JP2019078192A - 風車翼へのボルテックスジェネレータの配置位置決定方法、風車翼アセンブリの製造方法及び風車翼アセンブリ - Google Patents

風車翼へのボルテックスジェネレータの配置位置決定方法、風車翼アセンブリの製造方法及び風車翼アセンブリ Download PDF

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Abstract

【課題】ボルテックスジェネレータの取り付けによるドラッグペナルティの発生を抑制する。【解決手段】風車翼は、複数のフィンを含むボルテックスジェネレータを備えた風車翼であって、複数のフィンのうち最も翼先端側に位置する第1フィンは、コード長Cに対する翼厚tの比t/Cが0.4である翼長方向位置、または、風車翼を含むロータの半径Rに対して0.2Rの半径方向位置のうち翼先端側に近い方の位置よりも翼根側に設けられる。ボルテックスジェネレータは、0〜0.1Rの範囲に設けられ、コード長Cに対するコード方向位置xの比x/Cが0≦x/C≦0.2を満たす1以上のフィンを含み得る。【選択図】図8

Description

本開示は風車翼へのボルテックスジェネレータの配置位置決定方法、風車翼アセンブリの製造方法及び風車翼アセンブリに関する。
従来、風車の運転効率を向上させる観点から、風車翼の空力的性能を改善する試みがなされている。その試みの一つは、風車翼の表面にボルテックスジェネレータ(VG)を設け、風車翼の表面に沿った流れの剥離を抑制することである。
特許文献1には、風車翼の表面に取り付けられる基部と該基部上に立設されたフィンとを有するボルテックスジェネレータが開示されている。
欧州特許出願公開第2736805号明細書
ところで、上記特許文献1では、翼端側のボルテックスジェネレータの位置を風車翼の翼長Lに対して翼根側から0.2〜0.5Lの領域に設定することが記載されている。しかし、ボルテックスジェネレータを過剰に取り付けると、該ボルテックスジェネレータによって生じる抗力であるドラッグペナルティにより風車翼の性能低下が引き起こされるため、ボルテックスジェネレータは必要な箇所にのみ取り付けることが好ましい。この点、空力性能が向上した近年の風車翼においては、ボルテックスジェネレータを必要とする領域が縮小傾向にあり、0.2〜0.5Lの領域までVGを取り付けることは必ずしも最適とは言えないという問題があった。
上記問題に鑑み、本発明の少なくとも一実施形態は、ボルテックスジェネレータの取付によるドラッグペナルティの発生を抑制することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼は、
複数のフィンを含むボルテックスジェネレータを備えた風車翼であって、
前記複数のフィンのうち最も翼先端側に位置する第1フィンは、コード長Cに対する翼厚tの比t/Cが0.4である翼長方向位置、または、前記風車翼を含むロータの半径Rに対して0.2Rの半径方向位置のうち前記翼先端側に近い方の位置よりも翼根側に設けられる。
風車翼の大型化に伴い該風車翼の重量低減が課題となる。風車翼の重量を低減するには風車翼の翼端側に大きな翼厚比を適用することが効果的であり、結果として翼根側の翼型が相対的に薄くなる。このような風車翼の翼根側から0.2Rの領域(r/R≦0.2)ではt/Cが0.4程度の翼型が適用され、該領域では翼根側に向かうにつれて風の流入角及び迎角が急激に上昇するほか、翼厚比が高いこともあって剥離が生じ易い。この点、上記(1)の構成によれば、剥離の生じる領域の目安となる翼厚比t/Cが0.4である翼長方向位置、又は、r/R≦0.2の半径方向位置のうち、翼先端側に近い方の位置よりも翼根側を第1フィンの取付限界位置とし、これよりも翼根側にのみボルテックスジェネレータが設けられる。よって、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータの過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、0〜0.1Rの範囲に設けられ、前記コード長Cに対するコード方向位置xの比x/Cが0≦x/C≦0.2を満たす1以上のフィンを含んでもよい。
上記(2)の構成によれば、翼長方向において0〜0.1R、コード方向において0≦x/C≦0.2の領域に、ボルテックスジェネレータの翼根側の始点を配置することができる。これにより、翼劣化状態における定格風速条件又は翼健全状態における可変運転条件の少なくとも一方において剥離低減効果を発揮し得るボルテックスジェネレータを備えた風車翼を得ることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、0.15〜0.2Rの範囲に設けられ、前記コード長Cに対するコード方向位置xの比x/Cが0.2≦x/C≦0.8を満たす1以上のフィンを含んでもよい。
上記(3)の構成によれば、翼長方向において0.15〜0.2R、コード方向において0.2≦x/C≦0.8の領域に、ボルテックスジェネレータの翼先端側の終点を配置することができる。これにより、少なくとも翼健全状態における可変運転条件において剥離低減効果を発揮し得るボルテックスジェネレータを備えた風車翼を得ることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか一つに記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、圧力面及び負圧面をそれぞれ有し、前記負圧面が互いに対向するように配置された一対のフィンにより形成されるフィンセットを複数含み、
前記取付範囲内において、前記一対のフィンの後縁の間隔Sに対する、隣り合う2つの前記フィンセットの配列ピッチZの比Z/Sが、1.5≦Z/S≦3.0を満たしてもよい。
剥離抑制効果を高める観点からは、ボルテックスジェネレータを高密度で配置することが望ましい。一方、抵抗低減のためには、低密度でボルテックスジェネレータを配置することが望ましい。そこで、上記(4)の構成のように、Z/Sが1.5以上3.0以下を満たす密度でボルテックスジェネレータを配置すれば、剥離抑制効果と抵抗低減効果を同時に享受することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れか一つに記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、前記負圧面が互いに対向するように配置された一対のフィンにより形成されるフィンセットを複数含み、前記フィンの高さHに対する前記一対のフィンの後縁の間隔Sの比S/Hが、2.5≦S/H≦5.0を満たしてもよい。
S/Hが小さいほど、生成された縦渦どうしの間隔が狭くなり、縦渦どうしが干渉することによって剥離抑制効果が低減する原因となり得る。加えて、フィンの数が増えることによって、ボルテックスジェネレータ自体の抵抗が増加してしまう。他方、S/Hが大きいほど、生成された縦渦どうしの間隔は広くなり、風車翼上におけるボルテックスジェネレータの取付範囲にて縦渦が存在しない箇所が多くなるため、剥離抑制効果が低減する原因となり得る。そこで、上記(5)のように、S/Hが、2.5≦S/H≦5.0を満たす構成とすることで、ボルテックスジェネレータ設置による技術的利得を効果的に享受できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れか一つに記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、前記風車翼のコード方向に沿った線分に対して線対称に配置された一対のフィンを含んでもよい。
上記(6)の構成によれば、ボルテックスジェネレータを風流入方向に対して適切な方向で配置することができ、ボルテックスジェネレータによる渦の生成を安定させることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れか一つに記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、前記風車翼のフラットバックの開始点よりも前記翼根側に配置された一対のフィンを含んでもよい。
翼根側に近い領域では、後縁に厚みを持たせてフラットバック翼型を採用することにより剥離を抑えて高い迎え角まで揚力を維持することが行われ得る。逆に、フラットバックの開始点よりも翼先端側の領域では剥離が起きにくく、仮にこの領域にボルテックスジェネレータを配置した場合はドラッグペナルティの発生によるデメリットの方が大きいと考えられる。この点、上記(7)の構成によれば、フラットバックの開始点よりも前記翼根側に配置された一対のフィンを含むため、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータの過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れか一つに記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、圧力面及び負圧面をそれぞれ有し、前記負圧面が互いに対向するように配置された一対のフィンにより形成されるフィンセットを複数含み、
前記フィンの高さHに対する、隣り合う2つの前記フィンセットの配列ピッチZの比Z/Hが、6.0以上8.0以下となるように前記ボルテックスジェネレータが配置されてもよい。
上記(4)で述べたように、剥離抑制効果を高める観点からは、ボルテックスジェネレータを高密度で配置することが望ましい。一方、隣り合うフィンセット同士の間隔が近い程、生成された縦渦同士の干渉により剥離抑制効果が低減する原因となり得る。そこで、上記(8)の構成のように、Z/Hが6.0以上8.0以下を満たすボルテックスジェネレータを配置すれば、剥離抑制効果と抵抗低減効果を同時に享受することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れか一つに記載の構成において、
前記風車翼の翼長LがL≧55mを満たしてもよい。
上記(1)で述べたボルテックスジェネレータの配置は、翼長が長い風車翼であるほど高い効果を享受することができると考えられる。この点、上記(9)の構成によれば、翼長LがL≧55mを満たす風車翼において、上記(1)で述べた効果を効果的に享受することができるから、比較的大型の風車の風車翼において、ボルテックスジェネレータの取付によるドラッグペナルティの発生を抑制することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れか一つに記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、該ボルテックスジェネレータの翼長方向位置rと前記ロータの半径Rとの比r/Rが0.8における(t/c)refに対して、2×(t/c)refよりも大きな翼厚比の範囲内に設けられてもよい。
近年の風車翼の大型化に伴う風車翼の重量低減の必要性により、翼先端側に大きな翼厚比を適用することで相対的に翼根側の翼厚比が低い翼型が採用され得る。このような場合に、r/Rが0.8における(t/c)refに対して、2×(t/c)ref≦t/cを満たす翼根側の領域を剥離が生じ得る領域の境界の目安とすることができる。よって、上記(10)の構成によれば、剥離の生じやすい領域にのみ最小限のボルテックスジェネレータを配置することで、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータの過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れか一つに記載の構成において、
前記ボルテックスジェネレータは、該ボルテックスジェネレータの翼長方向位置rと前記ロータの半径Rとの比r/Rが0.8における(t/c)refに対して、3×(t/c)ref以下の翼厚比の範囲内に設けられる。
上記のように、風車翼の大型化に伴い、翼先端側に大きな翼厚比を適用することで相対的に翼根側の翼厚比が低い翼型が採用され得る。すなわち、従来の翼型の風車翼におけるr/R=0.8の翼厚比に対するr/R=0.2の翼厚比(例えば3倍程度)よりも、大型風車に採用され得る翼型の風車翼におけるr/R=0.8の翼厚比に対するr/R=0.2の翼厚比が低くなるから、r/R=0.8の翼厚比に対するr/R=0.2の翼厚比が3倍である領域はr/R≦0.2を満たす翼根側の領域となり、この領域を剥離が生じ得る領域の境界の目安とすることができる。よって、上記(11)の構成によれば、剥離が生じ得る領域の範囲内にボルテックスジェネレータを設けることができるため、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータの過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼へのボルテックスジェネレータの配置決定方法は、
複数のフィンを含むボルテックスジェネレータの風車翼への配置決定方法であって、
前記複数のフィンのうち最も翼先端側に位置する第1フィンは、コード長Cに対する翼厚tの比t/Cが0.4である翼長方向位置、または、前記風車翼を含むロータの半径Rに対して0.2Rの半径方向位置のうち翼先端側に近い方の位置よりも翼根側に配置されるように、前記複数のフィンの配置を決定する。
上記(12)の方法によれば、上記(1)で述べたように、剥離の生じる領域の目安となる翼厚比t/Cが0.4である翼長方向位置、又は、r/R≦0.2の半径方向位置のうち、翼先端側に近い方の位置よりも翼根側を第1フィンの取付限界位置として決定し、これよりも翼根側にのみボルテックスジェネレータを設けることができる。よって、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータの過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
(13)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼へのボルテックスジェネレータの配置決定方法は、
風車翼へのボルテックスジェネレータの取付範囲のうち翼長方向における第1領域について、前記風車翼への風の流入角を基準として、該風車翼の後縁に向かって規定角度ずらした角度位置に前記ボルテックスジェネレータの配置を決定する第1ステップと、
前記取付範囲のうち前記第1領域よりも翼先端側の第2領域について、定格風速条件での前記風車翼の表面における流れの剥離位置と、前記風車翼を備える風車の可変速運転条件での前記風車翼の表面における流れの遷移位置との間の位置に前記ボルテックスジェネレータの配置位置を決定する第2ステップと、
前記第1ステップ及び前記第2ステップによる配置の間を結んで前記ボルテックスジェネレータの配置位置を決定する第3ステップと、
を備える。
上記(13)の方法によれば、第1ステップでは、風の流入角を基準として後縁側に規定角度ずらした位置を、翼根側の第1領域におけるボルテックスジェネレータの配置の始点とすることができる。また、第2ステップにより、翼先端側におけるボルテックスジェネレータの配置の終点を、定格風速条件での風車翼の表面における流れの剥離位置と、風車翼を備える風車の可変速運転条件での風車翼の表面における流れの遷移位置との間の位置に決定することができる。そして、第1ステップと第2ステップとでそれぞれ決定されたボルテックスジェネレータの配置を結ぶように第3ステップで配置を決定することにより、翼劣化状態における定格風速条件下と翼健全状態における可変速運転条件下とのいずれにおいても効果を発揮し得る位置にボルテックスジェネレータを容易に配置することができる。
(14)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼アセンブリの製造方法は、
上記(1)乃至(11)の何れか一つに記載の通りに前記風車翼に配置するステップを備える。
上記(14)の構成によれば、上記(1)乃至(11)の何れか一つで述べた効果を奏するボルテックスジェネレータを備えた風車翼アセンブリを得ることができる。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ボルテックスジェネレータの取付によるドラッグペナルティの発生を抑制することができる。
一実施形態における風力発電装置の概略構成図である。 (a)は一実施形態に係る風車翼アセンブリの斜視図であり、(b)は図2(a)に示す風車翼アセンブリの断面図である。 一実施形態におけるボルテックスジェネレータのフィン周囲における流れを説明するための斜視図である。 一実施形態におけるボルテックスジェネレータの斜視図である。 一実施形態におけるボルテックスジェネレータの平面図である。 一実施形態に係るボルテックスジェネレータの翼長方向に沿った断面図である。 一実施形態に係るボルテックスジェネレータの斜視図である。 典型的な風車翼のロータ半径方向位置と翼厚比との関係を示すグラフである。 典型的なボルテックスジェネレータの翼長方向位置とコード方向位置との分布を示すグラフである。 典型的なボルテックスジェネレータの翼長方向位置とコード方向位置との分布を示すグラフである。 他の実施形態に係る風車翼を示す斜視図である。 一実施形態に係る第1領域及び第2領域でのボルテックスジェネレータの配置位置を示すグラフである。 (a)は第1領域における風車翼の断面図であり、(b)は一実施形態に係る第1領域でのボルテックスジェネレータの配置角度を示す図である。 一般的な風車の運転条件を示す図であり、(a)は上流風速と風車の回転数との関係を示すグラフであり、(b)は上流風速と周速比との関係を示すグラフであり、(c)は上流風速と風車出力との関係を示すグラフであり、(d)は上流風速と迎え角との関係を示すグラフである。 一実施形態に係る風車翼アセンブリの断面図である。(a)は可変速運転条件下における遷移位置及び剥離位置を表す図であり、(b)は定格風速条件下における遷移位置及び剥離位置を表す図である。 一実施形態に係る風車翼の平面図と断面図である。 コード方向位置と境界層厚さとの関係を示すグラフである。 一実施形態に係る風車翼の断面図である。(a)は翼根側の断面図であり、(b)は翼先端側の断面図である。 一実施形態に係る翼根からの半径方向位置と取付角度との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
まず、図1及び図2(a)を参照して、幾つかの実施形態に係るボルテックスジェネレータが適用される風車翼及び風力発電装置の全体構成について説明する。図1は、一実施形態に係る風力発電装置の概略構成図であり、図2(a)は一実施形態に係るボルテックスジェネレータの配置位置決定方法が適用される風車翼の斜視図である。
図1に示すように、風力発電装置90は、少なくとも一本(例えば3本)の風車翼アセンブリ1を備える。風車翼アセンブリ1は、後述するように、風車翼2及びボルテックスジェネレータ10を含む。風車翼アセンブリ1は放射状にハブ94に取り付けられ、風車翼アセンブリ1及びハブ94により風力発電装置90のロータ93が構成される。そして、風車翼アセンブリ1で風を受けると、ロータ93が回転し、ロータ93に連結された発電機(不図示)で電力が生成されるようになっている。
なお、図1に示す実施形態において、ロータ93は、タワー96の上方に設けられたナセル95によって支持されている。また、タワー96は、水上又は陸上に設けられた土台構造97(基礎構造又は浮体構造等)に立設されている。
以下に説明するように、上記構成の風力発電装置90において、風車翼アセンブリ1の風車翼2には、一実施形態に係るボルテックスジェネレータの配置位置決定方法により、ボルテックスジェネレータ10が配置される。
図2(a)に示すように、風車翼アセンブリ1は、風車翼2を備える。風車翼2の表面(翼面)には、一実施形態に係る配置位置決定方法により、ボルテックスジェネレータ10が配置される。なお、図2(a)には、ボルテックスジェネレータ10がすでに取り付けられた状態の風車翼アセンブリ1が図示されている。
風車翼2は、風力発電装置90のハブ94に取り付けられる翼根3と、ハブ94から最も遠くに位置する翼先端4と、翼根3と翼先端4の間に延在する翼型部5と、を含む。また、風車翼2は、翼根3から翼先端4にかけて、前縁6と後縁7とを有する。また、風車翼2の外形は、圧力面(腹面)8と、圧力面8に対向する負圧面(背面)9とによって形成される。
図2(a)に示すように、風車翼アセンブリ1において、複数のボルテックスジェネレータ10が風車翼2の負圧面9に取り付けられる。また、複数のボルテックスジェネレータ10は、風車翼2の負圧面9において翼長方向に複数配列されている。
なお、本明細書において、「翼長方向」とは、翼根3と翼先端4とを結ぶ方向であり、「翼コード方向」とは、風車翼2の前縁6と後縁7とを結ぶ線(コード)に沿った方向である(以下、単にコード方向とも称する)。
ここで、ボルテックスジェネレータ10の空気力学的作用について簡単に説明する。図3は、ボルテックスジェネレータ10の作用を説明するための斜視図である。なお、図3には、後述の図4〜5に示すボルテックスジェネレータ10を風車翼2の翼長方向に複数設置することで形成されるフィン列(複数対のフィン12A,12B)のうち、隣り合う一対のフィン12A,12Bのみを示している。
風車翼2の負圧面9における流れの剥離は、前縁6近傍の層流域からその下流側の乱流域に向かって境界層が徐々に厚くなり、後縁7に到達する前に流れが剥がれてしまうことで生じる。
図3に示すように、風車翼2に取り付けられたボルテックスジェネレータ10は、フィン12が生み出す揚力によって、フィン12の背面16側に縦渦24を形成する。これらの縦渦24によって、フィン12の後流側において境界層31内外の運動量交換が促進される。これにより、隣接するフィン12の負圧面16間の領域では、フィン12の後流の境界層31の厚さDは薄くなる。よって、複数のフィン12を翼長方向に配列することで、風車翼2の表面における境界層31が全体として薄くなり、風車翼2の後縁剥離が抑制されるようになっている。
なお、縦渦24とは、フィン12の高さ方向に形成される渦である。
次に、図4〜図7を参照して、ボルテックスジェネレータ10の構成について具体的に説明する。図4は、一実施形態に係るボルテックスジェネレータの斜視図である。図5は、一実施形態に係るボルテックスジェネレータの平面図である。図6は、一実施形態に係るボルテックスジェネレータの翼長方向に沿った断面図である。図7は、一実施形態に係るボルテックスジェネレータの斜視図である。
図4に示すように、幾つかの実施形態に係るボルテックスジェネレータ10は、風車翼2の表面(より具体的には翼本体2の表面)に固定される基部11と、基部11上に立設される少なくとも一本のフィン12と、を備えている。図4〜図6に示す実施形態では、ボルテックスジェネレータ10は、基部11上において隣り合うように設けられた一対(合計2本)のフィン12(12A,12B)を有している。
図4及び図5に示す実施形態では、基部11は平面視において円形形状を有している。
幾つかの実施形態では、基部11は、円形以外の形状を有していてもよい。基部11は、例えば、楕円形状や、長方形等の多角形の形状を有していてもよい。
また、図7に例示するように、幾つかの実施形態では、ボルテックスジェネレータ10は基部11を有さずに、フィン12が風車翼2に直接取り付けられていてもよい。
幾つかの実施形態において、図5に例示するように、フィン12は、風車翼2のコード方向に沿った直線Lに対して、フィンコードの延長線LCA及びLCBが所定の角度をなすように風車翼2上に配置される。
図5では、風流入方向の上流側から下流側に向けて(すなわち、風車翼2(図2参照)に取り付けた状態で、風車翼2の前縁6側から後縁7側に向けて)、一対のフィン12A,12Bの間の隙間が広がるように各々のフィン12A,12Bが設けられている。
幾つかの実施形態では、風流入方向の下流側から上流側に向けて(すなわち、風車翼2(図2参照)に取り付けられた状態で、風車翼2の後縁7側から前縁6側に向けて)、一対のフィン12A,12Bの間の隙間が広がるように各々のフィン12A,12Bが設けられていてもよい。
また、一実施形態では、風車翼2のコード方向に沿った直線Lが、一対のフィンコードの延長線LCA,LCBのなす角度の二等分線となるようにボルテックスジェネレータ10を配向させた状態で風車翼2上に配置されてもよい。幾つかの実施形態において、ボルテックスジェネレータ10は、風車翼2のコード方向Cに沿った線分に対して線対称に配置された一対のフィン12を含んでもよい。
このように、風流入方向に沿った風車翼2のコードを基準として、フィンコードに角度を持たせてボルテックスジェネレータ10を配置することで、風流入方向に対して剥離抑制効果を高めるのに適切な取付方向でボルテックスジェネレータ10を風車翼2に取り付けることができる。
図6は、翼長方向に沿ったボルテックスジェネレータ10の基部11の断面19を示している。図6に示すように、幾つかの実施形態に係るボルテックスジェネレータ10において、基部11は、外部に露出した表面17と、風車翼2の表面に対向した裏面18と、を有する。図6に示すように、幾つかの実施形態では、翼長方向に沿った基部11の断面形状が湾曲凸形状となるようにボルテックスジェネレータ10を配向させた状態で風車翼2上に配置される。
ここで、「湾曲凸形状」とは、風車翼2から離れる方向に隆起するとともに、隆起した部分の輪郭(基部11の表面17の形状)の少なくとも一部が湾曲しているような形状を指す。
隆起した部分の輪郭は、図6に示す実施形態のように単一の曲率半径の円弧によって形成されていてもよいし、図示は省略するが他の実施形態として複数の曲率半径の円弧の組合せ、または、1以上の曲率半径の円弧と1以上の直線との組合せによって形成されていてもよい。
風力発電装置90の運転中、空力荷重に起因した曲げ変形によって風車翼2は撓む。このため、風車翼2の表面に取り付けられたボルテックスジェネレータ10の基部11には大きな応力が生じてしまう。この点、上記実施形態によれば、ボルテックスジェネレータ10の基部11が風車翼2の翼長方向に沿った湾曲凸形状の断面を有するように配置されるため、風車翼2の曲げ変形に追従して基部が変形可能であり、基部11に生じる応力を分散させることができる。
図7は、風車翼2に配置されたボルテックスジェネレータ10の斜視図である。幾つかの実施形態に係るボルテックスジェネレータ10は、図7に示すように、圧力面15及び負圧面16をそれぞれ有し、負圧面16が互いに対向するように配置された一対のフィン(12A,12B)により形成されるフィンセット25を複数含んでいる。幾つかの実施形態では、一対のフィン(12A,12B)の後縁14の間隔Sに対する、隣り合う2つのフィンセット(25A,25B)の配列ピッチZの比Z/Sが、1.5以上3.0以下となるようにボルテックスジェネレータ10が配置される。
剥離抑制効果を高める観点からは、ボルテックスジェネレータ10を高密度で配置することが望ましい。一方、抵抗低減のためには、低密度でボルテックスジェネレータ10を配置することが望ましい。そこで、上記のように、Z/Sが1.5以上3.0以下を満たす密度でボルテックスジェネレータ10を配置すれば、剥離抑制効果と抵抗低減効果を同時に享受することができる。
幾つかの実施形態によれば、フィン12の高さHに対する一対のフィン12の後縁の間隔Sの比S/Hが、2.5≦S/H≦5.0を満たす(図7参照)。
S/Hは一対のフィン12の後縁間の距離に関する値であり、S/Hが小さいほど、フィン12の後縁14側で生成される縦渦29どうしの間隔が狭くなる。このため、縦渦29どうしが干渉することによって剥離抑制効果が低減してしまう原因となり得る。加えて、S/Hが小さいほど、風車翼2上でのボルテックスジェネレータ10の取付け領域におけるフィン12の数が増えることになるため、ボルテックスジェネレータ10自体の抵抗が増加し、ドラッグペナルティ発生の原因にもなり得る。他方、S/Hが大きいほど、生成された縦渦29どうしの間隔は広くなる。この場合、風車翼2上におけるボルテックスジェネレータ10の取付範囲にて縦渦29が存在しない箇所が多くなるため、剥離抑制効果が低減する原因となり得る。そこで、本実施形態のように、S/Hが、2.5≦S/H≦5.0を満たす構成とすることで、ボルテックスジェネレータ10の設置による技術的利得を効果的に享受できる。
ここで、本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼2は、複数のフィン12を含むボルテックスジェネレータ10を備えた風車翼2であって、複数のフィン12のうち最も翼先端4側に位置する第1フィン12Aは、コード長Cに対する翼厚tの比t/Cが0.4である翼長方向位置、または、風車翼2を含む風車ロータ93の半径Rに対して0.2Rの半径方向位置のうち翼先端4側に近い方の位置よりも翼根3側に設けられる(図8参照)。
風車翼2の大型化に伴い該風車翼2の重量低減が課題となる。風車翼2の重量を低減するには風車翼2の翼先端4側に大きな翼厚比(t/C)を適用することが効果的であり、結果として翼根3側の翼型が相対的に薄くなる。このような風車翼2の翼根3側から0.2Rの領域(r/R≦0.2)ではt/Cが0.4程度の翼型が適用され、該領域では翼根3側に向かうにつれて風の流入角及び迎角が急激に上昇するほか、翼厚比が高いこともあって剥離が生じ易い。この点、上記の構成によれば、剥離の生じる領域の目安となる翼厚比t/Cが0.4である翼長方向位置、又は、r/R≦0.2の半径方向位置のうち、翼先端4側に近い方の位置よりも翼根3側を第1フィン12Aの取付限界位置とし、これよりも翼根3側にのみボルテックスジェネレータ10が設けられる。よって、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータ10の過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。幾つかの実施形態では、翼根3側から0.18Rの領域(r/R≦0.18)に第1フィン12Aが配置されるように構成してもよい(図9参照)。
幾つかの実施形態において、ボルテックスジェネレータ10は、例えば、図9及び図10に示すように、0〜0.1Rの範囲に設けられ、コード長Cに対するコード方向位置xの比x/Cが0≦x/C≦0.2を満たす1以上のフィン12を含んでもよい。
上記の構成によれば、翼長方向において0〜0.1R、コード方向において0≦x/C≦0.2の領域に、ボルテックスジェネレータ10の翼根3側の始点を配置することができる。これにより、翼劣化状態における定格風速条件又は翼健全状態における可変運転条件の少なくとも一方において剥離低減効果を発揮し得るボルテックスジェネレータ10を備えた風車翼2を得ることができる。
また、幾つかの実施形態において、ボルテックスジェネレータ10は、0.15〜0.2Rの範囲に設けられ、コード長Cに対するコード方向位置xの比x/Cが0.2≦x/C≦0.8を満たす1以上のフィン12を含んでもよい(図9及び図10参照)。
上記の構成によれば、翼長方向Lにおいて0.15〜0.2R、コード方向において0.2≦x/C≦0.8の領域に、ボルテックスジェネレータ10の翼先端4側の終点を配置することができる。これにより、少なくとも翼健全状態における可変運転条件において剥離低減効果を発揮し得るボルテックスジェネレータ10を備えた風車翼2を得ることができる。
幾つかの実施形態では、上記の何れかに記載の構成において、ボルテックスジェネレータ10は、風車翼2のフラットバックの開始点40よりも翼根3側に配置された一対のフィン12を含んでもよい(図11参照)。
翼根3側に近い領域では、後縁7に厚みを持たせてフラットバック翼型を採用することにより剥離を抑えて高い迎え角まで揚力を維持することが行われ得る。逆に、フラットバックの開始点40よりも翼先端4側の領域では剥離が起きにくく、仮にこの領域にボルテックスジェネレータ10を配置した場合はドラッグペナルティの発生によるデメリットの方が大きいと考えられる。この点、上記の構成によれば、フラットバックの開始点よりも翼根3側に配置された一対のフィン12を含むため、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータ10の過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、上記何れかに記載の構成において、風車翼2の翼長LがL≧55mを満たしてもよい(図2参照)。
上記(1)で述べたボルテックスジェネレータの配置は、翼長が長い風車翼であるほど高い効果を享受することができると考えられる。この点、上記(9)の構成によれば、翼長LがL≧55mを満たす風車翼において、上記(1)で述べた効果を効果的に享受することができるから、比較的大型の風車の風車翼において、ボルテックスジェネレータの取付によるドラッグペナルティの発生を抑制することができる。
幾つかの実施形態において、ボルテックスジェネレータ10は、例えば、図9に示すように、該ボルテックスジェネレータ10の翼長方向位置rと風車ロータ93の半径Rとの比r/Rが0.8における(t/c)refに対して、2×(t/c)refよりも大きな翼厚比の範囲内に設けられてもよい。
近年の風車翼2の大型化に伴う風車翼2の重量低減の必要性により、翼先端4側に大きな翼厚比を適用することで相対的に翼根3側の翼厚比が低い翼型が採用され得る。このような場合に、r/Rが0.8における(t/c)refに対して、2×(t/c)ref≦t/cを満たす翼根側の領域を剥離が生じ得る領域の境界の目安とすることができる。よって、上記の構成によれば、剥離の生じやすい領域にのみ最小限のボルテックスジェネレータ10を配置することで、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータ10の過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態において、ボルテックスジェネレータ10は、例えば、図9に示すように、該ボルテックスジェネレータ10の翼長方向位置rと風車ロータ93の半径Rとの比r/Rが0.8における(t/c)refに対して、3×(t/c)ref以下の翼厚比の範囲内に設けられる。
上記のように、風車翼2の大型化に伴い、翼先端4側に大きな翼厚比を適用することで相対的に翼根3側の翼厚比が低い翼型が採用され得る。すなわち、従来の翼型の風車翼2におけるr/R=0.8の翼厚比に対するr/R=0.2の翼厚比(例えば3倍程度)よりも、大型風車に採用され得る翼型の風車翼2におけるr/R=0.8の翼厚比に対するr/R=0.2の翼厚比が低くなるから、r/R=0.8の翼厚比に対するr/R=0.2の翼厚比が3倍である領域はr/R≦0.2を満たす翼根3側の領域となり、この領域を剥離が生じ得る領域の境界の目安とすることができる。よって、上記の構成によれば、剥離が生じ得る領域の範囲内にボルテックスジェネレータ10を設けることができるため、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータ10の過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼2へのボルテックスジェネレータ10の配置決定方法は、複数のフィン12を含むボルテックスジェネレータ10の風車翼2への配置決定方法であって、複数のフィン12のうち最も翼先端4側に位置する第1フィン12Aは、コード長Cに対する翼厚tの比t/Cが0.4である翼長方向位置、または、風車翼2を含む風車ロータ93の半径Rに対して0.2Rの半径方向位置のうち翼先端4側に近い方の位置よりも翼根3側に配置されるように、複数のフィン12の配置を決定する。
この方法によれば、上述したように、剥離の生じる領域の目安となる翼厚比t/Cが0.4である翼長方向位置、又は、r/R≦0.2の半径方向位置のうち、翼先端4側に近い方の位置よりも翼根3側を第1フィン12Aの取付限界位置として決定し、これよりも翼根3側にのみボルテックスジェネレータ10を設けることができる。よって、剥離抑制効果を享受しつつ、ボルテックスジェネレータ10の過剰取付によるドラッグペナルティの発生を効果的に抑制することができる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼2へのボルテックスジェネレータ10の配置決定方法は、風車翼2へのボルテックスジェネレータ10の取付範囲のうち翼長方向Lにおける第1領域Mについて、風車翼2への風の流入角を基準として、該風車翼2の後縁7に向かって規定角度ずらした角度位置にボルテックスジェネレータ10の配置を決定I(第1ステップ)、この取付範囲のうち第1領域Mよりも翼先端4側の第2領域Nについて、定格風速条件での風車翼2の表面における流れの剥離位置と、風車翼2を備える風車の可変速運転条件での風車翼2の表面における流れの遷移位置との間の位置にボルテックスジェネレータ10の配置位置を決定し(第2ステップ)、第1ステップ及び第2ステップによる配置の間を結んでボルテックスジェネレータ10の配置位置を決定する(第3ステップ)。
この方法によれば、第1ステップでは、風の流入角を基準として後縁7側に規定角度ずらした位置を、翼根3側の第1領域Mにおけるボルテックスジェネレータ10の配置の始点とすることができる。また、第2ステップにより、翼先端4側におけるボルテックスジェネレータ10の配置の終点を、定格風速条件での風車翼2の表面における流れの剥離位置と、風車翼2を備える風車の可変速運転条件での風車翼2の表面における流れの遷移位置との間の位置に決定することができる。そして、第1ステップと第2ステップとでそれぞれ決定されたボルテックスジェネレータ10の配置を結ぶように第3ステップで配置を決定することにより、翼劣化状態における定格風速条件下と翼健全状態における可変速運転条件下とのいずれにおいても効果を発揮し得る位置にボルテックスジェネレータ10を容易に配置することができる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼アセンブリ1の製造方法は、上記の何れかに記載の通りにボルテックスジェネレータ10を風車翼2に配置するステップを備える。
このような方法により、上記の何れかで述べた効果を奏するボルテックスジェネレータ10を備えた風車翼アセンブリ1を得ることができる。
さらに、本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼へのボルテックスジェネレータの配置決定方法は、上記何れか一つに記載の風車翼へのボルテックスジェネレータの配置決定方法であって、ボルテックスジェネレータ10は、負圧面9が互いに対向するように配置された一対の前記フィン12により形成されるフィンセットを複数含み、一対のフィン12の高さHに対する、隣り合う2つのフィンセットの配列ピッチZの比Z/Hが6.0以上8.0となるようにボルテックスジェネレータ10が配置されてもよい。
上述したように、剥離抑制効果を高める観点からは、ボルテックスジェネレータ10を高密度で配置することが望ましい。一方、隣り合うフィンセット同士の間隔が近い程、生成された縦渦同士の干渉により剥離抑制効果が低減する原因となり得る。そこで、上記構成のように、Z/Hが6.0以上8.0以下を満たすボルテックスジェネレータ10を配置すれば、剥離抑制効果と抵抗低減効果を同時に享受することができる。
次に、幾つかの実施形態に係る風車翼2へのボルテックスジェネレータ10の配置位置決定方法について、図2及び図12を参照して具体的に説明する。図12は一実施形態における第1領域及び第2領域でのボルテックスジェネレータ10の配置位置を示すグラフである。
幾つかの実施形態では、図2(a)に示すように、ボルテックスジェネレータ10の取付け範囲100のうち、翼長方向に沿って第1領域Mと、第1領域Mよりも翼先端側に第2領域Nを定め、各々の領域(M,N)に適した方法によってボルテックスジェネレータ10の配置位置を決定する。
第1領域M及び第2領域Nの各々におけるボルテックスジェネレータ10の配置位置の決定方法については後で詳述するが、ここでは、まず、第1領域M及び第2領域Nを含むボルテックスジェネレータ10の取付け範囲100に関して具体的に説明する。
一実施形態では、図2(a)に例示するように、取付け範囲100の翼根側の端部は、翼根3からLの距離に位置している。Lの値は、風車翼2の翼長Lを用いると、0.05L以上である。
この場合、風力発電装置90の出力への寄与を見込める翼根3から翼長Lの5%位置よりも翼先端側の領域を取付け範囲100として、ボルテックスジェネレータ10を設置することで、ボルテックスジェネレータ10の設置コストを削減しながら、ボルテックスジェネレータ10の技術的利得を効果的に享受できる。
図2(b)は、ある翼長方向における翼の断面図である。一実施形態では、コード長Cに対する最大翼厚tmaxの比である最大翼厚比tmax/Cが60%以上を満たす領域を第1領域Mとして設定する。
後述するように、第1領域Mでは、風車翼2への風の流入角を基準としてボルテックスジェネレータ10の角度位置が決定される。よって、上述のように、最大翼厚比tmax/Cが60%以上の領域を第1領域Mとして設定すれば、最大翼厚比が大きいために遷移位置や剥離位置を高精度に予測しづらい第1領域Mにおいてボルテックスジェネレータ10による高い揚抗比改善効果を享受できる。
ボルテックスジェネレータ10の取付け範囲100は、上述のようにして定められた第1領域M及び第2領域N以外の領域を含んでいてもよい。例えば、第1領域M及び第2領域Nは、図2(a)及び図7に例示するように隣り合っている必要はなく、第1領域Mと第2領域Nとの間に別の第3領域が存在してもよい。一実施形態においては、第3領域におけるボルテックスジェネレータ10の配置位置を、第1領域の翼先端側の端部における配置位置と、第2領域の翼根側の端部における配置位置とをつないだ線上に決定してもよい。さらに、ボルテックスジェネレータ10の取付け範囲100は、第1領域Mよりも翼根側、または、第2領域Nよりも翼先端側に、他の領域を含んでいてもよい。
(第1領域MにおけるVG配置位置)
幾つかの実施形態に係る第1領域におけるボルテックスジェネレータ10の配置位置決定方法について図13(a)、図13(b)を参照しながら説明する。図13(a)、図13(b)は、第1領域Mにおける風車翼2の断面図であり、第1領域Mにおける風車翼2は、前縁6及び後縁7と、コード21とを有する。
図13(a)において、相対風速ベクトルWは、翼回転方向Rに回転している風車翼2に対する風の相対的な速度ベクトルであり、風車翼2の回転方向に対して直角方向から吹き付ける風の速度ベクトルAと、風車翼2の周速ベクトルrΩとを合成したベクトルである。そして、この相対風速ベクトルWと風車翼2のコード21の延長線lとの間の角度αが、風車翼2の迎角である。
図13(b)に示すように、第1領域Mにおいては、相対風速ベクトルWの方向を風の流入角とし、この流入角を基準(0度)としている。そして、流入角から後縁7に向かって規定角度θずれた翼表面上の角度位置を、ボルテックスジェネレータ10の配置位置に決定する。
なお、図13(a)、図13(b)において、ベクトルや角度の基準である原点Oは、風車翼2の翼根3の中心軸(即ち、ピッチ軸)の位置である。風車翼2の翼根3は円筒形状を有しており、この円筒形状の中心軸の位置(原点O)は、風車翼2の各翼長方向位置における断面上において一義的に定まる。
この場合、翼先端側の第2領域Nに比べて翼厚比が相対的に大きく、遷移位置や剥離位置を高精度に予測しづらい翼型を有する第1領域Mにおいて、風車翼2の表面上でのボルテックスジェネレータ10の配置位置を的確に決定することができる。
一実施形態では、ボルテックスジェネレータ10の配置角度θを60度以上90度以下とする。
本発明者らの知見によれば、翼先端側の第2領域に比べて翼厚比が相対的に大きい第1領域Mでは、ボルテックスジェネレータ10の配置角度θを60度〜90度程度に設定したとき、ボルテックスジェネレータ10による高い揚抗比改善効果を享受できる。
一実施形態では、ボルテックスジェネレータ10の配置位置を、数値計算に基づく翼表面に沿った流れの剥離位置としてもよい。この際、数値計算は、CFDや後述の粘性−非粘性干渉法(viscous−inviscid interaction method)を用いて行ってもよい。
この場合、数値計算により剥離位置を求める際に、翼劣化状態を境界層の乱流遷移位置によってモデル化してもよい。即ち、翼健全状態の場合、乱流遷移する位置の解析(遷移点解析)と流れの解析を同時に実施するのに対し、翼劣化状態では、翼の前縁で乱流遷移すると仮定して解析を行ってもよい。さらに、風車の運転状態を風速、回転数、迎角等を指定することで、風車の運転条件(可変速運転条件又は定格風速条件)を再現してもよい。
(第2領域NにおけるVG配置位置)
幾つかの実施形態に係る第2領域Nにおけるボルテックスジェネレータ10の配置位置決定方法について、図12、図14及び図15を参照しながら説明する。図14は一般的な風車の運転条件を示すグラフである。図15(a)は、幾つかの実施形態に係る第2領域Nでの可変速運転条件下における翼の断面と翼表面に沿った流れを示している。図15(b)は、幾つかの実施形態に係る第2領域Nでの定格風速条件下における翼の断面と翼表面に沿った流れを示している。
まず、図14を参照しながら一般的な風車の運転条件を説明する。図14(a)は上流風速と風車の回転数との関係を示すグラフであり、図14(b)は上流風速と周速比との関係を示すグラフであり、図14(c)は上流風速と風車出力との関係を示すグラフであり、図14(d)は上流風速と迎え角との関係を示すグラフである。
一般的な風車では、風速がカットイン風速(<V)に到達すると回転数一定で運転が行われ、回転数一定のまま風速が上がると周速比が低下していく。そして、周速比が最適値に一致する風速V(周速比が最適周速比となる風速)以上に風速が達した後、定格回転数に到達する風速Vになるまでの間、性能(効率)が最適(最大)となるほぼ一定の周速比(最適周速比または設計周速比という)で運転される(図14(b)参照)。ここで、周速比は、風車翼の存在の影響を受けない無限上流側の風速(上流風速)を用いて、翼端周速[rpm]/上流風速[m/s]で表される。風速がV〜定格回転数に到達する風速Vの可変速域では、周速比が最適周速比(設計周速比)に維持されるように風の速度ベクトルAの変化に応じて周速ベクトルrΩが変化し、迎角αは風車翼に適したほぼ一定値(=最適迎角αopt)に維持される(図14(b)及び(d)参照)。
これに対し、風速が定格回転数に到達する風速Vに達した後、回転数は一定値(定格回転数)に維持されるから、周速ベクトルrΩはほぼ一定の大きさに保たれる。そのため、定格回転数に到達する風速V〜定格出力に到達する風速Vの高風速域では、風速が上昇すると、周速ベクトルrΩが一定に維持されたまま、風の速度ベクトルAのみが大きくなって、結果的に風車翼の迎角αは大きくなる(図14(d)参照)。この迎角αの増加傾向は、風車出力が定格出力に到達する風速(定格風速)Vまで継続する。そして、定格風速Vに達した後、風車翼のピッチ制御により迎角αが低減されて風車出力が一定に維持される。なお、V〜Vの間でもピッチ制御が働き図14に示す各状況と若干異なる場合もある。
よって、風車の可変速運転条件下(風速V〜V)における迎角αoptよりも、定格風速条件(風速V)における迎角αの方が大きい。即ち、定格風速条件下における状態を示した図15(b)における迎角αは、可変速運転条件下における状態を示した図15(a)における迎角α(最適迎角αopt)よりも大きい。
そして、迎角αが比較的大きい場合(図15(b))、迎角αが小さい場合(図15(a))に比べて、翼表面に沿った流れの遷移位置と剥離位置は風車翼2の前縁6側に移る。
図15(a)及び図15(b)を比較すれば明らかなように、定格風速条件下(図15(b))では、迎角αが比較的大きいため、図15(a)よりも圧力面側から風が流入する。このため、定格風速条件下における遷移位置22B及び剥離位置23Bが、可変速運転条件下における遷移位置22A及び剥離位置23Aよりも前縁側にずれる。
そこで、幾つかの実施形態では、図15(a)に例示されるように、第2領域Nにおけるボルテックスジェネレータ10の配置位置は、可変速運転条件下での遷移位置22Aよりも後縁側の位置に決定される。また、第2領域Nにおけるボルテックスジェネレータ10の配置位置は、定格風速条件下での剥離位置23Bよりも前縁側の位置に決定される。
上述した実施形態によれば、可変速運転条件と定格風速条件との迎角の違いを考慮した適切な位置にボルテックスジェネレータの配置位置を決定することができるため、定格回転数到達後、風速の上昇と共に迎角が大きくなった場合にも、風車翼の表面に沿った流れの剥離を抑制することができる。また、翼健全状態における可変速運転条件下での遷移位置22Aより後縁側をボルテックスジェネレータ10の配置位置とすることで、ドラッグペナルティによる抗力増加が懸念される可変速運転条件下において、風車翼2の表面に沿った流れの剥離を抑制しながら、ボルテックスジェネレータ10の設置に起因したドラッグペナルティを低減することができる。
また、風車翼の表面は、典型的には、経年劣化により平滑性が失われ、翼表面の凹凸は徐々に大きくなっていく。このため、翼表面が平滑である翼健全状態に比べて、翼表面の凹凸が比較的大きい翼劣化状態では、翼表面に沿った流れの遷移位置及び剥離位置が前縁側にずれる。このため、第2領域Nのボルテックスジェネレータ10の配置位置は、風車翼2の表面の経時的変化を考慮して、翼健全状態だけでなく、翼劣化状態においても、ボルテックスジェネレータ10による空力的作用を享受できるような位置に決定されることが望ましい場合がある。
そこで、一実施形態では、図2に例示されるように、第2領域Nにおけるボルテックスジェネレータ10の配置位置は、翼健全状態における可変速運転条件下での遷移位置よりも後縁側の位置に決定される。また、第2領域Nにおけるボルテックスジェネレータ10の配置位置は、翼劣化状態における定格風速条件下での剥離位置よりも前縁側の位置に決定される。
上述した実施形態によれば、翼劣化状態における定格風速条件下での剥離位置23Bより前縁側をボルテックスジェネレータ10の配置位置とすることで、風車翼の劣化状態によらず、ボルテックスジェネレータ10による揚抗比の改善効果を享受できる。
なお、可変速運転条件下における遷移位置22A、および、定格風速条件下における剥離位置23Bは、数値計算により求めてもよく、この際に用いる数値計算手法は、例えばCFDや粘性−非粘性干渉法(viscous−inviscid interaction method)であってもよい。
ここで、粘性−非粘性干渉法は2次元翼型の性能を簡易的に解析するための手法であり、CFDよりも解析時間が非常に短いことに特徴がある。例えば、CFDでは1条件の解析に数時間を要するのに対し、粘性−非粘性干渉法は数秒で解析が完了する。
粘性−非粘性干渉法の数値計算方法について説明する。粘性−非粘性干渉法では、粘性が卓越する領域(翼の近傍や翼後流の領域)と粘性を無視することができる領域(翼から離れた領域)とで別々の計算を実施し、各々の領域における速度や圧力の分布を求める。具体的には、粘性が卓越する領域では境界層方程式を解き、粘性を無視することができる領域では粘性を無視したポテンシャル方程式を解いている。こうして求められた2つの領域の解析を合わせることで、現実の物理現象をシミュレーションできる。
粘性−非粘性干渉法によって得られる代表的な解析結果は、翼表面上における圧力係数分布、翼表面上における摩擦係数分布、翼表面上における境界層厚さ分布、翼の揚力係数、翼の抗力係数等である。これらの解析結果から、ある翼断面における遷移位置や剥離位置、失速迎角等の空力的な特性を評価することができる。
また、定格風速条件下における剥離位置23Bを数値計算により求める場合、風車翼2の表面における流れの遷移位置22Bを風車翼2の前縁6に固定した条件下で数値計算を行ってもよい。
本発明者等の知見によれば、迎角αが比較的大きい定格風速条件下における遷移位置22Bは前縁6の近傍である。よって、遷移位置22Bを前縁6に固定した条件下で数値計算を行うことで、ボルテックスジェネレータ10の配置位置の決定を効率的に行うことができる。
以下では、幾つかの実施形態における、ボルテックスジェネレータ10の取付け範囲や配置位置について図16〜図19を参照しながら説明する。
幾つかの実施形態では、取付範囲内における任意の翼長方向位置において、コード長Cに対する前縁からのコード方向位置xの比x/Cが50%以下を満たすようにボルテックスジェネレータ10の配置位置を決定する。図16におけるコード方向位置xは、前縁6を原点とした翼表面上の任意の点のコード方向の位置座標である。
ボルテックスジェネレータ10の寸法は、通常、境界層厚さに合わせて設計する。すなわち、ボルテックスジェネレータ10のフィンの高さが、境界層厚さをカバーしつつ、ドラッグペナルティが生じないような高さであることが望ましい。図17は、コード方向位置における境界層厚さについて、翼劣化状態の場合と翼健全状態の場合とを示している。図17によれば、後縁7に近づくにつれて、境界層厚さが翼劣化状態と翼健全状態とで大きく異なっている。このため、後縁側で翼劣化状態に適したボルテックスジェネレータ10の寸法を用いたとしても、翼健全状態での境界層厚さを大きく超えているため、ボルテックスジェネレータ10自体の抵抗が大きくなり、ドラッグペナルティが生じてしまう。逆に、後縁側で翼健全状態に適したボルテックスジェネレータ10の寸法を採用しても、翼劣化状態では境界層厚さよりも小さいため、翼劣化状態において剥離抑制効果が低減してしまう。
本発明者の知見によれば、本実施形態のようにコード方向に沿ったボルテックスジェネレータ10の配置位置の後縁側の限界を前縁から50%とすることで、翼劣化状態と翼健全状態との両方において、風車翼の表面に沿った流れの剥離を抑制しながら、ボルテックスジェネレータ10の設置に起因したドラッグペナルティを低減することができる。
図18(a)は翼根側における翼断面図を、図18(b)は翼先端側における翼断面図を示している。幾つかの実施形態では、図18(a)、図17(b)に例示するように、取付範囲内における任意の翼長方向位置において、前縁を基準として後縁に向かって20度ずらした風車翼の負圧面上の第1位置と、前縁を基準として前記後縁に向かって160度ずらした負圧面上における第2位置との間の角度範囲にて、ボルテックスジェネレータの取付角度範囲を定める。そして、前縁を基準とした取付角度βが翼先端側に向かうにつれて増加するように前記ボルテックスジェネレータの配置位置を決定する。
上記によれば、前縁を基準としたボルテックスジェネレータ10の取付角度が翼先端側に向かうにつれて増加するようにしたため、翼長方向位置に対する迎角の変化傾向(即ち、翼先端側に向かうにつれて迎角が小さくなる傾向)を踏まえた適切なボルテックスジェネレータ10の配置を実現できる。また、前縁を基準としたボルテックスジェネレータ10の取付角度を上記数値範囲(前縁を基準として20度以上160度以下)内に設定することで、高い揚抗比を得ることができる。なお、図19のグラフでは、例示的な実施形態における翼根3からの半径方向位置と取付角度の関係を示している。
以上述べた構成によれば、ボルテックスジェネレータの取付によるドラッグペナルティの発生を抑制することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変更を加えた形態や、これらの形態を組み合わせた形態も含む。
1 風車翼アセンブリ
2 風車翼
3 翼根
4 翼先端
5 翼型部
6 前縁
7 後縁
8 圧力面
9 負圧面
10 ボルテックスジェネレータ
11 基部
12 フィン
12A 第1フィン
13 前縁
14 後縁
15 圧力面
16 負圧面
17 表面
18 裏面
19 断面
21 コード
22 遷移位置
23 剥離位置
24 縦渦
25 フィンセット
31 境界層
90 風力発電装置
93 風車ロータ
94 ハブ
95 ナセル
96 タワー
97 土台構造
100 取付範囲
M 第1領域
N 第2領域

Claims (14)

  1. 複数のフィンを含むボルテックスジェネレータを備えた風車翼であって、
    前記複数のフィンのうち最も翼先端側に位置する第1フィンは、コード長Cに対する翼厚tの比t/Cが0.4である翼長方向位置、または、前記風車翼を含むロータの半径Rに対して0.2Rの半径方向位置のうち前記翼先端側に近い方の位置よりも翼根側に設けられていることを特徴とする風車翼。
  2. 前記ボルテックスジェネレータは、0〜0.1Rの範囲に設けられ、前記コード長Cに対するコード方向位置xの比x/Cが0≦x/C≦0.2を満たす1以上のフィンを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の風車翼。
  3. 前記ボルテックスジェネレータは、0.15〜0.2Rの範囲に設けられ、前記コード長Cに対するコード方向位置xの比x/Cが0.2≦x/C≦0.8を満たす1以上のフィンを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の風車翼。
  4. 前記ボルテックスジェネレータは、圧力面及び負圧面をそれぞれ有し、前記負圧面が互いに対向するように配置された一対のフィンにより形成されるフィンセットを複数含み、
    前記取付範囲内において、前記一対のフィンの後縁の間隔Sに対する、隣り合う2つの前記フィンセットの配列ピッチZの比Z/Sが、1.5≦Z/S≦3.0を満たす
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の風車翼。
  5. 前記ボルテックスジェネレータは、前記負圧面が互いに対向するように配置された一対のフィンにより形成されるフィンセットを複数含み、前記フィンの高さhに対する前記一対のフィンの後縁の間隔sの比s/hが、2.5≦s/h≦5.0を満たす
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の風車翼。
  6. 前記ボルテックスジェネレータは、前記風車翼のコード方向に沿った線分に対して線対称に配置された一対のフィンを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の風車翼。
  7. 前記ボルテックスジェネレータは、前記風車翼のフラットバックの開始点よりも前記翼根側に配置された一対のフィンを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の風車翼。
  8. 前記ボルテックスジェネレータは、圧力面及び負圧面をそれぞれ有し、前記負圧面が互いに対向するように配置された一対のフィンにより形成されるフィンセットを複数含み、
    前記フィンの高さhに対する、隣り合う2つの前記フィンセットの配列ピッチzの比z/hが、6.0以上8.0以下となるように前記ボルテックスジェネレータが配置されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の風車翼。
  9. 前記風車翼の翼長LがL≧55mを満たす
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の風車翼。
  10. 前記ボルテックスジェネレータは、該ボルテックスジェネレータの翼長方向位置rと前記ロータの半径Rとの比r/Rが0.8における(t/c)refに対して、2×(t/c)refよりも大きな翼厚比の範囲内に設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の風車翼。
  11. 前記ボルテックスジェネレータは、該ボルテックスジェネレータの翼長方向位置rと前記ロータの半径Rとの比r/Rが0.8における(t/c)refに対して、3×(t/c)ref以下の翼厚比の範囲内に設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の風車翼。
  12. 複数のフィンを含むボルテックスジェネレータの風車翼への配置決定方法であって、
    前記複数のフィンのうち最も翼先端側に位置する第1フィンは、コード長Cに対する翼厚tの比t/Cが0.4である翼長方向位置、または、前記風車翼を含むロータの半径Rに対して0.2Rの半径方向位置のうち翼先端側に近い方の位置よりも翼根側に配置されるように、前記複数のフィンの配置を決定する
    ことを特徴とする風車翼へのボルテックスジェネレータの配置決定方法。
  13. 風車翼へのボルテックスジェネレータの取付範囲のうち翼長方向における第1領域について、前記風車翼への風の流入角を基準として、該風車翼の後縁に向かって規定角度ずらした角度位置に前記ボルテックスジェネレータの配置を決定する第1ステップと、
    前記取付範囲のうち前記第1領域よりも翼先端側の第2領域について、定格風速条件での前記風車翼の表面における流れの剥離位置と、前記風車翼を備える風車の可変速運転条件での前記風車翼の表面における流れの遷移位置との間の位置に前記ボルテックスジェネレータの配置位置を決定する第2ステップと、
    前記第1ステップ及び前記第2ステップによる配置の間を結んで前記ボルテックスジェネレータの配置位置を決定する第3ステップと、
    を備える請求項12に記載の風車翼へのボルテックスジェネレータの配置決定方法。
  14. 前記ボルテックスジェネレータを請求項1乃至11の何れか一項に記載の通りに前記風車翼に配置するステップを備えたことを特徴とする風車翼アセンブリの製造方法。
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