JP2019078981A - 構造色発色部材およびタイヤ - Google Patents

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【課題】構造色を用いて発色する部材において、構造色部分が単一の色相で視認されるようにする。【解決手段】構造色発色部材30は、表面の少なくとも一部に一定の配列周期の微細凹凸構造320が形成され、微細凹凸構造320により構造色を発色する基材32と、微細凹凸構造320の表面に積層された発色層34とを有する。発色層34による発色は、構造色による発色に含まれる色相であり、微細凹凸構造320および発色層34が設けられた領域が、単一の色相で視認される。【選択図】図2

Description

本発明は、構造色により発色する領域を有する構造色発色部材およびこれを用いたタイヤに関する。
従来、光の波長またはそれ以下の寸法の微細構造により発色が生じる構造色が知られており、各種の分野へと応用されている。
例えば、下記特許文献1には、構造色による発色を用いたカラーフィルタが開示されている。また、下記特許文献2には、構造色の発色の変化(波長変化)を測定することにより物体の歪を算出する技術が開示されている。
特許文献1では、構造色を発生させる微細構造を型押しにより形成しており、特許文献2では、弾性体材料表面に微粒子を周期的に配列することにより構造色を発生させている。
特開2009−192676号公報 特許4925025号公報
上述した特許文献1のように、凹凸により構造色を発生させる場合、凹凸の高さを変更することによってある程度色相を制御することは可能であるが、視認方向により色が変わり、複数色(虹色)に見えるという課題がある。例えば構造色を用いて何らかの情報(文字やマークなど)を示したい場合、その情報に対応づけられた単一の色相で視認させたいというニーズがある。また、構造色が複数色で視認される場合、構造色が形成されている箇所と、構造色が形成されていない箇所との境界が不明瞭となる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、単一の色相で視認される構造色発色部材およびこれを用いたタイヤを得ることにある。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかる構造色発色部材は、表面の少なくとも一部に一定の配列周期の微細凹凸構造が形成され、前記微細凹凸構造により構造色を発色する基材と、前記微細凹凸構造の表面に積層され、厚さが0.8μm以上80μm以下の発色層と、を有し、前記微細凹凸構造および前記発色層が設けられた領域が、単一の色相で視認される、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかる構造色発色部材は、前記発色層は、入射光のうち特定の波長成分を吸収し透過した波長成分の色相を視認させる物質、または前記入射光のうち特定の波長成分の吸収により電子が励起され発光する物質の少なくとも一方を含有する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる構造色発色部材は、前記発色層の厚さは、0.8μm以上80μm以下である、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる構造色発色部材は、前記基材は、黒色材料を含んで形成されており、前記微細凹凸構造以外の領域は黒色に視認される、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる構造色発色部材は、前記基材は、軟質の高分子材料で形成されている、ことを特徴とする。
請求項6の発明にかかる構造色発色部材は、前記基材は、ゴム組成物を含んで形成されている、ことを特徴とする。
請求項7の発明にかかる構造色発色部材は、請求項1から6のいずれか1項に記載の構造色発色部材を用いて形成されたタイヤであることを特徴とする。
本発明によれば、微細凹凸構造により構造色を発色する基材に発色層を積層したので、微細凹凸構造および発色層が設けられた領域を単一の色相で視認可能とすることができる。例えば構造色を用いて何らかの情報(文字やマークなど)を示したい場合、その情報に対応づけられた単一の色相で当該情報を視認させることができる。また、構造色が複数色で視認される場合と比較して、構造色が形成されている箇所と、構造色が形成されていない箇所との境界を明瞭に区別可能とする上で有利となる。
実施の形態にかかる車両用タイヤ10の側面図である。 ロゴマーク204部分の拡大図である。 本発明および比較例における光の挙動を模式的に示す説明図である。 構造色発色部材30の視認評価結果を示す表である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る構造色発色部材およびタイヤの好適な実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、本発明に係る構造色発色部材を車両用タイヤに適用した例について説明する。
図1は、実施の形態にかかる車両用タイヤ10の側面図である。
車両用タイヤ10は、路面へ接地するトレッド面を有するトレッド部14、図示しないホイールと係合されるビード部16、それらトレッド部14とビード部16とを接続しタイヤ側面となるサイドウォール部12を含んで構成される。
トレッド部14が耐摩耗性を重視されるのに対して、サイドウォール部12は走行中の荷重による変形に耐えることが重視されており、その組成もトレッド部14とは異なっている。
より詳細には、本実施の形態では、サイドウォール部12は、ジエン系ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含有し、ジエン系ゴムは30〜70質量%の天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含有し、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は20〜60m/gであり、カーボンブラックの含有量はジエン系ゴム100質量部に対して5〜45質量部であり、シリカの含有量はジエン系ゴム100質量部に対して15〜55質量部であり、カーボンブラックとシリカとの合計含有量はジエン系ゴム100質量部に対して30〜60質量部となっている。
また、サイドウォール部12には、各種の情報が表示されている。
サイドウォール部12に表示される情報の一例としては、例えば車両用タイヤ10を製造するメーカー名202、メーカーのロゴマーク204、タイヤのブランド名206、タイヤの寸法208、ユニフォミティマーク214、軽点マーク216などが挙げられる。また、この他タイヤの製造番号や回転方向表示なども記載される。
このうち、ユニフォミティマーク214および軽点マーク216は、タイヤの完成後(加硫後)、個々のタイヤを検査した上でインク等を用いて付される。
また、メーカー名202、メーカーのロゴマーク204、タイヤのブランド名206、タイヤの寸法208等は、車両用タイヤ10を加硫する際の金型(モールド)に形成された凹凸を、加硫時に転写することによって付される。
これら金型の凹凸によって転写される情報のうち、ロゴマーク204以外は車両用タイヤ10全体と同色であり、サイドウォール部12の表面に対する凹凸によって各情報を視認可能となっている。
一方、ロゴマーク204は、例えばメーカーのコーポレートカラー等、車両用タイヤ10の色とは異なる色で視認されるように形成されている。
図2は、ロゴマーク204部分の拡大図であり、図2Aは断面図、図2Bは図2Aの拡大図、図2Cは基材32の斜視図である。
車両用タイヤ10のロゴマーク204部分は、基材32と発色層34とを備える構造色発色部材30で形成されている。
基材32は、その表面の少なくとも一部に一定の配列周期の微細凹凸構造320が形成されており、微細凹凸構造320により構造色を発色する。
本実施の形態において、基材32はサイドウォール部12を構成するタイヤの一部領域であり、上述のようにジエン系ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含有している。よって、基材32は、黒色材料であるカーボンブラックを含んで形成されており、微細凹凸構造320以外の領域は黒色に視認される。また、基材32は、軟質の高分子材料、特にゴム組成物であるジエン系ゴムを含んで形成されている。
なお、基材32を構成する材料は上記に限られず、従来公知の様々な素材を使用可能である。例えば、ポリエチレンやポリエステルなどに代表される軟質の高分子材料や、エチレンプロピレンゴムやアクリルゴムなどの非ジエンゴム、ウレタンゴムやシリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム組成物を含有していてもよい。
図2に示すように、微細凹凸構造320は、基材32の表面328に微細凹凸部324が一定の配列周期で配列されて構成されている。この微細凹凸構造320が設けられた領域が、構造色により基材32の他の領域(本実施の形態では黒)と異なる色で視認される。
ここで微細凹凸部324とは、構造色を得るために用いられる突起や孔など従来公知の様々な構造であり、本実施の形態では曲面(あるいは平面)である基材32の表面328から突出する微細な突起である。
また、配列周期とは、本実施の形態では隣り合う微細な突起の中心間の距離、すなわちピッチである。ピッチは、図2Aの符号Lに示すように、ゴム部材(タイヤ)表面に沿った突起と凹部との長さの合計と一致する。
また、一定の配列周期とは、構造色を得るために用いられる従来公知の様々な周期(ピッチ)であり、微細凹凸構造320の全体において均一の値の場合もあり、連続的にあるいは段階的に変化させる場合もある。
微細凹凸部324の配列周期または凹凸高さは、構造色として視認される色に対応する可視光の波長に基づいて決定される。すなわち、可視光に分類される波長帯から、構造色として表現したい色に対応する波長を選択し、共鳴格子の原理により微細凹凸部324の配列周期または凹凸高さの具体的な寸法を決定する。
本実施の形態では、微細凹凸部324の配列周期または凹凸高さは、例えば650nm以下で構成される。これは、本願発明者らの実験の結果、微細凹凸構造320の配列周期または凹凸高さが650nm以下の範囲で構造色が認められたためである。
本実施の形態では、微細凹凸部324は基材32の表面328に対して直交する方向に延びる円柱である。円柱の上面326は正円形であり、その直径Rはおよそ5μmである。また、隣り合う円柱間の距離Sは1μmであり、配列周期Lはおよそ6μmである。なお、図2では図示の便宜上、実際の寸法とは異なる比率で図示している。
ここで、本願発明者らは、微細凹凸部324の配列周期や円柱状の微細凹凸部324の直径は固定したまま、微細凹凸部324のタイヤ表面328からの高さ(凹凸高さ)Hを変更して複数のゴム部材を作成した。その結果、視認される面積が大きい順に以下のような構造色が視認された。複数の色が視認されるのは、構造色は観察角度によって色が異なるためである。
凹凸高さ650nm:赤、赤紫
凹凸高さ607nm:赤紫、赤、橙
凹凸高さ577nm:赤紫、橙
凹凸高さ536nm:橙、赤紫
凹凸高さ500nm:黄、緑、橙
以下、凹凸高さを小さくするほど青みが強くなる傾向にあった。
このように、微細凹凸部324の配列周期または凹凸高さを調整することにより、ゴム表面に任意の色で情報を表示することができる。例えばロゴマーク204部分を赤色で表示したい場合、凹凸高さを650nm程度にすればよい。
発色層34は、微細凹凸構造320の表面に積層されている。すなわち、発色層34は、微細凹凸構造320に対して光の入射方向(視認方向)に位置する。発色層34は、入射光のうち特定の波長成分を吸収し透過した波長成分の色相を視認させる物質(例えば通常の発色顔料)、または入射光のうち特定の波長成分の吸収により電子が励起され発光する物質(例えば蛍光顔料)の少なくとも一方を含有する。
例えば発色層34が通常の発色顔料により発色する場合、発色層34の色相は、基材32の構造色による発色に含まれる色相とする(構造色の波長成分の少なくとも一部を透過させる)のが好ましい。例えば、微細凹凸部324の凹凸高さを607nmとし、赤紫、赤、橙の構造色が得られるようにした場合、発色層34の色相は、赤紫または赤または橙とするのが好ましい。
また、発色層34が蛍光顔料により発色する場合、発色層34が吸収する波長成分は、構造色の波長成分を含むようにするのが好ましい。
発色層34の材料としては、例えばアクリル系塗料のほか、ウレタン系塗料など一般的な塗料を用いることができる。
従来の構造色は、図3Bに模式的に示すように、完全な単一色ではなく見る角度により色が変わり、虹色のように視認された。すなわち、基材32に微細凹凸構造320のみを設けた場合、入射光L1のうち特定の波長の成分のみが反射光L2となるものの、反射光L2には複数の色相に渡る波長成分が含まれ、複数の色相が視認されることとなる。
また、例えばタイヤ用ゴムのように黒色の基材32の上に特定の波長を吸収する発色層34を積層させた場合、図3Cに模式的に示すように、基材32により全ての波長の光が吸収されるため、色は見えなかった。すなわち、基材32に微細凹凸構造320を設けずに発色層34を積層させた場合、発色層34により入射光L1のほとんどの成分は吸収され、単色に相当する成分L1’のみが基材32に到達するものの、基材32が黒色のため成分L1’も吸収されてしまい、反射光L2が得られない。なお、図3Cでは図示の都合上、基材32と発色層34とを離して図示している。
一方、本実施の形態のように、構造色を発色する微細凹凸構造320の表面に特定の波長を吸収して発色または蛍光する発色層34を積層させることにより、図3Aに模式的に示すように、微細凹凸構造320に届く入射光および微細凹凸構造320から反射する光が発色層34により選別され、虹色だった構造色が単一の色相で視認されることとなる。
すなわち、微細凹凸構造320を設けた基材32に発色層34を積層した場合、発色層34により入射光L1のほとんどの成分は吸収され、単色に相当する成分L1’のみが基材32に到達する。基材32では、微細凹凸構造320により成分L1’のうち更に特定の波長のみが反射され、反射光L2となる。反射光L2は、発色層34を透過可能な波長帯に含まれるため、構造色発色部材30の外部まで到達し、基材32の色と区別して視認されることとなる。
なお、本実施の形態において単一の色相とは、通常の人間の色識別能においてほぼ単一色と認識される程度であり、レーザ光のように完全に同一の波長であることを示すものではない。例えば上述した微細凹凸部324の凹凸高さ607nmの場合のように、「赤紫、赤、橙」のような分布をもった色味ではなく、「赤」のように識別される程度の単一性を示す。
つぎに、構造色発色部材30の製造方法について説明する。
なお、以下の工程に先立って、車両用タイヤ10上に付加したい模様等の色相を決め、当該色相(車両用タイヤ10上で模様等として視認される色)に対応する可視光の波長に基づいて微細凹凸部記配列周期または凹凸高さを決定しておく(配列周期決定工程または凹凸高さ決定工程)。
(工程1)基材32の表面に微細凹凸構造320を形成するため、一定周期でパターン構造が配置されたマスクを形成する(マスク形成工程)。
まず、マスク形成用基板(シリコン基板)にスパッタリング装置を用いてクロム(Cr)を約80nm成膜する。つぎに、クロム膜上にポジ型電子線レジストをスピンコート(300rpmで3秒、のち4000rpmで60秒)する。その後、150℃のホットプレートで3分間プリベークを行い、電子線レジストをコートした基板に電子線描画装置を用いて露光、パターニング後、現像液に60秒浸漬して現像を行う。なお、構造色として視認される色に対応する可視光の波長に基づいて微細凹凸部324の配列周期を決定した場合、つまり構造色の発色を決めるパラメータとして微細凹凸部324の配列周期を用いた場合、パターニング時のパターン構造の配列周期を配列周期決定工程で決定した配列周期に基づいて決定する。現像後、混酸クロムエッチング液に約60秒浸し、露出しているCrのみを選択的に溶かすことでマスク(フォトマスク)を作製した。
(工程2)マスクを金属または半導体材料で形成された基板上に配置し、基板をエッチングする(エッチング工程)。
本実施の形態では、上記基板として単結晶シリコン基板を使用する。この基板をアセトン、メタノールの順に5分間超音波で洗浄し、基板上にポジ型フォトレジストをスピンコート(300rpmで3秒、のち5000rpmで60秒)する。つぎに、95℃のホットプレートで90秒プリベークする。これにより、レジストに含まれる有機溶剤を蒸発させて基板との密着性を向上させることができる。つづいて、フォトレジストをコートした基板にマスクアライナーと工程1で作製したフォトマスクを用いて露光を行い、現像液に浸すことで露光した箇所を溶出させてパターニングを行う。
パターニング後、ドライエッチング装置(パッシベーションガス:C,80sccm,エッチングガス:SF,130sccm,ボッシュプロセス)を用いて、基板のエッチングを行い、鋳型(シリコン鋳型)を作製する。なお、構造色として視認される色に対応する可視光の波長に基づいて微細凹凸部324の凹凸高さを決定した場合、つまり構造色の発色を決めるパラメータとして微細凹凸部324の凹凸高さを用いた場合、基板のエッチング時間を適宜制御することにより、微細凹凸部324の凹凸高さを凹凸高さ決定工程で決定した凹凸高さと一致させることができる。
また、上記工程1および工程2(鋳型形成工程)では、フォトリソグラフィ技術を用いて微細凹凸構造を有する鋳型を作製する場合について説明したが、本発明にかかるゴム部材の製造方法はこれに限らず、従来公知の様々な手法を適用可能である。
(工程3)エッチングした基板(鋳型)に未加硫ゴムを着接し、未加硫ゴムを加硫してゴム表面に微細凹凸構造を転写する(転写工程)。
シリコン鋳型に未加硫のゴムを載せ、80℃で10分間軟化させた後にプレスし、160℃で10分程度加硫した。
加硫後、シリコン鋳型から剥がしとり、ゴム表面(基材32表面)に微細凹凸構造320が転写されていることを確認した。微細凹凸構造320が形成されている領域は、基材32表面上の他の領域(平坦面領域)とは異なる色、すなわち微細凹凸構造320による構造色で視認される。
(工程4)
基材32の微細凹凸構造320が形成された領域の表面に、発色層34となるアクリル系塗料をエアブラシで塗布した。なお、塗料の塗布に用いる器具は、エアブラシの他、スピンコートや筆など一般的な方法を用いることが出来る。
図4は、上記のように作成した構造色発色部材30の視認評価結果を示す表である。
図4では、発色層34の厚みを変えた4つの実施例(実施例1〜実施例4)を示し、比較例として偏向反射層34を設けない場合の結果とともに示した。
発色層34の厚みは、基材32の微細凹凸部324の上面326(基材32の表面328から突出する凸部の頂点)から、基材32の表面328と反対方向への厚みとした。実施例1は発色層34の厚さを0.8μm、実施例2は3.0μm、実施例3は30.0μm、実施例4は80.0μmとした。
なお、発色層34の厚みはSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)により測定した。
比較例では、様々な波長の光が反射することで構造色発色部材30が虹色に視認された(評価×)。実施例1では、構造色発色部材30の一部に他の色が見えるものの、比較例よりも単色に視認された(評価△)。また、実施例2から4では、構造色発色部材30が単色に視認された(評価〇)。
このように、構造色を発色する基材32の表面に発色層34を形成することにより、構造色が単一の色相で視認されることが確認された。
なお、発色層34の厚さは、0.8μm以上80.0μmとするのが好ましい。これは、発色層34が薄すぎると発色せず、また厚すぎると光を透過しなくなったり剥離したりするためである。
以上説明したように、実施の形態にかかる構造色発色部材30は、微細凹凸構造320により構造色を発色する基材32に所定厚さの発色層34を積層したので、微細凹凸構造320および発色層34が設けられた領域を単一の色相で視認可能とすることができる。
例えば、本実施の形態のように、構造色を用いて車両用タイヤ10にロゴマーク204を付す場合、通常ロゴマーク204に使用されているメーカーのコーポレートカラーを単一色で視認させることができ、ロゴマーク204およびコーポレートカラーの認知度向上や統一したブランドイメージの確立を図る上で有利となる。
また、構造色が複数色で視認される場合と比較して、構造色が形成されている箇所と、構造色が形成されていない箇所との境界を明瞭に区別可能となり、構造色で示す情報の認識精度を向上させる上で有利となる。
なお、本実施の形態では、微細凹凸部324の形状を円柱形の突起としたが、これに限らず、構造色を表示するための構造として知られる従来公知の様々な形状を適用可能である。例えば微細凹凸部324の形状を、円錐状の突起や格子状の突起としてもよい。また、微細凹凸構造320をゴム表面に形成された孔や格子状の溝としてもよい。この場合も、孔の形状は例えば円筒形や円錐形などであってもよく、さらには円錐形に形成した孔の底部(円錐の頂点)に微粒子等を配置してもよい。
また、本実施の形態では、本発明に係る構造色発色部材30を車両用タイヤ10に適用した例について説明したが、これに限らず、従来公知の様々なゴム部材、特に製造工程で加硫を行う部材に適している。
また、本実施の形態では、ロゴマーク204のみを構造色発色部材30で表示するものとしたが、これに限らず、車両用タイヤ10のサイドウォール部12に表示される他の情報についても構造色発色部材30で表示するようにしてもよい。また、車両用タイヤ10の全体に構造色発色部材30を形成し、車両用タイヤ10全体が特定の色で視認されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、車両用タイヤ10のサイドウォール部12に表示される情報に本発明を適用したが、これに限らず車両用タイヤ10の他の箇所に表示される情報に本発明を適用してもよい。
10 車両用タイヤ
12 サイドウォール部
30 構造色発色部材
32 基材
320 微細凹凸構造
324 微細凹凸部
34 発色層
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかる構造色発色部材は、表面の少なくとも一部に一定の配列周期の微細凹凸構造が形成され、前記微細凹凸構造により構造色を発色する基材と、前記微細凹凸構造の凸部の頂点に接して積層された平面状の発色層と、を有し、前記微細凹凸構造および前記発色層が設けられた領域が、単一の色相で視認される、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかる構造色発色部材は、前記発色層は、入射光のうち特定の波長成分を吸収し透過した波長成分の色相を視認させる物質、または前記入射光のうち特定の波長成分の吸収により電子が励起され発光する物質の少なくとも一方を含有する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる構造色発色部材は、前記発色層の厚さは、0.8μm以上80μm以下である、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる構造色発色部材は、前記基材は、黒色材料を含んで形成されており、前記微細凹凸構造以外の領域は黒色に視認される、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる構造色発色部材は、前記基材は、軟質の高分子材料で形成されている、ことを特徴とする。
請求項6の発明にかかる構造色発色部材は、前記基材は、ゴム組成物を含んで形成されている、ことを特徴とする。
請求項7の発明にかかるタイヤは、請求項1から6のいずれか1項に記載の構造色発色部材を用いて形成されていることを特徴とする。

Claims (7)

  1. 表面の少なくとも一部に一定の配列周期の微細凹凸構造が形成され、前記微細凹凸構造により構造色を発色する基材と、
    前記微細凹凸構造の表面に積層された発色層と、を有し、
    前記微細凹凸構造および前記発色層が設けられた領域が、単一の色相で視認される、
    ことを特徴とする構造色発色部材。
  2. 前記発色層は、入射光のうち特定の波長成分を吸収し透過した波長成分の色相を視認させる物質、または前記入射光のうち特定の波長成分の吸収により電子が励起され発光する物質の少なくとも一方を含有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の構造色発色部材。
  3. 前記発色層の厚さは、0.8μm以上80μm以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の構造色発色部材。
  4. 前記基材は、黒色材料を含んで形成されており、前記微細凹凸構造以外の領域は黒色に視認される、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の構造色発色部材。
  5. 前記基材は、軟質の高分子材料で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の構造色発色部材。
  6. 前記基材は、ゴム組成物を含んで形成されている、
    ことを特徴とする請求項5記載の構造色発色部材。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の構造色発色部材を用いて形成されたタイヤ。
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