JP2019083275A - インプリントモールドおよびインプリントモールド形成用ブランクならびにパターン転写体の製造方法 - Google Patents

インプリントモールドおよびインプリントモールド形成用ブランクならびにパターン転写体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メサ構造の側面から露光光が透過することを防止することができるインプリントモールドを提供する。【解決手段】表面および裏面を有する光透過性基板を備え、上記光透過性基板の上記表面側にメサ構造が設けられ、上記メサ構造が設けられている領域と平面視上一致する領域であるメサ構造領域は、上記光透過性基板の上記裏面側から入射する入射光を、上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を有することを特徴とするインプリントモールド。【選択図】図1

Description

本発明は、インプリントモールドおよびインプリントモールドを形成するために用いられるブランク、ならびにインプリントモールドを用いたパターン転写体の製造方法に関する。
ナノインプリントリソグラフィは、インプリントモールドに設けられた所望の転写パターンを、被転写体の表面に塗布した硬化性樹脂層に密着させ、熱や光等の外部刺激を与えることによって硬化性樹脂層にパターンを転写する工程を介して、被転写体にパターンを転写する方法である。ナノインプリントリソグラフィは、単純な方法によってパターンを形成することができるため、LSI製造用の次世代リソグラフィ技術として期待されている。さらに、光学部品、発光素子、光電変換素子、バイオセンサー、装飾品、飲料品容器、食品容器等の加工用の技術としても期待されている。このようなナノインプリントリソグラフィの基本的な技術としては、例えば、特許文献1に記載されているもの等が挙げられる。
ナノインプリントリソグラフィの中でも、光ナノインプリントリソグラフィは、熱ナノインプリントリソグラフィに比べて、スループットが高い、温度による寸法変化が生じない、インプリントモールドの位置合わせが容易である等の利点を有する。そのため、近年、光ナノインプリントリソグラフィ用のインプリントモールドの開発が進められている。
光ナノインプリントリソグラフィ用のインプリントモールドとしては、表面側の略中央にメサ構造が設けられたものが用いられることが多い。このようなインプリントモールドにおいては、メサ構造の表面に転写パターンを設けることによって、転写パターンの外側の領域が被転写体の硬化性樹脂層に接触しないようにさせることができる。
光ナノインプリントリソグラフィでは、被転写体の表面におけるパターン複数個分の領域に対して、硬化性樹脂の塗布および硬化性樹脂へのインプリントモールドの転写パターンの転写を複数回連続して行うステップアンドリピート法が用いられている。ステップアンドリピート法では、1回の硬化性樹脂へのパターンの転写において、インプリントモールドにおける転写パターンの外側の領域を透過する露光光により、被転写体の表面におけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が硬化してしまうことがあった。特に、上述したメサ構造が設けられたインプリントモールドを用いる場合には、メサ構造の周囲や側面を透過する露光光により、パターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が硬化してしまうことがあった。
この結果、被転写体の表面における隣接する他のパターンの領域にまで硬化した樹脂が形成されることになり、続いて行われる隣接する他のパターンの領域への転写が困難になることがあった。このため、被転写体の表面における隣接するパターンの間の幅を小さくすることができず、例えば、被転写体においてLSIのチップを作製する場合には、1個のチップをパターン1個分の転写で形成するために、1つの被転写体から得られるチップ数を増やすことができないといった問題が生じていた。さらには、パターン1個分の領域の外側に浸み出した樹脂が盛り上がった形状で硬化することにより、続いて行われる隣接する他のパターンの領域への転写時にインプリントモールドがその硬化した樹脂に接触することで損傷したり、その硬化した樹脂が原因となりパーティクルが発生するといった問題も生じていた。
このような問題に対処する方法として、例えば、特許文献2には、被転写体の表面におけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が硬化することを抑制することができるように、メサ構造の周囲や側面を露光光が透過することを防止するための遮光膜を設けたインプリントモールドを用いた転写方法が記載されている。
特許文献2に記載された転写方法においては、図21(a)〜図21(d)に示されるような転写方法によって、被転写体の表面に設けられた硬化性樹脂層にパターンを転写する。
具体的には、まず、図21(a)に示されるように、被転写体1の表面1aに硬化性樹脂層2を塗布するとともに、インプリントモールド10を準備する。インプリントモールド10は、表面20aおよび裏面20bを有する光透過性基板20を備え、光透過性基板20の表面20a側にメサ構造22が設けられ、メサ構造22の表面22aに転写パターン24が設けられている。光透過性基板20の裏面20b側において、平面視してメサ構造22が設けられたメサ構造領域Mの全体を含む領域に凹部26が設けられている。そして、光透過性基板20の表面20aにおいてメサ構造22の周囲に遮光膜40aが設けられており、メサ構造22の側面22bに遮光膜40bが設けられている。
次に、図21(b)に示されるように、硬化性樹脂層2にメサ構造22の表面22aに設けられた転写パターン24が接するようにインプリントモールド10を密着させる。この時、被転写体1の表面1aにおいて、一部の硬化性樹脂2bがメサ構造22により押し出されることによってパターン1個分の領域の外側に浸み出すことがある。
次に、図21(c)に示されるように、両者を密着させた状態で、露光光を光透過性基板20の裏面20b側からメサ構造領域Mに入射することによって、硬化性樹脂層2を硬化する。
次に、図21(d)に示されるように、インプリントモールド10を樹脂層から剥離する。これにより、転写パターン24が転写されて硬化した樹脂層2´を形成する。
図21に示される転写方法においては、インプリントモールド10において、メサ構造22の周囲および側面22bに遮光膜40aおよび遮光膜40bが設けられているので、図21(c)に示される露光時において、散乱した露光光がメサ構造22の周囲や側面22bを透過することを防止して、パターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂2bが露光されて硬化してしまうことを抑制することを試みている。
しかしながら、図21(c)に示される領域Aを拡大した図22に示されるように、メサ構造22の側面22bの遮光膜40bは、メサ構造22の側面22bに遮光膜40bを均一に成膜することが困難であることから、欠陥42が形成されることがある。このため、散乱した露光光が欠陥42を介してメサ構造22の側面22bから透過することよって、パターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂2bが露光されて硬化することを十分に抑制することができなかった。この結果、図21(d)に示されるように、パターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂2bが硬化した樹脂2b´が形成されることがあり、上述したような問題を十分に解消することができないことがあった。
米国特許5772905号公報 特開2010−245470号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、メサ構造の側面から露光光が透過することを低減もしくは防止することにより、被転写体の表面におけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が露光されることを抑制することができるインプリントモールドおよびインプリントモールド形成用ブランクならびにパターン転写体の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、表面および裏面を有する光透過性基板を備え、上記光透過性基板の上記表面側にメサ構造が設けられ、上記メサ構造が設けられている領域と平面視上一致する領域であるメサ構造領域は、上記光透過性基板の上記裏面側から入射する入射光を、上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を有することを特徴とするインプリントモールドを提供する。
本発明によれば、上述したメサ構造の側面から露光光が透過することを低減することができる。
上記発明においては、上記メサ構造領域における上記光透過性基板の上記裏面側には、上記光透過性基板の上記裏面側から入射する入射光を、上記メサ構造領域の中心側に屈折させる形状を有する凸レンズ形状部が設けられていてもよい。
この場合、上記凸レンズ形状部が上記メサ構造領域の外周部を含む領域に設けられていることが好ましい。上記メサ構造の側面から露光光が透過することを効果的に防止するからである。
また、上記発明においては、上記光透過性基板の上記メサ構造領域には、上記メサ構造領域の中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が設けられていてもよい。
この場合、上記屈折率変化部が上記メサ構造領域の外周部を含む領域に設けられていることが好ましい。上記メサ構造の側面から露光光が透過することを効果的に防止するからである。
また、上記発明においては、上記光透過性基板の上記裏面側における上記メサ構造領域を含む領域には、凹部が設けられていることが好ましい。転写パターンと硬化性樹脂層との間に空気が封入されることを抑制することができるからである。
また、上記発明においては、上記光透過性基板の上記表面の上記メサ構造の周囲には、遮光膜が設けられていることが好ましい。上記メサ構造の周囲から露光光が透過することも防止することができるからである。
また、上記発明においては、上記光透過性基板の上記裏面の上記メサ構造領域の周囲には、遮光膜が設けられていることが好ましい。上記メサ構造領域の周囲から露光光が透過することも防止することができるからである。
また、上記発明においては、上記メサ構造の表面に転写パターンが設けられていてもよい。
また、本発明は、上述したインプリントモールドに用いられるインプリントモールド形成用ブランクであって、上記インプリントモールド形成用ブランクの上記インプリントモールドで上記メサ構造領域となる領域には、上記メサ構造領域の中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が設けられていることを特徴とするインプリントモールド形成用ブランクを提供する。
本発明によれば、メサ構造の側面から露光光が透過することを低減もしくは防止することができるインプリントモールドを製造することができる。
また、本発明は、上述したインプリントモールドの転写パターンを被転写体の表面に設けられている硬化性樹脂層に転写する転写工程を有することを特徴とするパターン転写体の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記メサ構造の側面から露光光が透過することを防止することにより、被転写体の表面におけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が露光されることを十分に抑制することができる。
本発明においては、被転写体の表面におけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が硬化してしまうこと十分に抑制することができるという効果を奏する。
第1実施形態のインプリントモールドの一例を示す概略図である。 第1実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第1実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第1実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第1実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第2実施形態のインプリントモールドの一例を示す概略図である。 第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図である。 第2実施形態のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の一例を示す概略工程断面図である。 第2実施形態のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の他の例を示す概略工程断面図である。 第2実施形態のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の他の例を示す概略工程断面図である。 第2実施形態のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の他の例を示す概略工程断面図である。 他の実施形態のインプリントモールドの一例を示す概略断面図である。 本発明のインプリントモールド形成用ブランクの一例を示す概略図である。 本発明のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の一例を示す概略工程断面図である。 本発明のパターン転写体の製造方法の一例を示す概略工程断面図である。 図19(c)に示される領域Aを拡大した図である。 従来技術のパターン転写体の製造方法の一例を示す概略工程断面図である。 図21(c)に示される領域Aを拡大した図である。
以下、本発明のインプリントモールドおよびインプリントモールド形成用ブランクならびにパターン転写体の製造方法について詳細に説明する。
A.インプリントモールド
本発明のインプリントモールドは、表面および裏面を有する光透過性基板を備え、上記光透過性基板の上記表面側にメサ構造が設けられ、上記メサ構造が設けられている領域と平面視上一致する領域であるメサ構造領域は、上記光透過性基板の上記裏面側から入射する入射光を、上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を有することを特徴とする。
本発明のインプリントモールドは、上述した入射光を屈折させる特性を実現する構成の違いにより主に第1実施形態および第2実施形態に大別することができる。以下、第1実施形態および第2実施形態を中心に説明する。
I.第1実施形態
第1実施形態のインプリントモールドは、上記メサ構造領域における上記光透過性基板の上記裏面側には、上記光透過性基板の上記裏面側から入射する入射光を、上記メサ構造領域の中心側に屈折させる形状を有する凸レンズ形状部が設けられていることを特徴とする。
第1実施形態のインプリントモールドの一例について図面を参照しながら説明する。図1(a)は、第1実施形態のインプリントモールドの一例を示す概略平面図である。図1(b)は、図1(a)に示されるA−A線断面図である。図1(a)は、図1(b)に示される光透過性基板20の裏面20b側から平面視した図である。
図1(a)および図1(b)に示されるように、インプリントモールド10は、表面20aおよび裏面20bを有する光透過性基板20を備え、光透過性基板20の表面20a側にメサ構造22が設けられている。メサ構造22の表面22aに転写パターン24が設けられている。光透過性基板20の裏面20b側において、平面視してメサ構造22が設けられたメサ構造領域Mの全体を含む領域に凹部26が設けられている。平面視して光透過性基板20の凹部26の内側の領域の全体に、凸状曲面28aを有する凸レンズ形状部28が設けられている。
凸レンズ形状部28は、平面視してメサ構造領域Mの全体およびその外側の領域を含む領域に設けられている。このため、光透過性基板20の裏面20b側からメサ構造領域Mに入射する入射光が凸レンズ形状部28に入射することになり、凸レンズ形状部28に入射する入射光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができる。特に、凸レンズ形状部28はメサ構造領域Mの外周部M(メサ構造領域Mの外周を示す破線とその内側の破線との間に挟まれる部分)を含む領域に設けられているので、メサ構造領域Mの外周部Mに入射する入射光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができる。
このため、後述する図19(c)および図20に示されるように、転写パターン24を被転写体1に転写するために、被転写体1の表面1aに塗布した硬化性樹脂層2にメサ構造22における転写パターン24が接するようにインプリントモールド10を密着させた状態で、露光光を光透過性基板20の裏面20b側からメサ構造領域Mに入射することによって、硬化性樹脂層2を硬化する時において、露光光が凸レンズ形状部28に入射することになるので、当該露光光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができる。これにより、散乱した露光光がメサ構造22の側面22bから透過することを防止することができる。特にメサ構造領域Mの外周部Mに入射する露光光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができるので、メサ構造22の側面22bからの露光光の透過を効果的に防止することができる。上述した図22に示されるように、メサ構造22の側面22bに設けられる遮光膜40bに欠陥42が形成される場合においても、散乱した露光光が欠陥42を介してメサ構造22の側面22bから透過することを防止することができる。このため、メサ構造22の側面22bに遮光膜40bが設けなくても、あるいは遮光膜40bに欠陥42が形成されたとしても、被転写体1の表面1aにおいて、パターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂2bが露光されて硬化してしまうことを十分に抑制することができる。
したがって、第1実施形態によれば、上記メサ構造の側面から露光光が透過することを防止することにより、被転写体の表面におけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が露光されることを十分に抑制することができる。
1.光透過性基板
上記光透過性基板は、上記メサ構造領域における上記裏面側に、上記裏面側から入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させる形状を有する凸レンズ形状部が設けられているものである。
(1)凸レンズ形状部
上記凸レンズ形状部は、上記メサ構造領域における上記裏面側に設けられている上記光透過性基板の一部である。
ここで、第1実施形態において、上記メサ構造領域とは、図1に示されるメサ構造領域Mのような上記光透過性基板を平面視して上記メサ構造が設けられている領域を意味する。
上記凸レンズ形状部としては、上記裏面側からメサ構造領域に入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を実現するものであればよく、上記メサ構造領域の一部または全体を含む領域に設けられているものであればよいが、図1に示されるように上記メサ構造領域の外周部を含む領域に設けられているものが好ましい。上記メサ構造領域の外周部に入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させることによって、上記メサ構造の側面から露光光が透過することを効果的に防止することができるからである。
ここで、第1実施形態において、上記メサ構造領域の外周部とは、図1に示される外周部Mのような上記メサ構造領域の外周から中心側に幅を有する部分を意味する。
図1においてWで示されるような上記メサ構造領域の外周部の幅は、1μm〜5mmの範囲内であることが好ましく、中でも10μm〜1mmの範囲内、特に50μm〜1mmの範囲内であることが好ましい。上記メサ構造の側面から露光光が透過することをより効果的に防止することができるからである。また、上記メサ構造領域の外周部の幅は、図1(b)においてTで示されるような上記外周部における上記光透過性基板の厚さの最小値に対して0.1%〜500%の範囲内であることが好ましく、中でも1%〜200%の範囲内、特に5%〜100%の範囲内であることが好ましい。上記メサ構造の側面から露光光が透過することをより効果的に防止することができるからである。
図2(a)〜図2(c)は、それぞれ第1実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図1(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図2(a)に示されるインプリントモールド10においては、光透過性基板20の裏面20b側の凹部26の内側の領域の一部に、凸状曲面28aを有する凸レンズ形状部28が設けられている。凸レンズ形状部28は、外周部Mを含めメサ構造領域Mの全体を含む領域に設けられている。
図2(b)に示されるインプリントモールド10においては、光透過性基板20の裏面20b側の凹部26の内側の領域においてメサ構造領域Mの外周部Mのみに、フレネルレンズ形状の凸レンズ形状部28が設けられている。凹部26の内側の裏面26bにおいて、メサ構造領域Mの外周部Mの内側の領域は平面形状となっている。
図2(c)に示されるインプリントモールド10においては、光透過性基板20の裏面20b側の凹部26の内側の領域においてメサ構造領域Mの外周部Mのみに、メサ構造領域Mの中央側が高くなる傾斜面を有する凸レンズ形状部28が設けられている。凹部26の内側の裏面26bにおいて、メサ構造領域Mの外周部Mの内側の領域は平面形状となっている。
上記凸レンズ形状部としては、図2(b)および図2(c)に示されるように、後述する「(2)光透過性基板 b.凹部」の項目に記載された凹部の内側の領域において上記メサ構造領域の上記外周部のみに設けられているものが好ましい。上記凹部の内側の裏面において上記メサ構造領域の外周部の内側の領域を平面形状とすることができる。これにより、上記インプリントモールドの転写パターンを被転写体の表面に塗布した硬化性樹脂層に密着させる時に、上記凹部内の空気圧を高くしてインプリントモールドを湾曲させることにより、上記転写パターンと硬化性樹脂層との間に空気が封入されることを抑制する場合において、上記外周部の内側の領域を平面形状とすることで、上記インプリントモールドの転写パターン領域の撓み方を一定とすることができる。このため、上記転写パターン領域の寸法変動の予測が容易となり、当該寸法変動を相殺する上記転写パターン領域の寸法の補正が容易となるからである。
なお、上記凸レンズ形状部としては、図1および図2(a)に示されるように上記光透過性基板において上記メサ構造領域の上記外周部の内側または外側の領域を含む領域に設けられているものでもよい。また、上記凸レンズ形状部としては、図1に示されるように上記凹部の内側の領域の全体に設けられているものでもよいし、図2(a)に示されるように上記凹部の内側の領域の一部に設けられているものでもよい。
図3は、第1実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図1(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図3に示されるインプリントモールド10においては、図1に示される凹部26が設けられていない光透過性基板20の裏面20b側において、平面視してメサ構造領域Mの全体およびその外側の領域を含む領域に凸状曲面28aを有する凸レンズ形状部28が設けられている。
上記凸レンズ形状部としては、図1および図2(a)〜図2(c)に示されるように後述する「(2)光透過性基板 b.凹部」の項目に記載された凹部の内側の領域に設けられているものでもよいし、図3に示されるように上記凹部が設けられていない上記光透過性基板の裏面側に設けられているものでもよいが、通常は、上記凹部の内側の領域に設けられているものである。
また、上記凸レンズ形状部の形状としては、上記裏面側からメサ構造領域に入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を実現する形状であれば特に限定されないが、例えば、図1、図2(a)、および図3に示されるように凸状曲面を有する形状、図2(b)に示されるようなフレネルレンズ形状あるいはプリズム形状、図2(c)に示されるようにメサ構造領域の中央側が高くなる傾斜面を有する形状等が挙げられ、用途等に応じて適宜選択することができる。
上記凸レンズ形状部の形成方法としては、所望の形状およびサイズの凸レンズ形状部を形成できれば特に限定されるものではなく、例えば、機械加工、エッチング等が挙げられるが、上記凸レンズ形状部の形状およびサイズならびに上記光透過性基板の材料等に応じて適宜選択すればよい。また、上記凸レンズ形状部の形成方法としては、仕上げ段階において上記凸レンズ形状部を鏡面加工する方法が好ましい。上記凸レンズ形状部の形成時に光透過性基板から生じるパーティクルを除去することができるからであり、上記凸レンズ形状部に外部からパーティクルが付着することを防止することができるからである。
(2)光透過性基板
a.メサ構造
上記メサ構造の平面視した形状は、特に限定されるものではなく、例えば、図1に示されるように矩形状でもよい。また、図1(b)においてHで示されるような上記メサ構造の高さは、用途等に応じて異なるものであるが、例えば10μm〜50μm程度である。さらに、平面視して矩形状の上記メサ構造の縦および横の長さは、用途等に応じて異なるものであり、例えば20mm〜35mm程度であるが、この範囲に限定されるものではない。
上記メサ構造の形成方法としては、例えば、エッチングマスクを用いたウェットエッチング等が挙げられる。
b.凹部
上記光透過性基板としては、図1および図2(a)〜図2(c)に示されるように上記裏面側における上記メサ構造領域を含む領域には、凹部が設けられているものでもよいし、図3に示されるように上記凹部が設けられていないものでもよいが、上記凹部が設けられているものが好ましい。上記インプリントモールドの転写パターンを被転写体の表面に塗布した硬化性樹脂層に密着させる時に、上記凹部内の空気圧を高くしてインプリントモールドを湾曲させることにより、転写パターンと硬化性樹脂層との間に空気が封入されることを抑制することができるからである。
上記凹部の平面視した形状は、特に限定されるものではなく、例えば、図1に示されるように円状でもよい。また、上記凹部を穿った後の光透過性基板の残存厚さは、例えば0.5mm程度以上であり、円状の上記凹部の直径は、例えば80mm程度である。
上記凹部の形成方法としては、例えば、機械加工等が挙げられるが、上記凹部の形状およびサイズならびに上記光透過性基板の材料等に応じて適宜選択すればよい。なお、上記凸レンズ形状部を上記凹部の内側の領域に設ける場合には、上記凹部および上記凸レンズ形状部を一緒に形成する方法を用いることができる。
c.転写パターン
図4は、第1実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図1(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図4に示されるインプリントモールド10は、光透過性基板20のメサ構造22の表面に転写パターンが設けられていない点において、図1に示されるインプリントモールド10とは異なっている。
上記光透過性基板としては、上記裏面側からメサ構造領域に入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を実現するものであれば、図1に示されるように上記メサ構造の表面に転写パターンが設けられているものでもよいし、図4に示されるように上記メサ構造の表面に転写パターンが設けられていないものでもよい。
d.その他
上記光透過性基板の形状は、特に限定されないが、通常、矩形状である。この場合、上記光透過性基板の縦および横の長さは、用途等に応じて異なるものであるが、例えば142mm〜162mm程度である。また、上記光透過性基板の厚さは、材料や用途等に応じて異なるものであるが、例えば0.5mm〜15mm程度である。
上記光透過性基板を構成する材料としては、例えば、合成石英、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム等が挙げられる。中でも、インプリントモールド形成用基板での使用実績が高く品質が安定しており、高精度の微細な転写パターンを形成できるため、合成石英が好適に用いられる。上記光透過性基板の光透過性としては、波長300nm〜450nmの範囲内における光線の透過率が85%以上であることが好ましい。
2.その他
(1)遮光膜
第1実施形態のインプリントモールドは、遮光膜を備えるものでもよい。
図5(a)〜図5(c)は、それぞれ第1実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図1(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図5(a)に示されるインプリントモールド10においては、光透過性基板20の表面20aにおいてメサ構造22の周囲に遮光膜40aが設けられている。また、図5(b)に示されるインプリントモールド10においては、メサ構造22の側面22bに遮光膜40bが設けられている。さらに、図5(c)に示されるインプリントモールド10においては、光透過性基板20の凹部26の内側の裏面26bにおいてメサ構造領域Mの周囲に遮光膜40cが設けられている。
上記インプリントモールドとしては、図5(a)に示されるように上記光透過性基板の上記表面の上記メサ構造の周囲には、遮光膜が設けられているものが好ましい。上記メサ構造の周囲から露光光が透過することも防止することができるので、上述した外側に浸み出した硬化性樹脂が硬化してしまうことを効果的に抑制することができるからである。
また、上記インプリントモールドとしては、図5(b)に示されるように、上記表面の遮光膜に加えて、さらに上記メサ構造の上記側面に遮光膜が設けられているものでもよい。上記メサ構造の側面から露光光が透過することを当該遮光膜によっても防止することができる。当該遮光膜に欠陥が形成される場合においても、上記凸レンズ形状部により露光光を屈折させることによって、露光光が当該欠陥を介して上記メサ構造の側面から透過することを防止することができる。
さらに、上記インプリントモールドとしては、図5(c)に示されるように上記光透過性基板の上記裏面の上記メサ構造領域の周囲に、遮光膜が設けられているものであってもよい。上記メサ構造領域の周囲から露光光が透過することも防止することができるので、上述した外側に浸み出した硬化性樹脂が硬化してしまうことを効果的に抑制することができるからである。
上記遮光膜を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、錫、亜鉛等の金属、シリコン等を挙げることができ、また、これらの酸化物、窒化物、合金等も用いることができる。上記遮光膜の遮光性としては、波長300nm〜450nmの範囲内における光線の透過率が1%以下であることが好ましく、中でも0.1%以下であることが好ましい。
上記遮光膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレーティング法等のPVD法(physical vapor deposition)、プラズマCVD法、熱CVD法、および光CVD法等のCVD法(chemical vapor deposition)等、ならびに塗料、染料、顔料の塗布等が挙げられる。
(2)製造方法
第1実施形態のインプリントモールドの製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、光透過性基板を備える一般的なインプリントモールド形成用ブランクから一般的な製造方法を用いることにより製造することができる。
(3)その他
本発明のインプリントモールドとしては、第1実施形態の方が、後述する第2実施形態よりも作製が容易である。
II.第2実施形態
第2実施形態のインプリントモールドは、上記光透過性基板の上記メサ構造領域には、上記メサ構造領域の中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が設けられていることを特徴とする。
第2実施形態のインプリントモールドの一例について図面を参照しながら説明する。図6(a)は、第2実施形態のインプリントモールドの一例を示す概略平面図である。図6(b)は、図6(a)に示されるA−A線断面図である。図6(a)は、図6(b)に示される光透過性基板20の裏面20b側から平面視した図である。
図6(a)および図6(b)に示されるように、インプリントモールド10は、図1に示されるインプリントモールド10と同様にメサ構造22、転写パターン24、および凹部26が設けられた光透過性基板20を備える。
光透過性基板20において、平面視してメサ構造領域Mの外周部M(メサ構造領域Mの外周を示す破線とその内側の破線との間に挟まれる部分)および外周部Mの内側および外側の領域を含む領域に、メサ構造領域Mの中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部Nが設けられている。また、屈折率変化部Nの外側に、他の領域より屈折率が低い低屈折率部Nが設けられている。さらに、屈折率変化部Nの中心側に、屈折率が他の領域より高い高屈折率部Nが設けられている。このため、光透過性基板20の裏面20b側からメサ構造領域Mに入射する入射光が屈折率変化部Nに入射することになり、屈折率変化部Nに入射する入射光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができる。具体的には、光が屈折率の低い方から高い方に屈折する性質を利用して、メサ構造領域Mの中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部Nに入射する入射光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができる。特に、屈折率変化部Nはメサ構造領域Mの外周部Mを含む領域に設けられているので、メサ構造領域Mの外周部Mに入射する入射光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができる。
このため、後述する図19(c)および図20に示される露光工程において、凸レンズ形状部28が設けられたインプリントモールド10の代わりに、屈折率変化部Nが設けられたインプリントモールド10を用いた場合には、露光光が屈折率変化部Nに入射することになるので、当該露光光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができる。これにより、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
1.光透過性基板
上記光透過性基板は、上記メサ構造領域の中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が上記メサ構造領域に設けられているものである。
(1)屈折率変化部
上記屈折率変化部は、上記メサ構造領域に設けられ、上記メサ構造領域の中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる上記光透過性基板の一部である。
ここで、第2実施形態における上記メサ構造領域とは、例えば、図6に示されるメサ構造領域Mであり、第1実施形態における上記メサ構造領域と同様の領域を意味する。
上記屈折率変化部としては、上記裏面側からメサ構造領域に入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を実現し、上記メサ構造領域の一部または全体を含む領域に設けられているものであればよいが、図6に示されるように上記メサ構造領域の外周部を含む領域に設けられているものが好ましい。上記メサ構造領域の外周部に入射する上記入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させることによって、上記メサ構造の側面から露光光が透過することを効果的に防止することができるからである。
ここで、第2実施形態における上記メサ構造領域の外周部とは、例えば、図6に示される外周部Mであり、第1実施形態における上記メサ構造領域の外周部と同様の部分を意味する。上記メサ構造領域の外周部の幅については、第1実施形態と同様であるため、ここでの記載を省略する。
図7は、第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図6(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図7に示されるインプリントモールド10は、屈折率変化部Nがメサ構造領域Mの外周部Mのみに設けられている点において、図6に示されるインプリントモールド10とは異なっている。
上記屈折率変化部としては、中でも、図7に示されるように、後述する「(3)光透過性基板 c.凹部」の項目に記載された凹部の内側の領域において上記メサ構造領域の上記外周部のみに設けられているものが好ましい。上記メサ構造領域の外周部の内側の領域を単一の材質で構成することができる。これにより、上記インプリントモールドの転写パターンを被転写体の表面に塗布した硬化性樹脂層に密着させる時に、上記凹部内の空気圧を高くしてインプリントモールドを湾曲させることにより、上記転写パターンと硬化性樹脂層との間に空気が封入されることを抑制する場合において、上記外周部の内側の領域を単一の材質で構成することで、上記インプリントモールドの転写パターン領域の撓み方を一定とすることができる。このため、上記転写パターン領域の寸法変動の予測が容易となり、当該寸法変動を相殺する転写パターン領域の寸法の補正が容易となるからである。
なお、上記屈折率変化部としては、図6に示されるように上記光透過性基板において上記メサ構造領域の上記外周部の内側または外側の領域を含む領域に設けられているものでもよい。
また、上記屈折率変化部としては、上記裏面側からメサ構造領域に入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を実現できるように、中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる上記基板の一部であれば特に限定されないが、後述する低屈折率部に隣接する位置での屈折率(最も低い屈折率)と後述する高屈折率部に隣接する位置での屈折率(最も高い屈折率)の差が0.2〜0.6の範囲内であることが好ましく、中でも0.3〜0.5の範囲内であることが好ましい。上記入射光を効果的に屈折させることができるからである。
また、図6においてWで示されるような、上記屈折率が変化する方向の上記屈折率変化部の幅は、上記裏面側からメサ構造領域に入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を実現できる幅であれば特に限定されないが、1μm〜5mmの範囲内であることが好ましく、中でも50μm〜1mmの範囲内であることが好ましい。小さ過ぎると上記屈折率の変化が急過ぎて上記入射光を効果的に屈折させることができないからであり、大き過ぎると上記屈折率の変化が緩慢過ぎて上記入射光を効果的に屈折させることができないからである。
(2)低屈折率部および高屈折率部
上記光透過性基板は、通常は、図6に示されるように、上記屈折率変化部の外側に低屈折率部が設けられ、上記屈折率変化部の上記中心側に高屈折率部が設けられ、上記屈折率変化部が上記低屈折率部および上記高屈折率部の間に設けられている。
a.低屈折率部
上記低屈折率部は、上記光透過性基板において上記屈折率変化部の外側に設けられているものである。
上記低屈折率部の屈折率は、上記高屈折率部よりも低ければ特に限定されないが、1.3〜1.5の範囲内であることが好ましい。上記入射光を効果的に屈折させることができるからである。
上記低屈折率部を構成する材料は、第1実施形態における光透過性基板を構成する材料と同様であるため、ここでの記載を省略する。また、上記低屈折率部の光透過性は、第1実施形態における光透過性基板の光透過性と同様であるため、ここでの記載を省略する。
b.高屈折率部
上記高屈折率部は、上記光透過性基板において上記屈折率変化部に対して上記メサ構造領域の中心側に設けられているものである。
上記高屈折率部の屈折率は、上記低屈折率部よりも高ければ特に限定されないが、1.4〜2.2の範囲内であることが好ましく、中でも1.65〜1.85の範囲内であることが好ましい。上記入射光を効果的に屈折させることができるからである。
上記高屈折率部を構成する材料は、上記低屈折率部よりも高い屈折率にできるものであれば特に限定されないが、例えば、SiO、B、P、TiO、Nb、La、Y、Gd等を含有させたガラスが挙げられる。中でも、TiO、Nb等を含有するガラスが好ましい。良好な特性を有する高屈折率材料が容易に入手可能であるからである。上記高屈折率部の光透過性としては、波長300nm〜450nmの範囲内における光線の透過率が85%以上であることが好ましい。
上記高屈折率部の形状およびサイズは、上記屈折率変化部の形状およびサイズに応じて適宜選択することができる。
(3)光透過性基板
a.接触部分
図8(a)〜図8(c)は、第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図6(b)に示される断面に対応する断面をそれぞれ示すものである。
図8(a)に示されるインプリントモールド10における光透過性基板20は、屈折率変化部Nならびに低屈折率部Nおよび高屈折率部Nが設けられた基板部分20nと、基板部分20nの表面側のメサ構造領域Mに設けられたメサ土台部分22nの表面に設けられた接触部分20s(厚みH:2μm〜50μm)と、を有しており、光透過性基板20のメサ構造22(厚み:10μm〜50μm)が、メサ土台部分22nおよび接触部分20sを含んでいる。接触部分22sの表面22aには転写パターン24が設けられている。
図8(b)に示されるインプリントモールド10における光透過性基板20は、屈折率変化部Nならびに低屈折率部Nおよび高屈折率部Nが設けられた基板部分20nと、基板部分20nの表面のメサ構造領域Mに設けられた接触部分20s(厚みH:10μm〜50μm)と、を有しており、光透過性基板20のメサ構造22(厚み:10μm〜50μm)が、接触部分20sの全体のみを含んでいる。メサ構造22の表面22aには転写パターン24が設けられている。
図8(c)に示されるインプリントモールド10における光透過性基板20は、屈折率変化部Nならびに低屈折率部Nおよび高屈折率部Nが設けられた基板部分20nと、基板部分20nの表面の全体に設けられた接触部分20s(厚みH:10μm〜100μm)と、を有しており、光透過性基板20のメサ構造22(厚み:10μm〜50μm)が、接触部分20sの表面20a側のメサ構造領域Mに設けられている。メサ構造22の表面22aには転写パターン24が設けられている。
上記光透過性基板としては、単一の部材を含むものでもよく、複数の部材を含むものでもよいが、図8(a)〜図8(c)に示されるように、基板部分と、上記基板部分の表面に設けられた接触部分と、を有するものが好ましい。例えば、上記屈折率変化部および上記高屈折率が設けられることで上記基板部分の加工が困難になる場合等において、上記接触部分に上記基板部分よりも加工が容易な材料を用いることができるので、例えば、上記メサ構造の表面に転写パターンを形成し易くなるからである。
上記接触部分を構成する材料は、上記基板部分よりも加工が容易であるものが好ましい。このような材料は、例えば、第1実施形態における光透過性基板と同様の材料等が挙げられる。また、上記接触部分の光透過性は、第1実施形態における光透過性基板と同様であるため、ここでの記載を省略する。
図8(a)〜図8(c)においてHで示されるような上記接触部分の厚みは、用途等に応じて異なるものであるが、例えば2μm〜100μmの範囲内である。
b.メサ構造
上記メサ構造の平面視した形状、高さ、ならびに平面視して矩形状の上記メサ構造の縦および横の長さについては、第1実施形態におけるメサ構造と同様であるため、ここでの記載を省略する。
上記メサ構造の形成方法としては、第1実施形態と同様であるため、ここでの記載を省略する。
c.凹部
図9は、第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図6(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図9に示されるインプリントモールド10においては、図6に示される凹部26が設けられていない光透過性基板20において、平面視してメサ構造領域Mの外周部Mを含む領域に、メサ構造領域Mの中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる高屈折率部Nが設けられており、屈折率変化部Nの外側には低屈折率部Nが設けられ、屈折率変化部Nの中心側には高屈折率部Nが設けられている。
上記光透過性基板としては、図6〜図8に示されるように上記裏面側における上記メサ構造領域を含む領域には、上記凹部が設けられているものでもよいし、図9に示されるように上記凹部が設けられていないものでもよいが、上記凹部が設けられているものが好ましい。上記インプリントモールドの転写パターンを被転写体の表面に塗布した硬化性樹脂層に密着させる時に、上記凹部内の空気圧を高くしてインプリントモールドを湾曲させることにより、転写パターンと硬化性樹脂層との間に空気が封入されることを抑制することができるからである。
上記凹部については、第1実施形態における凹部と同様であるため、ここでの記載を省略する。
d.転写パターン
図10(a)および図10(b)は、それぞれ第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図6(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図10(a)に示されるインプリントモールド10は、光透過性基板20のメサ構造22の表面に転写パターンが設けられていない点において、図6に示されるインプリントモールド10とは異なっている。また、図10(b)に示されるインプリントモールド10は、光透過性基板20のメサ構造22における接触部分22sの表面に転写パターンが設けられていない点において、図8に示されるインプリントモールド10とは異なっている。
上記光透過性基板としては、上記裏面側からメサ構造領域に入射する入射光を上記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を実現するものであれば、図6および図8に示されるように上記メサ構造の表面に転写パターンが設けられているものでもよいし、図10(a)および図10(b)に示されるように上記メサ構造の表面に転写パターンが設けられていないものでもよい。
e.その他
上記光透過性基板の形状については、第1実施形態における光透過性基板の形状と同様であるため、ここでの記載を省略する。また、上記光透過性基板の厚さは、第1実施形態における光透過性基板の厚さと同様であるため、ここでの記載を省略する。
2.その他
(1)遮光膜
第2実施形態のインプリントモールドは、遮光膜を備えるものでもよい。
図11(a)〜図11(c)は、それぞれ第2実施形態のインプリントモールドの他の例を示す概略断面図であり、図6(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図11(a)に示されるインプリントモールド10においては、光透過性基板20の表面20aにおいてメサ構造22の周囲に遮光膜40aが設けられている。また、図11(b)に示されるインプリントモールド10においては、メサ構造22の側面22bに遮光膜40bが設けられている。さらに、図11(c)に示されるインプリントモールド10においては、光透過性基板20の凹部26の内側の裏面26bにおいてメサ構造領域Mの周囲に遮光膜40cが設けられている。
上記インプリントモールドとしては、第1実施形態と同様の理由から、図11(a)に示されるように上記光透過性基板の上記表面において上記メサ構造の周囲には、遮光膜が設けられているものが好ましい。また、第1実施形態と同様に、図11(b)に示されるように、上記表面の遮光膜に加えて、さらに上記メサ構造の上記側面に遮光膜が設けられているものでもよい。さらに、第1実施形態と同様の理由から、図11(c)に示されるように上記光透過性基板の上記裏面の上記メサ構造領域の周囲に、遮光膜が設けられているものであってもよい。
上記遮光膜の形成方法としては、第1実施形態と同様であるため、ここでの記載を省略する。
(2)製造方法
上記インプリントモールドの製造方法としては、特に限定されるものではないが、通常は、後述する「B.インプリントモールド形成用ブランク」の項目に記載されたインプリントモールド形成用ブランクから上記インプリントモールドを製造する方法が用いられる。
この方法においては、上記インプリントモールド形成用ブランクを準備して、当該ブランクにおける光透過性基板の表面側のメサ構造領域に上記メサ構造を形成することによって、上記インプリントモールドを製造することができる。
ここで、図12(a)〜図12(b)は、第2実施形態のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の一例を示す概略工程断面図である。また、図13(a)〜図13(b)、図14(a)〜図14(b)、および図15(a)〜図15(b)は、第2実施形態のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の他の例をそれぞれ示す概略工程断面図である。
図12に示される例では、まず、図12(a)に示されるように、屈折率変化部Nならびに低屈折率部Nおよび高屈折率部Nが設けられた基板部分20nのみを有する光透過性基板20を備えるインプリントモールド形成用ブランク50を準備する。次に、図12(b)に示されるように、光透過性基板20を表面20a側からウェットエッチングして、メサ構造領域Mにメサ構造22(高さ:10μm〜50μm)を形成する。これにより、図6に示されるインプリントモールド10において、凹部26および転写パターン24が設けられる前のインプリントモールド10を製造することができる。
図13に示される例では、まず、図13(a)に示されるように、屈折率変化部Nならびに低屈折率部Nおよび高屈折率部Nが設けられた基板部分20nと、基板部分20nの表面全体に設けられた接触部分20s(厚さ:2μm〜50μm)と、を有する光透過性基板20を備えるインプリントモールド形成用ブランク50を準備する。次に、図13(b)に示されるように、光透過性基板20の表面20a側から接触部分20sおよび基板部分20nの両方をウェットエッチングして、メサ構造領域Mにメサ構造22(高さ:10μm〜50μm)を形成する。これにより、図8(a)に示されるインプリントモールド10において、凹部26および転写パターン24が設けられる前のインプリントモールド10を製造することができる。
図14に示される例では、まず、図14(a)に示されるように、屈折率変化部Nならびに低屈折率部Nおよび高屈折率部Nが設けられた基板部分20nのみを有する光透過性基板20を備えるインプリントモールド形成用ブランク50を準備する。次に、図14(b)に示されるように、基板部分20nの表面のメサ構造領域Mに、メサ構造22として接触部分20s(高さ:10μm〜50μm)を形成する。これにより、図8(b)に示されるインプリントモールド10において、凹部26および転写パターン24が設けられる前のインプリントモールド10を製造することができる。
図15に示される例では、まず、図15(a)に示されるように、屈折率変化部Nならびに低屈折率部Nおよび高屈折率部Nが設けられた基板部分20nと、基板部分20nの表面全体に設けられた接触部分20s(厚さ:10μm〜100μm)と、を有する光透過性基板20を備えるインプリントモールド形成用ブランク50を準備する。次に、図15(b)に示されるように、光透過性基板20の表面20a側から接触部分20sのみをウェットエッチングして、メサ構造領域Mにメサ構造22(高さ:10μm〜50μm)を形成する。これにより、図8(c)に示されるインプリントモールド10において、凹部26および転写パターン24が設けられる前のインプリントモールド10を製造することができる。
(3)その他
本発明のインプリントモールドとしては、第1実施形態および第2実施形態の両方を組み合わせたものでもよい。
III.他の実施形態
本発明のインプリントモールドとしては、上述した入射光を屈折させる特性を実現するものであれば、第1実施形態および第2実施形態ならびにそれらの組み合せに限定されるものではなく、例えば、以下の図16に示されるような他の実施形態でもよい。
図16は、本発明の他の実施形態のインプリントモールドの一例を示す概略断面図であり、図6(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
図16に示されるインプリントモールド10は、図6に示されるインプリントモールド10と同様に、メサ構造22、転写パターン24、および凹部26が設けられた光透過性基板20を備える。
光透過性基板20において、平面視してメサ構造領域M(メサ構造領域Mの外周を示す破線とその内側の破線との間に挟まれる部分)の外周部Mを含む領域に、メサ構造22の表面22a側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部Nが設けられている。また、屈折率変化部Nの裏面26b側には低屈折率部Nが設けられている。さらに、また、屈折率変化部Nの表面22a側には高屈折率部Nが設けられている。このため、光透過性基板20の裏面20b側からメサ構造領域Mに入射する入射光が屈折率変化部Nに入射することになり、当該入射光をメサ構造22の表面22a側に屈折させることができる。特に、メサ構造領域Mの外周部Mに入射する入射光をメサ構造22の表面22a側に屈折させることができる。したがって、第1実施形態および第2実施形態と同様の効果が得られる。
B.インプリントモールド形成用ブランク
本発明のインプリントモールド形成用ブランクは、上述した「A.インプリントモールド II.第2実施形態」の項目に記載されたインプリントモールドに用いられる部材であって、上記インプリントモールド形成用ブランクの上記インプリントモールドで上記メサ構造領域となる領域には、上記メサ構造領域となる領域の中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が設けられていることを特徴とする。具体的には、表面および裏面を有する光透過性基板を備え、上記光透過性基板の上記メサ構造領域となる領域に中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が設けられていることを特徴とする。
本発明のインプリントモールド形成用ブランクの一例について図面を参照しながら説明する。図17(a)は、本発明のインプリントモールド形成用ブランクの一例を示す概略平面図である。図17(b)は、図17(a)に示されるA−A線断面図である。図17(a)は、図17(b)に示される光透過性基板20の裏面20b側から平面視した図である。
図17(a)および図17(b)に示されるように、インプリントモールド形成用ブランク50は、表面20aおよび裏面20bを有する光透過性基板20を備える。
光透過性基板20において、平面視してメサ構造領域Mの外周部M(メサ構造領域Mの外周を示す破線とその内側の破線との間に挟まれる部分)および外周部Mの内側および外側の領域を含む領域に、メサ構造領域Mの中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部Nが設けられている。また、屈折率変化部Nの外側に、他の領域より屈折率が低い低屈折率部Nが設けられている。さらに、屈折率変化部Nの中心側に、屈折率が他の領域より高い高屈折率部Nが設けられている。これにより、インプリントモールド形成用ブランク50から図6に示されるインプリントモールド10を製造することができる。
したがって、本発明によれば、メサ構造の側面から露光光が透過することを防止することにより、被転写体の表面におけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が露光されることを十分に抑制することができるインプリントモールドを製造することができる。
1.光透過性基板
上記光透過性基板は、表面および裏面を有し、上記インプリントモールドで上記メサ構造領域となる領域に中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が設けられているものである。
上記光透過性基板については、上述した「A.インプリントモールド II.第2実施形態」の項目に記載された第2実施形態のインプリントモールドにおける光透過性基板と、上述したメサ構造が設けられていない点を除いて同様であるため、ここでの記載を省略する。
2.製造方法
上記インプリントモールド形成用ブランクの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、低屈折率基板に嵌め込み孔を形成する嵌め込み孔形成工程と、高屈折率基板を上記嵌め込み孔に嵌め込む嵌め込み工程と、上記低屈折率基板および上記嵌め込み孔に嵌め込まれた高屈折率基板を加熱することにより融着する融着工程とを備える方法等を挙げることができる。
本発明のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の一例について図面を参照しながら説明する。図18(a)〜図18(f)は、本発明のインプリントモールド形成用ブランクの製造方法の一例を示す概略工程断面図である。各断面図は、図17(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
まず、図18(a)に示されるように、低屈折率基板34を準備する。次に、図18(b)に示されるように、低屈折率基板34において平面視して中央部分を穿孔することにより、嵌め込み孔36を形成する。
次に、図18(c)および図18(d)に示されるように、屈折率が低屈折率基板34より高い高屈折率基板38を準備して、嵌め込み孔36に嵌め込む。
次に、図18(e)に示されるように、高屈折率基板38を嵌め込んだ低屈折率基板34を所定時間だけ加熱して高屈折率基板38および低屈折率基板34を融着させる。この時、高屈折率基板38および光透過性基板2の境界において相互の基板成分の拡散が生じる。これにより、メサ構造領域Mの外周部M(メサ構造領域Mの外周を示す破線とその内側の破線との間に挟まれる部分)を含む領域に、中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部Nを形成する。そして、屈折率変化部Nの外側に、他の領域より屈折率が低い低屈折率部Nを形成し、屈折率変化部Nの中心側に、屈折率が他の領域より高い高屈折率部Nを形成する。
次に、図18(f)に示されるように、融着された基板20の表面20aおよび裏面20bを、融着部分を含めて、研磨装置60で研磨することによって平坦化する。これにより、図17に示されるインプリントモールド形成用ブランク50を製造することができる。
C.パターン転写体の製造方法
本発明のパターン転写体の製造方法は、上述した「A.インプリントモールド」の項目に記載されたインプリントモールドのうちの転写パターンが設けられているモールドの転写パターンを被転写体の表面に設けられた硬化性樹脂層に転写する転写工程を有することを特徴とする。
本発明のパターン転写体の製造方法の一例について図面を参照しながら説明する。図19(a)〜図19(d)は、本発明のパターン転写体の製造方法の一例を示す概略工程断面図である。各断面図は、図1(b)に示される断面に対応する断面を示すものである。
まず、図19(a)に示されるように、被転写体1の表面1aに硬化性樹脂層2を塗布するとともに、インプリントモールド10を準備する。インプリントモールド10は、図1に示されるインプリントモールド10と同様のものである。
次に、図19(b)に示されるように、硬化性樹脂層2にメサ構造22の表面22aに設けられた転写パターン24が接するようにインプリントモールド10を密着させる。この時、被転写体1の表面1aにおいて、一部の硬化性樹脂2bがメサ構造22により押し出されることによってパターン1個分の領域の外側に浸み出すことがある。
次に、図19(c)に示されるように、両者を密着させた状態で、露光光を光透過性基板20の裏面20b側からメサ構造領域Mに入射することによって、硬化性樹脂層2を硬化する。この時、露光光が凸レンズ形状部28に入射することになるので、当該露光光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができる。これにより、図19(c)に示される領域Aを拡大した図20に示されるように、散乱した露光光がメサ構造22の側面22bから透過することを防止することができる。特にメサ構造領域Mの外周部Mに入射する露光光をメサ構造領域Mの中心側に屈折させることができるので、メサ構造22の側面22bからの露光光の透過を効果的に防止することができる。上述した図22に示されるように、メサ構造22の側面22bに設けられる遮光膜40bに欠陥42が形成される場合においても、散乱した露光光が欠陥42を介してメサ構造22の側面22bから透過することを防止することができる。このため、メサ構造22の側面22bに遮光膜40bが設けなくても、あるいは遮光膜40bに欠陥42が形成されたとしても、被転写体1の表面1aにおいて、パターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂2bが露光されて硬化することを十分に抑制することができる。
次に、図19(d)に示されるように、インプリントモールド10を樹脂層から剥離するとともに、被転写体1の表面1aにおけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂2bを除去する。これにより、転写パターン24が転写されて硬化した樹脂層2´を形成する。
次に、図示しないが、樹脂層2´のパターンの凹部を、被転写体1の表面1aが露出するまでエッチングした後に被転写体1の表面1aの露出部分をエッチングする。次に、樹脂層2´を除去する。これにより、転写パターン24が被転写体1に転写されたパターン転写体を製造する。
したがって、本発明によれば、上記メサ構造の側面から露光光が透過することを防止することにより、被転写体の表面におけるパターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が露光されることを十分に抑制することができる。
1.転写工程
上記転写工程において、上記インプリントモールドの転写パターンを被転写体の表面に設けられた硬化性樹脂層に転写する。
上記インプリントモールドとしては、上記転写パターンが設けられているものであれば、上述した「A.インプリントモールド」の項目に記載されたいずれのインプリントモールドでもよい。
上記転写工程においては、通常、複数個のパターンを上記被転写体に転写するために、上記被転写体の表面におけるパターン複数個分の領域に対して、硬化性樹脂層の塗布および硬化性樹脂層への上記インプリントモールドの転写パターンの転写を複数回連続して行うステップアンドリピート法を用いる。この場合には、上記インプリントモールドを用いることにより、パターン1個分の領域の外側に浸み出した硬化性樹脂が硬化してしまうことを十分に抑制することができるため、1個のパターンの領域への転写に続いて行われる隣接する他のパターンの領域への転写が困難になることを回避できる。また、外側に浸み出した樹脂が盛り上がった形状で硬化することにより、インプリントモールドがその硬化した樹脂に接触することで損傷したり、その硬化した樹脂が原因となりパーティクルが発生するといった問題を回避することができる。
2.その他
本発明のパターン転写体の製造方法においては、上記被転写体の表面に硬化性樹脂層を塗布する際に、図19(a)に示されるように上記転写パターンに対向する部分だけに塗布するのではなく、上記被転写体の表面の全面に塗布しても良い。また、図19(a)に示されるように上記被転写体の表面における上記転写パターンに対向する部分全体に塗布するのではなく、当該部分の一部に塗布しても良い。この場合には、上記硬化性樹脂層に上記転写パターンが接するように上記インプリントモールドを密着させる図19(b)の工程に対応する工程において、上記メサ構造の表面が上記硬化性樹脂層を押し拡げることにより、上記転写パターンに対向する部分全体に拡げることができる。
本発明のパターン転写体の製造方法は、上記転写工程を有するものであれば特に限定されないが、通常は、上記転写パターンが転写されて硬化した樹脂層のパターンの凹部を、上記被転写体の表面が露出するまでエッチングした後に上記被転写体の表面の露出部分をエッチングする工程、および上記硬化した樹脂層を除去する工程をさらに有する。上記転写パターンが上記被転写体に転写されたパターン転写体を製造することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…インプリントモールド
20…光透過性基板
22…メサ構造
28…凸レンズ形状部
Nc…屈折率変化部

Claims (11)

  1. 表面および裏面を有する光透過性基板を備え、
    前記光透過性基板の前記表面側にメサ構造が設けられ、
    前記メサ構造が設けられている領域と平面視上一致する領域であるメサ構造領域は、前記光透過性基板の前記裏面側から入射する入射光を、前記メサ構造領域の中心側に屈折させる特性を有することを特徴とするインプリントモールド。
  2. 前記メサ構造領域における前記光透過性基板の前記裏面側には、前記光透過性基板の前記裏面側から入射する入射光を、前記メサ構造領域の中心側に屈折させる形状を有する凸レンズ形状部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインプリントモールド。
  3. 前記凸レンズ形状部が前記メサ構造領域の外周部を含む領域に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のインプリントモールド。
  4. 前記光透過性基板の前記メサ構造領域には、前記メサ構造領域の中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のインプリントモールド。
  5. 前記屈折率変化部が前記メサ構造領域の外周部を含む領域に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のインプリントモールド。
  6. 前記光透過性基板の前記裏面側における前記メサ構造領域を含む領域には、凹部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のインプリントモールド。
  7. 前記光透過性基板の前記表面の前記メサ構造の周囲には、遮光膜が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載のインプリントモールド。
  8. 前記光透過性基板の前記裏面の前記メサ構造領域の周囲には、遮光膜が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載のインプリントモールド。
  9. 前記メサ構造の表面に転写パターンが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載のインプリントモールド。
  10. 請求項2または請求項3に記載のインプリントモールドに用いられるインプリントモールド形成用ブランクであって、
    前記インプリントモールド形成用ブランクの前記インプリントモールドで前記メサ構造領域となる領域には、前記メサ構造領域となる領域の中心側に向かって屈折率が連続的に高くなる屈折率変化部が設けられていることを特徴とするインプリントモールド形成用ブランク。
  11. 請求項9に記載のインプリントモールドの転写パターンを被転写体の表面に設けられた硬化性樹脂層に転写する転写工程を有することを特徴とするパターン転写体の製造方法。
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