JP2019077495A - 包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り付けたポンプディスペンサーが、ノズルヘッドを押圧によって、確実に内容物を注出可能とする包装容器を得る。【解決手段】剛性を有する容器本体(1)と、容器本体の上部に取り付けられるポンプディスペンサー(2)とから構成されており、ポンプディスペンサーは、ポンプ部(20)および支持部材(24)から構成され、ポンプ部の上部には下方へ向かって押し下げることにより内容液を注出可能なノズルヘッド(21)を備え、容器本体の内部に配置され、該ポンプ部から下方に延伸し容器本体下部に到達する支持部材を備え、該支持部材下部からは、内容液の吸引、ポンプ部への送り出しが可能であって、該支持部材が当接する底面板(16)は、ポンプ押圧の圧を底面板下方で受圧可能とする段差付受圧部(161)を有することを特徴とする包装容器。【選択図】図1

Description

本発明は、主として、お酒、ジュース、乳酸飲料などの食品や、シャンプー、ボディソープ、住宅洗剤、液体肥料などの非食品などの液体を収納し、容器に設けたポンプディスペンサーで内容物を注出可能とする、包装容器に関する。
従来、包装容器で、上方にポンプディスペンサーを取り付けようとすると、多くの問題が発生する。
例えば、包装容器が紙容器のような箱型の容器であって、天面側は、通常に使用されている切妻型屋根形のゲーベルトップ形状であると、ポンプディスペンサーを垂直に下方へ向けるには、傾斜させたフランジを用い、取り付け角度を合わせることが必要で、非常に煩雑であった。
天板側がフラットトップ形状であると、単純な形状のポンプディスペンサーのフランジを用いることができる。しかし、天面板の半分以下の非常に狭い範囲で固定する必要があり、小さなフランジを使用することになるので、ポンプディスペンサーの取り付け部の天板に力が無理に掛かり、変形しやすいなどの問題もあった。
特に天板側がフラットトップ形状であっても、ゲーベルトップであっても、ポンプディスペンサーで上端のノズルヘッドを押圧する圧力は大きく、紙容器のトップ面に直接圧が掛かるような構造はむずかしかった。
そこで、ポンプディスペンサーの支持部材先端が底面に当接して、底面板で圧を受ける方法が考えられた。
例えば、特許文献1では、平坦な面に置いて、ノズルヘッドを加圧し押圧を繰り返すことにより、容器内の液体をポンプに吸い込み、かつノズルから吐出する構造を有する液体用ポンプディスペンサーにおいて、その吸引ホースに硬質の材料を使用して、なおかつその長さをポンプディスペンサーの下端から容器の底面までの距離とほぼ一致させ、内容物を取り出す為にポンプディスペンサーが押された時、その力を容器の側面を通じてではなく、吸引ホースを通じて容器の底面で受ける様にし、容器の圧縮、破壊を防止できる様にしたポンプディスペンサーを提案している。
このポンプディスペンサーでは、ノズルヘッドに掛ける圧力を、硬質の吸引ホースで受け、吸引ホース先端は、紙容器の底面で受け、容器の置かれたテーブル等に圧力を伝える為、トップ面板の変形は無い。
しかし、内容物は、シャンプー、ボディソープ、住宅洗剤などの粘性のある内容物が収納されている場合が多い。このような内容物は、容器の底面板と吸引ホース先端との摩擦力は非常に低い。
この為、吸引ホース先端が平らな底面板に当接し、圧力を掛けると、わずかな垂直線からのズレであっても、吸引ホース先端は滑って、横方向にずれていってしまい、ノズルヘッドをしっかり押圧できず、ポンプを確実に作動させることができなかった。吸引ホース先端が横に滑り、底面板で受圧できないと、上面板に圧力が掛かって容器の上部が座屈したり、変形したりして、注出できない事態が発生する。
吸引ホール先端の径を大きくした例も考えられるが、ポンプディスペンサーの高さが余程低くないと、対策にはならず、確実に吸引ホース先端に圧力を加えることができないといった問題があった。
特開平8−85561号公報
そこで、取り付けたポンプディスペンサーが、ノズルヘッドを押圧によって、確実に内容物を注出可能とする包装容器とすることが、本発明の課題である。
本発明は、内部と外部との気圧差がなくても、内容液の残存量によらず形状を維持できる程度の剛性を有する容器本体と、
該容器本体に、該容器本体の上部に形成された貫通孔に挿入されて取り付けられるポンプディスペンサーとから構成されており、
該ポンプディスペンサーは、ポンプ部および支持部材から構成されており、
該ポンプ部の上部には鉛直方向下方へ向かって押し下げることにより、内容液のくみ出しが可能なポンプヘッドと、それに接続するピストン、およびシリンダ部を備えており、
該ポンプディスペンサーが、該容器本体に取り付けられた状態において、該容器本体の内部に配置され、該ポンプ部から下方に延伸し、容器本体下部に到達する、支持部材を備え、
該支持部材下部からは、内容液の吸引、ポンプ部への送り出しが可能であって、
該支持部材が当接する底面板は、ポンプ押圧の圧を底面板下方で受圧可能とする段差付受圧部を有することを特徴とする包装容器である。
本発明の包装容器は、容器下端の底面板に、ポンプディスペンサーの支持部材先端が当接し、ポンプ押圧の圧を底面板下方で受圧可能とする段差付受圧部を有している。この段差付受圧部によって、ノズルヘッドが押圧された時、その圧力は、容器天面板には掛からず、底面板に圧力が掛かると共に、支持部材先端が段差付受圧部によって位置がずれないで、確実に底面板に圧を伝えるので、安定してポンプディスペンサーから内容物を注出可能となる。
本発明の包装容器の第1実施形態例を示す縦断面図である。 本発明の包装容器で、第1実施形態例における紙容器本体の展開図と、その外観を示す斜視図である。 本発明の包装容器の他の実施形態例における支持部材先端が当接する容器を示す断面図である。 本発明の包装容器で、支持部材先端が当接する容器の各種実施例と比較例を示す断面図である。 本発明の包装容器に使用する注出口と、ポンプディスペンサーの外観を示す斜視図である。 ポンプディスペンサーのノズルヘッドを押圧して内容物を注出する工程と、ノズルヘッドが上昇し、内容物をポンプ筒内に吸引する工程を示す縦断面図である。 従来技術の包装容器で、ポンプディスペンサーのノズルヘッドを押圧し、支持部材先端が底面板上を滑った状況を示す断面図である。
以下、本発明の包装容器の実施の形態例について、図を用いて詳細に説明する。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は、本発明の包装容器で、6面体の箱型形状であり、紙を基材とする容器であって、
第1実施形態例を示す縦断面図である。この容器本体1は、内部と外部との気圧差がなくても、内容液の残存量によらず形状を維持できる程度の剛性を有する、セミリジッドな容器である。
この第1実施形態例の容器本体1は紙を基材とし、少なくとも内面に熱可塑性樹脂からなるシーラント層を有す積層シートを使用した箱型からなる包装容器の実施形態例である。包装容器上端の上面板11には、図5−1に示すようなフランジ1113を有する注出口111を介して、ポンプディスペンサー2を取り付け可能になっている。注出口111には、ポンプディスペンサーの支持部材やポンプ部のポンプ筒を通す注出孔1110や、ポンプディスペンサーのキャップと螺合して止める雄ネジ部1112、ポンプ筒のフランジをキャップと共に固定する注出筒1111を有している。
また、包装容器本体1の底面板13が内側に突き出した段差を有し、ポンプディスペンサー2の内側先端となる支持部材先端240が当接する段差付受圧部161となっている。
図5−2に、ポンプディスペンサー2の斜視図を示す。
ポンプディスペンサー2は、ポンプ部20と支持部材24とからなり、ポンプ部20は上から順に、ノズルヘッド21、キャップ22、ポンプ筒23、により構成されている。
ノズルヘッド21には、押し易い一定の面積を持つヘッド部211と、細い筒状の注出ノズル212と、があって、下方のポンプ筒23に内部で連通している。
キャップ22は、ポンプ筒23の外側にあって、ポンプディスペンサー2を注出口に固定させる。内側に雌ネジがあって、注出口111に螺合し、外側には、回転させ易いように、ローレットを付けて、強い力で螺合可能としている。
ポンプ筒23は、上方に上弁、下方に逆止弁があり、上弁と逆止弁との間にコイルスプリングが内蔵し、その間を内容物で満たして使用される。
支持部材24は、下方に伸びる硬質の筒で、下方の一部に切り欠き241を設け、支持部材先端240が容器本体底面板に当接しても、吸引通路が閉鎖しないようにしておくことが望ましい。また、下端近傍のみ、径を大きくしておくと、吸引性も、安定性も良く、上下で径の異なった筒を嵌め合わしたような支持部材であってもかまわない。
内容物5を注出する時には、図6−1の縦断面図に示すように、ポンプディスペンサー2先端のノズルヘッド21を押圧し、ノズルヘッド21を下方に押して沈み込ませる。この時、ポンプ筒23内部のスプリング25を圧縮し、ポンプ筒23内部の上弁26を同時に下方に移動させるが、下方の逆止弁27が閉じているので、先にポンプ筒23内部に入っていた内容物5が、ノズルヘッド21先端から注出される。
この時、ノズルヘッド21を押圧することによって内容物を注出するので、スプリングに抗してノズルヘッド21を押し下げる押圧は大きく、それを注出口111のフランジで受け、さらに、その圧を上面板で受ける場合には、上面板が大きく変形してしまうので、本発明では、底面板13で、ノズルヘッド21の押圧を受ける。
ノズルヘッド21の押圧を止め、ノズルヘッド21から手を離すと、図6−2の縦断面図に示すように、ポンプ部20内部では、スプリング25によって、ノズルヘッド21は上方に移動する。この時、下方に移動していた上弁26も閉じて上方に移動し、ポンプ内部が陰圧になるので、下方の逆止弁27が開いて、支持部材24を通して、容器内部の内容物5を吸い込み、ポンプ筒23内部に充填される。
図2−1は、本発明の包装容器で、第1実施形態例における紙容器本体1を形成するブランク10の展開図である。
この紙容器本体のブランク10は、紙を基材とし、内面、外面に熱可塑性樹脂からなるシーラント層を有す積層シートからなる。もちろん、内側には内容物の劣化を防止するバリア層や、エンボス加工で破断しにくいよう、ポリアミド層などの伸びやすい層を設けることが望ましい。
融着する面を、表側、裏側を異なる傾斜角度の斜線によって示した。
第1実施形態例のブランク10は、右中央に上面板11があって、罫線を介し、上面板11の周囲に上前面板12、上後面板14、上左板15が繋がっていて、上右板13は融着面板を介して上面板11に繋がり、かつ、それぞれの側面板に融着面板が繋がっている。
右中央には底面板16があって、その周囲に下前面板121、下右板131、下後面板141、下左板151が繋がり、かつ、それぞれの側面板にも融着面板が繋がっている。
側板の周囲は上面側と底面側とは、それぞれの融着面板によって融着してから折り込まれる。
上面板11や上前面板12、上後面板14と融着する左端部の融着面板は、一部を一旦外側に折り畳んで端面処理し、基材端部が内側に露出しないようにすることが望ましい。
底面板16は、エンボス加工によって、段差付き受圧部161周囲を容器の内側に突出させるよう成形しておく。
第1実施形態例の液体用紙容器本体の形状をつくるには、先に、ブランク10の上面板11中央に開口孔110をプレスして開口する。その開口孔110に注出口111を内側から挿入し、注出口111のフランジを開口孔112内側周縁のシーラントに融着しておく。
開口孔110を開口する時に、底面板16に段差付受圧部161周縁の段差を熱圧プレス等で成形すると良い。
次に、ブランク10の側板の周囲は上面側と底面側とは、それぞれの融着面板によって融着する。すなわち、左端部の融着面板は、一部を一旦外側に折り畳んで端面処理し、基材端部が内側に露出しないようにし、これを上面板11や、上前面板12、上後面板14と融着し、一旦筒状にする。
さらに、上面板11と底面板16との内面が向かい合うように折り畳み、上前面板12と下前面板121、上右板13と下右板131、上後面板14と下後面板141、上左板15と下左板151、それぞれに繋がる融着面板等を融着し、下方に折り曲げる。
この時、側面板の角になる上左前折込板152と下左前折込板154、上右前折込板132と下右前折込板134、上左後折込板153と下左後折込板151、上右後折込板133と下右後折込板131、が、重ね合わせて融着し、さらに側面板に融着、固定する。
このことによって、断面が四角形の箱形状とすることができる。
このようにして、融着しながら折り込まれた包装容器本体1は、注出口にポンプディスペンサーを螺合して取り付ける。
図2−2は、本発明の包装容器の第1実施形態例における包装容器の外観を示す斜視図である。
包装容器は、容器本体1にポンプディスペンサー2が取り付けられている。この図では、上面板11の中央にポンプディスペンサー2が取り付けられているが、ノズル先端が、紙容器の天面板11よりも外側に出すよう、片寄せた位置にずらしても良い。その場合は、底面板13の段差付き受圧部の位置もずらす必要がある。
図3−1は、底面板13の段差付受圧部131の別の実施形態例で、支持部材先端240の当接部中央に、支持部材先端240の内径よりやや小さな外径のエンボス突起1311を突出させるよう成形した段差付受圧部131の例である。
この時、図のように、支持部材先端240の内径角を立てると好ましい。
図3−2は、底面板13の段差付受圧部131の別の実施形態例で、支持部材先端240の当接部周囲に、プラスチックの位置決め突起成形品を融着した段差付受圧部131の例である。
射出成形品でも良いが、圧縮成形品やプレス品、真空成形等の部材であってもかまわないし、ホットメルト材を成形した部材であってもかまわない。
材質としては、内層のシーラントと融着可能な熱可塑性樹脂が好ましい。
本発明の包装容器に使用するブランクの積層シートの構成は、最外面と最内面に熱可塑性樹脂を用い、基材として、紙を使用したものでもかまわないが、内容物の保存性能を高めるように、層構成中にバリア層を加え、ポリエチレンテレフタレート層、または、酸化珪素やアルミニウムなどの蒸着層を持つポリエチレンテレフタレートフィルムを含有する層を有する構成や、そのポリエチレンテレフタレート層の内側にシーラント層を設けている構成であってもよい。
また、エンボス加工で、高圧のプレスを行なう為、そのエンボス加工によってフィルム層が破断しにくいように、ポリアミド樹脂層などを層間に加える構成であっても良い。
すなわち、一般的な積層シートの構成例としては、表側からインキ層/表シーラント層/紙基材層/サンドポリオレフィン系樹脂層/バリア層/接着剤層/裏シーラント層のような構成が考えられる。
ここで、表シーラント層は、(高圧法)低密度ポリエチレン、又は直鎖状低密度ポリエチレンで、紙基材層に対し、Tダイ押出し機の押出し加工により溶融樹脂を押し出しながら貼り合せる。
表シーラント層の表面をコロナ放電処理して、表側に印刷してインキ層を形成する。
紙基材層は、坪量200〜500g/m、密度0.6〜1.1g/cmの範囲の紙を使用する。
サンドポリオレフィン系樹脂層は、紙基材層とバリア層の間にTダイ押出し機の溶融樹脂を押し出しながら貼り合せる。
貼り合せるサンドポリオレフィン系樹脂は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、(高圧法)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマーなどの樹脂が使用できる。厚みは10〜60μmとする。
紙基材やバリア層フィルムに、コロナ放電処理、オゾン処理、アンカーコートなどの前処理を行なって、接着強度を高めて貼り合せてもよい。
バリア層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムに酸化金属を5〜100nm蒸着したバリアフィルムが使用できる。酸化金属としては、酸化アルミニウム、酸化珪素などが使用でき、フィルムは6〜25μmのものが使用しやすい。
その他、上記フィルムに、アルミニウム蒸着したフィルムや、アルミニウム箔を貼り合せたフィルムであっても良い。アルミニウム箔の場合、5〜15μmのものが使用しやすい。
バリア層と裏シーラント層を接着する接着剤は、ドライラミネート用接着剤や、ノンソルベント系ラミネート用接着剤を0.5〜7.0g/mの塗工により、ドライラミネート機で貼り合せできる。接着剤の代わりに、上記サンドポリオレフィン系樹脂を使用し、Tダイ押出機で成膜しながら貼り合せてもかまわない。
裏シーラント層は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、(高圧法)低密度ポリエチレン、が使用できる。成形はTダイ押出機や、インフレーション機を用い、押出し成形し、厚みは30〜100μmがよい。
注出口の材質は、耐ストレスクラッキング性も高く、内容物からの影響を受けにくい材料で、かつ、剛性が適度にあり、裏シーラント層に融着しやすい事が必要である。
また、挿嵌性から、ポンプディスペンサーに使用するキャップとは材質を変えることが好ましい。
注出口に使用可能な材料は、高圧法の低密度ポリエチレンの他、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度と高密度ポリエチレンの混合樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体を上記に添加、混合した樹脂などである。その中でも、直鎖状の低密度ポリエチレンが好ましい。以上の注出口の材料は、射出成形で成形される。
図4に、実施例や比較例として評価した、底面板における段差付受圧部の縦断面図を示した。
<実施例1>
包装容器を紙容器とし、容器本体として、図2−1に示すブランクを使用し、縦100mm、横100mm、高さ120mmの包装容器本体を作成した。
ブランクの構成は、表側からインキ層/表シーラント層/紙基材層/サンドポリオレフィン系樹脂層/バリア層/接着剤層/裏シーラント層で、
紙基材層として、坪量400g/m、密度0.97g/cmを使用。
表シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレンを、Tダイ押出し機の押出し加工により溶融樹脂を押し出しながら紙基材層に貼り合せた。
バリア層は、厚さ18μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、酸化珪素を80nm蒸着したバリアフィルムが使用。
サンドポリオレフィン系樹脂層は、紙基材層とバリア層の間にTダイ押出し機の溶融直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を18μmで押し出しながら貼り合せた。
裏シーラント層は、厚さ50μmのインフレーション機で押し出した直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを使用し、12μmで押出した低密度ポリエチレン樹脂をサンドポリエチレンとしてTダイから押出して貼り合せ、ブランクの積層シートを得た。
ブランクは、これをビク刃で図2−1の形状に抜き、注出口を融着した後、折り線に沿って折り曲げて融着、成形し、図2−2に使用した容器本体を作成した。
段差付受圧部131は、図4−1の形状で、ビク刃でブランクを製造する前に、熱プレス機で、段差付受圧部131の範囲を押し潰し加工した。
内容物としてボディシャンプー800mlを注出口より充填し、図5−2で示したポンプディスペンサーを注出口に螺嵌し、実施例1の包装容器とした。
<実施例2>
包装容器を紙容器とし、容器本体の底面板13における段差付受圧部131を、図4−2の形状で、ビク刃でブランクを製造する前に、熱プレス機で、段差付受圧部131周縁が高くなるように、浮き上げ加工した。
その他は、実施例1と同様に製造し、ボディシャンプー800mlを注出口より充填し、図5−2で示したポンプディスペンサーを注出口に螺嵌し、実施例2の包装容器とした。
<実施例3>
包装容器を紙容器とし、容器本体の底面板13内面における段差付受圧部131を、図4−3の形状で、ビク刃でブランクを製造する前に、熱プレス機で、段差付受圧部131範囲が周縁に比べ低くなるように、浮き下げ加工した。
その他は、実施例1と同様に製造し、ボディシャンプー800mlを注出口より充填し、図5−2で示したポンプディスペンサーを注出口に螺嵌し、実施例3の包装容器とした。
<比較例1>
包装容器を紙容器とし、容器本体の底面板13における支持部材先端240が当接する受圧面を、図4−4のように平坦のまま、加工しなかった。
その他は、実施例1と同様に製造し、ボディシャンプー800mlを注出口より充填し、図5−2で示したポンプディスペンサーを注出口に螺嵌し、比較例1の包装容器とした。
<評価方法>
ボディシャンプー800ミリリットルを充填した包装容器を各種実施例、比較例共、それぞれ10個ずつ作成し、男女5人ずつ、10人で評価した。
それぞれの包装容器について、1個ずつ、水平なテーブルの上に置き、ポンプディスペンサーのポンプヘッドを確実に一番下まで押して内容物を注出し、5秒間待って、確実にポンプヘッドが最上位置に戻してから、再度、次の押しを行なう、という手順で、内容物のボディシャンプーを、20回ずつ、注出作業を行なった。
内容物のボディシャンプーを注出した時、ポンプディスペンサーが確実に垂直な状態を保持し、ポンプヘッドを押す力が、注出に寄与できるか、注出評価を行った。
それぞれ、問題がなく、良好な注出ができたと判断した人の数で、評価した。
<包装容器注出評価試験結果>
実施例1、実施例2、実施例3共、内容物を押し出す時に、ポンプディスペンサーが傾くなどの問題はなく、良好な注出ができた。
しかし、比較例1では、内容物を押し出す時に、図7のように、容器の底面部で、支持部材先端が滑って、天面板が変形してしまうなどの問題が発生し、良好だと判断した人は、10人中わずか一人だけだった。
以上の結果から、比較例1に比べ、本発明の包装容器では、底面板に段差付受圧部を加工することによって、ポンプディスペンサーを押圧する力を、確実に底面板で受けることができるので、安定して注出可能になることが確認された。
本発明の包装容器は、以上のようなもので、ポンプディスペンサーの支持部材を強度の高い硬質のチューブを使用し、容器下端の底面板に、ポンプディスペンサーの支持部材先端を当接させ、かつ、ポンプ押圧の圧を底面板下方で受圧可能とする段差付受圧部を有している。
この段差付受圧部によって、内容物を注出する時に、ノズルヘッドが押圧するが、その圧力は、包装容器天面板には掛からず、底面板に圧力が掛かる。この時、支持部材先端が段差付受圧部によって位置がずれないで、確実に底面板に圧を伝えるので、安定してポンプディスペンサーから内容物を注出可能となる。
その分、使用する包装容器の素材の剛性を上げる必要も無い。
しかも、包装容器を紙容器とした場合、ブランクを成型機で製造する時に、合わせて底面板部分にエンボス加工を加えるだけで済むので、価格もほとんど上昇せず、通常の汎用機を使用して製造でき、低価格で、量産性も高いなど、本発明の包装容器のメリットは大きい。
1・・・・・・・・・容器本体
10・・・・・・・・ブランク
11・・・・・・・・上面板
110・・・・・・・開口孔
111・・・・・・・注出口
1110・・・・・・注出孔
1111・・・・・・注出筒
1112・・・・・・雄ネジ部
1113・・・・・・フランジ
12・・・・・・・・上前面板
121・・・・・・・下前面板
13・・・・・・・・上右板
131・・・・・・・下右板
132・・・・・・・上右前折込板
133・・・・・・・上右後折込板
134・・・・・・・下右前折込板
135・・・・・・・下右後折込板
14・・・・・・・・上後面板
15・・・・・・・・上左板
151・・・・・・・下左板
152・・・・・・・上左前折込板
153・・・・・・・上左後折込板
154・・・・・・・下左前折込板
155・・・・・・・下左後折込板
16・・・・・・・・底面板
160・・・・・・・窪み
161・・・・・・・段差付受圧部
1611・・・・・・エンボス突起
2・・・・・・・・・ポンプディスペンサー
20・・・・・・・・ポンプ部
21・・・・・・・・ノズルヘッド
211・・・・・・・ヘッド部
212・・・・・・・注出ノズル
22・・・・・・・・キャップ
23・・・・・・・・ポンプ筒
24・・・・・・・・支持部材(吸引チューブ)
240・・・・・・・支持部材先端
241・・・・・・・切り欠き
25・・・・・・・・スプリング
26・・・・・・・・上弁
27・・・・・・・・逆止弁
5・・・・・・・・・内容物

Claims (6)

  1. 内部と外部との気圧差がなくても、内容液の残存量によらず形状を維持できる程度の剛性を有する容器本体と、
    該容器本体に、該容器本体の上部に形成された貫通孔に挿入されて取り付けられるポンプディスペンサーとから構成されており、
    該ポンプディスペンサーは、ポンプ部および支持部材から構成されており、
    該ポンプ部の上部には鉛直方向下方へ向かって押し下げることにより、内容液のくみ出しが可能なポンプヘッドと、それに接続するピストン、およびシリンダ部を備えており、
    該ポンプディスペンサーが、該容器本体に取り付けられた状態において、該容器本体の内部に配置され、該ポンプ部から下方に延伸し、容器本体下部に到達する、支持部材を備え、
    該支持部材下部からは、内容液の吸引、ポンプ部への送り出しが可能であって、
    該支持部材が当接する底面板は、ポンプ押圧の圧を底面板下方で受圧可能とする段差付受圧部を有することを特徴とする包装容器。
  2. ポンプディスペンサーの吸引チューブ先端が、周囲に切り欠きのある筒形状を有することを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
  3. 底面板の段差付受圧部の外側周縁に、凸の段差を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装容器。
  4. 底面板の段差付受圧部中心部に、受圧部周縁に対し凸の段差を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装容器。
  5. 底面板の段差付受圧部の段差が、容器を構成する素材に対し、浮き上げ、浮き下げ、押し潰しなどのエンボスで形成される段差であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装容器。
  6. 底面板の段差付受圧部の段差が、容器の内面に融着した受け部材で形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装容器。
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