JP2019078888A - 偏光フィルムの製造方法及び偏光フィルムの製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学性能の良好な偏光フィルムを安定的に連続製造することのできる方法を提供する。【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ素を含有する染色処理液を収容する染色処理槽に浸漬させる工程;染色処理槽に浸漬させる工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容する架橋処理槽に浸漬させる工程;ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液を生成させる工程;ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を架橋処理槽に添加する工程を含む偏光フィルムの製造方法が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば偏光板の構成部材として用いることのできる偏光フィルムの製造方法及び偏光フィルムの製造装置に関する。
偏光フィルムとして、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素のような二色性色素を吸着配向させたものが従来用いられている。一般に偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する染色処理、架橋剤で処理する架橋処理、及びフィルム乾燥処理を順次施すとともに、製造工程の間にポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して延伸処理を施すことによって製造される〔例えば、特開2001−141926号公報(特許文献1)、特開2001−083329号公報(特許文献2)〕。
特許文献2には、架橋処理に用いるホウ酸含有水溶液のpHを調整することによって、得られる偏光フィルムに、高湿熱下での高い耐久性を付与できることが記載されている。特許文献2に記載の方法においては、ホウ酸含有水溶液に硫酸、塩酸、酢酸等を添加してpH調整を行う。
特開2001−141926号公報 特開2001−083329号公報
通常、偏光フィルムは、工業的には、長尺のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、偏光フィルムの製造装置が有するフィルムの搬送経路に沿って連続的に搬送させながら、該搬送経路上にある上述の染色処理を行うための染色処理槽、及び架橋処理を行うための架橋処理槽に順次浸漬させる工程を含んで製造される。
しかし、本発明者の検討により、上記方法に従って偏光フィルムを連続的に製造すると、得られる偏光フィルムの光学性能が次第に低下していくことが明らかとなった。
本発明の目的は、光学性能の良好な偏光フィルムを安定的に連続製造することのできる方法及び装置を提供することにある。
本発明は、以下に示す偏光フィルムの製造方法及び製造装置を提供する。
[1] ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ素を含有する染色処理液を収容する染色処理槽に浸漬させる工程と、
染色処理槽に浸漬させる工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容する架橋処理槽に浸漬させる工程と、
ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液を生成させる工程と、
前記ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加する工程と、
を含む、偏光フィルムの製造方法。
[2] ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程で用いるヨウ化物塩を含有する液は、第1架橋処理液であり、
前記第1架橋処理液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である、[1]に記載の製造方法。
[3] 第1架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程をさらに含み、
ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程において、活性炭処理後の第1架橋処理液を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、[2]に記載の製造方法。
[4] 前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程と、
活性炭処理後の第2架橋処理液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻す工程と、
をさらに含む、[2]に記載の製造方法。
[5] 第1架橋処理液の第1部分に対して活性炭処理を施す工程と、
活性炭処理後の前記第1部分の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻す工程と、
をさらに含み、
ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程において、前記第1部分とは異なる前記第1架橋処理液の第2部分を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、[2]に記載の製造方法。
[6] ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程で用いるヨウ化物塩を含有する液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である、[1]に記載の製造方法。
[7] 前記ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程から回収されるヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加する工程をさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させるための槽であって、ヨウ素を含有する染色処理液を収容するための染色処理槽と、
染色処理槽に浸漬されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させるための槽であって、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容するための架橋処理槽と、
ヨウ化物塩を含有する液を用いてヨウ化水素を含有する液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部と、
前記ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加するための第1供給路と、
を含む、偏光フィルムの製造装置。
[9] 電気透析部にてヨウ化水素を含有する液を生成させるために用いるヨウ化物塩を含有する液は、第1架橋処理液であり、
前記第1架橋処理液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である、[8]に記載の製造装置。
[10] 第1架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部をさらに含み、
バイポーラ膜電気透析装置は、前記活性炭処理部を通過した第1架橋処理液を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、[9]に記載の製造装置。
[11] 前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部と、
前記活性炭処理部を通過した第2架橋処理液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻すための第2供給路と、
をさらに含む、[9]に記載の製造装置。
[12] 第1架橋処理液の第1部分に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部と、
前記活性炭処理部を通過した前記第1部分の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻すための第3供給路と、
をさらに含み、
バイポーラ膜電気透析装置は、前記第1部分とは異なる前記第1架橋処理液の第2部分を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、[9]に記載の製造装置。
[13] 電気透析部にてヨウ化水素を含有する液を生成させるために用いるヨウ化物塩を含有する液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である、[8]に記載の製造装置。
[14] 前記電気透析部から回収されるヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加するための第4供給路をさらに含む、[8]〜[13]のいずれかに記載の製造装置。
光学性能の良好な偏光フィルムを安定的に連続製造することのできる方法及び装置を提供することができる。
偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の第1例を示す模式図である。 バイポーラ膜電気透析装置及びそれを用いた架橋処理液の処理の様子の一例を示す模式図である。 偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の第2例を示す模式図である。 偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の第3例を示す模式図である。 偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の第4例を示す模式図である。 バイポーラ膜電気透析装置及びそれを用いた架橋処理液の処理の様子の他の一例を示す模式図である。 偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の第5例を示す模式図である。 偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の第6例を示す模式図である。
以下、実施の形態を示しながら、偏光フィルムの製造方法及び偏光フィルムの製造装置について説明する。
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム(以下、「PVA系樹脂フィルム」ともいう。)から偏光フィルムを製造するための製造方法及び製造装置に関する。偏光フィルムは、PVA系樹脂フィルムに対して、処理槽への浸漬処理(湿式処理)、乾燥処理等を含む一連の処理を施して製造される。
本発明に係る偏光フィルムは、延伸されたPVA系樹脂フィルムにヨウ素が吸着配向しているものである。
本発明に係る偏光フィルム製造装置の一例を図1に示す。図1に示される偏光フィルム製造装置は、原料フィルムである長尺のPVA系樹脂フィルム10から連続的に長尺の偏光フィルム25を製造するための装置である。図1中の矢印は、フィルムの搬送方向又は液体の流れ方向を示す。
図1に示される製造装置を用いた偏光フィルム25の製造においては、PVA系樹脂フィルム10を巻出ロール11から連続的に巻き出しつつ、膨潤処理槽13、染色処理槽15、架橋処理槽17及び洗浄処理槽19に順次浸漬し、最後に乾燥炉21に通すことにより乾燥処理を行って偏光フィルム25を得る。長尺物として製造される偏光フィルム25は、巻取ロール27に順次巻き取ってもよいし、あるいは、巻き取ることなく、偏光フィルム25の片面又は両面に保護フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムを接着する偏光板作製工程に供されてもよい。
偏光フィルム製造装置は、膨潤処理槽13、染色処理槽15、架橋処理槽17及び洗浄処理槽19等を含む湿式処理部(フィルムが浸漬される処理液を収容する処理槽を用いて湿式処理を行うゾーン)と、乾燥炉21のような乾燥処理部(湿式処理後のフィルムに対して乾燥処理を実施するゾーン)とを通常有する。
図1に示される偏光フィルム製造装置は、湿式処理部と乾燥処理部とを含むPVA系樹脂フィルム10の搬送経路を有している。この搬送経路に沿ってPVA系樹脂フィルム10を搬送させることにより、湿式処理及び乾燥処理を含む一連の処理が施されて偏光フィルム25が得られる。
搬送経路に沿って搬送されるPVA系樹脂フィルム10の搬送速度は、通常10〜50m/分であり、生産効率の観点から、好ましくは15m/分以上である。
図1に示されるように上記搬送経路は、湿式処理部と乾燥処理部とを通るように、走行中のフィルム(PVA系樹脂フィルム10及び偏光フィルム25)を支持・案内する複数のロールによって構築される。複数のロールは、フィルムの片面を支持するフリーロールであるガイドロール、及び/又は、1対のロール(通常は駆動ロールを含む。)からなり、フィルムを両面から挟み込む若しくは挟み込んで押圧するニップロールである。
図1に示される例において偏光フィルム製造装置は、ガイドロール1a〜1k及びニップロール2a〜2fを含んでいる。搬送経路を規定する複数のロールは、駆動ロールの1種であるサクションロール(吸引ロール)を含んでいてもよい。通常、これらのロールはいずれも搬送経路内のフィルムの一方又は両方の表面(主面)に接して該フィルムを支持する。これらのロールは、各処理槽及び乾燥手段(乾燥炉)の前後や処理槽及び乾燥手段(乾燥炉)内等の適宜の位置に配置することができる。
駆動ロールとは、それに接触するフィルムに対してフィルム搬送のための駆動力を与えることができるロールをいい、モーター等のロール駆動源が直接又は間接的に接続されたロール等であることができる。フリーロールとは、走行するフィルムを支持する役割を担い、フィルムの搬送に応じて自由に回転可能なロールをいう。
本発明に係る偏光フィルムの製造方法は、次の工程:
PVA系樹脂フィルムを、ヨウ素を含有する染色処理液を収容する染色処理槽に浸漬させる工程(染色処理工程S101)、
染色処理工程S101後のPVA系樹脂フィルムを、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容する架橋処理槽に浸漬させる工程(架橋処理工程S102)、
ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液(以下、「HI含有液」ともいう。)を生成させる工程(電気透析工程S201)、及び
上記HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽に添加する工程(HI含有液添加工程S202)
を含む。
電気透析工程S201で用いるヨウ化物塩を含有する液としては、第1架橋処理液、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液、又はこれらの組み合わせが挙げられる。第1架橋処理液とは、上記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である。
得られる偏光フィルム25は、延伸処理(通常は一軸延伸処理)されたものである。このために本発明に係る偏光フィルムの製造装置は、PVA系樹脂フィルム10の延伸手段(湿式延伸手段)を含むことができ、また本発明に係る偏光フィルムの製造方法は、PVA系樹脂フィルム10の延伸処理工程(湿式延伸処理工程)を含むことができる。
(1)PVA系樹脂フィルム
湿式処理部に導入される(湿式処理工程に供される)PVA系樹脂フィルム10は、ポリビニルアルコール系樹脂で構成されるフィルムである。ポリビニルアルコール系樹脂とは、ビニルアルコール由来の構成単位を50重量%以上含む樹脂をいう。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。
酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。その他の「(メタ)」を付した用語においても同様である。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80.0〜100.0モル%の範囲であることができるが、好ましくは90.0〜100.0モル%の範囲であり、より好ましくは94.0〜100.0モル%の範囲であり、さらに好ましくは98.0〜100.0モル%の範囲である。ケン化度が80.0モル%未満であると、得られる偏光フィルム25及びこれを含む偏光板の耐水性及び耐湿熱性が低下し得る。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH)がケン化工程により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)/(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度もJIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が100未満では、好ましい偏光性能を有する偏光フィルム25を得ることが困難であり、10000を超えると溶媒への溶解性が悪化し、PVA系樹脂フィルム10の形成(製膜)が困難となり得る。
PVA系樹脂フィルム10の一例は、上記ポリビニルアルコール系樹脂を製膜してなる未延伸フィルムである。製膜方法は、特に限定されるものではなく、溶融押出法、溶剤キャスト法のような公知の方法を採用することができる。
PVA系樹脂フィルム10の他の一例は、上記未延伸フィルムを延伸してなる延伸フィルムである。この延伸は通常、一軸延伸、好ましくは縦一軸延伸である。縦延伸とは、フィルムの機械流れ方向(MD)、すなわちフィルムの長手方向への延伸をいう。
湿式処理部に導入される(湿式処理工程に供される)PVA系樹脂フィルム10が延伸フィルムである場合において、この延伸は、好ましくは乾式延伸である。乾式延伸とは空中で行う延伸をいい、通常は縦一軸延伸となる。
乾式延伸としては、表面が加熱された熱ロールと、この熱ロールとは周速の異なるガイドロール(又は熱ロールであってもよい。)との間にフィルムを通し、熱ロールを利用した加熱下に縦延伸を行う熱ロール延伸;距離を置いて設置された2つのニップロール間にある加熱手段(オーブン等)を通過させながら、これら2つのニップロール間の周速差によって縦延伸を行うロール間延伸;テンター延伸;圧縮延伸等を挙げることができる。
延伸温度(熱ロールの表面温度や、オーブン内温度等)は、例えば80〜150℃であり、好ましくは100〜135℃である。
上記延伸の延伸倍率は、後述する湿式処理工程において湿式延伸を実施するか否か、及び当該湿式延伸での延伸倍率にもよるが、通常は1.1〜8倍であり、好ましくは2.5〜5倍である。
PVA系樹脂フィルム10は、可塑剤等の添加剤を含有することができる。可塑剤の好ましい例は多価アルコールであり、その具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。PVA系樹脂フィルム10は、1種又は2種以上の可塑剤を含有することができる。
可塑剤の含有量は、PVA系樹脂フィルム10を構成するポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常5〜20重量部であり、好ましくは7〜15重量部である。
湿式処理部に導入される(湿式処理工程に供される)PVA系樹脂フィルム10の厚みは、PVA系樹脂フィルム10が延伸フィルムであるか否かにもよるが、通常10〜150μmであり、得られる偏光フィルム25の薄膜化の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは65μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは35μm以下(例えば30μm以下、さらには20μm以下)である。
(2)湿式処理部及び湿式処理工程
湿式処理部は、PVA系樹脂フィルム10の搬送経路上に配置されるゾーンであり、PVA系樹脂フィルム10が浸漬される処理液を収容する処理槽を含む。この湿式処理部において、PVA系樹脂フィルム10を搬送させながら処理液に浸漬させる湿式処理工程が実施される。
湿式処理部は、上記処理槽として、通常は染色処理槽15及び架橋処理槽17を含んでおり、好ましくはさらに、膨潤処理槽13及び洗浄処理槽19を含む。これらの処理槽は通常、搬送経路の上流側から順に、膨潤処理槽13、染色処理槽15、架橋処理槽17、洗浄処理槽19の順で配置される(図1参照)。
図1には、膨潤処理槽13、染色処理槽15、架橋処理槽17及び洗浄処理槽19をそれぞれ1槽ずつ設けた例を示しているが、必要に応じて染色処理槽15を2槽以上を設けてもよく、架橋処理槽17を2槽以上を設けてもよい。膨潤処理槽13、洗浄処理槽19についても同様であり、それぞれ2槽以上設けてもよい。
(2−1)膨潤処理槽及び膨潤処理工程
膨潤処理は、PVA系樹脂フィルム10の異物除去、可塑剤除去、易染色性の付与、フィルムの可塑化等の目的で必要に応じて実施される処理である。
図1を参照して、膨潤処理工程は、PVA系樹脂フィルム10を巻出ロール11より連続的に巻き出しながら、フィルム搬送経路に沿って搬送させ、PVA系樹脂フィルム10を、膨潤処理液を収容する膨潤処理槽13に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。
膨潤処理槽13に収容される処理液(膨潤処理液)は、例えば水(純水等)であることができるほか、アルコール類等の水溶性有機溶媒を添加した水溶液であってもよい。また、膨潤処理液は、ホウ酸、塩化物、無機酸、無機塩等を含有することもできる。
膨潤処理液の温度は、通常10〜70℃、好ましくは15〜50℃、より好ましくは15〜35℃である。PVA系樹脂フィルム10の浸漬時間(膨潤処理液中での滞留時間)は、通常10〜600秒、好ましくは15〜300秒である。
PVA系樹脂フィルム10が延伸フィルムである場合、膨潤処理液の温度は、例えば20〜70℃程度、好ましくは30〜60℃であってもよい。
膨潤処理中に、PVA系樹脂フィルム10に対して湿式延伸処理(通常は一軸延伸処理)を施してもよい。その場合の延伸倍率は、通常1.2〜3倍、好ましくは1.3〜2.5倍である。図1を参照して、例えば、ニップロール2aとニップロール2bとの周速差を利用して膨潤処理槽13中で一軸延伸処理を施すことができる。
図1に示される例において、膨潤処理槽13から引き出されたフィルムは、ガイドロール1c、ニップロール2bを順に通過して染色処理槽15へ導入される。
(2−2)染色処理槽及び染色処理工程S101
染色処理は、PVA系樹脂フィルム10にヨウ素を吸着、配向させる等の目的で実施される処理である。
図1を参照して、染色処理工程S101は、PVA系樹脂フィルム10をフィルム搬送経路に沿って搬送させ、染色処理槽15に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。染色処理槽15は、それに収容される染色処理液にPVA系樹脂フィルム10を浸漬させるための槽である。染色処理液に浸漬されるPVA系樹脂フィルム10は、好ましくは膨潤処理工程(膨潤処理槽13に浸漬された)後のフィルムである。
染色処理槽15に収容される染色処理液は、ヨウ素を含有する液(通常は水溶液)である。
染色処理液には、ヨウ素及びヨウ化物塩を含有する水溶液を用いることができる。ヨウ化物塩としては、例えば、アルカリ金属のヨウ化物塩、アルカリ土類金属のヨウ化物塩、ヨウ化亜鉛等が挙げられ、好ましくはヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛であり、より好ましくはヨウ化カリウムである。ヨウ化カリウムと他のヨウ化物塩とを併用してもよい。
また、染色処理液は、ヨウ化物塩以外の化合物、例えば、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルト等を含んでいてもよい。ホウ酸を添加する場合は、ヨウ素を含む点で後述する架橋処理液と区別される。例えば、水溶液が水100重量部に対し、ヨウ素を約0.003重量部以上含んでいるものであれば、染色処理液とみなすことができる。染色処理液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり、通常0.003〜1重量部である。染色処理液におけるヨウ化カリウム等のヨウ化物塩の含有量は、水100重量部あたり、通常0.1〜20重量部である。
染色処理液の温度は、通常10〜45℃であり、好ましくは10〜40℃であり、より好ましくは20〜35℃である。PVA系樹脂フィルム10の浸漬時間(染色処理液中での滞留時間)は、通常20〜600秒、好ましくは30〜300秒である。
上述のように、偏光フィルム製造装置は、染色処理槽15を2槽以上含むことができる。この場合、各染色処理液の組成及び温度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ヨウ素の染色性を高めるために、染色処理に供されるPVA系樹脂フィルム10は、少なくともある程度の延伸処理(通常は一軸延伸処理)が施されていることが好ましい。染色処理前の延伸処理の代わりに、あるいは染色処理前の延伸処理に加えて、染色処理を行いながら延伸処理を施してもよい。染色処理までの積算の延伸倍率(染色処理までに延伸工程がない場合は染色処理での延伸倍率)は、通常1.6〜4.5倍であり、好ましくは1.8〜4倍である。図1を参照して、例えば、ニップロール2bとニップロール2cとの間の周速差を利用して染色処理槽15中で一軸延伸処理を施すことができる。
図1に示される例において、染色処理槽15から引き出されたフィルムは、ガイドロール1f、ニップロール2cを順に通過して架橋処理槽17へ導入される。
(2−3)架橋処理槽及び架橋処理工程S102
架橋処理は、架橋による耐水化や色相調整等の目的で実施される処理である。
図1を参照して、架橋処理は、染色処理工程S101(染色処理槽15に浸漬された)後のPVA系樹脂フィルム10をフィルム搬送経路に沿って搬送させ、架橋処理槽17に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。架橋処理槽17は、それに収容される架橋処理液にPVA系樹脂フィルム10を浸漬させるための槽である。
架橋処理槽17に収容される架橋処理液は、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する液(通常は水溶液)である。この架橋処理液に染色処理工程S101後のPVA系樹脂フィルム10を浸漬することによって架橋処理を行う。
架橋処理液に含有されるヨウ化物塩としては、例えば、アルカリ金属のヨウ化物塩、アルカリ土類金属のヨウ化物塩、ヨウ化亜鉛等が挙げられ、好ましくはヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛であり、より好ましくはヨウ化カリウムである。2種以上のヨウ化物塩を併用することもできる。
架橋処理液に含有される架橋剤としては、例えば、ホウ酸、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられ、好ましくはホウ酸である。2種以上の架橋剤を併用することもできる。
架橋処理液は、ヨウ化物塩及び架橋剤以外の化合物を含有していてもよい。該化合物としては、例えば、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
架橋処理液におけるヨウ化物塩の含有量は概して、水100重量部あたり、通常0.1〜20重量部であり、好ましくは5〜15重量部である。
架橋処理液における架橋剤の含有量は概して、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部であり、好ましくは1〜12重量部である。
架橋処理液の温度は概して、通常20〜85℃であり、好ましくは30〜70℃である。PVA系樹脂フィルム10の浸漬時間(架橋処理液中での滞留時間)は概して、通常10〜600秒、好ましくは20〜300秒である。
上述のように、偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17を2槽以上含むことができる。この場合、各架橋処理液の組成及び温度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。架橋処理液は、PVA系樹脂フィルム10を浸漬させる目的に応じたヨウ化物塩及び架橋剤の濃度や、温度を有していてもよい。架橋による耐水化のための架橋処理及び色相調整のための架橋処理を、それぞれ複数の工程で行ってもよい。
架橋処理を行いながら延伸処理(通常は一軸延伸処理)を施してもよい。図1を参照して、例えば、ニップロール2cとニップロール2dとの間の周速差を利用して架橋処理槽17中で一軸延伸処理を施すことができる。
図1に示される例において、架橋処理槽17から引き出されたフィルムは、ガイドロール1i、ニップロール2dを順に通過して洗浄処理槽19へ導入される。
(2−4)洗浄処理槽及び洗浄処理工程
偏光フィルムの製造方法は、架橋処理工程S102後の洗浄処理工程をさらに含むことができ、このために偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17の下流側に配置される洗浄処理槽19をさらに含むことができる。洗浄処理は、架橋処理工程S102後のPVA系樹脂フィルム10に付着した余分な薬剤を除去する等の目的で実施される処理である。
図1を参照して、洗浄処理は、架橋処理工程S102(架橋処理槽17に浸漬された)後のPVA系樹脂フィルム10をフィルム搬送経路に沿って搬送させ、洗浄処理槽19に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。洗浄処理槽19は、それに収容される洗浄処理液にPVA系樹脂フィルム10を浸漬させるための槽である。
あるいは、洗浄処理は、架橋処理工程S102後のPVA系樹脂フィルム10に対して洗浄液を例えばシャワーとして噴霧する処理であってもよく、洗浄処理槽19への浸漬と洗浄液の噴霧とを組み合わせてもよい。図1には、PVA系樹脂フィルム10を洗浄処理槽19に浸漬して洗浄処理を施す場合の例を示している。
洗浄処理槽19に収容される洗浄処理液や噴霧される洗浄液は、例えば水(純水等)であることができるほか、アルコール類等の水溶性有機溶媒を添加した水溶液であってもよい。洗浄浴の温度は、例えば2〜40℃である。
洗浄処理を行いながら延伸処理(通常は一軸延伸処理)を施してもよい。図1を参照して、例えば、ニップロール2dとニップロール2eとの間の周速差を利用して洗浄処理槽19中で一軸延伸処理を施すことができる。
(2−5)延伸手段及び延伸処理工程
湿式処理工程においてPVA系樹脂フィルム10に対して湿式延伸を実施してもよい。湿式延伸は通常、一軸延伸であり、膨潤処理、染色処理、架橋処理、洗浄処理のいずれかの処理を行いながら、又はこれらから選択される2以上の処理中に行うことができる。
湿式延伸は、好ましくは、架橋処理工程S102又はそれより前の1又は2以上の段階でなされる。上述のように、ヨウ素の染色性を高めて良好な偏光特性を有する偏光フィルム25を得るために、染色処理工程S101に供されるPVA系樹脂フィルム10は、少なくともある程度の延伸処理が施されていることがより好ましい。
湿式延伸の延伸倍率は、得られる偏光フィルム25の偏光特性の観点から、好ましくは、偏光フィルム25の最終的な累積延伸倍率(湿式処理に供されるPVA系樹脂フィルム10が延伸フィルムである場合には、この延伸も含めた累積延伸倍率)が3〜8倍となるように調整される。
湿式延伸処理工程を実施する場合、偏光フィルム製造装置は、PVA系樹脂フィルム10の湿式延伸手段を含む。湿式延伸手段は、好ましくはロール間延伸を行う延伸手段である。架橋処理工程S102中に湿式でロール間延伸を行う場合を例に挙げると、ロール間延伸を行う延伸手段は、架橋処理槽17の前後に配置される2つのニップロール2c,2dを含む。他の湿式処理中に延伸を行う場合についても同様に、湿式延伸手段は、離間して配置された2つのニップロールを含むことができる。
(3)乾燥処理部及び乾燥処理工程
乾燥処理部は、PVA系樹脂フィルム10の搬送経路上であって湿式処理部の下流側に配置される、湿式処理工程後のPVA系樹脂フィルム10を乾燥させるためのゾーンである。湿式処理工程後のPVA系樹脂フィルム10を引き続き搬送させながら、乾燥処理部に当該フィルムを導入することによって乾燥処理を施すことができ、これにより偏光フィルム25が得られる(図1参照)。
乾燥処理部は、フィルムの乾燥手段(加熱手段)を含む。乾燥手段の好適な一例は乾燥炉である。乾燥炉は、好ましくは炉内温度を制御可能なものである。乾燥炉は、例えば、熱風の供給等により炉内温度を高めることができる熱風オーブンである。また乾燥手段による乾燥処理は、凸曲面を有する1又は2以上の加熱体に湿式処理工程後のPVA系樹脂フィルム10を密着させる処理や、ヒーターを用いて該フィルムを加熱する処理であってもよい。
上記加熱体としては、熱源(例えば、温水等の熱媒や赤外線ヒーター)を内部に備え、表面温度を高めることができるロール(例えば熱ロールを兼ねたガイドロール)を挙げることができる。上記ヒーターとしては、赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等を挙げることができる。図1には、乾燥炉21内に湿式処理工程後のPVA系樹脂フィルム10を導入して乾燥処理を行う例を示している。
乾燥処理の温度(例えば、乾燥炉21の炉内温度、熱ロールの表面温度等)は、通常30〜100℃であり、好ましくは50〜90℃である。
偏光フィルム25は、延伸(通常は一軸延伸)されたPVA系樹脂フィルムにヨウ素が吸着配向されているものである。偏光フィルム25の厚みは、通常2〜40μmである。偏光フィルム25を含む偏光板の薄膜化の観点から、偏光フィルム25の厚みは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。
得られる偏光フィルム25の視感度補正単体透過率Tyは、視感度補正偏光度Pyとのバランスを考慮して、40〜47%であることが好ましく、41〜45%であることがより好ましい。視感度補正偏光度Pyは、99.9%以上であることが好ましく、99.95%以上であることがより好ましい。
Ty及びPyは、積分球付き吸光光度計を用い、得られた透過率、偏光度に対してJIS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正を行うことによって求めることができる。
得られた偏光フィルム25は、巻取ロール27に順次巻き取ってロール形態としてもよいし、巻き取ることなくそのまま偏光板作製工程(偏光フィルム25の片面又は両面に熱可塑性樹脂フィルム(保護フィルム等)を積層する工程)に供することもできる。
(4)架橋処理槽へのHI含有液の添加
上述のように、本発明に係る偏光フィルムの製造方法は、
ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液(HI含有液)を生成させる工程(電気透析工程S201);及び
上記HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する工程(HI含有液添加工程S202)
を含む。
このために、本発明に係る偏光フィルム製造装置は、
ヨウ化物塩を含有する液を用いてHI含有液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部;及び
上記HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための第1供給路
を含む。
上述のように、電気透析工程S201で用いるヨウ化物塩を含有する液としては、第1架橋処理液、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液、又はこれらの組み合わせが挙げられる。第1架橋処理液とは、上記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である。
(4−1)ヨウ化物塩を含有する液が第1架橋処理液である場合の実施形態
以下、電気透析工程S201で用いるヨウ化物塩を含有する液が第1架橋処理液である場合のいくつかの実施形態を示す。
架橋処理槽17から少なくとも一部の架橋処理液を抜き出し、抜き出された架橋処理液に対して処理を施し、該処理によって得られる液体の少なくとも一部を架橋処理槽17に戻すための装置部分を、以下では「循環系」ともいう。
(4−1−1)第1実施形態
図1は、架橋処理槽17に循環系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の一例を示す模式図である。
図1に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17に接続され、上記第1架橋処理液(架橋処理槽17内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液)を用いてHI含有液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40;HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第1供給路41を含む。
架橋処理槽17と電気透析部40とは、接続路(接続ライン)29によって接続されている。
図2は、電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置及びそれを用いた第1架橋処理液の処理の様子の一例を示す模式図である。
図2に示されるバイポーラ膜電気透析装置は、バイポーラ膜62、アニオン交換膜63及びカチオン交換膜64を有しており、バイポーラ膜62とアニオン交換膜63とによって区画される第1室70;アニオン交換膜63とカチオン交換膜64とによって区画される第2室71;カチオン交換膜64とバイポーラ膜62とによって区画される第3室72を備える。これらの室は、陽極50と陰極51との間に配置される。
図2に示されるバイポーラ膜電気透析装置は、第1室70、第2室71及び第3室72を備える3室型のバイポーラ膜電気透析装置である。3室型のバイポーラ膜電気透析装置は、図2に示される例のように、第1室70、第2室71及び第3室72をそれぞれ複数備えていてもよい。
アニオン交換膜63は、直流電流を印加することにより溶液中の陰イオンを選択的に透過する膜である。カチオン交換膜64は、直流電流を印加することにより溶液中の陽イオンを選択的に透過する膜である。
バイポーラ膜62は、アニオン交換膜60とカチオン交換膜61とが貼り合わされた構造を持つイオン交換膜である。バイポーラ膜62のアニオン交換膜60側を陽極50側に、カチオン交換膜61側を陰極51側にして電気透析装置に組み込み、直流電流を印加することにより、アニオン交換膜60−カチオン交換膜61の界面において、水がイオン解離してHとOHを生じることが知られている。
第1室70及び第3室72に水81を導入するとともに、第2室71に第1架橋処理液80を導入し、陽極50と陰極51との間に直流電流を印加すると、第1架橋処理液80中に存在するヨウ化物塩のヨウ素イオン(I)は、アニオン交換膜63を通過して第1室70へ移動し、ヨウ化物塩の陽イオン(カリウムイオン等)は、カチオン交換膜64を通過して第3室72へ移動する。これにより、第2室71に導入された第1架橋処理液80は、ヨウ化物塩濃度の低下が生じて脱塩液82となる。
一方、バイポーラ膜62のアニオン交換膜60−カチオン交換膜61の界面において生じた水素イオン(H)はカチオン交換膜61を通過して第1室70へ移動し、水酸化物イオン(OH)は、アニオン交換膜60を通過して第3室72へ移動する。
その結果、第1室70に供給された水にはヨウ化水素(HI)が含有されて、酸性を呈するHI含有液84となる。また、第3室72に供給された水にはKOH等のアルカリ塩が含有されて、アルカリ性を呈するアルカリ液83となる。
電気透析工程S201では、上記のようなバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40において、第1架橋処理液80を用いて、HI含有液84を生成させる。そして、HI含有液添加工程S202にて、このHI含有液84の少なくとも一部を架橋処理槽17に戻す。アルカリ液83は廃棄されてもよい。
長尺のPVA系樹脂フィルム10を用いて、偏光フィルム25を連続的に製造すると、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHが次第に大きくなり、得られる偏光フィルム25の光学性能が安定しなかったり、光学性能が低下していくおそれがある。光学性能に関わる物性は、例えば透過率や偏光度である。光学性能の低下としては、光学性能が経時的に又は高温高湿環境下で劣化しにくい性質(光学耐久性)の低下が挙げられる。
得られたHI含有液84をHI含有液添加工程S202にて架橋処理槽17に戻すことにより、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。HI含有液84の添加によって、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHは、6以下に調整されることが好ましく、5以下に調整されることがより好ましく、4.5以下に調整されることがさらに好ましく、4以下に調整されることが特に好ましい。
pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
偏光フィルムの製造方法は、電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(すなわち、脱塩液82)の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)工程をさらに含むことができる。このために、偏光フィルム製造装置は、電気透析部40から回収される脱塩液82の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第4供給路44をさらに含むことができる。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(脱塩液82)を架橋処理槽17に添加する(戻す)ことは、省資源化等の観点から好ましい。
架橋処理槽17内の架橋処理液の量を調整するために、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202を行いながら、又は電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202とは別のタイミングで、フレッシュな架橋処理液を架橋処理槽17に補充してもよい。
架橋処理槽17から少なくとも一部の架橋処理液を抜き出し、抜き出した架橋処理液に対して処理を施し、該処理によって得られる液の少なくとも一部を架橋処理槽17に戻す操作は、ポンプ等を用いて行うことができる。
(4−1−2)第2実施形態
図3は、架橋処理槽17に循環系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の別の一例を示す模式図である。
図3に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17と電気透析部40との間に、架橋処理槽17から抜き出された第1架橋処理液80に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部30をさらに含むこと以外は、第1実施形態に係る偏光フィルム製造装置と同様の構成を有する。
架橋処理槽17と活性炭処理部30とは、接続路(接続ライン)28によって接続されており、活性炭処理部30と電気透析部40とは、接続路(接続ライン)29によって接続されている。
本実施形態において、偏光フィルムの製造方法は、架橋処理槽17から抜き出された第1架橋処理液80に対して活性炭処理を施す工程をさらに含む。この場合、電気透析工程S201では、活性炭処理後の第1架橋処理液80を用いて、HI含有液84を生成させる。
長尺のPVA系樹脂フィルム10を用いて、偏光フィルム25を連続的に製造すると、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHが次第に大きくなることに加えて、PVA−I錯体の濃度が次第に上昇することが判明した。当該濃度が上昇した架橋処理槽17を用いて偏光フィルム25を製造すると、得られる偏光フィルム25の光学性能、とりわけ透過率が低下する傾向にある。
第1架橋処理液80に対して活性炭処理を施すことにより、PVA−I錯体を除去することができる。ただし、活性炭処理を施した後の第1架橋処理液80はアルカリ性を呈する傾向にあるため、これをそのまま架橋処理槽17に戻すと、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHが次第に大きくなる。
そこで本実施形態では、活性炭処理を施した後の第1架橋処理液80を電気透析部40に通し、HI含有液84を得たうえで、HI含有液添加工程S202にて、このHI含有液84を架橋処理槽17に戻す。これにより、PVA−I錯体を除去しながら、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。
架橋処理槽17内に収容される架橋処理液のpHの好適な範囲は、第1実施形態と同様である。pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
本実施形態においても、偏光フィルムの製造方法は、電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(すなわち、脱塩液82)の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)工程をさらに含むことができる。このために、偏光フィルム製造装置は、電気透析部40から回収される脱塩液82の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第4供給路44をさらに含むことができる。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
架橋処理槽17内の架橋処理液の量を調整するために、活性炭処理工程、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202を行いながら、又は活性炭処理工程、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202とは別のタイミングで、フレッシュな架橋処理液を架橋処理槽17に補充してもよい。
また、本実施形態の偏光フィルム製造装置に、後述する第3実施形態に係る第1循環系及び/又は第2循環系をさらに適用してもよい。
(4−1−3)第3実施形態
図4は、架橋処理槽17に循環系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法のさらに別の一例を示す模式図である。
図3に示される偏光フィルム製造装置では、1つの循環系において、活性炭処理部30と電気透析部40とが直列に接続されているのに対して、図4に示される偏光フィルム製造装置では、活性炭処理部30を有し、電気透析部40を有しない第1循環系と、電気透析部40を有し、活性炭処理部30を有しない第2循環系の2つの循環系を有する。このような2つの循環系を有する製造装置によっても、活性炭処理によりPVA−I錯体を除去しながら、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。
架橋処理槽17内に収容される架橋処理液のpHの好適な範囲は、第1実施形態と同様である。pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
図4に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17に接続され、第1架橋処理液80を用いてHI含有液84を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40;HI含有液84の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第1供給路41;架橋処理槽17内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液80とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部30;活性炭処理部30を通過した第2架橋処理液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第2供給路42を含む。
架橋処理槽17と活性炭処理部30とは、接続路(接続ライン)28によって接続されており、架橋処理槽17と電気透析部40とは、接続路(接続ライン)29によって接続されている。第2架橋処理液は、接続路(接続ライン)28を通って活性炭処理部30に導入される。
本実施形態において、偏光フィルムの製造方法は、架橋処理槽17内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液80とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程と、活性炭処理後の第2架橋処理液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)工程とをさらに含む。
本実施形態においても、偏光フィルムの製造方法は、電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(すなわち、脱塩液82)の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)工程をさらに含むことができる。このために、偏光フィルム製造装置は、電気透析部40から回収される脱塩液82の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第4供給路44をさらに含むことができる。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
同様に、HI含有液84及び/又は脱塩液82と、活性炭処理後の第2架橋処理液とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
架橋処理槽17内の架橋処理液の量を調整するために、活性炭処理工程、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202を行いながら、又は活性炭処理工程、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202とは別のタイミングで、フレッシュな架橋処理液を架橋処理槽17に補充してもよい。
(4−1−4)第4実施形態
図5は、架橋処理槽17に循環系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法のさらに別の一例を示す模式図である。
図5に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽17からの架橋処理液抜き取りラインが、第1循環系と第2循環系とで、一部共通していること以外は、第3実施形態と同様の構成を有する。
このような2つの循環系を有する製造装置によっても、活性炭処理によりPVA−I錯体を除去しながら、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。
架橋処理槽17内に収容される架橋処理液のpHの好適な範囲は、第1実施形態と同様である。pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
図5に示される偏光フィルム製造装置は、第1架橋処理液80の第1部分に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部30;活性炭処理部30を通過した第1部分の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第3供給路43;第1部分とは異なる第1架橋処理液80の第2部分を用いてHI含有液84を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40;HI含有液84の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第1供給路41を含む。
架橋処理槽17と活性炭処理部30及び電気透析部40とは、接続路(接続ライン)29によって接続されている。より具体的には、接続路(接続ライン)29は、途中から第1分岐路29aと第2分岐路29bとに分岐しており、第1分岐路29aに電気透析部40が接続され、第2分岐路29bに活性炭処理部30が接続されている。
本実施形態において、偏光フィルムの製造方法は、第1架橋処理液80の第1部分に対して活性炭処理を施す工程と、活性炭処理後の第1部分の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)工程とをさらに含む。この場合、電気透析工程S201では、第1部分とは異なる第1架橋処理液80の第2部分を用いて、HI含有液84を生成させる。
本実施形態においても、偏光フィルムの製造方法は、電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(すなわち、脱塩液82)の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)工程をさらに含むことができる。このために、偏光フィルム製造装置は、電気透析部40から回収される脱塩液82の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する(戻す)ための第4供給路44をさらに含むことができる。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
同様に、HI含有液84及び/又は脱塩液82と、活性炭処理後の第1架橋処理液80の第1部分とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
架橋処理槽17内の架橋処理液の量を調整するために、活性炭処理工程、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202を行いながら、又は活性炭処理工程、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202とは別のタイミングで、フレッシュな架橋処理液を架橋処理槽17に補充してもよい。
(4−1−5)変形例1
上記各実施形態において、電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置は、図2に示される3室型のバイポーラ膜電気透析装置に限らず、他のバイポーラ膜電気透析装置であってもよい。
図6は、電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置及びそれを用いた第1架橋処理液の処理の様子の他の一例を示す模式図である。
図6に示されるバイポーラ膜電気透析装置は、バイポーラ膜62及びカチオン交換膜64を有しており、バイポーラ膜62とカチオン交換膜64とによって区画される第1室73;カチオン交換膜64とバイポーラ膜62とによって区画される第2室74を備える。これらの室は、陽極50と陰極51との間に配置される。
バイポーラ膜62及びカチオン交換膜64については、上で説明したとおりである。
図6に示されるバイポーラ膜電気透析装置は、第1室73及び第2室74を備える2室型のバイポーラ膜電気透析装置である。2室型のバイポーラ膜電気透析装置は、図6に示される例のように、第1室73及び第2室74をそれぞれ複数備えていてもよい。
第2室74に水81を導入するとともに、第1室73に第1架橋処理液80を導入し、陽極50と陰極51との間に直流電流を印加すると、第1架橋処理液80中に存在するヨウ化物塩の陽イオン(カリウムイオン等)は、カチオン交換膜64を通過して第2室74へ移動する。これにより、第1室73に導入された第1架橋処理液80は、ヨウ化物塩濃度の低下が生じる。
一方、バイポーラ膜62のアニオン交換膜60−カチオン交換膜61の界面において生じた水素イオン(H)はカチオン交換膜61を通過して第1室73へ移動し、水酸化物イオン(OH)は、アニオン交換膜60を通過して第2室74へ移動する。
その結果、第1室73に供給された第1架橋処理液80にはヨウ化水素(HI)が含有されて(上述のようにヨウ化物塩濃度の低下も生じている。)、酸性を呈するHI含有液84となる。また、第2室74に供給された水にはKOH等のアルカリ塩が含有されて、アルカリ性を呈するアルカリ液83となる。
本変形例は、第1室73にて生成する上記のHI含有液84を、上記各実施形態におけるHI含有液84として用いるものである。本変形例においても、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。アルカリ液83は廃棄されてもよい。
(4−1−6)変形例2
上記各実施形態及び変形例1において、架橋処理槽が複数ある場合、少なくともいずれか1つの架橋処理槽に上記循環系が付設されていればよいが、その中でも、少なくとも、架橋処理液のpH上昇が生じやすい、又はPVA−I錯体の濃度が上昇しやすい架橋処理槽に上記循環系を付設することが好ましい。このような架橋処理槽としては、ヨウ素を含む染色処理液が架橋処理液に持ち込まれやすく、また架橋処理液の液温が比較的高めに設定される、染色処理槽に最も近い(すなわち、最も上流側の)架橋処理槽が挙げられる。
架橋処理槽が複数ある場合、より好ましくは、すべての架橋処理槽に上記循環系が付設される。
(4−2)ヨウ化物塩を含有する液が、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である場合の実施形態
次に、電気透析工程S201で用いるヨウ化物塩を含有する液が、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である場合のいくつかの実施形態を示す。
少なくとも電気透析部において生成されるHI含有液を架橋処理槽に供給するための装置部分を、以下では「HI含有液供給系」ともいう。
(4−2−1)第5実施形態
図7は、架橋処理槽17にHI含有液供給系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の一例を示す模式図である。
図7に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液を用いてHI含有液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40;HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための第1供給路41を含む。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液は、収容槽90に収容されており、該液は、接続路(接続ライン)91を通して電気透析部40に供給される。
電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置については、上記(4−1)の記述が引用される。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液は、例えば、比較的高い濃度でヨウ化物塩を含有するヨウ化物塩のマスターバッチである。このマスターバッチは、好ましくはヨウ化物塩を含有する水溶液である。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液が含有するヨウ化物塩は、架橋処理槽内の架橋処理液が含有するヨウ化物塩と同一の化合物であることが好ましい。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液におけるヨウ化物塩の濃度は、例えば5〜60重量%である。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液は、ヨウ化物塩以外の化合物を含むことができる。ヨウ化物塩以外の化合物としては、架橋処理槽内の架橋処理液に含まれる架橋剤の他、例えば、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
電気透析工程S201では、バイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40において、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液を用いて、HI含有液84を生成させる。そして、HI含有液添加工程S202にて、このHI含有液84の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する。
長尺のPVA系樹脂フィルム10を用いて、偏光フィルム25を連続的に製造すると、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHが次第に大きくなり、得られる偏光フィルム25の光学性能が安定しなかったり、光学性能が低下していくおそれがある。光学性能に関わる物性は、例えば透過率や偏光度である。光学性能の低下としては、光学性能が経時的に又は高温高湿環境下で劣化しにくい性質(光学耐久性)の低下が挙げられる。
得られたHI含有液84をHI含有液添加工程S202にて架橋処理槽17に添加することにより、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを好適な範囲に維持することができる。HI含有液84の添加によって、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHは、6以下に調整されることが好ましく、5以下に調整されることがより好ましく、4.5以下に調整されることがさらに好ましく、4以下に調整されることが特に好ましい。
pHの調整は、架橋処理槽17に戻されるHI含有液84の量を制御することによって行うことができる。
偏光フィルムの製造方法は、電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(すなわち、脱塩液82)の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する工程をさらに含むことができる。このために、偏光フィルム製造装置は、電気透析部40から回収される脱塩液82の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための第4供給路44をさらに含むことができる。
第1供給路41と第4供給路44とを一部、共通のラインとすることなどによって、HI含有液84と脱塩液82とを事前に混合してから架橋処理槽17に添加してもよい。
電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(脱塩液82)を架橋処理槽17に添加することは、省資源化等の観点から好ましい。
架橋処理槽17内の架橋処理液のヨウ化物塩等の濃度を調整するために、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202を行いながら、又は電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202とは別のタイミングで、収容槽90内のヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を架橋処理槽17に供給してもよい。ヨウ化物塩を含有する液の供給は、第5供給路92を通して行うことができる。
架橋処理槽17内の架橋処理液の量を調整するために、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202を行いながら、又は電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202とは別のタイミングで、フレッシュな架橋処理液を架橋処理槽17に補充してもよい。
HI含有液84、脱塩液82、収容槽90内のヨウ化物塩を含有する液等を架橋処理槽17に供給する操作は、ポンプ等を用いて行うことができる。
(4−2−2)第6実施形態
図8は、架橋処理槽17にHI含有液供給系が付設された偏光フィルム製造装置及びそれを用いた偏光フィルムの製造方法の他の一例を示す模式図である。
図8に示される偏光フィルム製造装置は、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液を用いてHI含有液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40;HI含有液の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための第1供給路41を含む。偏光フィルム製造装置は、電気透析部40において生成されたHI含有液84を収容槽90に戻すための接続路(接続ライン)45を有する。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液は、収容槽90に収容されており、該液は、接続路(接続ライン)91を通して電気透析部40に供給される。
電気透析部40が有するバイポーラ膜電気透析装置については、上記(4−1)の記述が引用される。
架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液については、上記(4−2−1)の記述が引用される。
電気透析工程S201では、バイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部40において、架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液を用いて、HI含有液84を生成させる。
本実施形態では、電気透析部40において生成されたHI含有液84の少なくとも一部は、収容槽90に戻され、収容槽90内のヨウ化物塩を含有する液と混合される。そして、HI含有液添加工程S202にて、HI含有液84の少なくとも一部は、ヨウ化物塩を含有する液との混合物として架橋処理槽17に添加される。該混合物の架橋処理槽17への添加は、第1供給路41を通して行うことができる。
電気透析部40から収容槽90へのHI含有液84の導入は、接続路45を通して行うことができる。
上記混合物として架橋処理槽17にHI含有液84を添加することにより、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを、より容易に、液組成を変更することなく好適な範囲に維持することができる。また、上記混合物を架橋処理槽17に添加することにより、架橋処理槽17内の架橋処理液のpHを調整しながら、ヨウ化物塩の濃度等を調整することができる。
架橋処理槽17内に収容される架橋処理液のpHの好適な範囲は、第5実施形態と同様である。pHの調整は、架橋処理槽17に添加される上記混合物の量を制御することによって行うことができる。
偏光フィルムの製造方法は、電気透析工程S201から回収されるヨウ化物塩を含有する液(すなわち、脱塩液82)の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加する工程をさらに含むことができる。
ヨウ化物塩を含有する液(脱塩液82)は、これを収容槽90に戻して収容槽90内のヨウ化物塩を含有する液と混合し、上記混合物として架橋処理槽17に添加することができる。この場合、偏光フィルム製造装置は、図8に示されるように、電気透析部40と収容槽90とを接続する接続路(接続ライン)46を含む。
あるいは、ヨウ化物塩を含有する液(脱塩液82)は、電気透析部40から直接、架橋処理槽17に添加してもよい。この場合、偏光フィルム製造装置は、電気透析部40から回収される脱塩液82の少なくとも一部を架橋処理槽17に添加するための、電気透析部40と架橋処理槽17とを接続する供給路(第4供給路44)を含む。
架橋処理槽17内の架橋処理液の量を調整するために、電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202を行いながら、又は電気透析工程S201及びHI含有液添加工程S202とは別のタイミングで、フレッシュな架橋処理液を架橋処理槽17に補充してもよい。
上記混合物等を架橋処理槽17に供給する操作は、ポンプ等を用いて行うことができる。
(4−2−3)変形例3
上記各実施形態において、架橋処理槽が複数ある場合、少なくともいずれか1つの架橋処理槽に上記HI含有液供給系が付設されていればよいが、その中でも、少なくとも、架橋処理液のpH上昇が生じやすい架橋処理槽に上記HI含有液供給系を付設することが好ましい。このような架橋処理槽としては、架橋処理液の液温が比較的高めに設定される、染色処理槽に最も近い(すなわち、最も上流側の)架橋処理槽が挙げられる。
架橋処理槽が複数ある場合、より好ましくは、すべての架橋処理槽に上記HI含有液供給系が付設される。
(4−2−4)変形例4
上記各実施形態において、上記HI含有液供給系に加えて、上記(4−1)に記載の循環系のいずれかがさらに架橋処理槽17に付設されてもよい。
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k ガイドロール、2a,2b,2c,2d,2e,2f ニップロール、10 ポリビニルアルコール系樹脂フィルム(PVA系樹脂フィルム)、11 巻出ロール、13 膨潤処理槽、15 染色処理槽、17 架橋処理槽、19 洗浄処理槽、21 乾燥炉、25 偏光フィルム、27 巻取ロール、28,29,45,46 接続路、29a 第1分岐路、29b 第2分岐路、30 活性炭処理部、40 電気透析部、41 第1供給路、42 第2供給路、43 第3供給路、44 第4供給路、50 陽極、51 陰極、60 アニオン交換膜、61 カチオン交換膜、62 バイポーラ膜、63 アニオン交換膜、64 カチオン交換膜、70 第1室、71 第2室、72 第3室、73 第1室、74 第2室、80 第1架橋処理液、81 水、82 脱塩液、83 アルカリ液、84 HI含有液、90 収容槽、91 接続路、92 第5供給路。

Claims (14)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ素を含有する染色処理液を収容する染色処理槽に浸漬させる工程と、
    染色処理槽に浸漬させる工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容する架橋処理槽に浸漬させる工程と、
    ヨウ化物塩を含有する液を用いて、バイポーラ膜電気透析装置によりヨウ化水素を含有する液を生成させる工程と、
    前記ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加する工程と、
    を含む、偏光フィルムの製造方法。
  2. ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程で用いるヨウ化物塩を含有する液は、第1架橋処理液であり、
    前記第1架橋処理液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 第1架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程をさらに含み、
    ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程において、活性炭処理後の第1架橋処理液を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施す工程と、
    活性炭処理後の第2架橋処理液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻す工程と、
    をさらに含む、請求項2に記載の製造方法。
  5. 第1架橋処理液の第1部分に対して活性炭処理を施す工程と、
    活性炭処理後の前記第1部分の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻す工程と、
    をさらに含み、
    ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程において、前記第1部分とは異なる前記第1架橋処理液の第2部分を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、請求項2に記載の製造方法。
  6. ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程で用いるヨウ化物塩を含有する液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である、請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記ヨウ化水素を含有する液を生成させる工程から回収されるヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させるための槽であって、ヨウ素を含有する染色処理液を収容するための染色処理槽と、
    染色処理槽に浸漬されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させるための槽であって、ヨウ化物塩及び架橋剤を含有する架橋処理液を収容するための架橋処理槽と、
    ヨウ化物塩を含有する液を用いてヨウ化水素を含有する液を生成させるためのバイポーラ膜電気透析装置を有する電気透析部と、
    前記ヨウ化水素を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加するための第1供給路と、
    を含む、偏光フィルムの製造装置。
  9. 電気透析部にてヨウ化水素を含有する液を生成させるために用いるヨウ化物塩を含有する液は、第1架橋処理液であり、
    前記第1架橋処理液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される少なくとも一部の架橋処理液である、請求項8に記載の製造装置。
  10. 第1架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部をさらに含み、
    バイポーラ膜電気透析装置は、前記活性炭処理部を通過した第1架橋処理液を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、請求項9に記載の製造装置。
  11. 前記架橋処理槽内の架橋処理液から抜き出される架橋処理液であって第1架橋処理液とは異なる第2架橋処理液に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部と、
    前記活性炭処理部を通過した第2架橋処理液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻すための第2供給路と、
    をさらに含む、請求項9に記載の製造装置。
  12. 第1架橋処理液の第1部分に対して活性炭処理を施すための活性炭処理部と、
    前記活性炭処理部を通過した前記第1部分の少なくとも一部を前記架橋処理槽に戻すための第3供給路と、
    をさらに含み、
    バイポーラ膜電気透析装置は、前記第1部分とは異なる前記第1架橋処理液の第2部分を用いて、ヨウ化水素を含有する液を生成させる、請求項9に記載の製造装置。
  13. 電気透析部にてヨウ化水素を含有する液を生成させるために用いるヨウ化物塩を含有する液は、前記架橋処理槽内の架橋処理液よりも高い濃度でヨウ化物塩を含有する液である、請求項8に記載の製造装置。
  14. 前記電気透析部から回収されるヨウ化物塩を含有する液の少なくとも一部を前記架橋処理槽に添加するための第4供給路をさらに含む、請求項8〜13のいずれか1項に記載の製造装置。
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