JP2019082397A - 超音波探傷データ処理プログラム、超音波探傷データ処理装置及び被検体の評価方法 - Google Patents

超音波探傷データ処理プログラム、超音波探傷データ処理装置及び被検体の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとを精度よく識別できる超音波探傷データ処理プログラムを提供する。【解決手段】超音波探傷データ処理プログラムは、被検体に対して超音波探傷を行うことによって得られた探傷データを処理するための超音波探傷データ処理プログラムであって、前記被検体の内部における評価対象範囲を設定する評価対象範囲設定ステップと、前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、前記被検体の内部の各位置における前記評価対象データの信号強度を示す探傷画像を表示装置に表示させるための指令を生成する表示指令生成ステップと、を演算装置に実行させる。【選択図】図1

Description

本開示は、超音波探傷データ処理プログラム、超音波探傷データ処理装置及び被検体の評価方法に関する。
被検体に対して超音波探傷を行うことで、被検体の内部を検査することが広く行われている。超音波探傷では、例えば被検体に送信した超音波の反射波に基づいて探傷画像を生成し、生成した探傷画像から被検体の内部のきずの有無やきずの位置を判断することができる(特許文献1参照)。
特開2011−141124号公報
ここで、探傷画像には、被検体のきずに起因する反射波(きずエコー)の他に、被検体の形状に起因する反射波(形状エコー)が同時に現れる。超音波探傷により被検体のきずの有無やきずの位置を判断するには、きずエコーと形状エコーを識別する必要がある。しかし、きずエコーと形状エコーを識別するのは難しい場合があるため、検査者の熟練度によって識別結果に違いが生じるおそれがある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとを精度よく識別できる超音波探傷データ処理プログラム、超音波探傷データ処理装置及び被検体の評価方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷データ処理プログラムは、
被検体に対して超音波探傷を行うことによって得られた探傷データを処理するための超音波探傷データ処理プログラムであって、
前記被検体の内部における評価対象範囲を設定する評価対象範囲設定ステップと、
前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、前記被検体の内部の各位置における前記評価対象データの信号強度を示す探傷画像を表示装置に表示させるための指令を生成する表示指令生成ステップと、
を演算装置に実行させる。
上記(1)のプログラムによれば、評価対象範囲内の領域に対応した探傷画像に基づいて、被検体のきずの位置を判定できる。したがって、評価対象範囲を被検体の形状に応じて適宜設定することで、探傷画像に形状エコーが現れるのを抑制できる。これにより、検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとの識別精度を向上できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)のプログラムにおいて、
前記被検体は溶接部を含み、
前記溶接部の開先を含む前記被検体の断面内において前記評価対象範囲の設定入力を受け付ける評価対象範囲入力ステップをさらに前記演算装置に実行させるとともに、
前記評価対象範囲設定ステップでは、前記評価対象範囲入力ステップで受け付けた設定入力に基づいて前記評価対象範囲を設定する。
上記(2)のプログラムによれば、溶接部の開先を含む被検体の探傷画像に形状エコーが現れるのを抑制できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)のプログラムにおいて、
前記被検体の溶接部の開先形状を設定する開先形状設定ステップ、
を前記演算装置に実行させ、
前記評価対象範囲入力ステップでは、
前記開先形状設定ステップで設定された前記被検体の溶接部の開先形状を前記被検体の断面形状に重畳した設定用画面を表示装置に表示させるための指令を生成し、
前記表示装置に表示された前記設定用画面上で領域が指定されると、該領域の指定を前記評価対象範囲の設定入力として受け付ける。
上記(3)のプログラムによれば、設定用画面に表示された被検体の溶接部の開先形状を参照して評価対象範囲を設定できるので、溶接部の開先形状に起因する形状エコーが探傷画像に現れるのを抑制できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)のプログラムにおいて、前記開先形状設定ステップでは、前記溶接部の開先の種類を変更可能である。
上記(4)のプログラムによれば、開先形状の設定が容易となる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)のプログラムにおいて、前記開先形状設定ステップでは、開先におけるルート間隔を規定する端部が溶接の相手側の部材に向かって突出する突出長さを変更可能である。
上記(5)のプログラムによれば、開先形状の設定精度を向上できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかのプログラムにおいて、
前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、抽出した前記評価対象データに基づいて、きずであることを判定するための判定条件を満たす前記被検体の内部の領域をきずであると判定するきず判定ステップと、
前記きず判定ステップできずであると判定された領域について少なくとも前記被検体における位置の情報を表示装置に表示させるための指令を生成する情報表示指令生成ステップと、
を前記演算装置に実行させ、
前記判定条件は、少なくとも前記評価対象データの信号強度が閾値を超えていることである。
上記(6)のプログラムによれば、形状エコーの影響を抑制してきずを精度よく検出できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)のプログラムにおいて、
前記きず判定ステップできずであると判定された領域が存在しない場合に合格であると判定し、前記きず判定ステップできずであると判定された領域が存在する場合に不合格であると判定する合否判定ステップと、
前記合否判定ステップでの判定結果を表示装置に表示させるための指令を生成する判定表示指令生成ステップと、
を前記演算装置に実行させる。
上記(7)のプログラムによれば、被検体の超音波探傷の結果の合否が容易に認識できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(6)又は(7)のプログラムにおいて、
前記判定条件は、第1判定条件と、第1判定条件とは異なる第2判定条件とを含み、
前記判定条件の切替が指示されると、前記判定条件を前記第1判定条件及び前記第2判定条件の何れか一方から何れか他方へ切り替える判定条件切替ステップ、
を前記演算装置に実行させる。
上記(8)のプログラムによれば、判定条件を変更することできずの検出状態がどのように変化するかを確認できる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷データ処理装置は、
被検体に対して超音波探傷を行うことによって得られた探傷データを処理するための超音波探傷データ処理装置であって、
前記被検体の内部における評価対象範囲を設定する評価対象範囲設定部と、
前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、前記被検体の内部の各位置における前記評価対象データの信号強度を示す探傷画像を表示装置に表示させるための指令を生成する表示指令生成部と、
を備える。
上記(9)の構成によれば、評価対象範囲内の領域に対応した探傷画像に基づいて、被検体のきずの位置を判定できる。したがって、評価対象範囲を被検体の形状に応じて適宜設定することで、探傷画像に形状エコーが現れるのを抑制できる。これにより、検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとの識別精度を向上できる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る被検体の評価方法は、
被検体の内部のきずの有無を評価する被検体の評価方法であって、
前記被検体に対して超音波探傷を行うことによって探傷データを得る探傷ステップと、
前記被検体の内部における評価対象範囲を設定する設定ステップと、
前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、前記被検体の内部の各位置における前記評価対象データの信号強度を示す探傷画像を表示装置に表示させる表示ステップと、
前記表示装置に表示された前記探傷画像に基づいて前記評価対象範囲内のきずの有無を評価する評価ステップと、
を備える。
上記(10)の方法によれば、評価対象範囲を被検体の形状に応じて適宜設定することで、探傷画像に形状エコーが現れるのを抑制できる。これにより、検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとの識別精度を向上できるので、被検体の内部のきずの有無を精度よく評価できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとの識別精度を向上できる。
一実施形態に係る超音波探傷データ処理装置の全体構成図である。 一実施形態に係る被検体の評価方法における概略の流れを示すフローチャートである。 探傷ステップで行われる超音波探傷検査の様子を模式的に示す図である。 設定ステップで行われる処理の流れを示すフローチャートである。 第1判定条件を設定するための判定条件設定画面である。 第2判定条件を設定するための判定条件設定画面である。 開先形状設定画面を示す図である。 評価対象範囲入力画面を示す図である。 表示ステップで行われる処理の流れを示すフローチャートである。 判定結果表示画面を示す図である。 判定結果表示画面を示す図である。 判定条件切替ステップにおける処理を示すフローチャートである。 表示装置で表示される3次元探傷画像についての表示画像である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る超音波探傷データ処理装置の全体構成図である。超音波探傷データ処理装置1は、被検体に対して超音波探傷を行うことによって得られた探傷データを処理するための超音波探傷データ処理装置であり、例えばコンピュータ等によって構成される。
超音波探傷データ処理装置1は、演算装置であるCPU2と、記憶装置3と、を備えている。CPU2は、少なくとも評価対象範囲設定部21及び表示指令生成部22の各機能ブロックを仮想的に有している。
評価対象範囲設定部21は、後述するように、被検体の内部における評価対象範囲を設定する。また、表示指令生成部22は、後述するように、探傷データのうち、評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、被検体の内部の各位置における評価対象データの信号強度(エコー高さ)を示す探傷画像を表示装置5に表示させるための指令を生成する。表示指令生成部22で生成された表示指令は、外部の表示装置5に出力される。表示装置5は、表示指令生成部22で生成された表示指令に基づく画像を表示する。
これにより、一実施形態の超音波探傷データ処理装置1では、評価対象範囲内の領域に対応した探傷画像に基づいて、被検体のきずの位置を判定できる。したがって、評価対象範囲を被検体の形状に応じて適宜設定することで、探傷画像に形状エコーが現れるのを抑制できる。これにより、検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとの識別精度を向上できる。
図2は、一実施形態に係る被検体の評価方法における概略の流れを示すフローチャートである。一実施形態に係る被検体の評価方法は、探傷ステップS1と、設定ステップS3と、表示ステップS5と、評価ステップS7とを含む。
探傷ステップS1は、超音波探傷装置を用いて、被検体に対して超音波探傷を行うことによって探傷データを得るステップである。
図3は、探傷ステップS1で行われる超音波探傷検査の様子を模式的に示す図である。一実施形態に係る被検体の評価方法では、被検体は、例えばボイラ等で使用される配管7である。以下の説明では、被検体である配管の円周方向の溶接部8の近傍に生じるきずの有無を検査するものとする。
探傷ステップS1で行われる超音波探傷検査で用いられる超音波探傷装置10は、例えばフェイズドアレイ法による超音波探傷やTOFD法による超音波探傷を行う装置である。以下の説明では、フェイズドアレイ法による超音波探傷を行う場合を例に挙げて説明するが、TOFD法による超音波探傷を行ってもよい。
探傷ステップS1で行われる超音波探傷検査では、例えば探傷子11は、溶接部8を挟んで配管7の管軸方向に離間した2カ所に配置される。そして、2つの探傷子11を配管7の周方向に移動させながら超音波探傷を行う。
説明の便宜上、配管7の管軸方向に関し、図3における図示左側をボイラ前側と称し、図示右側をボイラ後側と称する。
一実施形態では、図3において、超音波探傷装置10は、セクタ走査と呼ばれる電子走査の走査面が、配管7の管軸方向及び配管の板厚方向に沿って延在する平面に沿うように超音波を走査する。
超音波探傷によって得られた探傷データは、超音波探傷装置10の不図示の記憶装置に格納される。
なお、図3に示した一実施形態の超音波探傷装置10では、配管7の円周方向の溶接部8の1カ所につき、ボイラ前側の探傷子11による直射法による探傷データと、ボイラ前側の探傷子11による1回反射法による探傷データと、ボイラ後側の探傷子11による直射法による探傷データと、ボイラ後側の探傷子11による1回反射法による探傷データとの4つの探傷データが得られる。以下の説明では、これら4つの探傷データの組を探傷データグループと呼ぶこともある。
なお、直射法による探傷データとは、探傷子11から直接出射された超音波によるエコーのデータのことである。また、1回反射法による探傷データとは、探傷子11から出射された超音波を被検体の内部で1回反射させた超音波によるエコーのデータのことである。
一実施形態の超音波探傷装置10では、上記4つの探傷データの組が、探傷箇所の数だけ得られる。
設定ステップS3は、被検体の内部における評価対象範囲を設定する等、後述する表示ステップS5を実施するための準備を行うためのステップである。
探傷ステップS1で取得された探傷データには、被検体のきずに起因する反射波(きずエコー)のデータの他に、被検体の形状に起因する反射波(形状エコー)のデータが含まれる。そのため、探傷データに基づいて得られる探傷画像には、きずエコーの他に、形状エコーが同時に現れる。超音波探傷により被検体のきずの有無やきずの位置を判断するには、きずエコーと形状エコーとを識別する必要がある。しかし、きずエコーと形状エコーとを識別するのは難しい場合があるため、検査者の熟練度によって識別結果に違いが生じるおそれがある。
そこで、一実施形態に係る被検体の評価方法では、設定ステップS3において、被検体の内部における後述する評価対象範囲を設定することにより、後述する表示ステップS5で表示装置5に表示させる探傷画像に探傷画像に評価対象範囲外の形状エコーが現れるのを抑制する。なお、設定ステップS3における処理の詳細については、後で説明する。
表示ステップS5は、探傷データのうち、設定ステップS3で設定された評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、被検体の内部の各位置における評価対象データの信号強度を示す探傷画像を表示装置5に表示させるステップである。表示ステップS5における処理の詳細については、後で説明する。
評価ステップS7は、表示装置5に表示された探傷画像に基づいて評価対象範囲内のきずの有無を評価するステップである。評価ステップS7では、表示装置5に表示された探傷画像に基づく検査員による評価対象範囲内のきずの有無の確認等が行われる。評価ステップS7の詳細については、後で説明する。
(設定ステップS3について)
以下、設定ステップS3の詳細について説明する。
図4は、設定ステップS3で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
設定ステップS3では、以下に述べる探傷データ読込ステップS31と、判定条件設定ステップS33と、開先形状設定ステップS35と、評価対象範囲入力ステップS37と、評価対象範囲設定ステップS39とが実施される。
設定ステップS3においてCPU2で実行されるプログラムは、被検体に対して超音波探傷を行うことによって得られた探傷データを処理するための超音波探傷データ処理プログラムである。
説明の便宜上、以下の説明では、探傷データ読込ステップS31から評価対象範囲設定ステップS39が順次実行されるものとして説明する。しかし、探傷データ読込ステップS31から開先形状設定ステップS35については、その実行順序は以下に説明する順序に限定されず、何れのステップから実行されてもよい。なお、評価対象範囲入力ステップS37は、探傷データ読込ステップS31から開先形状設定ステップS35が実行された後に実行される。また、評価対象範囲設定ステップS39は、評価対象範囲入力ステップS37が実行された後、実行される。
(探傷データ読込ステップS31)
探傷データ読込ステップS31は、超音波探傷によって得られた探傷データを読み込むステップである。CPU2は、超音波探傷によって得られた探傷データを読み込むように指示されると、探傷データを読み込んで記憶装置3に記憶させる。なお、探傷データ読込ステップS31では、例えば超音波探傷データ処理装置1と超音波探傷装置10とを有線又は無線で接続して探傷データを読み込んでもよく、メモリカードなどの記録媒体を介して探傷データを読み込んでもよく、通信網等を介して探傷データを読み込んでもよい。
(判定条件設定ステップS33)
判定条件設定ステップS33は、探傷データ読込ステップS31で読み込んだ探傷データにおいて、探傷検査の結果に対する合否判定を行う際の判定条件等を設定するためのステップである。CPU2は、判定条件の設定が指示されると、例えば、図5及び図6に示すような判定条件設定画面100を表示装置5に表示させる。
判定条件設定画面100は、探傷画像を表示する際のエコー高さに応じた表示色の設定や、探傷検査の結果に対する合否判定のための閾値を設定するための設定画面である。なお、一実施形態に係る探傷画像の詳細については、後で説明する。
一実施形態では、探傷検査の結果に対する合否判定のための閾値について、第1条件と第2条件との2つの判定条件を設定できる。図5は、第1判定条件を設定するための判定条件設定画面100であり、図6は、第2判定条件を設定するための判定条件設定画面100である。
一実施形態では、例えば第2判定条件は、第1判定条件よりも軽微なきずであっても不合格と判定されるように、第1判定条件よりも厳しい条件に設定される。
第1判定条件切替ボタン101は、図6に示した第2判定条件を設定するための判定条件設定画面100から図5に示した第1判定条件を設定するための判定条件設定画面100に切り替えるための機能ボタンである。
第2判定条件切替ボタン102は、図5に示した第1判定条件を設定するための判定条件設定画面100から図6に示した第2判定条件を設定するための判定条件設定画面100に切り替えるための機能ボタンである。
エコー高さ設定領域110は、探傷画像における表示色とエコー高さとの関係を設定するための表示領域であり、色設定部111a〜111eと、エコー高さ設定部112a〜112dを含む。
色設定部111a〜111eでは、探傷画像における表示色をエコー高さ設定部112a〜112dで設定されるエコー高さに応じて設定できる。色設定部111a〜111eの何れか一つが選択されると、不図示の色選択用のダイヤログが表示され、該ダイヤログから任意の色を選ぶことができるようになる。該ダイヤログから何れかの色が指定されると、指定された色が選択されている色設定部111a〜111eの設定色として設定される。
エコー高さ設定部112a〜112dでは、色設定部111a〜111eで設定された色とエコー高さとの関係を設定できる。エコー高さ設定部112a〜112dの何れか一つが選択されると、エコー高さが入力可能となる。エコー高さ設定部112a〜112dで入力可能なエコー高さの範囲は0%以上100%以下である。
後述する探傷画像では、エコー高さ設定部112aで設定されたエコー高さ未満の領域が、色設定部111aで設定された設定色で表示される。
同様に、探傷画像では、エコー高さ設定部112aで設定されたエコー高さ以上であり、且つ、エコー高さ設定部112bで設定されたエコー高さ未満の領域が、色設定部111bで設定された設定色で表示される。
後述する探傷画像では、エコー高さ設定部112bで設定されたエコー高さ以上であり、且つ、エコー高さ設定部112cで設定されたエコー高さ未満の領域が、色設定部111cで設定された設定色で表示される。
後述する探傷画像では、エコー高さ設定部112cで設定されたエコー高さ以上であり、且つ、エコー高さ設定部112dで設定されたエコー高さ未満の領域が、色設定部111dで設定された設定色で表示される。
後述する探傷画像では、エコー高さ設定部112dで設定されたエコー高さ以上の領域が、色設定部111eで設定された設定色で表示される。
なお、エコー高さに応じて探傷画像における表示色を上述したように離散的に変更してもよく、エコー高さに応じて表示色を補間し、エコー高さに応じて探傷画像における表示色を連続的に変更するようにしてもよい。
検出レベル設定ボタン113a〜113dは、エコー高さ設定部112a〜112dで設定されたエコー高さの何れか一つを、きずの検出レベルとして設定するためのラジオボタンである。きずの検出レベルは、後述するように、きずを不合格と判定する際の判定条件(閾値)の一つである。
例えば、検出レベル設定ボタン113aが選択された場合、エコー高さ設定部112aで設定されたエコー高さが、きずの検出レベルとして設定される。
同様に、検出レベル設定ボタン113bが選択された場合、エコー高さ設定部112bで設定されたエコー高さが、きずの検出レベルとして設定される。
同様に、検出レベル設定ボタン113cが選択された場合、エコー高さ設定部112cで設定されたエコー高さが、きずの検出レベルとして設定される。
同様に、検出レベル設定ボタン113dが選択された場合、エコー高さ設定部112dで設定されたエコー高さが、きずの検出レベルとして設定される。
判定レベル設定ボタン114a〜114dは、エコー高さ設定部112a〜112dで設定されたエコー高さの何れか一つを、きずの判定レベルとして設定するためのラジオボタンである。
例えば、判定レベル設定ボタン114aが選択された場合、エコー高さ設定部112aで設定されたエコー高さが、きずの判定レベルとして設定される。
同様に、判定レベル設定ボタン114bが選択された場合、エコー高さ設定部112bで設定されたエコー高さが、きずの判定レベルとして設定される。
同様に、判定レベル設定ボタン114cが選択された場合、エコー高さ設定部112cで設定されたエコー高さが、きずの判定レベルとして設定される。
同様に、判定レベル設定ボタン114dが選択された場合、エコー高さ設定部112dで設定されたエコー高さが、きずの判定レベルとして設定される。
判定長さ設定部115は、上述したように設定されたきずの検出レベルを超えるエコー高さの領域がどの程度の長さ以上存在した場合に探傷検査の結果が不合格であると判定するのかを設定するための設定部である。すなわち、判定長さ設定部115は、きずを不合格と判定する際の判定条件(閾値)の一つである、判定長さLtを設定するための設定部である。
一実施形態では、後述するように、きずの検出レベルを超えるエコー高さの領域が判定長さLt以上連続して存在した場合に、探傷検査の結果が不合格であると判定される。
なお、一実施形態では、後述するように、きずの判定レベルを超えるエコー高さの領域が存在した場合、該領域が判定長さLt以上連続して存在するか否かに関わらず、探傷検査の結果が不合格であると判定される。すなわち、きずの判定レベルは、きずを不合格と判定する際の閾値である。
きず間隔設定部116は、きずの検出レベルを超えるエコー高さの領域が判定長さLt以上連続して存在するか否かを判定する際に、途中にきずの検出レベル未満のエコー高さの領域が存在したとしても連続したきずであると見做すための条件を設定する設定部である。
一実施形態では、きずの検出レベルを超えるエコー高さの領域が判定長さLt以上連続して存在するか否かを判定する際に、途中にきずの検出レベル未満のエコー高さの領域が存在したとしても、該領域の長さがきず間隔設定部116で設定した設定長さ未満であれば、CPU2は、連続したきずであると判断する。
閉じるボタン118が選択されると、CPU2は、判定条件設定画面100における設定内容を判定条件データとして記憶装置3に記憶させ、判定条件設定ステップS33における処理を終了する。
(開先形状設定ステップS35)
開先形状設定ステップS35は、被検体の溶接部の開先形状を設定するステップである。CPU2は、開先形状の設定が指示されると、例えば、図7に示すような開先形状設定画面200を表示装置5に表示させる。
開先種類選択部201は、開先の種類を選択するための画面表示であり、開先種類選択部201が選択されると開先の種類を選択するための選択肢が表示される。例えば、一実施形態では、開先種類選択部201が選択されると開先形状がV型又はX型であることを選択する選択肢と、開先形状がJ型又はU型であることを選択する選択肢とが表示される。検査員は、上記何れかの選択肢を選択することができる。これにより、開先形状の設定が容易となる。
寸法入力部202は、開先種類選択部201で選択された種類の開先の各部の寸法を入力するための画面表示である。寸法入力部202で入力可能な部位は、開先種類選択部201で選択された開先の種類に応じて変更される。
開先形状参照画像203は、寸法入力部202で入力可能な開先の各部を図示するための画面表示である。開先形状参照画像203における開先の形状を表す画像は、開先種類選択部201で選択された開先の種類に応じて変更される。開先形状参照画像203においてアルファベットの符号で示した寸法等は、寸法入力部202において寸法等の入力欄に付したアルファベットと対応する。例えば、開先形状参照画像203において符号aで示した寸法は、被検体の肉厚である。また、寸法入力部202においてアルファベットのaを付した寸法の入力欄は、被検体の肉厚の入力欄である。
一実施形態では、例えば、開先種類選択部201で選択された開先の種類がV型又はX型である場合、次の部位の寸法等が入力可能となる。
1.被検体の板厚、すなわち、開先形状参照画像203における符号aで示す部位の肉厚。
2.開先深さ及びべベル角度、すなわち開先形状参照画像203における符号bで示す部位の高さ及び角度。
3.ルート半径、すなわち、開先形状参照画像203における符号cで示す部位の半径。
4.ルート間隔を規定する端部が溶接の相手側の部材に向かって突出する突出長さ、すなわち、開先形状参照画像203における符号dで示す部位の長さ。
5.ルート面の長さ、すなわち、開先形状参照画像203における符号eで示す部位の高さ。
6.開先形状参照画像203におけるルート面下側の傾斜面の高さ及び角度、すなわち、開先形状参照画像203における符号fで示す部位の高さ及び角度。
7.ルート間隔、すなわち、開先形状参照画像203における符号gで示す部位のギャップ長さ。
このように、一実施形態では、開先の各部の寸法を入力できるので、開先形状の設定精度を向上できる。
なお、例えば、開先種類選択部201で選択された開先の種類がJ型又はU型である場合も同様である。
開先形状表示画像204は、開先種類選択部201で選択された開先の種類と、寸法入力部202で入力された入力値とが反映された開先の画像を表示する画面表示である。
更新ボタン205が選択されると、CPU2は、開先形状設定画面200における設定内容を開先形状データとして記憶装置3に記憶させる。なお、一実施形態では、設定内容が異なる複数の開先形状データを設定して記憶装置3に記憶させることができる。
閉じるボタン206が選択されると、CPU2は、開先形状設定ステップS35における処理を終了する。
(評価対象範囲入力ステップS37)
ここで、評価対象範囲について説明する。
上述したように、探傷データに基づいて得られる探傷画像には、きずエコーの他に、形状エコーが同時に現れる。超音波探傷により被検体のきずの有無やきずの位置を判断するには、きずエコーと形状エコーとを識別する必要がある。
そこで、一実施形態では、被検体の内部の領域のうち、きずエコーの評価を行うべき領域、すなわち観察したいエコーが含まれる領域を評価対象範囲として設定する。
一実施形態では、評価対象範囲を設定することで、評価対象範囲以外の領域からの形状エコーの影響を排除することができる。具体的には、一実施形態では、後述する探傷画像において、評価対象範囲内からのエコーの像を探傷画像に表示させ、評価対象範囲外からのエコーの像を探傷画像に表示させないようにすることができる。また、一実施形態では、後述するように、評価対象範囲外からのエコーに影響されることなく、評価対象範囲内からのエコーに基づいて探傷検査の結果に対する合否判定を行うことができる。
なお、一実施形態では、上述したように2つの探傷子11によって得られた4つの探傷データのそれぞれに関して、評価対象範囲を個別に設定できる。
評価対象範囲入力ステップS37は、溶接部の開先を含む被検体の断面内において評価対象範囲の設定入力を受け付けるステップである。評価対象範囲設定部21は、評価対象範囲の入力が指示されると、例えば、図8に示すような評価対象範囲入力画面300を表示装置5に表示させる。
第1探傷子切替ボタン301は、2つの探傷子11のうちの何れか一方の探傷子11で得られた探傷データに関して評価対象範囲を設定する際に選択するためのボタンである。一実施形態では、第1探傷子切替ボタン301は、例えばボイラ前側の探傷子11で得られた探傷データに関して評価対象範囲を設定する際に選択するためのボタンである。
第2探傷子切替ボタン302は、2つの探傷子11のうちの何れか他方の探傷子11で得られた探傷データに関して評価対象範囲を設定する際に選択するためのボタンである。一実施形態では、第2探傷子切替ボタン302は、例えばボイラ後側の探傷子11で得られた探傷データに関して評価対象範囲を設定する際に選択するためのボタンである。
なお、図8は、第2探傷子切替ボタン302が選択されて、ボイラ後側の探傷子11で得られた探傷データに関して評価対象範囲を設定する画面表示となった場合の一例である。
第1範囲入力部303は、評価対象範囲を入力するための画面表示である。第1範囲入力部303は、何れかの探傷子切替ボタン301,302で選択された探傷子11についての、直射法による探傷データに関して評価対象範囲設定するための画面表示である。
第1範囲入力部303では、評価対象範囲を多角形の枠として設定可能であり、多角形の頂点数を選択する頂点数設定部303aと、各頂点の座標を入力する複数の座標入力部303bとを含む。
第1範囲入力部303に表れる座標入力部303bの数は、頂点数設定部303aにおける頂点の設定数に応じて増減する。
座標入力部303bのそれぞれでは、例えば管軸方向の位置yと、板厚方向の位置dとを入力できる。
第2範囲入力部304は、評価対象範囲を入力するための画面表示である。第1範囲入力部303は、何れかの探傷子切替ボタン301,302で選択された探傷子11についての、1回反射法による探傷データに関して評価対象範囲設定するための画面表示である。
第2範囲入力部304では、評価対象範囲を多角形の枠として設定可能であり、多角形の頂点数を選択する頂点数設定部304aと、各頂点の座標を入力する複数の座標入力部304bとを含む。
第2範囲入力部304に表れる座標入力部304bの数が増減する点、及び、座標入力部304bのそれぞれにおいて、管軸方向の位置yと、板厚方向の位置dとを入力できる点は、上記第1範囲入力部303と同じである。
第1Cスコープ表示画像311は、何れかの探傷子切替ボタン301,302で選択された探傷子についての、直射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第1Cスコープ表示画像311は、被検体である配管7の周方向の角度を横軸にとり、配管7の板厚(深さ)を縦軸にとったときの探傷画像である。
なお、第1Cスコープ表示画像311では、配管7の管軸方向の位置の情報、すなわち電子走査による走査面内のある方向に沿った位置の情報が欠落している。第1Cスコープ表示画像311では、周方向角度及び深さが等しいが管軸方向の異なる位置からのエコーのうち、最も強度が高いエコーの情報が現れている。
第1Cスコープ表示画像311には、検査員が操作可能なカーソル313が重畳表示されている。カーソル313は、第1Cスコープ表示画像311の横軸方向に移動可能である。
第2Cスコープ表示画像312は、何れかの探傷子切替ボタン301,302で選択された探傷子についての、1回反射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第2Cスコープ表示画像312は、被検体である配管7の周方向の角度を横軸にとり、配管7の板厚(深さ)を縦軸にとったときのエコー高さを示す探傷画像である。
なお、第2Cスコープ表示画像312では、配管7の管軸方向の位置の情報、すなわち電子走査による走査面内のある方向に沿った位置の情報が欠落している。第2Cスコープ表示画像312では、周方向角度及び深さが等しいが管軸方向の異なる位置からのエコーのうち、最も強度が高いエコーの情報が現れている。
第2Cスコープ表示画像312には、検査員が操作可能なカーソル314が重畳表示されている。カーソル314は、第2Cスコープ表示画像312の横軸方向に移動可能である。
第1Sスコープ表示画像330は、何れかの探傷子切替ボタン301,302で選択された探傷子についての、直射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第1Sスコープ表示画像330は、配管7の管軸方向に沿ったある断面についてエコー高さを示す探傷画像331と、配管7の断面及び溶接部の開先形状を表す配管断面図332とが重畳的に表示される表示画像である。また、第1Sスコープ表示画像330には、第1範囲入力部303で入力された評価対象範囲を表す多角形の枠333も重畳的に表示される。枠333の各頂点の位置は、第1範囲入力部303における入力内容が反映されたものである。すなわち、検査員は、第1Sスコープ表示画像330における枠333の形状を確認しながら、評価対象範囲を設定できる。
なお、探傷画像331は、第1Cスコープ表示画像311でのカーソル313の位置に対応する配管7の周方向の角度位置における探傷画像である。したがって、検査員が第1Cスコープ表示画像311のカーソル313の位置を変更すると、探傷画像331は、変更後のカーソル313の位置に対応する角度位置の画像に変更される。
第2Sスコープ表示画像340は、何れかの探傷子切替ボタン301,302で選択された探傷子についての、1回反射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第2Sスコープ表示画像340は、配管7の管軸方向に沿ったある断面についてエコー高さを示す探傷画像341と、配管7の断面及び溶接部の開先形状を表す配管断面図342とが重畳的に表示される表示画像である。また、第2Sスコープ表示画像340には、第2範囲入力部304で入力された評価対象範囲を表す枠343も重畳的に表示される。枠343の各頂点の位置は、第2範囲入力部304における入力内容が反映されたものである。すなわち、検査員は、第2Sスコープ表示画像340における枠343の形状を確認しながら、評価対象範囲を設定できる。
なお、探傷画像341は、第2Cスコープ表示画像312でのカーソル314の位置に対応する配管7の周方向の角度位置における探傷画像である。したがって、検査員が第2Cスコープ表示画像312のカーソル314の位置を変更すると、探傷画像341は、変更後のカーソル314の位置に対応する角度位置の画像に変更される。
なお、第1Cスコープ表示画像311、第1Sスコープ表示画像330における探傷画像331、第2Cスコープ表示画像312、及び、第2Sスコープ表示画像340における探傷画像341は、データ読込ボタン307が選択されて、記憶装置3に記憶された探傷データを読み込んだ後、表示される。なお、詳細な説明は省略するが、データ読込ボタン307が選択されて、記憶装置3に記憶された探傷データを読み込む際、何れの溶接部8についての探傷データを読み込むのかを選択することができる。
また、第1Sスコープ表示画像330における配管断面図332、及び、第2Sスコープ表示画像340における配管断面図342は、データ読込ボタン307が選択されて、記憶装置3に記憶された開先形状データを読み込んだ後、表示される。すなわち、配管断面図332,342における開先の種類や各部の寸法には、開先形状設定ステップS35における設定内容が反映されている。
なお、詳細な説明は省略するが、データ読込ボタン307が選択されて、記憶装置3に記憶された開先形状データを読み込む際、記憶装置3に記憶されている複数の開先形状データの何れを読み込むのかを選択することができる。
拡大ボタン334は、第1Sスコープ表示画像330の一部を拡大して表示させるための操作部である。縮小ボタン335は、第1Sスコープ表示画像330を縮小して表示させるための操作部である。
拡大ボタン344は、第2Sスコープ表示画像340の一部を拡大して表示させるための操作部である。縮小ボタン345は、第2Sスコープ表示画像340を縮小して表示させるための操作部である。
(評価対象範囲設定ステップS39)
評価対象範囲設定ステップS39は、被検体の内部における評価対象範囲を設定するステップである。
図8に示した評価対象範囲入力画面300の更新ボタン308が選択されると、評価対象範囲設定部21は、評価対象範囲入力画面300における設定内容を評価対象範囲データとして記憶装置3に記憶させる。なお、一実施形態では、設定内容が異なる複数の評価対象範囲データを設定して記憶装置3に記憶させることができる。
閉じるボタン309が選択されると、評価対象範囲設定部21は、評価対象範囲入力ステップS37及び評価対象範囲設定ステップS39における処理を終了する。
(表示ステップS5について)
以下、表示ステップS5の詳細について説明する。
図9は、表示ステップS5で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
表示ステップS5では、以下に述べるきず判定ステップS41と、合否判定ステップS43と、表示指令生成ステップS45と、情報表示指令生成ステップS471と、判定表示指令生成ステップS473と、表示指令出力ステップS49とが実施される。
表示ステップS5においてCPU2で実行されるプログラムは、被検体に対して超音波探傷を行うことによって得られた探傷データを処理するための超音波探傷データ処理プログラムである。
(きず判定ステップS41)
きず判定ステップS41は、探傷データのうち、評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、抽出した評価対象データに基づいて、きずであることを判定するための判定条件を満たす被検体の内部の領域をきずであると判定するステップである。
具体的には、表示装置5に表示された不図示のメイン画面において、判定の開始を指示するための判定ボタンが選択されると、CPU2は、きず判定ステップS41の処理を開始する。
きず判定ステップS41では、CPU2は、判定の対象とする探傷データグループ、すなわち、2つの探傷子11のそれぞれについての直射法及び1回反射法による探傷データと、判定の際に用いる評価対象範囲データとを選択させる不図示の画面表示を表示装置5に表示させる。
検査員の操作入力によって、判定の対象とする探傷データグループと、判定の際に用いる評価対象範囲データとが選択されると、CPU2は、選択された探傷データグループのデータと評価対象範囲データとに加え、判定条件データを記憶装置3から読み込む。そして、CPU2は、読み込んだ探傷データグループのそれぞれの探傷データから、評価対象範囲データを参照して、評価対象範囲内の領域に対応したデータを評価対象データとして抽出する。
次いでCPU2は、抽出した評価対象データについて、判定条件データにおける判定条件を満たす被検体の内部の領域をきずであると判定する。具体的には、CPU2は、探傷データグループの各探傷データから抽出した評価対象データに基づいて、きずの検出レベルを超えるエコー高さの領域が判定長さLt以上連続して存在するか否かを判定する。また、CPU2は、きずの検出レベルを超えるエコー高さの領域が判定長さLt以上連続して存在する場合、その領域をきずであると判定するとともに、その領域の位置や長さ、最大エコー高さ等を特定する。
また、CPU2は、探傷データグループの各探傷データから抽出した評価対象データに基づいて、きずの判定レベルを超えるエコー高さの領域が存在するか否かを判定する。
また、CPU2は、きずの判定レベルを超えるエコー高さの領域が存在する場合、その領域をきずであると判定するとともに、その領域の位置や長さ、最大エコー高さ等を特定する。
したがって、形状エコーの影響を抑制してきずを精度よく検出できる。
(合否判定ステップS43)
合否判定ステップS43では、CPU2は、きず判定ステップS41できずであると判定された領域が存在しない場合に合格であると判定し、きず判定ステップS41できずであると判定された領域が存在する場合に不合格であると判定する。
(表示指令生成ステップS45)
表示指令生成ステップS45は、被検体の内部の各位置における評価対象データの信号強度であるエコー高さを示す探傷画像を表示装置5に表示させるための指令を生成するステップである。
表示指令生成ステップS45において、表示指令生成部22は、きず判定ステップS41において抽出した評価対象データに基づき、エコー高さを示す探傷画像の画像データを生成する。なお、表示指令生成部22は、探傷画像の画像データを生成する際、判定条件データに含まれる表示色の設定内容、すなわち、判定条件設定画面100における表示色の設定内容を反映させる。
(情報表示指令生成ステップS471)
情報表示指令生成ステップS471は、きず判定ステップS41できずであると判定された領域について少なくとも被検体における位置の情報を表示装置5に表示させるための指令を生成するステップである。
情報表示指令生成ステップS471では、表示指令生成部22は、きず判定ステップS41で特定した、きずであると判定した領域の位置や長さ、最大エコー高さ等の情報の表示するための表示データを生成する。
(判定表示指令生成ステップS473)
判定表示指令生成ステップS473は、合否判定ステップS43での判定結果を表示装置5に表示させるための指令を生成するステップである。
判定表示指令生成ステップS473では、表示指令生成部22は、後述する判定結果表示画面400において合否判定ステップS43での判定結果が合格であるか、不合格であるかを表す判定表示471,472(図10,11参照)の表示データを生成する。
これにより、被検体の超音波探傷の結果の合否が容易に認識できる。
(表示指令出力ステップS49)
表示指令出力ステップS49では、表示指令生成部22は、表示指令生成ステップS45、情報表示指令生成ステップS471、及び判定表示指令生成ステップS473の各ステップで生成された画像データや表示データを表示指令として表示装置5に出力する。
図10及び図11は、上述した各ステップで生成された画像データや表示データによる表示画像を1画面にまとめて表示する判定結果表示画面400を示す図である。
図10は、第1判定条件に基づいて各ステップで生成された画像データや表示データによる表示画像についての判定結果表示画面400である。
図11は、第2判定条件に基づいて各ステップで生成された画像データや表示データによる表示画像についての判定結果表示画面400である。
判定結果表示画面400には、第1Dスコープ表示画像410と、第1Sスコープ表示画像411と、第1ビームイメージ画像412とが表示される。また、判定結果表示画面400には、第2Dスコープ表示画像420と、第2Sスコープ表示画像421と、第2ビームイメージ画像422とが表示される。
判定結果表示画面400には、第3Dスコープ表示画像430と、第3Sスコープ表示画像431と、第3ビームイメージ画像432とが表示される。
判定結果表示画面400には、第4Dスコープ表示画像440と、第4Sスコープ表示画像441と、第4ビームイメージ画像442とが表示される。
また、判定結果表示画面400には、断面表示画像450と、きず情報表示欄460とが表示される。
第1Dスコープ表示画像410は、例えば、ボイラ前側の探傷子11についての、直射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第1Dスコープ表示画像410は、被検体である配管7の周方向の角度を横軸にとり、配管7の板厚(深さ)を縦軸にとったときの探傷画像であり、評価対象範囲内のエコー高さだけを表している。すなわち、第1Dスコープ表示画像410には、評価対象範囲を設定しなければ表れる評価対象範囲外のエコーが表れない。この点は、後述する第2Dスコープ表示画像420〜第4Dスコープ表示画像440において同様である。
なお、第1Dスコープ表示画像410では、配管7の管軸方向の位置の情報、すなわち電子走査による走査面内のある方向に沿った位置の情報が欠落している。第1Dスコープ表示画像410では、周方向角度及び深さが等しいが管軸方向の異なる位置からのエコーのうち、最も強度が高いエコーの情報が現れている。この点は、後述する第2Dスコープ表示画像420〜第4Dスコープ表示画像440において同様である。
第1Dスコープ表示画像410には、検査員が操作可能なカーソル413が重畳表示されている。カーソル413は、第1Dスコープ表示画像410の横軸方向に移動可能である。
第2Dスコープ表示画像420は、例えば、ボイラ前側の探傷子11についての、1回反射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。
第2Dスコープ表示画像420には、検査員が操作可能なカーソル423が重畳表示されている。カーソル423は、第2Dスコープ表示画像420の横軸方向に移動可能である。
第3Dスコープ表示画像430は、例えば、ボイラ後側の探傷子11についての、直射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。
第3Dスコープ表示画像430には、検査員が操作可能なカーソル433が重畳表示されている。カーソル433は、第3Dスコープ表示画像430の横軸方向に移動可能である。
第4Dスコープ表示画像440は、例えば、ボイラ後側の探傷子11についての、1回反射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。
第4Dスコープ表示画像440には、検査員が操作可能なカーソル443が重畳表示されている。カーソル443は、第4Dスコープ表示画像440の横軸方向に移動可能である。
第1Sスコープ表示画像411は、例えば、ボイラ前側の探傷子11についての、直射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第1Sスコープ表示画像411は、配管7の管軸方向に沿ったある断面についてエコー高さを示す探傷画像411aと、配管7の断面及び溶接部の開先形状を表す配管断面図411bと、評価対象範囲を表す枠411cとが重畳的に表示される表示画像である。
第1Sスコープ表示画像411における探傷画像では、評価対象範囲内のエコー高さだけを表している。すなわち、第1Sスコープ表示画像411には、評価対象範囲を設定しなければ表れる評価対象範囲外のエコーが表れない。この点は、後述する第2Sスコープ表示画像421〜第4Sスコープ表示画像441において同様である。
なお、第1Sスコープ表示画像411における探傷画像は、第1Dスコープ表示画像410でのカーソル413の位置に対応する配管7の周方向の角度位置における探傷画像である。したがって、検査員がカーソル413の位置を変更すると、第1Sスコープ表示画像411における探傷画像は、変更後のカーソル413の位置に対応する角度位置の画像に変更される。
第2Sスコープ表示画像421は、例えば、ボイラ前側の探傷子11についての、1回反射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第2Sスコープ表示画像421は、第1Sスコープ表示画像411と同様に、配管7の管軸方向に沿ったある断面についてエコー高さを示す探傷画像と、配管7の断面及び溶接部の開先形状を表す配管断面図と、評価対象範囲を表す枠とが重畳的に表示される表示画像である。
なお、第2Sスコープ表示画像421における探傷画像は、第2Dスコープ表示画像420でのカーソル423の位置に対応する配管7の周方向の角度位置における探傷画像である。したがって、検査員がカーソル423の位置を変更すると、第2Sスコープ表示画像421における探傷画像は、変更後のカーソル423の位置に対応する角度位置の画像に変更される。
第3Sスコープ表示画像431は、例えば、ボイラ後側の探傷子11についての、直射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第3Sスコープ表示画像431は、第1Sスコープ表示画像411と同様に、配管7の管軸方向に沿ったある断面についてエコー高さを示す探傷画像と、配管7の断面及び溶接部の開先形状を表す配管断面図と、評価対象範囲を表す枠とが重畳的に表示される表示画像である。
なお、第3Sスコープ表示画像431における探傷画像は、第3Dスコープ表示画像430でのカーソル433の位置に対応する配管7の周方向の角度位置における探傷画像である。したがって、検査員がカーソル433の位置を変更すると、第3Sスコープ表示画像431における探傷画像は、変更後のカーソル433の位置に対応する角度位置の画像に変更される。
第4Sスコープ表示画像441は、例えば、ボイラ後側の探傷子11についての、1回反射法による探傷データにおけるエコー高さを示す探傷画像である。第4Sスコープ表示画像441は、第1Sスコープ表示画像411と同様に、配管7の管軸方向に沿ったある断面についてエコー高さを示す探傷画像と、配管7の断面及び溶接部の開先形状を表す配管断面図と、評価対象範囲を表す枠とが重畳的に表示される表示画像である。
なお、第4Sスコープ表示画像441における探傷画像は、第4Dスコープ表示画像440でのカーソル443の位置に対応する配管7の周方向の角度位置における探傷画像である。したがって、検査員がカーソル443の位置を変更すると、第4Sスコープ表示画像441における探傷画像は、変更後のカーソル443の位置に対応する角度位置の画像に変更される。
第1ビームイメージ画像412は、例えば、ボイラ前側の探傷子11についての、直射法によるフォーカルロウのビームイメージを表す図である。
第2ビームイメージ画像422は、例えば、ボイラ前側の探傷子11についての、1回反射法によるフォーカルロウのビームイメージを表す図である。
第3ビームイメージ画像432は、例えば、ボイラ後側の探傷子11についての、直射法によるフォーカルロウのビームイメージを表す図である。
第4ビームイメージ画像442は、例えば、ボイラ後側の探傷子11についての、1回反射法によるフォーカルロウのビームイメージを表す図である。
各Sスコープ表示画像411〜441及び各ビームイメージ画像412〜442は、それぞれの画像表示の上部に表示されたプラスボタンが選択されると拡大して表示され、マイナスボタンが選択されると縮小表示される。また、各Sスコープ表示画像411〜441及び各ビームイメージ画像412〜442における開先の種類や各部の寸法には、開先形状設定ステップS35における設定内容が反映されている。
断面表示画像450は、配管7の管軸方向に沿って見たときのエコー高さを示す探傷画像であり、評価対象範囲内のエコー高さだけを表している。すなわち、断面表示画像450には、評価対象範囲を設定しなければ表れる評価対象範囲外のエコーが表れない。断面表示画像450は、配管7の管軸方向の沿った2つの方向のうち、どちらの方向から見た画像を表示するのかを選択可能である。例えば、図10,11に示す断面表示画像450では、ボイラ前側から見た画像を表示するのか、ボイラ後側から見た画像を表示するのかを選択可能である。
きず情報表示欄460には、きず判定ステップS41において、きずであると判定された領域の位置や長さ、最大エコー高さ等の情報が表示される。なお、きず判定ステップS41において、きずであると判定された領域が存在しない場合には、きず情報表示欄460には、きずに関する情報は表示されない。例えば、図10におけるきず情報表示欄460の表示内容は、評価対象範囲内に第1判定条件を満たす領域が存在しなかった場合についての一例である。また、例えば、図11におけるきず情報表示欄460の表示内容は、評価対象範囲内に第2判定条件を満たす領域が存在した場合についての一例である。
合否判定ステップS43で合格であると判定されている場合には、図10に示すように、判定結果表示画面400において合格判定表示471が表示される、また、合否判定ステップS43で不合格であると判定されている場合には、図11に示すように、判定結果表示画面400において不合格判定表示472が表示される。
なお、表示装置5に第1判定条件に基づく判定結果表示画面400が表示されている場合に確認ボタン475が選択されると、表示装置5には、第2判定条件に基づく判定結果表示画面400が表示されるように構成されている。同様に、表示装置5に第2判定条件に基づく判定結果表示画面400が表示されている場合に確認ボタン475が選択されると、表示装置5には、第1判定条件に基づく判定結果表示画面400が表示されるように構成されている。
すなわち、確認ボタン475が選択されると、CPU2は、図12に示すように、判定条件切替ステップS51を実行し、表示装置5に表示される判定結果表示画面400を、第1判定条件に基づく判定結果表示画面400と第2判定条件に基づく判定結果表示画面400との間で切り替える。
図12は、判定条件切替ステップS51における処理を示すフローチャートである。判定条件切替ステップS51は、表示指令出力ステップS49が実行されて判定結果表示画面400が表示されると処理が開始される。又は、判定条件切替ステップS51は、判定条件切替ステップS51が実行されて判定結果表示画面400が切り替えられた後、再び処理が開始される。
ステップS511において、CPU2は、判定結果表示画面400における確認ボタン475が選択されるまで待機し、確認ボタン475が選択されると、ステップS513へ進み表示指令切替処理を実施する。ステップS513の表示指令切替処理では、CPU2は、表示装置5に現在出力している第1判定条件又は第2判定条件の何れか一方の判定条件に係る画像データや表示データに代えて、何れか他方の判定条件に係る画像データや表示データを表示指令として表示装置5に出力する。
なお、図10と図11とでは、判定に係る被検体は同じ被検体であり、合否の相違及びきず情報表示欄460におけるきずに関する情報が表示されるか否かは、第1判定条件と第2判定条件との相違によるものである。すなわち、同じ被検体であっても、合否判定ステップS43における合否判定の結果が異なる場合がある。
一実施形態の超音波探傷データ処理装置1では、表示指令生成部22は、評価対象データに基づいて、評価対象範囲内のエコー高さの分布状態を3次元表示した3次元探傷画像の画像データを生成できる。
図13は、表示指令生成部22が生成した3次元探傷画像の画像データに基づいて、表示装置5で表示される3次元探傷画像についての表示画像600である。表示画像600には、評価対象範囲内のエコー高さの分布状態を示す3次元探傷表示画像610と、配管7の管軸方向に沿って見たときのエコー高さを示す断面表示画像620とが含まれる。
3次元探傷表示画像610及び断面表示画像620では、評価対象範囲内のエコー高さだけが表されている。
3次元探傷表示画像610は、表示画像600内で任意の表示角度に変更できる。3次元探傷表示画像610における管軸方向の中央に表示される円は、開先の位置を示す円である。3次元探傷表示画像610における管軸方向の両端の位置は、例えば、上述した4つの探傷データに関する評価対象範囲のうち、最も広い評価対象範囲に対応している。
断面表示画像620は、配管7の管軸方向の沿った2つの方向のうち、どちらの方向から見た画像を表示するのかを選択可能である。例えば、図13に示す断面表示画像620では、ボイラ前側から見た画像を表示するのか、ボイラ後側から見た画像を表示するのかを選択可能である。
(評価ステップS7について)
評価ステップS7では、検査員は、表示装置5に表示された判定結果表示画面400の探傷画像や、きずに関する情報、合否の判定表示に基づいて評価対象範囲内のきずの有無を評価することができる。
具体的には、例えば第1判定条件がきずの有無の判定として通常設定される判定条件であれば、第1判定条件に基づく判定結果を採用して、被検体の合否を評価できる。
例えば、第1判定条件に基づく判定結果が合格であった場合、第2判定条件に基づく判定結果を確認することで検査員は、第1判定条件に基づく判定結果が、第1判定条件に対してある程度の余裕を持った状態で合格と判定されているのか、第1判定条件に対してあまり余裕をない状態で合格と判定されているかを評価することができる。
すなわち、例えば、第1判定条件に基づく判定結果が合格であり、且つ、第2判定条件に基づく判定結果が合格であった場合、検査員は、第1判定条件に基づく判定結果が、第1判定条件に対してある程度の余裕を持った状態で合格と判定されていると評価することができる。
また、例えば、第1判定条件に基づく判定結果が合格であるが、第2判定条件に基づく判定結果が不合格であった場合、検査員は、第1判定条件に基づく判定結果が、第1判定条件に対してあまり余裕がない状態で合格と判定されていると評価することができる。
また、第1判定条件に基づく判定結果が合格であるが、第2判定条件に基づく判定結果が不合格であった場合、検査員は、第2判定条件に基づいて検出されたきずの情報を、第2判定条件に基づく判定結果表示画面400で確認することで、第2判定条件に基づいて検出されたきずの状態を確認することができる。
例えば、第2判定条件に基づいて検出されたきずの状態を確認することで、当該きずについて念のため補修をした方がよいか否かを判断することもできる。
このように、上述した一実施形態によれば、評価対象範囲設定ステップS39と、表示指令生成ステップS45とをCPU2に実行させるので、評価対象範囲内の領域に対応した探傷画像に基づいて、被検体のきずの位置を判定できる。したがって、評価対象範囲を被検体の形状に応じて適宜設定することで、探傷画像に形状エコーが現れるのを抑制できる。これにより、検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとの識別精度を向上できる。
また、上述した一実施形態によれば、評価対象範囲入力ステップS37において、溶接部の開先を含む被検体の断面内において評価対象範囲の設定入力を受け付けるようにしたので、溶接部の開先を含む被検体の探傷画像に形状エコーが現れるのを抑制できる。
上述した一実施形態によれば、評価対象範囲入力ステップS37において、開先形状設定ステップS35で設定された被検体の溶接部8の開先形状を被検体の断面形状に重畳した設定用画面である第1Sスコープ表示画像330及び第2Sスコープ表示画像340を表示装置5に表示させるようにした。これにより、第1Sスコープ表示画像330及び第2Sスコープ表示画像340に表示された被検体の溶接部の開先形状を参照して評価対象範囲を設定できるので、溶接部の開先形状に起因する形状エコーが探傷画像に現れるのを抑制できる。
また、上述した一実施形態に係る被検体の評価方法は、探傷ステップS1と、設定ステップS3と、表示ステップS5と、評価ステップS7とを備えるので、評価対象範囲を被検体の形状に応じて適宜設定することで、探傷画像に形状エコーが現れるのを抑制できる。これにより、検査者の熟練度によらず、きずエコーと形状エコーとの識別精度を向上できるので、被検体の内部のきずの有無を精度よく評価できる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した一実施形態では、きず判定ステップS41及び合否判定ステップS43において、予め第1判定条件によるきずの判定及び合否判定を行うとともに、第2判定条件によるきずの判定及び合否判定を行うようにしている。しかし、例えば、予め第1判定条件及び第2判定条件の何れか一方によるきずの判定及び合否判定を行っておき、判定結果表示画面400が表示されている場合に確認ボタン475が選択されるなどして、判定条件の切替が指示されると、きず判定ステップS41及び合否判定ステップS43における判定条件を第1判定条件及び第2判定条件の何れか一方から何れか他方へ切り替えて、切替後の判定条件できずの判定及び合否判定を行うようにしてもよい。
このようにすることによっても、判定条件を変更することできずの検出状態がどのように変化するかを確認できる。
1 超音波探傷データ処理装置
2 演算装置(CPU)
21 評価対象範囲設定部
22 表示指令生成部
100 判定条件設定画面
200 開先形状設定画面
300 評価対象範囲入力画面
400 判定結果表示画面
600 表示画像

Claims (10)

  1. 被検体に対して超音波探傷を行うことによって得られた探傷データを処理するための超音波探傷データ処理プログラムであって、
    前記被検体の内部における評価対象範囲を設定する評価対象範囲設定ステップと、
    前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、前記被検体の内部の各位置における前記評価対象データの信号強度を示す探傷画像を表示装置に表示させるための指令を生成する表示指令生成ステップと、
    を演算装置に実行させる超音波探傷データ処理プログラム。
  2. 前記被検体は溶接部を含み、
    前記溶接部の開先を含む前記被検体の断面内において前記評価対象範囲の設定入力を受け付ける評価対象範囲入力ステップをさらに前記演算装置に実行させるとともに、
    前記評価対象範囲設定ステップでは、前記評価対象範囲入力ステップで受け付けた設定入力に基づいて前記評価対象範囲を設定する、請求項1に記載の超音波探傷データ処理プログラム。
  3. 前記被検体の溶接部の開先形状を設定する開先形状設定ステップ、
    を前記演算装置に実行させ、
    前記評価対象範囲入力ステップでは、
    前記開先形状設定ステップで設定された前記被検体の溶接部の開先形状を前記被検体の断面形状に重畳した設定用画面を表示装置に表示させるための指令を生成し、
    前記表示装置に表示された前記設定用画面上で領域が指定されると、該領域の指定を前記評価対象範囲の設定入力として受け付ける、請求項2に記載の超音波探傷データ処理プログラム。
  4. 前記開先形状設定ステップでは、前記溶接部の開先の種類を変更可能である、請求項3に記載の超音波探傷データ処理プログラム。
  5. 前記開先形状設定ステップでは、開先におけるルート間隔を規定する端部が溶接の相手側の部材に向かって突出する突出長さを変更可能である、請求項3又は4に記載の超音波探傷データ処理プログラム。
  6. 前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、抽出した前記評価対象データに基づいて、きずであることを判定するための判定条件を満たす前記被検体の内部の領域をきずであると判定するきず判定ステップと、
    前記きず判定ステップできずであると判定された領域について少なくとも前記被検体における位置の情報を表示装置に表示させるための指令を生成する情報表示指令生成ステップと、
    を前記演算装置に実行させ、
    前記判定条件は、少なくとも前記評価対象データの信号強度が閾値を超えていることである、請求項1乃至5の何れか一項に記載の超音波探傷データ処理プログラム。
  7. 前記きず判定ステップできずであると判定された領域が存在しない場合に合格であると判定し、前記きず判定ステップできずであると判定された領域が存在する場合に不合格であると判定する合否判定ステップと、
    前記合否判定ステップでの判定結果を表示装置に表示させるための指令を生成する判定表示指令生成ステップと、
    を前記演算装置に実行させる、請求項6に記載の超音波探傷データ処理プログラム。
  8. 前記判定条件は、第1判定条件と、第1判定条件とは異なる第2判定条件とを含み、
    前記判定条件の切替が指示されると、前記判定条件を前記第1判定条件及び前記第2判定条件の何れか一方から何れか他方へ切り替える判定条件切替ステップ、
    を前記演算装置に実行させる、請求項6又は7に記載の超音波探傷データ処理プログラム。
  9. 被検体に対して超音波探傷を行うことによって得られた探傷データを処理するための超音波探傷データ処理装置であって、
    前記被検体の内部における評価対象範囲を設定する評価対象範囲設定部と、
    前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、前記被検体の内部の各位置における前記評価対象データの信号強度を示す探傷画像を表示装置に表示させるための指令を生成する表示指令生成部と、
    を備える超音波探傷データ処理装置。
  10. 被検体の内部のきずの有無を評価する被検体の評価方法であって、
    前記被検体に対して超音波探傷を行うことによって探傷データを得る探傷ステップと、
    前記被検体の内部における評価対象範囲を設定する設定ステップと、
    前記探傷データのうち、前記評価対象範囲内の領域に対応した評価対象データを抽出し、前記被検体の内部の各位置における前記評価対象データの信号強度を示す探傷画像を表示装置に表示させる表示ステップと、
    前記表示装置に表示された前記探傷画像に基づいて前記評価対象範囲内のきずの有無を評価する評価ステップと、
    を備える被検体の評価方法。
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