JP2019077966A - セルロース系消臭不織布の製造方法 - Google Patents

セルロース系消臭不織布の製造方法 Download PDF

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【課題】反応性シクロデキストリンを付与したセルロース系消臭不織布からの反応性シクロデキストリンの脱落を防止する。【解決手段】セルロース系繊維を構成繊維とするセルロース系不織ウエブ1またはセルロース系不織布に水分を供給したうえで、反応性シクロデキストリン8を付与する。特に、セルロース系不織ウエブ1に高圧水流処理4を施すことにより、不織ウエブ1の構成繊維同士を交絡させ、高圧水流処理による水分が残存している状態の不織ウエブ1に、反応性シクロデキストリン8を付与する。その後の乾燥工程において、120℃から145℃で乾燥させる。【選択図】図1

Description

本発明はセルロース系消臭不織布の製造方法に関する。
セルロース系繊維に反応性シクロデキストリンを付与すると、同繊維に消臭効果を発現させることが可能であることが知られている(非特許文献1)。非特許文献1には、反応性シクロデキストリンとして、モノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリンが例示されている。
株式会社シクロケムバイオ、「MCT−β−CD固定化布のアンモニア消臭効果のメカニズム」、[平成29年8月8日検索]、インターネット<URL:http://www.cyclochem.com/cyclochembio/research/061.html>
セルロース繊維を含むたとえば不織布に反応性シクロデキストリンを付与する際には、反応性シクロデキストリンの水溶液に不織布を浸漬させ、引き上げた後に乾燥させることが行われている。
しかし、このような手法でセルロース繊維に反応性シクロデキストリンを付与させたものでは、乾燥後に粉末状の反応性シクロデキストリンがセルロース繊維すなわち不織布から脱落しやすいという課題がある。
そこで本発明は、このような課題を解決して、反応性シクロデキストリンを付与したセルロース系消臭不織布からの前記反応性シクロデキストリンの脱落を防止することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明のセルロース系消臭不織布の製造方法は、
セルロース系繊維を構成繊維とするセルロース系不織ウエブまたはセルロース系不織布に水分を供給したうえで反応性シクロデキストリンを付与し、
その後の乾燥工程において120℃から145℃で乾燥させることを特徴とする。
このようにすると、理由は明らかではないが、セルロース系消臭不織布からの前記反応性シクロデキストリンの脱落を防止することができる。
本発明のセルロース系消臭不織布の製造方法によれば、
セルロース系繊維を構成繊維とするセルロース系不織ウエブに高圧水流処理を施すことにより、前記不織ウエブの構成繊維同士を交絡させ、
高圧水流処理による水分が残存している状態の不織ウエブに、反応性シクロデキストリンを付与することが好適である。
このようにすると、高圧水流処理による水分が残存している状態の不織ウエブに、反応性シクロデキストリンを付与することで、不織布製造工程で必然的に供給される水分をそのまま利用することができ、このため別途の水分の供給を不要とすることができる。
本発明のセルロース系消臭不織布の製造方法によれば、反応性シクロデキストリンを付与するときの不織ウエブまたは不織布の水分量を、不織ウエブまたは不織布の質量に対し70質量%から120質量%とすることが好適である。
本発明のセルロース系消臭不織布の製造方法によれば、反応性シクロデキストリンを不織ウエブまたは不織布に付与するに際し、水分を含まない不織ウエブまたは不織布の質量に対して20質量%から70質量%の割合の反応性シクロデキストリン含有液を前記不織ウエブに含浸させて、セルロース系不織ウエブに対して反応性シクロデキストリンを0.5g/mから2.0g/mで付与することが好適である。
本発明のセルロース系消臭不織布の製造方法によれば、反応性シクロデキストリンとして、モノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリンを用いることが好適である。
本発明のセルロース系消臭不織布の製造方法によれば、キスロールを用いて反応性シクロデキストリンを付与することが好適である。
本発明のセルロース系消臭不織布の製造方法によれば、反応性シクロデキストリンを付与したセルロース系消臭不織布からの前記反応性シクロデキストリンの脱落を防止することができる。
本発明の実施の形態のセルロース系消臭不織布の製造方法を実施するための装置の構成を示す図である。
本発明の方法は、大略には、セルロース系不織ウエブまたはセルロース系不織布に反応性シクロデキストリンを付与する方法である。
図1において、1はセルロース系短繊維を構成繊維とする不織ウエブであり、下記の手法によって連続的に製造される。
すなわち、上述のセルロース系短繊維は、レーヨン、リヨセル、キュプラ、木綿などから構成される短繊維または長繊維である。これらは、一種単独で、または二種以上を組み合わせて、用いられる。なかでも、吸水性に優れることや、肌ざわりが良好なことから、木綿であることが好ましい。木綿としては、晒し木綿、綿実油が残存した状態で漂白された木綿繊維、オーガニック木綿を用いてもよい。
本発明の目的を達成する範囲であれば、構成繊維として、セルロース系繊維以外の繊維、例えば、ポリエステル等の合成樹脂から構成される繊維や熱融着繊維等を混合してもよい。
セルロース系繊維が短繊維である場合の平均繊維長は、カード機で開繊しうる程度であれば特に制限されず、一般に、10〜100mm程度のものを用いることができる。
セルロース系繊維の単糸繊度は、たとえば短繊維である場合にはカード機で開繊しうる程度であればよく、得られる不織布の用途等に応じて適宜選定することができ、特に限定されないが、短繊維および長繊維とも、1〜20dtex程度がよい。
例えば上記のようなセルロース系短繊維を開繊してカードウェブとすることで、セルロース系不織ウエブ1を得ることができる。カード機は、短繊維群を針布で梳くための機械である。すなわち、カード機の入り口に絡み合ったセルロース系短繊維群を投入すると、これらの短繊維群が針布で梳かれ、カード機の出口から、開繊されそして集積されてなるセルロース系不織1ウエブを得ることができる。セルロース系不織ウエブ1は、二層以上のウエブが積層されたものであってもよいし、または折り畳まれた状態(いわゆる、クロスレイドと呼ばれる形態である)であってもよい。
セルロース系不織ウエブの目付けは、得られる不織布の用途等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、図示した短繊維の不織ウエブ1および図外の長繊維不織ウエブとも、30〜150g/m程度でよい。
図1において、2は水流交絡装置である。この水流交絡装置2は、メッシュ状のコンベヤ3に支持されて水平方向に搬送される不織ウエブ1にウォータージェット4を作用させることで高圧水流処理を施し、それによって不織ウエブ1の構成繊維同士を交絡させることができる。高圧の水流は、セルロース系不織ウエブ1に衝突した後にコンベヤのメッシュを通過し排出され、その一部は繊維同士が交絡してなる不織ウエブ中に保持される。
水流交絡装置2における高圧水流処理により交絡一体化されたセルロース系不織ウエブ1は、高圧水流処理による水分を含んでいるが、マングルロール5を用いた絞り工程によって、その残存水分率が、後述の反応性シクロデキストリンの付与工程に適したものとなるように調整される。マングルロール5の絞り圧を変えることにより、不織ウエブ1に含まれる水分量を容易に設定することができる。詳細には、残存水分率は、不織ウエブ1の質量に対し70質量%から120質量%の水分量であることが好ましい。この水分量が70質量%未満であると、完成した不織布からの反応性シクロデキストリンの所要の脱落防止効果を実現することが困難になる。反対に水分量が120質量%を超えると、マングルロール5で絞り乾燥工程にて乾燥させるときに時間がかかるため、生産性が劣る傾向となる。この観点から、残存水分量は、80質量%から100質量%の範囲であることがより好ましい。なお、マングルロール5に代えて、その他の適宜の水分量調整装置を用いることもできる。
次に、上記のように高圧水流処理の際の水分が残存している不織ウエブ1に、反応性シクロデキストリンを付与する。その付与方法は適宜のものを採用することができるが、図1の装置ではキスコータ6を用いている。キスコータ6は、1本又は数本のキスロール7を用いて不織ウエブ1に反応性シクロデキストリンを塗工(コーティング)することができる装置であり、キスロール7と不織ウエブ1とが接触している部分においてのみ塗工を行うことが可能である。つまり、8は反応性シクロデキストリンの水溶液であるが、この水溶液8を貯留したバス9の中でキスロール7を回転させ、このキスロール7のたとえば頂部に不織ウエブ1を接触させて反応性シクロデキストリンを不織ウエブ1に塗工させることができる。
不織ウエブ1に付与すべき反応性シクロデキストリンとして、次のものが挙げられる。すなわち、反応性基としては例えばハロゲンで置換された含窒素複素環化合物が挙げられ、含窒素複素環化合物としては例えばトリアジン基が挙げられ、ハロゲンとしてはフッ素、塩素、ヨウ素および臭素が挙げられる。このうち、反応性基としては、ハロゲノトリアジル基が好ましく、とりわけモノクロロトリアジル基が好ましい。シクロデキストリンとしてはα―シクロデキストリン、β−シクロデキストリンが好ましい。
かかる反応性基を有する反応性シクロデキストリンとしては、たとえばモノクロロトリアジニル−α―シクロデキストリン、モノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリン(以下、「MCТ−β−シクロデキストリン」ということがある)が挙げられる。これらの反応性シクロデキストリンは、1種類を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用することもできる。
図示の装置においては、上記のように、水流交絡装置2において高圧水流処理を施した後、不織ウエブ1に含まれる水分を残存させた状態で、不織ウエブ1に反応性シクロデキストリンを付与する。このとき、キスコータ6を用いることによって、水分を含む不織ウエブ1を、反応性シクロデキストリンの水溶液に浸漬させることなく、反応性シクロデキストリンを付与させることができる。このため、付与工程において反応性シクロデキストリンの濃度変化が生じることなく、連続して一定量の反応性シクロデキストリンを効率よく付与させることが可能である。さらに本発明においては、不織ウエブ1が水分を含んだ状態で反応性シクロデキストリンを塗工することから、反応性シクロデキストリンは、不織ウエブ1が含む多量の水分との関係で、浸透圧により不織ウエブ1内部に均一に拡散していき、不織ウエブ1の表裏および内部の全体に至って斑なく均一に反応性シクロデキストリンを存在させることが可能となる。
このように水分を含んだ状態のセルロース系不織ウエブ1に反応性シクロデキストリンを付与させることで、その後の乾燥工程を経て得られる不織布からの反応性シクロデキストリンの脱落を効果的に防止することができる。
セルロース系不織布からの反応性シクロデキストリンの脱落を防止することができる明確な理由は明らかではないが、以下のように推察する。すなわち、反応性シクロデキストリンにおけるシクロデキストリンは、その表面が親水性であるため、多量の水分を含む不織ウエブに付与されると、不織布ウエブ内に移行しやすいため、効率良く塗工付与でき、それによって反応性シクロデキストリンの脱落が生じにくくなると考える。さらには、特に反応性シクロデキストリンがMCТ−β−シクロデキストリンの場合には、モノクロロトリアジル基のCl基が、セルロース繊維の構成単位であるセルロースの−OH基に引かれて共有結合するため、付与した反応性シクロデキストリンは、不織布からの脱落がいっそう生じにくくなると考える。
高圧水流処理は構成繊維を交絡一体化させるために用いる手段であることから、交絡一体化処理後においては、不織ウエブ1中に含まれる水分は、余分なものであるため、通常は乾燥等により即座に排除されるものである。しかしながら、図示の装置においては、その水分を利用して、すなわち、高圧水流処理後に、不織ウエブ1中に高圧水流処理での水分を残存させた状態で、連続工程にて、反応性シクロデキストリンを付与することにより、乾燥処理後に反応性シクロデキストリンが不織布から脱落することを確実に防止することができる。のみならず、その際に不織ウエブ1に新たに水分を供給する必要がなく、したがって効率的に不織布を製造することができる。
キスコータ6から搬出された不織ウエブ1は、続いて乾燥装置10に送られて乾燥処理される。乾燥装置10の構成は、任意である。乾燥温度は、120℃から145℃に設定される。乾燥処理により、反応性シクロデキストリンが付与された消臭不織布11が得られる。この消臭不織布11は、例えば図示のようにロール12の形態に巻き取られる。乾燥温度が120℃未満であると乾燥させるために時間がかかって生産性が劣ることとなり、145℃を超えると生産上のエネルギコストが増大してしまうという弊害が生じる。
消臭不織布11において、不織ウエブ1に対する反応性シクロデキストリンの付与量は、所要の消臭性能を発揮させるために、0.5g/mから2.0g/mであることが好ましい。このような付与量を達成するためには、キスコータ6において、たとえば水分を含まない不織ウエブ1の質量に対して20質量%から70質量%の割合の反応性シクロデキストリン含有液を不織ウエブ1に含浸させれば良い。その付与量は、キスロール7の回転速度や反応性シクロデキストリン水溶液の濃度などを調整することによって、コントロールすることができる。
上記のように高圧水流処理による水分が残存している状態の不織ウエブに、反応性シクロデキストリンを付与することで、付与してからの乾燥後における、消臭不織布からの反応性シクロデキストリンの脱落を、確実に防止することでできる。また、高圧水流処理による水分が残存している状態の不織ウエブに反応性シクロデキストリンを付与する際には、従来は必要であったpH調整などの煩わしい作業は不要であり、しかも、不織布へ微量の反応性シクロデキストリンを付着させるだけで、所要の消臭効果を得ることが可能である。さらに、得られた反応性シクロデキストリン付与済の消臭不織布は、タオルやワイパなどとして水分を吸収させて使用しても、付与されている反応性シクロデキストリンが再溶出することがないという利点もある。
上記した製造方法によれば、消臭性能に優れたセルロース系消臭不織布を連続工程で効率よく製造することができる。
本発明によれば、上述した、セルロース系不織ウエブに高圧水流処理を施すことにより不織ウエブの構成繊維同士を交絡させ、高圧水流処理による水分が残存している状態の不織ウエブに反応性シクロデキストリンを付与することに代えて、既存の不織布に水分を供給したうえで反応性シクロデキストリンを付与することもできる。既存の不織布に水分を供給したうえで反応性シクロデキストリンを付与する手法において、それ以外の工程は、高圧水流処理を施して水分を残存させる場合と同様である。
本発明の製造方法によって得られた不織布は、ナプキン・ライナーなどの生理用品の表面シート、フェイシャルシート・ボディシートなどの制汗シート、清拭布などのウエットシート、医療衛生材としての尿漏れパット、シーツカバー、ベッドカバー、イスカバー、ペット用の排せつ用シートなどに好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、下記の実施例、比較例における物性評価は下記の通りである。
(1)不織布の目付け(g/m
試料を10cm×10cmのサイズに裁断し、標準状態にて、天秤にて秤量した。秤量結果を1mあたりの質量に換算して、目付けとした。測定は同一の試料について10回行い、その平均値を採用した。
(2)消臭性試験
SEKマーク繊維製品認証基準法に準拠した検知管法でのテストにて試験を実施した。試料の大きさは200cm(総質量0.6g)とした。対象臭気は、アンモニアおよびトリメチルアミンとした。
(3)反応性シクロデキストリンの付着状態
反応性シクロデキストリンを付与したセルロース系消臭不織布をはさみで10cm×10cmのサイズに裁断し、下記状態にて付着状態を評価した。
良好:不織布を裁断した際に、粉がほとんど発生しない
不良:不織布を裁断した際に、粉が発生する
(実施例1)
セルロース系繊維として、単糸繊度1.7dtex、平均繊維長25mmの木綿繊維を準備し、これをランダムカードにて開繊して、目付けが約30g/mの、図1に示されるセルロース系不織ウエブ1を得た。得られた不織ウエブ1を、移動式のプラスチック製織物からなる25メッシュの支持体(図1における水流交絡装置2のコンベヤ3)に載置し、不織ウエブ1に対して図1のウォータージェット4を適用して高圧水流処理を施した。このとき、孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一列に配列されたノズル3本を用いて、不織ウエブの一方の面側から2MPa、9MPaで2回の高圧水流処理を行った。続いて不織ウエブを反転し、孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一列に配列されたノズル3本を用いて、不織ウエブの他方の面側から2MPa、9MPaの2回の高圧水流処理を行った。そして、更に反転し、孔径0.14mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一列に配列されたノズル2本を用いて、前述の一方の面側から5.4MPaで2回の高圧水流処理を行った。それによって、構成繊維が三次元的に交絡したセルロース系不織ウエブ1を得た。
次に、反応性シクロデキストリンとしてのモノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリン(SKYWARD社製)の含有量が10.8質量%である反応性シクロデキストリン水溶液A(図1におけるバス9の中の水溶液8)を用意した。そして、前記高圧水流処理が施され、その水分を含んでいる水平方向のセルロース系不織ウエブ1の上部をマングルロール5で絞り、不織ウエブ1に含まれる水分量を、乾燥状態の不織ウエブ1に対して90質量%とした。そして、そのままの連続工程にて、反応性シクロデキストリン水溶液Aを、その含浸量が乾燥状態の不織ウエブ1に対して30質量%となるようにキスコータ6でセルロース系不織ウエブ1へ付与させた。次いで、乾燥装置10において135℃で乾燥させることで、反応性シクロデキストリンの付与量が1.0g/mであるセルロース系消臭不織布を得た。得られたセルロース系消臭不織布の諸性能を表1に示す。
Figure 2019077966
(実施例2)
反応性シクロデキストリン含有液Aに代えて、モノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリン(SKYWARD社製)の含有量が16.6質量%である反応性シクロデキストリン含有液Bを用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、反応性シクロデキストリンの付与量が1.5g/mであるセルロース系消臭不織布を得た。得られたセルロース系消臭不織布の諸性能を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同じ条件でセルロース系不織ウエブを得た。得られた不織ウエブ1に実施例1と同じ条件で高圧水流処理を行い、構成繊維が三次元的に交絡したセルロース系不織ウエブを得た。そして、前記高圧水流処理が施され、その水分を含んでいる水平方向のセルロース系不織ウエブの上部をマングルロールで絞り、135℃で乾燥させて、セルロース系不織布を得た。
次に反応性シクロデキストリンとしてのモノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリン(SKYWARD社製)の含有量が2.3質量%である反応性シクロデキストリン水溶液Cを用意した。
得られた乾燥状態の不織布にパディング方式で反応性シクロデキストリンを付与し、その付与量が1.0g/mであるセルロース系消臭不織布を得た。得られたセルロース系消臭不織布の諸性能を表1に示す。
表1に示すように、実施例1、2のセルロース系不織布は、比較例1のセルロース系不織布と同等に消臭性能を示した。その一方で、実施例1、2のセルロース系不織布は、比較例1のセルロース系不織布と比べて、反応性シクロデキストリンの付着状態が良好であり取扱い性に優れたものであった。

Claims (6)

  1. セルロース系繊維を構成繊維とするセルロース系不織ウエブまたはセルロース系不織布に水分を供給したうえで反応性シクロデキストリンを付与し、
    その後の乾燥工程において120℃から145℃で乾燥させることを特徴とするセルロース系消臭不織布の製造方法。
  2. セルロース系繊維を構成繊維とするセルロース系不織ウエブに高圧水流処理を施すことにより、前記不織ウエブの構成繊維同士を交絡させ、
    高圧水流処理による水分が残存している状態の不織ウエブに、反応性シクロデキストリンを付与することを特徴とする請求項1記載のセルロース系消臭不織布の製造方法。
  3. 反応性シクロデキストリンを付与するときの不織ウエブまたは不織布の水分量を、不織ウエブまたは不織布の質量に対し70質量%から120質量%とすることを特徴とする請求項1または2記載のセルロース系消臭不織布の製造方法。
  4. 反応性シクロデキストリンを不織ウエブまたは不織布に付与するに際し、水分を含まない不織ウエブまたは不織布の質量に対して20質量%から70質量%の割合の反応性シクロデキストリン含有液を前記不織ウエブまたは不織布に含浸させて、不織ウエブまたは不織布に対し反応性シクロデキストリンを0.5g/mから2.0g/mで付与することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のセルロース系消臭不織布の製造方法。
  5. 反応性シクロデキストリンとして、モノクロロトリアジニル−β−シクロデキストリンを用いることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載のセルロース系消臭不織布の製造方法。
  6. キスロールを用いて反応性シクロデキストリンを付与することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載のセルロース系消臭不織布の製造方法。
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