JP2019079846A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019079846A
JP2019079846A JP2017203379A JP2017203379A JP2019079846A JP 2019079846 A JP2019079846 A JP 2019079846A JP 2017203379 A JP2017203379 A JP 2017203379A JP 2017203379 A JP2017203379 A JP 2017203379A JP 2019079846 A JP2019079846 A JP 2019079846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
alloy
film
electrode layer
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017203379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6950447B2 (ja
Inventor
和希 南
Kazuki Minami
和希 南
和馬 榎本
Kazuma Enomoto
和馬 榎本
慎吾 川島
Shingo Kawashima
慎吾 川島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP2017203379A priority Critical patent/JP6950447B2/ja
Publication of JP2019079846A publication Critical patent/JP2019079846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6950447B2 publication Critical patent/JP6950447B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】Alを主成分とする金属電極層におけるAl原子の拡散を抑制するとともに耐食性にも優れた半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置10は、半導体層24と、半導体層24と接合する金属電極層30と、を有する。金属電極層30は、Alまたは90at%以上のAl合金からなる主層32と、主層32の半導体層24側の面に設けられた第1の保護層34と、を有し、第1の保護層34は、質量%で、Cu:30〜50%を含有し、更に、Ti:3〜5%、Cr:3〜5%から選ばれた1種を含有し、残部Niおよび不可避的不純物の組成を有するNiCuTi合金またはNiCuCr合金からなる。【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体層と、半導体層と接合する金属電極層とを備えた半導体装置に関し、詳しくは、金属電極層が、拡散防止に有効な保護層を有するものに関する。
半導体特性を利用することで機能する半導体装置として、薄膜トランジスタを備えたものがある。薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と称する)は、ゲート、ソース、ドレインの三つの電極層を有し、ゲートと重畳した領域にチャネル領域が形成される半導体層を有している。TFTの電極層には、AlやCuなど電気抵抗値の低い金属材料を用いることが望ましいが、Al原子やCu原子は、TFT製造時の加熱処理により半導体層中に拡散して、TFTの特性を劣化させる場合がある。このため電極層と半導体層との間には、MoまたはMo合金からなる保護層(バリア膜)が設けられ、金属原子の拡散防止が図られている。
しかしながら、Alを電極層に用いた場合、従来のMoまたはMo合金からなる保護層との組み合わせでは十分な耐食性が確保できず、高温高湿下においてAl電極の腐食により信頼性が低下する虞があった。
尚、下記特許文献1では、TFTのソース・ドレン電極層を、Cu薄膜と、Cu薄膜と酸化物半導体層の間に配置された拡散防止薄膜と、で構成し、酸化物半導体層と電極層との間で拡散移動を防止するようになした点が開示されている。しかしながら、ここで開示されている拡散防止薄膜は、CuまたはCu合金の酸化物で構成されており、本発明とは保護層(拡散防止薄膜)の組成が異なっている。
特開2014−239217号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、Alを主成分とする金属電極層におけるAl原子の拡散を抑制するとともに耐食性にも優れた半導体装置を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、半導体層と、該半導体層と接合する金属電極層と、を有する半導体装置であって、該金属電極層は、Alまたは90at%以上のAl合金からなる主層と、該主層の前記半導体層側の面に設けられた第1の保護層と、を有し、該第1の保護層は、質量%で、Cu:30〜50%を含有し、更に、Ti:3〜5%、Cr:3〜5%から選ばれた1種を含有し、残部Niおよび不可避的不純物の組成を有するNiCuTi合金またはNiCuCr合金からなることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記金属電極層の前記半導体層とは反対側に酸化物導電層が形成されるとともに、前記金属電極層は、前記主層の前記酸化物導電層側の面に設けられた第2の保護層を更に有し、該第2の保護層により前記酸化物導電層と接合されており、該第2の保護層は、質量%で、Cu:30〜50%を含有し、更に、Ti:3〜5%、Cr:3〜5%から選ばれた1種を含有し、残部Niおよび不可避的不純物の組成を有するNiCuTi合金またはNiCuCr合金からなることを特徴とする。
本発明は、半導体層と接合する金属電極層を、Alまたは90at%以上のAl合金からなる主層と、主層の半導体層側の面に設けられた第1の保護層と、で構成し、かかる第1の保護層を所定の組成範囲内にあるNiCuTi合金またはNiCuCr合金としたものである。
所定の組成範囲内にあるNiCuTi合金またはNiCuCr合金は、Al原子の拡散を防止するバリア効果を有することから、高温環境下で金属電極層内のAl原子が半導体層中に拡散して、TFTの特性が劣化してしまうのを防止することができる。
また、Alまたは90at%以上のAl合金からなる主層と、所定の組成範囲内にあるNiCuTi合金またはNiCuCr合金からなる保護層との組み合わせであれば、高温高湿環境下にあっても金属電極層の腐食・変色等を良好に抑制することができる。
また本発明では、主層の半導体層とは反対側の面にも、NiCuTi合金またはNiCuCr合金からなる第2の保護層を設けておくことができる。
ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)などを用いて形成された酸化物導電層と金属電極層とを接合するに際し、かかる第2の保護層を介して接合すれば、金属電極層内のAl原子が酸化物導電層中に拡散するのを良好に防止しつつ、酸化物導電層と金属電極層との導通を確保することができる。
次に、本発明の第1の保護層および第2の保護層における化学成分の限定理由を以下に説明する。尚、以降の説明では、特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味するものとする。
第1の保護層または第2の保護層をNiCuTi合金で形成した場合、Cu量が少なくなり過ぎると密着性が低下する。一方、Cu量が多くなり過ぎると、残部のNi量が過度に減少してバリア性および耐食性が低下する。このためCu含有量は30〜50%とする。
また、Cu量が一定である場合、Ti量が多くなるほど密着性および耐食性は向上するが、Ti量が多くなり過ぎるとエッチング性が低下する。このためTi含有量は3〜5%とする。
第1の保護層または第2の保護層をNiCuCr合金で形成した場合、Cu量が少なくなり過ぎると密着性が低下する。一方、Cu量が多くなり過ぎると、残部のNi量が過度に減少してバリア性および耐食性が低下する。このためCu含有量は30〜50%とする。
また、Cu量が一定である場合、Cr量が多くなるほど密着性および耐食性は向上するが、Cr量が多くなり過ぎるとエッチング性が低下する。このためCr含有量は3〜5%とする。
以上のような本発明によれば、Alを主成分とする金属電極層におけるAl原子の拡散を抑制するとともに、耐食性にも優れた半導体装置を提供することができる。
本発明の一実施形態の半導体装置の模式的な断面図である。 同半導体装置の製造手順を示す説明図である。 図2に続く製造手順を示す説明図である。 図3に続く製造手順を示す説明図である。 図4に続く製造手順を示す説明図である。 同半導体装置の他の形態例を示した図である。
次に本発明の実施形態を以下に詳しく説明する。
図1において、10は半導体装置で、TFT12と、TFT12を覆う層間絶縁層14と、TFT12に接合する酸化物導電層16と、を備えている。
TFT12は、基板18上に形成されたゲート電極層20と、ゲート電極層20を覆うゲート絶縁層22と、ゲート絶縁層22を介してゲート電極層20と重なるように配置された半導体層24と、半導体層24と接合するソース電極層26およびドレイン電極層28と、を備えている。
基板18は、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス基板のほか、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂基板を使用することができる。基板18の厚みは300μm〜1mmとするのが加工性の点から好ましい。
ゲート電極層20は、AlやCuなどの低抵抗の金属材料で形成することが望ましいが、例えばAl単体では耐熱性が劣り、また腐蝕しやすい等の問題点があるので他の耐熱性導電性材料と組み合わせて形成することも可能である。
ゲート絶縁層22は、単層であっても2層以上であってもよく、従来一般に用いられるもの、例えばシリコン酸化膜(SiOx膜)、シリコン窒化膜(SiNx膜)等を用いることができる。
半導体層24は、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)などの酸化物半導体で構成することができる。In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
なお、半導体層24は、酸化物半導体に限定されるものではなく、例えばアモルファスシリコン(a−Siとも表記する)を用いることも可能である。
ソース電極層26およびドレイン電極層28は、それぞれ半導体層24に接合されている。詳しくは、ソース電極層26とドレイン電極層28の間には凹部29が設けられ、この凹部29によってソース電極層26とドレイン電極層28とは分離された状態で、それぞれ半導体層24に接合されている。ソース電極層26およびドレイン電極層28は、本発明の金属電極層であり、以下において金属電極層30と総称する場合がある。
ソース電極層26およびドレイン電極層28、すなわち金属電極層30は、Al単体で構成される主層32と、主層32の半導体層24側の面に設けられた第1の保護層34と、主層32の半導体層24とは反対側の面に設けられた第2の保護層35と、を含む積層構造をなしている。
主層32は、低抵抗とするためAl単体で構成することが望ましい。一般に電極材料としてAlのほかCuが用いられる。これらAl、Cuはともにウェットエッチングによる加工が可能であるが、Cuはドライエッチングによる加工ができないため、Alの方が汎用性が高い。またコスト面において、AlはCuの1/3程度と安価である。
主層32をAl単体で構成する場合、純Alのターゲット材料を用いた非反応性スパッタリングによって成膜することができる。また、場合によっては主層32を、Al含有量が90at%以上であるAl合金で構成することも可能である。主層32の厚みは、10nm〜1μmとすることが好ましい。
第1の保護層34および第2の保護層35は、NiCuTi合金またはNiCuCr合金からなり、主層32の下面および上面を被覆する。第1の保護層34および第2の保護層35は、所定組成のNiCuTi合金またはNiCuCr合金からなるターゲット材料を用いた非反応性スパッタリングによって成膜することができる。
第1の保護層34および第2の保護層35の組成は、互いに同一であっても良く、あるいは異なってもよい。同一の組成であれば共通のターゲット材料を使用することができる。尚、Alを主成分とする主層32の面を確実に被覆して十分な耐食性及び拡散バリア性を得るため、第1の保護層34および第2の保護層35の厚みは15〜200nmとすることが好ましい。
層間絶縁層14は、ソース電極層26およびドレイン電極層28を覆うように配置され、ソース電極層26とドレイン電極層28との間の凹部29において、半導体層24のチャネル領域43と接するように配置されている。層間絶縁層14は、ゲート絶縁層22と同様に、シリコン酸化膜(SiOx膜)、シリコン窒化膜(SiNx膜)等を用いることができる。
酸化物導電層16は、ITO、ZnO、SnO2、IZOなどで構成され、層間絶縁層14上に配置される。本例において半導体装置10が液晶表示装置として機能するものであれば、酸化物導電層16は図示を省略した液晶表示部における画素電極を構成する。酸化物導電層16は、層間絶縁層14に形成された接続孔36を介してドレイン電極層28と電気的に接続されており、TFT12がON・OFFすることで、酸化物導電層16への電圧印加の開始・終了が行われる。
次に、この半導体装置10の製造工程を説明する。
先ず、基板18上に、スパッタ法や蒸着法等の真空薄膜形成方法によって第1の導電膜を形成し、第1の導電膜をパターニングして図2(A)に示すように、Al等からなるゲート電極層20を形成する。
第1の導電膜のパターニングによってゲート電極層20が形成されると、ゲート電極層20が位置する部分以外は基板18の表面が露出する。図2(B)に示すように、基板18およびゲート電極層20の表面に、SiO2、SiNx等のゲート絶縁層22を形成する。
次に、図2(C)に示すように、ゲート絶縁層22上に半導体の薄膜を形成し、その後パターニングして、パターニングされた半導体の薄膜からなる半導体層24を形成する。例えば、In、Ga、Znを所定の割合で含有するIn−Ga−Zn系酸化物からなる酸化物半導体層を形成する。
次に、図3(A)、(B)、(C)に示すように、半導体層24の表面と、半導体層24の位置する部分以外の場所で露出するゲート絶縁層22の表面に、第1の保護膜34a、第2の導電膜32a、第2の保護膜35aを順に積層する。
第1の保護膜34aは、図2(C)の状態まで作製された積層体に対し、所定組成のNiCuTi合金若しくはNiCuCr合金からなるターゲット材料を用い、スパッタリングガスとしてターゲット材料とは非反応性のガスを用いた非反応性スパッタリングによって形成する。
次に、Alを主成分とするターゲット材料を用い、スパッタリングガスとしてターゲット材料とは非反応性のガスを用いた非反応性スパッタリングによって、第2の導電膜32aを、図3(B)に示すように、第1の保護膜34aの表面に形成する。
次に、所定組成のNiCuTi合金若しくはNiCuCr合金からなるターゲット材料を用い、スパッタリングガスとしてターゲット材料とは非反応性のガスを用いた非反応性スパッタリングによって第2の保護膜35aを、図3(C)に示すように、第2の導電膜32aの表面に形成する。このようにして第1の保護膜34a、第2の導電膜32a、第2の保護膜35aからなる金属電極膜30aが形成される。
その後、図4(A)に示すように金属電極膜30aの非除去部分にレジスト38を形成して、この状態で金属電極膜30aを含む積層体をエッチング液に浸漬することで金属電極膜30aの、レジスト38にてマスクされていない部分が部分的に除去される。その後、レジスト38を除去すると、図4(B)に示すように、第1の保護層34、主層32および第2の保護層35を有するソース電極層26およびドレイン電極層28が形成される。
図4(B)において、半導体層24の、ソース領域41とドレイン領域42の間がチャネル領域43であり、ゲート電極層20は、ゲート絶縁層22を挟んでチャネル領域43と対向する位置にある。この状態で、半導体層24と、ゲート絶縁層22と、ゲート・ソース・ドレインの各電極層20、26、28とで、TFT12が構成される。
ここでソース電極層26およびドレイン電極層28では、AlまたはAl合金からなる主層32と、半導体層24との間に第1の保護層34が配置される。NiCuTi合金(またはNiCuCr合金)からなる第1の保護層34は、Al原子に対するバリア機能を有しているため、主層32から半導体層24へのAl原子の拡散が良好に防止される。また、半導体層24が酸化物半導体である場合、第1の保護層34は、半導体層24からソース電極層26およびドレイン電極層28へのO原子の拡散を防止できる。従って、半導体層24を酸化物半導体としつつ、Cuと比べて酸化されやすいAlをソース電極層26およびドレイン電極層28に用いることができる。
次に、図5(A)に示すようにSiNxやSiO2等からなる層間絶縁層14を形成する。これとともに、層間絶縁層14の所定の箇所には接続孔36(図1参照)を形成しておく。その後、図5(B)に示すように層間絶縁層14の表面に、ITOなどの第3の導電膜を形成し、その後パターニングして、酸化物導電層16を形成する。
このとき図1に示すように、酸化物導電層16の一部は接続孔36内に形成され、接続孔36の底面に露出するドレイン電極層28と接合する。詳しくはドレイン電極層28の第2の保護層35と接合する。第2の保護層35はNiCuTi合金(またはNiCuCr合金)からなり、Al原子に対するバリア機能を有しているため、ドレイン電極層28の主層32から酸化物導電層16へのAl原子の拡散が良好に防止される。また、第2の保護層35は、酸化物導電層16からドレイン電極層28へのO原子の拡散を防止する。従って、Cuと比べて酸化されやすいAlをドレイン電極層28に用いた場合であっても、ドレイン電極層28の酸化を防止しつつ、酸化物導電層16を第2の保護層35を介してドレイン電極層28と電気的に接続することができる。
以上、本発明の一実施形態の半導体装置の構成およびその製造方法について説明したが、半導体装置の構成およびその製造方法については適宜変更可能である。例えば、ソース電極層26およびドレイン電極層28を形成する際、半導体層24が浸食されるエッチング液を使用する場合には、図6に示すように、半導体層24の表面が露出しないようにストッパ層45を設けておき、エッチング液が半導体層24と接触しないように構成することも可能である。
次に本発明の実施例を以下に説明する。ここでは、表1に示す構成で、且つ第1の保護膜を表2に示す膜組成とした積層体を、以下のようにして製造し、密着性を測定し、評価を行った。
Figure 2019079846
Figure 2019079846
(各種積層体の製造)
サイズ:10cm×10cmのガラス基板を用い、基板上に、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、第1の保護膜、第2の導電膜、第2の保護膜、第3の導電膜をこの順で積層形成した。
第1の導電膜の成膜は、純Alのスパッタリングターゲットを用い、真空度を5×10-4Paとし、チャンバ内にArガス(不活性ガス)を導入して行った。スパッタ圧は0.1〜1.0Pa,電力は100〜500Wとして行なった。第1の導電膜の厚さは、150〜1000nmである。
絶縁膜の成膜は、原料ガスとして酸素およびSiH4を用い、プラズマCVD法により、SiO2膜を成膜した。絶縁膜の厚さは、500〜2000nmである。
半導体膜の成膜は、Ga:In:Zn:Sn=16.8:16.6:47.2:19.4(原子比)からなるスパッタリングターゲットを用い、真空度を5×10-4Paとし、チャンバ内に酸素及びArを含むスパッタガスを導入して行った。スパッタ圧は0.1〜1.0Pa,電力は100〜500Wとして行なった。半導体膜の厚さは、30〜200nmである。
第1の保護膜の成膜は、表2に示す各種組成に対応するNiCuTi合金、NiCuCr合金等のスパッタリングターゲットを用い、真空度を5×10-4Paとし、チャンバ内にArガスを導入して行った。スパッタ圧は0.1〜1.0Pa,電力は100〜500Wとして行った。第1の保護膜の厚さは、15〜200nmである。
第2の導電膜の成膜は、純Alのスパッタリングターゲットを用い、真空度を5×10-4Paとし、チャンバ内にArガスを導入して行った。スパッタ圧は0.1〜1.0Pa,電力は100〜500Wとして行なった。第2の導電膜の厚さは、150〜1000nmである。
第2の保護膜の成膜は、NiCuTi合金若しくはNiCuCr合金のスパッタリングターゲットを用い、真空度を5×10-4Paとし、チャンバ内にArガスを導入して行った。スパッタ圧は0.1〜1.0Pa,電力は100〜500Wとして行った。第2の保護膜の厚さは、15〜200nmである。
尚、第2の保護膜がNiCuTi合金の場合、Ni:67%、Cu:30%、Ti:3%のスパッタリングターゲットを用い、第2の保護膜がNiCuCr合金の場合、Ni:67%、Cu:30%、Cr:3%のスパッタリングターゲットを用いた。
第3の導電膜の成膜は、SnO2を10%含有するIn23からなるスパッタリングターゲットを用い、真空度を5×10-4Paとし、チャンバ内に酸素及びArを含むスパッタガスを導入して行った。スパッタ圧は0.1〜1.0Pa,電力は100〜500Wとして行なった。ITOからなる第3の導電膜の厚さは、30〜200nmである。
(密着性試験)
作製した各積層体について、JIS K5600−5−6に準拠した密着性試験を行なった。JIS K5600−5−6で定めるところの分類0〜3であることを目標として定め、下記評価基準にて評価した。その結果を表2に示す。
○:密着性が分類0〜3
×:密着性が分類4以上
表2に示すように、比較例1、比較例2は、Cu含有量が本発明の下限値を下回っており、且つTi,Crが無添加とされたNiCu合金で第1の保護膜を形成した。これら比較例1、比較例2は、いずれも密着性が分類4以上で、密着性の評価が「×」であった。
そのほかの比較例3〜8、実施例1〜12は何れも良好な密着性が得られていた。
このような結果から、NiCu系合金の保護膜を用いて良好な密着性を得るためには、Cu量30〜50%で、更にTiもしくはCr量3〜5%の添加が必要であることが分る。
次に、表3に示す構成で、且つ保護膜を表4に示す膜組成とした積層体を製造し、エッチング性,バリア性および耐食性を以下の方法で評価した。ここでは、ガラス基板上に、半導体膜、保護膜、導電膜をこの順で積層形成した。半導体膜、保護膜および導電膜の成膜方法は、上記実施例1における半導体膜、第1の保護膜および第2の導電膜の場合と同様である。
Figure 2019079846
Figure 2019079846
(エッチング性評価)
作製した積層体から5cm角の試料を切り出し、この試料を関東化学製のエッチング液Cu―03に浸漬し、基板上に形成した膜が完全に溶解されるまでの時間を測定し、下記評価基準にて評価した。その結果を表4に示す。
○:溶解に要する時間が1分未満
×:溶解に要する時間が1分以上
(バリア性評価)
作製した積層体に対し、熱処理の前後において、4探針法により金属膜(Al膜)の5箇所で測定し、その平均値より熱処理前と熱処理後での電気比抵抗(μΩ・cm)を算出した。そして、熱処理の前後での電気比抵抗値の変化から、下記評価基準に基づいて元素の拡散の有無を評価した。なお、熱処理条件は、大気中、250℃の環境下で2時間保持とした。その結果を表4に示す。
○:熱処理前後で電気比抵抗値に変化はない(電気比抵抗値の変化が10μΩ・cm未満)
×:熱処理前と比較して、熱処理後に電気比抵抗値が10μΩ・cm以上増加
(耐食性評価)
作製した各積層体を85℃×85%RH(相対湿度)の大気雰囲気環境下にて500時間保持し、保持後の積層体の変色の有無等について、JIS C 60068に準拠して下記評価基準にて評価した。その結果を表4に示す。
◎:上記環境条件での保持前後において、試料の中心および端部に変色及び膜はがれが無い
○:少なくとも保持後において、試料の端部に変色または膜はがれが認められるも、試料端部を除く領域に変色及び膜はがれが無い
×:少なくとも保持後において、試料の中心および端部に、変色または膜はがれが認められる
表4において、比較例11は、NiCuTi合金からなる保護膜において、Ti含有量が本発明の上限を上回っている。また比較例12は、NiCuCr合金からなる保護膜において、Cr含有量が本発明の上限を上回っている。これら比較例11,比較例12では、バリア性および耐食性に問題はないものの、エッチング性が悪化しており、半導体装置のソースおよびドレイン電極層を形成する際、1種類のエッチング液でのパターニングが難しい。
比較例13は、NiCuTi合金からなる保護膜において、Cu含有量が本発明の上限を上回っている。また比較例14は、NiCuCr合金からなる保護膜において、Cu含有量が本発明の上限を上回っている。これら比較例13,比較例14では、エッチング性に問題はないものの、バリア性および耐食性が悪化している。このことからCu自体にバリア性や耐食性を高める効果は無く、相対的なNi量の低下にともないバリア性および耐食性が悪化したものと推測される。
比較例15は、Mo単体からなる保護膜を用いた例である。また比較例16は、MoTi合金からなる保護膜を用いた例である。これら比較例15,比較例16では、高温高湿環境下で保持した後に膜はがれが認められた。従来、拡散防止用のバリア膜として用いられていたMoもしくはMoTi合金からなる保護膜は、Al金属膜との組み合わせでは十分な耐食性が確保できず、Al電極の腐食による信頼性の低下が懸念される。
そのほかの比較例9,10、実施例13〜24は、何れもエッチング性、バリア性、耐食性の結果は良好であった。特にNiCuTi合金もしくはNiCuCr合金において、Cu量を抑えて、Ni量を55%以上とした実施例13〜16、実施例19〜22は、密着性の結果が他の例に比べて良好であった。
尚、上記実施例においては半導体膜にIGZOを用いているが、IGZOに代えてa−Siを用いた表1の構成c,d、表3の構成j,kの積層体においても同様の結果が得られている。
以上の評価結果についてまとめると、Alの金属膜と、Ni−30〜50%Cu−3〜5%Ti(Cr)合金の保護膜との組合せは、密着性、バリア性、耐食性、およびエッチング性に優れている。かかる組合せを、半導体装置の金属電極層に適用すれば、半導体装置においても、高いバリア性および高耐食性を発揮することが期待できる。
以上、本発明の実施形態及び実施例について詳しく説明したが、これはあくまで一例示である。本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
10 半導体装置
16 酸化物導電層
24 半導体層
30 金属電極層
32 主層
34 第1の保護層
35 第2の保護層

Claims (2)

  1. 半導体層と、該半導体層と接合する金属電極層と、を有する半導体装置であって、
    該金属電極層は、Alまたは90at%以上のAl合金からなる主層と、該主層の前記半導体層側の面に設けられた第1の保護層と、を有し、
    該第1の保護層は、質量%で、Cu:30〜50%を含有し、更に、Ti:3〜5%、Cr:3〜5%から選ばれた1種を含有し、残部Niおよび不可避的不純物の組成を有するNiCuTi合金またはNiCuCr合金からなることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、前記金属電極層の前記半導体層とは反対側に酸化物導電層が形成されるとともに、
    前記金属電極層は、前記主層の前記酸化物導電層側の面に設けられた第2の保護層を更に有し、該第2の保護層により前記酸化物導電層と接合されており、
    該第2の保護層は、質量%で、Cu:30〜50%を含有し、更に、Ti:3〜5%、Cr:3〜5%から選ばれた1種を含有し、残部Niおよび不可避的不純物の組成を有するNiCuTi合金またはNiCuCr合金からなることを特徴とする半導体装置。
JP2017203379A 2017-10-20 2017-10-20 半導体装置 Active JP6950447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017203379A JP6950447B2 (ja) 2017-10-20 2017-10-20 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017203379A JP6950447B2 (ja) 2017-10-20 2017-10-20 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019079846A true JP2019079846A (ja) 2019-05-23
JP6950447B2 JP6950447B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=66628204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017203379A Active JP6950447B2 (ja) 2017-10-20 2017-10-20 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6950447B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279022A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Hitachi Metals Ltd 薄膜配線層
JP2009170905A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Samsung Electronics Co Ltd 表示基板およびこれを含む表示装置
JP2011052304A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Daido Steel Co Ltd Cu電極保護膜用NiCu合金ターゲット材
JP2012160381A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Sanyo Shinku Kogyo Kk 金属膜
JP2012193444A (ja) * 2010-08-30 2012-10-11 Daido Steel Co Ltd Cu電極保護膜用NiCu合金ターゲット材及び積層膜
US20140312344A1 (en) * 2008-09-12 2014-10-23 Samsung Display Co., Ltd. Thin film transistor array substrate and method of manufacturing the same
JP2015119175A (ja) * 2013-11-15 2015-06-25 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置及び表示装置
JP2016178286A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 日立金属株式会社 電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279022A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Hitachi Metals Ltd 薄膜配線層
JP2009170905A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Samsung Electronics Co Ltd 表示基板およびこれを含む表示装置
US20140312344A1 (en) * 2008-09-12 2014-10-23 Samsung Display Co., Ltd. Thin film transistor array substrate and method of manufacturing the same
JP2011052304A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Daido Steel Co Ltd Cu電極保護膜用NiCu合金ターゲット材
JP2012193444A (ja) * 2010-08-30 2012-10-11 Daido Steel Co Ltd Cu電極保護膜用NiCu合金ターゲット材及び積層膜
JP2012160381A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Sanyo Shinku Kogyo Kk 金属膜
JP2015119175A (ja) * 2013-11-15 2015-06-25 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置及び表示装置
JP2016178286A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 日立金属株式会社 電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材

Also Published As

Publication number Publication date
JP6950447B2 (ja) 2021-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI437697B (zh) Wiring structure and a display device having a wiring structure
TWI478308B (zh) Wiring construction and display device
TWI516832B (zh) Thin film transistor
JP4970622B2 (ja) 半導体装置、半導体装置を有する液晶表示装置、半導体装置の製造方法
TWI493623B (zh) Wiring construction and display device
KR101408445B1 (ko) 배선 구조 및 그 제조 방법 및 배선 구조를 구비한 표시 장치
JP6077978B2 (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法
JP5805270B2 (ja) 半導体装置、半導体装置を有する液晶表示装置、半導体装置の製造方法
US20150295058A1 (en) Thin-film transistor and manufacturing method therefor
WO2014020892A1 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
TWI504765B (zh) Cu alloy film, and a display device or an electronic device provided therewith
JP2011091364A (ja) 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置
JP2007073561A (ja) 薄膜トランジスタ
JP2018174342A (ja) 積層配線膜および薄膜トランジスタ素子
JP2019160829A (ja) 半導体装置およびその製造方法
TW201034200A (en) Thin-film transistor having barrier layer as constituent layer and copper alloy sputtering target for forming barrier layer by sputter deposition
US8373832B2 (en) Wiring layer, semiconductor device, and liquid crystal display device using semiconductor device
KR102004398B1 (ko) 표시 장치 및 그 제조 방법
US10340390B2 (en) Semiconductor device and method for producing the same
JP6950447B2 (ja) 半導体装置
US10164118B2 (en) Semiconductor device and method for producing same
TWI712502B (zh) 積層體及靶材
JP2011091365A (ja) 配線構造およびその製造方法、並びに配線構造を備えた表示装置
KR102160278B1 (ko) 박막 트랜지스터 및 그 제조 방법
WO2018181296A1 (ja) チャネルエッチ型薄膜トランジスタの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6950447

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150