヤレスメッセージを第2のDSRC無線装置へ送信する、方法である。第1のDSRC無線装置は、例えば、DSRC対応車両に備えられるDSRC無線ユニットであってもよい。
本開示の態様の一つにおいて、第2のDSRC無線装置は、DSRC対応デバイスの要素であってもよい。この場合には、勧誘データは、DSRC対応デバイスに対する車両間ネットワークへの加入を勧誘するデータであってもよい。車両間ネットワークは、コンピュータネットワークへのアクセスを提供してもよい。DSRC対応デバイスは、車両間ネットワークに加入せずにコンピュータネットワークにアクセスできるデバイスであってもよい。この場合には、当該方法は、DSRC対応デバイスが、車両間ネットワークに加入
することをさらに含んでもよい。また、車両間ネットワークは、メッシュネットワークであってもよい。
また、本開示の他の態様の一つは、実行可能なコードを格納する非一時的メモリに通信可能に接続されているプロセッサと、第1のDSRC無線装置と、を含むシステムである。当該プロセッサは、当該コードを実行することによって、第2のDSRC無線装置によってブロードキャストされたPSMメッセージを第1のDSRC無線装置によって受信し、当該PSMメッセージの受信に応答して、車両間ネットワークへの勧誘を記述する勧誘データを含むワイヤレスメッセージを第1のDSRC無線装置によって第2のDSRC無線装置へ送信する。
本開示の他の態様の一つでは、第2のDSRC無線装置は、DSRC対応デバイスの要素であってもよい。勧誘データは、DSRC対応デバイスに対する車両間ネットワークへの加入を勧誘するデータであってもよい。車両間ネットワークは、コンピュータネットワークへのアクセスを提供してもよい。プロセッサは、PSMメッセージが、(1)DSRC対応デバイスが、勧誘データを受信した場合には車両間ネットワークに加入する、または、(2)DSRC対応デバイスが、車両間ネットワークに加入せずともコンピュータネットワークにアクセスできる、ことの少なくともいずれか一方を記述する歩行者安全メッセージデータを含む場合に、DSRC対応デバイスへ勧誘データを送信することを決定してもよい。
本開示の他の態様の一つでは、プロセッサは、車両間ネットワークから退出しようとしている、又は、退出している、DSRC無線装置を備えるDSRC対応車両を検出した場合に、PSMメッセージの受信を開始してもよい。
また、本開示の他の態様の一つは、DSRC対応デバイスの第1のDSRC無線装置が、PSMメッセージをブロードキャストし、コンピュータネットワークへのアクセスを提供する車両間ネットワークの1つまたは複数のメンバに対する、車両間ネットワークへの加入を勧誘する勧誘データを含み、PSMメッセージの受信に応答して第2のDSRC無線装置によって送信されたワイヤレスメッセージを受信する、方法である。
本開示の態様の一つでは、PSMメッセージは、(1)DSRC対応デバイスが、勧誘データが受信された場合に車両間ネットワークに加入する、または、(2)DSRC対応デバイスが、車両間ネットワークに加入せずともコンピュータネットワークにアクセスできる、ことの少なくともいずれか一方を記述する歩行者安全メッセージデータを含んでもよい。
本開示の他の態様の一つでは、第2のDSRC無線装置は、DSRC対応車両の要素であり、DSRC対応車両のプロセッサは、(1)DSRC対応デバイスが、勧誘データを受信した場合には車両間ネットワークに加入する、または、(2)DSRC対応デバイスが、車両間ネットワークに加入せずともコンピュータネットワークにアクセスできる、ことの少なくともいずれか一方を記述した歩行者安全メッセージデータを含むPSMメッセージに基づいて、DSRC対応デバイスへ勧誘データを送信することを決定してもよい。
本開示は、限定ではなく例示を目的として添付の図面に図示されている。これらの図面では、同じ要素には同じ参照番号を使用している。
本明細書に記載されるのは、PSMデバイス検出システムおよびメッシュネットワーククライアントの実施形態である。PSMデバイス検出システムは、DSRC対応車両(例えば、DSRC対応エゴ車両123、または図1Aに示されるDSRC対応遠隔車両124などのその他の何らかのDSRC対応車両)の要素である。メッシュネットワーククライアントは、車両ではないDSRC対応デバイスの要素である。DSRC対応車両は、自律車両であってもよい。例えば、DSRC対応車両は、レベル1自律車両、レベル2自律車両、レベル3自律車両、レベル4自律車両、およびレベル5自律車両のうちのいずれであってもよい。DSRC対応エゴ車両123などのDSRC対応車両は、HAVであってもよい。DSRC対応エゴ車両は、説明上、実施形態の対象となるDSRC車両を、他のDSRC車両(例えば、DSRC対応遠隔車両124など)と区別するための呼称である。DSRC対応遠隔車両124は、DSRC対応エゴ車両123から離れた遠隔地に存在するDSRC対応車両を指し示すための呼称である。
DSRC対応デバイス(例えば、図1Aに示されるDSRC対応デバイス110A、110B、および候補DSRC対応デバイス111)は、DSRC無線および通信ユニットを含むプロセッサ型モバイルコンピューティングデバイスであり、PSMメッセージを一定の間隔で送信する。各PSMメッセージは、PSMデータ(例えば、図1B参照)を含む。
一実施形態では、DSRC対応デバイスは、道路から500メートル以内である場合にのみPSMメッセージを送信する。DSRC対応デバイスは、一実施形態ではDSRC対応デバイスの要素であるDSRC準拠GPSユニットを使用して決定されるDSRC対応デバイスの地理学的な場所に基づいて、当該DSRC対応デバイスが道路から500メートル以内であると判定する。
DSRC対応車両は、DSRC無線およびDSRC準拠GPSユニットを含むコネクテッド車両である。DSRC対応デバイスは車両ではないので、DSRC対応デバイスはDSRC対応車両ではない。DSRC対応車両およびDSRC対応デバイスのそれぞれに含まれるDSRC無線およびDSRC準拠GPSユニットは、互いに同様であるが、DSRC対応車両は一般にDSRC対応デバイスより大きいので、サイズに応じて異なっていてもよく、したがって、DSRC対応車両の構成要素をDSRC対応デバイスの構成要素より大きくすることにより、コストを節約することができる。
一実施形態では、DSRC無線は、(1)DSRCメッセージを送信するDSRC送信機と、(2)DSRCメッセージを受信するDSRC受信機と、(3)DSRC対応車両またはDSRC対応デバイスがDSRC規格に準拠するために必要なその他の任意のハードウェアまたはソフトウェアとを含む、電子ハードウェアデバイスである。単にセルラ通信、Wi−Fi通信またはミリ波通信を送信および受信することができるだけのデバイスは、移動に対応するように構成されておらず、DSRC規格に準拠していないため、DSRCメッセージを送信または受信することができないので、DSRC無線ではない、またはその他の形で「DSRC対応」ではないことは、当業者には理解されるであろう。
一実施形態では、DSRC準拠GPSユニットは、GPS衛星とワイヤレス通信して、場合によりDSRC規格に準拠する精度でDSRC対応車両またはDSRC対応デバイスの位置を記述する位置データ(本明細書ではGPSデータまたはDSRC準拠GPSデータ)を取得するハードウェアを含む。DSRC規格は、位置データが、DSRC準拠GPSユニットが屋外にある時間の少なくとも68%の間、±1.5メートル以内の精度であることを求めている。例えば、DSRC規格は、DSRC準拠GPSユニットによって生成される位置情報が、2つの車両(そのうちの一方が、例えば、図1Aに示されるDSRC対応エゴ車両123である)が同時に同じ車線内にあるかどうかを推測するのに十分な精度であることを求めている。車線は、道路の車線であってもよい。DSRC準拠GPSユニットは、屋外にいる時間の68%の間、その実際の位置の1.5メートル以内の2次元位置を特定し、監視し、追跡する。道路の車線は、通常は幅が3メートル以上であるので、DSRC準拠GPSユニットによって生成される位置情報は、そのユニットの位置(およびそのDSRC準拠GPSユニットを含むDSRC対応車両またはDSRC対応デバイスの位置)を車線レベルの精度で記述する。
これに対して、DSRC規格に準拠していない従来のGPSユニットは、位置情報を車線レベルの精度で決定することができない。例えば、道路の通常の車線は、幅が約3メートルである。しかし、従来のGPSユニットは、従来のGPSユニットの実際の位置を基準として±10メートルの精度しか有していない。その結果として、このような従来のGPSユニットは、最適化クライアントまたは最適化システムで使用できるほど正確ではない。これは、そのようにすると、記述する地理学的な場所に誤りのある特徴挙動データを生成することになり、最終的には、車両がその現在走行している位置に関連する不適切な動きプロファイルで走行することになり、その結果、その車両の近傍にいる歩行者を死傷させる可能性があるからである。
一実施形態では、DSRC規格は、その任意の派生規格または分岐規格も含めて、EN12253:2004「Dedicated Short−Range Communication−Physical layer using microwave at
5.8 GHz」(レビュー)、EN12795:2002「Dedicated Short−Range Communication(DSRC)−DSRC Data
link layer:Medium Access and Logical Link Control」(レビュー)、EN12834:2002「Dedicated
Short−Range Communication−Application layer」(レビュー)、EN13372:2004「Dedicated Short−Range Communication(DSRC)−DSRC profiles
for RTTT applications」(レビュー)、および、EN ISO
14906:2004「Electronic Fee Collection−Application interface」の1つまたは複数に記載されている。
図1Aを参照すると、一実施形態に係るPSMデバイス検出システム199およびメッシュネットワーククライアント198の動作環境100を示すブロック図が示されている
。
動作環境100は、DSRC対応エゴ車両123、退出DSRC対応車両122、DSRC対応遠隔車両124、第1のDSRC対応デバイス110A、第2のDSRC対応デバイス110B、候補DSRC対応デバイス111、および(一実施形態では任意選択で)補償サーバ109といった要素のうちの1つまたは複数を含む。これらの要素は、ネットワーク105および車両用メッシュネットワーク106を介して互いに通信可能に接続されている。
図1Aには、1台のDSRC対応エゴ車両123、1台の退出DSRC対応車両122、1台のDSRC対応遠隔車両124、2台のDSRC対応デバイス110A、110B(本明細書では集合的または個別に「DSRC対応デバイス110」と呼ぶ)、1台の候補DSRC対応デバイス111、1台の補償サーバ109、1つの車両用メッシュネットワーク106、および1つのネットワーク105が示してあるが、実際には、動作環境100は、1または複数のDSRC対応エゴ車両123、1または複数の退出DSRC対応車両122、1または複数のDSRC対応遠隔車両124、2以上のDSRC対応デバイス110、1または複数の候補DSRC対応デバイス111、1または複数の補償サーバ109、1または複数の車両用メッシュネットワーク106、および1または複数のネットワーク105を含んでもよい。動作環境100は、歩行者103を含んでもよい。一実施形態では、歩行者103は、道路内、または道路の近傍に位置する人間を含む。
ネットワーク105は、有線またはワイヤレスの従来のタイプのものであってもよく、星形構成、トークンリング構成、またはその他の構成など、多数の異なる構成を有してもよい。さらに、ネットワーク105は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)(例えばインターネット)、または複数のデバイスおよび/もしくはエンティティがそれを介して通信することができるその他の相互接続されたデータ経路を含んでもよい。一実施形態では、ネットワーク105は、ピアツーピアネットワークを含んでもよい。ネットワーク105は、様々な異なる通信プロトコルでデータを送信する電気通信ネットワークの複数の部分に接続される、またはそれらの部分を含んでもよい。ネットワーク105は、PSMメッセージを含むDSRCメッセージを送信またはブロードキャストするDSRCネットワークを含む。一実施形態では、PSMメッセージは、(ユニキャストではなく)ブロードキャストされる、そのペイロードがPSMデータ195からなるDSRCメッセージである。換言すれば、PSMメッセージのペイロードは、PSMデータ195のみを含み、その他のペイロードは含まない。
一実施形態では、ネットワーク105は、全2重ワイヤレス通信を送信するように動作可能な全2重ネットワークである。一実施形態では、ネットワーク105は、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)、電子メールなどを介してデータを送信および受信する、Bluetooth(登録商標)通信ネットワークまたはセルラ通信ネットワークを含む。ネットワーク105は、3G、4G、LTE、LTE−V2X、VoLTE、またはその他の任意の移動データネットワークもしくは移動データネットワークの組合せを含んでもよい。さらに、ネットワーク105は、1つまたは複数のIEEE802.11のワイヤレスネットワークを含んでもよい。
ネットワーク105は、DSRC対応エゴ車両123、退出DSRC対応車両122、DSRC対応遠隔車両124、DSRC対応デバイス110、候補DSRC対応デバイス111、および補償サーバ109の間で共有される1つまたは複数の通信チャネルを含んでもよい。通信チャネルは、DSRC、LTE車車間・路車間(V2X)、全2重のワイ
ヤレス通信、またはその他の任意のワイヤレス通信プロトコルのうちの1つまたは複数を含んでもよい。例えば、候補DSRC対応デバイス111がネットワーク105を使用してPSMメッセージをブロードキャストしてもよく、このPSMメッセージを、DSRC対応エゴ車両123が受信してもよい。別の例では、DSRC対応エゴ車両123が、ネットワーク105を使用して、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘を含むワイヤレスメッセージを候補DSRC対応デバイス111に送信する。
現代の車両は、その機能を発揮するためにコンピュータネットワーク(例えば、ネットワーク105)への持続的で安定したアクセスを必要とする車両システム(例えば、ADASシステム、自動運転システム、インフォテインメントシステムなど)を含む。持続的なアクセスとは、車両がネットワーク105に連続的またはほぼ連続的にアクセスできることを意味する。安定したアクセスとは、車両が利用できる帯域幅が、安定しており、かつ一般に、一実施形態ではその機能を発揮するためにネットワーク105にアクセスする必要がある車両の搭載システム(例えば、ADASシステムセット180、自動運転システム184、インフォテインメントシステム181)に十分な質であることを意味する。例示的な既存の問題は、DSRC対応エゴ車両123などの車両がネットワーク105への持続的で安定したアクセスを常に行っているとは限らず、したがって、その搭載システムが動作不能になることがあることである。DSRC対応エゴ車両123などの車両は、車両用メッシュネットワーク106を利用して、ネットワーク105へのアクセスの持続性および安定性を高めることができる。
車両用メッシュネットワーク106は、以下の属性のうちの1又は複数を含むネットワークである。(1)車道速度(例えば、毎時15マイル以上)で走行している1つまたは複数のエンドポイントを含む。(2)各エンドポイント(例えば、DSRC対応遠隔車両124、DSRC対応エゴ車両123、退出DSRC対応車両122、DSRC対応デバイス110、候補DSRC対応デバイス111など)にネットワーク105へのアクセスを提供する。(3)各エンドポイントがDSRC対応である。一実施形態では、車両用メッシュネットワーク106は、各エンドポイントにネットワーク105への持続的な安定したアクセスを提供することができる。
車両用メッシュネットワークに関する問題の一つとして、車両用メッシュネットワーク106によって提供されるネットワーク105へのアクセスの持続性および安定性が、それまで車両用メッシュネットワークのメンバであった車両(例えば、退出DSRC対応車両122)が当該車両用メッシュネットワークを退出したが、それと同時に(または実質的に同時に)当該車両に代わって新たなエンドポイントが追加されることがないときに、悪影響を受けることがある。PSMデバイス検出システム199は、メッシュネットワーククライアント198と協働して、図3、図4A、および図4Bを参照して以下に述べる方法300、400のステップのうちの1つまたは複数を実行することによって、この問題を解決する。
一実施形態では、車両用メッシュネットワーク106は、車両用メッシュネットワーク106のエンドポイント間でDSRC通信が使用されることによって形成される。車両用メッシュネットワーク106のエンドポイントは、DSRC対応の任意のプロセッサ型コンピューティングデバイスである。当該任意のプロセッサ型コンピューティングデバイスは、車両用メッシュネットワーク106の形成、利用、またはその他の形での参加のためのDSRCメッセージを送信または受信する。
一実施形態では、車両用メッシュネットワーク106は、DSRC対応エゴ車両123、退出DSRC対応車両122、およびDSRC対応遠隔車両124といったエンドポイントを含む。DSRC対応エゴ車両123のPSMデバイス検出システム199は、DS
RC対応エゴ車両123のプロセッサによって実行される場合に、以下のうちのいずれかを判定するコードまたはルーチンを含む。(1)退出DSRC対応車両122が車両用メッシュネットワーク106を退出しようとしていることを判定する(例えば、退出DSRC対応車両122から送信される、当該退出DSRC対応車両122が車両用メッシュネットワーク106を退出しようしていることを示すデータを含むワイヤレスメッセージに基づいて)。(2)退出DSRC対応車両122が既に車両用メッシュネットワーク106を退出していることを判定する(例えば、退出DSRC対応車両122が、車両用メッシュネットワーク106のメンバであるために必要なDSRCメッセージの送信を停止する)。退出DSRC対応車両122が車両用メッシュネットワーク106を代替なく退出すると、車両用メッシュネットワーク106のメンバであるエンドポイントに対して、車両用メッシュネットワーク106によって提供されるネットワーク105へのアクセスの持続性および安定性に悪影響を及ぼすことになるので、これは問題である。PSMデバイス検出システム199は、メッシュネットワーククライアント198と協働して、この問題を解決する。DSRC対応エゴ車両123のPSMデバイス検出システム199は、DSRC対応エゴ車両123のプロセッサによって実行される場合に、候補DSRC対応デバイス111からブロードキャストされるPSMメッセージを受信し、当該PSMメッセージ(または、メッシュネットワーククライアント198によってPSMメッセージに含められているPSMデータ195であって、候補DSRC対応デバイス111が、車両用メッシュネットワーク106には加入せずにネットワーク105にアクセスしていたり、車両用メッシュネットワーク106に加入したいと考えていたりすることを示すデジタル情報を含むPSMデータ195)に基づいて、車両用メッシュネットワーク106によって提供されるネットワーク105へのアクセスの持続性および安定性が維持されるように、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘を含むワイヤレスメッセージを候補DSRC対応デバイス111に送信することを判定するコードおよびルーチンを含む。
DSRC対応エゴ車両123は、DSRC無線ユニット147、DSRC準拠GPSユニット170、ADASシステムセット180、および車両に適用されるDSRC規格に準拠するために必要なその他の任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む、任意のタイプのコネクテッド車両である。例えば、DSRC対応エゴ車両123は、乗用車、トラック、スポーツ多目的車、バス、セミトラック、ドローン、またはその他の任意の路上搬送手段といったタイプのDSRC対応エゴ車両123のうちのいずれかである。DSRC対応エゴ車両123は、ネットワーク105を介してワイヤレスメッセージを送信および受信するために必要な任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む。
一実施形態では、DSRC対応エゴ車両123は、自律車両である。例えば、DSRC対応エゴ車両123は、レベル1自律車両、レベル2自律車両、レベル3自律車両、レベル4自律車両、およびレベル5自律車両のうちのいずれかである。一実施形態では、DSRC対応エゴ車両123は、HAVである。HAVは、そのADASシステムセット180がレベル3以上で動作するのに十分な自律機能を提供する自律車両である。図2Aには、一実施形態に係るDSRC対応エゴ車両123の車載コンピュータの一例が示される。
退出DSRC対応車両122は、DSRC対応車両である。退出DSRC対応車両122は、DSRC対応エゴ車両123と同様の要素および機能を含むので、ここではそれらについての説明は繰り返されない。例えば、退出DSRC対応車両122は、PSMデバイス検出システム199、DSRC無線ユニットを含む通信ユニット145、DSRC準拠GPSユニット170、インフォテインメントシステム181、メッシュネットワークマップ182、ADASシステムセット180、自動運転システム184、PSMデータ195、および図2Aに示される要素のうちの1つまたは複数といった、DSRC対応エゴ車両123の要素でもある要素のうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態における退出DSRC対応車両122とDSRC対応エゴ車両123の間の相違点の一例として、一実施形態では、退出DSRC対応車両122は車両用メッシュネットワーク106を退出しようとしている(または既に退出している)が、DSRC対応エゴ車両123は車両用メッシュネットワーク106のメンバである点である。図1Aでは、退出DSRC対応車両122が車両用メッシュネットワーク106を退出しようとしている、または既に退出していることを示すために、退出DSRC対応車両122を車両用メッシュネットワーク106と結んでいる両方向矢印が破線を用いて示されている。
DSRC対応遠隔車両124は、車両用メッシュネットワーク106のメンバであるDSRC対応車両である。DSRC対応遠隔車両124は、DSRC対応エゴ車両123と同様の要素および機能を含むので、ここではそれらについての説明は繰り返されない。例えば、DSRC対応遠隔車両124は、PSMデバイス検出システム199、DSRC無線ユニットを含む通信ユニット145、DSRC準拠GPSユニット170、インフォテインメントシステム181、メッシュネットワークマップ182、ADASシステムセット180、自動運転システム184、PSMデータ195、および図2Aに示される要素のうちの1つまたは複数といった、DSRC対応エゴ車両123の要素でもある要素のうちの1つまたは複数を含む。
DSRC対応デバイス110は、車両ではない任意のタイプのプロセッサ型コンピューティングデバイスであり、DSRC無線ユニット147、DSRC準拠GPSユニット170、および非車両デバイスに適用されるDSRC規格に準拠するために必要なその他の任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む。例えば、DSRC対応デバイス110は、DSRC対応スマートフォン、DSRC対応ラップトップ、DSRC対応タブレットコンピュータ、DSRC対応フィットネスバンド、またはDSRC対応プロセッサ型コンピューティングデバイスである。
一実施形態では、第1のDSRC対応デバイス110Aおよび第2のDSRC対応デバイス110Bは、同じタイプのDSRC対応デバイスであっても、異なるタイプのDSRC対応デバイスであってもよい。例えば、第1のDSRC対応デバイス110Aは、DSRC対応スマートフォンであり、第2のDSRC対応デバイス110Bは、DSRC対応フィットネスバンドである。
一実施形態では、候補DSRC対応デバイス111は、DSRC対応エゴ車両123から、候補DSRC対応デバイス111からブロードキャストされたPSMメッセージ107に基づく、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを受信する。候補DSRC対応デバイス111は、車両ではない任意のタイプのプロセッサ型コンピューティングデバイスであり、DSRC無線ユニット147、DSRC準拠GPSユニット170、および非車両デバイスに適用されるDSRC規格に準拠するために必要なその他の任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む。例えば、候補DSRC対応デバイス111は、DSRC対応スマートフォン、DSRC対応ラップトップ、DSRC対応タブレットコンピュータ、DSRC対応フィットネスバンド、またはDSRC対応プロセッサ型コンピューティングデバイスである。一実施形態では、候補DSRC対応デバイス111は、メッシュネットワーククライアント198を含む。
補償サーバ109は、図1Aでは、それが動作環境100の任意選択の特徴であることを示すために、破線を用いて示されている。補償サーバ109は、プロセッサ型コンピューティングデバイスである。例えば、補償サーバ109は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、メインフレーム、またはサーバとして機能するその他の任意のプロセッサ型コンピューティングデバイスといったタイプのプロセッサ型コンピューティングデバイス
のうちの1つまたは複数を含んでもよい。補償サーバ109は、ハードウェアサーバを含んでもよい。補償サーバ109は、ネットワーク105を介してワイヤレスメッセージを送信および受信するために必要な任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む。
一実施形態では、補償サーバ109は、歩行者103の銀行口座またはその他の何らかの電子アカウントにリンクされたデジタルデータを格納している。一実施形態では、歩行者103は、車両用メッシュネットワーク106に加入することに対する補償を受ける資格がある。例えば、歩行者103は、現金補償または無料サービスへのアクセスの資格が与えられる(例えば、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に接続しなければネットワーク105にアクセスできない場合でも、車両用メッシュネットワーク106を介してネットワーク105にアクセスする資格が与えられる)。DSRC対応エゴ車両123および候補DSRC対応デバイス111のうちの一方または複数は、補償サーバ109へワイヤレスメッセージを送信して、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106を使用しなくてもそれ自体でネットワーク105にアクセスできた一方で、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106のメンバであった時間の長さを報告する。補償サーバ109は、この時間の長さに基づいて歩行者に対して認められる補償を計算し、次いで歩行者の銀行口座に送金する、または歩行者に対して認められる無料サービスの量についてのログを取ることによって、その補償を歩行者に提供するソフトウェアを含む。候補DSRC対応デバイス111は、歩行者103が後日無料サービスへのアクセスに使用することができるソフトウェアアプリケーション(例えば、メッシュネットワーククライアント198)を含んでもよい。
一実施形態では、DSRC対応エゴ車両123は、通信ユニット145、DSRC無線ユニット147、DSRC準拠GPSユニット170、ADASシステムセット180、インフォテインメントシステム181、自動運転システム184、メッシュネットワークマップ182、PSMデータ構造196、およびPSMデバイス検出システム199といった要素のうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、退出DSRC対応車両122は、DSRC無線ユニット147(図示せず)を含む通信ユニット145B、およびDSRC準拠GPSユニット170Bを含む。
一実施形態では、DSRC対応遠隔車両124は、DSRC無線ユニット(図示せず)を含む通信ユニット145C、およびDSRC準拠GPSユニット170Cを含む。
一実施形態では、第1のDSRC対応デバイス110Aは、DSRC無線ユニット(図示せず)を含む通信ユニット145D、およびDSRC準拠GPSユニット170Dを含む。図1Aには図示されていないが、一実施形態では、第1のDSRC対応デバイス110Aは、メッシュネットワーククライアント198のインスタンスを含む。例えば、第1のDSRC対応デバイス110Aは、図2Bに示されるようなコンピュータシステム299である。
一実施形態では、第2のDSRC対応デバイス110Bは、DSRC無線ユニット(図示せず)を含む通信ユニット145E、およびDSRC準拠GPSユニット170Eを含む。図1Aには図示されていないが、一実施形態では、第2のDSRC対応デバイス110Bは、メッシュネットワーククライアント198のインスタンスを含む。例えば、第2のDSRC対応デバイス110Bは、図2Bに示されるようなコンピュータシステム299である。
一実施形態では、候補DSRC対応デバイス111は、DSRC無線ユニット(図示せず)を含む通信ユニット145F、DSRC準拠GPSユニット170F、およびメッシュネットワーククライアント198を含む。
通信ユニット145A、145B、145C、145D、145E、145Fは、本明細書では、個別に、または集合的に「通信ユニット145」と称される。例えば、通信ユニット145Aが、本明細書において「DSRC対応エゴ車両123の通信ユニット145」と称され、通信ユニット145Bが、本明細書において「退出DSRC対応車両122の通信ユニット145」と称されることもあるが、通信ユニット145A、145Bは、本明細書では「通信ユニット145」と称されることもある。一実施形態では、各通信ユニットは、DSRC無線ユニット147を含む。図1Aには図示されていないが、一実施形態では、補償サーバ109は通信ユニット145を含む。
DSRC準拠GPSユニット170A、170B、170C、170D、170E、170Fは、本明細書では、個別に、または集合的に「DSRC準拠GPSユニット170」と称される。例えば、DSRC準拠GPSユニット170Aが、本明細書において「DSRC対応エゴ車両123のDSRC準拠GPSユニット170」と称され、DSRC準拠GPSユニット170Bが、本明細書において「退出DSRC対応車両122のDSRC準拠GPSユニット170」と称されることもあるが、DSRC準拠GPSユニット170A、170Bは、本明細書では「DSRC準拠GPSユニット170」と称されることもある。
一実施形態では、DSRC無線ユニット147は、通信ユニット145の要素である。他の実施形態では、DSRC無線ユニット147は、独立した要素、または通信ユニット145ではない構成の要素である。例えば、DSRC無線ユニット147は、DSRC準拠GPSユニット170の要素であってもよい。
通信ユニット145は、ネットワーク105、車両用メッシュネットワーク106、およびその他の何らかの通信チャネルのうちの1つまたは複数へデータを送信し、これらからデータを受信する。一実施形態では、通信ユニット145は、DSRC無線ユニット147と、通信ユニット145を含む要素を「DSRC対応」にし、DSRC規格に準拠させるのに必要なその他のハードウェアまたはソフトウェアとを含んでもよい。
一実施形態では、通信ユニット145は、ネットワーク105、車両用メッシュネットワーク106、およびその他の何らかの通信チャネルのうちの1つまたは複数に直接物理的に接続するためのポートを含む。例えば、通信ユニット145は、ネットワーク105および車両用メッシュネットワーク106のうちの一方または複数と有線通信するためのユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、セキュアデジタル(SD)ポート、CAT−5ポート、またはそれらに類するポートを含む。
一実施形態では、通信ユニット145は、IEEE802.11、IEEE802.16、BLUETOOTH(登録商標)、EN ISO14906:2004「Electronic Fee Collection−Application interface EN 11253:2004 Dedicated Short−Range Communication−Physical layer using microwave at 5.8 GHz」(レビュー)、EN12795:2002「Dedicated Short−Range Communication(DSRC)−DSRC Data link layer:Medium Access and Logical Link Control」(レビュー)、EN12834:2002「Dedicated Short−Range Communication−Applica
tion layer」(レビュー)、EN13372:2004「Dedicated
Short−Range Communication(DSRC)−DSRC profiles for RTTT applications」(レビュー)、「Full−Duplex Coordination System」と題する2014年8月28日出願の米国特許出願第14/471,387号に記載の通信方法、および別の適当なワイヤレス通信方法のうちの1つまたは複数を含む1つまたは複数のワイヤレス通信方法を使用して、ネットワーク105、車両用メッシュネットワーク106、およびその他の何らかの通信チャネルのうちの1つまたは複数のデータを交換するためのワイヤレストランシーバを含む。
一実施形態では、通信ユニット145は、「Full−Duplex Coordination System」と題する2014年8月28日出願の米国特許出願第14/471,387号に記載の全2重協調システムを含む。
一実施形態では、通信ユニット145は、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、WAP、電子メール、または別の適当なタイプの電子通信を介することを含むセルラ通信ネットワークを通じてデータを送信および受信するセルラ通信トランシーバを含む。一実施形態では、通信ユニット145は、有線ポートおよびワイヤレストランシーバを含む。通信ユニット145は、TCP/IP、HTTP、HTTPS、SMTP、ミリ波、DSRCなどの標準ネットワークプロトコルを使用してファイルまたはメディアオブジェクトを配信するために、ネットワーク105および車両用メッシュネットワーク106のうちの一方または複数への他の従来の接続も提供する。
DSRC無線ユニット147は、DSRCアンテナを含む。DSRCアンテナは、DSRC送信機およびDSRC受信機のうちの一方または複数を含む。DSRC無線ユニット147は、1つまたは複数のPSMメッセージを送信および受信する。一実施形態では、DSRC無線ユニット147は、DSRC無線ユニット147を含む要素が道路の所定の近傍内にあるときにのみ、PSMメッセージを送信する。一実施形態では、DSRC無線ユニット147は、例えば、基本安全メッセージなどの1つまたは複数のDSRCメッセージを送信および受信する。一実施形態では、DSRC無線ユニット147は、DSRC無線ユニット147を含む要素を「DSRC対応」にし、DSRC規格に準拠させるために必要なその他の任意のハードウェアまたはソフトウェアを含んでもよい。
一実施形態では、DSRC無線ユニット147は、DSRC準拠GPSユニット170からGPSデータを受信し、DSRC無線ユニット147が道路インフラストラクチャまたは道路からしきい値距離以内であることをそのGPSデータが示しているときにのみPSMメッセージが伝送されるというルールを実行することができる。例えば、しきい値距離は、500メートル(PSMメッセージなどのDSRCメッセージの伝送範囲)であってもよく、しきい値距離に達したかどうかは、DSRC無線ユニット147によって、GPSデータと、DSRC無線ユニット147がアクセスできる非一時的メモリに格納された道路インフラストラクチャマップとの比較によって判定されてもよい。DSRC無線ユニット147が使用する道路インフラストラクチャマップは、様々な道路インフラストラクチャと、これらの様々な道路インフラストラクチャの地理学的な場所とを記述するデジタルデータを含む。道路インフラストラクチャは、例えば、道路、駐車場(公共でも私設でもよい)、駐車ガレージ(公共でも私設でもよい)、空港、歩道、中央線、交通標識、交通信号機、交通ミラー、横断歩道、公共の通路、公園、休憩所、高速道路へ入口ランプ、出口ランプ、路肩、中央分離帯、道路に関係する病院インフラストラクチャ、道路に関係する警察インフラストラクチャ、道路に関係する消防インフラストラクチャ、および道路または道路を補助する要素のその他の任意の構成要素を含む。一実施形態では、道路イ
ンフラストラクチャマップは、図2Aに示されるメモリ227Aに格納されたデジタルデータによって記述される。一実施形態では、DSRC無線ユニット147は、プロセッサによって実行された場合に、しきい値距離に達した、またはしきい値距離を超えたかどうかを判定するステップを実行するコードおよびルーチンを含む。
一実施形態では、DSRC無線ユニット147は、DSRCメッセージを送信および受信することを政府(例えば米国政府、日本国政府、独国政府、州政府または省政府など)によって認可されるものであるので、これらのメッセージは、DSRC無線ユニット147が位置する管轄区域内で合法的に送信、ブロードキャスト、および受信されるのであってもよい。例えば、いくつかの管轄区域では、DSRCメッセージを送信するデバイスがDSRCメッセージを送信する認可を受けているか、またはその管轄区域の法律の下でDSRCメッセージを送信することを許可されているタイプであるかのいずれかでなければ、デバイスはDSRCメッセージを合法的に送信または受信することができない(例えば、第1の合法なタイプは、DSRCメッセージを送信するDSRC対応エゴ車両123を含み、第2の合法的なタイプは、PSMメッセージを送信する候補DSRC対応デバイス111を含む)。
一実施形態では、DSRC無線ユニット147は、ユーザ設定可能な所定の周期(DSRC規格で推奨されている周期は0.10秒ごとに1回)でPSMメッセージをブロードキャストする(例えば、DSRC無線ユニット147が、位置しきい値を満たす、または位置しきい値以内にある位置に位置しているという前提で)。
一実施形態では、DSRC準拠GPSユニット170は、1つまたは複数の異なる時点におけるDSRC準拠GPSユニット170を含む要素(例えば、DSRC対応エゴ車両123、DSRC対応デバイス110、補償サーバ109)の1つまたは複数の場所(または位置)を記述するデジタルデータを含むGPSデータ(図示せず)を読み出す。この時間の値は、GPSデータの一要素であってよもよい。GPSデータは、DSRC準拠GPSユニット170を含む要素の緯度および経度を記述するものであってもよい。DSRC対応エゴ車両123が特定の場所にいた時刻を示すために、GPSデータにタイムスタンプを付加してもよい。
一実施形態では、DSRC準拠GPSユニット170は、DSRC準拠GPSユニット170を含む要素、またはDSRC準拠GPSユニット170自体を、その任意の派生規格または分岐規格も含めて、以下のDSRC規格のうちの1つまたは複数に準拠させるために必要な任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む。DSRC規格は、EN12253:2004「Dedicated Short−Range Communication−Physical layer using microwave at 5.8 GHz」(レビュー)、EN12795:2002「Dedicated Short−Range Communication(DSRC)−DSRC Data link layer:Medium Access and Logical Link Control」(レビュー)、EN12834:2002「Dedicated Short−Range Communication−Application layer」(レビュー)、EN13372:2004「Dedicated Short−Range Communication (DSRC)−DSRC profiles for RTTT applications」(レビュー)、およびEN ISO 14906:2004「Electronic Fee Collection−Application interface」である。
一実施形態では、DSRC準拠GPSユニット170は、車線レベルの精度でDSRC準拠GPSユニット170を含む要素の位置を記述するGPSデータを提供するように動
作可能である。例えば、DSRC準拠GPSユニット170を含む退出DSRC対応車両122は、DSRC準拠GPSユニット170によって提供されるGPSデータを含み、このGPSデータは、退出DSRC対応車両122の位置を±1.5メートルの精度で記述するデジタルデータであり、当該GPSデータを使用して、退出DSRC対応車両122の地理学的な位置を正確に特定することができる。PSMデバイス検出システム199およびメッシュネットワーククライアント198においては、車線レベルの精度により、PSMデバイス検出システム199は、DSRC準拠GPSユニット170を含む動作環境100の要素がいつ車両用メッシュネットワーク106を退出しようとするかをより正確に決定または推定することができるようになる。例えば、退出DSRC対応車両122は、所定の周期(例えば0.10秒ごとに1回)で通信ユニット145によってブロードキャストされる基本安全メッセージに含まれるGPSデータを提供するDSRC準拠GPSユニット170を含む。DSRC対応エゴ車両123の通信ユニット145は、基本安全メッセージを受信し、基本安全メッセージに含まれるGPSデータを、PSMデバイス検出システム199に提供する。当該GPSデータは±1.5メートル以内の精度である(一方、従来のGPSユニットによって提供されるGPSデータの限界が±10メートルである)ので、PSMデバイス検出システム199は、(例えば、GPSデータの現在のインスタンスを、以前にブロードキャストされた基本安全メッセージに含まれるGPSデータの以前のインスタンスと比較することによって)退出DSRC対応車両122から受信したGPSデータ中のパターンを解析して、退出DSRC対応車両122が車両用メッシュネットワーク106を退出しようとしていることを、より正確に、かつより迅速に検出または推定することができる。PSMデバイス検出システム199は、退出DSRC対応車両122に代わる候補DSRC対応デバイス111を特定するプロセスを、より迅速に開始することができる。これに対して、従来のGPSユニットは、±10メートルの精度でしか位置情報を提供することができないので、従来のGPSユニットからの位置情報を使用して退出DSRC対応車両122の地理学的な位置を正確に特定することができないことから、こうした従来のGPSユニットは、PSMデバイス検出システム199の一実施形態に適合しないことがある。
一実施形態では、DSRC準拠GPSユニット170は、GPS衛星(またはGPSサーバ)とワイヤレス通信してDSRC規格に準拠する精度でDSRC準拠GPSユニット170を含む要素の位置を記述するGPSデータを取得するハードウェアを含む。DSRC規格は、GPSデータが、2つの車両(そのうちの一方が、例えば、DSRC対応エゴ車両123である)が同時に同じ車線内にあるかどうかを推測するのに十分な精度であることを求めている。車線は、道路の車線であってもよい。一実施形態では、DSRC準拠GPSユニット170は、屋外にいる時間の68%の間、その実際の位置の1.5メートル以内の2次元位置を特定し、監視し、追跡する。道路の車線は、通常は幅が3メートル以上であるので、GPSデータの2次元誤差が1.5メートル未満であれば、DSRC準拠GPSユニット170によって提供されるGPSデータを解析して、同時に道路上にある2つ以上の異なる車両(そのうちの1つは、例えば、DSRC対応エゴ車両123である)の相対位置に基づいて、そのDSRC対応エゴ車両123が道路のどの車線を進行しているかを決定することができる。
一実施形態では、DSRC準拠GPSユニット170は、DSRC準拠GPSユニット170を含む要素にナビゲーション支援を提供する機能を有する。
図1Aには、歩行者103、DSRC対応デバイス110、補償サーバ109、ネットワーク105、車両用メッシュネットワーク106、候補DSRC対応デバイス111、退出DSRC対応車両122、DSRC対応遠隔車両124、およびDSRC対応エゴ車両123といった要素を1つまたは複数しか示していないが、実際には、動作環境100は、これらの要素を1つまたは複数含んでもよい。例えば、以下に述べるように、実際に
は、単一のDSRC対応エゴ車両123が、所定の期間(例えば、1秒、1分、1時間など)に、数百、数千、または数百万もの異なる候補DSRC対応デバイス111およびDSRC対応デバイス110からPSMメッセージを受信することもある。
DSRC対応エゴ車両123を参照すると、ADASシステムセット180は、1つまたは複数の先進運転支援システム(ADASシステム)を含んでもよい。例えば、図2Aに示される1つまたは複数のADASシステム280を参照されたい。ADASシステムセット180に含まれるADASシステムの例は、ACCシステム、アダプティブハイビームシステム、アダプティブライト制御システム、自動駐車システム、自動車用暗視システム、ブラインドスポットモニタ、衝突回避システム、横風安定システム、居眠り運転検知システム、ドライバモニタリングシステム、緊急時ドライバ支援システム、前方衝突警報システム、交差点通過支援システム、自動速度制限システム、車線逸脱警報システム、歩行者保護システム、交通標識認識システム、旋回アシスト装置、および逆走警報システムといったDSRC対応エゴ車両123の要素のうちの1つまたは複数を含む。これらの例示的なADASシステムは、それぞれ独自の機構および機能を提供するが、本明細書では、これらをそれぞれ「ADAS機構」または「ADAS機能」と呼ぶこともある。これらの例示的なADASシステムによって提供される機構および機能は、本明細書では、それぞれ「自律機構」または「自律機能」とも呼ぶ。一実施形態では、ADASシステムセット180のADASシステムによって提供される自律機構および自律機能は、DSRC対応エゴ車両123を、レベル1自律車両、レベル2自律車両、レベル3自律車両、レベル4自律車両、およびレベル5自律車両のうちの1つまたは複数として分類するのに十分である。一実施形態では、DSRC対応エゴ車両123は、HAVである。HAVは、そのADASシステムセット180がレベル3以上で動作するのに十分な自律機能を提供する自律車両である。一実施形態に係るDSRC対応エゴ車両123の車載コンピュータの一例は、図2Aに示されている。一実施形態では、図2Aは、DSRC対応エゴ車両123の電子制御ユニットを示している。
インフォテインメントシステム181は、ネットワーク105から受信したデジタルデータを使用してDSRC対応エゴ車両123のドライバまたは同乗者に情報または娯楽を提供する、DSRC対応エゴ車両123の搭載ユニットである。例えば、インフォテインメントシステム181は、ネットワーク105からデジタルコンテンツ(例えば、音楽、ポッドキャスト、トーク番組、またはその他の娯楽もしくは情報)を取得するオーディオシステム、ネットワーク105からデジタルコンテンツ(例えば、映画、テレビジョン番組、ビデオポッドキャストなど)を取得するオーディオビジュアルシステム、コンピュータ、車内インターネットデバイス、自動車用ナビゲーションシステムなどのうちの1つまたは複数を含む。
一実施形態では、インフォテインメントシステム181は、車両用メッシュネットワーク106を介してネットワーク105にアクセスする。
自動運転システム184は、DSRC対応車両に自動運転機能を提供する搭載システムである。一実施形態では、自動運転システム184は、ADASシステムセット180に含まれるADASシステムのサブセットを含み、このサブセットは、DSRC対応エゴ車両123を自律車両(例えば、レベル2自律車両、HAVなど)にするのに十分な機構および機能を提供する。
メッシュネットワークマップ182は、特定の時点で車両用メッシュネットワーク106のメンバである各エンドポイントを記述する、DSRC対応エゴ車両123のメモリ(例えば、図2Aに示されるメモリ227A参照)に格納されたデジタルデータである。例えば、メッシュネットワークマップ182は、現時点での車両用メッシュネットワーク1
06のメンバとして、DSRC対応エゴ車両123、DSRC対応遠隔車両124、DSRC対応デバイス110、退出DSRC対応車両122、および候補DSRC対応デバイス111といったエンドポイントのうちの1つまたは複数を記述する。一実施形態では、DSRC対応エゴ車両123は、車両用メッシュネットワーク106のメンバではないが、車両用メッシュネットワーク106に加入するように他のエンドポイントを勧誘する権限を有する。
PSMデータ構造196は、デジタルデータを格納するデータ構造である。例えば、PSMデータ構造196は、ネットワーク105を介してDSRC対応エゴ車両123の通信ユニット145が受信するPSMデータ195の1つまたは複数のインスタンスを格納する。例えば、候補DSRC対応デバイス111の通信ユニット145が、PSMデータ195を含むPSMメッセージ107をブロードキャストし、DSRC対応エゴ車両123の通信ユニット145が、当該PSMメッセージ107を受信して、PSMメッセージ107に含まれるPSMデータ195をPSMデータ構造196に格納する。一実施形態では、DSRC対応エゴ車両123の通信ユニット145が、複数の異なるDSRC対応デバイス110および候補DSRC対応デバイス111からブロードキャストされた複数のPSMメッセージを受信し、DSRC対応エゴ車両123の通信ユニット145が、当該複数のPSMメッセージに含まれるPSMデータ195の複数の異なるインスタンスをPSMデータ構造196に格納する。
一実施形態では、PSMデータ構造196は、DSRC対応エゴ車両123の非一時的メモリを含む、または図2Aに示されるように非一時的メモリ(例えば、メモリ227A参照)に格納される。一実施形態に係るPSMデータ195については、図1Bを参照して以下で説明する。
再度図1Aを参照すると、一実施形態では、PSMデバイス検出システム199は、DSRC対応エゴ車両123のプロセッサ(例えば、図2Aに示されるプロセッサ225A参照)によって実行されたときに、図3を参照して以下に述べる方法300の1つまたは複数のステップ、または図4Aおよび図4Bを参照して以下に述べる方法400の1つまたは複数のステップをプロセッサに実行させるコードおよびルーチンを含む。PSMデバイス検出システム199については、以下でさらに詳細に説明される。
一実施形態では、PSMデバイス検出システム199は、DSRC対応エゴ車両123のプロセッサ(または搭載ユニット)によって実行されたときに、当該プロセッサ(または搭載ユニット)に、退出DSRC対応車両122が車両用メッシュネットワーク106を退出しようとしていることを検出するステップ、候補DSRC対応デバイス111によってブロードキャストされたPSMメッセージ107を受信する(通信ユニットがDSRC対応エゴ車両のPSMデバイス検出システムにPSMメッセージを提供する)ステップ、候補DSRC対応デバイス111によってブロードキャストされたPSMメッセージ107に含まれるPSMデータ195を解析し、この解析に基づいて、その候補DSRC対応デバイス111を車両用メッシュネットワーク106に含める候補として検出するステップ(例えば、PSMデータ195は、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に加入することを望んでおり、車両用メッシュネットワーク106に加入しなくてもそれ自体でネットワーク105にアクセスできることを示すデジタルデータを含む)、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを含むワイヤレスメッセージを候補DSRC対応デバイス111に送信(例えば、ユニキャスト)するステップ、候補DSRC対応デバイスとのハンドシェイクプロセスを完了して、候補DSRC対応デバイス111を車両用メッシュネットワーク106に加入させるステップ、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に含まれたことに基づいてメッシュネットワークマップ182を更新するステップ、および、ネットワ
ーク105を介して補償サーバ109と通信して、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に加入したことに対する補償を受けられるようにするステップといったステップのうちの1つまたは複数を実行させる。
一実施形態では、DSRC対応デバイス110および候補DSRC対応デバイス111は、それぞれPSMメッセージを提供するが、PSMデバイス検出システム199は、候補DSRC対応デバイス111は車両用メッシュネットワーク106に加入する候補であると判定するが、DSRC対応デバイス110は候補であると判定しない。これは、DSRC対応デバイス110のPSMデータ195が、(1)DSRC対応デバイス110が車両用メッシュネットワーク106に加入することを望んでいることを示す情報、および(2)DSRC対応デバイス110が車両用メッシュネットワーク106に加入しなくてもそれ自体でネットワーク105にアクセスできることを示す情報のうちの1つまたは複数を含んでいないからである。
一実施形態では、DSRC対応エゴ車両123のPSMデバイス検出システム199は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを使用して実装することができる。いくつかの他の実施形態では、PSMデバイス検出システム199は、ハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して実装される。PSMデバイス検出システム199は、これらのデバイス(例えば、サーバ、またはその他のデバイス)の組合せ、あるいはこれらのデバイスのうちの1つに格納することができる。図2Aには、一実施形態に係るDSRC対応エゴ車両123の追加の要素も示されている。
一実施形態では、メッシュネットワーククライアント198は、候補DSRC対応デバイス111(またはDSRC対応デバイス110などのその他の何らかの非車両のDSRC対応エンドポイント)のプロセッサ(例えば、図2Bに示されるプロセッサ225B)によって実行されたときに、図4Aおよび図4Bを参照して以下に述べる方法400の1つまたは複数のステップ、または図5を参照して以下に述べる方法500の1つまたは複数のステップをプロセッサに実行させるコードおよびルーチンを含む。
例えば、一実施形態では、メッシュネットワーククライアント198は、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に加入しなくてもそれ自体でネットワーク105にアクセスできる状態であるときに、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106のメンバである時間の長さを追跡し、この時間の長さを記述したワイヤレスメッセージを補償サーバ109に送信し、候補DSRC対応デバイス111がこの時間の長さの分だけ補償されるようにする。一実施形態では、メッシュネットワーククライアント198は、候補DSRC対応デバイス111のプロセッサによって実行されたときに、このプロセッサに、歩行者103が補償を受け取るために(例えば、候補DSRC対応デバイス111がネットワーク105にアクセスできないときに車両用メッシュネットワーク106のメンバになることを選択するために)使用することができるグラフィカルユーザインタフェースを候補DSRC対応デバイス111の電子ディスプレイ上に表示させるコードおよびルーチンを含む。
一実施形態では、候補DSRC対応デバイス111(またはその他の何らかの非車両のDSRC対応エンドポイント)のメッシュネットワーククライアント198は、FPGAまたはASICを含むハードウェアを使用して実装することができる。いくつかの他の実施形態では、メッシュネットワーククライアント198は、ハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して実装される。メッシュネットワーククライアント198は、これらのデバイス(例えば、サーバまたはその他のデバイス)の組合せ、あるいはこれらのデバイスのうちの1つに格納される。図2Bには、一実施形態に係る候補DSRC対応デバイス
111の追加の要素も示されている。
図1Bを参照すると、一実施形態に係るPSMデータ195の一例を示すブロック図が示されている。一実施形態では、PSMデータ195の一例は、特定の地理学的な場所についての特定の歩行者(または歩行者のグループ)と道路インフラストラクチャの間の関係を記述している。道路インフラストラクチャは、PSMデータ195を含むPSMメッセージ107を受信するDSRC対応エゴ車両123を含む道路環境の要素であってもよい。
図示のように、PSMデータ195は、部分1および部分2の2つの部分を含む。
PSMデータ195の部分1は、DSRC対応デバイスのGPSデータと、DSRC対応デバイスの経路履歴データとを記述するデジタルデータを含む。
図1Bには、一実施形態に係るGPSデータの要素が示されている。一実施形態では、GPSデータは、DSRC準拠GPSユニットによって生成されるので、部分1に含まれるGPSデータは、DSRC対応デバイスのDSRC準拠GPSユニットが屋外にある時間の68%の間、±1.5メートル以内の精度である。
一実施形態では、経路履歴データは、いくつかの連続した過去の時点についての履歴GPSデータを記述しており、これによって、経路履歴データがDSRC対応デバイスの経路履歴を記述する。
PSMデータ195の部分2は、指定した時間およびフレームにわたるDSRC対応デバイスの経路予測(例えば、部分1の経路履歴データが示す軌跡に基づく)と、DSRC対応デバイスを携帯している歩行者のグループサイズと、DSRC対応デバイスを携帯している歩行者のグループ半径と、歩行者がベビーカーを押しているかどうかの推定(例えば、ベビーカーを押している人々についての既知のデータに対するその歩行者の経路履歴、軌跡、加速度、歩行パターン、および部分1または部分2に含まれるデジタルデータが示すその他のデータのうちの1つまたは複数に基づく)と、歩行者が道路を横断するつもりがあるかどうかの推定(例えば、歩行者の軌跡に基づく)と、歩行者が動物とともに歩行しているかどうかの推定(例えば、動物とともに歩行している歩行者についての既知のデータに対するその歩行者の経路履歴、軌跡、加速度、歩行パターン、および部分1または部分2に含まれるデジタルデータが示すその他のデータのうちの1つまたは複数に基づく)と、歩行者が動物とともに歩行していると推定される場合には歩行者とともに歩行している動物の種類の推定(例えば、具体的な動物の種類、またはその動物とともに歩行している歩行者についての既知のデータに対するその歩行者の経路履歴、軌跡、加速度、歩行パターン、および部分1または部分2に含まれるデジタルデータが示すその他のデータのうちの1つまたは複数に基づく)と、歩行者が非車両推進手段を利用しているかどうかの推定(例えば自転車、スクータ、スケートボード、またはその他の任意の種類の非車両推進手段で進行している歩行者についての既知のデータに対するその歩行者の経路履歴、軌跡、加速度、歩行パターン、および部分1または部分2に含まれるデジタルデータが示すその他のデータのうちの1つまたは複数に基づく)とを記述するデジタルデータを含む。
一実施形態では、PSMデータ195の部分2は、(1)候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に加入したいと考えていること、および(2)候補DSRC対応デバイス111が現在車両用メッシュネットワーク106から独立してネットワーク105にそれ自体でアクセスできること、のうちの1つまたは複数を示す情報を記述するデジタルデータを含む。
一実施形態では、「車両用メッシュネットワーク106から独立して」ネットワーク105にアクセスできるとは、候補DSRC対応デバイス111が、車両用メッシュネットワーク106のメンバではないときにネットワーク105にアクセスできることを意味している。車両用メッシュネットワーク106から独立してネットワーク105にアクセスできる結果として、候補DSRC対応デバイス111が、車両用メッシュネットワーク106に加入することによって、ネットワーク105へのアクセスの安定性および持続性を提供する。例えば、車両用メッシュネットワーク106およびそのメンバは、退出DSRC対応車両122が車両用メッシュネットワーク106から退出した後でネットワーク105にアクセスできる別のデバイスが車両用メッシュネットワーク106に加入しない場合に、車両用メッシュネットワーク106が提供するネットワーク105へのアクセスと比較して、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に加入することによって、ネットワーク105へのより安定した持続的なアクセスを享受することができる。これに対して、候補DSRC対応デバイス111がネットワーク105に独立してアクセスできないが、車両用メッシュネットワーク106に加入した場合には、これによって車両用メッシュネットワーク106のメンバにとってのネットワーク105へのアクセスの安定性および持続性が維持されることはない。
<コンピュータシステムの例>
図2Aを参照すると、一実施形態に係るPSMデバイス検出システム199を含むコンピュータシステム200の一例を示すブロック図が示されている。
一実施形態では、コンピュータシステム200は、図3を参照して以下で説明される方法300の1つまたは複数のステップを実行するようにプログラムされた特定用途のコンピュータシステムを含んでもよい。一実施形態では、コンピュータシステム200は、図4Aおよび図4Bを参照して以下に説明される方法400の1つまたは複数のステップを実行するようにプログラムされた特定用途のコンピュータシステムを含んでもよい。
一実施形態では、コンピュータシステム200は、DSRC対応エゴ車両123(または図1Aに示されるその他の任意のDSRC対応車両)の車載コンピュータであってもよい。
一実施形態では、コンピュータシステム200は、搭載ユニット、電子制御ユニット、ヘッドユニット、またはDSRC対応エゴ車両123のその他の何らかのプロセッサ型コンピューティングデバイスを含んでもよい。
コンピュータシステム200は、いくつかの実施例によれば、PSMデバイス検出システム199、プロセッサ225A(本明細書では「プロセッサ225」とも呼ぶ)、メモリ227A(本明細書では「メモリ227」とも呼ぶ)、通信ユニット245A(本明細書では「通信ユニット245」とも呼ぶ)、DSRC準拠GPSユニット270A(本明細書では「DSRC準拠GPSユニット270」とも呼ぶ)、インフォテインメントシステム181、自動運転システム184、および1つまたは複数のADASシステム280といった要素のうちの1つまたは複数を含んでもよい。コンピュータシステム200のこれらの構成要素は、バス220A(本明細書では「バス220」とも呼ぶ)によって通信可能に接続されている。
図示の実施形態では、プロセッサ225は、信号線238を介してバス220に通信可能に接続されている。メモリ227は、信号線244を介してバス220に通信可能に接続されている。通信ユニット245は、信号線246を介してバス220に通信可能に接続されている。DSRC準拠GPSユニット270は、信号線249を介してバス220
に通信可能に接続されている。インフォテインメントシステム181は、信号線248を介してバス220に通信可能に接続されている。自動運転システム184は、信号線247を介してバス220に通信可能に接続されている。1つまたは複数のADASシステム280は、信号線239を介してバス220に通信可能に接続されている。
コンピュータシステム200のPSMデバイス検出システム199、インフォテインメントシステム181、および自動運転システム184といったこれらの要素については、図1Aを参照して上記で説明されているので、ここではそれらの説明を繰り返さない。
通信ユニット245は、図1Aを参照して上記で説明された通信ユニット145と同じ機能を提供するので、ここではその説明を繰り返さない。
DSRC準拠GPSユニット270は、図1Aを参照して上記で説明されたDSRC準拠GPSユニット170と同じ機能を提供するので、ここではその説明を繰り返さない。
1つまたは複数のADASシステム280は、ADASシステムセット180の1つまたは複数のADASシステムを含む。ADASシステムセット180に含まれる可能性があるADASシステムについては、図1Aを参照して上記で説明されている。
プロセッサ225は、演算論理ユニット、マイクロプロセッサ、汎用制御装置、または計算を実行してコンピュータシステム200の機能を発揮するために必要な電子信号を提供するその他の何らかのプロセッサアレイを含む。プロセッサ225は、データ信号を処理するものであり、複雑命令セットコンピュータ(CISC)アーキテクチャ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ、または命令セットの組合せを実施するアーキテクチャなど、様々なコンピューティングアーキテクチャを含んでもよい。コンピュータシステム200は、1つまたは複数のプロセッサ225を含んでもよい。他のプロセッサ、オペレーティングシステム、センサ、ディスプレイ、および物理的構成であってもよい。一実施形態では、1つまたは複数のプロセッサ225は、コンピュータシステム200の車載コンピュータまたは電子制御ユニットの要素である。
メモリ227は、プロセッサ225がアクセスして実行することができる命令またはデータを格納する非一時的記憶媒体である。これらの命令またはデータは、本明細書に記載する技術を実行するためのコードを含んでもよい。メモリ227は、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリ、またはその他の何らかのメモリデバイスであってもよい。一実施形態では、メモリ227は、不揮発性メモリ、またはそれに類する、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD−ROMデバイス、DVD−ROMデバイス、DVD−RAMデバイス、DVD−RWデバイス、フラッシュメモリデバイス、もしくはさらに持続的に情報を格納するその他の何らかの大容量記憶デバイスなどの固定記憶デバイスおよび媒体も含む。メモリ227の一部分は、バッファまたは仮想ランダムアクセスメモリ(仮想RAM)として使用するために確保されてもよい。コンピュータシステム200は、1つまたは複数のメモリ227を含んでもよい。
メモリ227は、PSMデバイス検出システム199、PSMデータ構造196、PSMデータ195、メッシュネットワークマップ182、およびPSMデバイス検出システム199がその機能を発揮するために必要なその他の任意のデジタルデータまたは情報といった要素のうちの1つまたは複数を格納することができる。メモリ227のPSMデバイス検出システム199、PSMデータ構造196、PSMデータ195、およびメッシュネットワークマップ182といった要素は、図1Aおよび図1Bを参照して上記で述べられているので、ここではそれらの説明を繰り返さない。
メモリ227は、図1Aおよび図1Bを参照して上述された、または図2B、図3、図4A、図4Bおよび図5を参照して後述するデータ、情報、またはワイヤレスメッセージのいずれを格納してもよい。メモリ227は、コンピュータシステム200がその機能を発揮するために必要な任意のデータを格納してもよい。
図2Aに示される実施形態では、PSMデバイス検出システム199は、通信モジュール202A(本明細書では「通信モジュール202」と呼ぶ)、判定モジュール204、およびハンドシェイクモジュール206を含む。
通信モジュール202は、PSMデバイス検出システム199とコンピュータシステム200の他の構成要素との間の通信を処理するルーチンを含むソフトウェアとすることができる。一実施形態では、通信モジュール202は、PSMデバイス検出システム199とコンピュータシステム200の他の構成要素との間の通信を処理する後述の機能を提供するためにプロセッサ225が実行可能な命令のセットとすることができる。
通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、動作環境100(例えば、図1A参照)の1つまたは複数の要素へデータを送信し、これらからデータを受信する。例えば、通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、メモリ227に格納されたデータまたは本明細書に記載されるメッセージのいずれかを受信または送信する。通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、本明細書に記載されるデータまたはメッセージのいずれかを送信または受信してもよい。
一実施形態では、通信モジュール202は、PSMデータ195を含むPSMメッセージ107を受信する。通信モジュール202は、PSMメッセージ107のPSMデータ195を構文解析し、PSMデータ195をPSMデータ構造196に格納する。
一実施形態では、通信モジュール202は、第1のDSRC対応デバイス110A、第2のDSRC対応デバイス110B、および候補DSRC対応デバイス111などの複数のDSRC対応デバイスから複数のPSMメッセージを受信する。この時点では、これらのデバイスのうちのいずれが車両用メッシュネットワーク106に加入する候補であるのかは分かっていない。通信モジュール202は、各PSMメッセージのPSMデータ195を構文解析し、これらのPSMメッセージのPSMデータ195をPSMデータ構造196に格納する。一実施形態では、各PSMメッセージの各PSMデータ195は、通信モジュール202によって、他のPSMメッセージから取得される他のPSMデータ195のセットとは異なるPSMデータ195のインスタンスとして格納される。
一実施形態では、通信モジュール202は、コンピュータシステム200の構成要素からデータを受信し、このデータをメモリ227(またはコンピュータシステム200のバッファもしくはキャッシュ)に格納する。例えば、判定モジュール204は、PSMデータ構造196に格納されたPSMデータ195の解析に基づいて、どのDSRC対応デバイス(例えば、第1のDSRC対応デバイス110A、第2のDSRC対応デバイス110B、および候補DSRC対応デバイス111)が車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを受信するかを判定し、判定モジュール204は、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを記述するデジタルデータ(すなわち勧誘データ)を含む電子メッセージを生成する。換言すれば、判定モジュール204は、PSMデータ195の解析に基づいて候補DSRC対応デバイス111を特定し、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを当該候補DSRC対応デバイス111に送信することを決定する。判定モジュール204は、バス220を介して通信モジュール202に勧誘データを提供し、通信モジュール202は、この勧誘デ
ータをメモリ227に格納し、通信ユニット245に、ネットワーク105を介して候補DSRC対応デバイス111へワイヤレスメッセージを伝送するように命令する。
一実施形態では、通信モジュール202は、PSMデバイス検出システム199の構成要素間の通信を処理してもよい。
一実施形態では、通信モジュール202は、コンピュータシステム200のメモリ227に格納され、プロセッサ225によってアクセス可能および実行可能である。通信モジュール202は、信号線222を介してコンピュータシステム200のプロセッサ225およびその他の構成要素と協働および通信するように変更されてもよい。
判定モジュール204は、通信モジュール202にPSMデータ構造196からPSMデータ195を取得させ、通信モジュール202からPSMデータ195を受信し、PSMデータ195を(例えば、(1)候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に加入したいと考えていること、および(2)候補DSRC対応デバイス111が現在車両用メッシュネットワーク106から独立してそれ自体でネットワーク105にアクセスできることの1つまたは複数を示すデジタルデータがPSMデータ195中に存在することに基づいて)解析して車両用メッシュネットワークに加入する候補を検出し、その候補(例えば、候補DSRC対応デバイス111)に向けた、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを含むワイヤレスメッセージを生成し、通信モジュール202または通信ユニット245に、その勧誘メッセージを含むワイヤレスメッセージをネットワーク105を介してその候補へ送信させるルーチンを含むソフトウェアとすることができる。
一実施形態では、判定モジュール204は、コンピュータシステム200のメモリ227に格納することができ、プロセッサ225によってアクセス可能および実行可能にすることができる。判定モジュール204は、信号線224を介してコンピュータシステム200のプロセッサ225およびその他の構成要素と協働および通信するように変更されてもよい。
ハンドシェイクモジュール206は、候補DSRC対応デバイス111とのハンドシェイクプロセスを完了して、候補DSRC対応デバイス111を車両用メッシュネットワーク106に加入させ、候補DSRC対応デバイス111がどれくらいの時間車両用メッシュネットワーク106のメンバであるかを追跡し、ネットワーク105を介して補償サーバ109とワイヤレス通信して、候補DSRC対応デバイス111が車両用メッシュネットワーク106に加入することに対して補償を受けられるようにするルーチンを含むソフトウェアとすることができる。
一実施形態では、ハンドシェイクモジュール206は、コンピュータシステム200のメモリ227に格納することができ、プロセッサ225によってアクセス可能および実行可能にすることができる。ハンドシェイクモジュール206は、信号線226を介してコンピュータシステム200のプロセッサ225およびその他の構成要素と協働および通信するように変更されてもよい。
図2Bを参照すると、一実施形態に係るメッシュネットワーククライアント198を含むコンピュータシステム299の一例を示すブロック図が示されている。
一実施形態では、コンピュータシステム299は、図4Aおよび図4Bを参照して以下で述べられる方法400の1つまたは複数のステップを実行するようにプログラムされた特定用途のコンピュータシステムを含んでもよい。一実施形態では、コンピュータシステ
ム299は、図5を参照して以下に述べられる方法500の1つまたは複数のステップを実行するようにプログラムされた特定用途のコンピュータシステムを含んでもよい。
一実施形態では、コンピュータシステム299は、図1A、図1B、図2A、図3、図4A、図4B、および図5のうちの1つまたは複数を参照して本明細書で述べられる第1のDSRC対応デバイス110A、第2のDSRC対応デバイス110B、および候補DSRC対応デバイス111のうちの1つまたは複数の要素であってもよい。
コンピュータシステム299は、いくつかの実施例によれば、メッシュネットワーククライアント198、プロセッサ225B(本明細書ではプロセッサ225」とも呼ぶ)、メモリ227B(本明細書では「メモリ227」とも呼ぶ)、通信ユニット245B(本明細書では「通信ユニット245」とも呼ぶ)、およびDSRC準拠GPSユニット270B(本明細書では「DSRC準拠GPSユニット270」とも呼ぶ)といった要素のうちの1つまたは複数を含んでもよい。コンピュータシステム299のこれらの構成要素は、バス220B(本明細書では「バス220」とも呼ぶ)によって通信可能に接続されている。
図示の実施形態では、プロセッサ225は、信号線259を介してバス220に通信可能に接続されている。メモリ227は、信号線263を介してバス220に通信可能に接続されている。通信ユニット245は、信号線261を介してバス220に通信可能に接続されている。DSRC準拠GPSユニット270は、信号線262を介してバス220に通信可能に接続されている。
メッシュネットワーククライアント198については、図1A、図1Bおよび図2Aを参照して上記で説明されているので、ここでは説明を繰り返さない。図2Bに示されるプロセッサ225、メモリ227、通信ユニット245、およびDSRC準拠GPSユニット270は、図2Aについて上述したものと同様であるので、ここではそれらの説明は繰り返されない。
メモリ227は、PSMデータ195と、任意選択で、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを含むワイヤレスメッセージを介して受信される勧誘データとを格納することができる。
メモリ227は、図1A、図1Bおよび図2Aを参照して上述された、または、図3、図4A、図4B、および図5を参照して後述される、データ、情報またはワイヤレスメッセージのうちのいずれを格納してもよい。メモリ227は、コンピュータシステム299がその機能を発揮するために必要な任意のデータを格納してもよい。
図2Bに示される実施形態では、メッシュネットワーククライアント198は、通信モジュール202B(本明細書では「通信モジュール202」と呼ぶ)、ハンドシェイクモジュール206B(本明細書では「ハンドシェイクモジュール206」とも呼ぶ)、および補償モジュール208を含む。
通信モジュール202は、メッシュネットワーククライアント198とコンピュータシステム299の他の構成要素との間の通信を処理するルーチンを含むソフトウェアとすることができる。一実施形態では、通信モジュール202は、メッシュネットワーククライアント198とコンピュータシステム299の他の構成要素との間の通信を処理する後述の機能を提供するためにプロセッサ225によって実行可能な命令のセットとすることができる。一実施形態では、通信モジュール202は、コンピュータシステム299のメモリ227に格納することができ、プロセッサ225によってアクセス可能および実行可能
にすることができる。通信モジュール202は、信号線251を介してコンピュータシステム299のプロセッサ225およびその他の構成要素と協働および通信するように変更されてもよい。
通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、動作環境100(例えば、図1A参照)の1つまたは複数の要素にデータを送信し、これらからデータを受信する。例えば、通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、メモリ227に格納されたデータまたは本明細書に記載されているメッセージ(例えば、PSMデータ195を含むPSMメッセージ)のいずれかを受信または送信する。一実施形態では、通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、本明細書に記載されるデータまたはメッセージのいずれかを送信または受信する。
一実施形態では、通信モジュール202は、コンピュータシステム299の構成要素からデータを受信し、このデータをメモリ227(またはコンピュータシステム299のバッファもしくはキャッシュ)に格納する。例えば、通信モジュール202は、メモリ227に関連して上述されたデータのうちのいずれかを(ネットワーク105または車両用メッシュネットワーク106を介して)通信ユニット245から受信し、このデータをメモリ227(またはコンピュータシステム299のバッファもしくはキャッシュ)に格納する。
一実施形態では、通信モジュール202は、メッシュネットワーククライアント198の構成要素間の通信を処理してもよい。
一実施形態では、通信モジュール202は、PSMデータ195を含むPSMメッセージをブロードキャストしてもよい。このPSMメッセージは、DSRC対応エゴ車両123によって受信され、PSMメッセージに含まれるPSMデータ195が、本明細書に記載されるようにPSMデバイス検出システム199によって解析される。
ハンドシェイクモジュール206は、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを受信し、車両用メッシュネットワーク106に加入することを決定し、(ネットワーク105を介して)DSRC対応エゴ車両123のPSMデバイス検出システム199とのハンドシェイクプロセスを完了して、コンピュータシステム299を車両用メッシュネットワーク106に加入させる(例えば、候補DSRC対応デバイス111を車両用メッシュネットワーク106に加入させる)ルーチンを含むソフトウェアとすることができる。一実施形態では、ハンドシェイクモジュール206は、車両用メッシュネットワーク106への加入を促す勧誘メッセージを受信した場合に、車両用メッシュネットワーク106に加入することを決定する。
一実施形態では、ハンドシェイクモジュール206は、コンピュータシステム299のメモリ227に格納され、プロセッサ225によってアクセス可能および実行可能である。ハンドシェイクモジュール206は、信号線253を介してコンピュータシステム299のプロセッサ225およびその他の構成要素と協働および通信するように変更されてもよい。
補償モジュール208は、コンピュータシステム299がどれくらいの時間車両用メッシュネットワーク106のメンバであるかを追跡し、ネットワーク105を介して補償サーバ109とワイヤレス通信して、コンピュータシステム299が車両用メッシュネットワーク106に加入することに対して補償を受けられるようにするルーチンを含むソフトウェアとすることができる。
一実施形態では、補償モジュール208は、コンピュータシステム299のメモリ227に格納され、プロセッサ225によってアクセス可能および実行可能である。補償モジュール208は、信号線255を介してコンピュータシステム299のプロセッサ225およびその他の構成要素と協働および通信するように変更されてもよい。
<方法の一例>
図3を参照すると、一実施形態に係るPSMメッセージに基づいて車両用メッシュネットワークへの加入を促す勧誘メッセージの送信を決定する方法300のフロー図の一例が示されている。方法300について本明細書に記載するステップのうちの1つまたは複数は、図2Aを参照して上述されたコンピュータシステム200によって実行することができる。例えば、PSMデバイス検出システム199は、プロセッサ225によって実行されたときに、方法300の1つまたは複数のステップをプロセッサ225に実行させるコードおよびルーチンを含む。
ステップ301では、PSMメッセージが受信される。PSMメッセージは、候補DSRC対応デバイスまたはその他の何らかのDSRC対応デバイス(例えば、歩行者のスマートフォン)によってブロードキャストされる。1つまたは複数のPSMメッセージがブロードキャストされてもよい。PSMメッセージは、定期的にブロードキャストされることもある。PSMメッセージは、図1Bを参照して上述されたようなPSMデータを含む。PSMメッセージは、DSRC対応エゴ車両のDSRC無線ユニットによって受信される。
ステップ303では、DSRC無線ユニットが受信したPSMメッセージを解析して、そのPSMメッセージが、(1)候補DSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに加入したいと考えている、および(2)候補DSRC対応デバイスが、現在車両用メッシュネットワークから独立してそれ自体でネットワーク(例えば、ネットワーク105)にアクセスできる、というしきい値基準のうちの1つまたは複数を示すPSMデータを含むことを検出する。
一実施形態では、PSMメッセージが1つまたは複数のしきい値基準を示すPSMデータを含むことを検出することにより、PSMメッセージをブロードキャストするDSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに加入する候補である(すなわちこのPSMメッセージをブロードキャストするDSRC対応デバイスが候補DSRC対応デバイスである)ことが分かる。換言すれば、一実施形態では、この検出ステップ303で、DSRC無線が受信した各PSMメッセージのPSMデータに含まれるデジタルデータに基づいて候補DSRC対応デバイスが検出される。
一実施形態において、ステップ303では、各PSMメッセージのPSMデータが解析され、PSMメッセージをブロードキャストするデバイスが候補DSRC対応デバイスであるかどうかが判定される。方法300を便宜上完了することにより車両用メッシュネットワークのメンバであるエンドポイントのネットワーク(例えばネットワーク105)へのアクセスの持続性および安定性が向上するので、この解析は、少なくとも1つの候補DSRC対応デバイスを検出すると停止されてもよい。
ステップ305では、車両用メッシュネットワークへの加入を促す勧誘メッセージを含むワイヤレスメッセージが生成され、候補DSRC対応デバイスへ送信される。このワイヤレスメッセージは、特定のエンドポイントを車両用メッシュネットワークに加入するように勧誘する勧誘データを含むので、本明細書では「勧誘」と呼ぶこともある。
一実施形態では、候補DSRC対応デバイスは、方法300を実行するDSRC対応エ
ゴ車両から500メートル以内にある。一実施形態では、勧誘は、この候補DSRC対応デバイスへユニキャストされる。
一実施形態では、勧誘は、ステップ301で受信されたPSMメッセージへの応答として送信される。一実施形態では、勧誘は、PSMデータが、(1)候補DSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに加入したいと考えている、および(2)候補DSRC対応デバイスが、現在車両用メッシュネットワークから独立してそれ自体でワイヤレスコンピュータネットワーク(例えば、ネットワーク105)にアクセスできる、というしきい値基準のうちの1つまたは複数を示していることに応答して、送信される。
一実施形態では、勧誘は、DSRC、ミリ波、LTE、5G、4G、Wi−Fi、および全2重ワイヤレス通信のうちの1つまたは複数を介して送信される。
一実施形態では、方法300は、DSRC対応エゴ車両の要素であるPSMデバイス検出システムによって実行される。一実施形態では、DSRC対応エゴ車両は、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4、およびレベル5のうちの1つまたは複数で動作する自律車両である。一実施形態では、DSRC対応エゴ車両は、HAVである。
図4Aおよび図4Bを参照すると、一実施形態に係るPSMメッセージに基づいて車両メッシュネットワークへの加入を促す勧誘メッセージの送信を決定する方法400のフロー図の一例が示されている。
図4Aを参照すると、ステップ401では、退出DSRC対応車両が車両用メッシュネットワークを退出しようとしていることの検出が行われる。
一実施形態では、PSMデバイス検出システムは、退出DSRC対応車両が車両用メッシュネットワークを退出しようとしていることを検知するネットワークスニッファまたはその他の何らかの手段を含む。
一実施形態では、車両用メッシュネットワークのメンバからのGPSデータを含む基本安全メッセージ(例えば0.10秒ごとに1回など一定の間隔で送信される)を解析して、順次受信する複数の基本安全メッセージにわたるGPSデータに基づいて、車両用メッシュネットワークを退出しようとする車両を検出し、当該車両が退出DSRC対応車両であることを検出する。
一実施形態では、退出DSRC対応車両は、車両用メッシュネットワークを退出しようとしていることを記述するワイヤレスメッセージを送信し、当該ワイヤレスメッセージ(例えば、退出メッセージ)が受信され、読まれて、退出DSRC対応車両が車両用メッシュネットワークを退出しようとしていることが認識される。
一実施形態では、退出DSRC対応車両が車両用メッシュネットワークを退出しようとしていることが検出されることによって、PSMデバイス検出システムの「デバイス検出プロセス」(例えば、ステップ403〜411または方法300)がトリガされ、車両用メッシュネットワークに加入する新たなDSRC対応デバイス(例えば、候補DSRC対応デバイス111)の検出が開始される。
一実施形態では、ステップ401は、DSRC対応エゴ車両に含まれるPSMデバイス検出システムによって実行される。
ステップ403では、候補DSRC対応デバイスが、PSMメッセージをブロードキャ
ストする。一実施形態では、このPSMメッセージは、(1)候補DSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに加入したいと考えていること、および(2)候補DSRC対応デバイスが、現在車両用メッシュネットワークから独立してそれ自体でインターネットにアクセスできること、のうちの1つまたは複数を示すデジタルデータを、当該PSMメッセージ内のPSMデータ内に含む。当該PSMデータは、候補DSRC対応デバイスのユニークな識別子を含んでもよい。当該ユニークな識別子を使用して、所定のDSRC対応デバイスから受信したPSMメッセージを、別のDSRC対応デバイスから受信したPSMメッセージと区別してもよい。
ステップ405では、DSRC対応エゴ車両の通信ユニットが、候補DSRC対応デバイスによってブロードキャストされたPSMメッセージを受信する。一実施形態では、PSMメッセージは、通信ユニットに含まれるDSRC無線によって受信される。一実施形態では、通信ユニットは、DSRC対応エゴ車両のPSMデバイス検出システムにPSMメッセージを提供する。
ステップ407では、DSRC対応エゴ車両のPSMデバイス検出システムが、PSMメッセージに含まれるPSMデータを解析し、この解析に基づいて、その候補DSRC対応デバイスを車両用メッシュネットワークに含める候補として検出する。PSMデータは、候補DSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに加入することを望んでいることを示すデジタルデータを含んでもよい。PSMデバイス検出システムによって行われる解析により、このデジタルデータを検出し、このデジタルデータに基づいて、この候補DSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに含める候補であると判定してもよい。例えば、PSMデータは、図3を参照して上述しされたしきい値基準を満たすデジタルデータを含む。
図4Bを参照すると、ステップ408では、車両用メッシュネットワークへの加入を促す勧誘メッセージを含むワイヤレスメッセージが生成され、候補DSRC対応デバイスへ送信される。このワイヤレスメッセージは、特定のエンドポイントを車両用メッシュネットワークに加入するように勧誘する勧誘データを含むので、本明細書では「勧誘」と呼ぶこともある。
一実施形態では、候補DSRC対応デバイスは、ステップ401を実行するエゴ車両から500メートル以内にある。一実施形態では、勧誘は、この候補DSRC対応デバイスへユニキャストされる。
一実施形態では、勧誘は、ステップ405で受信されたPSMメッセージの応答として送信される。一実施形態では、勧誘は、PSMデータが、(1)候補DSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに加入したいと考えている、および(2)候補DSRC対応デバイスが、現在車両用メッシュネットワークから独立してワイヤレスコンピュータネットワーク(例えば、ネットワーク105)にそれ自体でアクセスできる、というしきい値基準のうちの1つまたは複数を示していることに応答して、送信される。
一実施形態では、勧誘は、DSRC、ミリ波、LTE、5G、4G、Wi−Fi、および全2重ワイヤレス通信のうちの1つまたは複数を介して送信される。
ステップ411では、DSRC対応エゴ車両のPSMデバイス検出システムが、候補DSRC対応デバイスとのハンドシェイクプロセスを完了して、候補DSRC対応デバイスを車両用メッシュネットワークに加入させる。一実施形態では、車両用メッシュネットワークに加入することは、車両用メッシュネットワークのメンバになることと、候補DSRC対応デバイスが、コンピュータネットワーク(例えば、図1Aのネットワーク105)
へのその候補DSRC対応デバイスが有するアクセス権を、車両用メッシュネットワークの他のメンバと共有することとを含む。
ステップ413では、DSRC対応エゴ車両のPSMデバイス検出システムが、候補DSRC対応デバイスを含めたことに基づいてメッシュネットワークマップを更新する。
ステップ415では、PSMデバイス検出システムまたはメッシュネットワーククライアントが、ネットワークを介して補償サーバと通信して、候補DSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに加入したこと(およびネットワーク105へのそのアクセス権を共有したこと)に対して補償を受けることを保証する。補償サーバは、どの歩行者が携帯するデバイスが車両用メッシュネットワークに加入するかを追跡し、それらのデバイスが車両用メッシュネットワークのメンバであった時間の長さに比例してクレジットを発行する「補償システム」を動作させる。これらのクレジットは、後にその候補DSRC対応デバイスが通常であればインターネットにアクセスできないはずの状態になったときに、その候補DSRC対応デバイスに別の車両用メッシュネットワークにアクセスする資格を与えるものである。このようにして、候補DSRC対応デバイスは、車両用メッシュネットワークに加入して、その車両用メッシュネットワークに含まれる車両のために自分のバッテリ残量の一部分を費やすのと引き替えに、価値あるメリットを享受する。
図5を参照すると、一実施形態に係るPSMメッセージのブロードキャストに基づいて車両用メッシュネットワークへの加入を促す勧誘メッセージを受信する方法500のフロー図の一例が示されている。一実施形態では、方法500の1つまたは複数のステップは、図2Bに示されるコンピュータシステム299によって実行される。例えば、メッシュネットワーククライアント198は、プロセッサ225によって実行されたときに、方法500の1つまたは複数のステップを実行するコードおよびルーチンを含む。
ステップ501では、候補DSRC対応デバイスによってPSMメッセージがブロードキャストされる。
ステップ503では、車両用メッシュネットワークへの加入を促す勧誘メッセージが、候補DSRC対応デバイスの通信ユニットによって受信される。一実施形態では、勧誘メッセージは、DSRC対応エゴ車両がPSMメッセージを受信したのに応答して、DSRC対応エゴ車両によって生成され、送信される。
ステップ505では、候補DSRC対応デバイスが、(例えば、ハンドシェイクプロセス、またはその他の任意のメッシュネットワークに加入するプロセスを介して)車両用メッシュネットワークに加入する。一実施形態では、車両用メッシュネットワークに加入することは、車両用メッシュネットワークのメンバになることと、コンピュータネットワーク(例えば、図1Aのネットワーク105)への当該候補DSRC対応車両が有するアクセス権を、車両用メッシュネットワークの他のメンバと共有することとを含む。
ステップ507では、候補DSRC対応デバイスが、ネットワーク(例えば、ネットワーク105)を介して補償サーバと通信して、候補DSRC対応デバイスが車両用メッシュネットワークに加入したことに対して補償を受けることを確保する。ステップ507は、方法500の任意選択のステップである。
以上の説明では、本明細書を十分に理解できるように、多くの具体的な詳細について説明した。しかしながら、これらの具体的な詳細無しでも実施可能であることは当業者にとって明らかであろう。また、説明が不明瞭になることを避けるために、構造や装置をブロック図の形式で表すこともある。たとえば、一実施形態は、ユーザインタフェースおよび
特定のハードウェアとともに説明される。しかし、上述の実施形態は、データおよびコマンドを受信可能な任意のタイプのコンピュータシステムおよび任意の周辺機器について適用できる。
本明細書における「一実施形態」または「ある実施形態」等という用語は、その実施形態と関連づけて説明される特定の特徴、構造、性質が少なくとも本明細書の一つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態では」等という用語は本明細書内で複数用いられるが、これらは必ずしも同一の実施形態を示すものとは限らない。
以上の詳細な説明の一部は、非一時的(non-transitory)なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたデータビットに対する動作のアルゴリズムおよび記号的表現として提供される。これらのアルゴリズム的な説明および表現は、データ処理技術分野の当業者によって、他の当業者に対して自らの成果の本質を最も効果的に説明するために用いられるものである。なお、本明細書において、及び、一般的に、アルゴリズムとは、所望の結果を得るための論理的な手順を意味する。処理のステップは、物理量を物理的に操作するものである。必須ではないが、通常は、これらの量は記憶、伝送、結合、比較、およびその他の処理が可能な電気的または磁気的信号の形式を取る。通例にしたがって、これらの信号をビット、値、要素、エレメント、シンボル、特徴、項・数値などとして称することが簡便である。
なお、これらの用語および類似する用語はいずれも、適切な物理量と関連付いているものであり、これら物理量に対する簡易的なラベルに過ぎないということに留意する必要がある。以下の説明から明らかなように、特に断らない限りは、本明細書において「処理」「計算」「コンピュータ計算(処理)」「判定」「表示」等の用語を用いた説明は、コンピュータシステムや類似の電子的計算装置の動作および処理であって、コンピュータシステムのレジスタやメモリ内の物理的(電子的)量を、他のメモリやレジスタまたは同様の情報ストレージや通信装置、表示装置内の物理量として表される他のデータへ操作および変形する動作および処理を意味する。
本明細書の実施形態は、本明細書で説明される動作を実行する装置にも関する。この装置は要求される目的のために特別に製造されるものであっても良いし、汎用コンピュータを用いて構成しコンピュータ内に格納されるプログラムによって選択的に実行されたり再構成されたりするものであっても良い。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROM、磁気ディスクなど任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光学式カード、USBキーを含む不揮発性フラッシュメモリ、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体などの、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。ただし、これらに限定されない。
本明細書は、完全にハードウェアによって実現されるものでも良いし、完全にソフトウェアによって実現されるものでも良いし、ハードウェアとソフトウェアの両方によって実現されるものでも良い。好ましい実施形態は、ソフトウェアによって実現される。ここでソフトウェアとは、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードやその他のソフトウェアを含むものである。ただし、これらに限定されない。
さらに、ある実施形態は、コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態を取る。この記憶媒体は、コンピュータや任意の命令実行システムによってあるいはそれらと共に利用されるプログラムコードを提供する。明細書の目的によって、コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記
憶媒体とは、命令実行システムや装置によってあるいはそれらと共に利用されるプログラムを、保持、格納、通信、伝搬および転送可能な任意の装置を指す。
プログラムコードを格納、実行するために適したデータ処理システムは、システムバスを介して記憶素子に直接または間接的に接続された少なくとも1つのプロセッサを有する。記憶素子は、プログラムコードの実際の実行に際して使われるローカルメモリや、大容量記憶装置や、実行中に大容量記憶装置からデータを取得する回数を減らすためにいくつかのプログラムコードを一時的に記憶するキャッシュメモリなどを含む。
入力/出力(I/O)装置(キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などを含み、これらに限定されない)は、I/Oコントローラを介して直接あるいは間接的にシステムに接続される。
システムにはネットワークアダプタも接続されており、これにより、私的ネットワークや公共ネットワークを介して、他のデータ処理システムやリモートにあるプリンタや記憶装置に接続される。モデム、ケーブルモデム、イーサネット(登録商標)カードは、現在利用可能なネットワークアダプタのほんの一例である。
最後に、本明細書において提示されるアルゴリズムおよび表示は特定のコンピュータや他の装置と本来的に関連するものではない。本明細書における説明にしたがったプログラムを有する種々の汎用システムを用いることができるし、また要求された処理ステップを実行するための特定用途の装置を製作することが適した場合もある。これら種々のシステムに要求される構成は、以上の説明において明らかにされる。さらに、本発明は、特定のプログラミング言語と関連づけられるものではない。本明細書で説明される教示内容を実装するために種々のプログラミング言語を利用できることは明らかであろう。
本明細書の実施形態の前述の説明は、例示と説明を目的として行われたものである。したがって、開示された実施形態が本発明の全てではないし、本発明を上記の実施形態に限定するものでもない。上記の開示にしたがって、種々の変形が可能である。本開示の範囲は上述の実施形態に限定解釈されるべきではなく、特許請求の範囲にしたがって解釈されるべきである。当該技術に詳しい者であれば、本明細書はその思想や本質的特徴から離れることなくその他の種々の形態で実現できることを理解できるであろう。同様に、モジュール、処理、特徴、属性、方法およびその他の態様に関する名前付けや分割方法は必須なものでものないし重要でもない。また、本明細書やその特徴を実装する機構は異なる名前や分割方法や構成を備えていても構わない。さらに、当業者であれば、モジュール、処理、特徴、属性、方法およびその他の本開示の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアもしくはこれらの組合せとして実装できることを理解できるであろう。また、本明細書をソフトウェアとして実装する場合には、モジュールなどの各要素は、どのような様式で実装されても良い。例えば、スタンドアローンのプログラム、大きなプログラムの一部、異なる複数のプログラム、静的あるいは動的なリンクライブラリー、カーネルローダブルモジュール、デバイスドライバー、その他コンピュータプログラミングの当業者にとって現在又は未来において既知な方式として実装することができる。さらに、本発明の実装は特定のプログラミング言語に限定されるものではないし、特定のオペレーティングシステムや環境に限定されるものでもない。以上のように、上記の本開示は限定的なものではなく例示的なものであり、本明細書の範囲は添付の特許請求の範囲にしたがって定められる。