JP2019078888A - 偏光フィルムの製造方法及び偏光フィルムの製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ素を含有する染色処理液を収容する染色処理槽に浸漬させる工程と、
染色処理槽に浸漬させる工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容する架橋処理槽に浸漬させる工程と、
ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液を生成させる工程と、
前記ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加する工程と、
を含む、偏光フィルムの製造方法。
[2] ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程で用いるヨウ化物塩を含有する液は、第1架橋処理液であり、
前記第1架橋処理液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である、[1]に記載の製造方法。
[3] 第1架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程をさらに含み、
ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程において、活性炭処理後の第1架橋処理液を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、[2]に記載の製造方法。
[4] 前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程と、
活性炭処理後の第2架橋処理液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻す工程と、
をさらに含む、[2]に記載の製造方法。
[5] 第1架橋処理液の第1部分に対して活性炭処理を施す工程と、
活性炭処理後の前記第1部分の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻す工程と、
をさらに含み、
ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程において、前記第1部分とは異なる前記第1架橋処理液の第2部分を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、[2]に記載の製造方法。
[6] ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程で用いるヨウ化物塩を含有する液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である、[1]に記載の製造方法。
[7] 前記ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程から回収されるヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加する工程をさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させるための槽であって、ヨウ素を含有する染色処理液を収容するための染色処理槽と、
染色処理槽に浸漬されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させるための槽であって、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容するための架橋処理槽と、
ヨウ化物塩を含有する液を用いてヨウ化水素を含有する液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部と、
前記ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加するための第1供給路と、
を含む、偏光フィルムの製造装置。
[9] 電気透析部にてヨウ化水素を含有する液を生成させるために用いるヨウ化物塩を含有する液は、第1架橋処理液であり、
前記第1架橋処理液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である、[8]に記載の製造装置。
[10] 第1架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部をさらに含み、
バイポーラ膜電気透析装置は、前記活性炭処理部を通過した第1架橋処理液を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、[9]に記載の製造装置。
[11] 前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部と、
前記活性炭処理部を通過した第2架橋処理液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻すための第2供給路と、
をさらに含む、[9]に記載の製造装置。
[12] 第1架橋処理液の第1部分に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部と、
前記活性炭処理部を通過した前記第1部分の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻すための第3供給路と、
をさらに含み、
バイポーラ膜電気透析装置は、前記第1部分とは異なる前記第1架橋処理液の第2部分を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、[9]に記載の製造装置。
[13] 電気透析部にてヨウ化水素を含有する液を生成させるために用いるヨウ化物塩を含有する液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である、[8]に記載の製造装置。
[14] 前記電気透析部から回収されるヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加するための第4供給路をさらに含む、[8]〜[13]のいずれかに記載の製造装置。
本発明に係る偏光フィルムは、延伸されたPVA系樹脂フィルムにヨウ素が吸着配向しているものである。
図1に示される製造装置を用いた偏光フィルム25の製造においては、PVA系樹脂フィルム10を巻出ロール11から連続的に巻き出しつつ、膨潤処理槽13、染色処理槽15、架橋処理槽17及び洗浄処理槽19に順次浸漬し、最後に乾燥炉21に通すことにより乾燥処理を行って偏光フィルム25を得る。長尺物として製造される偏光フィルム25は、巻取ロール27に順次巻き取ってもよいし、あるいは、巻き取ることなく、偏光フィルム25の片面又は両面に保護フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムを接着する偏光板作製工程に供されてもよい。
図1に示される偏光フィルム製造装置は、湿式処理部と乾燥処理部とを含むPVA系樹脂フィルム10の搬送経路を有している。この搬送経路に沿ってPVA系樹脂フィルム10を搬送させることにより、湿式処理及び乾燥処理を含む一連の処理が施されて偏光フィルム25が得られる。
搬送経路に沿って搬送されるPVA系樹脂フィルム10の搬送速度は、通常10〜50m/分であり、生産効率の観点から、好ましくは15m/分以上である。
図1に示される例において偏光フィルム製造装置は、ガイドロール1a〜1k及びニップロール2a〜2fを含んでいる。搬送経路を規定する複数のロールは、駆動ロールの1種であるサクションロール(吸引ロール)を含んでいてもよい。通常、これらのロールはいずれも搬送経路内のフィルムの一方又は両方の表面(主面)に接して該フィルムを支持する。これらのロールは、各処理槽及び乾燥手段(乾燥炉)の前後や処理槽及び乾燥手段(乾燥炉)内等の適宜の位置に配置することができる。
PVA系樹脂フィルムを、ヨウ素を含有する染色処理液を収容する染色処理槽に浸漬させる工程(染色処理工程S101)、
染色処理工程S101後のPVA系樹脂フィルムを、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容する架橋処理槽に浸漬させる工程(架橋処理工程S102)、
ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液(以下、「HI含有液」ともいう。)を生成させる工程(電気透析工程S201)、及び
上記HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽に添加する工程(HI含有液添加工程S202)
を含む。
電気透析工程S201で用いるヨウ化物塩を含有する液としては、第1架橋処理液、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液、又はこれらの組み合わせが挙げられる。第1架橋処理液とは、上記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である。
湿式処理部に導入される(湿式処理工程に供される)PVA系樹脂フィルム10は、ポリビニルアルコール系樹脂で構成されるフィルムである。ポリビニルアルコール系樹脂とは、ビニルアルコール由来の構成単位を50重量%以上含む樹脂をいう。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。
酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。その他の「(メタ)」を付した用語においても同様である。
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)/(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。
PVA系樹脂フィルム10の他の一例は、上記未延伸フィルムを延伸してなる延伸フィルムである。この延伸は通常、一軸延伸、好ましくは縦一軸延伸である。縦延伸とは、フィルムの機械流れ方向(MD)、すなわちフィルムの長手方向への延伸をいう。
湿式処理部に導入される(湿式処理工程に供される)PVA系樹脂フィルム10が延伸フィルムである場合において、この延伸は、好ましくは乾式延伸である。乾式延伸とは空中で行う延伸をいい、通常は縦一軸延伸となる。
延伸温度(熱ロールの表面温度や、オーブン内温度等)は、例えば80〜150℃であり、好ましくは100〜135℃である。
可塑剤の含有量は、PVA系樹脂フィルム10を構成するポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常5〜20重量部であり、好ましくは7〜15重量部である。
湿式処理部は、PVA系樹脂フィルム10の搬送経路上に配置されるゾーンであり、PVA系樹脂フィルム10が浸漬される処理液を収容する処理槽を含む。この湿式処理部において、PVA系樹脂フィルム10を搬送させながら処理液に浸漬させる湿式処理工程が実施される。
図1には、膨潤処理槽13、染色処理槽15、架橋処理槽17及び洗浄処理槽19をそれぞれ1槽ずつ設けた例を示しているが、必要に応じて染色処理槽15を2槽以上を設けてもよく、架橋処理槽17を2槽以上を設けてもよい。膨潤処理槽13、洗浄処理槽19についても同様であり、それぞれ2槽以上設けてもよい。
膨潤処理は、PVA系樹脂フィルム10の異物除去、可塑剤除去、易染色性の付与、フィルムの可塑化等の目的で必要に応じて実施される処理である。
図1を参照して、膨潤処理工程は、PVA系樹脂フィルム10を巻出ロール11より連続的に巻き出しながら、フィルム搬送経路に沿って搬送させ、PVA系樹脂フィルム10を、膨潤処理液を収容する膨潤処理槽13に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。
膨潤処理液の温度は、通常10〜70℃、好ましくは15〜50℃、より好ましくは15〜35℃である。PVA系樹脂フィルム10の浸漬時間(膨潤処理液中での滞留時間)は、通常10〜600秒、好ましくは15〜300秒である。
PVA系樹脂フィルム10が延伸フィルムである場合、膨潤処理液の温度は、例えば20〜70℃程度、好ましくは30〜60℃であってもよい。
図1に示される例において、膨潤処理槽13から引き出されたフィルムは、ガイドロール1c、ニップロール2bを順に通過して染色処理槽15へ導入される。
染色処理は、PVA系樹脂フィルム10にヨウ素を吸着、配向させる等の目的で実施される処理である。
図1を参照して、染色処理工程S101は、PVA系樹脂フィルム10をフィルム搬送経路に沿って搬送させ、染色処理槽15に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。染色処理槽15は、それに収容される染色処理液にPVA系樹脂フィルム10を浸漬させるための槽である。染色処理液に浸漬されるPVA系樹脂フィルム10は、好ましくは膨潤処理工程(膨潤処理槽13に浸漬された)後のフィルムである。
染色処理槽15に収容される染色処理液は、ヨウ素を含有する液(通常は水溶液)である。
また、染色処理液は、ヨウ化物塩以外の化合物、例えば、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルト等を含んでいてもよい。ホウ酸を添加する場合は、ヨウ素を含む点で後述する架橋処理液と区別される。例えば、水溶液が水100重量部に対し、ヨウ素を約0.003重量部以上含んでいるものであれば、染色処理液とみなすことができる。染色処理液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり、通常0.003〜1重量部である。染色処理液におけるヨウ化カリウム等のヨウ化物塩の含有量は、水100重量部あたり、通常0.1〜20重量部である。
図1に示される例において、染色処理槽15から引き出されたフィルムは、ガイドロール1f、ニップロール2cを順に通過して架橋処理槽17へ導入される。
架橋処理は、架橋による耐水化や色相調整等の目的で実施される処理である。
図1を参照して、架橋処理は、染色処理工程S101(染色処理槽15に浸漬された)後のPVA系樹脂フィルム10をフィルム搬送経路に沿って搬送させ、架橋処理槽17に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。架橋処理槽17は、それに収容される架橋処理液にPVA系樹脂フィルム10を浸漬させるための槽である。
架橋処理槽17に収容される架橋処理液は、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する液(通常は水溶液)である。この架橋処理液に染色処理工程S101後のPVA系樹脂フィルム10を浸漬することによって架橋処理を行う。
架橋処理液に含有される架橋剤としては、例えば、ホウ酸、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられ、好ましくはホウ酸である。2種以上の架橋剤を併用することもできる。
架橋処理液における架橋剤の含有量は概して、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部であり、好ましくは1〜12重量部である。
架橋処理液の温度は概して、通常20〜85℃であり、好ましくは30〜70℃である。PVA系樹脂フィルム10の浸漬時間(架橋処理液中での滞留時間)は概して、通常10〜600秒、好ましくは20〜300秒である。
図1に示される例において、架橋処理槽17から引き出されたフィルムは、ガイドロール1i、ニップロール2dを順に通過して洗浄処理槽19へ導入される。
偏光フィルムの製造方法は、架橋処理工程S102後の洗浄処理工程をさらに含むことができ、このために偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17の下流側に配置される洗浄処理槽19をさらに含むことができる。洗浄処理は、架橋処理工程S102後のPVA系樹脂フィルム10に付着した余分な薬剤を除去する等の目的で実施される処理である。
図1を参照して、洗浄処理は、架橋処理工程S102(架橋処理槽17に浸漬された)後のPVA系樹脂フィルム10をフィルム搬送経路に沿って搬送させ、洗浄処理槽19に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。洗浄処理槽19は、それに収容される洗浄処理液にPVA系樹脂フィルム10を浸漬させるための槽である。
あるいは、洗浄処理は、架橋処理工程S102後のPVA系樹脂フィルム10に対して洗浄液を例えばシャワーとして噴霧する処理であってもよく、洗浄処理槽19への浸漬と洗浄液の噴霧とを組み合わせてもよい。図1には、PVA系樹脂フィルム10を洗浄処理槽19に浸漬して洗浄処理を施す場合の例を示している。
湿式処理工程においてPVA系樹脂フィルム10に対して湿式延伸を実施してもよい。湿式延伸は通常、一軸延伸であり、膨潤処理、染色処理、架橋処理、洗浄処理のいずれかの処理を行いながら、又はこれらから選択される2以上の処理中に行うことができる。
湿式延伸は、好ましくは、架橋処理工程S102又はそれより前の1又は2以上の段階でなされる。上述のように、ヨウ素の染色性を高めて良好な偏光特性を有する偏光フィルム25を得るために、染色処理工程S101に供されるPVA系樹脂フィルム10は、少なくともある程度の延伸処理が施されていることがより好ましい。
湿式延伸の延伸倍率は、得られる偏光フィルム25の偏光特性の観点から、好ましくは、偏光フィルム25の最終的な累積延伸倍率(湿式処理に供されるPVA系樹脂フィルム10が延伸フィルムである場合には、この延伸も含めた累積延伸倍率)が3〜8倍となるように調整される。
乾燥処理部は、PVA系樹脂フィルム10の搬送経路上であって湿式処理部の下流側に配置される、湿式処理工程後のPVA系樹脂フィルム10を乾燥させるためのゾーンである。湿式処理工程後のPVA系樹脂フィルム10を引き続き搬送させながら、乾燥処理部に当該フィルムを導入することによって乾燥処理を施すことができ、これにより偏光フィルム25が得られる(図1参照)。
Ty及びPyは、積分球付き吸光光度計を用い、得られた透過率、偏光度に対してJIS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正を行うことによって求めることができる。
上述のように、本発明に係る偏光フィルムの製造方法は、
ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液(HI含有液)を生成させる工程(電気透析工程S201);及び
上記HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する工程(HI含有液添加工程S202)
を含む。
このために、本発明に係る偏光フィルム製造装置は、
ヨウ化物塩を含有する液を用いてHI含有液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部;及び
上記HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための第1供給路
を含む。
上述のように、電気透析工程S201で用いるヨウ化物塩を含有する液としては、第1架橋処理液、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液、又はこれらの組み合わせが挙げられる。第1架橋処理液とは、上記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である。
以下、電気透析工程S201で用いるヨウ化物塩を含有する液が第1架橋処理液である場合のいくつかの実施形態を示す。
架橋処理槽17から少なくとも一部の架橋処理液を抜き出し、抜き出された架橋処理液に対して処理を施し、該処理によって得られる液体の少なくとも一部を架橋処理槽17に戻すための装置部分を、以下では「循環系」ともいう。
図1は、架橋処理槽17に循環系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の一例を示す模式図である。
図1に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17に接続され、上記第1架橋処理液(架橋処理槽17内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液)を用いてHI含有液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40;HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第1供給路41を含む。
架橋処理槽17と電気透析部40とは、接続路(接続ライン)29によって接続されている。
図2に示されるバイポーラ膜電気透析装置は、バイポーラ膜62、アニオン交換膜63及びカチオン交換膜64を有しており、バイポーラ膜62とアニオン交換膜63とによって区画される第1室70;アニオン交換膜63とカチオン交換膜64とによって区画される第2室71;カチオン交換膜64とバイポーラ膜62とによって区画される第3室72を備える。これらの室は、陽極50と陰極51との間に配置される。
図2に示されるバイポーラ膜電気透析装置は、第1室70、第2室71及び第3室72を備える3室型のバイポーラ膜電気透析装置である。3室型のバイポーラ膜電気透析装置は、図2に示される例のように、第1室70、第2室71及び第3室72をそれぞれ複数備えていてもよい。
バイポーラ膜62は、アニオン交換膜60とカチオン交換膜61とが貼り合わされた構造を持つイオン交換膜である。バイポーラ膜62のアニオン交換膜60側を陽極50側に、カチオン交換膜61側を陰極51側にして電気透析装置に組み込み、直流電流を印加することにより、アニオン交換膜60−カチオン交換膜61の界面において、水がイオン解離してH+とOH−を生じることが知られている。
一方、バイポーラ膜62のアニオン交換膜60−カチオン交換膜61の界面において生じた水素イオン(H+)はカチオン交換膜61を通過して第1室70へ移動し、水酸化物イオン(OH−)は、アニオン交換膜60を通過して第3室72へ移動する。
その結果、第1室70に供給された水にはヨウ化水素(HI)が含有されて、酸性を呈するHI含有液84となる。また、第3室72に供給された水にはKOH等のアルカリ塩が含有されて、アルカリ性を呈するアルカリ液83となる。
長尺のPVA系樹脂フィルム10を用いて、偏光フィルム25を連続的に製造すると、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHが次第に大きくなり、得られる偏光フィルム25の光学性能が安定しなかったり、光学性能が低下していくおそれがある。光学性能に関わる物性は、例えば透過率や偏光度である。光学性能の低下としては、光学性能が経時的に又は高温高湿環境下で劣化しにくい性質(光学耐久性)の低下が挙げられる。
得られたHI含有液84をHI含有液添加工程S202にて架橋処理槽17に戻すことにより、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。HI含有液84の添加によって、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHは、6以下に調整されることが好ましく、5以下に調整されることがより好ましく、4.5以下に調整されることがさらに好ましく、4以下に調整されることが特に好ましい。
pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(脱塩液82)を架橋処理槽17に添加する(戻す)ことは、省資源化等の観点から好ましい。
架橋処理槽17から少なくとも一部の架橋処理液を抜き出し、抜き出した架橋処理液に対して処理を施し、該処理によって得られる液の少なくとも一部を架橋処理槽17に戻す操作は、ポンプ等を用いて行うことができる。
図3は、架橋処理槽17に循環系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の別の一例を示す模式図である。
図3に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17と電気透析部40との間に、架橋処理槽17から抜き出された第1架橋処理液80に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部30をさらに含むこと以外は、第1実施形態に係る偏光フィルム製造装置と同様の構成を有する。
架橋処理槽17と活性炭処理部30とは、接続路(接続ライン)28によって接続されており、活性炭処理部30と電気透析部40とは、接続路(接続ライン)29によって接続されている。
第1架橋処理液80に対して活性炭処理を施すことにより、PVA−I3錯体を除去することができる。ただし、活性炭処理を施した後の第1架橋処理液80はアルカリ性を呈する傾向にあるため、これをそのまま架橋処理槽17に戻すと、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHが次第に大きくなる。
そこで本実施形態では、活性炭処理を施した後の第1架橋処理液80を電気透析部40に通し、HI含有液84を得たうえで、HI含有液添加工程S202にて、このHI含有液84を架橋処理槽17に戻す。これにより、PVA−I3錯体を除去しながら、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
図4は、架橋処理槽17に循環系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法のさらに別の一例を示す模式図である。
図3に示される偏光フィルム製造装置では、1つの循環系において、活性炭処理部30と電気透析部40とが直列に接続されているのに対して、図4に示される偏光フィルム製造装置では、活性炭処理部30を有し、電気透析部40を有しない第1循環系と、電気透析部40を有し、活性炭処理部30を有しない第2循環系の2つの循環系を有する。このような2つの循環系を有する製造装置によっても、活性炭処理によりPVA−I3錯体を除去しながら、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。
架橋処理槽17内に収容される架橋処理液のpHの好適な範囲は、第1実施形態と同様である。pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
架橋処理槽17と活性炭処理部30とは、接続路(接続ライン)28によって接続されており、架橋処理槽17と電気透析部40とは、接続路(接続ライン)29によって接続されている。第2架橋処理液は、接続路(接続ライン)28を通って活性炭処理部30に導入される。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
図5は、架橋処理槽17に循環系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法のさらに別の一例を示す模式図である。
図5に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17からの架橋処理液抜き取りラインが、第1循環系と第2循環系とで、一部共通していること以外は、第3実施形態と同様の構成を有する。
このような2つの循環系を有する製造装置によっても、活性炭処理によりPVA−I3錯体を除去しながら、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。
架橋処理槽17内に収容される架橋処理液のpHの好適な範囲は、第1実施形態と同様である。pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
架橋処理槽17と活性炭処理部30及び電気透析部40とは、接続路(接続ライン)29によって接続されている。より具体的には、接続路(接続ライン)29は、途中から第1分岐路29aと第2分岐路29bとに分岐しており、第1分岐路29aに電気透析部40が接続され、第2分岐路29bに活性炭処理部30が接続されている。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
上記各実施形態において、電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置は、図2に示される3室型のバイポーラ膜電気透析装置に限らず、他のバイポーラ膜電気透析装置であってもよい。
図6は、電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置及びそれを用いた第1架橋処理液の処理の様子の他の一例を示す模式図である。
図6に示されるバイポーラ膜電気透析装置は、バイポーラ膜62及びカチオン交換膜64を有しており、バイポーラ膜62とカチオン交換膜64とによって区画される第1室73;カチオン交換膜64とバイポーラ膜62とによって区画される第2室74を備える。これらの室は、陽極50と陰極51との間に配置される。
バイポーラ膜62及びカチオン交換膜64については、上で説明したとおりである。
図6に示されるバイポーラ膜電気透析装置は、第1室73及び第2室74を備える2室型のバイポーラ膜電気透析装置である。2室型のバイポーラ膜電気透析装置は、図6に示される例のように、第1室73及び第2室74をそれぞれ複数備えていてもよい。
一方、バイポーラ膜62のアニオン交換膜60−カチオン交換膜61の界面において生じた水素イオン(H+)はカチオン交換膜61を通過して第1室73へ移動し、水酸化物イオン(OH−)は、アニオン交換膜60を通過して第2室74へ移動する。
その結果、第1室73に供給された第1架橋処理液80にはヨウ化水素(HI)が含有されて(上述のようにヨウ化物塩濃度の低下も生じている。)、酸性を呈するHI含有液84となる。また、第2室74に供給された水にはKOH等のアルカリ塩が含有されて、アルカリ性を呈するアルカリ液83となる。
上記各実施形態及び変形例1において、架橋処理槽が複数ある場合、少なくともいずれか1つの架橋処理槽に上記循環系が付設されていればよいが、その中でも、少なくとも、架橋処理液のpH上昇が生じやすい、又はPVA−I3錯体の濃度が上昇しやすい架橋処理槽に上記循環系を付設することが好ましい。このような架橋処理槽としては、ヨウ素を含む染色処理液が架橋処理液に持ち込まれやすく、また架橋処理液の液温が比較的高めに設定される、染色処理槽に最も近い(すなわち、最も上流側の)架橋処理槽が挙げられる。
架橋処理槽が複数ある場合、より好ましくは、すべての架橋処理槽に上記循環系が付設される。
次に、電気透析工程S201で用いるヨウ化物塩を含有する液が、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である場合のいくつかの実施形態を示す。
少なくとも電気透析部において生成されるHI含有液を架橋処理槽に供給するための装置部分を、以下では「HI含有液供給系」ともいう。
図7は、架橋処理槽17にHI含有液供給系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の一例を示す模式図である。
図7に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液を用いてHI含有液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40;HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための第1供給路41を含む。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液は、収容槽90に収容されており、該液は、接続路(接続ライン)91を通して電気透析部40に供給される。
電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置については、上記(4−1)の記述が引用される。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液が含有するヨウ化物塩は、架橋処理槽内の架橋処理液が含有するヨウ化物塩と同一の化合物であることが好ましい。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液におけるヨウ化物塩の濃度は、例えば5〜60重量%である。
長尺のPVA系樹脂フィルム10を用いて、偏光フィルム25を連続的に製造すると、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHが次第に大きくなり、得られる偏光フィルム25の光学性能が安定しなかったり、光学性能が低下していくおそれがある。光学性能に関わる物性は、例えば透過率や偏光度である。光学性能の低下としては、光学性能が経時的に又は高温高湿環境下で劣化しにくい性質(光学耐久性)の低下が挙げられる。
得られたHI含有液84をHI含有液添加工程S202にて架橋処理槽17に添加することにより、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。HI含有液84の添加によって、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHは、6以下に調整されることが好ましく、5以下に調整されることがより好ましく、4.5以下に調整されることがさらに好ましく、4以下に調整されることが特に好ましい。
pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(脱塩液82)を架橋処理槽17に添加することは、省資源化等の観点から好ましい。
架橋処理槽17内の架橋処理液の量を調整するために、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202を行いながら、又は電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202とは別のタイミングで、フレッシュな架橋処理液を架橋処理槽17に補充してもよい。
HI含有液84、脱塩液82、収容槽90内のヨウ化物塩を含有する液等を架橋処理槽17に供給する操作は、ポンプ等を用いて行うことができる。
図8は、架橋処理槽17にHI含有液供給系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の他の一例を示す模式図である。
図8に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液を用いてHI含有液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40;HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための第1供給路41を含む。偏光フィルム製造装置は、電気透析部40において生成されたHI含有液84を収容槽90に戻すための接続路(接続ライン)45を有する。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液は、収容槽90に収容されており、該液は、接続路(接続ライン)91を通して電気透析部40に供給される。
電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置については、上記(4−1)の記述が引用される。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液については、上記(4−2−1)の記述が引用される。
本実施形態では、電気透析部40において生成されたHI含有液84の少なくとも一部は、収容槽90に戻され、収容槽90内のヨウ化物塩を含有する液と混合される。そして、HI含有液添加工程S202にて、HI含有液84の少なくとも一部は、ヨウ化物塩を含有する液との混合物として架橋処理槽17に添加される。該混合物の架橋処理槽17への添加は、第1供給路41を通して行うことができる。
電気透析部40から収容槽90へのHI含有液84の導入は、接続路45を通して行うことができる。
架橋処理槽17内に収容される架橋処理液のpHの好適な範囲は、第5実施形態と同様である。pHの調整は、架橋処理槽17に添加される上記混合物の量を制御することによって行うことができる。
ヨウ化物塩を含有する液(脱塩液82)は、これを収容槽90に戻して収容槽90内のヨウ化物塩を含有する液と混合し、上記混合物として架橋処理槽17に添加することができる。この場合、偏光フィルム製造装置は、図8に示されるように、電気透析部40と収容槽90とを接続する接続路(接続ライン)46を含む。
あるいは、ヨウ化物塩を含有する液(脱塩液82)は、電気透析部40から直接、架橋処理槽17に添加してもよい。この場合、偏光フィルム製造装置は、電気透析部40から回収される脱塩液82の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための、電気透析部40と架橋処理槽17とを接続する供給路(第4供給路44)を含む。
上記混合物等を架橋処理槽17に供給する操作は、ポンプ等を用いて行うことができる。
上記各実施形態において、架橋処理槽が複数ある場合、少なくともいずれか1つの架橋処理槽に上記HI含有液供給系が付設されていればよいが、その中でも、少なくとも、架橋処理液のpH上昇が生じやすい架橋処理槽に上記HI含有液供給系を付設することが好ましい。このような架橋処理槽としては、架橋処理液の液温が比較的高めに設定される、染色処理槽に最も近い(すなわち、最も上流側の)架橋処理槽が挙げられる。
架橋処理槽が複数ある場合、より好ましくは、すべての架橋処理槽に上記HI含有液供給系が付設される。
上記各実施形態において、上記HI含有液供給系に加えて、上記(4−1)に記載の循環系のいずれかがさらに架橋処理槽17に付設されてもよい。
Claims (14)
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ素を含有する染色処理液を収容する染色処理槽に浸漬させる工程と、
染色処理槽に浸漬させる工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容する架橋処理槽に浸漬させる工程と、
ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液を生成させる工程と、
前記ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加する工程と、
を含む、偏光フィルムの製造方法。 - ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程で用いるヨウ化物塩を含有する液は、第1架橋処理液であり、
前記第1架橋処理液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である、請求項1に記載の製造方法。 - 第1架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程をさらに含み、
ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程において、活性炭処理後の第1架橋処理液を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、請求項2に記載の製造方法。 - 前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程と、
活性炭処理後の第2架橋処理液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻す工程と、
をさらに含む、請求項2に記載の製造方法。 - 第1架橋処理液の第1部分に対して活性炭処理を施す工程と、
活性炭処理後の前記第1部分の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻す工程と、
をさらに含み、
ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程において、前記第1部分とは異なる前記第1架橋処理液の第2部分を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、請求項2に記載の製造方法。 - ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程で用いるヨウ化物塩を含有する液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程から回収されるヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させるための槽であって、ヨウ素を含有する染色処理液を収容するための染色処理槽と、
染色処理槽に浸漬されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させるための槽であって、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容するための架橋処理槽と、
ヨウ化物塩を含有する液を用いてヨウ化水素を含有する液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部と、
前記ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加するための第1供給路と、
を含む、偏光フィルムの製造装置。 - 電気透析部にてヨウ化水素を含有する液を生成させるために用いるヨウ化物塩を含有する液は、第1架橋処理液であり、
前記第1架橋処理液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である、請求項8に記載の製造装置。 - 第1架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部をさらに含み、
バイポーラ膜電気透析装置は、前記活性炭処理部を通過した第1架橋処理液を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、請求項9に記載の製造装置。 - 前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部と、
前記活性炭処理部を通過した第2架橋処理液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻すための第2供給路と、
をさらに含む、請求項9に記載の製造装置。 - 第1架橋処理液の第1部分に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部と、
前記活性炭処理部を通過した前記第1部分の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻すための第3供給路と、
をさらに含み、
バイポーラ膜電気透析装置は、前記第1部分とは異なる前記第1架橋処理液の第2部分を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、請求項9に記載の製造装置。 - 電気透析部にてヨウ化水素を含有する液を生成させるために用いるヨウ化物塩を含有する液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である、請求項8に記載の製造装置。
- 前記電気透析部から回収されるヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加するための第4供給路をさらに含む、請求項8〜13のいずれか1項に記載の製造装置。
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