JP2019082930A - モータの保持ブレーキ寿命判定システム、モータの保持ブレーキ寿命判定装置及びモータの保持ブレーキ寿命判定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載の技術では、制動時におけるサーボモータの回転角度および角速度からブレーキの仕事量を算出し、制動する毎にその仕事量を積和して、そのブレーキの総仕事量に基づいて寿命判定する。或いは、ブレーキの総仕事量を記憶しておき、制動時の仕事量を算出して、ブレーキの総仕事量から仕事量を減算して寿命判断する。
また、特許文献2に記載の技術では、ブレーキ寿命を判断するための制動可能回数表、または総仕事量、制動時の累積データを制御装置(アンプ)に記憶する。
また、大量のデータを制御装置側のCPUに記憶する必要があり、新規のモータ追加によるデータの追加変更、さらにモータとアンプの組み合わせ変更や交換時に、各データの消去やプリセットが必要になり、正確な寿命診断ができない可能性があるという問題がある。
前記パラメータは、前記保持ブレーキの有無と、前記保持ブレーキの寿命を規定する許容回転量と、前記保持ブレーキの動作中、すなわち、保持ブレーキが、モータシャフトを保持した状態の前記シャフトの回転量の累積である累積回転量と、を含むことが好ましい。
累積回転量をエンコーダ側に記憶させることで、モータ、及びモータ制御装置の入替や交換があっても、寿命診断の精度を保持することができる。
前記エンコーダ記憶部に記憶された前記累積回転量を継続して更新することが好ましい。
また、本発明によれば、モータ、及びモータ制御装置の入替や交換があっても、精度良くブレーキ寿命を診断することができる。
したがって、この総回転量(以下、「許容回転量」と称する。)に至ったタイミングを保持ブレーキ寿命とする。
尚、許容回転量は保持ブレーキの仕様によって異なるため、モータに付属している保持ブレーキ毎に予め算出する。
1)保持ブレーキがモータシャフトを保持した状態におけるモータシャフトの回転量を累積する。
2)寿命までの残り期間(残り寿命=許容回転量−累積した回転量)
保持ブレーキ寿命に関連するパラメータや演算結果をエンコーダ内蔵の不揮発性メモリに保存する。記憶されるデータは、例えば、「保持ブレーキの有無」、「許容回転量」、「累積回転量」などである。
1)モータ回転中に異常が発生し、モータを停止させなければならない事態が発生した場合
2)サーボモータに通電しない状態に外力でシャフトが無理に回転させられた場合
3)サーボモータを励磁してから保持ブレーキがシャフトを開放するまでの間にモータが回転した場合
図1は、本実施の形態によるモータの保持ブレーキ寿命判定システムの一構成例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本実施の形態によるモータの保持ブレーキ寿命判定システムAは、モータ制御装置1と保持ブレーキ付きサーボモータ21とを有している。モータ制御装置1は、保持ブレーキの制御を行うための保持ブレーキ制御信号SG1を受信し、保持ブレーキ動作を制御する保持ブレーキ制御回路3に接続されている。
モータ制御装置1は、保持ブレーキ制御部1−1と、エンコーダ通信部1−2と、返信データ解析部1−3と、保持ブレーキ状態判定部1−4と、保持ブレーキ回転量算出部1−5と、保持ブレーキ回転量累積部1−6と、寿命診断部1−7と、寿命表示部1―8と、要求コマンド生成部1−9と、を有している。
以下に、図2から図5までのフローチャート図を参照して、本実施の形態による保持ブレーキ寿命判定処理について詳細に説明する。上記の図1の各機能ブロックを参照しながら説明する。
これにより、事前準備の処理が終了する。すなわち、エンコーダ側の記憶部23−1に、保持ブレーキの有無情報D13、許容回転量情報D14が記憶される。
次いで、ステップS12において、エンコーダ内部の記憶部23−1から、許容回転量情報D14を取得し、これを寿命診断部1−7のメモリ1―7aに記憶する。さらに、ステップS13において、エンコーダ内部の記憶部23−1から、累積回転量情報D15が記憶されていればこの累積回転量情報D15を取得し、これを寿命診断部1−7のメモリ1―7aに記憶する。
以上の処理により、モータ制御装置1の初期化処理が完了する。
なお、返信データ生成部23−2は、要求コマンド解析部23−4からの返信データ選択信号SG12により、返信データD21を選択する。
初期化処理の後には、位置データD16が返信データD21になる。そして、後述する図4のフローチャートの処理に移り、保持ブレーキ制御部1−1から保持ブレーキ制御信号SG1の出力をモニタする。
処理が開始される(スタート)と、まず、ステップS21において、保持ブレーキ状態判定部1−4が、保持ブレーキ制御部1−1からの保持ブレーキ制御信号SG1をモニタし、保持ブレーキ制御信号SG1が動作状態(Yes)の場合は、累積回転量の算出処理Saを行なう。
Noの場合には、後述するステップScに進む。
累積回転量の算出処理ステップSaは、以下の処理を含む。
1)ステップS22において、位置データ算出部23−5が算出した位置データD16に基づいて得られた位置データD1により、保持ブレーキ制御信号SG1が動作開始状態に変化した時の位置データを保持する。
2)ステップS23において、保持ブレーキ回転量算出部1−5が、保持ブレーキ動作開始時に保持した位置から「保持ブレーキ動作中の回転量」を求める。
3)ステップS24において、保持ブレーキ回転量累積部1−6が、返信データ解析部1−3からの前回までの「累積回転量」D2に、「保持ブレーキ動作中の累積回転量」D3を加算して回転量累積値を算出し、メモリ1−6aにこれを保持する。
尚、保持ブレーキ動作中とは、保持ブレーキBがモータシャフトを保持した状態を言う。
次いで、ステップSbに進む。ステップSbは残りの寿命を算出する処理を行う。
この処理では、ステップS25において、寿命診断部1−7が、残りの寿命を算出する。すなわち、ステップS25に示すように、寿命診断部1−7が、返信データ解析部1−3からの「許容回転量」D4より「累積回転量」D3を減算し、「残り寿命」D5を算出する。メモリ1−7aにこれを保持する。
ステップS21でNoの場合、および、ステップS25に続いて、ステップScにおいて、例えば残り寿命の表示処理を行う。
まず、ステップS26において、寿命表示部1−8が残り寿命D5を受け取り、返信データ解析部1−3から保持ブレーキ有無信号SG2の保持ブレーキ有りの信号を受け取ると(Yes)、ステップS27に進み、寿命表示部1−8が残り寿命D5を表示する。表示のためのデータをメモリ1−8aに記憶しても良い。
ステップS26において、寿命表示部1−8が残り寿命D5を受け取っても、返信データ解析部1−3から保持ブレーキ有無信号SG2の保持ブレーキ無しの信号を受け取ると(No)、ステップS28に進み、寿命表示部1−8が残り寿命D5を表示しない。
以上により、寿命判定・表示処理を終了する(エンド)。
図5に示すように、処理が開始されると(スタート)、ステップS31において、保持ブレーキ回転量累積部1−6が、累積回転量D3が変化したか否かを判定し(ステップS31)、Yesの場合には、ステップSdの累積回転量の記憶更新処理Sdに進み、Noの場合には、処理を終了する(エンド)。
累積回転量の記憶更新処理Sdは、以下の手順で行われる。
(ステップSd)
まず、ステップS32において、保持ブレーキ回転量累積部1−6は、新たな「累積回転量」D3を要求コマンド生成部1−9に出力する。
ステップS33において、要求コマンド生成部1−9は、エンコーダへの書き込み要求コマンドC1を生成して、エンコーダ通信部1−2に通知する。要求コマンドC1は、累積回転量に変化があったときに出力される。
ステップS34において、エンコーダ通信部1−2は、エンコーダに「累積回転量」D12を送信し、エンコーダ内部の記憶部23−1に記憶させる。
以上により、累積回転量のエンコーダ内部への記憶処理を終了する(エンド)。
累積回転量をエンコーダ側に記憶させることで、モータ、及びモータ制御装置の入替や交換があっても、寿命診断の精度を保持することができる。
すなわち、モータの変更があっても、モータ制御装置の保持ブレーキ寿命値を変更する必要がない。また、モータ制御装置を取り替えても残りの寿命を引き継いで正しく推定できる。
許容回転量と保持ブレーキが、モータシャフトを保持した状態の累積回転量、さらに保持ブレーキ有無をモータエンコーダの記憶保持手段に記憶することで、大量のデータをモータ制御装置側に記憶する必要がなくなる。また、モータ、モータ制御装置の組み合わせ変更や交換による作業の手間や寿命の誤診断、誤表示の問題を無くすことが可能になる。
本実施の形態によれば、以下の利点がある。
1)複雑な演算を必要とせずに、保持ブレーキの許容回転量と保持ブレーキが、モータシャフトを保持した状態で回転した累積回転量を比較することで寿命を簡単に推定できる。
2)“許容回転量”(保持ブレーキの寿命)をエンコーダ内蔵の不揮発性メモリに記憶することで以下の利点がある。
そこで、エンコーダ内蔵の不揮発性メモリに記憶してあれば、保持ブレーキの変更により、その都度、モータ制御装置に“許容回転量”を記憶させる変更が生じる。の変更が不要となる。
2−2)量産中のモータでも保持ブレーキの仕様が途中で変更される場合がある。その場合、保持ブレーキの変更前後で“許容回転量”が異なってしまうため、モータ制御装置に設定されている“許容回転量”を変更する必要がある。さらに、仕様変更前の保持ブレーキと“許容回転量”変更後のモータ制御装置(またその逆)を接続してしまうと寿命を正しく算出することができない。
そこで、エンコーダ内蔵の不揮発性メモリに記憶してあれば、どちらを交換しても常に正しく残り寿命を算出することができる。
3)“累積回転量”をエンコーダ内蔵の不揮発性メモリに保存することで以下の利点がある。
そこで、エンコーダ内蔵の不揮発性メモリに記憶してあれば、どのモータ制御装置と接続されても残り寿命を正しく算出することができる。
3−2)同様にサーボモータとモータ制御装置の組合せを入れ替えた時にも残り寿命を正しく算出することができる。
4)エンコーダメモリに「保持ブレーキの有無」情報を保存してあるため、ユーザがモータ制御装置に対して保持ブレーキの有無を設定する必要が無く、モータ制御装置が自動的に判断することができる。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
B…保持ブレーキ
M…モータ
1…モータ制御装置
1−1…保持ブレーキ制御部
1−2…エンコーダ通信部
1−3…返信データ解析部
1−4…保持ブレーキ状態判定部
1−5…保持ブレーキ回転量算出部
1−6…保持ブレーキ回転量累積部
1−7…寿命診断部
1−8…寿命表示部
1−9…要求コマンド生成部
3…保持ブレーキ制御回路
21…保持ブレーキ付きサーボモータ
23…エンコーダ
23−1…記憶部
23−2…返信データ生成部
23−3…通信部
23−4…要求コマンド解析部
23−5…位置データ算出部
Claims (6)
- モータのシャフトに設けられ、モータ制御装置により制御され摩擦力により前記シャフトを制動或いは保持するモータの保持ブレーキの寿命判定システムであって、
前記モータのエンコーダ内に設けられ前記保持ブレーキの寿命に関するパラメータ及びそれに基づく演算結果を記憶するエンコーダ記憶部を有することを特徴とするモータの保持ブレーキの寿命判定システム。 - 前記パラメータは、
前記保持ブレーキの有無と、前記保持ブレーキの寿命を規定する許容回転量と、前記保持ブレーキが、モータシャフトを保持した状態の前記シャフトの回転量の累積である累積回転量と、を含む請求項1に記載のモータの保持ブレーキの寿命判定システム。 - 前記モータ制御装置側に設けられ、前記エンコーダ記憶部内の前記パラメータを読み出して取得し、前記許容回転量と前記累積回転量とに基づいて寿命を推定する寿命診断部を有する請求項2に記載のモータの保持ブレーキの寿命判定システム。
- 前記エンコーダ記憶部に記憶された前記累積回転量を継続して更新することを特徴とする請求項3に記載のモータの保持ブレーキの寿命判定システム。
- モータのシャフトに設けられ、モータ制御装置により制御され摩擦力により前記シャフトを制動或いは、保持するモータの保持ブレーキの寿命判定システムにおけるモータの保持ブレーキ寿命判定装置であって、
前記モータのエンコーダ内に設けられ前記保持ブレーキの寿命に関するパラメータ及びそれに基づく演算結果を記憶するエンコーダ記憶部から許容回転量と累積回転量とを取得して寿命診断する寿命診断部を有することを特徴とするモータの保持ブレーキ寿命判定装置。 - モータのシャフトに設けられ、モータ制御装置により制御され摩擦力により前記シャフトを制動或いは、保持するモータの保持ブレーキの寿命判定システムにおけるモータの保持ブレーキ寿命判定方法であって、
前記モータのエンコーダ内に設けられ前記保持ブレーキの寿命に関するパラメータ及びそれに基づく演算結果を記憶するエンコーダ記憶部から許容回転量と累積回転量とを取得して寿命診断する寿命診断ステップを有することを特徴とするモータの保持ブレーキ寿命判定方法。
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