JP2019077583A - アンモニアの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】窒素と水素を触媒と接触させてアンモニアを製造する方法において、前記触媒が、窒素および水素と接触し得る、Tiを含むハイドライドを含有することを特徴とするアンモニアの製造方法。
【効果】本発明のアンモニアの製造方法において用いる触媒は、ルテニウム等の高価な金属を含まず、きわめて簡易な方法で製造できる。また本発明のアンモニアの製造方法は、窒素および水素を触媒と接触させるだけでアンモニアを製造することができる。このため、本発明のアンモニアの製造方法は、従来の製造方法よりも安価に、また簡易にアンモニアを製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アンモニアの製造方法に関し、詳しくは、金属水酸化物を触媒として用いたアンモニアの製造方法に関する。
代表的なアンモニア合成法であるハーバー・ボッシュ法は、Fe34に数質量%のAl23およびK2Oを含んだ二重促進鉄(doubly promoted iron)触媒を用い、この触媒に窒素と水素との混合気体を高温高圧条件で直接反応させ、アンモニアを製造する方法である。この技術は現在でも、ほぼ完成当時のままの製造工程で工業的に用いられている。
その一方において、ハーバー・ボッシュ法の反応温度よりも低い温度でアンモニアを合成する方法が検討されている。
例えば、窒素および水素と接触させることでアンモニアを合成することができる触媒として、遷移金属を活性成分とする触媒が検討されている。その一例として、特許文献1に、触媒化成成分としてルテニウム(Ru)を各種担体に担持させてアンモニア合成触媒として用いる方法が効率のよい方法として提案されている。また、特許文献2には、金属水素化物を担体として用い、この担体にルテニウム等の遷移金属を担持させてなる金属担持物をアンモニア合成触媒として用いる方法が開示されている。
一方、ルテニウム等の金属を用いないアンモニア合成触媒として、特許文献3に、チタン等の金属およびシクロペンタジニエル誘導体等の配位子を含む錯体からなる触媒が開示されている。
また、非特許文献1には遷移金属−LiH系触媒、非特許文献2には遷移金属−BaH2系触媒を用いた低温でのアンモニア合成方法が開示されている。
特開2006−231229号公報 国際公開WO2017/082265号 国際公開WO2014/080939号
Wang et al, Nature Chemistry, 2017, 9 ,64-70. Gao et al, ACS Catalysis 2017, 7, 3654-3661.
ハーバー・ボッシュ法は、高温高圧条件を必要とするので、装置面およびコスト面で負担が大きいという問題がある。
特許文献1および2に記載された、ルテニウム等を含む触媒を用いるアンモニア製造方法は、ルテニウム等は高価であるので、コスト面での負担が大きい。
特許文献3に記載された、錯体からなる触媒を用いるアンモニア製造方法は、該錯体が複雑な構造を有するので、触媒を製造するのが難しく、触媒の製造コストが高くなり、また触媒活性も実用上十分に高いとは言えないのが実情である。
また、非特許文献1および2に記載の触媒も、Co等の高価な金属を含有するので、触媒の製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、従来の製造方法よりも安価に、また簡易に実施することができるアンモニアの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、水素化チタンがアンモニア合成に対する高い触媒活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 窒素と水素を触媒と接触させてアンモニアを製造する方法において、
前記触媒が、窒素および水素と接触し得る、Tiを含むハイドライドを含有することを特徴とするアンモニアの製造方法。
[2] 前記Tiを含むハイドライドが、TiH2またはBaTiO2.50.5である、[1]に記載のアンモニアの製造方法。
[3] 前記触媒は、1m2/g以上の表面積を有する、[1]または[2]に記載のアンモニアの製造方法。
[4] 前記触媒は、2μm以下の径を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のアンモニアの製造方法。
[5] 窒素と水素とを前記触媒とを接触させる際の反応温度が、250℃以上、400℃以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のアンモニアの製造方法。
[6] 窒素と水素とを前記触媒とを接触させる際の反応圧力が、0.1MPa以上、300気圧以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載のアンモニアの製造方法。
本発明のアンモニアの製造方法において用いる触媒は、ルテニウム等の高価な金属を含まず、きわめて簡易な方法で製造できる。また本発明のアンモニアの製造方法は、窒素および水素を触媒と接触させるだけでアンモニアを製造することができる。このため、本発明のアンモニアの製造方法は、従来の製造方法よりも安価に、また簡易にアンモニアを製造することができる。
本発明のアンモニアの製造方法は、窒素および水素を触媒と接触させてアンモニアを製造する方法において、前記触媒が、窒素および水素と接触し得る、Tiを含むハイドライドを含有することを特徴とするアンモニアの製造方法である。
本発明のアンモニアの製造方法においては、Tiを含むハイドライド(以下、Ti含有ハイドライドともいう)を触媒として使用する。Ti含有ハイドライドとしては、例えばTiH2(水素化チタン、チタンハイドライド)を挙げることができる。Ti含有ハイドライドはTi以外の金属を含んでもよく、Ti以外の金属としては、Ba、V、Al等が挙げられる。また、Ti含有ハイドライドは、水素(H)以外に酸素(O)等を含んでいてもよい。Ti以外の金属を含むハイドライドとしては、例えばBaTiO3-xx(xは0<x<0.6を表す)を挙げることができ、具体的にはBaTiO2.50.5等を挙げることができる。
従来、水素化チタン(TiH2)のようなTi含有ハイドライドがアンモニア合成触媒として活性を有することは知られていなかった。本発明者は、水素化チタン等のTi含有ハイドライドがアンモニア合成触媒活性を有することを初めて見出し、本発明を完成するに至ったのである。
従来、水素化チタンがアンモニア合成触媒活性を有することが知られていなかった理由は、以下のようなことであると推測される。すなわち、水素化チタンはきわめて酸化されやすい性質を有するので、市販品などの材料としての水素化チタンは、通常その表面全体に酸化チタン層を有している。酸化チタンにアンモニア合成触媒活性はない。したがって、市販品の水素化チタン、あるいは実施者自らが合成した水素化チタンであっても合成から一定時間経過した後の水素化チタンは、その表面全体に、アンモニア合成触媒活性のない酸化チタン層を有している。このため、このような水素化チタンをアンモニア合成用の触媒として用いても、反応に供される窒素および酸素は、アンモニア合成触媒活性を有する水素化チタンには接触できず、アンモニア合成触媒活性のない酸化チタンにしか接触できないので、アンモニア合成反応は進行しない。このような事情から、従来、水素化チタンがアンモニア合成触媒活性を有することは知られていなかったものと考えられる。
本発明のアンモニアの製造方法において使用される触媒は、窒素および水素と接触し得るTi含有ハイドライドを含有する。このため、本発明のアンモニアの製造方法においては、窒素および水素が触媒活性を有するTi含有ハイドライドと接触することができ、アンモニア合成反応が進行する。
前述のとおり、市販品などの材料としての水素化チタンは通常その表面全体に酸化チタン層を有していて、その材料としての水素化チタンに含まれる水素化チタンは酸化チタン層に包まれた状態になっているので、その水素化チタンは、窒素および水素と接触できる水素化チタンではない。このため、材料としての従来の水素化チタンをそのままアンモニア合成反応に用いた場合、窒素および水素は触媒である水素化チタンには接触できず、表面層である酸化チタン層にしか接触できないので、アンモニア合成反応は進行しない。
本発明のアンモニアの製造方法において使用される触媒が、窒素および水素と接触し得るTi含有ハイドライドを含有するということは、実質的に該触媒が露出させた状態のTi含有ハイドライドを含むことを意味する。窒素および水素と接触し得るTi含有ハイドライドを含む触媒を得る方法としては、Ti含有ハイドライドを製造し、これを酸化されない環状下で保存して触媒とする方法、表面全体に酸化チタン層を有している材料としてのTi含有ハイドライドを砕き、あるいは粉砕して、内部のTi含有ハイドライドを露出させて触媒とする方法、表面全体に酸化チタン層を有している材料としてのTi含有ハイドライドから表面の酸化チタン層を除去して触媒とする方法などを挙げることができる。これらの中で、材料としてのTi含有ハイドライドを粉砕して触媒とする方法が最も簡便であり、また高い触媒活性が得られる点で好ましい。
材料としてのTi含有ハイドライドを粉砕する方法としては、特に制限はなく、ボールミル、ロッドミル、SAGミル、自生粉砕ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタミル、ジェットミルを用いた方法等の公知の粉砕方法を挙げることができる。
粉砕の程度は、実質的にアンモニア製造が可能である限り特に制限はなく、適宜決定することができるが、触媒の表面積が1m2/g以上になるように粉砕することが、高い触媒活性を得る上で好ましい。触媒の表面積は、より好ましくは1m2/g以上、さらに好ましくは10m2/g以上である。前記表面積の上限には特に制限はなく、現実的には15m2/g程度である。前記表面積は、N2吸着・BET法により測定された数値である。
前記触媒の粒子径は、高い触媒活性を得る観点から、好ましくは2μm以下、より好ましくは500nm以下である。前記粒子径は、上記N2吸着・BET法により測定された表面積に基づき、粒子を球形であると仮定して得られた数値である。
粉砕に供される材料としてのTi含有ハイドライドは、市販品でもよく、自ら製造してもよい。例えば、水素化チタンの製造方法としては、チタン粉末を高温(300〜700℃)でH2ガスに触れさせる方法がある。
上記の粉砕により得られた触媒は、粉砕直後はTi含有ハイドライドが露出された状態になっていて、窒素および水素がそのTi含有ハイドライドに接触できるが、時間が経過すると露出されていたTi含有ハイドライドの表面が酸化されて酸化チタンとなるので、Ti含有ハイドライドは窒素および水素と接触できない状態になる。このため、粉砕により得られた触媒は、酸化されない雰囲気、例えば、N2雰囲気、N2−Ar雰囲気などで保存することが好ましい。
本発明のアンモニアの製造方法において使用される触媒は、窒素および水素と接触し得るTi含有ハイドライドを含んでいればよく、触媒活性が発現される限り、Ti含有ハイドライド以外の成分を含んでいてもよい。例えば、上記のように市販品であるハイドライドを粉砕して得られた触媒は、市販品であるハイドライドが表面に酸化チタンを有することから、Ti含有ハイドライド以外に酸化チタンを含有する。ただし、前記触媒は、Ti含有ハイドライドの含有比率が高いほど好ましい。
本発明のアンモニアの製造方法で使用される触媒においては、Ti含有ハイドライドが触媒活性成分となる。これに対し、特許文献2に開示された、金属水素化物を担体として用い、この担体にルテニウム等の遷移金属を担持させてなるアンモニア合成触媒においては、ルテニウム等の遷移金属が触媒活性成分であり、金属水素化物は触媒活性成分ではなく、単なる担体あるいは助触媒として機能する。本発明で使用される触媒は、金属水素化物を含む点で特許文献2に開示された触媒と共通するが、金属水素化物の機能はまったく異なり、また反応メカニズムもまったく異なると考えられる。
なお、前記触媒にルテニウム等の遷移金属を担持させて得られる金属担持物をアンモニア合成触媒として用いることも可能であるが、ルテニウム等は高価であるのでコスト高になり、また一般的に前記触媒にルテニウム等の遷移金属を担持させるとアンモニア合成触媒活性が低下する傾向がある。
上記のとおり、本発明のアンモニアの製造方法で使用される触媒は、市販品等のTi含有ハイドライドに粉砕などを施すだけで調製することができるので、きわめて簡易に、かつ安価に製造することができる。
本発明のアンモニアの製造方法においては、窒素および水素を前記触媒に接触させてアンモニアを製造する。
窒素および水素を前記触媒に接触させる方法は、特に制限されず、適宜既知のアンモニアの製造方法に準じた方法を採用することができる。本発明のアンモニアの製造方法では、通常、窒素および水素を前記触媒に接触させる際に触媒を加熱する。
窒素および水素を前記触媒に接触させるときの反応温度は、好ましくは250℃以上、400℃以下である。アンモニア合成反応は発熱反応であるので、低温領域で反応を行う方が化学平衡論的にアンモニア生成に有利であるが、十分なアンモニア生成速度を得るには上記の温度領域で反応を行うことが好ましい。
窒素および水素を前記触媒に接触させるときの反応圧力は、窒素および水素を含む混合ガスの圧力として、好ましくは0.1MPa以上、30MPa以下である。実用的な実施を考慮すると、大気圧以上の加圧条件で接触させることが好ましい。
窒素および水素を前記触媒に接触させるに際して、その接触の前に、前記触媒に付着する水分や酸化物を、水素ガスを用いる方法などにより除去することが好ましい。除去の方法としては、還元処理が挙げられる。
より良好なアンモニア収率を得るためには、窒素および水素中の水分含有量が少ないことが好ましい。
窒素および水素を前記触媒に接触させるのに用いる反応容器の形式には特に制限はなく、アンモニア合成反応に通常用いられる反応容器を用いることができる。具体的な反応形式としては、バッチ式反応形式、閉鎖循環系反応形式、流通系反応形式等を挙げることができる。このうち実用的な観点からは、流通系反応形式が好ましい。また、触媒を充填した一種類の反応器を用いる態様、複数の反応器を連結させる態様、一つの反応器内に複数の反応層を有する態様等を採用することもできる。
窒素および水素からアンモニアを合成する反応は、体積収縮を伴う発熱反応であるので、アンモニア収率を上げるために、工業的には反応熱を除去することが好ましい。このため、通常用いられる除熱手段を備えた既知の反応装置を用いてもよい。例えば、触媒が充填された反応器を直列に複数個連結し、各反応器の出口にインタークーラーを設置して除熱する方法を採用することができる。
本発明の製造方法においては、前述の触媒を単独で用いることも、アンモニア合成に通常用いることができる他の公知の触媒と組み合わせて用いることもできる。
上記のとおり、本発明のアンモニアの製造方法で使用される触媒は、きわめて簡易に、かつ安価に製造することができ、また、この触媒の下でのアンモニア合成反応も既存の反応条件に準じて行うことができるので、本発明のアンモニアの製造方法は、きわめて簡易に、かつ安価にアンモニアを製造することができる。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
(BET比表面積測定)
以下の実施例及び比較例のBET比表面積の測定は、対象物の表面に液体窒素温度で窒素ガスを吸着させ、単分子層吸着した窒素の量を測定した。分析条件は以下の通りである。
[測定条件]
装置:マイクロトラックベル社製 BELSORP−mini II
吸着ガス:窒素 99.999体積%
吸着温度:液体窒素温度 −196℃
(実施例1)
市販の水素化チタン(TiH2、シグマ・アルドリッチ社製、粉末325メッシュ)5gを、20gのジルコニアボールと共に窒素ガスで充填したジルコニア製ポットに入れ、遊星型ボールミル(フリッチ社製P−5)を用いて、240rpmにて12時間粉砕した。粉砕後の水素化チタンのBET比表面積を前記の方法で測定した。BET比表面積は10m2/gであった。粉砕後の水素化チタンは、常に窒素雰囲気下で取り扱った。
粉砕処理後の水素化チタンを触媒として用いて、以下の手順でアンモニア合成反応を検討した。
粉砕処理後の水素化チタン0.1gを、石英ウール上に支持し、外径9.52mm(3/8インチ)のステンレス管を用いた反応管に詰めた。前記触媒に対して、H2ガス(90mL/min)を400℃にて2時間流通した。(以下、前処理という)
次に高純度窒素、水素及び内部標準用のアルゴンとの混合ガス(N2:H2:Ar=22.5:67.5:10(体積比)))を、前記反応管に流通速度110ml/minで流通した。このときの反応温度は400℃、反応圧力は5MPaであった。
前記混合ガスを前記触媒に接触させて生成したアンモニアは水トラップで捕集し、アンモニア選択電極(堀場製作所製、X5002A)で定量した。
得られたアンモニア生成量は、触媒質量あたりに換算すると、2.8mmol・g・h-1であった。
<速度論実験(活性化エネルギー及び反応次数測定)>
触媒の活性化エネルギー は、5MPaのもと、温度を325?C から400?Cの間に変化させて求めた。
その結果、活性化エネルギーはTiH2においては71kJ/molであり、BaTiO2.50.5においては80kJ/molであった。
反応次数は5MPa、400?Cにおいて、ガス混合比や流速を変えて反応次数を求めた。N2に対する反応次数を求める際は、N2:H2:Arの体積ガス混合比が、10:50:40、16.7:50:33.3、25:50:25、及び 33.3:50:16.7の異なる混合比の混合ガスを用いて反応次数を求めた。H2に対する反応次数を求める際は、窒素と同様に体積ガス混合比が、16.7:33.3:50、16.7:50:33.3、16.7:66.7:16.7 及び16.7:83.3:0の混合ガスを用いて反応次数を求めた。NH3に対する反応次数を求める際は、体積ガス混合比を22.5:67.5:10に固定し、流速を50 mL/min、 110 mL/min、 150 mL/min、および200 mL/minと変化させ、反応次数を求めた。
その結果、N2、H2、NH3 に関する反応次数はTiH2においては0.5、1.1、−1.9であり、BaTiO2.50.5においては0.84、0.53、−1.2であった。
(比較例1)
前記水素化チタンの代わりに、水素化カルシウム(CaH2、シグマ・アルドリッチ社製、粉末)5gを用いた以外は実施例1と同様に水素化カルシウムの粉砕処理を行った。
粉砕した水素化カルシウムを触媒として用いて、実施例1と同様にアンモニア合成反応を検討した。
得られたアンモニア生成量は、触媒質量あたりに換算すると、0.0mmol・g・
-1であった。
(比較例2)
前記水素化チタンの代わりに、酸化チタン(TiO2、シグマ・アルドリッチ社製、粉末)5gを用いた以外は実施例1と同様に酸化チタンの粉砕処理を行った。
粉砕した酸化チタンを触媒として用いて、実施例1と同様にアンモニア合成反応を検討した。
得られたアンモニア生成量は、触媒質量あたりに換算すると、0.0mmol・g・
-1であった。
(比較例3)
前記水素化チタンの代わりに、三酸化二チタン(Ti23、シグマ・アルドリッチ社製、粉末)5gを用いた以外は実施例1と同様に粉砕処理を行った。
粉砕した三酸化二チタンを触媒として用いて、実施例1と同様にアンモニア合成反応を検討した。
得られたアンモニア生成量は、触媒質量あたりに換算すると、0.0mmol・g・
-1であった。
(実施例2)(BaTiO2.50.5触媒調製)
市販のBaTiO3試薬(堺化学社製、粒子径100nm)を、窒素充填グローブボックスの中で3倍モル等量の水素化カルシウムと混合し、1.5gのペレットに成型した。前記ペレットをガラス製アンプールに真空封管した後、560?Cで1週間加熱した。その後、前記アンプールの内容物を大気中で取り出し、二つに分け、それぞれをNH4Cl/メタノール溶液(0.1M、300mL)で洗浄し、未反応のCaH2、および副生成物のCaOを除去した。洗浄後、固形物を濾別し、100℃にて減圧乾燥することによりBaTiO2.50.5を得た。
前記BaTiO2.50.5を触媒として用いて、実施例1と同様にアンモニア合成反応を検討した。
得られたアンモニア生成量は、触媒質量あたりに換算すると、1.4mmol・g・
-1であった。
(比較例4)
酸化マグネシウムにRu及びCsを共担持して得られる触媒Cs−Ru/MgOを、Rosowski, F.; et al. App. Cat. A. Gen., 1997,151(2), 443-460に記載の方法に準拠して、調製した。ICP−AESによる測定の結果、担持されたRu量は、0.85質量%であった。
前記Cs−Ru/MgOを触媒として用いて、実施例1と同様にアンモニア合成反応を検討した。
得られたアンモニア生成量は、触媒質量あたりに換算すると、2.7mmol・g・
-1であった。
本発明のアンモニアの製造方法は、きわめて簡易に、かつ安価にアンモニアを製造することができるので、工業的に幅広く利用されることが期待できる。

Claims (6)

  1. 窒素と水素を触媒と接触させてアンモニアを製造する方法において、
    前記触媒が、窒素および水素と接触し得る、Tiを含むハイドライドを含有することを特徴とするアンモニアの製造方法。
  2. 前記Tiを含むハイドライドが、TiH2またはBaTiO2.50.5である、請求項1に記載のアンモニアの製造方法。
  3. 前記触媒は、1m2/g以上の表面積を有する、請求項1または2に記載のアンモニアの製造方法。
  4. 前記触媒は、2μm以下の径を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンモニアの製造方法。
  5. 窒素と水素とを前記触媒とを接触させる際の反応温度が、250℃以上、400℃以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンモニアの製造方法。
  6. 窒素と水素とを前記触媒とを接触させる際の反応圧力が、0.1MPa以上、30MPa以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンモニアの製造方法。
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